JPH10262434A - 簡易式乗用型茶葉摘採機 - Google Patents

簡易式乗用型茶葉摘採機

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JPH10262434A
JPH10262434A JP7579997A JP7579997A JPH10262434A JP H10262434 A JPH10262434 A JP H10262434A JP 7579997 A JP7579997 A JP 7579997A JP 7579997 A JP7579997 A JP 7579997A JP H10262434 A JPH10262434 A JP H10262434A
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Ochiai Cutlery Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軌道レール式及び乗用型の茶葉摘採機の利点
を生かしつつ、大型かを防止できて安価で作業性がよい
簡易式の乗用型茶葉摘採機を提供すること。 【解決手段】 茶樹畝を跨ぐ門型フレームで構成される
車体本体2と、前記車体本体2に連結され畝間を走行す
るクローラ型の走行装置3と、前記車体本体2に対し上
下動可能に配設され、少なくとも、上記茶樹畝の頂面の
半分を覆うことができる長さの摘採部43と、摘採され
た茶葉を後方へ送り込む送風手段46とを有した摘採装
置4と、前記摘採装置4の後方に配設され、前記摘採装
置4により圧送された茶葉を収容する収容体を搭載する
荷台5と、上記門型フレームのうちで後方に位置する門
型フレーム22により垂直方向で揺動可能に支持されて
いる荷受部材6と、を具備し、上記荷受部材6は、上記
収容体を搭載可能な構成とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茶樹畝を跨いで移動し
ながら茶葉摘採作業を行う乗用型の茶葉摘採機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、作業者の高齢化に伴い、茶園を管
理する様々な機械の自動化及び作業負担の軽減が急務と
されてきている。これらの、要望に答えるべく、例えば
レール軌道式の茶葉摘採機や、乗用型の茶葉摘採機が提
案されている。上記レール軌道式の茶葉摘採機は、畝間
に沿って敷設された軌道レールの上を走行する軌道台車
に茶畝を跨ぐように配設される門型フレームを配設し、
該門型フレームに摘採装置を昇降自在に設けている。そ
して軌道台車を走行させながら、摘採装置を稼働させ、
摘採した茶葉を摘採装置後方に設けた茶葉収容袋に収容
するようにしている。これにより、比較的安価な装置
で、茶葉を適正に摘採して収容することができる。
【0003】また上記乗用型の茶葉摘採機は、茶畝を跨
いでその両側の畝間を自走する乗用車体に、摘採装置
と,大型の送風装置と,茶葉を収容する大型の収容装置
とを設けている。そして乗用車体を畝間に乗り入れ、摘
採装置を稼働して摘採作業を行い、摘採茶葉を、送風装
置により圧送してダクト内にて上昇させ、収容装置内に
収容するようにしている。これにより、極端な傾斜地で
ない限り、乗用型の摘採機を乗入れて摘採作業を行うこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した軌
道レール式及び乗用型の茶葉摘採機のいずれも利点はあ
るものの、以下に述べるような欠点もある。まず、軌道
レール式の茶葉摘採機の場合、簡易な機器構成のため機
器本体は比較的安価になるが、畝間全部に軌道レールを
敷設しなければならず、その分の費用がかかり、結果と
して高価なものとなってしまう。そのため、レールを敷
設する面積の少ない小規模,中規模の茶園では、そのメ
リットを十分に発揮するが、大規模程度の茶園では、レ
ール敷設コストがかかり、このシステムを導入できない
といった問題点がある。しかも、レールを敷設した場合
には、耕耘作業野卑量散布等の茶園管理作業の際にレー
ルが邪魔になり、茶園管理を維持することに障害がでる
虞がある。
【0005】また、乗用型の茶葉摘採機の場合、機器構
成自体が大がかりなもので、価格自体が高価になってし
まい、大きな茶園では、そのメリットを十分に発揮する
が、小規模,中規模程度の茶園では、このシステムを導
入できないといった問題点がある。しかも、乗用型の茶
