JPH10262157A - 色伝達特性予測方法 - Google Patents

色伝達特性予測方法

Info

Publication number
JPH10262157A
JPH10262157A JP9332717A JP33271797A JPH10262157A JP H10262157 A JPH10262157 A JP H10262157A JP 9332717 A JP9332717 A JP 9332717A JP 33271797 A JP33271797 A JP 33271797A JP H10262157 A JPH10262157 A JP H10262157A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input signal
predicted value
output
signal
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9332717A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3767657B2 (ja
Inventor
Hiroaki Ikegami
博章 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP33271797A priority Critical patent/JP3767657B2/ja
Publication of JPH10262157A publication Critical patent/JPH10262157A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3767657B2 publication Critical patent/JP3767657B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー入出力装置の入出力の実データを統計
的に処理して色伝達特性の予測、すなわち、任意の入力
信号に対する出力信号の予測および任意の出力信号に対
する入力信号の予測、または、任意の出力信号と入力信
号の一部から入力信号の残りの一部の予測を行なう。 【解決手段】 S11で入出力の実データ対を用意し、
S12で被予測値を準備する。これらを用いてS13で
重み付けの係数の初期値を計算し、S14,S15で、
出力予測値とそれに対応する複数の出力実データとの重
み付けの係数で重み付けされたユークリッド距離の2乗
和が最小になるように、行列の成分、予測値を算出す
る。これらを用い、S16で重み付けの係数を再計算
し、S17,S18でS14,S15と同様に行列の成
分と予測値を求める。S16〜S18を繰り返し、重み
付けの係数、行列の成分、予測値を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー原稿を読み
取って、画像処理を施し、原稿画像を被記録媒体上に再
生するデジタルフルカラー複写機、カラーファクシミ
リ、カラーシステム等において、希望する色再現を得る
ために行なう各種画像処理装置の色処理係数を決定する
際に用いる、スキャナー、プリンター、ディスプレイ等
のカラー画像入出力装置の色伝達特性予測方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、原稿をスキャナーで読み、スキ
ャナーの出力であるRGB色空間の信号から、装置に依
存しない色空間の信号に変換する画像処理を行ない、何
らかの編集処理をした後、プリンターの入力であるCM
YK色空間の信号に変換する画像処理を行ない、プリン
ターでプリント出力するようなシステムを想定する。こ
の場合、スキャナーの出力である装置に依存したRGB
色空間の信号から、装置に依存しない色空間の信号に変
換する画像処理を行なうということは、スキャナーの入
力の色とスキャナーの出力のRGB色空間の色との関
係、すなわち、入力装置の色伝達特性を正確に把握し
て、その逆の画像処理を施すことになる。同様に、装置
に依存しない色空間の信号からプリンターの入力である
装置に依存したCMYK色空間の信号に変換する画像処
理を行なうことは、プリンターの入力のCMYK色空間
における色とプリンターの出力の色との関係、すなわ
ち、出力装置の色伝達特性を正確に把握して、その逆の
画像処理を施すことになる。出力装置がディスプレイで
あっても同様のことがいえる。
【0003】実際の画像処理において用いる色処理係数
を決める方法は、画像処理方式の相違、希望する色再現
をどう設定するか等によって異なってくるが、装置の特
性を正確に把握することが基本であり、カラー画像入力
装置の任意の入力信号に対する出力信号を予測したり、
任意の出力信号に対する入力信号を予測したりできる方
法があれば、画像処理の色処理係数を決めることは容易
となる。
【0004】カラー入出力装置の色伝達特性予測方法と
しては、入出力装置の物理的な特性を把握してモデル化
した物理モデルを用いて予測するものと、装置の入出力
の実データを統計的に処理して予測する方法とがある。
【0005】例えば、特公平5−18305号公報で
は、入力装置であるカラースキャナーにおいては3×3
マトリックスを、出力装置であるプリンターにおいては
ノイゲバウアー方程式と呼ばれる物理的なモデルを仮定
して予測を行ない、マスキングパラメータを収束計算に
よって求める手法を提案している。しかし、このような
物理的なモデルはモデル精度が良くなく、実際の入出力
装置の色処理係数を決めても実用に耐えられるものは得
られない。また、より予測精度の高い物理的なモデルの
開発は困難であるし、モデルの開発ができたとしても装
置の種類が異なるとその装置ごとにモデルを考案する必
要があるという問題があった。
【0006】これに対して、コンピュータカラーマッチ
ングと一般に呼ばれている方法は、プリンターの入出力
間に高次の多項式、または装置の物理特性に対応した関
数を仮定し、複数の入力信号の実データとそれに対応す
る出力信号の実データのデータ対から関数の係数を決定
して、その関数を漸近的に解くことにより任意の出力信
号に対する入力信号を予測するものである。しかし、実
データの取り方と装置に依存した関数の形状の関係から
予測精度が左右されたり、計算時間がかかる、高次の多
項式の場合は実データの色空間の外を外挿して予測する
ことはできない等の問題があった。
【0007】また、特開平7−87347号公報、およ
び、村井ほか,「フレキシブルGCRによる高精度色変
換−ニューラルネットワークによる高精度プリンタモデ
ル−」,電子写真学会誌,Vol.35,No.2,1
996年,P.125−129には、複数の入力信号の
実データとそれに対応する出力信号の実データのデータ
対から、ニューラルネットワークを用いて、任意の入力
信号に対する出力信号を予測したり、任意の出力信号に
対する入力信号を予測する方法が提案されている。この
方法では、学習に時間がかかりすぎるとか、多項式の利
用と同じく、実データの色空間の外を外挿して予測する
場合には使用できないという問題があった。
【0008】また、特開平2−226870号公報で
は、複数の入力信号の実データとそれに対応する出力信
号の実データのデータ対から、内挿によってデータ対の
数を増やした後、入出力信号が3次元の場合は入出力の
局所的な3角錘空間を線形行列で結び付け、任意の出力
信号に対する入力信号を予測する方法が提案されてい
る。この方法では、データのスムージング機能が含まれ
ていないので入出力信号の実データがノイズを含む場合
に対処できない。また、この方法は入力と出力の次元が
同じ次元の場合に使える手法であって、入力がYMCK
のような4次元で出力が色を表わす3次元の場合には対
処できない。さらに、実データの色空間の外を外挿して
予測する場合には使用できないという問題もあった。
【0009】また、米国特許第5471324号明細書
には、プリンターの複数の入力信号の実データとそれに
対応する出力信号の実データのデータ対から、単純な内
挿によってデータ対の数を増やした後、重み付け平均に
よって出力信号から入力信号を予測することにより、プ
リンター用の変換ルックアップテーブルの係数を決める
方法を提案している。しかしこの方法も、上述の特開平
2−226870号公報とほぼ同様の問題があった。
【0010】また、特開平2−289367号公報に
は、複数の入力信号の実データとそれに対応する出力信
号の実データのデータ対から、統計的と類推される手法
を用いて色処理の係数を決定する方法が提案されてい
る。しかしその内容は、部分空間に分割する、相関させ
る、内挿する、等の言葉で記述されているだけで具体性
に欠けており、上述の特開平2−226870号公報と
同様の問題があるか、あるいは、部分空間に分割すると
いう記述から、スムージング機能が含まれているとして
も部分空間の境界での予測値の連続性が確保されないと
いう問題があることが予想される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、カラー入出力装置の入出力
の実データを統計的に処理して色伝達特性を予測する方
法、すなわち、任意の入力信号に対する出力信号を予測
する方法、および、任意の出力信号に対する入力信号を
予測する方法、または、任意の出力信号と入力信号の一
部から入力信号の残りの一部を予測する方法として、以
下のような特徴を持つ方法を、具体的な形で提供するこ
とを目的とするものである。 1.装置の種類(物理的特性)に依存しない方式である
こと。 2.入出力の実データがノイズを含んでいることを前提
として、スムージング機能を持つ方式であること。 3.入力信号の次元が4次元の場合でも、3次元の場合
と同等に扱えること。 4.予測精度が高いこと。 5.予測値の連続性が確保されること。 6.外挿能力があること。 7.従来のニューラルネットワークを用いる方法に比較
して予測の時間が短いこと。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、カラー画像入
力装置またはカラー画像出力装置の入力信号と出力信号
の関係を定数項を含む線形関係となるように行列で結び
つけ、複数の入力信号の実データと、それに対応する出
力信号の実データのデータ対から、この行列の成分を決
定するものである。このとき、入力信号を被予測値、出
力信号を予測値とし、入力信号の実データから行列を用
いて求めた出力予測値と、それに対応する複数の出力実
データとの信号成分ごとの差分に、被予測値依存の重み
付けの係数で重み付けした値の2乗和が最小になるよう
にすれば、行列の成分を決定することができる。また、
重み付けの係数として被予測値依存とともに行列の成分
依存の係数を用いる場合には、出力予測値と出力実デー
タとの信号成分ごとの差分に重み付けの係数で重み付け
した値の2乗和が最小になるように、行列の成分と重み
付けの係数と予測値を逐次近似法で決定すればよい。
【0013】あるいは、出力信号を被予測値、入力信号
を予測値とし、または出力信号と一部の入力信号を被予
測値、残りの入力信号を予測値とし、入力信号の実デー
タから該行列を用いて求めた出力予測値とそれに対応す
る複数の出力実データとの信号成分ごとの差分に予測値
依存の重み付けの係数で重み付けした値の2乗和が最小
になるように、行列の成分と重み付けの係数と予測値を
逐次近似法で決定することができる。この場合、重み付
けの係数として被予測値依存とともに行列の成分依存の
係数を用いてもよい。
【0014】またいずれの場合も、重み付けの係数とし
て、あらかじめ各入力信号の実データに対して予測した
出力予測値と出力信号の実データとの相互関係から計算
するデータ精度関数を構成要素として用い、精度を向上
させてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の色伝達特性予測方法の第
1の実施の形態について、まず概括的な説明を行なう。
ここでは、入力信号が3次元または4次元で出力信号が
3次元の場合を例に取り、以下に示す(1)式から
(7)式を用いて説明するが、入出力信号の次元数はこ
れらに限定されるわけでなく、他の次元数でも同様であ
る。(1)式と(6)式は、入力信号が3次元で出力信
号が3次元の場合に対応しており、(2)式と(7)式
は、入力信号が4次元の場合に対応しており、(3)式
は、両方の場合に対応している。
【0016】
【数1】
【数2】
【数3】
【0017】まず、(1)式と(2)式は、n組の入力
信号の実データ(x1i,x2i,x3i)または(x1i,x
2i,x3i,x4i),i=1〜nと、その予測値
(y1i’,y2i’,y3i’),i=1〜nとを、定数項
を含む線形の関係になるように行列で結び付けることを
示しており、m11,m12,・・・が行列の各成分となっ
ている。
【0018】次の(3)式は、複数の入力信号の実デー
タから(1)式または(2)式に示す行列を用いて求め
た出力予測値と、その入力信号の実データに対応する複
数の出力実データとの重み付けされたユークリッド距離
の2乗和Ej を示している。ここで、(y1i’,
2i’,y3i’),i=1〜nは、(1)式または
(2)式で示したn組の入力信号の実データ(x1i,x
2i,x3i)または(x1i,x2i,x3i,x4i),i=1
〜nから行列を用いて求めた出力予測値であり、
(y1i,y2i,y3i),i=1〜nは、(x1i,x2i
3i)または(x1i,x2i,x3i,x4i),i=1〜n
に対応するn組の出力信号の実データであり、Wij,i
=1〜nは、それら入力信号の実データから(1)式ま
たは(2)式に示す行列を用いて求めた出力予測値と出
力信号の実データ間のユークリッド距離に対する重み付
けの係数である。
【0019】(6)式は、入力信号が3次元で出力信号
が3次元の場合の、任意の被予測値から予測値を求める
方法を示しており、m11,m12,・・・は(1)式と同
じ行列の各成分である。被予測値が入力信号(x1j,x
2j,x3j)である場合は、(6)式に代入することによ
り、容易に予測値である出力信号(y1j,y2j,y3j
を求めることができる。被予測値が出力信号(y1j,y
2j,y3j)である場合は、同様に(6)式を逆に解くこ
とにより、予測値である入力信号(x1j,x2j,x3j
を求めることができる。
【0020】(7)式は、入力信号が4次元で出力信号
が3次元の場合の予測値を求める方法を示しており、m
11,m12,・・・は(2)式と同じ行列の各成分であ
る。被予測値が入力信号(x1j,x2j,x3j,x4j)で
ある場合は、(7)式に代入することにより、容易に予
測値である出力信号(y1j,y2j,y3j)を求めること
ができる。被予測値が出力信号(y1j,y2j,y3j)で
ある場合は、(7)式を逆に解くことはできないので、
入力信号の一部、例えば(x4j)を被予測値として指定
し、(7)式を逆に解いて、残りの予測値である入力信
号である入力信号、例えば(x1j,x2j,x3j)を求め
ることができる。
【0021】このように、入力信号の次元が4次元の場
合でも、3次元の場合と同等に扱うことができる。もち
ろん、次元数にかかわらず予測を行なうことができ、そ
の応用範囲は広い。また、入出力の関係を比較的単純な
線形関係で結びつけているために外挿能力が強く、入出
力の実データ対が入出力色空間の全域をカバーしていな
くても入出力色空間の全域において使用可能であり、入
