JPH10265879A - 電解コンデンサ用アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム箔

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JPH10265879A
JPH10265879A JP7173497A JP7173497A JPH10265879A JP H10265879 A JPH10265879 A JP H10265879A JP 7173497 A JP7173497 A JP 7173497A JP 7173497 A JP7173497 A JP 7173497A JP H10265879 A JPH10265879 A JP H10265879A
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foil
ppm
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aluminum foil
weight
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Tsuyoshi Sakurai
強 櫻井
Kozo Hoshino
晃三 星野
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解エッチング性を向上させることにより、
箔の表面積を拡大化して、静電容量を向上させることが
できると共に、折曲強度を高めることができる電解コン
デンサ用アルミニウム箔を提供する。 【解決手段】 アルミニウム箔は、Al:99.9重量
%以上、Fe:100重量ppm以下、Si:100重
量ppm以下、Cu:5乃至80重量ppm及びPb:
0.1乃至1重量ppmを含有する。そして、箔表面か
ら0.1μmの深さまでの領域におけるPb含有量は5
乃至45重量ppmである。また、箔表面から0.4μ
mの深さまでの領域における元素Aの含有量を重量pp
mで[A]S、箔全重量あたりの元素Aの含有量を重量p
pmで[A]Cとしたとき、数式Y=([Fe]S/[Fe]C
+[Si]S/[Si]C+[Cu]S/[Cu]C)/([Pb]S
/[Pb]C)により算出されるYは0.001乃至20
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサの電
極に使用されるアルミニウム箔に関し、特に、電極とし
て使用した場合の静電容量及び折曲強度を向上させるこ
とができる電解コンデンサ用アルミニウム箔に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、アルミニウム箔を400乃至
600℃の高温で焼鈍すると、箔の最表面に微量の添加
元素が濃縮されることは公知である。そして、箔の表面
に微量添加元素が濃縮されると、箔をエッチングした時
に、その表面に均一なエッチングピットを多量に形成す
ることができる。このことを利用して、従来より、箔表
面の実効面積を拡大し、単位面積あたりの静電容量を増
大させる技術が提案されている。
【0003】例えば、アルミニウム箔表層部におけるS
i等の微量添加元素の濃度と、箔内部における微量添加
元素の濃度との関係を適切に規定する方法が開示されて
いる(特開平4−62818号公報、特開平4−628
21号公報等)。これは、特定元素の表面濃縮量を規定
することにより、均一なエッチングピットの形成と、こ
れによる静電容量の向上を図ったものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特定の
微量添加元素の単体のみの範囲を適切に規定しても、他
の元素の表面濃縮が進行して、エッチング時に表面溶解
を引き起こすことがあり、これにより、エッチング後の
箔表面の拡面率が低下することがある。その結果、エッ
チング後に電極として使用する場合に、安定して高い静
電容量を得ることが困難となる。また、不均一なエッチ
ングピットが形成されると、電極としての折曲強度が低
下するという問題点もある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、電解エッチング性を向上させることによ
り、箔の表面積を拡大化して、静電容量を向上させるこ
とができると共に、折曲強度を高めることができる電解