葉摘採機を用いた場合、摘採機の重量によっては地盤が
締め固められてしまい、これによって耕耘作業の際の掘
り起こしが良好に行えず、茶園の管理作業が困難となる
虞がある。
【0006】さらに、茶葉摘採機では、摘採した茶葉を
茶袋等の収容体に収容し、その収容体が茶葉により満た
された時点で新たな収容体に交換しながら摘採作業を継
続することが望まれるが、この様な収容体の交換をなる
べく少ない回数で賄おうとすると、前述したように大型
の収容装置が必要となる。このため、摘採機の構造が大
型なものとなることは否めない。摘採機の構造が大型な
ものとなると、その駆動に要する駆動源の出力も大きい
ものが必要となり、摘採コストの上昇を招く原因とな
る。このように収容装置が大型化すると摘採機の側方へ
の張り出し量も多くなる。このため、走行する際には、
茶園に設置されている防霜ファン取付用の支柱に収容装
置あるいは摘採機の一部が干渉しやすくなり、摘採機の
走行が妨げられる虞がある。また、摘採機に装備されて
いる収容装置が大型になる場合も含めて収容体を交換す
ることがある場合には、交換の際に乗降する必要がある
ため、作業者の負担が大きくなりがちであり、特に、背
丈が高くなりやすい大型な摘採機ではその負担が大きく
なる。
【0007】本発明の目的は、上記従来の茶葉摘採機に
おける問題に鑑み、軌道レール式及び乗用型の茶葉摘採
機の利点を生かしつつ、しかも、装置構造を大型なもの
としないで円滑な走行による摘採を含めて茶園管理を良
好に行える構成を備えた簡易式の乗用型茶葉摘採機を提
供することにある。
【0008】本発明の別な目的は、摘採した茶葉の収容
体を交換する際の乗降動作を必要とした場合の作業者へ
の負担の増大を軽減することができる構成を備えた簡易
式乗用型茶葉摘採機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、茶樹畝を跨ぐ門型フレーム
で構成される車体本体と、前記車体本体に連結され畝間
を走行するクローラ型の走行装置と、前記車体本体に対
し上下動可能に配設され、少なくとも、上記茶樹畝の頂
面の半分を覆うことができる長さの摘採部と、摘採され
た茶葉を後方へ送り込む送風手段とを有した摘採装置
と、前記摘採装置の後方に配設され、前記摘採装置によ
り圧送された茶葉を収容する収容体を搭載する荷台と、
上記門型フレームのうちで後方に位置する門型フレーム
により垂直方向で揺動可能に支持されている荷受部材
と、を具備し、上記荷受部材は、上記収容体を搭載可能
な構成とされていることを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明は、上記荷台を茶畝方
向に長い構成とし、かつ上記摘採装置に対しヒンジ結合
し、該荷台を折り畳み可能にしたことを特徴としてい
る。
【0011】請求項3記載の発明は、上記摘採装置は、
上記門型フレーム間にて上記車体本体の走行方向に沿っ
て配置された連結フレームに対し縦方向に立設されてい
る昇降フレームに設けられている駆動源により昇降自在
に設けられていることを特徴としている。
【0012】請求項4記載の発明は、上記荷受部材は、
揺動基端および揺動端が上記車体本体に対して着脱でき
る構成とされていることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1および4記載の発明では、荷受部材に
て収容体を搭載することができるので、従来の摘採機と
違って大型の収容装置を準備する必要がない。しかも、
荷受部材が車体本体に対して着脱可能であるので、搭載
された収容体の荷下ろし時や摘採機の走行時に必要な形
態を設定することができる。
【0014】請求項2記載の発明では、荷台が茶畝方向
に長く構成されているため、長い茶袋等の収容体を搭載
することが可能となり、茶葉を多く収容することができ
る。しかも、茶畝間を移動するときには、ヒンジ結合部
にて荷台を折り畳むことができるため、狭い所でも旋回
ができるようになる。また、旋回のために荷台が折り畳
まれる際には、荷受部材を取り外すことで、荷台と荷受
部材との干渉が防がれることによって折り畳む角度が大
きくでき、旋回半径を小さくすることができる。
【0015】請求項3記載の発明では、摘採装置が昇降
フレームに設けられている駆動源によって昇降駆動され
るので、操縦席とこの後方に位置する摘採装置との間に
横架する部材を存在させる必要がなくなる。このため、
操縦席から直接摘採装置に有する荷台に移動して荷台上