出力色空間の色域外の特性予測にも使用することができ
る。
【0022】最小2乗法と呼ばれる公知の方法を用いる
ことによって、重み付けの係数Wij,i=1〜nが定ま
っている場合にEj を最小とするような条件で行列の各
成分m11,m12,・・・を求めることができる。ただ
し、前記の重み付けの係数Wij,i=1〜nが行列の成
分または予測値である入力値に依存する場合は一意的に
決められるものではないので、(3)式のEj を最小と
するという条件の下で、重み付けの係数Wij,i=1〜
nと行列の成分m11,m12,・・・と予測値の最適値を
逐次近似の手法を用いて決定する。
【0023】なお、Ej を最小とするということは、
(3)式を変形した(4)式からわかるように、出力信
号空間の各信号成分について正の成分の和に分解できる
ので、各々の信号成分に分解した量を独立で最小とする
ということと等価である。次の(5)式は、複数の入力
信号の実データから行列を用いて求めた出力予測値とそ
れに対応する複数の出力実データの差を信号成分ごとに
定数倍した値に対して重み付けされた距離の2乗和
j ’を示している。本発明の方法は、(5)式に示し
たようなEj ’を最小にする場合にも、全く同様に適用
可能である。
【0024】また、重み付けの係数Wijは、被予測値ま
たは予測値の入力信号と入力信号の実データとの信号成
分ごとの差を規格化した入力空間差分成分から求める規
格化入力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少
関数Fijと、被予測値または予測値の入力信号と入力信
号の実データとの信号成分ごとの差を該行列の成分を用
いて感度を加味した出力空間の成分に変換した後に規格
化して求める規格化出力信号空間におけるユークリッド
距離の単調減少関数Gij、から構成している。このよう
に重み付けの係数Wijをユークリッド距離の単調減少関
数によって構成することによって、距離の差が大きい実
データについては重みを小さくして影響を少なくし、距
離の差が小さい実データについては重みを大きくして重
要なデータとして扱うことができる。また、これらの関
数形状が単調減少関数であるので、原理的に予測値の連
続性が確保され、局所間の不連続性を気にしないでカラ
ー画像入出力装置の色処理の係数を決めることができ
る。
【0025】これを、入力信号が3次元または4次元で
出力信号が3次元の場合を例にとり、以下に示す(8)
式から(12)式を用いて説明する。(8)式と(1
0)式は、入力信号が3次元の場合に対応しており、
(9)式と(11)式は、入力信号が4次元で出力信号
が3次元の場合に対応しており、(12)式は、両方の
場合に対応している。
【0026】
【数4】
【0027】まず、(8)式と(9)式は、重み付けの
係数の要素である、被予測値または予測値の入力信号と
実データとの信号成分ごとの差を規格化した入力空間差
分成分から求める規格化入力信号空間におけるユークリ
ッド距離の単調減少関数を示している。ここで、
(x1j,x2j,x3j)または、(x1j,x2j,x3j,x
4j)が被予測値または予測値の入力信号、(x1i
2i,x3i)または(x1i,x2i,x3i,x4i)が入力
信号の実データ、(x10,x20,x30)または(x10
20,x30,x40)が入力信号空間の規格化の定数、F
ijが単調減少関数である。例えば(8)式では、被予測
値または予測値の入力信号(x1j,x2j,x3j)と入力
信号の実データ(x1i,x2i,x3i)との信号成分ごと
の差(x1i−x1j),(x2i−x2j),(x3i−x3j
を求め、これを規格化の定数(x10,x20,x30)で規
格化し、(x1i−x1j)/x10,(x2i−x2j)/
20,(x3i−x3j)/x30とする。これらの2乗和を
単調減少関数Fijのパラメータとしている。
【0028】次に、(10)式と(11)式は、被予測
値または予測値の入力信号と入力信号の実データとの信
号成分ごとの差を該行列の成分を用いて感度を加味した
出力空間の成分に変換した後に規格化して求める規格化
出力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少関数
を示している。ここで、(x1j,x2j,x3j)または
(x1j,x2j,x3j,x4j)が被予測値または予測値の
入力信号、(x1i,x2i,x3i)または(x1i,x2i
3i,4i)が入力信号の実データ、m11,m12,・・
・が前述の行列の成分、(y10,y20,y30)が出力信
号空間の規格化の定数、Gijが単調減少関数である。こ
こで、感度を加味した出力空間の成分に変換するとは、
被予測値または予測値の入力信号と入力信号の実データ
との信号成分ごとの差と行列の成分を掛けて信号成分ご
とに2乗した後に和をとることを意味しており、2乗せ
ずに和をとって通常の出力空間のユークリッド距離に変
換する方法に比べて差が大きくなっている。2乗せずに
和をとる場合には、各項の符号によっては絶対値が大き
くても和は小さくなってしまうことがある。(10)式
および(11)式のように2乗することによって各項の
絶対値を感度として加味することができる。
【0029】例えば(10)式は、被予測値または予測
値の入力信号(x1j,x2j,x3j)と入力信号の実デー
タ(x1i,x2i,x3i)との信号成分ごとの差(x1i
1j),(x2i−x2j),(x3i−x3j)を求める。こ
れに行列を掛けることにより出力空間の成分に変換でき
るが、ここでは上述のように行列の成分を掛けて2乗し
た後に和をとる。すなわち、(m11(x1i−x1j))2
+(m12(x2i−x2j))2 +(m13(x3i−x3j))
2 ,(m21(x1i−x1j))2 +(m22(x2i
2j))2 +(m23(x3i−x3j))2 ,(m31(x1i
−x1j))2 +(m32(x2i−x2j))2 +(m33(x
3i−x3j))2 を求める。これらを規格化の定数
(y10,y20,y30)を用いてそれぞれ(y102
(x202 ,(x302で除算して規格化し、加算して
単調減少関数Gijのパラメータとしている。
【0030】次に、(12)式は、上述の2つの単調減
少関数を合成して重み付けの係数を作成することを示し
ている。ここで、合成する方法は、その要素である2つ
の関数が各々のユークリッド距離の単調減少関数である
という特徴をくずさないように合成する必要があり、た
とえば、和とか積のような演算を用いることができる。
【0031】このようにして(12)式で求められたW
12ijが(3)式の重み付けの係数Wijである。この重み
付けの係数Wijを用いて最小2乗法によって(3)式に
示すEj を最小とする行列の成分m11,m12,・・・を
求める。そして、求めた行列の成分m11,m12,・・・
からなる行列を用いて予測値を計算する。さらに必要に
応じて、この計算された予測値を用いて再び重み付けの
係数を計算し、Ej を最小とする行列の成分m11
12,・・・を求め、これを用いて予測値を再計算す
る。このような処理を繰り返すことによって予測値は収
束し、所望の予測値を得ることができる。
【0032】図1は、本発明の色伝達特性予測方法の第
1の実施の形態における動作の一例を示すフローチャー
トである。最初に、S11の入出力実データ対準備工程
で、実際に特性を予測したい入出力装置の複数組の実デ
ータ対、つまり、前述の(1)〜(3)式で述べたn組
の入力信号の実データ(x1i,x2i,x3i),i=1〜
nと、それに対応するn組の出力信号の実データ
(y1i,y2i,y3i),i=1〜nを用意する。その具
体例としては、カラースキャナの場合は、あらかじめ色
を測定してある種々のカラーパッチを読み込ませて出力
のRGB値を計測し、入力の色度座標、例えば、L*
* * と、出力のRGB値との実データ対を用意するこ
とに相当する。またディスプレイの場合は、入力のRG
B値の種々の組合せでカラーパッチを表示させ、その色
を測定することにより、入力のRGB値と、出力の色座
標、例えば、L* * * との実データ対を用意するこ
とに相当する。さらに4色カラープリンタの場合は、入
力のYMCK%の種々の組合せでカラーパッチを出力
し、その色を測定することにより、入力のYMCK%
と、出力の色度座標、例えば、L* * * との実デー
タ対を用意することに相当する。
【0033】次に、S12の被予測値準備工程で、前述
の(6)式および(7)式で述べた被予測値、つまり、
被予測値が入力信号の場合は(x1j,x2j,x3j)また
は、(x1j,x2j,x3j,x4j)を、また、被予測値が
出力信号の場合は、(y1j,y2j,y3j)、または、
(y1j,y2j,y3j)と(x4j)を、必要な数だけ用意
する。
【0034】次に、S13の重み付けの係数の初期値算
出工程で、(3)式で示したn組の重み付けの係数Wij
の初期値を算出する。初期値は、逐次近似法で最終的に
決定する値にできるだけ近い値にすることが、収束を早
めるために重要である。例えば、被予測値が入力信号の
場合は、(8)式と(9)式に示した被予測値入力信号
と入力信号の実データの信号成分ごとの差を規格化した
入力空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけ
るユークリッド距離の単調減少関数Fijの重みW1ij
用いる。この段階では行列の成分が決定されていないの
で、(10)式、(11)式に示した単調減少関数Gij
は用いず、重みW1ij のみで初期値とする。
【0035】被予測値が出力信号の場合は、出力空間で
代用する。入力が3次元の場合は、以下に示す(13)
式に示した被予測値出力信号の実データとの信号成分ご
との差を規格化した出力空間差分成分から求める規格化
入力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少関数
ijの重みW2ij'を用いる。また、入力が4次元の場合
は、(13)式に示した重みW2ij'と、(14)式に示
した入力空間の1つの差分成分だけを規格化した入力信
号空間における距離の単調減少関数Gijによる重みW
2ij'とを、(15)式で示す関数Hで合成した重みW
12ij’を使えばよい。
【0036】
【数5】
【0037】次に、S14の行列の成分算出工程で、
(3)式で示した複数の入力信号の実データから行列を
用いて求めた出力予測値とそれに対応する複数の出力実
データの重み付けされたユークリッド距離の2乗和Ej
を最小にするという条件のもとに、最小2乗法を用い
て、行列の各成分m11,m12,・・・をひとまず算出す
る。ここで用いる重み付けの係数Wijは、S13の重み
付けの係数の初期値算出工程で決めた重みである。
【0038】次に、S15の予測値算出工程で、(6)
式または(7)式を用いて、被予測値から予測値をひと
まず算出する。被予測値が入力信号(x1j,x2j
3j)または、(x1j,x2j,x3j,x4j)の場合は
(y1j,y2j,y3j)を、被予測値が出力信号(y1j
2j,y3j)または(y1j,y2j,y3j)と(x4j)の
場合は(x1j,x2j,x3j)を、S14の行列の成分算
出工程で求めた行列の各成分m11,m12,・・・を使っ
て求める。
【0039】次に、S16の重み付けの係数の再算出工
程で、(8)式または(9)式の、被予測値または予測
値の入力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの
差を規格化した入力空間差分成分から求める規格化入力
信号空間におけるユークリッド距離の単調減少関数Fij
の重みW1ij と、(10)式または(11)式の、被予
測値または予測値の入力信号と入力信号の実データとの
信号成分ごとの差を行列の成分を用いて感度を加味した
出力空間の成分に変換した後に規格化して求める規格化
出力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少関数
ijの重みW2ij を、(12)式の合成関数Hで合成
し、n組の素データ対に対して重みW12ijを再度計算す
る。
【0040】次に、S17の行列の成分算出工程で、
(3)式で示した複数の入力信号の実データから行列を
用いて求めた出力予測値とそれに対応する複数の出力実
データの重み付けされたユークリッド距離の2乗和Ej
を最小にするという条件のもとに、最小2乗法を用い
て、行列の各成分m11,m12,・・・を再度算出する。
【0041】次に、S18の予測値再算出工程で、
(6)式または(7)式を用いて、被予測値から予測値
を再度算出する。被予測値が入力信号(x1j,x2j,x
3j)または(x1j,x2j,x3j,x4j)の場合は
(y1j,y2j,y3j)を、被予測値が出力信号(y1j
2j,y3j)または(y1j,y2j,y3j)と(x4j)の
場合は(x1j,x2j,x3j)を、S17の行列の成分再
算出工程で求めた行列の各成分m11,m12,・・・を使
って求める。
【0042】次に、S19の予測値の収束判定工程で、
S18の予測値再算出工程で求めた予測値と、S15の
予測値算出工程または1回前のS18の予測値再算出工
程で求めた予測値とを比較して、予測値が収束したか否
かを判定する。判定の方法としては、例えば、今回の予
測値と先の予測値との間の差分を成分ごとに求め、その
絶対値があらかじめ設定しておいた成分ごとの閾値より
小さいときは収束していると判定することができる。あ
るいは、今回の予測値と先の予測値との間のユークリッ
ド距離が、あらかじめ設定しておいた閾値より小さいと
きは収束していると判定することもできる。ここで、収
束していると判定したならば、S18の予測値再算出工
程で今回求めた予測値を最終的な予測値として、S22
の予測終了判定工程に進み、収束していないと判定した
ならば、S20の予測値の再計算判定工程に進む。
【0043】S20の予測値の再計算判定工程は、予測
値の収束方向と収束計算の回数を調べ、さらに収束計算
を行なわせるか否かを判断する工程である。この工程に
より、予測値がある極値の周辺で発散してしまって収束
しない場合に、無限回の計算ループに陥らないようにし
ている。例えば、この工程が1回目の場合は、無条件で
予測値の再計算を行なうと判定し、2回目以降は、予測
値と1回前の予測値との関係および1回前の予測値と2
回前の予測値の関係を成分ごとに調べ、同じ方向にシフ
トしているときは予測値の再計算を行なうと判定する。
異なる方向にシフトしているときはその回数をカウント
していき、カウント値があらかじめ設定しておいた閾値
以下の場合は再計算を行なうと判定し、閾値を越えたと
きは、発散してしまって収束しないので再計算を行なわ
ないと判定すればよい。ここで、予測値の再計算を行な
うと判定したならば、S16の重み付けの係数の再算出
工程へ進んで収束計算を繰り返し、再計算を行なわない
と判定したならば、S21の予測値最終決定工程に進
む。
【0044】S21の予測値最終決定工程は、予測値が
ある極値の周辺で発散してしまって収束しない場合に、
最もそれらしい値を最終的な予測値として決定する工程
である。再計算を行なった予測値を記憶しておき、例え
ば、発散を始めてからの全予測値の平均をとったり、あ
るいは、予測値と1回目の予測値との差分が最も小さい
予測値を選択するなど、最もそれらしい値を最終的な予
測値として決定する。
【0045】次のS22の予測終了判定工程は、全ての
被予測値について予測値が算出が終了したか否かを判定
