JPH09129513A - 低電圧電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔 - Google Patents

低電圧電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔

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JPH09129513A
JPH09129513A JP28369995A JP28369995A JPH09129513A JP H09129513 A JPH09129513 A JP H09129513A JP 28369995 A JP28369995 A JP 28369995A JP 28369995 A JP28369995 A JP 28369995A JP H09129513 A JPH09129513 A JP H09129513A
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JP
Japan
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aluminum foil
surface layer
ppm
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electrolytic capacitor
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JP28369995A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kawai
正彦 川井
Kazuhiro Kametani
一広 亀谷
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低電圧電解コンデンサ用のアルミニウム箔と
して好適であって、適度な腐食減量と優れた静電容量を
有し、箔の強度も優れているという高特性及び品質安定
性の高いアルミニウム箔を提供する。 【解決手段】 Feが15〜150ppm、Siが15
〜150ppm含有され、アルミニウム純度が99.9
6〜99.994%である低電圧電解コンデンサ陽極用
アルミニウム箔において、表面から1μmの深さまでの
表面層にZnが20〜200ppm含まれ、表面層以外
の部分のZn含有量が、表面層のZn含有量よりも少な
く、かつ、20ppmを越えない含有量とされたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は150V以下の電圧
で使用される低電圧電解コンデンサ陽極用アルミニウム
箔に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にアルミニウム箔が電解コンデンサ
用電極として用いられる場合は、その表面に粗面化処理
が施される。この粗面化処理は、アルミニウム箔の表面
積拡大のために施されるもので、この後に誘電体として
用いるための陽極酸化被膜からなる化成被膜が形成され
て使用されるようになっている。前述のような粗面化処
理を施したアルミニウム箔は、粗面化処理を施さないア
ルミニウム箔に比べて比表面積が大きくなり、何10倍
という高い静電容量が得られるために、粗面化処理とは
この種のアルミニウム箔にとって非常に重要な処理とな
っている。
【0003】この粗面化処理は一般には塩酸を主体とし
た電解液中で電気化学的なエッチングにより行われてい
るが、特に150V以下の電圧で使用される低電圧電解
コンデンサ陽極用アルミニウム箔の場合は、交流電解エ
ッチングが施されるのが通常である。それに対して20
0V以上の電圧で使用される中高電圧電解コンデンサ電
極用のアルミニウム箔にあっては、同様の溶液中で直流
電解エッチングが採用されている。このようにコンデン
サ用のアルミニウム箔にあっては、使用される電圧に応
じてエッチング条件を適宜選択して行う必要がある。
【0004】この理由は、まずアルミニウム箔に対して
交流電解エッチングを行った場合、海綿状の非常に細か
い微細なピットが形成されるので、このアルミニウム箔
に対して更に150V以上の化成電圧で処理したので
は、その微細なエッチングピットが化成被膜により埋め
られてしまうので、中高電圧用には向かないようになる
ためである。一方、低電圧で処理した化成被膜では、そ
のエッチングピットは埋められず、表面積として有効に
作用するようになる。また、直流電解エッチングで形成
されるエッチングピットの径は、1〜2μm程度に達
し、かなりの高電圧による化成処理でもエッチングピッ
トが埋まることはなく、有効表面積として機能するため