あるいは荷受部材上の収容体の交換作業が行える。
【0016】
【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明
する。図1は、本発明による簡易式乗用型摘採機の実施
例を示す斜視図であり、同図において簡易式乗用型摘採
機(便宜上、摘採機という)1は、車体本体2と、走行
装置3と、摘採装置4と、荷台5と、荷受部材6とを備
えて構成されている。
【0017】車体本体2は、車体の前後に配設される門
型フレーム21,22と、該門型フレーム21,22の
間において車体の幅方向両端にそれぞれ配設される昇降
フレーム23と、門型フレームのうちで車体前側に位置
する門型フレーム21の一部をなす乗車板24とで構成
されている。車体前側に位置する門型フレーム21は、
車体後側に位置する門型フレーム22よりも高さが低く
され、乗車板24に対する作業者の乗降労力を軽減する
ようになっている。門型フレーム21、22間には車体
本体2の走行方向に沿って連結フレーム25が設けられ
ている。連結フレーム25は、図2に示すように、車体
前側に位置する門型フレーム21から後方に向け延長さ
れる途中が段差部とされて車体後側の門型フレーム22
との高さが整合されており、その途中には、摘採装置4
を昇降ガイドするための縦フレームからなる昇降フレー
ム23の一部が固定されている。門型フレーム21、2
2は、茶樹畝を跨いだ状態での剛性を確保できる材質お
および形状に設定されている。乗車板24は、作業者が
乗車した際の曲げ剛性を確保できる板材で構成されてお
り、上面には作業者が座る操縦席26と操縦席26の前
方に位置する操縦部27と手すり用フレーム28とが設
けられている。乗車板24の近傍には、連結フレーム2
5の前側上面に取り付けられているエンジン60と、車
体前側の門型フレーム21に取り付けられている燃料タ
ンク61とが配置されている。燃料タンク61は、エン
ジン60の燃料供給部材として用いられる。連結フレー
ム25には、昇降フレーム23の頂部に対応する位置に
後述する摘採装置4の昇降体を駆動するための昇降モー
タ(便宜上、符号48を用いる)が配置され、さらにそ
の昇降モータ48の後方には、支柱部材25Aおよびエ
ンジン用のバッテリー29がそれぞれ固定されている。
昇降モータ48は、上気した昇降フレーム23の頂部に
限るものではなく昇降フレーム23の適宜な一に配置す
ること勿論可能であり、さらに、昇降フレーム23の両
方あるいは一方にのみ設けることも可能である。
【0018】昇降フレーム23の内部にはネジ棒(図示
されず)が設けられており、ネジ棒は、図1に示すよう
に、昇降モータ48の回転力が減速機構(便宜上、符号
48Aを用いる)を介して伝達されるようになってる。
支柱部材25Aは、車体後側の門型フレーム22の頂部
と同じ高さとなるように上端位置が位置決めされて設け
られている。この支柱部材25Aには、後述するが、荷
受部材6が配置されるようになっている。
【0019】走行装置3は、駆動輪31および従動輪3
2との間に捲装されたゴムクローラ33を備えており、
駆動輪31には、油圧モータ34が連結されている。駆
動輪31と従動輪32とには、補強フレーム35がその
延長方向両端を連結されており、その補強フレーム35
の延長方向に沿って複数の転輪36が回転自在に支持さ
れている。補強フレーム35には、その上面に門型フレ
ーム21、22および昇降フレーム23の下端が固定さ
れており、ここに車体本体としての骨格を構成するよう
になっている。
【0020】油圧モータ34は、図3に示す油圧制御回
路によって回転制御されるようになっている。つまり、
図3において油圧制御回路は、エンジン60によって駆
動されるオイルポンプ62(図1参照)からのオイルを
各油圧モータ34に対して給排制御する方向切り換え弁
63と、油圧モータ34の正転、逆転および停止制御の
ための回転用方向切り換え弁64とを主要部として備
え、各方向切り換え弁63、64は、マニホールドブロ
ック(一点鎖線で示す部材)を介してオイルポンプ62
に連通している。方向切り換え弁63は、電磁駆動式4
ポート2位置切り換え弁が用いられ、常態が、回転用方
向切り換え弁64にオイルを供給できる状態とされてい
る。回転用方向切り換え弁64は、ブロックセンタ型の
電磁パイロット式4ポート3位置切り換え弁が用いられ
ている。
【0021】上記摘採装置4は、支持フレーム41,4
1の両側端部に対をなす側板42,42を備えており、
