JPH10266589A - タンク解体工法 - Google Patents

タンク解体工法

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JPH10266589A
JPH10266589A JP9071665A JP7166597A JPH10266589A JP H10266589 A JPH10266589 A JP H10266589A JP 9071665 A JP9071665 A JP 9071665A JP 7166597 A JP7166597 A JP 7166597A JP H10266589 A JPH10266589 A JP H10266589A
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JP
Japan
Prior art keywords
tank
side plate
pedestal
trough
melted
Prior art date
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Pending
Application number
JP9071665A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Tsuji
達夫 辻
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間に亘る高所作業や大掛かりな作業足場
の仮設を不要として、工期の短縮と工費の削減を図る。 【解決手段】 タンク側板2a下端を部分的に内槽底板
3a(タンク底部)から切り離して保温材質の台座6を
差し入れるという作業を円周方向に繰り返し、これによ
り側板2a下端が全周に亘り底板3aから切り離され且
つ環状に連なる台座6上に載置されたら、該台座6に保
温材質の堰板7を組み付けて略U字型の溝部を有し且つ
円周方向適宜位置に出口部を開口した環状のトラフ10
を完成させ、次いで、該トラフ10内で側板2a下端を
ガスバーナ14(加熱手段)により溶融し、その溶融金
属をトラフ10の出口部から流し出してタンク1a全体
を自重により下降させ、然る後に、側板2aの大半が溶
融されて底板3aまで下降したタンク屋根4aを地上作
業により解体する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LPG、LNG等
を貯蔵するタンク解体工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LPG、LNG等を貯蔵するような大型
のタンクの建て替え、或いは撤去等を行う場合には、タ
ンクをトラック等に積んで搬送できる程度の大きさに解
体する必要がある。
【0003】従来、このようなタンクの解体を行う場合
には、タンク周囲に大掛かりな作業足場を仮設し、該作
業足場を利用して作業員がタンクの上部構造から順次バ
ーナで適宜な大きさに切断し、大型のクレーンにより地
上に吊り降ろす作業を繰り返して行うようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
従来の解体工法では、作業性の悪い高所での作業が長時
間に亘って必要となり、また、作業足場を仮設するのに
も多大な時間を要する為、工期が長くなると共に工費も
嵩むという問題があった。
【0005】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもの
で、長時間に亘る高所作業や大掛かりな作業足場の仮設
を不要として、工期の短縮と工費の削減を図り得るタン
ク解体工法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンク側板下
端を部分的にタンク底部から切り離して保温材質の台座
を差し入れるという作業を円周方向に繰り返し、これに
よりタンク側板下端が全周に亘りタンク底部から切り離
され且つ環状に連なる台座上に載置されたら、該台座の
外周部及び内周部に保温材質の堰板を組み付けて略U字
型の溝部を有し且つ円周方向適宜位置に出口部を開口し
た環状のトラフを完成させ、次いで、該トラフ内でタン
ク側板下端を加熱手段により溶融し、その溶融金属を前
記トラフの出口部から流し出してタンク全体を自重によ
り下降させ、然る後に、タンク側板の大半が溶融されて
タンク底部まで下降したタンク屋根を地上作業により解
体することを特徴とするタンク解体工法、に係るもので
ある。
【0007】このようにすれば、解体作業を地上で行う
ことが可能となるので、従来の如き長時間に亘る高所作
業や大掛かりな作業足場の仮設が不要となる。
【0008】また、従来において作業性の悪い高所で行
われていたタンク屋根の解体作業を地上で行うことが可
能となる。
【0009】尚、タンク側板下端を溶融する加熱手段と
しては、例えばガスバーナや電熱ヒータ等を用いること
が可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0011】図1〜図6は本発明を実施する形態の一例
を示すもので、本形態例では、内槽タンク1aと外槽タ
ンク1bとから成る二重殻構造とした地上式のタンク1
を解体する場合において、本発明のタンク解体工法を内
槽タンク1aに適用した例を示している。
【0012】図示する内槽タンク1a及び外槽タンク1
bの夫々の胴部分はタンク側板2a,2bにより円筒状
に形成されており、内槽タンク1aのタンク側板2aは
底部保冷層A上に内槽底板3a(タンク底部)を介して
立設され、外槽タンク1bのタンク側板2bは外槽底板
B上に外槽底板3b(タンク底部)を介して立設されて
おり、各タンク側板2a,2bの上端にはドーム状のタ
ンク屋根4a,4bが接合されている。
【0013】このような二重殻構造のタンク1の解体を
行う場合には、先ずタンク1内の貯蔵液と気化ガスとを
抜き出して空の状態とし、次いで、内槽タンク1aと外
槽タンク1bとの間に充填されているパーライト等の保
冷材を吸込み真空法で吸引排出し、然る後に、タンク1
内の雰囲気を空気に置換した上で内部の附属品(液面
計、温度計、ノズル等)を撤去する。
【0014】以上の如くして解体準備が整ったら、図1
に示す如く、外槽タンク1b下側の適宜位置に工事口5
を開口し、該工事口5から複数のユニットに分割した保
温材質の台座6を搬入し、内槽タンク1aのタンク側板
2aの下端を部分的に内槽底板3aから切り離して前記
台座6を差し入れるという作業を円周方向に繰り返し、
内槽タンク1aのタンク側板2aの下端が全周に亘り内
槽底板3aから切り離され且つ環状に連なる台座6上に
載置された状態にする。
【0015】次いで、図2に示す如く、前記台座6の外
周部及び内周部に対し、複数のユニットに分割した保温
材質の堰板7を組み付け、略U字型の溝部8を有し且つ
円周方向適宜位置に出口部9(図3参照)を開口した環
状のトラフ10を完成させ、前記トラフ10の出口部9
には、タンク1外の溶融池11と前記溝部8との間を接
続する保温材質の溶融金属流出配管12を装着する。
【0016】ここで、前記溶融金属流出配管12には、
図示しない電熱ヒータ等を埋設しておき、適宜に管内を
加熱し得るようにしておくことが好ましい。
【0017】また、図3及び図4に示す如く、前記トラ
フ10の内周部側の堰板7の上方位置には、タンク側板
2aの下端にノズル13を向けた多数のガスバーナ14
(加熱手段)を図示しないサポートにより支持して円周
方向に略均等に設置し、該各ガスバーナ14に対して
は、例えば図示する如く共通のガス供給管15によりガ
スを供給し得るようにする。
【0018】尚、図示する例では、前記トラフ10の内
周部側の堰板7の上方位置にガスバーナ14を備えた場
合を例示しているが、前記トラフ10の外周部側の堰板
7の上方位置にも同様のガスバーナ14を備えて火力を
上げることが可能である。
【0019】次いで、図5に示す如く、前記各ガスバー
ナ14を遠隔操作により点火して前記トラフ10内でタ
ンク側板2aの下端を溶融し、その溶融金属を前記トラ
フ10の出口部9から流し出して内槽タンク1a全体を
自重により下降させる。
【0020】このようにして、タンク側板2a下端の溶
融を進めていくと、図6に示す如く、タンク側板2aの
大半が溶融されてタンク屋根4aが内槽底板3aまで下
降した状態となるので、該内槽底板3aまで下降したタ
ンク屋根4aについては、地上作業にて解体作業を進め
れば良く、該タンク屋根4aの解体を以て内槽タンク1
aの解体作業が完了することになる。
【0021】尚、溶融池11に溜まった溶融金属につい
ては、そのまま塊状に固まらせた後に適当な大きさに切
断して搬出すれば良いが、例えば、予め搬出し易い適当
な大きさとした複数の取鍋を用意しておき、これらの取
鍋に溶融金属流出配管12から順番に溶融金属を流し込
んで固まらせた後に、取鍋ごと搬出するようにしても良
い。
【0022】また、外槽タンク1bについては、前述し
た内槽タンク1aを解体する手順と全く同様にして解体
すれば良いが、従来のように外槽タンク1b周囲に作業
足場を仮設し、外槽タンク1bの上部構造からバーナで
適宜な大きさに切断して大型のクレーンにより地上に吊
り降ろすという作業を繰り返すことにより解体しても良
く、このように外槽タンク1bを従来工法で解体した場
合であっても、内槽タンク1aが既に解体されてしまっ
た状態となっていれば、高所作業に要する時間は大幅に
短縮されることになる。
【0023】即ち、本発明の最も特徴とするところは、
タンク側板下端を溶融してタンク全体を自重により下降
させる点にあるが、特に本形態例で示す如き二重殻構造
のタンク1の場合には、内槽タンク1aが比較的融点の
低いアルミニウム材(融点が約600℃)により構成さ
れていることが多い為、このような溶融し易い二重殻構
造のタンク1の内槽タンク1aに適用するのが最も好適
なのであり、しかも、外槽タンク1bにより包囲して外
気から隔絶した状態のまま内槽タンク1aのタンク側板
2aの下端を溶融するようにすれば、溶融に必要な熱量
も少なくて済むという利点があるのである。
【0024】ただし、一般に鋼材(融点が約1500
℃)により構成されていることが多い外槽タンク1bを
本形態例における内槽タンク1aと同様の工法で解体す
るか否かは、溶融に要する熱量が多くなるというコスト
