JPH10267422A - 循環温浴機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環温浴機において、温水をある程度以上の
大きい流量で循環させて瀘過することで温水を連続的に
清浄に保ちつつ、少ない熱エネルギーでもって低コスト
にて加熱殺菌を行う。 【解決手段】 循環ポンプ１３の吐出側に、第１の瀘過
装置２１を有した主流路１５を設け、これと並列的に、
第２の瀘過装置２３を有すると共にヒータ１８を内蔵し
て温水を加熱殺菌する熱殺菌槽１６を有した副流路１７
を設ける。これにより、温水は主流路１５と副流路１７
とに分流し、副流路１７で加熱殺菌するので、大流量で
温水を循環させて浄化能力を維持しつつ少ない熱エネル
ギーで加熱殺菌を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、温水の循環温浴機
に関し、さらに詳細には、温水を循環させながら昇温や
保温すると共に殺菌する技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の循環温浴機において、浴
槽に貯留した浴用水を循環ポンプを用いて循環させつつ
昇温や保温すると共に瀘過して清浄化し、さらには細菌
が繁殖するのを防ぐため殺菌することが知られている。
その殺菌装置としては、光化学的効果により殺菌作用を
呈する紫外線照射装置や、オゾンの有する化学的な殺菌
作用を利用したオゾン発生装置が知られている。ところ
が、これら従来の殺菌装置は、いずれも高価であり、紫
外線照射のものは紫外線ランプの寿命が比較的に短くて
ランニングコストが高いものとなり、また、オゾン殺菌
では液中に溶解したオゾンが残留すると、殺菌処理後の
液体に臭気が残るといった問題がある。

【０００３】このような問題を解消するために、オゾン
などを用いることなく、浴用水を例えば７０℃の高温に
加熱することにより殺菌するものがある。そして、この
加熱殺菌を行う装置において、加熱殺菌後の液体の熱を
回収するようにしたものが提案されている（例えば、特
開平５−３０５１２４公報参照）。また、循環温浴機に
おいて、主の循環流路から分岐した分岐流路に加熱殺菌
タンクを配備し、これら流路を適宜に切り換えて、バッ
チ的に加熱殺菌処理するようにしたものがある（例え
ば、特開平６−１６５９７８公報参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、循環温
浴機においては、浴用水を常時、濁りなく清浄度を保つ
には、連続的に時間当たりある程度以上の大きい流量で
浴用水を循環し瀘過させる必要がある。この要件を維持
しつつ、上記の公報に示されるような加熱殺菌装置を用
いて、殺菌するに必要な高温まで浴用水を加熱した場
合、加熱のために大きな熱エネルギーが必要になり、そ
のコストが極めて高くつく。特に、夏場等では浴槽内の
温水温度が高くなり過ぎて不都合であり、実用に適さな
い。

【０００５】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、温水をある程度以上の大きい流
量で循環させて瀘過することで温水を連続的に清浄に保
ちつつ、少ない熱エネルギーでもって低コストにて加熱
殺菌を行うことが可能な循環温浴機を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１の発明は、温水を温水貯留槽に貯留し、この
温水を循環ポンプで循環させるとともに、加熱手段によ
り温水の昇温や保温を行う循環温浴機において、循環ポ
ンプの吐出側に設けられ、第１の瀘過装置を有した第１
の流路と、第１の流路と並列的に設けられ、第２の瀘過
装置を有すると共に、加熱手段として機能する加熱源を
内蔵して循環される温水を加熱殺菌する熱殺菌槽を有し
た第２の流路とを備えたものである。上記構成において
は、循環ポンプで循環させる温水は、第１の瀘過装置を
有した第１の流路と、これとは並列的に設けられた、第
２の瀘過装置と加熱源を内蔵した熱殺菌槽とを有した第
２の流路とに分流するので、ある程度大きい流量で温水
を循環させて、その浄化能力を維持しつつ、少ない熱エ
ネルギーで加熱殺菌を行うことが可能となる。