この側板42,42間の下部前側に、茶樹畝の頂面の幅
全域を覆うことが可能な円孤状のバリカン刃からなる刈
刃43が往復動自在に支持されている。また該摘採装置
4の左右両端には、エンジン44,45が配設されてお
り、該エンジン44,45には送風管46が連通されて
いる。そしてエンジン44は前記刈刃43を往復動させ
ると同時に送風管に空気を送り込み、エンジン45は送
風管に空気を送込む専用のものである。支持フレーム4
1は、後述する茶袋等の収容体の開口端部を取り付ける
ための箇所として用いられる。なお、送風管46への送
風源および刈刃43を往復動駆動源は、上記したエンジ
ン44、45が用いられるのに限らず、単一エンジンを
用い、園エンジンからの駆動力を各駆動源として用いる
ように構成することも可能である。上記送風管46に
は、複数のノズル46aが設けられており、刈刃43の
上方から、刈刃43の後方に向け圧力風を吹き付け、刈
刃43により摘採された茶葉を後方に吹き飛ばすよう
に,所定間隔に配設されている。また摘採装置4の後部
開口部の底面として案内板49が着脱自在に連結されて
いる。
【0022】また上記摘採装置4には昇降体47が設け
られており、該昇降体47は、図示しないが、昇降フレ
ーム23内に位置するネジ棒に噛み合うボールネジを備
えることにより、ネジ棒の回転方向に応じて昇降動作す
ることができる。また、昇降体47には、昇降フレーム
23と平行して配置されているガイドロッド23aに嵌
合するローラ47aが設けられており、昇降時でのガイ
ドが行われるようになっている。
【0023】上記荷台5は、摘採装置4の後方に位置す
る案内板49とその案内板49の後方に連結された副荷
台5Aとを備えており、案内板49は、昇降体47に一
体的に取り付けられて昇降体47を有する摘採装置4と
ともに昇降動作することができるようになっている。さ
らに、荷台5は、昇降体47とは別に、車体後側の門型
フレーム22の設置位置に対応してガイド体51が一体
化されており、そのガイド体51に有するローラを門型
フレーム22に嵌合させることにより、昇降時でのガイ
ドが行われるようになっている。副荷台5Aは、案内板
49に対してヒンジ部5A1を介して揺動可能に支持さ
れており、その揺動端部側の側面には、ガイド体51に
基部を支持されているシリンダ52のプランジャ52A
が連結されている。シリンダ52は、プランジャ52A
が伸張した際には副荷台5Aを略水平状態に展開し、プ
ランジャ52Aが収縮した際には、ヒンジ部5A1を支
点として副荷台5Aを略垂直状態に折り畳むようになっ
ている。
【0024】一方、荷受部材6は、連結フレーム25の
上面に位置する支柱部材25Aおよび車体後側の門型フ
レーム22によって長手方向一端および中央部をそれぞ
れ支持されている上部および車体前後端部を除く底枠6
A、固定側枠6B、可動側枠6Cを備え、茶袋等の収容
体を搭載できる大きさとされている。図4に示すよう
に、底枠6Aには、門型フレーム22および支柱部材2
5Aと対応する位置に垂直方向に垂下するブラケット6
A1が設けられており、このブラケット6A1は、門型
フレーム22の近傍に設けられている係止部22bおよ
び支柱部材25Aに対して挿脱可能な係止ピン6Dを挿
入することにより一体化されている。係止ピン6Dが抜
き去られると底枠6Aが門型フレーム22および支柱部
材25Aから取り外すことができる。また、支柱部材2
5A側に位置する係止ピン6Dのみを抜き去ると、門型
フレーム22側を支点として、図1において二点鎖線で
示すように、副荷台5A側が下になるように傾けること
ができる。
【0025】枠体のうちで、車体内側に位置する固定側
枠6Bは底枠6Aと一体化されて形成されている一方、
車体外側に位置する可動側枠6Cは底枠6Aに対し、図
1中、符号θで示すように揺動することができるように
なっている。図5(A)に示すように、底枠6Aの車幅
方向外側に位置する枠部材と可動側枠6Cの最底部の枠
部材とは同一位置とされ、同一位置にある枠部材は互い
に係脱可能に支持されている。つまり、図5(B)は、
係脱機構の構造原理を示すために底枠6Aと可動側枠6
Bとを展開して示した模式図であり、同一位置にある枠
部材(便宜上、底枠6A側の枠部材を符号6A2で示
し、可動側枠6C側の枠部材を符号6C1で示す)は係
脱可能なクラウンギヤ7の一方7Aおよび他方7Bにそ
れぞれ連結されている。クランギヤ7の一方7Aおよび