コンデンサ用アルミニウム箔を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電解コンデ
ンサ用アルミニウム箔は、Al:99.9重量%以上、
Fe:100重量ppm以下、Si:100重量ppm
以下、Cu:5乃至80重量ppm及びPb:0.1乃
至1重量ppmを含有するアルミニウム箔において、箔
表面から0.1μmの深さまでの領域におけるPb含有
量が5乃至45重量ppmであると共に、箔表面から
0.4μmの深さまでの領域における元素Aの含有量を
重量ppmで[A]S、箔全重量あたりの元素Aの含有量
を重量ppmで[A]Cとしたとき、数式Y=([Fe]S
[Fe]C+[Si]S/[Si]C+[Cu]S/[Cu]C)/
([Pb]S/[Pb]C)により算出されるYが0.001
乃至20であることを特徴とする。
【0007】また、前記箔表面から0.1μmの深さま
での領域におけるPb含有量は20乃至40重量ppm
であり、前記Yは0.05乃至5であることが好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】本願発明者等がアルミニウム箔中
に存在する元素の表面濃縮について種々実験検討を行っ
た結果、以下に示す知見を得た。第1に、アルミニウム
箔表面に濃縮される元素の総量は常に一定であるという
点である。第2に、表面濃縮されやすい元素と、表面濃
縮され難い元素とが存在するという点である。第3に、
Pbは融点が低く、約300℃の低温においても表面濃
縮が進行するが、Cu、Fe及びSiの表面濃縮が進行
する400℃以上の温度領域においては、Pbの表面濃
縮が著しく進行するという点である。
【0009】また、本願発明者等は、特定元素がアルミ
ニウム箔表面のエッチング性に与える影響についても、
種々実験検討を行った。その結果、Fe、Si及びPb
は表面濃縮されやすく、その濃縮量を適切に規定して、
残部を箔内部に固溶・析出させることにより、多量のエ
ッチングピットを均一に形成することができることを見
い出した。これらの元素の中でも、特に、Pbは他の元
素と比較して、エッチング性に極めて大きい影響を与え
る元素であった。
【0010】更に、本願発明者等は、Cuは表面濃縮さ
れにくいが、適切量をアルミニウム箔内部に固溶させ
て、残部を箔表面に濃縮させることにより、箔厚方向に
深いエッチングピットを均一に成長させることができる
ことを見い出した。
【0011】これらの点を考慮すると、これら4種の元
素の濃縮量を、温度によって表面濃縮の進行度が異なる
Fe、Si及びCuと、Pbとで分けて制御し、残部を
箔の内部に存在させることにより、箔の表面に、深い多
量のエッチングピットを均一に形成することができ、優
れた静電容量を有するアルミニウム箔を得ることができ
る。また、均一なエッチングピットが形成されると、集
中応力が発生することがないので、折曲強度を向上させ
ることができる。このように、高い特性を有する電解コ
ンデンサ用アルミニウム箔は、4種の元素の濃縮量、全
体の含有量及びこれらの関係が、以下に規定する範囲を
満足することが必要条件となる。
【0012】以下、本発明における電解コンデンサ用ア
ルミニウム箔について、アルミニウム箔の化学組成、箔
表面から0.1μmの深さまでの領域におけるPb含有
量及び各成分の含有量と表面濃縮量との関係等の規定理
由を説明する。
【0013】Al含有量:99.9重量%以上 アルミニウム箔のAl含有量が99.9重量%未満であ
ると、不純物の量が多くなって立方体方位へのエッチン
グピットの成長を阻害し、エッチング後の拡面率が低下
して、これにより、静電容量が低下してしまう。また、
陽極酸化皮膜の欠陥が増加し、漏洩電流が大きくなるこ
とがある。従って、アルミニウム箔のAl含有量は9
9.9重量%以上とする。なお、望ましくは、アルミニ
ウム箔のAl含有量は99.98重量%以上である。
【0014】Fe:100重量ppm以下 アルミニウム箔のFe含有量が100重量ppmを超え
ると、表面濃縮量が著しく増加して、エッチングを開始
時にすでに表面溶解が起こるので、エッチング後の拡面
率が低下して、これにより、静電容量が低下してしま
う。また、陽極酸化皮膜の欠陥が増加し、漏洩電流が大
きくなることがある。従って、アルミニウム箔全重量あ
たりのFe含有量は100重量ppm以下とする。な
お、好ましくは、Fe含有量は5乃至30重量ppmで
ある。
【0015】Si:100重量ppm以下 アルミニウム箔のSi含有量が100重量ppmを超え
