JPH10266036A - フィラメント縫糸及びその製造方法 - Google Patents

フィラメント縫糸及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10266036A
JPH10266036A JP7115497A JP7115497A JPH10266036A JP H10266036 A JPH10266036 A JP H10266036A JP 7115497 A JP7115497 A JP 7115497A JP 7115497 A JP7115497 A JP 7115497A JP H10266036 A JPH10266036 A JP H10266036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filament
section
cross
synthetic fiber
sewing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7115497A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiko Kawamoto
晴彦 川本
Yasuo Kishida
恭雄 岸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP7115497A priority Critical patent/JPH10266036A/ja
Publication of JPH10266036A publication Critical patent/JPH10266036A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速下での縫製を可能にするとともに,縫糸
の風合も柔らかく,なおかつ縫糸の断面がミシン針等の
屈曲した部分に高張力下で接しても断面が偏平に変形せ
ず,これに伴い糸切れの少ないフィラメント縫糸を提供
する。 【解決手段】 構成単糸繊度が3デニール以上異なる2
種以上の合成繊維マルチフィラメントで,単糸繊度の最
も大きい凹凸部を有する異形断面形状の前記合成繊維マ
ルチフィラメントの凹凸部の間隙に単糸繊度の小さい丸
断面形状の合成繊維マルチフィラメントが互いに空間を
作ることなく密に入り乱れて撚り合わされ,構成されて
いるフィラメント縫糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,フィラメント縫糸
及びその製造方法に関するものであり,さらに詳しく
は,高張力下での縫製にも優れた特性を有するフィラメ
ント縫糸及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】縫糸は,従来,木綿,絹等の天然繊維製
のものが大部分であったが,近年は,ナイロン,ポリエ
ステル等からなる合成繊維を用いたものが主流を占める
に至っている。これらの合成繊維を縫糸に用いるには,
通常,合成繊維の紡績糸あるいはフィラメント糸に撚り
を施す方法もしくはこれらに樹脂をコーティングする方
法等が行われている。これらの施撚および樹脂コーティ
ング加工の目的は,縫糸に集束性を付与し,縫製時での
縫糸のバラケによる糸切れを防止するのが主である。
【0003】しかし,これらの縫糸は,高速および高張
力下で扱われるミシン等で縫製する際,ミシンの張力調
整ガイドやミシン針の屈曲面において,縫糸の断面が高
張力な条件下で円形を失い,偏平となり,そのために摩
擦が大きくなって,ひいては毛羽立ちが多くなり,糸切
断につながる欠点がある。
【0004】これらの問題を解決するため,施撚数ある
いは樹脂コーティング量を増やす方法が適用されてい
る。しかしながら,これらの縫糸は,集束性は向上され
るものの,依然ミシン針の屈曲面で縫糸の断面が高張力
下での縫製で偏平となり,完全な糸切断防止の手段には
至っていないのが現状である。また,施撚および樹脂コ
ーティング量をさらに増やすことにより,縫糸の強度低
下や柔軟性が損なわれる問題が生じ,使用できない欠点
があるため,適用されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,高張力下での縫製を可能
にする縫糸を提供することを目的とするものであり,ま
た,縫糸の風合も柔らかく,縫糸の断面がミシン針の屈
曲面に高張力下で接しても偏平に変形せず,これに伴い
糸切れの少ないフィラメント縫糸及びその製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するものであり,次の構成よりなるものである。すな