他方7Bのうち、一方7Aは底枠6A側の枠部材6A2
に、そして他方7Bは可動側枠6Cの枠部材6C1にそ
れぞれ連結され、可動側枠6Cの枠部材6C1を車体前
後方向に動かすことで、図5(B)および図5(C)に
示すように、クラウンギヤ7の噛み合いおよび噛み合い
解除ができるようになっている。車体本体2に有する支
柱部材25A側に位置するクラウンギヤ7の他方7B外
表面には、車体本体2の不動部に支持されているL字状
レバーからなるトグルレバー8が配置されている。トグ
ルレバー8は、力点を操作ハンドル部8Aとされ、作用
点8Bがクラウンギヤ7の他方7Bに対向するように位
置決めされており、作用点8Bがクランウンギヤ7の他
方7Bに対向当接することでクラウンギヤ7の他方7B
を押圧し、そして、作用点8Bがクラウンギヤ7の他方
7Bから離れると、図5(C)に示すように、クラウン
ギヤ7の他方7Bが内部に挿通されている支軸9に沿っ
て移動することができる。図5(C)に示した状態で
は、可動側枠6C1を揺動させることができ、所望する
角度に可動側枠6Cを揺動させた後、再度トグルレバー
8を揺動操作して作用点8Bをクラウンギヤ7の他方7
Bに押圧させることで噛み合わせてその態位を保持す
る。
【0026】次にこのように構成される簡易式乗用型摘
採機1の作業形態を説明する。まず、シリンダ52のプ
ランジャ52Aを伸長させ、副荷台5Aを展開して、荷
台5上に茶袋等の収容体(図示せず)を載置する。収容
体は、摘採装置4に有する支持フレーム41に開口端部
が取り付けられて配置される。そして作業者が簡易式乗
用型摘採機1に乗り込んで操縦席25に着席し、操縦部
27を操作して、適宜な茶畝を跨いで簡易式乗用型茶葉
摘採機1を茶園に乗入れる。また、茶園に乗り入れるに
先立ち、荷受部材6には未収容の収容体を準備してお
く。次に操縦部27を操作して、昇降モータ48を駆動
して摘採装置4および荷台5を上下動して摘採位置を決
定するのに引続いて、エンジン44,45を始動させて
摘採装置4を稼働する。さらに、操縦部27に設けられ
ているエンジン制御用のアクセル(図示されず)を操作
することにより油圧モータ34へのオイルの供給を開始
して走行装置3を走行させて摘採作業を行う。ここで摘
採装置4により摘採された茶葉は、摘採装置4に設けら
れた送風管46のノズル46aからの圧送空気により後
方に圧送され、荷台5上に設けられた収容体に収容され
るようになる。荷台5は長いため、大型の収容体を搭載
することができ、1列の茶畝において収容体を交換する
ことなく、摘採作業を行うことができる。
【0027】摘採作業が進行し、荷台5上の収容体が摘
採された茶葉で満たされると、作業者によって収容体の
交換が行われる。この場合には、2つの方法が選択でき
る。つまり、茶樹畝の頂面で摘採できる位置に摘採装置
4が位置決めされている状態のままで収容体を交換する
方法と、摘採装置4の荷台5を操縦席26の高さに近づ
けたうえで収容体を交換する方法である。上記両者の方
法いずれの場合でも、昇降体47の昇降駆動源である昇
降モータ48が昇降フランジ23の頂部にそれぞれ設け
られているだけであるので、操縦席26の後方で荷台5
の上方には車体の幅方向に横架されている部材がなく、
図2において二点鎖線で示すように、作業者が操縦席2
6から直接荷台5に移動することができる空間が形成さ
れている。このため、前者の方法では、操縦席26と荷
台5との間に多少の段差があるものの、後者の方法の場
合には、収容体が門型フレーム22に当たって潰れない
限り、荷台5を操縦席26に近づけて段差を小さくする
ことができるので、作業者にとって移動の際の労力を軽
減することができる。
【0028】一方、荷台5上で満配になっている収容体
は、荷台5上で開口端部が取り外されると荷受部材6上
に搭載され、荷受部材6あるいは車体本体2で荷受け部
材以外の箇所に準備されている新たな収容体を摘採装置
4に取り付けて摘採作業を再開する。荷受部材6上での
収容体の搭載量が限界に達した場合には、収容体の回収
作業が行われる。回収作業は、走行装置3を停止した状
態で作業者が荷受部材6に有するブラケット6A1のう
ち、支柱部材25A(図4参照)側のブラケット6A1
を持上げることで、図1中、二点鎖線で示すように、底
枠6Aが符号φで示す角度で傾斜した状態となるように
荷受部材6を傾け、搭載されている収容体を落下させ
る。この際には、係止ピン6Dを抜くことで荷受部材6
のブラケット6A1と車体本体側との係合が解除され