に、中高電圧電解コンデンサ電極用のアルミニウム箔の
粗面化処理は、直流電解エッチングが採用されている。
このように粗面化処理のエッチング条件が、低電圧用と
中高電圧用では全く異なるために、自ずとそれぞれの使
用電圧に対応した表面状態あるいは組成のアルミニウム
箔が要求されることになる。
【0005】以上述べてきたような交流電解エッチング
による粗面化処理を行う形式のアルミニウム箔における
先行技術として、特開平4−124806号に開示され
ているように、合金組成として、Si、Fe、Mn、C
u、B、Ga、Zn量をそれぞれ規定して粗面化処理後
の品質向上を図った特許が知られている。即ち、この特
許においては、Siを15〜100ppm、Feを15
〜100ppm、Mnを5〜25ppm、Bを5〜25
ppm、Gaを5〜30ppm、Znを5〜25ppm
それぞれ含有し、残部をAlと不可避不純物としたアル
ミニウム箔が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
許に係るアルミニウム箔にあっても、粗面化処理中及び
処理後の品質(腐食減量、静電容量、箔の強度)が安定
しないという問題があった。そこで本発明者らは、この
粗面化処理工程後のアルミニウム箔における腐食減量の
バラツキ、ひいては、静電容量の不安定性が生じる原因
について鋭意研究を重ねた結果、高純度としたアルミニ
ウム箔においては、その表面層のZn量の影響が極めて
大きいことを知見し、本願発明に到達した。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、低電圧電解コンデンサ用のアルミニウム箔として
好適であって、適度な腐食減量と優れた静電容量を有
し、箔の強度も優れているという高特性及び品質安定性
の高いアルミニウム箔を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、Feが15〜150ppmS
iが15〜150ppm含有され、アルミニウム純度が
99.96〜99.994%である低電圧電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔において、表面から1μmの深さ
までの表面層にZnが20〜200ppm含まれ、表面
層以外の部分のZn含有量が、表面層のZn含有量より
も少なく、かつ、20ppmを越えない含有量としたも
のである。請求項2記載の発明は前記課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明において、表面層以外の部分
のZn含有量が、表面層のZn含有量の1/2以下にさ
れてなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例について説明する。本発明に係るアルミニウム箔に
あっては、Feが15〜150ppm、Siが15〜1
50ppm含有され、アルミニウム純度が99.96〜
99.994%であって、表面から1μmの深さまでの
表面層に、Znが20〜200ppm含まれ、表面層以
外の部分のZn含有量が、表面層のZn含有量よりも少
なく、かつ20ppmを越えない含有量とされ、残部は
Alと不可避不純物から構成され、全体の厚さが80〜
100μm程度のものである。
【0010】Fe量とSi量をそれぞれ15ppm以上
としたのは、15ppmを下回る含有量であっても良い
が、15ppmを下回る含有量とするためには、純度向
上のために特別な偏析法を用いてアルミニウムを精錬す
る必要が生じてコストアップとなり、実用的ではないと
判断したためである。また、Fe量とSi量をそれぞれ
150ppm以下としたのは、150ppmを越える含
有量としたのでは、コンデンサの特性として、例えば、
漏れ電流値が高くなり、これにより実用に耐えられなく
なるためである。なお、Fe量とSi量をそれぞれ10
0ppm以下とすることが好ましい。
【0011】表面から1μmの深さまでの表面層に、Z
nを20ppm以上含有させた理由は、20ppmを下
回る場合、粗面化処理の際、結晶粒界などで局部的なエ
ッチングが起こり、均一な溶解が得られないばかりか、
溶解減量が過度に多くなり過ぎるためである。なお、結
晶粒界での局部的なエッチングと不純物の関係に関して
言えば、結晶粒界は不純物の集まる箇所であり、本願発
明の如くアルミニウム純度の高い場合には、結晶粒界に
不純物が多少でも析出すると、アルミニウム純度の低い
場合に比べてよりエッチングに敏感になり、不純物とし
ての挙動が著しい作用を及ぼす結果、エッチングが過度
に起こり、溶解減量が過度に多くなることになる。ま
た、表面から1μmの深さまでの表面層に、Znを20
0ppm以下含有させた理由は、200ppmを越える