ると、表面濃縮量が著しく増加して、エッチングを開始
したときに、すでに表面溶解が発生するので、エッチン
グ後の拡面率が低下して、これにより、静電容量が低下
してしまう。また、陽極酸化皮膜の欠陥が増加し、漏洩
電流が大きくなることがある。従って、アルミニウム箔
全重量あたりのSi含有量は100重量ppm以下とす
る。なお、好ましくは、Si含有量は5乃至40重量p
pmである。
【0016】Cu:5乃至80重量ppm アルミニウム箔のCu含有量が5重量ppm未満の範囲
では、固溶する量が少なく、箔厚方向に深いエッチング
ピットが均一に形成されないので、集中応力が発生し
て、折曲強度が低下すると共に、静電容量が低いものと
なる。一方、アルミニウム箔のCu含有量が80重量p
pmを超えると、Fe及びSiの表面濃縮を妨げるだけ
でなく、Cuの固溶量も増加するので、箔表面のエッチ
ングピットが不均一に形成されるだけでなく、均一に深
く形成することが困難になる。その結果、集中応力が発
生し、折曲強度及び静電容量が低下してしまう。従っ
て、アルミニウム箔全重量あたりのCu含有量は5乃至
80重量ppmとする。
【0017】Pb:0.1乃至1重量ppm アルミニウム箔のPb含有量が0.1重量ppm未満で
あると、表面濃縮されるPbの量が極めて少ないので、
箔表面の反応性が著しく低下して、未エッチング部が多
量に発生する。その結果、エッチング後のピット密度が
減少して、拡面率が低下し、これにより、静電容量が低
下してしまう。また、エッチングピットの分布が不均一
となり、集中応力が発生する部分が多くなるので、折曲
強度が低下する原因となる。
【0018】一方、アルミニウム箔のPb含有量が1重
量ppmを超えると、表面濃縮されるPbの量が著しく
増加して、箔表面の反応性が極めて高いものとなるの
で、箔表面が全面溶解してしまい、エッチングピットが
箔表面から箔厚方向に延び難くなる。その結果、エッチ
ング後のピット密度が減少して、拡面率が低下し、これ
により、静電容量が低下してしまう。また、エッチング
ピットの分布が不均一となり、集中応力が発生する部分
が多くなるので、折曲強度が低下する原因となる。従っ
て、アルミニウム箔全重量あたりのPb含有量は0.1
乃至1重量ppmとする。
【0019】箔表面から0.1μmの深さまでの領域に
おけるPb含有量:5乃至45重量ppm アルミニウム箔の表面から0.1μmの深さまでの領域
におけるPb含有量が5重量ppm未満であると、Pb
がアルミニウム箔表面に濃縮されて、高密度のエッチン
グピットが発生しても、そのピットを成長させるための
駆動力が不足し、エッチング後のピット密度が減少す
る。これにより、エッチング後の拡面率が低下して、静
電容量が低くなってしまう。また、エッチングピットの
分布が不均一となり、集中応力が発生する部分が多くな
るので、折曲強度が低下する原因となる。
【0020】一方、箔表面から0.1μmの深さまでの
領域におけるPb含有量が45重量ppmを超えると、
Pbの濃縮が高くなり、内部が極めて溶け易くなる。こ
れにより、エッチングピットが箔の厚さ方向に延びず、
箔の表面に沿って横方向に延びて、他のエッチングピッ
トの成長を阻害する。その結果、箔表面のエッチングピ
ットが不均一に形成され、静電容量が低下するだけでな
く、深いピットが均一に形成され難くなるので、集中応
力が発生して、折曲強度の低下を引き起こす。従って、
アルミニウム箔表面から0.1μmの深さまでの領域に
おけるPb含有量は5乃至45重量ppmとする。
【0021】数式Y=([Fe]S/[Fe]C+[Si]S
[Si]C+[Cu]S/[Cu]C)/([Pb]S/[Pb]C
により算出されるY:0.001乃至20 本発明においては、箔表面から0.4μmの深さまでの
領域におけるFe、Si、Cu及びPbの含有量と箔内
部におけるこれら元素の含有量との関係を適正化してい
る。即ち、箔表面から0.4μmの深さまでの領域にお
けるFe、Si、Cu、Pbの含有量を、夫々、重量p
pmで[Fe]S、[Si]S、[Cu]S、[Pb]Sとし、箔全
重量あたりのFe、Si、Cu、Pbの含有量を、夫
々、重量ppmで[Fe]C、[Si]C、[Cu]C、[Pb]
C としたとき、数式Y=([Fe]S/[Fe]C+[Si]S
/[Si]C+[Cu]S/[Cu]C)/([Pb]S/[P
b]C)によって、その関係を表している。この数式によ
り算出されるYが0.001未満であると、各元素の表
面濃縮量が少ないので、エッチングピットの起点が減少