る。このような回収作業は、茶樹畝から枕地に移動した
時に行うのが好ましい。また、回収作業時、荷受部材6
を傾けることにより収容体の自然落下だけでなく、可動
側枠6C(図4参照)を揺動させて車体の側方に引き摺
り落とすことも可能である。可動側枠6Cは、茶園での
作業時には収容体を搭載できる角度に設定すればよい
が、例えば、道路に出て茶鉛間を移動する場合もあるの
で、その場合には、図1において符号P1で示すよう
に、垂直あるいは底枠6Aに対して鋭角となるように揺
動位置を決めて拡幅しないようにすることができる。そ
して茶畝を旋回移動する際に、特に旋回スペースが狭い
場合には、シリンダ52のプランジャ52Aを収縮させ
て副荷台5Aを略垂直状態に折り畳んで次の茶畝に移動
する。旋回移動は枕地で行われるので、このとき、先に
述べた回収作業を行っておけば、荷受部材6を車体本体
2から取り外すことで、副荷台5Aと荷受部材6との干
渉が防止され、副荷台5Aを略垂直状態に折り畳みやす
くなり、副荷台5Aが後方に張り出す距離を短くして旋
回半径を小さくすることができる。
【0029】本実施例によれば、走行装置3の駆動用エ
ンジン60を連結フレーム25に走行装置3の駆動用エ
ンジン60を配置して、いわゆる、茶樹畝よりも上方に
排気発生源を位置させているので、排気が直接茶樹に接
触しないようにすることができ、これにより、茶葉に対
する排気汚染を抑制することが可能になる。また、本実
施例では、荷受部材6の可動側枠6Cを揺動させること
により、車体本体2の側方に張り出す部材を少なくする
ことができる。つまり、可動側枠6Cを起立あるいは底
枠6A側に折り畳むことにより可動側枠6Cが底枠6A
よりも外側に張り出すことがないので、防霜ファン用支
柱との干渉が防止されて走行に支障を来さないようにす
ることができる。さらに、底枠6Aを含めて荷受部材6
自体を取り外すことにより、上記の張り出し量がさらに
小さくでき、摘採機1の側方に位置する障害物を避ける
ことが容易になる。なお、上記実施例では、摘採装置4
の構成として、茶樹畝の頂面の幅全域を覆うことができ
る刈刃43を備えた構成としているが、刈刃43の長さ
を茶樹畝の幅全域ではなく、半分の領域を対象とするこ
とも勿論可能である。また、走行装置3はゴムクローラ
型として説明したが、キャタピラ式を用いてもよく、さ
らに、摘採装置4はバリカン刃式に限らず、シリンダ型
のロータ刃を用いたものにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および4
記載の発明によれば、荷受部材にて収容体を搭載するこ
とができるので、従来の摘採機と違って大型の収容装置
を準備する必要がない。しかも、荷受部材が車体本体に
対して着脱可能であるので、搭載された収容体の荷下ろ
し時や摘採機の走行時に必要な形態を設定することがで
きる。これにより、装置の大型化を防止して摘採作業を
含めた茶園管理が適正且つ良好に行えるようにすること
が可能になる。特に、荷受部材が着脱できることによっ
て、収容体の荷下ろしを始めとして摘採機の走行や旋回
を支障なく行えるようにすることが可能になる。
【0031】請求項2記載の発明によれば、荷台が茶畝
方向に長く構成されているため、長い収容体等の収容体
を搭載することが可能となり、茶葉を多く収容すること
ができる。しかも、茶畝間を移動するときには、ヒンジ
結合部にて荷台を折り畳むことができるため、狭い所で
も旋回ができるようになる。また、旋回のために荷台が
折り畳まれる際には、荷受部材が取り外せるので、荷台
と荷受部材との干渉が防がれることによって折り畳む角
度が大きくでき、旋回半径を小さくすることができる。
この結果、大量の茶葉の摘採作業を可能になると共に、
実際の摘採作業時での機動性を向上させることが可能に
なる。
【0032】請求項3記載の発明によれば、摘採装置が
昇降フレームに設けられている駆動源によって昇降駆動
されるので、操縦席とこの後方に位置する摘採装置との
間に横架する部材を存在させる必要がなくなる。このた
め、操縦席から直接摘採装置に有する荷台に移動して荷
台上あるいは荷受部材上の収容体の交換作業が行える。
この結果、装置が大型化した場合によく見受けられる乗
降の際の労力の増大を抑制して作業者への負担を軽減す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至4記載の発明による簡易式乗用型
摘採機の後方斜視図である。