含有量であると、アルミニウム箔の表面での溶解が進
み、所望の静電容量が得られなくなるためである。Zn
含有量としては前記範囲内であっても50〜100pp
mとすることが好ましい。
【0012】また、表面層以外の部分、即ち、表面層よ
り内部側の部分は、20ppm以下のZn量であること
が好ましいが、これは、表面層がいかなる濃度であると
しても、それより内部側でZn濃度が20ppm以上で
は全体的に腐食減量が多くなり過ぎ、静電容量の低下を
招くためであり、Zn含有量は10ppm以下であるこ
とがより好ましい。更に、表面層より内部側の部分のZ
n含有量にあっては、表面層の全含有量の1/2以下で
あることが好ましい。また、表面層を1μmよりも厚く
すると、全体の厚さが80〜100μmのアルミニウム
箔の内部側にZnを多く含有させたことと同じようにな
り、全体的に腐食減量が多くなりすぎ、静電容量の低下
を招く。
【0013】本発明に係るアルミニウム箔は、以上説明
のように表面層とその内部においてZnの濃度差を有
し、表面層側にZnを多く含有させ、内部側のZn量を
抑えた構成であり、これにより、表面層での均一なエッ
チングの拠点を作り、内部はコンデンサの特性、あるい
は、粗面化処理時点での諸特性をできるだけ良好なもの
に維持しようとした構成であり、均一エッチング性に優
れ、かつ、強度と静電容量を安定して高い値とすること
ができる。
【0014】以上説明した構成のアルミニウム箔を製造
する方法としては、Znを10〜30ppm含有するア
ルミニウム箔を330〜500℃で焼鈍し、Znを表面
層側に拡散して製造しても良いが、更に表面層でのZn
の濃度を高くするためには、前記アルミニウム箔に蒸着
などの方法でZnを被覆し、この後に330〜500℃
で焼鈍して表面層にZnを拡散することで製造すること
もできる。なお、表面にZnを被覆する方法は、メッ
キ、浸漬、イオンプレーティング、スパッタリングなど
の手法を用いても良い。また、ここで、通常のアルミニ
ウム箔の製造工程においては、最終厚さ(0.1mm)
において300℃で焼鈍がなされるが、この加熱条件の
みでは本願のようなZn濃度差をもった構成は得られな
い。従って300℃で行う焼鈍とは別に、前記の温度範
囲で焼鈍することが必要となる。また、この焼鈍の際の
雰囲気は、不純物の混入を避けるために不活性ガス雰囲
気とすることが好ましい。さらに、本願発明構成のよう
なZn濃度差を得るには、焼鈍温度、時間の制御を厳密
に制御することが好ましい。また、表面層においてZn
濃度を80ppm程度以上にするためには、前記のZn
蒸着などの手法が必要になる。
【0015】
【実施例】Al純度99.995%(Feを15pp
m、Siを15ppm、Cuを10ppmそれぞれ含
有)のAl地金を溶解し、Fe、Siをそれぞれ適量添
加することにより、種々の純度と濃度に調整するととも
に、少量のZnを添加してZn量の調整を行って種々の
溶湯を得た。その後、各溶湯を5kgの小型鋳型(40
×150×300mm)に鋳込み、面削を行った後、5
30℃で熱間圧延を行って6mmの厚さのアルミニウム
板を得た後、このアルミニウム板を冷間圧延して0.1
mm厚のアルミニウム箔試料に仕上げた。その後、一部
のアルミニウム箔試料については、その表面にZnを1
0〜20Å蒸着した。これらの試料に対し、最終焼鈍処
理を300〜500℃の温度で不活性ガス雰囲気中で行
った。それぞれの試料の粗面化処理条件としては、下記
の表1に記載した条件を採用し、各試料に対して腐食減
量の測定、及び、静電容量の測定を行った。
【0016】
【表1】
【0017】以上の測定結果を表2に示す。なお、表2
には、前記の測定結果とそれぞれの試料の化学分析値及
び表面層のZn濃度、内部のZn濃度(表面層をカセイ
ソーダ溶液で1μm溶解した後、カントレット(発光分
析法)で測定した。)をそれぞれ示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2に示す測定結果において、No.5の
試料は、FeとSiの割合を本発明の範囲内に表面層の
Zn濃度を本発明の範囲より少なくしたものであるが、
本発明試料に比べて溶解減量が多くなり、静電容量も低
下している。No.6の試料は、FeとSiの割合を本
発明の範囲よりも多く含ませ、内部でのZn含有量も本
発明の範囲より多く含ませたものであるが、本発明試料
に比べて溶解減量が多くなり、静電容量も低下してい
る。No.8の試料は、内部でのZn濃度を本発明の範
囲より多くしたものであるが、本発明試料に比べて溶解
減量が極めて多くなり、静電容量の低下割合も大きい。
No.9の試料は、表面層でのZn濃度と内部でのZn
濃度のいずれも多くした試料であるが、本発明試料に比
べて溶解減量が極めて多くなり、静電容量の低下割合も
大きい。 No.10の試料は、表面層のZn濃度を多く
した試料であるが、本発明試料に比べて溶解減量が多く
なり、静電容量も低下した。次に、No.10と11の
試料は、表面層の厚さを1μmよりも大きい5μm、1
μmよりも小さい0.2μmとして、製造した試料であ
るが、表面層を厚くすると、アルミニウム箔の全体の強
度が不足し、通常必要な強度2.0kg/cmよりも低
下した値1.5kg/cmとなり、表面層が薄い場合
は、粒界偏析により、過溶解を引き起こした。これらに
比較して本発明に係る範囲を満たしたNo.1〜4の試
料は、いずれも適度な溶解減量(0.10g/cm2
下)を示し、しかも、高い値で安定した静電容量を有し
ていることが明らかになった。また、前記No.1〜4
の試料はいずれも2.0〜2.5kg/cmの範囲の強度
を有し、コンデンサ用アルミニウム箔として十分な強度
を有していることも明らかになった。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る低電圧
電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔は、高純度のアル
ミニウムをベースとし、それにFeとSiを適量含有
し、表面層に適量のZnを内部側にそれよりも少ないZ
nを含有させた構成であるので、高純度アルミニウムの
エッチング時に特有の結晶粒界での不純物の挙動を制御
することができ、これにより、適度な腐食減量を確保す
るとともに、高い値であって、しかも、安定した静電容
量を有するようにすることができる。また、本発明に係
るアルミニウム箔は、低電圧電解コンデンサ用として十
分に優れた強度も有している。また、表面層以外の部分
のZn含有量を表面層のZn含有量の1/2以下にする
ことで、高純度アルミニウムのエッチング時に特有の結
晶粒界での不純物の挙動をより確実に制御することがで
き、これにより、適度な腐食減量を確保するとともに、
高い値であって、しかも、より安定した静電容量を有
し、強度も高い低電圧電解コンデンサ陽極用アルミニウ
ム箔を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feが15〜150ppm、Siが15
    〜150ppm含有され、アルミニウム純度が99.9
    6〜99.994%である低電圧電解コンデンサ陽極用
    アルミニウム箔において、 表面から1μmの深さまでの表面層にZnが20〜20
    0ppm含まれ、表面層以外の部分のZn含有量が、表
    面層のZn含有量よりも少なく、かつ、20ppmを越
    えない含有量とされたことを特徴とする低電圧電解コン
    デンサ陽極用アルミニウム箔。
  2. 【請求項2】 表面層以外の部分のZn含有量が、表面
    層のZn含有量の1/2以下にされてなることを特徴と
    する請求項1記載の低電圧電解コンデンサ陽極用アルミ
    ニウム箔。
JP28369995A 1995-10-31 1995-10-31 低電圧電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔 Pending JPH09129513A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1418599A1 (en) * 2001-07-18 2004-05-12 Nihon Parkerizing Co., Ltd. Aluminum foil for electrolytic capacitor
JP2011249488A (ja) * 2010-05-26 2011-12-08 Panasonic Corp 電極箔とこの電極箔を用いたコンデンサおよび電極箔の製造方法

Cited By (3)

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EP1418599A1 (en) * 2001-07-18 2004-05-12 Nihon Parkerizing Co., Ltd. Aluminum foil for electrolytic capacitor
EP1418599A4 (en) * 2001-07-18 2007-05-02 Nihon Parkerizing ALUMINUM SHEET FOR ELECTROLYTIC CAPACITOR
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Effective date: 20040330

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