し、未エッチング部が増加して、エッチング後のピット
密度が減少する。これにより、エッチング後の拡面率が
低下して、静電容量が低くなってしまう。また、エッチ
ングピットの分布が不均一になって、集中応力が発生す
る部分が多くなるので、折曲強度が低下する原因とな
る。
【0022】一方、上記数式により算出されるYが20
を超えると、エッチングを開始するときに、エッチング
ピットが発生する前に表面溶解が発生し、エッチング後
のピット密度が減少する。これにより、エッチング後の
拡面率が低下して、静電容量が低くなってしまう。ま
た、エッチングピットの分布が不均一になって、集中応
力が発生する部分が多くなるので、折曲強度が低下する
原因となる。従って、上記数式により算出されるYは
0.001乃至20とする。また、好ましくは、Yが
0.05乃至5の範囲である。なお、箔表面から0.4
μmの深さまでの領域におけるFe、Si、Cu及びP
bの含有量(トータル量)は、GD−MS(グロー放電
質量分析)によって測定することができる。
【0023】本発明において規定されるアルミニウム箔
は、例えば、Al含有量が99.9重量%以上のアルミ
ニウム箔素材を450乃至600℃の温度で焼鈍し、こ
の焼鈍温度から400℃までの冷却時に、冷却速度を5
乃至45(℃/時間)に制御して冷却することにより、
製造することができる。以下、このような方法を初期冷
却速度制御法という。
【0024】なお、アルミニウム箔素材を焼鈍温度から
400℃の温度に冷却するまでの冷却時間については、
微量添加元素の表面濃縮量及び生産性向上を考慮する
と、10時間以下とすることが好ましい。また、400
℃未満の温度領域におけるアルミニウム箔素材の冷却速
度は、特に限定しない。更に、焼鈍温度を例えば450
乃至600℃という高温に規定すると、アルミニウム箔
表面に酸化皮膜が成長しやすくなるので、通常は、1×
10-2Torr以下の真空中又は不活性ガス中において
焼鈍するものとする。
【0025】このように、アルミニウム箔を初期冷却速
度制御法により製造すると、エッチング後の拡面率の増
大に作用する元素であるFe、Si、Cu及びPbの4
種の元素の表面濃縮量並びに内部含有量が共に制御され
て、本発明範囲を満足することができる。従って、微量
添加元素単体のみを規定する従来の技術と比較して、静
電容量及び折曲強度を向上させることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係る電解コンデンサ用アルミ
ニウム箔の実施例についてその比較例と比較して具体的
に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明を限定
するものではなく、本発明において請求する範囲内で種
々の変更が可能である。
【0027】先ず、Al含有量が99.99重量%であ
る純アルミニウム地金をそのまま又はAl含有量を調整
した後、溶解鋳造、熱間圧延及び冷間圧延を順次施すこ
とによって、箔地を作製し、更にこの箔地に対して、箔
圧延、中間焼鈍及び箔圧延を順次施すことによって、箔
厚が0.1mmであるアルミニウム箔を作製した。
【0028】次に、このアルミニウム箔を種々の焼鈍条
件によって不活性ガス中において最終焼鈍した後、これ
を種々の冷却速度で冷却して、試験材を作製し、その箔
表面から0.4μmの深さまでの領域におけるFe、S
i、Cu及びPb含有量をGD−MSにより測定した。
そして、このGD−MSにより測定されたFe、Si、
Cu、Pbの含有量(トータル量)を、夫々、重量pp
mで[Fe]S、[Si]S、[Cu]S、[Pb]Sとし、箔全重
量あたりのFe、Si、Cu、Pbの含有量を、夫々、
重量ppmで[Fe]C、[Si]C、[Cu]C、[Pb]C
して、数式Y=([Fe]S/[Fe]C+[Si]S/[Si]C
+[Cu]S/[Cu]C)/([Pb]S/[Pb]C)によっ
て、Yを算出した。なお、箔全重量あたりのFe、S
i、Cu及びPbの含有量は、溶解鋳造時における溶湯
から取り出したサンプルをカント分析(光電測光式発光
分光分析)によって求めた。
【0029】また、以下に示す方法により、箔の表面か
ら0.1μmの深さまでの領域におけるPb含有量を測
定した。先ず、試験材100cm2の片面を60℃の温
度の0.5%NaOH水溶液20cm3に浸漬し、Al
の溶解量が2.7mgである水溶液を得た。次に、この
水溶液を塩酸によってpH6〜8に調整し、水酸化アル
ミニウムの沈殿を生成させて、この沈殿を濾別した。そ
の後、沈殿を純水で洗浄した後、塩酸で溶解し、更に純
水で定溶して、この溶液をICP−MS(誘電結合プラ
ズマ質量分析)によってPb量を測定した。
【0030】その後、各試験材に、下記表1に示す条件
で第1直流エッチング及び第2直流エッチングを順次施
した後、このエッチド箔を375Vに化成処理し、ホウ
酸系の溶液を使用することにより各試験材の静電容量を
測定した。
【0031】また、M.I.T型試験機を使用して、上記
エッチド箔の折曲強度を評価した。折曲強度は、先ず、
試験材を45°の角度に折り曲げ、その後、元に戻して
反対方向に45°の角度に折り曲げる行為を1回とし、
これを箔が切断するまで繰り返した回数を測定すること
により評価した。折り曲げの条件としては、試験材の折
り曲げ面の曲率半径を1mmとし、250gの引張荷重
を印加して、毎分175回の繰り返し速度で実施した。
アルミニウム箔の化学組成を下記表2、焼鈍条件を下記
表3に、箔表面から0.1μmの領域におけるPb含有
量、箔表面から0.4μmの領域におけるFe、Si、
Cu及びPb含有量([Fe]S、[Si]S、[Cu]S、[P
b]S)及びY値を下記表4に示し、評価結果を下記表5
に示す。
【0032】なお、下記表3に示す冷却速度V(℃/時
間)は、最終焼鈍温度をt(℃)、冷却開始時間をS0
(時間)、400℃まで冷却された時間をSとしたと
き、V=(t−400)/(S−S0)により算出する
ことができる。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】上記表2乃至5に示すように、実施例N
o.1乃至4は、アルミニウム箔の組成、箔表面から
0.1μmの深さまでの領域におけるPb含有量及び箔
表面から0.4μmの深さまでの領域における特定元素
の含有量と箔全重量あたりの特定元素の含有量との関係
Yが本発明の範囲内であるので、静電容量及び折曲強度
が高いものとなった。特に、実施例No.1乃至3はY
値が本発明の好ましい範囲を満足しているので、実施例
No.4と比較して、より一層静電容量及び折曲強度が
向上した。
【0039】一方、比較例No.5乃至15は、いずれ
か1種の項目が本発明の範囲を外れているので、静電容
量が低いものになると共に、折曲強度が低下した。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アルミニウム箔の組成、箔表面から0.1μmの深さの
領域におけるPb含有量及び箔表面から0.4μmの深
さまでの領域における特定元素の含有量と箔全重量あた
りの特定元素の含有量との関係Yを適切に規定している
ので、電解エッチング性が優れており、高い静電容量を
有すると共に、折曲強度が良好である電解コンデンサ用
アルミニウム箔を得ることができる。また、Y値を厳密
に規定すると、より一層静電容量及び折曲強度を向上さ
せることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al:99.9重量%以上、Fe:10
    0重量ppm以下、Si:100重量ppm以下、C
    u:5乃至80重量ppm及びPb:0.1乃至1重量
    ppmを含有するアルミニウム箔において、箔表面から
    0.1μmの深さまでの領域におけるPb含有量が5乃
    至45重量ppmであると共に、箔表面から0.4μm
    の深さまでの領域における元素Aの含有量を重量ppm
    で[A]S、箔全重量あたりの元素Aの含有量を重量pp
    mで[A]Cとしたとき、数式Y=([Fe]S/[Fe]C
    [Si]S/[Si]C+[Cu]S/[Cu]C)/([Pb]S
    [Pb]C)により算出されるYが0.001乃至20で
    あることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム
    箔。
  2. 【請求項2】 前記箔表面から0.1μmの深さまでの
    領域におけるPb含有量は20乃至40重量ppmであ
    り、前記Yは0.05乃至5であることを特徴とする請
    求項1に記載の電解コンデンサ用アルミニウム箔。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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