【図2】図1に示した簡易式乗用型茶葉摘採機の側面図
である。
【図3】図1に示した簡易式乗用型摘採機に用いられる
油圧制御回路を説明するためのブロック図である。
【図4】図1に示した簡易式乗用型茶葉摘採機に用いら
れる荷受部材の構造を説明するための斜視図である。
【図5】図3に示した荷受部材の構造を説明するための
図であり、(A)は荷受部材の全体構成を示す斜視図、
(B)は(A)に示した構造に用いられる係脱機構の構
造原理を説明するための模式図、(C)は(B)に示し
た係脱機構の一態様を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 簡易式乗用型茶葉摘採機 2 車体本体 21 門型フレーム 22 門型フレーム 23 昇降フレーム 23a ガイドロッド 24 乗車板 25 連結フレーム 26 操縦席 27 操縦部 28 手すり用フレーム 3 走行装置 31 駆動輪 32 従動輪 33 ゴムクローラ 34 油圧モータ 35 補強フレーム 35 転輪 4 摘採装置 41 支持フレーム 42 側板 43 刈刃 44 エンジン 45 エンジン 46 送風管 46a ノズル 47 昇降体 47a ローラ 48 昇降モータ 49 案内板 5 荷台 51 ガイド体 52 シリンダ 52A プランジャ 5A 副荷台 5A1 ヒンジ部 6 荷受部材 6A 底枠 6A1 ブラケット 6B 固定側枠 6C 可動側枠 7 クラウンギヤ 8 トグルレバー 60 エンジン 62 オイルポンプ 63 方向切り換え弁 64 回転用方向切り換え弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】車体本体2は、車体の前後に配設される門
型フレーム21,22と、該門型フレーム21,22の
間において車体の幅方向両端にそれぞれ配設される昇降
フレーム23と、門型フレームのうちで車体前側に位置
する門型フレーム21の一部をなす乗車板24とで構成
されている。車体前側に位置する門型フレーム21は、
車体後側に位置する門型フレーム22よりも高さが低く
され、乗車板24に対する作業者の乗降労力を軽減する
ようになっている。門型フレーム21,22間には車体
本体2の走行方向に沿って連結フレーム25が設けられ
ている。連結フレーム25は、図2に示すように、車体
前側に位置する門型フレーム21から後方に向け延長さ
れる途中が段差部とされて車体後側の門型フレーム22
との高さが整合されており、その途中には、摘採装置4
を昇降ガイドするための縦フレームからなる昇降フレー
ム23の一部が固定されている。門型フレーム21,2
2は、茶樹畝を跨いだ状態での剛性を確保できる材質お
および形状に設定されている。乗車板24は、作業者が
乗車した際の曲げ剛性を確保できる板材で構成されてお
り、上面には作業者が座る操縦席26と操縦席26の前
方に位置する操縦部27と手すり用フレーム28とが設
けられている。乗車板24の近傍には、連結フレーム2
5の前側上面に取り付けられているエンジン60と、車
体前側の門型フレーム21に取り付けられている油圧タ
ンク61とが配置されている。油圧タンク61は、オイ
ルポンプへの油供給部材として用いられる。連結フレー
ム25には、昇降フレーム23の頂部に対応する位置に
後述する摘採装置4の昇降体を駆動するための昇降モー
タ(便宜上、符号48を用いる)が配置され、さらにそ
の昇降モータ48の後方には、支柱部材25Aおよびエ
ンジン用のバッテリー29がそれぞれ固定されている。
昇降モータ48は、上気した昇降フレーム23の頂部に
限るものではなく昇降フレーム23の適宜な一に配置す
ること勿論可能であり、さらに、昇降フレーム23の両
方あるいは一方にのみ設けることも可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】上記摘採装置4は、支持フレーム41,4
1の両側端部に対をなす側板42,42を備えており、
この側板42,42間の下部前側に、茶樹畝の頂面の幅
全域を覆うことが可能な円孤状のバリカン刃からなる刈
刃43が往復動自在に支持されている。また該摘採装置
4の左右両端には、エンジン44,45が配設されてお
り、該エンジン44,45には送風管46が連通されて
いる。そしてエンジン44は前記刈刃43を往復動させ
ると同時に送風管に空気を送り込み、エンジン45は送
風管に空気を送込む専用のものである。支持フレーム4
1は、後述する茶袋等の収容体の開口端部を取り付ける