する工程で、未終了の場合は、S13の重み付けの係数
の初期値算出工程に戻って、次の被予測値について予測
を繰り返し、終了の場合は、カラー画像入出力装置の色
伝達特性予測処理は全て終了する。
【0046】次に、本発明の色伝達特性予測方法の第2
の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態
では、(3)式の重み付けの係数Wijとして、上述の第
1の実施の形態で用いた、被予測値または予測値の入力
信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を規格
化した入力空間差分成分から求めた規格化入力信号空間
におけるユークリッド距離の単調減少関数Fijと、被予
測値または予測値の入力信号と入力信号の実データとの
信号成分ごとの差を該行列の成分を用いて感度を加味し
た出力空間の成分に変換した後に規格化した求めた規格
化出力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少関
数Gijのほかに、データ精度関数Ji を用いる例を示
す。このデータ精度関数Ji は、入力信号の実データに
対して上記2種類の重みW1ij とW2ij を使用して予測
された出力予測値と出力信号の実データとの相互関係か
ら計算される関数であり、ノイズを含む各実データ対の
確からしさを表わすものである。
【0047】ここで、被予測値または予測値の入力信号
の実データとの信号成分ごとの差を規格化した入力空間
差分成分から求めた規格化入力信号空間におけるユーク
リッド距離の単調減少関数Fijと、被予測値または予測
値の入力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの
差を該行列の成分を用いて感度を加味した出力空間の成
分に変換した後に規格化した求めた規格化出力信号空間
におけるユークリッド距離の単調減少関数Gijとは、上
述の第1の実施の形態で示したものと同じであるので、
入力信号の実データに対してこれらの2種類の重みを使
用して予測された出力予測値と出力信号の実データとの
相互関係から計算されるデータ精度関数Ji について、
出力信号が3次元の場合を例にとり、以下に示す(1
6)式から(23)式を用いて説明する。
【0048】
【数6】
【0049】(16)式から(18)式は、i番目の実
データ対における出力予測値(yi1’,yi2’,
i3’)と出力実データ(yi1,yi2,yi3)の差分要
素を示しており、(19)式から(21)式は、i番目
の実データ対を除く実データ対における出力予測値と出
力素データの差分要素を重み係数Vk で重み付け平均し
たものを示している。ここでの重みは、例えば、i番目
の実データの入力信号とi番目以外の実データの入力信
号の信号成分ごとの差を規格化した入力空間差分成分か
ら求める規格化入力信号空間におけるユークリッド距離
の単調減少関数とすればよい。
【0050】次の(22)式は、(16)から(21)
式までの差分要素を、差分要素ごとに対応させて求める
データ精度関数を示している。ここに示したデータ精度
関数Ji は、i番目の実データ対に関する出力予測値と
出力実データとの差分方向とその差の大きさ△yi1,△
i2,△yi3、i番目の実データ対を除く実データ対の
実データ対に関する出力予測値と出力実データとの重み
付け平均の差分方向とその差の大きさ△yis1 ,△y
is2 ,△yis3 から、両者が同じ方向なら差の大きさが
大きくなるほど大きな値を、異なる方向ならば差の大き
さが大きくなるほど小さな値をとるようにした、実デー
タ対の確からしさを示す関数Ii1,Ii2,Ii3を用いて
いることが特徴である。
【0051】次の(23)式は、2つの単調減少関数F
ijおよびGijを用いた重みW1ij ,W2ij とデータ精度
関数Ji を用いた重みW3iとを合成関数Hで合成して重
み付けの係数W123ij を作成することを示している。こ
こで、合成する方法は、その要素である2つの単調減少
関数が各々のユークリッド距離の単調減少関数であると
いう特徴をくずさないような合成方法、および、データ
精度関数が実データ対の確からしさを示すという特徴を
くずさないような合成方法を用いる必要があり、例え
ば、和とか積のような合成方法を用いることができる。
【0052】図2は、本発明の色伝達特性予測方法の第
2の実施の形態における動作の一例を示すフローチャー
ト、図3は、データ精度関数準備工程の詳細を示すフロ
ーチャートである。ここでは、データ精度関数を選択的
に使用できるようにした例を示しており、データ精度関
数を用いないことを選択した場合には、上述の第1の実
施の形態と同じである。S11の入出力実データ対準備
工程は、データ精度関数による重みを使用しない場合と
まったく同様なので、説明は省略する。次にS23のデ
ータ精度関数重み利用判定工程で、データ精度関数を用
いた重み付けの係数を利用するか否かを判定する。利用
しない場合にはS12へ進み、上述の第1の実施の形態
で説明した処理を行なう。データ精度関数を用いた重み
付けの係数を利用する場合には、S24のデータ精度関
数重み準備工程へと進む。
【0053】S24のデータ精度関数重み準備工程は図
3に示されている。以下、図3を用いて説明する。S3
1の被予測値設定工程で、図2のS11の入出力実デー
タ対準備工程で準備した全ての入力実データを被予測値
として設定し、S32以下で入力実データに対する出力
値を予測する準備をする。
【0054】次に、S32の重み付けの係数の初期値決
定工程で、(3)式で述べたn組の重み付けの係数Wij
の初期値を算出する。初期値は、(8)式に示した被予
測値入力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの
差を規格化した入力空間差分成分から求める規格化入力
信号空間におけるユークリッド距離の単調減少関数Fij
の重みW1ij を用いればよい。
【0055】次に、S33の行列の成分算出工程で、
(3)式で示した複数の入力信号の実データから行列を
用いて求めた出力予測値とそれに対応する複数の出力実
データの重み付けされたユークリッド距離の2乗和Ej
を最小にするという条件のもとに、最小2乗法を用い
て、行列の各成分m11,m12,・・・をひとまず算出す
る。ここでの重み付けの係数Wijは、S32の重み付け
の係数の初期値算出工程で決めた重み付けの係数Wij
ある。
【0056】次に、S34の予測値算出工程で、(6)
式を用いて、被予測値から予測値をひとまず算出する。
被予測値が入力信号(x1j,x2j,x3j)であるので、
(y1j,y2j,y3j)を、S33の行列の成分算出工程
で求めた行列の各成分m11,m12,・・・を使って求め
る。
【0057】次に、S35の重み付けの係数の再算出工
程で、(8)式に示す被予測値または予測値の入力信号
と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を規格化し
た入力空間差分成分から求める規格化入力信号空間にお
けるユークリッド距離の単調減少関数Fijの重みW1ij
と、(10)式に示す被予測値または予測値の入力信号
と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を該行列の
成分を用いて感度を加味した出力空間の成分に変換した
後に規格化して求める規格化出力信号空間におけるユー
クリッド距離の単調減少関数Gijの重みW2ij とを、
(12)式に示す合成関数Hで合成した重みW12ijを、
n組の素データ対に対して再度計算する。
【0058】次に、S36の行列の成分再算出工程で、
(3)式で示した複数の入力信号の実データから行列を
用いて求めた出力予測値とそれに対応する複数の出力実
データの重み付けされたユークリッド距離の2乗和Ej
を最小にするという条件のもとに、最小2乗法を用い
て、行列の各成分m11,m12,・・・を再度算出する。
【0059】次に、S37の予測値再算出工程で、
(6)式を用いて被予測値から予測値を再度算出する。
被予測値が入力信号(x1j,x2j,x3j)であるので、
(y1j,y2j,y3j)を、S36の行列の成分算出工程
で求めた行列の各成分m11,m12,・・・を使って求め
る。
【0060】次に、S38の予測値の収束判定工程で、
S37の予測値再度算出工程で求めた予測値と、S34
の予測値算出工程または1回前のS37の予測値再算出
工程で求めた予測値とを比較して、予測値が収束したか
否かを判定する。判定の方法としては、例えば、今回の
予測値と前回の予測値との間の差分を成分ごとに求め、
その絶対値があらかじめ設定しておいた成分ごとの閾値
より小さいときは収束していると判定することができ
る。あるいは、今回の予測値と前回の予測値との間のユ
ークリッド距離が、あらかじめ設定しておいた閾値より
小さいときは収束していると判定することもできる。こ
こで、収束していると判定したならば、S37の予測値
再算出工程で求めた予測値を最終的な予測値として、S
41の予測終了判定工程に進み、収束していないと判定
したならば、S39の予測値の再計算判定工程に進む。
【0061】S39の予測値の再計算判定工程は、予測
値の収束方向と収束計算の回数を調べ、更に収束計算を
行なわせるか否かを判定する工程である。この処理によ
って予測値がある極値の周辺で発散してしまって収束し
ない場合に、無限回の計算ループに陥らないようにして
いる。例えば、この工程が1回目の場合は、無条件で予
測値の再計算を行なうと判定し、2回目以降は、今回の
予測値と前回の予測値との関係および前回の予測値と前
々回の予測値の関係を成分ごとに調べ、同じ方向にシフ
トしているときは予測値の再計算を行なうと判定する。
異なる方向にシフトしているときはその回数をカウント
していき、カウント値があらかじめ設定しておいた閾値
以下の場合は再計算を行なうと判定し、閾値を越えたと
きは、発散してしまって収束しないので再計算を行なわ
ないと判定すればよい。ここで、予測値の再計算を行な
うと判定したならば、S35の重み係数の再算出工程へ
進んで収束計算を繰り返し、再計算を行なわないと判定
したならば、S40の予測値最終決定工程に進む。
【0062】S40の予測値最終決定工程は、予測値が
ある極値の周辺で発散してしまって収束しない場合に、
最もそれらしい値を最終的な予測値として決定する工程
である。再計算を行なった予測値を記憶しておき、例え
ば、始めてからの全予測値の平均をとったり、今回の予
測値との差分が最も小さい予測値を選択するなどによ
り、最もそれらしい値を最終的な予測値として決定す
る。
【0063】次のS41の予測終了判定工程は、全ての
被予測値について予測値の算出が終了したか否かを判定
する工程で、未終了の場合は、S32の重み係数の初期
値算出工程に戻って次の被予測値について予測を繰り返
し、終了の場合は、S42のデータ精度関数重み算出工
程に進む。
【0064】次のS42のデータ精度関数重み算出工程
は、(16)式から(22)式に示したデータ精度関数
i にしたがって、データ精度関数重みW3iを算出す
る。データ精度関数は、対象実データ対に関する出力予
測値と出力実データとの差分方向とその差の大きさ、対
象実データ対を除く実データ対の実データ対に関する出
力予測値と出力実データとの重み付け平均の差分方向と
その差の大きさから、両者が同じ方向なら差の大きさが
大きくなるほど大きな値を、異なる方向ならば差の大き
さが大きくなるほど小さな値をとるようにした、実デー
タ対の確からしさを示す関数である。
【0065】次のS43のデータ精度関数重み算出終了
判定工程は、全ての入出力実データ対についてデータ精
度関数による重み算出が終了したか否かを判定する工程
で、未終了の場合は、S42のデータ精度関数重み算出
工程に戻って、次の入出力実データ対についてデータ精
度関数による重み算出を繰り返す。終了の場合は、図2
のS12の被予測値準備工程に進む。
【0066】図2のS12からS22までの予測工程
は、データ精度関数重みを使う場合も、使わない場合も
ほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明を加える。S
13の重み付けの係数の初期値算出工程で、(3)式で
示したn組の重み係数Wijの初期値を算出する。この場
合の初期値は、例えば、被予測値が入力信号の場合は、
(8)式または(9)式に示した被予測値入力信号と入
力信号の実データとの信号成分ごとの差を規格化した入
力空間差分成分から求める規格化入力信号空間における
ユークリッド距離の単調減少関数Fijの重みW1ij と、
データ精度関数重みW3iを以下に示す(24)式で合成
したものを用いる。被予測値が出力信号の場合は、入力
が3次元の場合は、(13)式に示した被予測値出力信
号と出力信号の実データとの信号成分ごとの差を規格化
した出力空間差分成分から求める規格化入力信号空間に
おけるユークリッド距離の単調減少関数Gijの重みW
2ij'と、データ精度関数重みW3iとを以下に示す(2
5)式で合成したものを用いる。入力が4次元の場合
は、(13)式の重みW2ij'と、(14)式に示した入
力空間の1つの差分成分だけを規格化した入力信号空間
における距離の単調減少関数Fijによる重みW1ij'と、
データ精度関数重みW3iを、以下に示す(26)式で合
成した重みW123ij'を使えばよい。
【0067】
【数7】
【0068】S16の重み付けの係数の再算出工程で、
(8)式または(9)式に示す被予測値または予測値の
入力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を
規格化した入力空間差分成分から求める規格化入力信号
空間におけるユークリッド距離の単調減少関数Fijによ
る重みW1ij と、(10)式または(11)式に示す被
予測値または予測値の入力信号と入力信号の実データと
の信号成分ごとの差を該行列の成分を用いて感度を加味
した出力空間の成分に変換した後に規格化して求める規
格化出力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少
関数Gijによる重みW2ij と、(22)式に示したデー
タ精度関数Ji による重みW3iを、(23)式の合成関
数Hで合成し、n組の実データ対に対して重みW123ij
を再度計算する。
【0069】以上のS13とS16以外は、データ精度
関数重みを使う場合も、使わない場合も全く同様であ
り、S12からS22までの予測工程を経ることによ
り、データ精度関数重みを使う場合の予測が実施でき
る。
【0070】次に、本発明の色伝達特性予測方法の第3
の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態
では、(3)式の重み付けの係数Wijとして、第1の実
施の形態で用いた被予測値の入力信号と入力信号の実デ
ータとの信号成分ごとの差を各信号成分ごとの定数で割
ることにより規格化した入力空間差分成分から求める規
格化入力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少
関数Fijのみを用いる例を示す。
【0071】ここで、被予測値の入力信号と入力信号の
実データとの信号成分ごとの差を各成分ごとのを定数で
割ることにより規格化した入力空間差分成分から求める
規格化入力信号空間におけるユークリッド距離の単調減