【０００７】また、請求項２の発明は、上記請求項１に
記載の構成において、熱殺菌槽が、それに対して導入す
る温水と吐出する温水とを熱交換する熱交換器をさらに
有しているものである。この構成においては、熱交換器
での熱交換により熱エネルギーが有効に用いられ、低コ
ストで加熱殺菌を行うことができ、しかも、夏場等に温
水温度が上がり過ぎるといったことがない。

【０００８】また、請求項３の発明は、上記請求項１又
は請求項２に記載の構成において、第２の流路には、熱
殺菌槽と直列に、かつ熱殺菌槽よりも上流側に流量制御
手段が配置されているものである。この構成において
は、熱殺菌槽に大きな圧力が掛からなくなる。

【０００９】また、請求項４の発明は、上記請求項１乃
至請求項３のいずれかに記載の構成において、第１の流
路中の第１の瀘過装置には粗目の瀘過材が、第２の流路
中の第２の瀘過装置には細目の瀘過材がそれぞれ配置さ
れているものである。この構成においては、第１の流路
に比較的大流量を流し、第２の流路に比較的少流量を流
すことから、第２の瀘過装置における細目の瀘過材での
負担は軽減される。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面を参照して説明する。図１は第１の実施形態
による循環温浴機の構成図である。この循環温浴機１
は、浴水１０を貯留した浴槽１１（温水貯留槽）の近接
して配置され、浴槽１１内の浴水１０をサクションフィ
ルタ１２を通して循環ポンプ１３で汲み上げて循環させ
ながら、加熱手段を用いて浴水１０の昇温や保温と浄化
を行うものである。循環温浴機１は、浴水１０を循環さ
せるための循環流路１４中に設けられた循環ポンプ１３
と、この循環ポンプ１３の吐出側に設けられた第１の流
路１５（以下、主流路という）と、この主流路１５と並
列的に設けられ、加熱手段として機能する熱殺菌槽１６
を有した第２の流路１７（以下、副流路という）とを備
えている。熱殺菌槽１６は、ヒータ１８（加熱源）を内
蔵して循環される温水を加熱殺菌するものであり、この
熱殺菌槽１６への導入側の温水と吐出側の温水とを熱交
換する熱交換器を有している。この熱交換器は、後述す
るように熱増幅機能を持つので、熱殺菌槽１６のことを
熱増幅殺菌槽とも言う。

【００１１】さらに、主流路１５には、循環される浴用
水を清浄化する比較的粗目の瀘過材を有した第１のフィ
ルタ２１（第１の瀘過装置）と、絞り２２が配置されて
いる。このフィルタ２１に用いる瀘過材としては、浴水
に含まれる有機物を微生物により吸着、分解して浄化す
る機能を持つものと、浴水に含まれる有機性または無機
性の汚染物質を捕集、瀘過する機能を持つものを用いる
ことができる。絞り２２は並列の副流路１７に浴水を流
すための流路抵抗として必要なものである。主流路であ
る主流路１５と副流路１７の下流側は、浴槽１１に浴水
を環流させる戻り管１９に集合、連結されている。

【００１２】副流路１７には、熱殺菌槽１６と直列に、
かつ、その上流側に、比較的細目の瀘過材を有した第２
のフィルタ２３（第２の瀘過装置）と、流量制御弁２４
（流量制御手段）とが配置されている。このフィルタ２
３の瀘過材としては、上記第１のフィルタ２１の瀘過材
と目の大きさのみが異なる同等のものを用いることがで
きる。熱殺菌槽１６は、加熱殺菌部分の温水温度を検出
する温度センサ２５を備えている。また、循環温浴機１
は、ＣＰＵ２６を用いた制御装置により動作を制御され
る。すなわち、ＣＰＵ２６は、流量制御２７、殺菌槽温
度センサ入力２８、及びヒータ電力制御２９の機能を持
ち、温度センサ２５からの検出温度に応じて流量制御弁
２４の開度及び熱殺菌槽１６のヒータ１８への通電を制
御することにより、浴槽１１内の浴水の温度を所定値に
昇温し、保温する。