ための箇所として用いられる。なお、送風管46への送
風源および刈刃43を往復動駆動源は、上記したエンジ
ン44、45が用いられるのに限らず、単一エンジンを
用い、そのエンジンからの駆動力を各駆動源として用い
るように構成することも可能である。また、単一エンジ
ンとして、走行装置3に般けられているエンジン60を
用い、その動力を送風源および刈刃43の駆動源として
供給することも可能である。上記送風管46には、複数
のノズル46aが設けられており、刈刃43の上方か
ら、刈刃43の後方に向け圧力風を吹き付け、刈刃43
により摘採された茶葉を後方に吹き飛ばすように,所定
間隔に配設されている。また摘採装置4の後部開口部の
底面として案内板49が着脱自在に連結されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 簡易式乗用型茶葉摘採機 2 車体本体 21 門型フレーム 22 門型フレーム 23 昇降フレーム 23a ガイドロツド 24 乗車板 25 連結フレーム 26 操縦席 27 操縦部 28 手すり用フレーム 3 走行装置 31 駆動輪 32 従動輪 33 ゴムクローラ 34 油圧モータ 35 補強フレーム 3 転輪 4 摘採装置 41 支持フレーム 42 側板 43 刈刃 44 エンジン 45 エンジン 46 送風管 46a ノズル 47 昇降体 47a ローラ 48 昇降モータ 49 案内板 5 荷台 51 ガイド体 52 シリンダ 52A プランジャ 5A 副荷台 5A1 ヒンジ部 6 荷受部材 6A 底枠 6A1 ブラケット 6B 固定側枠 6C 可動側枠 7 クラウンギヤ 8 トグルレバー 60 エンジン 62 オイルポンプ 63 方向切り換え弁 64 回転用方向切り換え弁
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶樹畝を跨ぐ門型フレームで構成される
    車体本体と、 前記車体本体に連結され畝間を走行するクローラ型の走
    行装置と、 前記車体本体に対し上下動可能に配設され、少なくと
    も、上記茶樹畝の頂面の半分を覆うことができる長さの
    摘採部と、摘採された茶葉を後方へ送り込む送風手段と
    を有した摘採装置と、 前記摘採装置の後方に配設され、前記摘採装置により圧
    送された茶葉を収容する収容体を搭載する荷台と、 上記門型フレームのうちで後方に位置する門型フレーム
    により垂直方向で揺動可能に支持されている荷受部材
    と、を具備し、 上記荷受部材は、上記収容体を搭載可能な構成とされて
    いることを特徴とする簡易式乗用型茶葉摘採機。
  2. 【請求項2】 上記荷台を茶畝方向に長い構成とし、か
    つ上記摘採装置に対しヒンジ結合し、該荷台を折り畳み
    可能にしたことを特徴とする請求項1記載の簡易式乗用
    型茶葉摘採機。
  3. 【請求項3】 上記摘採装置は、上記門型フレーム間に
    て上記車体本体の走行方向に沿って配置された連結フレ
    ームに対し縦方向に立設されている昇降フレームに設け
    られている駆動源により昇降自在に設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の簡易式乗用型茶葉摘採機。
  4. 【請求項4】 上記荷受部材は、揺動基端および揺動端
    が上記車体本体に対して着脱できる構成とされているこ
    とを特徴とする請求項1または3記載の簡易式乗用型茶
    葉摘採機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002315419A (ja) * 2001-04-23 2002-10-29 Terada Seisakusho Co Ltd 茶園管理機
JP2007054046A (ja) * 2005-07-28 2007-03-08 Kihara Seisakusho:Kk 収穫葉たばこ荷上装置及びそれを搭載した葉たばこ収穫作業車
CN109197141A (zh) * 2018-09-18 2019-01-15 赣州双木科技有限公司 一种茶园采收机器人通用驱动系统与控制方法
CN118661551A (zh) * 2024-08-26 2024-09-20 浙江大学 一种名优茶采摘、分选一体式收获装备

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