少関数Fijとは、上述の第1の実施の形態で示した
(8)式または(9)式と同じである。被予測値である
任意の出力信号に対応する予測値である入力信号を求め
る場合は、単調減少関数Fijが予測値である入力信号に
依存するので、色伝達特性予測方法は、(3)式の重み
付けの係数Wijとして、(12)式のW12ijを用いる代
わりに、(8)式または(9)式に示したWijを用いる
以外は、図1に示す方法と全く同じとなる。そのため、
ここでは被予測値である任意の入力信号に対応する予測
値である出力信号を求める場合について説明する。
【0072】図4は、本発明の色伝達特性予測方法の第
3の実施の形態において、被予測値である任意の入力信
号に対応する予測値である出力信号を求める場合におけ
る動作の一例を示すフローチャートである。最初は、S
51の入出力実データ対準備工程であるが、これは、図
1に示すS11の入出力実データ対準備工程と全く同様
なので、説明は省略する。
【0073】次に、S52の被予測値準備工程では、被
予測値が入力信号の場合なので、上述の(6)式、
(7)式で述べた被予測値の入力信号(x1j,x2j,x
3j)または入力信号(x1j,x2j,x3j,x4j)を必要
な数だけ用意する。
【0074】次に、S53の重み付け係数の算出工程
で、(3)式で述べたn組の重み付けの係数Wijを算出
する。被予測値が入力信号の場合であり、重み付けの係
数としては、(8)式または(9)式に示した被予測値
の入力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差
を各信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入
力空間差分成分から求める規格化入力信号空間における
ユークリッド距離の単調減少関数Fijのみを求めればよ
く、一意的に求めることができる。
【0075】次に、S54の行列の成分算出工程で、
(3)式で示した複数の入力信号の実データから行列を
用いて求めた出力予測値とそれに対応する複数の出力信
号の実データの重み付けされたユークリッド距離の2乗
和Ej を最小にするという条件のもとに、最小2乗法と
いう公知の方法を用いて、行列の各成分m11,m12,・
・・を算出する。
【0076】次に、S55の予測値算出工程で、(6)
式または(7)式を用いて、被予測値から予測値を算出
する。被予測値が入力信号(x1j,x2j,x3j)または
入力信号(x1j,x2j,x3j,x4j)の場合であるの
で、出力信号(y1j,y2j,y3j)を、S54の行列の
成分算出工程で求めた行列の各成分m11,m12,・・・
を使って求める。
【0077】次のS56の予測終了判定工程は、全ての
被予測値について予測値が算出が終了したか否かを判定
する工程で、未終了の場合は、S53の重み付け係数の
算出工程に戻って、次の被予測値について予測を繰り返
す。終了の場合は、単調減少関数Fijのみを使用する場
合のカラー画像入出力装置の色伝達特性予測は、全て終
了となる。
【0078】以上の説明でわかるように、被予測値であ
る任意の入力信号に対応する予測値である出力信号を求
める場合で、単調減少関数Fijのみを使用する場合は、
重み付けの係数は一意的に定めることができるので、逐
次近似法を用いることなく予測を行なうことが可能であ
る。
【0079】次に、本発明の色伝達特性予測方法の第4
の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態
では、(3)式の重み付けの係数Wijとして、第1の実
施の形態で用いた被予測値の入力信号と入力信号の実デ
ータとの信号成分ごとの差を各信号成分ごとの定数で割
ることにより規格化した入力空間差分成分から求める規
格化入力信号空間におけるユークリッド距離の単調減少
関数Fijと、第2の実施の形態で用いたデータ精度関数
i を用いる例を示す。
【0080】ここで、被予測値の入力信号と入力信号の
実データとの信号成分ごとの差を各信号成分ごとの定数
で割ることにより規格化した入力空間差分成分から求め
る規格化入力信号空間におけるユークリッド距離の単調
減少関数Fijとは、上述の第1の実施の形態で示した
(8)式または(9)式と同じであり、データ精度関数
i とは、上述の第2の実施の形態で示した(16)式
〜(22)式と同じである。
【0081】被予測値である任意の出力信号に対応する
予測値である入力信号を求める場合は、単調減少関数F
ijが予測値である入力信号に依存するので、色伝達特性
予測方法は、(3)式の重み付けの係数Wijとして(1
2)式のW12ijを用いる代わりに(8)式または(9)
式に示したW1ij を用いる以外は、図2または図3に示
した方法と全く同じとなる。そのため、ここでは被予測
値である任意の入力信号に対応する予測値である出力信
号を求める場合について説明する。
【0082】図5は、本発明の色伝達特性予測方法の第
4の実施の形態において、被予測値である任意の入力信
号に対応する予測値である出力信号を求める場合におけ
る動作の一例を示すフローチャート、図6は、同じくデ
ータ精度関数準備工程の詳細を示すフローチャートであ
る。ここでは、データ精度関数を選択的に使用できるよ
うにした例を示しており、データ精度関数を用いないこ
とを選択した場合には、上述の第3の実施の形態と全く
同じとなる。最初はS61の入出力実データ対準備工程
であるが、これは図1におけるS11の入出力実データ
対準備工程と全く同様なので、説明は省略する。
【0083】次にS62のデータ精度関数重み利用判定
工程で、データ精度関数を用いた重み付け係数を利用す
るか否かを判定する。利用しない場合はS64に進み、
上述の第3の実施の形態で説明した処理を行なう。デー
タ精度関数を用いた重み付けの係数を利用する場合に
は、S63のデータ精度関数重み準備工程へと進む。S
63のデータ精度関数重み準備工程は、図6に示されて
いるので、以下図6を用いて説明する。
【0084】S71の被予測値設定工程で、図5のS6
1の入出力実データ対準備工程で準備した全ての入出力
実データを被予測値として設定し、S72以下で入出力
実データに対する出力値を予測するための準備を行な
う。
【0085】次にS72の重み付けの係数の決定工程
で、(3)式で述べたn組の重み付けの係数Wijを算出
する。被予測値が入力信号の場合であり、重み付けの係
数としては、(8)式または(9)式に示した被予測値
入力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を
各信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力
空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユ
ークリッド距離の単調減少関数Fijのみを求めればよ
く、一意的に定めることができる。
【0086】次にS73の行列の成分算出工程で、
(3)式で示した複数の入力信号の実データから行列を
用いて出力予測値とそれに対応する複数の出力信号の実
データの重み付けされたユークリッド距離の2乗和Ej
を最小にするという条件のもとに、最小2乗法という公
知の方法を用いて、行列の成分m11,m12,・・・を算
出する。ここでの重み付けの係数は、S72の重み付け
の係数の算出工程で決めた重み付けの係数である。
【0087】次にS74の予測値算出工程で、(6)式
または(7)式を用いて、被予測値から予測値を算出す
る。被予測値が入力信号(x1j,x2j,x3j)であるの
で、出力信号(y1j,y2j,y3j)を、S73の行列の
成分算出工程で求めた行列の各成分m11,m12,・・・
を使って求める。
【0088】次のS75の予測終了判定工程は、全ての
被予測値について予測値が算出が終了したか否かを判定
する工程である。未終了の場合は、S72の重み付けの
係数の算出工程に戻って、次の被予測値について予測を
繰り返す。終了の場合はS76のデータ精度関数重み算
出工程に進む。
【0089】S76のデータ精度関数重み算出工程は、
(16)式から(19)式に示したデータ精度関数に従
って、データ精度関数重みを算出する。データ精度関数
は、対象実データ対に関する出力予測値と出力信号の実
データとの差分方向とその差の大きさ、対象実データ対
を除く実データ対の実データ対に関する出力予測値と出
力信号の実データとの重み付け平均の差分方向とその差
の大きさから、両者が同じ方向なら差の大きさが大きく
なるほど大きな値を、異なる方向ならば差の大きさが大
きくなればなるほど小さな値とするようにした、実デー
タ対の確からしさを示す関数である。
【0090】次のS77のデータ精度関数重み算出終了
工程は、すべての入出力実データ対についてデータ精度
関数による重み算出が終了したか否かを判定する工程で
ある。未終了の場合は、S76のデータ精度関数重み算
出工程に戻って、次の入出力実データ対についてデータ
精度関数重みの算出を繰り返し、終了の場合は、図5に
おけるS64の被予測値準備工程に進む。
【0091】図5のS64からS68までの予測工程
は、データ精度関数重みを使う場合も、使わない場合も
ほぼ同様であって、S64のみ異なるので、S64のみ
説明を加える。
【0092】S64の重み係数の算出工程では、(3)
式で述べたn組の重み付けの係数Wijを算出する。この
場合は、被予測値が入力信号なので、(8)式または
(9)式に示した被予測値である入力信号と入力信号の
実データとの信号成分ごとの差を規格化した入力空間差
分成分から求める規格化入力信号空間におけるユークリ
ッド距離の単調減少関数の重みとデータ精度関数重みを
(24)式で合成したものを用いればよく、一意的に定
めることができる。
【0093】以上、図5のS64以外は、データ精度関
数重みを使う場合も使わない場合も全く同様であり、S
61からS68までの予測工程を経ることにより、デー
タ精度関数重みを使った予測を行なうことができる。以
上の説明でわかるように、データ精度関数重みを使う場
合であっても、被予測値である任意の入力信号に対応す
る予測値である出力信号を求める場合で、単調減少関数
ijのみを使用する場合は、重み付けの係数は一意的に
定めることができるので、逐次近似法を用いることなく
予測を行なうことが可能である。
【0094】以上、本発明の実施の4つの形態を説明し
たが、この他にも、図6に示したデータ精度関数と図2
に示した色伝達特性予測方法の組み合わせも可能である
が、容易に類推できる組み合わせであるので、説明は省
略する。
【0095】
【実施例】図7は、本発明の色伝達特性予測方法を適用
するシステムの第1の例を示す構成図である。図中、1
01はカラースキャナ、102〜104は1次元テーブ
ル、105はマトリックスマスキング部である。ここで
はカラー画像入力装置としてカラースキャナ101を用
い、本発明の色伝達特性予測方法を用いて色処理の係数
を決定する方法とその処理の精度を計算上で確認する方
法について説明する。
【0096】図7に示すシステムでは、カラースキャナ
101は与えられたカラー画像を読み取ってRGB色空
間の信号を出力する。カラースキャナ101から出力さ
れるRGB色空間の信号は、それぞれの信号成分ごとに
1次元テーブル102〜104において色調整が行なわ
れる。1次元テーブル102〜104の目的は、通常は
反射率に比例するRGB色空間のデータを、次のマトリ
ックスマスキング部105でL*** 色空間のデー
タに変換するときに変換精度が良くなるように、反射率
でない別の単位、例えば、濃度とか明度などの単位のデ
ータR’G’B’に変換を施すこと、および、カラース
キャナ101のRGBの各センサの感度の違いを補正す
るため、カラースキャナ101にグレイが入力されたと
きにR’,G’,B’が同じ値になるように変換を施す
ことである。1次元テーブル102〜104でR,G,
B各成分ごとの変換を行なった後、マトリックスマスキ
ング部105で装置に依存しない均等色空間L*'a*'b
*'に変換して出力する。このとき、カラースキャナ10
1で読み取らせたカラー画像を測色器等によって測定し
た均等色空間L*** の実データと、マトリックス
マスキング部105の出力のL*'a*'b*'色空間のデー
タを一致させる。これによって、カラースキャナ101
に与えられたカラー画像を忠実に再現できるカラー画像
データが入力されることになる。
【0097】図8は、本発明の色伝達特性予測方法を適
用するシステムの第1の例における色処理係数決定およ
び確認処理の一例を示すフローチャートである。ここで
は、色伝達特性の予測の方法として、データ精度関数を
使用しない第1の実施の形態で説明した予測方法を用い
るものとする。
【0098】まず、S81の入出力実データ対準備工程
で、あらかじめ色を測定して均等色空間L***
おけるデータを得ておいた種々のカラーパッチをカラー
スキャナ101に読み取らせ、カラースキャナ101か
ら出力されるRGB色空間における信号を計測する。こ
れにより、入力信号の実データとして均等色空間L**
* のデータと、カラースキャナ101の出力のRG
B色空間における実データとの実データ対を用意でき
る。種々のカラーパッチの色は、入力の色空間内にまん
べんなく分布していることが望ましく、その数は望む予
測の精度に依存するが、通常は100から1000位と
なる。
【0099】カラー画像の読み込みのとき、出力信号に
は、カラースキャナの面内の不均一性や、時間的な不安
定特性等の原因によるノイズが乗っているため、これら
のノイズが色特性予測方法の持つスムージング機能で除
去されやすいように工夫するとよい。また、カラーパッ
チの読み込み時にその配列をランダムにして面内の不均
一性の影響がRGB色空間のデータにランダムに乗るよ
うにしたり、何回ものスキャンに分割してRGB色空間
のデータを採取することにより時間的な不安定特性の影
響もRGB値にランダムに乗るようにするとよい。さら
に、カラーパッチ自体の不均一性も考慮して、色の測定
時のアパーチャの大きさを小さくしすぎないようにした
り、RGB色空間のデータを計測した後、アパーチャの
大きさに対応した領域の平均を求める等の工夫をすると
さらによい。
【0100】次に、S82の重み付け関数形状/パラメ
ータ設定工程で、色伝達特性予測時の重み付けの関数の
形状とそのパラメータを設定する。例えば、(8),
(10),(12)式に相当する重み付けの関数を、以
下に示す(27)〜(29)式として設定する。ここ
で、(Lj ,aj ,bj )が被予測値または予測値の入
力信号、(Li ,ai ,bi )が入力信号の実データ、
(L0 ,a0 ,b0 )が入力信号空間の規格化の定数、
(R0 ,G0 ,B0 )が出力信号空間の規格化の定数、
pが関数形状を決める定数である。
【0101】
【数8】
【0102】重み付けのパラメータとは、ここでは(L
0 ,a0 ,b0 )、(R0 ,G0 ,B0 )、pの3種類
の定数を意味しており、スムージング機能の程度を調整
するものである。式の形状で分かるように、(L0 ,a
0 ,b0 )と(R0 ,G0 ,B0 )は、値が大きくなる
ほどスムージング機能は強くなり、pは値が大きくなる
ほどスムージング機能は弱くなるパラメータである。こ
れらのパラメータは、予測を実行する前に、入出力実デ
ータ対のノイズの程度により決定される必要がある。一
般的には、ノイズが大きければスムージング機能を強く
し、ノイズが小さければスムージング機能を弱くすれば
