JPH10267438A - 冷凍サイクル - Google Patents

冷凍サイクル

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JPH10267438A
JPH10267438A JP9068093A JP6809397A JPH10267438A JP H10267438 A JPH10267438 A JP H10267438A JP 9068093 A JP9068093 A JP 9068093A JP 6809397 A JP6809397 A JP 6809397A JP H10267438 A JPH10267438 A JP H10267438A
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JP
Japan
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compressor
refrigerant
solenoid valve
valve
evaporator
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Application number
JP9068093A
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English (en)
Inventor
Takahiro Ishihara
孝宏 石原
Noritsugu Sakota
則継 迫田
Akihiro Nakamura
明博 中村
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁弁の開弁時および閉弁時における騒音を
低減する。 【解決手段】 圧縮機1、凝縮器2、並列に設けた第
1、第2膨張弁41、42、および、並列に設けた第
1、第2蒸発器51、52の順に冷媒を循環させ、第
1、第2蒸発器51、52にて蒸発させた冷媒を合流部
62にて合流させた後、圧縮機1へ吸入させる冷凍サイ
クルにおいて、電磁弁7の閉弁時には、電磁弁7の上流
側と下流側とで大きな圧力差が生じるが、圧縮機1を一
旦停止して上記圧力差を緩和してから電磁弁7を開弁す
るので、この電磁弁7の開弁時における電磁弁7部位の
圧力急変動を抑制でき、騒音を低減できる。なお、電磁
弁7の開弁時には、電磁弁7部位に気液二相冷媒が流れ
るので、電磁弁7の閉弁時におけるウォータハンマ音
は、従来と同様にして低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸発器への冷媒の
供給を断続する電磁弁を有する冷凍サイクルに関するも
ので、例えば、車室内のフロント側とリア側の双方に、
冷凍サイクルの蒸発器を内蔵する空調ユニットを設ける
車両用空調装置等に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車室内のフロント側の
空調制御とリア側の空調制御とをそれぞれ独立して行う
ために、車室内前後の空調ユニット内にそれぞれ冷却用
の蒸発器を配設するとともに、この2つの冷却用の蒸発
器とこれらの蒸発器に流入する冷媒を減圧するための膨
張弁をそれぞれ並列に配置した車両空調用の冷凍サイク
ルが知られている。
【0003】そして、この冷凍サイクルにおいて、2つ
の蒸発器への冷媒流れを断続するために、膨張弁の上流
側の冷媒流路を開閉する電磁弁を設けたものや、膨張弁
の下流側の冷媒流路を開閉する電磁弁を設けたもの(例
えば特開平7−151422号公報)が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、膨張弁の上
流に電磁弁を設けたものでは、膨張弁にて減圧される前
の高圧側の液相冷媒の流れが電磁弁の閉弁により急激に
遮断されるとき、ウォータハンマ音(騒音)が発生する
という問題があった。また、電磁弁が閉弁状態のとき
は、この電磁弁の上流側が、圧縮機の冷媒吐出作用によ
り高圧となり、電磁弁の下流側が、圧縮機の冷媒吸込作
用により低圧(例えば0.15MPa)となるため、電
磁弁部位において大きな圧力差が発生する。このため、
電磁弁を開弁するときに、この電磁弁部位における圧力
急変動による騒音が発生するという問題があった。
【0005】また、膨張弁の下流に電磁弁を設けたもの
では、この電磁弁部位には気液二相冷媒や気相冷媒が流
れるために、上記ウォータハンマ音の問題はないが、電
磁弁を開弁するときに、上記圧力急変動による騒音が発
生するという問題があった。本発明は上記点に鑑みてな
されたもので、電磁弁の開弁時および閉弁時における騒
音を低減すること目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1および3に記載の発明では、圧縮機(1)
から吐出されたガス冷媒を凝縮器(2)にて凝縮し、凝
縮器(2)からの液冷媒を分岐部(61)にて分岐さ
せ、この分岐した冷媒を、並列に設けた第1膨張弁(4
1)および第2膨張弁(42)にてそれぞれ減圧膨張
し、この減圧膨張した冷媒を、並列に設けた第1蒸発器
(51)および第2蒸発器(52)にて蒸発させ、第
1、第2蒸発器(51、52)にて蒸発させた冷媒を合
流部(62)にて合流させた後、圧縮機(1)へ吸入さ
せる冷凍サイクルにおいて、第2蒸発器(52)への冷
媒流れを断続する電磁弁(7、70)を設け、圧縮機
(1)を停止した状態で、電磁弁(7、70)を開弁ま
たは閉弁することを特徴としている。
【0007】ここで、電磁弁(7、70)が開弁状態
で、かつ、圧縮機(1)が停止した状態では、この電磁
弁(7、70)部位における冷媒流れがなくなるか、も
しくは、圧縮機(1)の作動時に比べて小さくなる。よ
って、圧縮機(1)を停止した状態で電磁弁(7、7
0)を閉弁することにより、ウォータハンマ音を低減で
きる。
【0008】また、電磁弁(7、70)が閉弁状態で、
かつ、圧縮機(1)が停止した状態では、この電磁弁
(7、70)部位における冷媒の圧力差がなくなるか、
もしくは、圧縮機(1)の作動時に比べて小さくなる。
よって、圧縮機(1)を停止した状態で電磁弁(7、7
0)を開弁することにより、上記圧力急変動による騒音
を低減できる。
【0009】また、請求項2または4に記載の発明で
は、第2膨張弁(42)下流と合流部(62)上流との
間の冷媒流路を開閉する電磁弁(7)を設け、第2蒸発
器(52)への冷媒の供給を開始するときは、圧縮機
(1)を一旦停止してから所定時間(T1)経過後に電
磁弁(7)を開弁することを特徴としている。ここで、
圧縮機(1)の作動時において、電磁弁(7)が閉弁状
態であるとき、電磁弁(7)の上流側は、圧縮機(1)
の冷媒吐出作用を受けて高圧となっており、電磁弁
(7)の下流側は、圧縮機(1)の冷媒吸込作用を受け
て低圧側圧力となっている。そして、この状態から第2
蒸発器(52)に冷媒を供給するときに、まず、圧縮機
(1)を一旦停止して、電磁弁(7)の上流側の圧力を
下げるとともに、下流側の圧力を上げることにより、電
磁弁(7)部位における圧力差を緩和して、その後、電
磁弁(7)を開くようにしているので、この電磁弁
(7)部位における圧力急変動を抑制でき、騒音を低減
できる。
【0010】なお、第2蒸発器(52)に冷媒を供給し
ているとき、電磁弁(7)部位には気液二相冷媒が流れ
ているので、電磁弁(7)の閉弁時におけるウォータハ
ンマ音は、従来と同様にして低減できる。また、請求項
3ないし5に記載の発明では、分岐部(61)下流と第
2膨張弁(42)上流との間の冷媒流路を開閉する電磁
弁(7)を設け、第2蒸発器(52)への冷媒の供給を
開始するときは、圧縮機(1)を一旦停止してから所定
時間(T1)経過後に電磁弁(7)を開弁し、第2蒸発
器(52)への冷媒の供給を停止するときは、圧縮機
(1)を一旦停止してから所定時間(T3)経過後に電
磁弁(7)を閉弁することを特徴としている。
【0011】ここで、圧縮機(1)の作動時において、
電磁弁(7)が開弁状態であるとき、電磁弁(7)部位
には液冷媒が流れており、この状態から第2蒸発器(5
2)への冷媒の供給を停止するときに、まず、圧縮機
(1)を停止して、電磁弁(7)部位における液冷媒の
流速を下げ、その後、電磁弁(7)を閉じるようにして
いるので、この電磁弁(7)部位におけるウォータハン
マ音を低減できる。
【0012】なお、第2蒸発器(52)への冷媒の供給
を開始するときに関しては、上記請求項2または4に記
載の発明と同様の効果が得られる。ここで、圧縮機
(1)を長い間停止させると、第1蒸発器(51)への
冷媒供給量が大幅に減少して、第1蒸発器(51)の冷
却能力が大幅に低下してしまうので、圧縮機(1)を停
止する時間(上記所定時間T1)は、第1蒸発器(5
1)の冷却能力をある程度維持できるように設定され
る。
【0013】また、本発明によれば、従来より実際に使
用されている冷凍サイクルの構造を変更することなく、
上記した作動を行なうだけで、圧力急変動による騒音や
ウォータハンマ音を低減でき、コスト安である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明による冷凍サイクル
の全体構成を示しており、この冷凍サイクルは、車両の
フロントシート側およびリアシート側に、それぞれ独立
に制御可能な空調ユニットを持つ車両用空調装置に使用
されるものである。
【0015】図1の冷凍サイクルは、圧縮機1を備えて
おり、この圧縮機1には、動力伝達を断続する電磁クラ
ッチ1aが装着されており、この電磁クラッチ1aに通
電されて電磁クラッチ1aが接続状態になると、図示し
ない車両エンジンから動力が伝達されて圧縮機1は作動
し、吸入冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒として吐出
する。
【0016】凝縮器2は、図示しない冷却ファンによる
空冷作用を受けて圧縮機1からの吐出ガス冷媒を冷却し
て凝縮させるものであり、この凝縮後の液冷媒は受液器
3内に流入する。この受液器3は、その内部に流入した
凝縮冷媒を気液分離して、液冷媒のみを流出させる。受
液器3の下流側の分岐部61において冷媒流路が2つに
分岐し、この分岐部61下流の一方側冷媒流路には、第
1膨張弁41および第1蒸発器51が設けられ、分岐部
61下流の他方側冷媒流路には、第2膨張弁42および
第2蒸発器52が設けられている。つまり、第1膨張弁
41および第1蒸発器51と、第2膨張弁42および第
2蒸発器52とが、並列に配置されている。
【0017】第1、第2膨張弁41、42は、周知のご
とく、第1、第2蒸発器51、52の出口冷媒の過熱度
を所定値に維持するように弁開度が自動調整される温度
式の膨張弁であって、第1、第2蒸発器51、52の出
口冷媒の温度を感知して内部の冷媒圧力が変化する感温
筒41a、42aを有している。そして、第1、第2膨
張弁41、42により液冷媒を気液二相状態に減圧膨張
させ、この減圧膨張された冷媒を、第1、第2蒸発器5
1、52において蒸発させている。
【0018】第1蒸発器51の下流と、第2蒸発器52
の下流とは、合流部62において合流し、この合流部6
2からの冷媒を圧縮機1に吸入させている。また、第2
蒸発器52下流(つまり、膨張弁42下流)と合流部6
2上流との間の冷媒流路には、この冷媒流路の開閉を行
なう電磁弁7が設けてある。この電磁弁7は、常閉型電
磁弁であり、通電したときのみ開弁するものである。
【0019】ここで、第1膨張弁41および第1蒸発器
51は、車室内前部の計器盤内部に配置される前部空調
ユニットF内に設けられ、車室内の前部(フロントシー
ト)側の空調のために使用される。また、第2膨張弁4
2および第2蒸発器52は、車室内後部、例えばワゴン
タイプの自動車の天井部に配置される後部空調ユニット
R内に設けられ、車室内の後部(リアシート)側の空調
のために使用される。なお、図示しないが、前部、後部
空調ユニットF、R内に空調用の送風機等が内蔵されて
いることはもちろんである。そして、蒸発器51、52
にて冷却された空気は、上記送風機により車室内に吹き
出される。
【0020】また、計器盤には、車室内の空調を指示す
る空調スイッチ80と、車室内の後部側の空調を指示す
る(換言すれば、第2蒸発器52への冷媒の供給の開始
および停止を指示する)後部空調スイッチ(請求項でい
う指示手段、図3にはリアSWと表記)8が設けられて
おり、このスイッチ80、8は、乗員の判断で手動にて
切り替えられる。また、蒸発器51、52を通過して冷
却された空気の温度を検出する温度センサ51a、52
aが、蒸発器51、52近傍に設置されている。
【0021】そして、このスイッチ80、8、および、
温度センサ51a、52aからの信号が電気制御装置9
に入力され、この入力信号に基づいて、上記圧縮機1の
作動、停止(圧縮機1の電磁クラッチ1aへの通電のオ
ン、オフ)、および、電磁弁7の開閉(電磁弁7への通
電のオン、オフ)を制御する。この制御装置9にはタイ
マ91が内蔵されている。
【0022】次に、上記構成による作動を、図2に示す
タイムチャート、および、図3に示すブロック図に基づ
いて説明する。まず、空調スイッチ80および後部空調
スイッチ8がオフされている状態において、空調スイッ
チ80がオンとされると(図2中時間t0 )、圧縮機1
の電磁クラッチ1aに通電されて(図2中時間t0 )圧
縮機1が作動する。このとき、圧縮機1は、図1におい
て、第1、第2蒸発器51、52の下流側流路の冷媒を
吸入、圧縮して、高温高圧のガス冷媒を凝縮器2に向け
て吐出する。すると、この凝縮器2ではガス冷媒が冷却
されて凝縮する。この凝縮後の冷媒は、受液器3内に流
入し、冷媒の気液が分離され、液冷媒が受液器3から流
出して、並列配置された第1、第2膨張弁41、42側
へ向かう。
【0023】そして、前部空調ユニットF側では、受液
器3からの液冷媒が第1膨張弁41において減圧、膨張
して、低温低圧の気液二相状態となる。この気液二相冷
媒が第1蒸発器51で空調空気から吸熱して蒸発するた
め、空調空気は冷却され冷風となり、車室内のフロント
シート側を空調する。なお、膨張弁41、42の開度
は、蒸発器出口冷媒温度、および、蒸発器出口圧力に応
じて自動調整され、蒸発器出口冷媒の過熱度を所定値に
維持する。つまり、本実施形態では、外均式の膨張弁を
使用している。
【0024】また、後部空調スイッチ8がオフ状態であ
るため、電磁弁7には通電されず(図2中時間t0 )、
電磁弁7は閉弁状態であり、第2蒸発器52には冷媒が
供給されない。このとき、後部空調ユニットR側は室温
程度であり、しかも、電磁弁7部位の冷媒流路が電磁弁
7にて遮断されているので、第2蒸発器52の冷媒出口
側は圧縮機1の冷媒吸込作用を受けず、第2膨張弁42
は閉弁状態となる。ところが、第2膨張弁42は、電磁
弁7に比べて冷媒漏れに対するシール性が弱いため、圧
縮機1の冷媒吐出作用にて圧送される液冷媒が、第2膨
張弁42から少しずつ漏れて、電磁弁7の上流側に滞留
する。このため、電磁弁7の上流側は、圧縮機1の冷媒
吐出作用を受けて高圧(例えば2.0MPa)となって
おり、電磁弁7の下流側は、圧縮機1の冷媒吸込作用に
より、低圧(例えば0.15MPa)となっているの
で、電磁弁7部位に大きな圧力差が発生している。
【0025】次に、後部空調ユニットRを作動させるた
めに、後部空調スイッチ8がオンされたときの作動を説
明する。なお、図3のリアSWのオンオフ切替判定手段
91は、後部空調スイッチ8から出力されるオン信号
(具体的には高電圧の入力)とオフ信号(具体的には低
電圧の入力)との変化(具体的には入力電圧の変化)の
有無を検出することにより、後部空調スイッチ8がオン
からオフへ、またはオフからオンへ切り替わったことを
判定するものである。また、図3のリアSWのオンオフ
状態判定手段92は、後部空調スイッチ8からの出力信
号が、オン信号であるか、オフ信号であるかを判定する
ものである。
【0026】まず、後部空調スイッチ8がオンされると
(図2中時間t1 )、リアSWのオンオフ切替判定手段
91により、後部空調スイッチ8が切り替えられたこと
が判定され、さらに、リアSWのオンオフ状態判定手段
92により、後部空調スイッチ8がオン状態であること
が判定されて、図3中Aに示す後部空調開始制御を行な
う。具体的には、圧縮機停止制御手段93により、電磁
クラッチ1aへの通電をオフして(図2中時間t1 )圧
縮機1を停止させる。そして、電磁クラッチ1aへの通
電オフ後から所定時間T1(例えば5〜15秒)が経過
したときに、電磁弁開弁制御手段94により、電磁弁7
への通電をオンとして(図2中時間t2)電磁弁7を開
弁する。そして、電磁弁7への通電オン後から微少な所
定時間T2(例えば1〜2秒)が経過したとき(電磁弁
7の開弁直後に)、圧縮機再起動制御手段95により、
電磁クラッチ1aへの通電をオンして(図2中時間
3 )圧縮機1を再起動させる。
【0027】このように、後部空調スイッチ8がオンと
されたとき、圧縮機1を上記所定時間T1停止させるこ
とにより、電磁弁7の上流側の圧力を例えば1.2MP
a程度に下げるとともに、下流側の圧力を例えば0.6
MPa程度に上げることができ、電磁弁7部位における
圧力差を緩和できる。この圧力差を緩和した後に、電磁
弁7を開くようにしているので、この電磁弁7部位にお
ける圧力急変動を抑制でき、騒音を低減できる。
【0028】また、微少な所定時間T2分だけ遅らせる
ことにより、電磁弁7の開弁前に圧縮機1が作動開始す
ることを防止でき、電磁弁7が完全に開弁する前に電磁
弁7部位の圧力差が大きくなることを防止できるので、
電磁弁7部位における騒音を確実に低減できる。そし
て、電磁弁7を開弁した後は、蒸発器出口冷媒温度、お
よび、蒸発器出口圧力に応じて、蒸発器出口冷媒が所定
の過熱度を維持するように、第2膨張弁42の弁開度を
調整して冷媒流量を調整する。
【0029】次に、後部空調ユニットRを再び停止させ
るために、後部空調スイッチ8がオフされたとき(図2
中時間t4 )は、リアSWのオンオフ切替判定手段91
により、後部空調スイッチ8が切り替えられたことが判
定され、さらに、リアSWのオンオフ状態判定手段92
により、後部空調スイッチ8がオフ状態であることが判
定されて、図3中Bに示す後部空調停止制御を行なう。
具体的には、電磁弁閉弁制御手段96により、電磁弁7
への通電をオフして(図2中時間t4 )電磁弁7を閉弁
する。なお、後部空調ユニットRの作動時では、電磁弁
7部位に気相冷媒が流れるため、後部空調停止制御Bに
おいて、圧縮機1を停止することなく電磁弁7を閉弁し
ても、ウォータハンマ音の発生は低減できる。
【0030】ここで、後部空調スイッチ8がオン状態で
あっても、エバ後温度判定手段97により、温度センサ
52aの検出温度が第1所定温度K1(例えば3℃)以
下であることが判定されたときは、第2蒸発器52への
冷媒の供給を停止する、つまり、後部空調停止制御Bを
行なう。その後、エバ後温度判定手段97により、温度
センサ52aの検出温度が第2所定温度K2(例えば4
℃)以上となったことが判定されたときは、第2蒸発器
52への冷媒の供給を開始する、つまり、後部空調開始
制御Aを行なう。
【0031】また、空調スイッチ80がオン状態(圧縮
機1の作動時)において、温度センサ51aの検出温度
が第1所定温度(例えば3℃)以下となったときは、圧
縮機1を停止し、その後、温度センサ51aの検出温度
が第2所定温度(例えば4℃)以上となったとき、圧縮
機1を再起動させる。このように、エバ後温度判定手段
97の判定結果により、第2蒸発器への冷媒の供給の開
始、停止が決定されており、エバ後温度判定手段97
は、請求項でいう指示手段を構成している。
【0032】そして、空調スイッチ80がオフとされた
ときは、上記電磁クラッチ1aへの通電をオフして圧縮
機1を停止する。なお、電磁弁7が通電状態のときに空
調スイッチ80がオフされたときは、電磁クラッチ1a
への通電をオフすると同時に、電磁弁7への通電をオフ
する。 (第2の実施形態)本実施形態は、図4に示すように、
上記第1の実施形態における電磁弁7を廃止して、分岐
部61下流と第2膨張弁42上流との間の冷媒流路を開
閉する電磁弁70を設けている。本実施形態では、電磁
弁7を開弁して、両方の蒸発器51、52を作動させて
いるとき、電磁弁7部位に高温高圧の液冷媒が流れるの
で、電磁弁7の閉弁時に関して、後述のような制御を行
なう。
【0033】すなわち、後部空調スイッチ8がオフされ
ると(図5中時間t4 )、リアSWのオンオフ切替判定
手段91により、後部空調スイッチ8が切り替えられた
ことが判定され、さらに、リアSWのオンオフ状態判定
手段92により、後部空調スイッチ8がオフ状態である
ことが判定されて、後部空調停止制御Bを行なう。具体
的には、図6の圧縮機停止制御手段98により、電磁ク
ラッチ1aへの通電をオフして(図5中時間t4 )圧縮
機1を停止させる。そして、電磁クラッチ1aへの通電
オフ後から所定時間T3(例えば5〜15秒)が経過し
たときに、図6の電磁弁開弁制御手段96により、電磁
弁7への通電をオフとして(図5中時間 5 )電磁弁7を
閉弁する。そして、電磁弁7への通電オフ後から微少な
所定時間T4(例えば1〜2秒)が経過したとき(電磁
弁7の開弁直後に)、図6の圧縮機再起動制御手段99
により、電磁クラッチ1aへの通電をオンして(図5中
時間t6 )圧縮機1を再起動させる。
【0034】このように、後部空調スイッチ8がオフと
されたとき、圧縮機1を所定時間T3停止させることに
より、電磁弁7部位を流れる液冷媒の流速を下げること
ができ、その後、電磁弁7を閉じているので、この電磁
弁7部位におけるウォータハンマ音を低減できる。ま
た、微少な所定時間T4分だけ遅らせることにより、電
磁弁7の閉弁前に圧縮機1が作動開始することを防止で
き、電磁弁7が完全に閉弁する前に液相冷媒の流れが大
きくなることを防止できるので、電磁弁7部位における
ウォータハンマ音を確実に低減できる。
【0035】また、空調スイッチ8がオン状態のとき
に、温度センサ52aの検出温度が第1所定温度K1以
下となったときにも、上述のような後部空調停止制御B
を行なう。また、電磁弁7が通電状態のときに空調スイ
ッチ80がオフされたときは、電磁クラッチ1aへの通
電をオフしてから所定時間(例えば5〜15秒)経過後
に、電磁弁7への通電をオフするようになっている。
【0036】なお、後部空調スイッチ8がオフからオン
されるとき(図5中時間t1 )や、温度センサ52aの
検出温度が第1所定温度K1以下となった後、再び第2
所定温度K2以上となったときは、上記第1の実施形態
と同様にして、後部空調開始制御Aを行なう。 (第3の実施形態)本実施形態では、上記第2の実施形
態の冷凍サイクルを用いて、図7のタイムチャートに示
されるような作動を実施している。すなわち、空調スイ
ッチ80がオンとされたときに、後部空調スイッチ8が
オフであっても、後部空調側の蒸発器52内に滞留する
コンプレッサオイルを圧縮機1側へ戻すために、電磁弁
7を所定時間T5(図7参照、例えば24秒)だけオン
するような制御を備えている。
【0037】具体的には、空調スイッチ80のオン状態
判定手段により、空調スイッチ80がオンとされた(図
7中時間t7 )ことを判定し、後部空調スイッチ8のオ
フ状態判定手段により、後部空調スイッチ8がオフであ
ることが判定されると、制御装置9が電磁弁開弁制御を
行なう、つまり、電磁弁7への通電を開始する。そし
て、電磁弁7へ通電開始してから微少な所定時間T6
(例えば5〜15秒)経過後に、制御装置9が圧縮機起
動制御を行なう、つまり、電磁クラッチ1aへの通電を
オフする。また、電磁弁7へ通電開始してから所定時間
T5経過後に、制御装置9が電磁弁7閉弁制御を行な
う、つまり、電磁弁7への通電を停止する。
【0038】ここで、電磁弁7への通電開始と圧縮機1
の電磁クラッチ1aへの通電開始とが同時に制御される
場合、機器誤差等により、電磁弁7の方が遅れて開弁す
る場合があり、この電磁弁7の開くまでの間に電磁弁7
部位に形成される冷媒の圧力差により、電磁弁7の開弁
時における騒音が発生する恐れがある。これに対して、
本実施形態では、上述のような作動により、電磁弁7が
開弁した後に圧縮機1が作動するので、上記恐れを抑制
できる。
【0039】(他の実施形態)まず、上記第1の実施形
態における電磁弁7と、上記第2の実施形態における電
磁弁70とを、両方備えた冷凍サイクルとしてもよい。
この場合、電磁弁7、70および圧縮機1への通電のオ
ン、オフのタイミングは、上記第1、第2実施形態と同
様である。なお、電磁弁7、70を閉弁して、第2蒸発
器52への冷媒の供給を停止しているとき、電磁弁70
の上流側は、圧縮機1の冷媒吐出作用により高圧で、電
磁弁7の下流側は、圧縮機1の冷媒吸込作用により低圧
であり、電磁弁70下流と電磁弁7上流との間は、室温
における飽和圧力(例えば0.9MPa)となっている
ので、電磁弁7、70部位の高低圧力差が、上記第1、
第2の実施形態に比べて小さい。よって、第2蒸発器5
2への冷媒の供給を開始するときに、圧縮機1の停止時
間T1、T3を、上記第1、第2の実施形態と同様にし
た場合、電磁弁7、70の開弁時直前における高低圧力
差がより小さいため、この電磁弁7、70部位における
騒音はより小さなものとなる。
【0040】また、電磁弁7、70への通電をオン、オ
フしてから微少な所定時間T2、T4が経過してから、
圧縮機1への通電をオンとしていたが、電磁弁7、70
への通電のオン、オフと、圧縮機1への通電のオンとを
同時に行なってもよい。つまり、電磁弁7、70の開弁
時に圧縮機1を再起動してもよい。また、電磁弁7、7
0は、上記した位置に限定されることはなく、要は、分
岐部61下流と合流部62上流との間の、第2蒸発器5
2を含む冷媒流路ならば、どこに設けてもよい。
【0041】また、上記第3の実施形態で説明した電磁
弁7に係わる作動を、上記第1の実施形態の冷凍サイク
ルの電磁弁70に適用する場合、電磁弁70の閉弁時に
おける騒音を低減するために、本発明の作動、つまり、
一旦圧縮機1を停止してから所定時間経過後に電磁弁7
0を閉弁する作動を適用してもよい。また、上記第1、
第2の実施形態において、後部空調スイッチ8がオンで
ある状態で、空調スイッチ80がオンされるときについ
ても、電磁弁7、70と圧縮機1の電磁クラッチ1aと
を同時にオンとするのではなく、電磁弁7、70をオン
としてから微少な所定時間経過後に圧縮機1の電磁クラ
ッチ1aをオンしてもよい。
【0042】また、本発明は、車両用冷凍サイクルに限
らず、一般建造物内に装備した空調装置や、冷凍、冷蔵
装置等の冷凍サイクルにも、広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる冷凍サイクル
図である。
【図2】第1の実施形態に係わる作動を説明するタイム
チャートである。
【図3】第1の実施形態における電磁弁および圧縮機の
開度制御を説明するブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係わる冷凍サイクル
図である。
【図5】第2の実施形態に係わる作動を説明するタイム
チャートである。
【図6】第2の実施形態における電磁弁および圧縮機の
開度制御を説明するブロック図である。
【図7】第3の実施形態に係わる作動を説明するタイム
チャートである。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…凝縮器、41、42…第1、第2膨張
弁、51、52…第1、第2蒸発器、61…分岐部、6
2…合流部、7…電磁弁。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を圧縮し、吐出する圧縮機(1)
    と、 この圧縮機(1)から吐出されたガス冷媒を凝縮させる
    凝縮器(2)と、 この凝縮器(2)で凝縮した液冷媒を減圧膨張させる第
    1膨張弁(41)と、 この第1膨張弁(41)と並列に設けられ、前記凝縮器
    (2)で凝縮した液冷媒を減圧膨張させる第2膨張弁
    (42)と、 前記第1膨張弁(41)にて減圧膨張した冷媒を蒸発さ
    せる第1蒸発器(51)と、 この第1蒸発器(51)と並列に設けられ、前記第2膨
    張弁(42)にて減圧膨張した冷媒を蒸発させる第2蒸
    発器(52)と、 前記凝縮器(2)からの液冷媒を、前記第1膨張弁(4
    1)側と前記第2膨張弁(42)側とに分岐させる分岐
    部(61)と、 前記第1蒸発器(51)および前記第2蒸発器(52)
    で蒸発させた冷媒を合流させる合流部(62)とを備
    え、 前記合流部(62)からの冷媒を前記圧縮機(1)に吸
    い込ませる冷凍サイクルにおいて、 前記第2蒸発器(52)への冷媒流れを断続する電磁弁
    (7、70)を設け、前記圧縮機(1)を停止した状態
    で、前記電磁弁(7、70)を開弁または閉弁すること
    を特徴とする冷凍サイクル。
  2. 【請求項2】 前記電磁弁(7)は、前記第2膨張弁
    (42)下流と前記合流部(62)上流との間の冷媒流
    路に配置されており、 前記圧縮機(1)の作動時において、前記第2蒸発器
    (52)への冷媒の供給を開始するときは、前記圧縮機
    (1)を一旦停止してから所定時間(T1)経過後に前
    記電磁弁(7)を開弁することを特徴とする請求項1に
    記載の冷凍サイクル。
  3. 【請求項3】 前記電磁弁(70)は、前記分岐部(6
    1)下流と前記第2膨張弁(42)上流との間の冷媒流
    路に配置されており、 前記圧縮機(1)の作動時において、前記第2蒸発器
    (52)への冷媒の供給を開始するときは、前記圧縮機
    (1)を一旦停止してから所定時間(T1)経過後に前
    記電磁弁(70)を開弁し、 前記第2蒸発器(52)への冷媒の供給を停止するとき
    は、前記圧縮機(1)を一旦停止してから所定時間(T
    3)経過後に前記電磁弁(70)を閉弁することを特徴
    とする冷凍サイクル。
  4. 【請求項4】 前記第2蒸発器(52)への冷媒の供給
    の開始および停止を指示する指示手段(8、91、9
    2、97)と、 前記指示手段(8、97)にて冷媒の供給の開始が指示
    されたとき、圧縮機(1)を一旦停止させる圧縮機停止
    制御手段(93)と、 前記圧縮機(1)が停止してから所定時間(T1)経過
    後に、前記電磁弁(7、70)を開弁させる電磁弁開弁
    制御手段(94)と、 前記電磁弁(7、70)の開弁時、または、前記電磁弁
    (7)の開弁直後に、前記圧縮機(1)を再起動させる
    圧縮機再起動制御手段(95)とを備えることを特徴と
    する請求項2または3に記載の冷凍サイクル。
  5. 【請求項5】 前記第2蒸発器(52)への冷媒の供給
    の開始および停止を指示する指示手段(8、91、9
    2、97)と、 前記指示手段(8、97)にて冷媒の供給の停止が指示
    されたとき、圧縮機(1)を停止させる圧縮機停止制御
    手段(98)と、 前記圧縮機(1)が停止してから所定時間(T3)経過
    後に、前記電磁弁(70)を閉弁させる電磁弁閉弁制御
    手段(96)と、 前記電磁弁(70)の閉弁時、または、前記電磁弁(7
    0)の閉弁直後に、前記圧縮機(1)を再起動させる圧
    縮機再起動制御手段(99)とを備えることを特徴とす
    る請求項3に記載の冷凍サイクル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7739881B2 (en) 2005-12-15 2010-06-22 Denso Corporation Refrigeration cycle
JP2021138237A (ja) * 2020-03-04 2021-09-16 株式会社デンソー 車両用空調装置

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US7739881B2 (en) 2005-12-15 2010-06-22 Denso Corporation Refrigeration cycle
JP2021138237A (ja) * 2020-03-04 2021-09-16 株式会社デンソー 車両用空調装置

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