上の兼ね合いだけでしかなく、外槽タンク1bを内槽タ
ンク1aと同様の工法で解体すること自体は勿論可能な
ことであり、そのようにした場合には、大掛かりな作業
足場の仮設が全く不要となるという利点が生じる。
【0025】従って上記形態例によれば、少くとも内槽
タンク1aについての解体作業を地上で行うことができ
るので、従来の如き長時間に亘る高所作業を不要とする
ことができ、これによって、工期の短縮と工費の削減を
図ることができる。
【0026】また、従来において作業性の悪い高所で行
われていたタンク屋根4aの解体作業を地上で行うこと
ができるので、該タンク屋根4aを効率良く且つ安全に
解体することができる。
【0027】更に、外槽タンク1bについても内槽タン
ク1aと同様の工法で解体するようにすれば、大掛かり
な作業足場の仮設を不要とすることができるので、より
一層の工期の短縮を図ることができる。
【0028】図7及び図8は本発明の他の形態例を示す
もので、先の形態例におけるガスバーナ14に換えて電
熱ヒータ16を加熱手段として採用し、該電熱ヒータ1
6をコイル形状にしてタンク側板2a下端の内外側面に
夫々沿うようトラフ10内における外周側と内周側とに
二重に敷設し、前記電熱ヒータ16に電流を流して発熱
させるようにしたものであるが、このような電気的な加
熱手段によっても、タンク側板2a(若しくはタンク側
板2b)の下端を溶融して内槽タンク1a(若しくは外
槽タンク1b)全体を自重により下降させることが可能
であり、先の形態例と同様の作用効果を奏することがで
きる。
【0029】尚、本発明のタンク解体工法は、上述の形
態例にのみ限定されるものではなく、図示では二重殻構
造としたタンクの内槽タンクに適用した場合を例示した
が、一重殻構造のタンクに適用しても良いこと、また、
タンク側板を溶融し得る加熱手段であれば図示以外の加
熱手段を採用して良いこと、その他、本発明の要旨を逸
脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論
である。
【0030】
【発明の効果】上記した本発明のタンク解体工法によれ
ば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0031】(I)解体作業を地上で行うことができる
ので、従来の如き長時間に亘る高所作業や大掛かりな作
業足場の仮設を不要とすることができ、これによって、
工期の短縮と工費の削減を図ることができる。
【0032】(II)従来において作業性の悪い高所で
行われていたタンク屋根の解体作業を地上で行うことが
できるので、該タンク屋根を効率良く且つ安全に解体す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンク側板下端を台座上に載置した状態を示す
概略図である。
【図2】台座に堰板を組み付けてトラフを完成させた状
態を示す概略図である。
【図3】タンク側板下端を溶融する加熱手段の一例を示
す断面図である。
【図4】図3のIV−IV方向の矢視図である。
【図5】タンク側板下端を溶融して下降させた状態を示
す概略図である。
【図6】タンク側板の大半が溶融された状態を示す概略
図である。
【図7】タンク側板下端を溶融する加熱手段の他の例を
示す断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII方向の矢視図であ
る。
【符号の説明】
1 タンク 1a 内槽タンク 1b 外槽タンク 2a タンク側板 2b タンク側板 3a 内槽底板(タンク底部) 3b 外槽底板(タンク底部) 4a タンク屋根 4b タンク屋根 6 台座 7 堰板 8 溝部 9 出口部 10 トラフ 14 ガスバーナ 16 電熱ヒータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンク側板下端を部分的にタンク底部か
    ら切り離して保温材質の台座を差し入れるという作業を
    円周方向に繰り返し、これによりタンク側板下端が全周
    に亘りタンク底部から切り離され且つ環状に連なる台座
    上に載置されたら、該台座の外周部及び内周部に保温材
    質の堰板を組み付けて略U字型の溝部を有し且つ円周方
    向適宜位置に出口部を開口した環状のトラフを完成さ
    せ、次いで、該トラフ内でタンク側板下端を加熱手段に
    より溶融し、その溶融金属を前記トラフの出口部から流
    し出してタンク全体を自重により下降させ、然る後に、
    タンク側板の大半が溶融されてタンク底部まで下降した
    タンク屋根を地上作業により解体することを特徴とする
    タンク解体工法。
  2. 【請求項2】 タンク側板下端を溶融する加熱手段とし
    て、ガスバーナを用いることを特徴とする請求項1に記
    載のタンク解体工法。
  3. 【請求項3】 タンク側板下端を溶融する加熱手段とし
    て、電熱ヒータを用いることを特徴とする請求項1に記
    載のタンク解体工法。
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