よい。しかし、通常はノイズの程度を判定するデータは
入出力実データ対しかなく、真値がわかっているわけで
ないので、ある程度は経験的に設定することになる。
【0103】例えば、あるパラメータの組を仮定して入
力実データに対する出力を予測し、予測値と出力実デー
タとの差分を見て、適当なあるパラメータの組を選択す
る方法がある。この場合、予測値と出力実データとの差
分は、予想方法そのものの誤差と、ノイズによる誤差が
合成されたものとなっており、この差分と最適パラメー
タの組との関係をあらかじめシミュレーション等によっ
て求めておけばよい。
【0104】別の例としては、被予測値としてL**
* 色空間のグラデーションデータ、例えば、a* =b
* =0でL* が少しづつ変わるような被予測値を準備し
て、あるパラメータの組を仮定して、RGB色空間のデ
ータを予測してみる。そして、L* に対する予測結果の
RGB色空間のデータをグラフ化してみて、その形状か
ら、仮定したパラメータの組でよいかどうかを判定す
る。例えば、その結果が実データ対に追従しすぎていて
不自然な極値が多いような場合は、スムージング機能が
弱すぎるので、より強いスムージングを与えるようなパ
ラメータの組を再度仮定し、同様に判定を行なう。これ
を何度か繰り返すことにより、最適なパラメータの組を
設定することもできる。
【0105】次に、S83の被予測値準備工程で、色処
理の係数を決めるための複数の被予測値を設定する。こ
の被予測値の設定は、使用する色処理アルコリズムとそ
の係数の決定方法に依存するが、ここでは1次元テーブ
ル102〜104の係数を先に決定し、次にマトリック
スマスキング部105の係数を決定するものとする。こ
の場合は、1次元テーブル102〜104の係数を決め
るために、グレイスケール、すなわち、a* =b* =0
でL* が0から100まで均等に変化している被予測値
を設定する。そのステップの幅は、例えば8ビットのテ
ーブルを使う場合は、100/256程度にしておけば
問題はない。また、マトリックスマスキング部105の
係数を決めるためには、色空間で均等に色差を小さくし
たいという前提ならばL*** の格子点データ、例
えば、10間隔の格子点データを被予測値として設定す
る。人の顔色等、特に色差を小さくしたいという色があ
れば、その色を追加してもよい。
【0106】次に、S84の予測値算出工程で、S83
の被予測値準備工程で設定した複数の被予測値について
予測を実行する。その方法は、図1で説明した方法と全
く同一であるので省略する。これにより、被予測値であ
るグレイスケールとL*** の格子点データに対す
るRGB色空間における予測値が得られる。
【0107】次に、S85の色処理係数決定用データ選
出工程で、S84までの工程で得た複数の被予測値と予
測値のデータ対から、色処理の係数を決めるために必要
なデータ対を選出する。選出の基準は、RGB色空間の
予測値が、このシステムの色処理で扱う範囲に入ってい
るか否かである。すなわち、通常RGB色空間のデータ
は反射率という単位で表わせるが、グレイスケールとL
*** の格子点データのRGB色空間の予測値は、
0未満、または100%をこえるデータが含まれている
可能性がある。それらのデータは色処理係数決定用デー
タとしては不必要なので、それらのデータを除去して、
RGB色空間の予測値が0から100%の範囲に入って
いるデータ対を選出すればよい。
【0108】次に、S86の色処理係数決定工程で、実
際の色処理のための係数を決定する。まず、1次元テー
ブル102〜104の係数を、グレイスケールのデータ
を使って決定する。ここでは、1次元テーブル102〜
104は、反射率に比例するRGB色空間のデータを、
明度を単位とするR’G’B’色空間のデータに変換す
るものとする。R,G,Bの各信号成分に対応する1次
元テーブル102〜104の係数は、横軸にRまたはG
またはBの予測値の値を、縦軸にL* の値をとってグレ
ースケールのデータ対をプロットし、プロット間は折れ
線で近似することでRGB色空間からR’G’B’色空
間への変換関数を定め、この変換関数を量子化すること
により決定することができる。
【0109】次に、マトリックスマスキング部105の
係数をL*** の格子点データを使って決定する。
*** の格子点データに対応するRGB色空間の
予測値を、先に決めた1次元テーブル102〜104を
用いてR’G’B’色空間のデータに変換し、そのR’
G’B’色空間のデータをマトリックスマスキング部1
05の入力とし、入力されるカラー画像のL***
色空間のデータを出力の目標として、最小2乗法を使っ
て再帰的に計算することにより、マトリックスマスキン
グ部105の係数を決定することができる。
【0110】最後に、S87の色処理確認工程で、色処
理の精度を確認する。色処理の精度を確認するとは、確
認したい色のL*** 色空間のデータに対し、色処
理後の出力であるL*'a*'b*'色空間のデータがどうな
っているかを調べることを意味している。したがって、
確認したい任意の色L*** を被予測値としてカラ
ースキャナ101の出力であるRGB色空間のデータを
予測し、それを1次元テーブル102〜104を用いて
R’G’B’色空間のデータに変換し、更にマトリック
スマスキング部105によってL*'a*'b*'色空間のデ
ータに変換し、L*** 色空間におけるデータとの
色差を求めればよい。同様のことを、任意のRGB色空
間のデータを出発点として確認することが可能である。
このときは、任意のRGB色空間のデータを被予測値と
してカラースキャナ101に与えられるカラー画像のL
*** 色空間のデータを予測し、RGB色空間のデ
ータを1次元テーブル102〜104とマトリックスキ
ング部105を用いてL*'a*'b*'に変換したものとの
色差を求めればよい。
【0111】図9は、本発明の色伝達特性予測方法を適
用するシステムの第2の例を示す構成図である。図中、
111は3次元テーブル、112〜115は1次元テー
ブル、116はカラープリンターである。ここではカラ
ー画像出力装置としてカラープリンター116を用い、
本発明の色伝達特性予測方法を用いて色処理の係数を決
定する方法とその処理の精度を計算上で確認する方法に
ついて説明する。
【0112】図9に示すシステムでは、記録すべきカラ
ー画像のデータがL*'a*'b*'色空間のデータとして3
次元テーブル111に与えられる。3次元テーブル11
1は、L*'a*'b*'色空間のデータをY’M’C’K’
の4次元の色空間のデータに変換する。その際に、テー
ブルにない色については、補間処理によって求める。こ
のとき、入力されるL*'a*'b*'色空間のデータと、カ
ラープリンター116によって記録されたカラー画像の
*** 色空間におけるデータとがなるべく一致す
るように変換する。
【0113】3次元テーブル111から出力されるY’
M’C’K’色空間のデータは、それぞれの成分ごとに
1次元テーブル112〜115に入力される。各1次元
テーブル112〜115は、各成分の調整を行なってY
MCK色空間のデータとしてカラープリンター116へ
出力する。この1次元テーブル112〜115の目的
は、3次元テーブル111では対処できないような単色
スケールの局所的非線形性を補正することである。
【0114】カラープリンター116は、各1次元テー
ブル112〜115から出力されるYMCK色空間のデ
ータを受け取り、カラー画像を被記録媒体に記録する。
このとき、記録されたカラー画像のL*** 色空間
における値と、3次元テーブル111に入力されたカラ
ー画像データのL*'a*'b*'色空間における値とが一致
するように3次元テーブル111の係数および1次元テ
ーブル112を構成することによって、与えられたカラ
ー画像データを忠実に再現したカラー画像を得ることが
できる。
【0115】図10は、本発明の色伝達特性予測方法を
適用するシステムの第2の例における色処理係数決定お
よび確認処理の一例を示すフローチャートである。ここ
では、予測の方法として上述の第2の実施の形態で説明
したように、データ精度関数を使用した予測方法を用い
るものとする。
【0116】まず、S91の入出力実データ対準備工程
で、YMCK色空間のデータの種々の組合せでカラーパ
ッチを出力し、その色を測定することにより、入力側の
YMCK色空間のデータと出力側のL** b* 色空間
のデータとの実データ対を用意する。種々のカラーパッ
チの色は、上述のカラー画像入力装置の場合と同様に、
入力側の色空間内にまんべんなく分布していることが望
ましく、例えば、YMCKの10%ごとの全ての組合せ
でカラーパッチを出力する等が理想的である。しかし、
数が大きくなりすぎるので、直交表を用いて間引いた
り、YMCK色空間のデータが変化しても出力側のL*
* b* 色空間のデータがあまり変化しないような領域
を間引いたりすることにより、数100から数1000
くらいのカラーパッチを出力するのが実用的である。逆
に、カラープリンター116の色伝達特性が急激に変化
しているような部分は、より細かい間隔でカラーパッチ
を出力する場合もある。また、カラーパッチの出力の際
に、出力信号には、プリンターの面内の不均一性や、時
間的な不安定性の原因によるノイズが乗っているため、
これらのノイズが色特性予測方法の持つスムージング機
能で除去されやすいように工夫したり、カラーパッチ自
体の不均一性に対処する工夫も設けるとよい。それらの
方法は、上述のカラー画像入力装置の場合と同様なので
省略する。
【0117】次にS92の重み付け関数形状/パラメー
タ設定工程で、色伝達特性予測時の重み付けの関数の形
状とそのパラメータを設定する。例えば、(9),(1
1),(16)〜(23)式に相当する重み付け関数
を、以下に示す(30)〜(39)式のように設定す
る。ここで、(Yj ,Mj ,Cj ,Kj )が被予測値ま
たは予測値の入力信号、(Yi ,Mi ,Ci ,Ki )が
入力信号の実データ、(Y0 ,M0 ,C0 ,K0 )が入
力信号空間の規格化の定数、(Lj ,aj ,bj )が被
予測値または予測値の出力信号、(Li ,ai ,bi
が出力信号の実データ、(L0 ,a0 ,b0 )が出力信
号空間の規格化の定数、pが関数形状を決める定数であ
る。
【0118】
【数9】
【数10】
【0119】ここで重み付けのパラメータとは、(Y
0 ,M0 ,C0 ,K0 )、(L0 ,a0 ,b0 )、pの
3種類の定数を意味しており、スムージング機能の程度
を調整するものである。式の形状で分かるように、(Y
0 ,M0 ,C0 ,K0 )と(L 0 ,a0 ,b0 )は、値
が大きくなるほどスムージング機能は強くなり、pは値
が大きくなるほどスムージング機能は弱くなるパラメー
タである。これらのパラメータは、予測を実行する前
に、入出力実データ対のノイズの程度により決定される
が、その方法は上述のカラー画像入力装置の場合と同様
なので省略する。
【0120】次に、S93のデータ精度関数重み準備工
程で、(16)〜(23)式に相当する重み、すなわち
(32)〜(39)式から重みW123ij を計算する。そ
の方法は、図3においてすでに説明した方法と全く同一
であるのでここでは省略する。この工程により、全ての
入出力の実データ対に対するデータ精度関数重みが決定
される。
【0121】次に、S94の被予測値準備工程で、色処
理の係数を決めるための複数の被予測値を設定する。こ
の被予測値の設定は、使用する色処理アルコリズムとそ
の係数の決定方法に依存するが、ここでは、1次元テー
ブル112〜115の係数を先に決定し、次に、3次元
ルックアップテーブル111の係数を決定するものとす
る。この場合は、1次元テーブル112〜115の係数
を決めるために、単色スケール、すなわち、M=C=K
=0%でYが0%から100%まで均等に変化している
もの、Y=C=K=0%でMが0%から100%まで均
等に変化しているもの、Y=M=K=0%でCが0%か
ら100%まで均等に変化しているもの、Y=M=C=
0%でKが0%から100%まで均等に変化しているも
の、を被予測値として設定する。そのステップの幅は、
例えば8ビットのテーブルを使う場合は、100/25
6程度にしておけば問題はない。
【0122】また、3次元テーブル111の係数を決め
るためには、そのテーブルの格子点に対応するL**
* 色空間のデータと、その色に対応するKの%値を被
予測値として設定する。このKの%値の設定方法は、最
大墨量を用いる方法等、種々の方法が考案されており、
本発明の予測方法を用いてこれを決定することも可能で
あるが、ここでは省略する。
【0123】次に、S95の予測値算出工程で、S94
の被予測値準備工程で設定した複数の被予測値について
予測を実行する。その方法は、図2で説明した方法と全
く同一であるので省略するが、被予測値である単色スケ
ールに対するL*** 色空間の予測値と、格子点の
*** 色空間のデータとKの%データに対するY
MC色空間の予測値が得られる。
【0124】次に、S96の色処理係数決定工程で、実
際の色処理装置の係数を決定する。まず、1次元テーブ
ル112〜115の係数を、単色スケールのデータを使
って決定する。Y,M,C,Kの各成分に対応する1次
元テーブル112〜115の係数は、横軸に各単色スケ
ールの予測値であるL*** 空間の値から算出した
0%の色度に対する色差値を、縦軸にYまたはMまたは
CまたはKの%値をとって単色スケールのデータ対をプ
ロットし、プロット間は折れ線で近似することにより
Y’M’C’K’色空間からYMCK色空間への変換関
数を定め、この変換関数を量子化することにより決定す
ることができる。
【0125】次に、3次元テーブル111の係数を、3
次元テーブル111の格子点に対応するL***
空間のデータを使って決定する。そのためには、3次元
テーブル111の格子点に対応するデータ、予測によっ
て求めたYMC色空間の%値とすでに定めてあるKの%
値とを、先に決めた1次元テーブル112〜115を逆
に解くことによってY’M’C’K’色空間のデータに
変換し、その値を対応する格子点の係数とすればよい。
【0126】ただし、この方法は3次元テーブル111
の格子点のL*'a*'b*'色空間のデータが、カラープリ
ンター116が再現できる色域内の場合に使える基本的
な方法である。このシステムにその色域外のデータが入
力される可能性がある場合には、この方法を拡張する必
要がある。例えば、1次元テーブル112〜115を0
〜100%の間で作成するのではなく、外挿を使って3
次元テーブル111の格子点のL*'a*'b*'の値を全て
カバーする領域で仮に作成しておき、これを使って同様
の決め方をすると、Y’M’C’K’色空間のデータの
一部が0%未満または100%を越えるもの、すなわ
ち、色域外を含めたY’M’C’K’色空間のデータが
求まる。その後に、この値を0〜100%に収める方
法、通常Gamut圧縮と呼ばれる手法等と組み合わせ
て、最終的な格子点の係数とすることができるが、詳細
は省略する。
【0127】最後にS97の色処理係数確認工程で、色
処理の精度を確認する。色処理の精度を確認するとは、
確認したい色処理入力のL*'a*'b*'色空間のデータに
対し、カラープリンター116から出力されるL**
* 色空間のデータがどうなっているかを調べることを
意味している。したがって、確認したい任意のL*'a*'
b*'色空間のデータを3次元テーブル111で変換して
Y’M’C’K’色空間のデータを求め、その値を1次
元テーブル112〜115を用いてYMCK色空間のデ