【００１３】図２は、第２の実施形態による循環温浴機
の構成図である。この循環温浴機１は、上述第１の実施
形態の循環温浴機と、第１のフィルタ２１の配置位置が
相違する。すなわち、このフィルタ２１は、循環ポンプ
１３の吐出側で、主流路１５と副流路１７とに分岐され
る前の循環流路１４中に設けられ、このフィルタ２１の
瀘過材に、循環浴水全体が通過するようになっている。

【００１４】次に、各実施形態で用いた熱増幅機能を持
つ熱殺菌槽１６の構成について、図３を参照して説明す
る。熱殺菌槽１６は、断熱材で形成されたタンク３０の
内部に、導入側の温水と吐出側の温水とを熱交換する熱
交換器３１を有していて、その流入路３２と流出路３３
とは、導入側の温水と吐出側の温水とが互いに対向流と
なり、かつ蛇行状に設けられ、省スペースで大きい熱交
換面積を確保し得るように構成されている。流入路３２
の終端部３２ａと流出路の始端部３３ａとは、タンク３
０内の中央上部の空間でなる殺菌槽３４に臨んで開口
し、ここにヒータ１８と温度センサ２５が配置されてい
る。また、導入側と吐出側とが互いに対向流となること
で、有効にエネルギーが伝達されるので、小電力のヒー
タ１８でもって殺菌に必要な温度（例えば７０℃）まで
加熱することができる。例えば、殺菌槽３４内へ流入す
る温水の温度が４０℃、流量が１リットル／分の場合、
殺菌槽３４内の温水温度を７０℃とするには、ヒータ１
８は２５０Ｗ程度のものを用いる。その場合の各部の温
度は図示のようになる。

【００１５】次に、上記第１実施形態による循環温浴機
１の動作を説明する。循環ポンプ１３の駆動により浴槽
１１内の浴水１０は、サクションフィルタ１２より循環
流路１４を通して汲み上げられ、主流路１５と副流路１
７とに分流して循環させる。その分配比は、絞り２２や
設定された流路や熱交換器の管路抵抗、流量制御弁２４
等により決まり、例えば、主流が１９リットル／分、副
流が１リットル／分となる程度とする。ヒータ１８及び
流量制御弁２４は浴槽１１内の浴水１０の温度が所定値
になるように温度センサ２５により検出した温水温度に
基づきＣＰＵ２６により制御される。主流路１５を通る
浴水は、第１のフィルタ２１の瀘過材により瀘過されて
浄化される。副流路１７を通る浴水は、第２のフィルタ
２３の瀘過材により瀘過されて浄化され、熱殺菌槽１６
に入り、熱交換器３１の流入路３２を経て殺菌槽３４に
導入される。

【００１６】殺菌槽３４に入った温水は、ヒータ１８に
より殺菌に必要な温度まで加熱され、熱殺菌され、流出
路３３を通って戻り管１９に導出される。このとき、流
入路３２を通る導入側の温水と流出路３３を通る吐出側
の温水とが互いに対向流となって熱交換されるので、流
入路３２を通って殺菌槽３４に入る時には、漸次昇温さ
れ、また、流出路３３を通って戻り管１９に導出される
時には、浴槽１１に戻すに支障のない適度な温度まで降
下される。

【００１７】このように、循環水を主流路１５と副流路
１７とに分流して、温水を連続的にある程度以上の大き
い流量で循環させながら瀘過しつつ熱殺菌するので、常
時、温水を清浄に保ちつつ加熱殺菌することができ、し
かも、加熱殺菌を用いているにも拘らず、夏場等でも浴
水１０の温度が上がり過ぎるといったことがなくなる。
また、熱殺菌槽１６の熱交換器３１で、導入側と吐出側
の温水とが互いに熱交換されるので、少ない熱エネルギ
ーでもって低コストにて加熱殺菌することができる。ま
た、流量制御弁２４が熱殺菌槽１６よりも上流側に配置
されているので、熱殺菌槽１６に掛かる圧力を低減で
き、従って、熱殺菌槽１６の設計、製造が容易となる。
また、主流路１５には粗目の瀘過材、副流路１７には細
目の瀘過材を設けており、主流路１５に大流量を流し、
副流路１７に少流量を流すことから、瀘過材の負荷分担
を良好に行え、長時間使用に対しても瀘過能力を維持す
ることができる。

【００１８】第２実施形態による循環温浴機１では、循
環水の全てが第１のフィルタ２１に流れてここで瀘過さ
れるので、副流路１７としては２つのフィルタ２１，２
３が直列的に入ることになるので、第２のフィルタ２３
の負担が軽減される。その他は、第１実施形態のものと
同等である。

【００１９】なお、本発明は上記実施形態の構成に限ら
れず種々の変形が可能である。例えば、循環ポンプを２
個用いて、瀘過を行う主流路と殺菌を行う副流路の２系
統に各ポンプを配置した構成としてもよい。また、主流
路１５と副流路１７との分流比は、上記の例に限られず
両者が同量程度若しくは逆になる場合も考えられる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように請求項１の発明によれば、
第１の瀘過装置を有した第１の流路と、これとは並列的
に、第２の瀘過装置と加熱源を内蔵した熱殺菌槽とを有
した第２の流路とを設けたので、ある程度大きい流量で
温水を循環させて、その浄化能力を十分に維持して温水
を清浄に保ちつつ、少ない熱エネルギーで加熱殺菌を行
うことができる。

【００２１】また、請求項２の発明によれば、熱殺菌槽
が導入側と吐出側とで熱交換する熱交換器を有している
ので、熱エネルギーが有効に利用され、低コストで加熱
殺菌を行うことができ、しかも、夏場等に温水温度が上
がり過ぎるといったことがなくなる。

【００２２】また、請求項３の発明によれば、第２の流
路に熱殺菌槽よりも上流側で直列に流量制御手段が配置
されているので、熱殺菌槽に大きな圧力が掛からなくな
り、熱殺菌槽の設計、製造が容易となる。

【００２３】また、請求項４の発明によれば、第１の流
路には粗目の瀘過材、第２の流路には細目の瀘過材を設
けたので、第１の流路に大流量を流し、第２の流路に少
流量を流すことで、瀘過材の負荷分担を良好に行うこと
が可能で、長時間の使用にも瀘過能力を維持することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態による循環温浴機の構成図
である。

【図２】第２の実施形態による循環温浴機の構成図であ
る。

【図３】本実施形態で用いられた熱殺菌槽の構成図であ
る。

【符号の説明】

１ 循環温浴機 １０ 浴水（温水） １１ 浴槽（温水貯留槽） １３ 循環ポンプ １５ 主流路（第１の流路） １６ 熱殺菌槽 １７ 副流路（第２の流路） １８ ヒータ（加熱源） ２１ 第１のフィルタ（第１の瀘過装置） ２３ 第２のフィルタ（第２の瀘過装置） ２４ 流量制御弁（流量制御手段） ３１ 熱交換器 ３２ 流入路 ３３ 流出路 ３４ 殺菌槽

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｆ２４Ｈ 1/00 ３０２ Ｆ２４Ｈ 1/00 ６０２Ｌ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 温水を温水貯留槽に貯留し、この温水を
   循環ポンプで循環させるとともに、加熱手段により温水
   の昇温や保温を行う循環温浴機において、 前記循環ポンプの吐出側に設けられ、第１の瀘過装置を
   有した第１の流路と、 前記第１の流路と並列的に設けられ、第２の瀘過装置を
   有すると共に、前記加熱手段として機能する加熱源を内
   蔵して循環される温水を加熱殺菌する熱殺菌槽を有した
   第２の流路とを備えたことを特徴とする循環温浴機。
2. 【請求項２】 前記熱殺菌槽は、該熱殺菌槽に対して導
   入する温水と吐出する温水とを熱交換する熱交換器をさ
   らに有していることを特徴とする請求項１記載の循環温
   浴機。
3. 【請求項３】 前記第２の流路には、前記熱殺菌槽と直
   列に、かつ該熱殺菌槽よりも上流側に流量制御手段が配
   置されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に
   記載の循環温浴機。
4. 【請求項４】 前記第１の流路中の第１の瀘過装置には
   粗目の瀘過材が、第２の流路中の第２の瀘過装置には細
   目の瀘過材がそれぞれ配置されていることを特徴とする
   請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の循環温浴機。