わち,本発明は,単糸繊度が3デニール以上異なる少な
くとも2種以上の合成繊維マルチフィラメントが分散し
て撚り合わされてなるフィラメント縫糸であって,単糸
繊度の最も大きい前記合成繊維マルチフィラメントが凹
凸部を有する異形断面糸で構成されてなることを特徴と
するフィラメント縫糸及び2本以上の合成繊維マルチフ
ィラメントをダウンツイスターで合撚してフィラメント
縫糸を製造するに際し,単糸繊度の最も大きい合成繊維
マルチフィラメントと最も小さい合成繊維マルチフィラ
メントの単糸繊度差が3デニール以上であって,単糸繊
度の最も大きい合成繊維マルチフィラメントが凹凸部を
有する異形断面フィラメントであり,単糸繊度の最も小
さい合成繊維マルチフィラメントの合撚部への供給率を
他の合成繊維マルチフィラメントより1〜15%小さい
供給率に設定し合撚することを特徴とするフィラメント
縫糸の製造方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。
本発明のフィラメント縫糸は,単糸繊度が3デニール以
上異なる少なくとも2種以上の合成繊維マルチフィラメ
ントが分散して撚り合わされてなるフィラメント縫糸で
あって,単糸繊度の最も大きい前記合成繊維マルチフィ
ラメントが凹凸部を有する異形断面糸で構成されてい
る。
【0008】本発明における合成繊維マルチフィラメン
トとは,ポリアミド,ポリエステル,ポリアクリロニト
リル,ポリオレフィン等の熱可塑性重合体よりなる長繊
維である。
【0009】本発明における合成繊維マルチフィラメン
トの組合せとしては,同一ポリマーの合成繊維マルチフ
ィラメント同士あるいは異なったポリマーの合成繊維マ
ルチフィラメントの組合せのどちらでもよく,3種以上
の異なったポリマーの合成繊維マルチフィラメントの組
合せでもよい。いずれにしても,縫糸の用途,要求され
る特性,コスト面を考慮して組み合わせればよい。
【0010】本発明では,構成する合成繊維マルチフィ
ラメントの単糸繊度が最大で凹凸部を有する異形断面糸
と,単糸繊度が最小の他の合成繊維マルチフィラメント
の単糸繊度の差を3デニール以上とし,これらのフィラ
メントが互いに分散して施撚されている。構成する合成
繊維マルチフィラメントの単糸繊度の差が3デニール未
満の場合,目的とする屈曲面での縫糸断面の偏平防止を
十分得られない点で好ましくない。
【0011】本発明における凹凸部を有する異形断面フ
ィラメントとは,Y字形,T字形および十字形で代表さ
れる断面形状を示す合成繊維マルチフィラメントであ
る。
【0012】ここで,単糸繊度が3デニール以上差があ
る凹凸部を有する異形断面糸と,他の合成繊維マルチフ
ィラメントが,互いに分散して施撚していることについ
て,図によって説明する。
【0013】図1は,本発明におけるフィラメント縫糸
の断面図の一例である。図1において,単糸繊度の大き
い凹凸部を有するY字形断面の合成繊維マルチフィラメ
ント1の凹部の間隙に単糸繊度の小さい丸断面の合成繊
維マルチフィラメント2が入り込み,全体的には,単糸
繊度の小さい丸断面を形成する合成繊維マルチフィラメ
ント2が単糸繊度の大きい凹凸部を有するY字形断面の
合成繊維マルチフィラメント1の凹部および凸部間の間
隙にきめ細かに配置された形となっており,フィラメン
ト縫糸自体の断面の空間が非常に少なく,密の状態で,
動かない形となっている。
【0014】このため,本発明のフィラメント縫糸は,
ミシン針等の屈曲面での高張力下で代表されるような外
的圧迫においても,フィラメント縫糸の断面内において
空間が少なく,また,Y字形断面の合成繊維マルチフィ
ラメント1の凹部および凸部が丸断面を形成する合成繊
維マルチフィラメント2を包み込むように配置し,縫糸
断面の集束が移動しないことから,偏平に変形せず,そ
のため,高張力下での縫製においても,屈曲による変形
が非常に小さいことより,糸切れしにくいフィラメント
縫糸となる。また,フィラメント縫糸の表面に単糸繊度
の大きい異形断面糸のY字形の凸部が多数存在する形よ
り,縫製品への縫糸フィット性に優れる利点を生じる。
【0015】一方,図2は,前記糸構成断面で単糸繊度
の差が小さい場合のフィラメント縫糸の断面図の一例で
ある。この場合,Y字形断面の合成繊維マルチフィラメ
ント1の間隙に他方の単糸繊度が近似した丸断面の合成
繊維マルチフィラメント3が密に配置せず,縫糸断面の
空間が多く目立つ形となる。これは,縫糸断面の空間に
入り込むような単糸繊度の小さい合成繊維マルチフィラ
メントを用いていないためであり,そのため,縫糸断面
の空間が多い分だけ外的圧迫により縫糸断面が変形,偏
平化し,ひいては縫製での糸切断につながる形となる。
【0016】図3のように,単糸繊度の異なるフィラメ
ントが偏って集まっていたり,図4のように,片側の単
糸繊度の小さい合成繊維マルチフィラメントが他方の単
糸繊度の大きい合成繊維マルチフィラメントに包み込ま
れていて,単糸繊度の大きい合成繊維マルチフィラメン
トの間には空間が目立ち,外的圧迫により縫糸断面が偏
平化し,ひいては縫製での糸切断につながることにな
る。
【0017】本発明のフィラメント縫糸は,単糸繊度が
3デニール以上異なる2種以上の合成繊維マルチフィラ
メントで,単糸繊度の最も大きい前記合成繊維マルチフ
ィラメントが凹凸部を有する異形断面糸であり,互いに
分散して施撚されている。この施撚は,片撚あるいは下
撚,上撚を組み合わせた施撚のいずれでもよい。
【0018】本発明のように,単糸繊度の大きい合成繊
維マルチフィラメントと単糸繊度の小さい合成繊維マル
チフィラメントを分散して配置させる方法としては,繊
維製造工程において,例えば,紡糸工程のアイレットの
大きさを工夫することによって得たり,延伸工程で混繊
したりする方法があるが,工業ミシン用に供される縫糸
のように強力の大きい糸条が要求されると,繊維製造工
程中の混繊では高強力確保に問題がある場合がある。本
発明のように,単糸繊度の異なる2種以上の合成繊維マ
ルチフィラメントを合撚する条件を工夫する方法で得る
のが好ましい。
【0019】次に,本発明のフィラメント縫糸を合撚し
て得る方法の例について説明する。
【0020】図5は,本発明のフィラメント縫糸を製造
する際に用いるダウンツイスターの機構を示す概略説明
図である。
【0021】図5において,構成単糸繊度の大きい凹凸
部を有する異形断面形状の合成繊維マルチフィラメント
1は,供給ニップローラー4を介して合わせガイド6へ
供される。他方,構成単糸繊度が3デニール以上小さい
丸断面形状の合成繊維マルチフィラメント2は,ニップ
ローラー5を介して同じく合わせガイド6へ供され,前
述の構成単糸繊度の大きい凹凸部を有する異形断面形状
の合成繊維マルチフィラメント1とともにトラベラ7を
介して撚り合わされ,捲取りボビン8に捲き取られる。
【0022】このとき,構成単糸繊度の大きい凹凸部を
有する異形断面形状の合成繊維マルチフィラメント1を
供給するニップローラー4の速度に対し,構成単糸繊度
が3デニール以上小さい丸断面形状の合成繊維マルチフ
ィラメント2を供給するニップローラー5の速度を1〜
15%遅くする。いわゆる構成単糸繊度が3デニール以
上小さい丸断面形状の合成繊維マルチフィラメント2の
供給率を1〜15%小さくする。好ましくは5〜10%
小さくすることが,縫糸の断面の空間が密となることか
ら好ましい供給率である。2本の糸条の供給率の差が1
%未満の場合,単糸繊度の大きい凹凸部を有する異形断
面形状の合成繊維マルチフィラメント1と単糸繊度が3
デニール以上小さい丸断面形状の合成繊維マルチフィラ
メント2がほとんど同じ速度で合わせガイド6へ供給さ
れるため,図3のように,双方の合成繊維マルチフィラ
メントが各々集束した形となり,目的とする密な断面を
有する本発明のフィラメント縫糸が得られず,好ましく
ない。2本の糸条の供給率の差が15%を超える場合,
単糸繊度が3デニール以上小さい丸断面形状の合成繊維
マルチフィラメント2は,十分に緊張した形で合わせガ
イド6へ供給されて縫糸断面の中心部へ配置されるもの
の,単糸繊度の大きい凹凸部を有する異形断面形状の合
成繊維マルチフィラメント1との供給速度差が大きいた
め,図4のように,逆に中心部とそれを取り囲む部分と
の空間が大きくなり,これもまた目的とする密な断面を
有する本発明のフィラメント縫糸が得られず,好ましく
ない。
【0023】また,図3および図4のように,単糸繊度
の大きい凹凸部を有する異形断面形状の合成繊維マルチ
フィラメント1は,それ単独で集束しているため,異形
断面形状の空間部分が多く存在する形となり,好ましく
ない。本発明において,3本以上の合成繊維マルチフィ
ラメントで縫糸を構成させる場合,図5において,合成
繊維フィラメント1を供給する供給ニップローラー4に
最も単糸繊度の小さい合成繊維マルチフィラメント以外
の合成繊維マルチフィラメントを供給して合撚すればよ
い。
【0024】本発明において,縫糸の断面を密にするこ
とにより,ミシン針等の屈曲面で高張力下で接しても偏
平に変形せず,これに伴い糸切れの少ない縫糸を得るこ
とができるが,用途に応じてさらに高性能を要求される
場合は,本発明のフィラメント縫糸に樹脂加工を付与し
てもよい。
【0025】樹脂加工をする場合,付与される樹脂とし
ては,主にウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,シリコン
樹脂,メラミン樹脂,ポリアミド樹脂等であり,これら
を単一あるいは混合して使用する。
【0026】上記樹脂は,比較的軟質タイプの樹脂を用
いるのが縫糸の柔軟性の点で好ましいが,それ以外の樹
脂でも,付着量の調整により柔軟性を維持するようにす
れば使用することができる。これら樹脂加工をする場合
において,本発明のフィラメント縫糸の断面が密な状態
であることより,フィラメント間に付着浸透する樹脂が
少量で接着することができ,従来の断面空間の多い縫糸
に比べ柔軟性に優れ,なおかつ経済面での効果を合わせ
て得ることができる。
【0027】
【作用】本発明のフィラメント縫糸は,単糸繊度が3デ
ニール以上異なる少なくとも2種以上の合成繊維マルチ
フィラメントで,単糸繊度の最も大きい前記合成繊維マ
ルチフィラメントが凹凸部を有する異形断面糸であり,
互いに分散して施撚されていて,縫糸断面が単糸繊度の
大きい凹凸部を有する異形断面形状の合成繊維マルチフ
ィラメントの凹部および凸部間の間隙に単糸繊度の小さ
い丸断面を形成する合成繊維マルチフィラメントが入り
込み,全体的には,単糸繊度の小さい丸断面を形成する
合成繊維マルチフィラメントが単糸繊度の大きい凹凸部
を有する異形断面の合成繊維マルチフィラメントの凹部
および凸部間の間隙にきめ細かに配置された形となって
おり,フィラメント縫糸自体の断面の空間が非常に少な
く,密の状態で,動かない形となっている。このため,
本発明のフィラメント縫糸は,ミシン針等の屈曲面での
高張力下で代表されるような外的圧迫においても,フィ
ラメント縫糸の断面内において空間が少なく,縫糸断面
の集束が移動しないことから,偏平に変形せず,そのた
め,高張力下での縫製においても屈曲による変形が非常
に小さいことより,摩擦による毛羽発生を原因とする縫
製性の低下および糸切断を防止することができる。ま
た,フィラメント縫糸の表面に単糸繊度の大きい異形断
面糸の凸部が多数存在する形より,紡績糸のような縫製
品へのフィット性に優れる利点も生じる。
【0028】
【実施例】以下,本発明を実施例により説明するが,実
施例における試料の性能の測定,評価は,次の方法で行
った。
【0029】(1)風合 フィラメント縫糸を触感により,◎:大変柔らかい,
○:柔らかい,△:やや硬い,×:硬いの4段階評価に
て判定した。
【0030】(2)糸切れ張力 1本針本縫上下送りミシンを用いて,経糸ポリエステル
1000d/96f,緯糸ポリエステル750d/70
fで,経糸密度172本/インチ,緯糸密度18.5本
/インチで製織した幅48.8mm,厚み1.15mmのシ
ートベルト2本を重ねて,ミシン回転数2000針/
分,縫い目12目合い/10cmにて縫製したときの最高
糸切れ張力を,株式会社金井工機製チェックマスター張
力計にて測定し,評価した。
【0031】(3)糸切れ回転数 1本針本縫上下送りミシンを用い,上糸張力300gに
て,上記(2)のシートベルトを2本重ねて,縫い目1
2目合い/10cmにて縫製回転数を上げていき,糸切れ
したときの回転数を株式会社小野測器製タコメーターに
て測定し,評価した。
【0032】実施例1 通常のリング撚糸機を用い,図1における合成繊維マル
チフィラメント1としてY字形断面を有する異形断面形
状のポリエステル500d/48f(単糸繊度10.4
d)と図1における合成繊維マルチフィラメント2とし
て丸断面のポリエステル500d/96f(単糸繊度
5.2d)とを引き揃え,Z方向に撚数120T/mの
施撚を行った。このときの各々のポリエステルの供給速
度は,500d/48fは33.3m/分で,500d
/96fは30.9m/分で,7.2%遅い速度で供給
を行い,本発明のフィラメント縫糸を得た。
【0033】得られたフィラメント縫糸の断面写真を撮
影し,観察したところ,500d/48fのY字形の異
形断面の凹凸部の間に500d/96fの丸断面形状の
単糸が密に配置構成され,集束した丸みのある縫糸であ
った。
【0034】実施例2 実施例1で得たフィラメント縫糸に,大日本インキ化学
工業株式会社製ハイドランAPX−101Hが25部,
明成化学工業株式会社製メイカテックスHP600が3
部,ハイソフターK200が3部を水69部に調整した
樹脂液を1.5%(有効成分)付着させ,続いて,18
0℃で1分間乾燥固着を行った。
【0035】得られたフィラメント縫糸の断面写真は,
実施例1と同等あるいはそれ以上の丸みのある縫糸であ
った。
【0036】比較例1,2 通常のリング撚糸機を用いて,丸断面形状のポリエステ
ル1000d/96f(単糸繊度10.4d)にZ方向
に撚数120T/mの施撚を行うため,供給速度33.
3m/分で撚糸を行った(比較例1)。
【0037】次いで,実施例2と同様の樹脂および加工
条件で樹脂加工を行った結果,樹脂付着量が2.1%の
縫糸であった(比較例2)。
【0038】得られた縫糸の断面写真は,両比較例とも
空間の多い縫糸であった。
【0039】比較例3 実施例1において,Y字形を有する異形断面のポリエス
テル500d/96f(単糸繊度5.2d)と丸断面の
ポリエステル500d/192f(単糸繊度2.6d)
を用いる以外は,実施例1と同様にして縫糸を得た。
【0040】得られた縫糸の断面写真は,比較例1,2
よりも密な縫糸であるが,実施例1の断面に比べ粗な空
間を示す縫糸であった。
【0041】比較例4 実施例1において,施撚を行うための各々のポリエステ
ルの供給速度を,Y字形を有する異形断面形状の500
d/48f(単糸繊度10.4d)は33.3m/分
で,丸断面の500d/96f(単糸繊度5.2d)は
26.6m/分の20.1%遅い速度で供給する以外
は,実施例1と同様にして縫糸を得た。
【0042】得られた縫糸の断面写真は,丸断面のポリ
エステルの回りに空間をおいてY字形を有する異形断面
のポリエステルが覆っている形であった。
【0043】得られた実施例1〜2と比較例1〜4の縫
糸の性能について測定した結果を合わせて表1に示し
た。
【0044】
【表1】
【0045】表1より明らかなように,本発明のフィラ
メント縫糸は,縫糸断面写真観察より,構成するフィラ
メントの単糸間が密に構成され,なおかつ集束性に富ん
でいることにより,いずれの比較例の縫糸に比べ高張力
下および高速化の過酷な縫製の条件においても優れた性
能を有するフィラメント縫糸であった。
【0046】
【発明の効果】以上のように,本発明のフィラメント縫
糸は,3デニール以上単糸繊度が異なる2種以上の合成
繊維マルチフィラメントで,単糸繊度の最も大きい凹凸
部を有する異形断面形状の前記合成繊維マルチフィラメ
ントの凹凸部の間隙に単糸繊度の小さい丸断面形状の合
成繊維マルチフィラメントが互いに空間を作ることなく
密に入り乱れて撚り合わされ,構成されているため,縫
製でのミシン針等で代表される屈曲した部分において高
張力,高速で外的圧力を与えられても,縫糸が偏平しに
くく,過酷条件下での糸切れ張力にも優れた効果を発揮
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィラメント縫糸の断面の一部分を示
す拡大図である。
【図2】比較例の縫糸の断面の一部分を示す拡大図であ
る。
【図3】比較例の縫糸の断面の一部分を示す拡大図であ
る。
【図4】比較例の縫糸の断面の一部分を示す拡大図であ
る。
【図5】本発明のフィラメント縫糸を製造する際に用い
る撚糸機の機構を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 太繊度異形断面合成繊維マルチフィラメント 2 細繊度丸断面合成繊維マルチフィラメント 3 細繊度丸断面合成繊維マルチフィラメント 4 供給ニップローラー 5 供給ニップローラー 6 合わせガイド 7 トラベラ 8 捲取りボビン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸繊度が3デニール以上異なる少なく
    とも2種以上の合成繊維マルチフィラメントが分散して
    撚り合わされてなるフィラメント縫い糸であって,単糸
    繊度の最も大きい前記合成繊維マルチフィラメントが凹
    凸部を有する異形断面フィラメントであることを特徴と
    するフィラメント縫糸。
  2. 【請求項2】 2本以上の合成繊維マルチフィラメント
    をダウンツイスターで合撚してフィラメント縫糸を製造
    するに際し,単糸繊度の最も大きい合成繊維マルチフィ
    ラメントと最も小さい合成繊維マルチフィラメントの単
    糸繊度差が3デニール以上であって,単糸繊度の最も大
    きい合成繊維マルチフィラメントが凹凸部を有する異形
    断面フィラメントであり,単糸繊度の最も小さい合成繊
    維マルチフィラメントの合撚部への供給率を他の合成繊
    維マルチフィラメントより1〜15%小さい供給率に設
    定し合撚することを特徴とするフィラメント縫糸の製造
    方法。
JP7115497A 1997-03-25 1997-03-25 フィラメント縫糸及びその製造方法 Pending JPH10266036A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7115497A JPH10266036A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 フィラメント縫糸及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7115497A JPH10266036A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 フィラメント縫糸及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10266036A true JPH10266036A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13452424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7115497A Pending JPH10266036A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 フィラメント縫糸及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10266036A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100580321B1 (ko) * 2000-06-09 2006-05-15 주식회사 코오롱 흡한 속건성 부분 융착 가연사 및 그의 제조방법
CN104024499A (zh) * 2012-02-27 2014-09-03 东丽株式会社 假捻用聚酰胺混纤复合丝

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100580321B1 (ko) * 2000-06-09 2006-05-15 주식회사 코오롱 흡한 속건성 부분 융착 가연사 및 그의 제조방법
CN104024499A (zh) * 2012-02-27 2014-09-03 东丽株式会社 假捻用聚酰胺混纤复合丝

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4265082A (en) Spun-like yarn and a process for manufacturing the same
JP2003193348A (ja) シートベルト用ウェビング及びシートベルト用ウェビングの製造方法
JPH10266036A (ja) フィラメント縫糸及びその製造方法
JPH1018141A (ja) フィラメント縫糸及びその製造方法
JPS6242059B2 (ja)
JPH08337937A (ja) スパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸およびその製造方法
JP2816846B2 (ja) 交絡混繊マルチフィラメント複合糸およびその糸を用いた嵩高織物の製造法
JP2973828B2 (ja) スパンライク毛羽糸およびその製造方法
JP2646466B2 (ja) 精紡交撚糸
JP2867245B2 (ja) 嵩高織物
JP2897221B2 (ja) 一重被覆弾性糸
JP3399661B2 (ja) 複合嵩高加工糸の製造方法
JPH0733609B2 (ja) 弾性複合糸とその製造方法
JP2946535B2 (ja) 合成繊維ミシン糸の製造方法
JPH0364546A (ja) 毛羽糸およびその製造方法
JPS6346174B2 (ja)
JP2586704B2 (ja) スパンライク縫い糸
JPS6138927Y2 (ja)
WO1996038606A1 (fr) Fil texture a peluche de type file et son procede de production
JPH0536527B2 (ja)
JPS61146833A (ja) 複合糸およびその製法
JPS6347810B2 (ja)
JP2000256937A (ja) スパンライクフィラメント縫糸の製造方法。
JP2003096633A (ja) 熱接着性混撚糸
JPH0147567B2 (ja)