ータに変換し、YMCK色空間のデータを被予測値とし
てカラープリンター116から出力されるL***
色空間のデータを予測し、入力されたL*'a*'b*'色空
間のデータとの色差を求めればよい。
【0128】次に、本発明の第3の実施の形態を適用し
た実施例として、被予測値が1次元データの場合につい
て、再び図7,図8を用いて説明する。上述のように、
図7はカラースキャナ入力装置の場合の色処理を示して
おり、1次元テーブル102〜104と、マトリックス
マスキング部105の係数を決める例を先に説明した。
ここでは、すでにこれらの係数は一度決められており、
カラースキャナ入力装置の光源やCCDの時間的変動な
どにより色伝達特性が変化し、1次元テーブル102〜
104の係数のみを再度簡易的に決め直す場合を想定し
て説明する。
【0129】図8は、データ精度関数を用いない場合の
色処理係数決定方法を示しており、ここでの手順も、デ
ータ精度関数を用いない場合を想定し、図8の手順に従
って説明する。まずS81の入出力実データ対準備工程
で、あらかじめ明度を測定してあるグレースケールパッ
チを読み込ませて出力のRGB色空間における信号を計
測し、入力信号の実データとしての明度L* と出力信号
の実データとしてのRGB色空間におけるデータとの実
データ対を用意する。グレースケールの間隔は、所望す
る予測の精度に依存するが、通常は10から数10くら
いが適当であり、マトリックスマスキング部105の係
数も決める場合に比べると、大幅にその数を減らすこと
ができる。読み込みのとき、出力信号には、カラースキ
ャナの面内の不均一性、時間的な不安定性等の原因によ
るノイズが乗っているため、これらのノイズが色特性予
測方法の持つスムージング機能で除去されやすいように
する工夫や、グレースケールパッチ自体の不均一性も考
慮した工夫などは、上述の実施例と同様である。
【0130】次にS82の重み付け関数形状/パラメー
タ設定工程で、色伝達特性予測時の重み付けの関数形状
とそのパラメータを設定する。この場合は、入力が明度
であるので、(8)式に相当する重み付け関数を、(4
0)式のように設定すればよい。ここで、(Lj)が被
予測値の入力信号、(Li)が入力信号の実データ、
(L0 )が入力信号空間の規格化の定数、pが関数形状
を決める定数である。
【数11】
【0131】重み付けのパラメータとは、(L0 )、p
の2種類の定数を意味しており、スムージング機能の程
度を調整するものであることは、上述したとおりであ
る。この場合は、1次元テーブル102〜104とマト
リックスマスキング部105の係数は一度決定してある
ことを想定しているので、これら重み付けのパラメータ
は、そのとき使用したパラメータを参考にして決めれば
よい。
【0132】次に、S83の被予測値基準工程では、1
次元テーブル102〜104の係数を決めるための複数
の被予測値を設定する。この場合は、グレースケール、
すなわち、明度L* が0から100まで均等に変化して
いるものを被予測値と設定する。そのステップの幅は、
例えば8ビットのテーブルを使う場合は、100/25
6程度にしておけば問題はない。
【0133】次に、S84の予測値算出工程では、前の
工程で設定した複数の被予測値について予測を実行す
る。その方法は、図4において説明したS51からS5
6までの処理と、入力の次元数が異なる点を除けば全く
の同一である。そのためここでは説明を省略する。この
予測値算出工程で被予測値であるグレイスケールに対す
るRGB色空間における予測値が得られる。
【0134】次に、S85の色処理係数決定用データ選
出工程では、前の工程までで得た複数の被予測値と予測
値のデータ対から、色処理の係数を決めるために必要な
データ対を選出する。選出の基準は、RGB色空間にお
ける予測値が、色処理装置で扱う範囲に入っているか否
かである。すなわち、通常、RGB色空間のデータは反
射率という単位で表わせるが、グレイスケールのRGB
色空間における予測値は、0未満、または100%を超
えるデータが含まれている可能性がある。それらのデー
タは色処理係数決定用データとしては不必要なので、そ
れらのデータをカットして、RGB色空間における予測
値が0から100%の範囲に入っているデータ対を選出
すればよい。
【0135】次に、S86の色処理係数決定工程で、実
際の1次元テーブルの係数を決定する。1次元テーブル
102〜104の第1の目的は、通常は反射率に比例す
るRGB色空間のデータを、次のマトリックスマスキン
グ部105でL*** 色空間のデータに変換すると
きに変換精度が良くなるように、反射率ではない別の単
位、例えば、濃度や明度などを単位とするR’G’B’
色空間のデータに変換を施すことである。また、第2の
目的は、スキャナのRGBセンサの感度の違いを補正す
るため、スキャナにグレイが入力されたときにR’G’
B’色空間のデータが同じ値になるように変換を施すこ
とである。ここでは、明度の単位に変換する場合を想定
する。R,G,B各々に対応する1次元テーブル102
〜104の係数は、横軸にRまたはGまたはBの予測値
の値を、縦軸に明度L* の値をとってグレイスケールの
データ対をプロットし、プロット間は折れ線で近似する
ことでRGB色空間からR’G’B’色空間への変換関
数を定め、この変換関数を量子化することにより決定す
ることができる。
【0136】最後に、S87の色処理係数確認工程で色
処理の精度を確認する。色処理の確認するとは、確認し
たいグレイスケールのスキャナ入力の明度L* に対し、
色処理後のL*** 色空間の出力データがどうなっ
ているかを調べることを意味している。従って、確認し
たい任意のグレイスケールL* を被予測値としてスキャ
ナのRGB色空間の出力データを予測し、それを1次元
テーブル102〜104を用いてR’G’B’色空間の
データに変換し、さらにマトリックスマスキング部10
5を用いてL*** 色空間のデータに変換し、明度
* との差を求めればよい。
【0137】以上のように、1次元テーブルの係数のみ
を再度決め直すような場合にも、本発明の色伝達特性予
測方法を用いて1次元のデータ処理を行なえば、少ない
実データ対を用いて実現することが可能である。
【0138】この実施例ではデータ精度関数を用いない
場合について説明したが、もちろんデータ精度関数を用
い、図10に示すような処理過程によって1次元テーブ
ルの係数の決め直しを行なうこともできる。
【0139】なお、ここでは入力信号を被予測値、出力
信号を予測値として(40)式で示した重み付けの係数
1ij のみを用いた予測処理を行なったが、逆に出力信
号を被予測値、入力信号を被予測値とし、あるいは出力
信号と入力信号の一部を被予測値、入力信号の残りの一
部を予測値として予測処理を行なう場合、例えば図9に
示すカラープリンターのような場合においても、前述の
逐次近似法を使用すれば重み付けの係数としてW1ij
みを用いて予測処理を行なうこともできる。もちろん、
それに加えてデータ精度関数を用いてもよい。
【0140】このように、本発明の色処理係数決定方法
は、カラー画像入力装置やカラー画像出力装置に関する
色処理の係数を決定する場合や、決定した色処理の係数
の精度を確認する場合等、様々な場合に応用可能であ
る。
【0141】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、カラー画像入出力装置の入出力の実データを
統計的に処理して、色伝達特性の予測、すなわち、任意
の入力信号に対する出力信号の予測、および、任意の出
力信号に対する入力信号の予測を行なうことができ、ま
たは、任意の出力信号と入力信号の一部から入力信号の
残りの一部を予測することができる。これにより、カラ
ー画像入出力装置の種類に依存しないで色伝達特性を予
測することができ、装置の物理特性を調べてモデル化す
る手間を省き、どのようなカラー画像入出力装置に対し
ても、重み付けのパラメータを決めるだけで容易に予測
を行なうことができる。また、使用する入出力の実デー
タ対にノイズが含まれていても、そのノイズの程度によ
って重み付けのパラメータを決定することにより高い予
測精度を得ることができ、カラー画像入出力装置の色処
理の係数を正確に決めることができる。さらに、予測方
法が簡単であるので、高速に予測を行なうことができ、
カラー画像入出力装置の色処理の係数の決定を迅速に行
なうことができるなど、種々の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の色伝達特性予測方法の第1の実施の
形態における動作の一例を示すフローチャートである。
【図2】 本発明の色伝達特性予測方法の第2の実施の
形態における動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の色伝達特性予測方法の第2の実施の
形態におけるデータ精度関数準備工程の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図4】 本発明の色伝達特性予測方法の第3の実施の
形態において、被予測値である任意の入力信号に対応す
る予測値である出力信号を求める場合における動作の一
例を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の色伝達特性予測方法の第4の実施の
形態において、被予測値である任意の入力信号に対応す
る予測値である出力信号を求める場合における動作の一
例を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の色伝達特性予測方法の第4の実施の
形態におけるデータ精度関数準備工程の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図7】 本発明の色伝達特性予測方法を適用するシス
テムの第1の例を示す構成図である。
【図8】 本発明の色伝達特性予測方法を適用するシス
テムの第1の例における色処理係数決定および確認処理
の一例を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の色伝達特性予測方法を適用するシス
テムの第2の例を示す構成図である。
【図10】 本発明の色伝達特性予測方法を適用するシ
ステムの第2の例における色処理係数決定および確認処
理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101…カラースキャナ、102〜104…1次元テー
ブル、105…マトリックスマスキング部、111…3
次元テーブル、112〜115…1次元テーブル、11
6…カラープリンター。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像入力装置またはカラー画像出
    力装置の複数の入力信号の実データと、それに対応する
    出力信号の実データのデータ対から、被予測値である任
    意の入力信号に対応する予測値である出力信号を求める
    色伝達特性予測方法において、入力信号と出力信号の関
    係を定数項を含む線形関係となるように行列で結びつ
    け、複数の入力信号の実データから該行列を用いて求め
    た出力予測値とそれに対応する複数の出力実データとの
    信号成分ごとの差分に被予測値依存の重み付けの係数で
    重み付けした値の2乗和が最小になるように該行列の成
    分を決定し、被予測値である入力信号から該行列を用い
    て出力予測値を求めることを特徴とする色伝達特性予測
    方法。
  2. 【請求項2】 前記重み付けの係数は、被予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入
    力信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力
    空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユ
    ークリッド距離の単調減少関数であることを特徴とする
    請求項1に記載の色伝達特性予測方法。
  3. 【請求項3】 前記重み付けの係数は、被予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入
    力信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力
    空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユ
    ークリッド距離の単調減少関数と、あらかじめ各入力信
    号の実データに対して予測した出力予測値と出力信号の
    実データとの相互関係から計算するデータ精度関数から
    構成されることを特徴とする請求項1に記載の色伝達特
    性予測方法。
  4. 【請求項4】 カラー画像入力装置またはカラー画像出
    力装置の複数の入力信号の実データと、それに対応する
    出力信号の実データのデータ対から、被予測値である任
    意の入力信号に対応する予測値である出力信号を求める
    色伝達特性予測方法において、入力信号と出力信号の関
    係を定数項を含む線形関係となるよう行列で結びつけ、
    複数の入力信号の実データから該行列を用いて求めた出
    力予測値とそれに対応する複数の出力実データとの信号
    成分ごとの差分に被予測値依存および該行列の成分依存
    の重み付けの係数で重み付けした値の2乗和が最小にな
    るように、該行列の成分と重み付けの係数と予測値を逐
    次近似法で決定することを特徴とする色伝達特性予測方
    法。
  5. 【請求項5】 前記重み付けの係数は、被予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入
    力信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力
    空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユ
    ークリッド距離の第1の単調減少関数と、被予測値の入
    力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を該
    行列の成分を用いて感度を加味した出力空間の成分に変
    換した後に各信号成分ごとの定数で割ることにより規格
    化して求める規格化出力信号空間におけるユークリッド
    距離の第2の単調減少関数から構成されることを特徴と
    する請求項4に記載の色伝達特性予測方法。
  6. 【請求項6】 前記重み付けの係数は、被予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入
    力信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力
    空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユ
    ークリッド距離の第1の単調減少関数と、被予測値の入
    力信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を該
    行列の成分を用いて感度を加味した出力空間の成分に変
    換した後に各信号成分ごとの定数で割ることにより規格
    化して求める規格化出力信号空間におけるユークリッド
    距離の第2の単調減少関数と、あらかじめ各入力信号の
    実データに対して予測した出力予測値と出力信号の実デ
    ータとの相互関係から計算するデータ精度関数から構成
    されることを特徴とする請求項4に記載の色伝達特性予
    測方法。
  7. 【請求項7】 カラー画像入力装置またはカラー画像出
    力装置の複数の入力信号の実データと、それに対応する
    出力信号の実データのデータ対から、被予測値である任
    意の出力信号に対応する予測値である入力信号、また
    は、被予測値である任意の出力信号と入力信号の一部に
    対応する予測値である入力信号の残りの一部を求める色
    伝達特性予測方法において、入力信号と出力信号の関係
    を定数項を含む線形関係となるよう行列で結びつけ、複
    数の入力信号の実データから該行列を用いて求めた出力
    予測値とそれに対応する複数の出力実データとの信号成
    分ごとの差分に少なくとも予測値依存の重み付けの係数
    で重み付けした値の2乗和が最小になるように、該行列
    の成分と重み付けの係数と予測値を逐次近似法で決定す
    ることを特徴とする色伝達特性予測方法。
  8. 【請求項8】 前記重み付けの係数は、予測値の入力信
    号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入力
    信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力空
    間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユー
    クリッド距離の単調減少関数であることを特徴とする請
    求項7に記載の色伝達特性予測方法。
  9. 【請求項9】 前記重み付けの係数は、予測値の入力信
    号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入力
    信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力空
    間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユー
    クリッド距離の単調減少関数と、あらかじめ各入力信号
    の実データに対して予測した出力予測値と出力信号の実
    データとの相互関係から計算するデータ精度関数から構
    成されることを特徴とする請求項7に記載の色伝達特性
    予測方法。
  10. 【請求項10】 前記重み付けの係数は、予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入
    力信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力
    空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユ
    ークリッド距離の第1の単調減少関数と、予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を該行
    列の成分を用いて感度を加味した出力空間の成分に変換
    した後に各信号成分ごとの定数で割ることにより規格化
    して求める規格化出力信号空間におけるユークリッド距
    離の第2の単調減少関数から構成されることを特徴とす
    る請求項7に記載の色伝達特性予測方法。
  11. 【請求項11】 前記重み付けの係数は、予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を各入
    力信号成分ごとの定数で割ることにより規格化した入力
    空間差分成分から求める規格化入力信号空間におけるユ
    ークリッド距離の第1の単調減少関数と、予測値の入力
    信号と入力信号の実データとの信号成分ごとの差を該行
    列の成分を用いて感度を加味した出力空間の成分に変換
    した後に各信号成分ごとの定数で割ることにより規格化
    して求める規格化出力信号空間におけるユークリッド距
    離の第2の単調減少関数と、あらかじめ各入力信号の実
    データに対して予測した出力予測値と出力信号の実デー
    タとの相互関係から計算するデータ精度関数から構成さ
    れることを特徴とする請求項7に記載の色伝達特性予測
    方法。
JP33271797A 1997-01-14 1997-12-03 色伝達特性予測方法 Expired - Fee Related JP3767657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33271797A JP3767657B2 (ja) 1997-01-14 1997-12-03 色伝達特性予測方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-4949 1997-01-14
JP494997 1997-01-14
JP33271797A JP3767657B2 (ja) 1997-01-14 1997-12-03 色伝達特性予測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10262157A true JPH10262157A (ja) 1998-09-29
JP3767657B2 JP3767657B2 (ja) 2006-04-19

Family

ID=26338813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33271797A Expired - Fee Related JP3767657B2 (ja) 1997-01-14 1997-12-03 色伝達特性予測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3767657B2 (ja)

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6885382B1 (en) 1999-08-18 2005-04-26 Fuji Xerox Co., Ltd. Image processing device, image processing system, output device, computer readable recording medium and image processing method
US6987567B2 (en) 2002-05-10 2006-01-17 Canon Kabushiki Kaisha Color evaluation apparatus and method
US7012714B2 (en) 2000-04-21 2006-03-14 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing method, and system with coverage restriction
US7199900B2 (en) 2000-08-30 2007-04-03 Fuji Xerox Co., Ltd. Color conversion coefficient preparation apparatus, color conversion coefficient preparation method, storage medium, and color conversion system
JP2007124049A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Fuji Xerox Co Ltd 色変換係数決定装置および方法
US7304767B2 (en) 2001-10-11 2007-12-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing method, storage medium, color processing apparatus, color transforming apparatus, and image forming apparatus
JP2007329544A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Fuji Xerox Co Ltd 色変換装置、方法及びプログラム
US7433102B2 (en) 2002-05-10 2008-10-07 Canon Kabushiki Kaisha Reproduction color prediction apparatus and method
US7486818B2 (en) 2002-11-25 2009-02-03 Fuji Xerox Co., Ltd. Color data accuracy calculating method, color data accuracy calculating apparatus, color processing method, color processing apparatus, color data accuracy calculating program, color processing program, and storage medium
US7522309B2 (en) 2005-03-18 2009-04-21 Fuji Xerox Co. Ltd. Image processing method, image processing apparatus and storage medium storing a program
US7564581B2 (en) 2003-08-11 2009-07-21 Fuji Xerox Co., Ltd. Numerical processing apparatus, color processing apparatus, numerical processing program, color processing program, and storage medium
US7586643B2 (en) 2005-05-20 2009-09-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing device and method for an output device that adjusts the quantity of total ink based on the quantity of black ink in an input signal
JP2009232418A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置、プログラムおよび画像形成装置
JP2009539308A (ja) * 2006-06-02 2009-11-12 トムソン ライセンシング 入力色空間から出力色空間への測色変換の適合化
JP2010153945A (ja) * 2008-12-23 2010-07-08 Fuji Xerox Co Ltd 色補正係数生成装置及び色補正係数生成プログラム
US8013868B2 (en) 2006-01-17 2011-09-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus, color processing method, color gamut setting apparatus, color gamut setting method, recording medium storing color processing program and recording medium storing color gamut setting program
US8194980B2 (en) 2008-10-09 2012-06-05 Fuji Xerox Co., Ltd. Color gamut outline computing device, method, and program storage medium
US8260045B2 (en) 2008-02-18 2012-09-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Color correction coefficient generator, color correction coefficient generation method and computer readable medium
JP2012175448A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置および色処理プログラム
US8358439B2 (en) 2009-02-11 2013-01-22 Fuji Xerox Co., Ltd. Color gamut surface generating apparatus and computer-readable medium
US8379973B2 (en) 2010-01-22 2013-02-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus and computer-readable medium storing color processing program
US8385636B2 (en) 2009-03-23 2013-02-26 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus and computer-readable medium
US8428347B2 (en) 2011-02-10 2013-04-23 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus, color processing method, and non-transitory computer readable medium
US8437541B2 (en) 2010-08-18 2013-05-07 Fuji Xerox Co., Ltd. Color correction coefficient generating apparatus, color correction coefficient generation method, and computer readable medium storing program
JP2013118524A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置および色処理プログラム
US8570591B2 (en) 2009-04-24 2013-10-29 Fuji Xerox Co., Ltd. Color conversion device, color conversion method and computer readable medium calculate a minimum required black amount in regard to colors that are reproduced by an output device that actually outputs
JP2015076705A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 富士ゼロックス株式会社 色処理装置、色調整システムおよびプログラム

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7061505B2 (en) 1999-08-18 2006-06-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Image processing device, image processing system, output device, computer readable recording medium and image processing method
US6885382B1 (en) 1999-08-18 2005-04-26 Fuji Xerox Co., Ltd. Image processing device, image processing system, output device, computer readable recording medium and image processing method
US7012714B2 (en) 2000-04-21 2006-03-14 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing method, and system with coverage restriction
US7199900B2 (en) 2000-08-30 2007-04-03 Fuji Xerox Co., Ltd. Color conversion coefficient preparation apparatus, color conversion coefficient preparation method, storage medium, and color conversion system
US7304767B2 (en) 2001-10-11 2007-12-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing method, storage medium, color processing apparatus, color transforming apparatus, and image forming apparatus
US6987567B2 (en) 2002-05-10 2006-01-17 Canon Kabushiki Kaisha Color evaluation apparatus and method
US7667845B2 (en) 2002-05-10 2010-02-23 Canon Kabushiki Kaisha Color evaluation apparatus and method
US7433102B2 (en) 2002-05-10 2008-10-07 Canon Kabushiki Kaisha Reproduction color prediction apparatus and method
US7486818B2 (en) 2002-11-25 2009-02-03 Fuji Xerox Co., Ltd. Color data accuracy calculating method, color data accuracy calculating apparatus, color processing method, color processing apparatus, color data accuracy calculating program, color processing program, and storage medium
US7564581B2 (en) 2003-08-11 2009-07-21 Fuji Xerox Co., Ltd. Numerical processing apparatus, color processing apparatus, numerical processing program, color processing program, and storage medium
US7522309B2 (en) 2005-03-18 2009-04-21 Fuji Xerox Co. Ltd. Image processing method, image processing apparatus and storage medium storing a program
US7586643B2 (en) 2005-05-20 2009-09-08 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing device and method for an output device that adjusts the quantity of total ink based on the quantity of black ink in an input signal
JP2007124049A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Fuji Xerox Co Ltd 色変換係数決定装置および方法
JP4577185B2 (ja) * 2005-10-25 2010-11-10 富士ゼロックス株式会社 色補正値決定装置および色変換装置ならびに方法およびコンピュータプログラム
US8013868B2 (en) 2006-01-17 2011-09-06 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus, color processing method, color gamut setting apparatus, color gamut setting method, recording medium storing color processing program and recording medium storing color gamut setting program
KR101287481B1 (ko) * 2006-06-02 2013-07-19 톰슨 라이센싱 입력 색 공간으로부터 측색 변환을 출력 색 공간으로 변환하는 방법
JP2009539308A (ja) * 2006-06-02 2009-11-12 トムソン ライセンシング 入力色空間から出力色空間への測色変換の適合化
JP2007329544A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Fuji Xerox Co Ltd 色変換装置、方法及びプログラム
US8260045B2 (en) 2008-02-18 2012-09-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Color correction coefficient generator, color correction coefficient generation method and computer readable medium
JP2009232418A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置、プログラムおよび画像形成装置
US8194980B2 (en) 2008-10-09 2012-06-05 Fuji Xerox Co., Ltd. Color gamut outline computing device, method, and program storage medium
JP2010153945A (ja) * 2008-12-23 2010-07-08 Fuji Xerox Co Ltd 色補正係数生成装置及び色補正係数生成プログラム
US8358439B2 (en) 2009-02-11 2013-01-22 Fuji Xerox Co., Ltd. Color gamut surface generating apparatus and computer-readable medium
US8385636B2 (en) 2009-03-23 2013-02-26 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus and computer-readable medium
US8570591B2 (en) 2009-04-24 2013-10-29 Fuji Xerox Co., Ltd. Color conversion device, color conversion method and computer readable medium calculate a minimum required black amount in regard to colors that are reproduced by an output device that actually outputs
US8379973B2 (en) 2010-01-22 2013-02-19 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus and computer-readable medium storing color processing program
US8437541B2 (en) 2010-08-18 2013-05-07 Fuji Xerox Co., Ltd. Color correction coefficient generating apparatus, color correction coefficient generation method, and computer readable medium storing program
US8428347B2 (en) 2011-02-10 2013-04-23 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus, color processing method, and non-transitory computer readable medium
JP2012175448A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置および色処理プログラム
JP2013118524A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Fuji Xerox Co Ltd 色処理装置および色処理プログラム
US8737734B2 (en) 2011-12-02 2014-05-27 Fuji Xerox Co., Ltd. Color processing apparatus and method, and computer readable medium
JP2015076705A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 富士ゼロックス株式会社 色処理装置、色調整システムおよびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3767657B2 (ja) 2006-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10262157A (ja) 色伝達特性予測方法
US6100999A (en) Method for predicting color transfer characteristics
JP4595734B2 (ja) プロファイル作成方法、プロファイル作成装置、プロファイル作成プログラム、印刷制御方法、印刷制御装置、及び印刷制御プログラム
US5864834A (en) Method and apparatus for estimating a special reflectance distribution or a spectral transmittance distribution using illuminant-independent characteristic parameters
JP4692564B2 (ja) 色処理装置およびプログラム
US7835032B2 (en) Color processing apparatus and method thereof
US5907415A (en) Image processing apparatus with color gamut dependent on color mode
US5831751A (en) Image processing apparatus
EP1231776A1 (en) Color conversion table creating method, color conversion table creating device, and storage medium on which color conversion table creating program is recorded
US5164837A (en) Method of correcting setup parameter decision characteristics and automatic setup apparatus using a neural network
US7830568B2 (en) Color processing apparatus and color processing method
JPH09168095A (ja) 色修正方法およびカラー画像処理装置
JPH05183742A (ja) 色補正パラメータ決定装置
JP3912486B2 (ja) 色処理方法、記憶媒体、色処理装置、色変換装置、および画像形成装置
JP2000261687A (ja) カラーイメージング装置をモデル化する方法、機器、及び記憶媒体
JP3968976B2 (ja) 色伝達特性予測方法
JP3486481B2 (ja) 画像処理装置及び方法
JPH08116460A (ja) カラーマスキングパラメータ決定装置
JP2560972B2 (ja) 自動色再現域変換方法、自動色再現域変換装置および自動色変換装置
US8437541B2 (en) Color correction coefficient generating apparatus, color correction coefficient generation method, and computer readable medium storing program
JP2003153019A (ja) 色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラム
JP3360531B2 (ja) 色再現域判定方法及び装置
JP3505278B2 (ja) 色予測式の決定方法
JP2002247396A (ja) プリンターの色補正方法及びこの装置
JP2005316893A (ja) 画像評価方法、プログラム、画像評価装置、プロファイル作成装置および画像処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051022

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees