JPH10258825A - 炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置および製造方法

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JPH10258825A
JPH10258825A JP6133897A JP6133897A JPH10258825A JP H10258825 A JPH10258825 A JP H10258825A JP 6133897 A JP6133897 A JP 6133897A JP 6133897 A JP6133897 A JP 6133897A JP H10258825 A JPH10258825 A JP H10258825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質炭素膜のコーティング状態が同一のコー
ティングプラスチック容器を量産することが出来る炭素
膜コーティングプラスチック容器の製造装置を提供す
る。 【解決手段】 外部電極内に形成された真空室に容器を
収容し、この外部電極の真空室に収容された容器内に内
部電極を挿入し、真空室を真空にするとともに容器内に
炭素源の原料ガスを供給した後、外部電極に高周波電源
から電力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを
発生させることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形
成する炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置
において、高周波電源Rfに複数の外部電極CR,CC
およびCLが接続され、この外部電極CR,CC,CL
が互いに導線13Rおよび13Lによって接続されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プラスチック製のリ
ターナブル容器を製造する製造装置および製造方法に関
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、プラスチック
製の容器は、成形が容易である点,軽量である点および
低コストである点等の種々の特性から、食品分野や医薬
品分野等の様々な分野において、充填容器として広く使
用されている。
【0003】しかしながら、プラスチックは、よく知ら
れているように、酸素や二酸化炭素等の低分子ガスを透
過させる性質や低分子有機化合物を収着する性質(低分
子有機化合物をプラスチックの組成中に吸収する性質)
を有しているため、このプラスチックによって成形され
た容器は、ガラス等によって成形された他の容器に比べ
て、その使用対象や使用形態が様々な制約を受ける。
【0004】例えば、プラスチック容器は、このプラス
チック容器をビール等の炭酸飲料の充填容器として使用
する場合には、酸素がプラスチックを透過して容器の内
部に浸透するために充填されている炭酸飲料が経時的に
酸化したり、また炭酸ガスがプラスチックを透過して容
器の外部に放出されるために炭酸飲料の気が抜けてしま
ったりするので、炭酸飲料の充填容器としては使用され
ていない。
【0005】また、プラスチック容器は、このプラスチ
ック容器をオレンジジュース等の香気成分を有する飲料
の充填容器として使用する場合には、飲料に含まれる低
分子有機化合物である香気成分(例えばオレンジジュー
スのリモネン等)がプラスチックに収着されるため、飲
料の香気成分の組成のバランスが崩れてその飲料の品質
が劣化してしまうので、香気成分を有する飲料の充填容
器としては使用されていない。
【0006】また、プラスチック容器は、そのプラスチ
ック組成中に含まれている可塑剤や残留モノマ、その他
の添加剤等の低分子化合物が充填されている物質(特に
液体)中に溶け出してその物質の純度を損なう虞が有る
ため、特に純度が要求されるような物質の充填容器とし
ては使用されていない。
【0007】一方、近年になって特に資源のリサイクル
化が叫ばれるようになり、使用済み容器の回収が問題に
なっているが、プラスチック容器をリターナブル容器と
して使用する場合には、ガラス容器等と異なり、回収の
際にプラスチック容器が環境中に放置されるとその間に
カビ臭など種々の低分子有機化合物がプラスチックに収
着されてしまうことになる。そして、このプラスチック
に収着された低分子有機化合物は、容器の洗浄後もプラ
スチックの組成内に残存するので、非衛生的であり、し
かもこのプラスチック容器に内容物が再充填された際
に、充填された内容物中に異成分として徐々に溶け出し
て内容物の品質低下を招く虞がある。このため、従来に
おいては、プラスチック容器をリターナブル容器として
使用する例は限られていた。
【0008】しかしながら、プラスチック容器は、前述
したように、成形の容易性,軽量性および低コスト性等
の特性を有しているので、このプラスチック容器を、炭
酸飲料や香味成分を有する飲料等の充填容器として、ま
た純度が要求される物質の充填容器として、さらにはリ
ターナブル容器として使用できれば、非常に便利であ
る。
【0009】本願発明の出願人は、このようなプラスチ
ック容器の利便性に着目して、先に行った特許出願(特
開平8−53117号)において、プラスチック容器を
リターナブル容器として使用するための提案を行ってい
る。
【0010】この本願発明の出願人による先の特許出願
にかかる発明は、プラスチック容器のガスバリヤ性を向
上させかつプラスチック容器への低分子有機化合物の収
着を遮断するために、プラスチック容器の内壁面にDL
C(Diamond Like Carbon )膜を形成する装置に関する
ものである。
【0011】ここで、DLC膜とは、iカーボン膜また
は水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H)とも呼
ばれる硬質炭素膜のことで、SP3結合を主体にしたア
モルファスな炭素膜であり、非常に硬くて絶縁性に優れ
ているとともに高い屈折率を有している。
【0012】この先の特許出願にかかる炭素膜コーティ
ングプラスチック容器の製造装置は、このDLCの薄膜
をプラスチック容器の内壁面に形成して、プラスチック
からのガスの透過とプラスチックへの低分子有機化合物
の収着を遮断することによって、リターナブル容器とし
て使用可能なプラスチック容器を製造するものである。
【0013】すなわち、図12に示されるように、この
炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置は、基
台1上に取り付けられたセラミック製の絶縁板2と、こ
の絶縁板2上に取り付けられた外部電極3と、この外部
電極3に形成されたチャンバ3a内に挿入される内部電
極4とを備えている。
【0014】この製造装置の外部電極3は、その内側に
形成されたチャンバ3aがプラズマ放電を行うための真
空室を構成するようになっており、本体部3A内にプラ
スチック容器Bが挿入され蓋体3Bによってチャンバ内
が密閉された後、排気管5から図示しない真空ポンプに
よって空気が排出されてチャンバ3a内が真空にされ
る。
【0015】そして、この外部電極3の真空のチャンバ
3a内に、原料ガス供給管6から供給される原料ガスが
内部電極4の吹出し孔4Aから吹き出されて均一に拡散
された後、外部電極3にマッチングボックス(整合器)
Mを介して高周波電源Rfから電力が投入され、アース
された内部電極4との間にプラズマが発生されることに
より、プラスチック容器Bの内壁面にDLC膜が形成さ
れる。
【0016】上記炭素膜コーティングプラスチック容器
の製造装置は、外部電極3のチャンバ3aがプラスチッ
ク容器Bの外形に沿ってほぼ相似形に形成されかつ内部
電極4の外形がプラスチック容器Bの内壁面に沿ってほ
ぼ相似形に形成されていて互いの間隔がほぼ均一に保た
れるようになっており、さらに、原料ガスがプラスチッ
ク容器Bの内側に噴き出されるようになっていることに
より、プラスチック容器Bの内壁面のみにDLC膜を形
成することができることを特徴としているものである。
【0017】そしてさらに、この炭素膜コーティングプ
ラスチック容器の製造装置は、外部電極3内のチャンバ
3aが真空室を構成するようになっているので、このチ
ャンバ3aを真空にするための排気時間を大幅に短縮す
ることができ、これによってプラスチック製のリターナ
ブル容器の量産が可能になるという特徴を有するもので
ある。
【0018】なお、DLC膜の形成をプラスチック容器
Bの内壁面のみに限定して行うのは、プラスチック容器
の外面にDLC膜が形成されていると、このプラスチッ
ク容器がリターナブル容器として使用された場合に、工
場内の製造工程においてまたは販売ルートにおいてプラ
スチック容器同士がぶつかったり擦れ合ったりするた
め、薄くて硬いDLC膜自体が損傷してプラスチック容
器Bの商品価値を損なう虞があるためである。
【0019】ここで、DLC膜コーティングプラスチッ
ク容器が市場においてリターナブル容器として使用され
るためには、このDLC膜コーティングプラスチック容
器が量産されて市場に大量に出回ることが必要であり、
さらに、量産された各DLC膜コーティングプラスチッ
ク容器について、DLC膜のコーティング状態が同一で
あるとともに、製造原価が安いことが要求される。
【0020】このような要請に基づいて、本発明の発明
者は、DLC膜コーティングプラスチック容器の量産を
行うために、図13に示されるように、複数個のチャン
バ(図では三個のチャンバCR,CC,CL)を並べて
各製造装置に一個の高周波電源Rfをマッチングボック
スMを介して接続し、この高周波電源Rfから各チャン
バに電力を投入して、同時に複数個のDLC膜コーティ
ングプラスチック容器を製造する実験を行った。
【0021】しかしながら、図13のようにチャンバの
数を増やしてDLC膜コーティングプラスチック容器を
量産しようとした場合に、各チャンバCR,CC,CL
においてプラスチック容器に形成されるDLC膜を互い
に同一の状態にするためには、コーティング条件を各チ
ャンバについて全く同一に保つことが必要であるが、実
際に実験を行ってみると、投入された電力が各チャンバ
に均一に投入されず、このため、プラスチック容器に形
成されたDLC膜にばらつきが生じてしまった。
【0022】この実験の結果から、チャンバの数を増や
してDLC膜コーティングプラスチック容器を量産する
場合に、コーティング条件を各チャンバについて全く同
一に保つことは技術的に非常に難しく、各チャンバにお
けるDLC膜のコーティング条件を如何に同一に保つか
が、DLC膜コーティングプラスチック容器の量産化に
おける最大の課題であることが判明した。
【0023】また、DLC膜コーティングプラスチック
容器の製造コストを下げるためには、製造効率を上げる
ために一回の行程におけるコーティング処理時間を短く
することが課題になる。
【0024】本願発明は、上記のような硬質炭素膜コー
ティングプラスチック容器の量産化における課題を解決
するためになされたものである。
【0025】すなわち、本願発明は、硬質炭素膜のコー
ティング状態が同一のコーティングプラスチック容器を
量産することが出来る炭素膜コーティングプラスチック
容器の製造装置および製造方法を提供することを第1の
目的とする。
【0026】さらに、本願発明は、一回の行程における
コーティング処理時間を短くして製造効率を上げること
が出来る炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装
置および製造方法を提供することを第2の目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】第1の発明による炭素膜
コーティングプラスチック容器の製造装置は、上記第1
の目的を達成するために、外部電極内に形成された真空
室に容器を収容し、この外部電極の真空室に収容された
容器内に内部電極を挿入し、真空室を真空にして容器内
に炭素源の原料ガスを供給するとともに、外部電極に高
周波電源から電力を投入して外部電極と内部電極間にプ
ラズマを発生させることにより、容器の内壁面に硬質炭
素膜を形成する炭素膜コーティングプラスチック容器の
製造装置において、前記高周波電源に複数の外部電極が
接続されているとともに、この複数の外部電極が互いに
導線によって接続されていることを特徴としている。
【0028】また、第9の発明による炭素膜コーティン
グプラスチック容器の製造方法は、前記第1の目的を達
成するために、外部電極内に形成された真空室に容器を
収容し、この外部電極の真空室に収容された容器内に内
部電極を挿入し、真空室を真空にするとともに容器内に
炭素源の原料ガスを供給した後、外部電極に高周波電源
から電力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを
発生させることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形
成する炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法
において、前記高周波電源に複数の外部電極を接続する
とともに、この複数の外部電極を互いに導線によって接
続することを特徴としている。
【0029】上記第1の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置および第9の発明による炭
素膜コーティングプラスチック容器の製造方法は、各外
部電極の真空室内にプラスチック容器がそれぞれ収容さ
れ、この真空室が真空にされた後、各プラスチック容器
の内部に原料ガスが供給されるとともに、高周波電源か
ら各外部電極に電力が投入されることにより、各真空室
内において内部電極との間にプラズマが発生されて、プ
ラスチック容器の内壁面に硬質炭素膜を形成する。
【0030】このとき、複数の外部電極がそれぞれ導線
によって短絡されていることにより、高周波電源から投
入される電力が各外部電極にほぼ均等に配分され、これ
によって、各外部電極の真空室における真空条件および
原料ガスの供給量等の他のコーティング条件が同一にさ
れることにより、コーティング状態がほぼ同一の硬質炭
素膜コーティングプラスチック容器を同時に複数個製造
する。
【0031】このように、上記第1の発明による炭素膜
コーティングプラスチック容器の製造装置および第9の
発明による炭素膜コーティングプラスチック容器の製造
方法によれば、単に複数の外部電極を高周波電源にそれ
ぞれ接続しただけでは、各外部電極と高周波電源とを接
続する導線のそれぞれの接続部における接続抵抗値や曲
線抵抗値の違い等によって各外部電極に高周波電源から
の電力が均等に配分されないため、プラスチック容器に
形成される硬質炭素膜の膜厚にばらつきが生じるが、複
数の外部電極を導線によって互いに短絡する回路構成に
することにより、高周波電源から投入される電力が各外
部電極に均等に配分されて、コーティング状態がほぼ同
一の硬質炭素膜コーティングプラスチック容器を同時に
複数個製造することが可能になる。
【0032】第2の発明による炭素膜コーティングプラ
スチック容器の製造装置は、前記第1の目的を達成する
ために、第1の発明の構成に加えて、前記外部電極が複
数の部分に分割されてこの分割された複数の部分が絶縁
部材によって互いに絶縁された状態で組み付けられるこ
とにより真空室が形成され、前記高周波電源に複数個の
外部電極の分割された部分がそれぞれ接続されていると
ともに、この複数個の外部電極の互いに対応する分割さ
れた部分同士が導線によって接続されていることを特徴
としている。
【0033】この第2の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置は、コーティングを行うプ
ラスチック容器の形状等による制約から真空室内におい
てその中に収容されるプラスチック容器の各部分に対応
する外部電極と内部電極の間の間隔が異なる場合に、外
部電極の各部に同じ大きさの電力を投入したのではプラ
スチック容器の各部に形成される硬質炭素膜の厚さが異
なってくるので、外部電極が分割されてそれぞれの部分
に内部電極との間隔に対応する電力がそれぞれ別々に調
節されて投入されることにより、プラスチック容器の全
面に亘って均一な硬質炭素膜を形成する。そして、この
複数の部分に分割された外部電極が高周波電源に複数個
接続される際に、この複数個の外部電極の互いに対応す
る分割された部分同士が導線によって短絡されているこ
とにより、各外部電極の互いに対応する分割部分に高周
波電源からの電力が均等に配分されて、全面に亘って均
一な硬質炭素膜を形成するとともにコーティング状態が
ほぼ同一の硬質炭素膜コーティングプラスチック容器を
同時に複数個製造することを可能にする。
【0034】第3の発明による炭素膜コーティングプラ
スチック容器の製造装置は、前記第1の目的を達成する
ために、第1の発明または第2の発明の構成に加えて、
前記複数個の外部電極が円弧状に配置されて、各外部電
極が円弧の中心から直線状に延びる導線によって高周波
電源に接続されているとともに、隣り合う外部電極が導
線によって互いに接続されていることを特徴としてい
る。
【0035】この第3の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置は、第1の発明または第2
の発明における複数の外部電極が、導線によって互いに
短絡されているとともに、円弧状に配置されていて高周
波電源との接続が円弧の中心から直線状に延びる導線に
よって行われるので、高周波電源から各外部電極に至る
導線の長さを互いに等しくすることができるとともに各
導線が直線に延びて曲線抵抗が発生しないので、これに
よって、高周波電源から各外部電極に電力がより均等に
配分されて、より同一なコーティング状態の硬質炭素膜
コーティングプラスチック容器を同時に複数個製造する
ことを可能にする。
【0036】第4の発明による炭素膜コーティングプラ
スチック容器の製造装置は、前記第1の目的を達成する
ために、第1の発明または第2の発明の構成に加えて、
前記複数個の外部電極がサークル状に配置されて、各外
部電極がサークルの中心から延びる直線状の導線によっ
て高周波電源に接続されているとともに、隣り合う外部
電極が導線によって互いに接続されていることを特徴と
している。
【0037】また、第10の発明による炭素膜コーティ
ングプラスチック容器の製造方法は、前記第1の目的を
達成するために、第9の発明の構成に加えて、前記複数
個の外部電極をサークル状に配置して、各外部電極をサ
ークルの中心から延びる直線状の導線によって高周波電
源に接続するとともに、隣り合う外部電極を導線によっ
て互いに接続することを特徴としている。
【0038】上記第4の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置および第10の発明による
炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法は、第
1の発明または第2の発明における複数の外部電極がサ
ークル状に配置されていて高周波電源との接続がこのサ
ークルの中心から直線状に延びる導線によって行われる
ので、高周波電源から各外部電極に至る導線の長さを全
て等しくすることができるとともに各導線に曲線抵抗を
生じさせることがない。そして、このサークル状に配置
された外部電極のそれぞれ隣り合うもの同士が導線によ
って短絡されることにより、各外部電極における短絡の
状態が同じになって、これにより、各外部電極における
コーティング条件を互いに全く同一にすることが可能に
なり、より同一なコーティング状態の硬質炭素膜コーテ
ィングプラスチック容器を同時に量産することを可能に
する。
【0039】第5の発明による炭素膜コーティングプラ
スチック容器の製造装置は、前記第2の目的を達成する
ために、外部電極内に形成された真空室に容器を収容
し、この外部電極の真空室に収容された容器内に内部電
極を挿入し、真空室を真空にして容器内に炭素源の原料
ガスを供給するとともに、外部電極に高周波電源から電
力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを発生さ
せることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形成する
炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置におい
て、前記真空室にバルブを介して接続されるリザーブタ
ンクと、真空室にそれぞれバルブを介して接続される複
数の真空ポンプとを備え、各バルブが順次開閉されるこ
とによりリザーブタンクと複数の真空ポンプによって真
空室の排気が段階的に行われることを特徴としている。
【0040】また、第11の発明による炭素膜コーティ
ングプラスチック容器の製造方法は、前記第2の目的を
達成するために、外部電極内に形成された真空室に容器
を収容し、この外部電極の真空室に収容された容器内に
内部電極を挿入し、真空室を真空にして容器内に炭素源
の原料ガスを供給するとともに、外部電極に高周波電源
から電力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを
発生させることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形
成する炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法
において、前記真空室にリザーブタンクをバルブを介し
て接続するとともに、複数の真空ポンプをそれぞれバル
ブを介して接続して、各バルブを順次開閉することによ
りリザーブタンクと複数の真空ポンプによって真空室の
排気を段階的に行うことを特徴としている。
【0041】上記第5の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置および第11の発明による
炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法は、各
外部電極の真空室内にプラスチック容器がそれぞれ収容
され、この真空室が真空にされた後、各プラスチック容
器の内部に原料ガスが供給されるとともに、高周波電源
から各外部電極に電力が投入されることにより、各真空
室内において内部電極との間にプラズマが発生されて、
プラスチック容器の内壁面に硬質炭素膜を形成する。
【0042】そして、外部電極の真空室にプラスチック
容器が収容されると、予め内部が所定の真空度に維持さ
れたリザーブタンクのバルブが開けられて、このリザー
ブタンクによって真空室内の空気を吸引して、その圧力
を一気に低下させる。さらに、この後、能力の異なる複
数の真空ポンプがそれぞれが適応する圧力領域において
順次作動されることにより、プラズマ放電に必要な真空
度を得る。
【0043】この第5の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置および第11の発明による
炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法によれ
ば、予め所定の真空度に維持されたリザーブタンクによ
って一気に外部電極の真空室内の排気が行われるととも
に、その後、特性の異なる複数の真空ポンプが順次作動
されて、各真空ポンプの特性に合った圧力領域でそれぞ
れの能力が最大限に発揮されることにより、高い真空度
を短い時間で得ることができ、これによって、硬質炭素
膜コーティングプラスチック容器の製造効率を上げるこ
とができる。また、各真空ポンプの負荷が軽減される構
成なので、連続運転が可能になる。
【0044】第6の発明による炭素膜コーティングプラ
スチック容器の製造装置は、前記第2の目的を達成する
ために、第5の発明の構成に加えて、前記複数の真空ポ
ンプのうちの少なくとも一つがメカニカルブースタポン
プとロータリポンプにより構成されていることを特徴と
している。
【0045】この第6の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置は、ロータリポンプによっ
て真空室内の圧力がある程度低下されると、このロータ
リポンプの作動効率が低下する低圧力領域においてメカ
ニカルブースタポンプが補助的に作動されることによ
り、所要の圧力まで短時間で排気を行う。
【0046】第7の発明による炭素膜コーティングプラ
スチック容器の製造装置は、前記第2の目的を達成する
ために、第5の発明の構成に加えて、前記複数の真空ポ
ンプのうちの少なくとも一つがクライオポンプであるこ
とを特徴としている。
【0047】この第7の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置は、クライオポンプによっ
て真空室内のあらゆる気体分子を凝固吸着することによ
り、低圧力領域において高速で真空室内の排気を行うこ
とができる。
【0048】第8の発明による炭素膜コーティングプラ
スチック容器の製造装置は、前記第2の目的を達成する
ために、第5の発明の構成に加えて、複数の前記外部電
極が複数組に組分けされていて、各組ごとに設置された
リザーブタンクおよび複数の真空ポンプと、各組共用の
リザーブタンクとを備えていることを特徴としている。
【0049】また、第13の発明による炭素膜コーティ
ングプラスチック容器の製造方法は、前記第2の目的を
達成するために、第11の発明の構成に加えて、複数の
前記外部電極を複数組に組分けし、各組ごとに外部電極
の真空室にリザーブタンクと複数の真空ポンプを接続す
るとともに、各組共用のリザーブタンクを各組の外部電
極の真空室に接続して、この共用のリザーブタンクと各
組ごとに接続されたリザーブタンクとによって吸引によ
る真空室の排気を段階的に行うことを特徴としている。
【0050】上記第8の発明による炭素膜コーティング
プラスチック容器の製造装置および第13の発明による
炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法は、炭
素膜コーティングプラスチック容器を大量生産するため
に外部電極の数を増やして一回の行程における生産個数
を増やす際に、外部電極の個数の増加によって真空室の
排気時間が長くなるのを防止するために、外部電極の各
組ごとに用意されたリザーブタンクとともに各組の外部
電極が共用するリザーブタンクが一個または複数個用意
されていて、この共用のリザーブタンクと外部電極の各
組ごとに用意されたリザーブタンクとによって吸引によ
る真空室の排気を段階的に行う。そして、例えば大容量
のリザーブタンクを共用のリザーブタンクとして使用す
ることにより、硬質炭素膜コーティングプラスチック容
器を量産する場合に、排気時間がさらに短縮化すること
が出来る。
【0051】第12の発明による炭素膜コーティングプ
ラスチック容器の製造方法は、前記第2の目的を達成す
るために、前記真空室に、第1バルブを介してリザーブ
タンクを接続し、第2バルブを介してロータリポンプを
有する真空ポンプを接続し、第3バルブを介してクライ
オポンプを接続して、第1バルブを開いてリザーブタン
クにより真空室の排気を行った後、第2バルブを開いて
真空ポンプにより真空室の排気を行い、その後、第3バ
ルブを開いてクライオポンプにより真空室の排気を行っ
て、真空室内の圧力を所要の圧力まで低下させることを
特徴としている。
【0052】上記第12の発明による炭素膜コーティン
グプラスチック容器の製造方法は、外部電極の真空室に
接続されたリザーブタンク,ロータリポンプを有する真
空ポンプおよびクライオポンプが、それぞれ第1ないし
第3バルブがマイクロコンピュータ等の制御によって順
次開閉されることによって、段階的に真空室内の排気を
行ってゆく。すなわち、第1バルブが開かれて予め所定
の真空度に維持されたリザーブタンクにより真空室の圧
力を一気に低下させた後、第2バルブが開かれて真空ポ
ンプにより真空室の圧力をさらに低下させ、その後、第
3バルブが開かれてクライオポンプにより真空室の気体
分子を凝固吸着することにより、所要の高い真空度を得
る。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好適と思わ
れる実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0054】図1は、この発明による炭素膜コーティン
グプラスチック容器の製造装置の実施形態の一例を示し
ている。
【0055】この図1において、複数個のチャンバ(図
示の例では、三個のチャンバCR,CC,CL)が、図
13の場合と同様に並列に並べられており、この各チャ
ンバを構成する外部電極10R,10Cおよび10L
に、高周波電源Rfが、マッチングボックスMを介して
導線11R,11Cおよび11Lによりそれぞれ接続さ
れている。
【0056】この導線11R,11C,11Lの各外部
電極10R,10C,10Lへの接続は、各外部電極1
0R,10C,10Lの外周面に巻回された銅板12
R,12Cおよび12Lにそれぞれ外部電極10R,1
0C,10Lの先端部が連結されることによって行われ
る。
【0057】そして、外部電極10Rと10Cは、それ
ぞれの銅板12Rと12Cが導線13Rによって短絡さ
れることにより互いに接続されており、さらに外部電極
10Cと10Lが、それぞれの銅板12Cと12Lが導
線13Lによって短絡されることにより互いに接続され
ている。
【0058】この図1の装置は、各チャンバCR,C
C,CL内にプラスチック容器Bがそれぞれ収容され、
このチャンバCR,CC,CL内が空気の排気によって
真空にされた後、各プラスチック容器Bの内部に原料ガ
スが供給される。そして、この後、高周波電源Rfから
マッチングボックスMを介して各外部電極10R,10
C,10Lに電力が投入され、各チャンバCR,CC,
CL内において内部電極との間に発生するプラズマによ
り、図12の装置の場合と同様に、プラスチック容器B
の内壁面にDLC膜が形成される。
【0059】このとき、外部電極10Rと10Cおよび
外部電極10Cと10Lがそれぞれ導線13Rおよび1
3Lによって短絡されていることにより、高周波電源R
fから投入される電力が各外部電極10R,10C,1
0Lにほぼ均等に配分される。 これによって、各チャ
ンバCR,CC,CLにおける真空条件および原料ガス
の供給量等の他のコーティング条件を同一にすることに
より、コーティング状態がほぼ同一のDLC膜コーティ
ングプラスチック容器が同時に製造される。
【0060】このように、各外部電極10R,10C,
10Lが導線13Rおよび13Lによって短絡されてい
るのは、前述したように各外部電極10R,10C,1
0L間を短絡しない場合には、各外部電極10R,10
C,10Lに高周波電源Rfからの電力が均等に配分さ
れず、中央の外部電極10Cに投入される電力が大きく
なる傾向になり、プラスチック容器Bに形成されるDL
C膜の膜厚にばらつきが生じるためである。
【0061】このような各チャンバCR,CC,CL間
における投入電力のばらつきは、考察の結果、高周波電
源Rfから各外部電極10R,10C,10Lに至る導
線11R,11C,11Lの抵抗値の差異によるもので
あることが判明した。
【0062】そこで、各導線11R,11C,11Lの
長さを等しくして実験を行ったが、各導線11R,11
C,11Lの各銅板12R,12C,12L等との接続
部における接続抵抗値の違いや、導線11R,11C,
11Lが湾曲することによる曲線抵抗値の違い等によっ
て、各導線11R,11C,11Lの接続状態をそれぞ
れ全く同じにするのは困難であり、各チャンバCR,C
C,CLに電力を均等に投入することは出来なかった。
【0063】このような実験の結果から、試行錯誤によ
り、高周波電源Rfから投入される電力を各チャンバC
R,CC,CLに均等に配分するには、チャンバCR,
CC,CLを導線13R,13Lによって互いに短絡す
ることが最善の方法であることを解明し、図1に示され
るような回路構成にすることにより、コーティング状態
がほぼ同一のDLC膜コーティングプラスチック容器を
同時に製造することを可能にした。
【0064】なお、図1には、チャンバの数が三個の場
合の例が示されているが、チャンバの数がさらに多い場
合であっても、各チャンバを銅線などの抵抗値の小さい
導線によって互いに短絡することによって、投入電力を
均等に配分することができ、コーティング状態がほぼ同
一のDLC膜コーティングプラスチック容器を同時に多
数製造することが出来るようになる。
【0065】図2は、この発明の実施態様の他の例を示
している。
【0066】この例における各チャンバCR’,C
C’,CL’は、図から分かるように、各外部電極10
R’,10C’,10L’が、その軸線と直交する平面
によってそれぞれ上部部分10Ra,10Ca,10L
aと下部部分10Rb,10Cb,10Lbの二つの部
分に分割されており、この各上部部分10Ra,10C
a,10Laと下部部分10Rb,10Cb,10Lb
の間がそれぞれ絶縁板10Rc,10Cc,10Lcに
よって絶縁されている。
【0067】そして、各外部電極10R’,10C’,
10L’の上部部分10Ra,10Ca,10Laに
は、それぞれ導線11Ra,11Ca,11Laによっ
て高周波電源RfおよびマッチングボックスMが切換え
スイッチSを介して接続されており、また、下部部分1
0Rb,10Cb,10Lbには、それぞれ導線11R
b,11Cb,11Lbによって高周波電源Rfおよび
マッチングボックスMが切換えスイッチSを介して接続
されていて、切換えスイッチSの切り換えによって各チ
ャンバの上部部分と下部部分に別々に電力が投入される
ようになっている。
【0068】このように、各外部電極10R’,10
C’,10L’が上部部分10Ra,10Ca,10L
aと下部部分10Rb,10Cb,10Lbの上下に分
割されているのは、コーティングを行うプラスチック容
器Bの形状等による制約から、プラスチック容器Bの口
部から肩部間の部分における外部電極と内部電極の間の
間隔がプラスチック容器Bの胴部の部分における両電極
間の間隔よりも狭くなるような場合に、外部電極の上下
に同じ大きさの電力を投入したのではプラスチック容器
Bの口部および肩部の部分と胴部の部分において形成さ
れるDLC膜の厚さが異なってくるので、プラスチック
容器Bの前面に亘って均一なDLC膜を形成するため
に、各外部電極10R’,10C’,10L’の上部部
分10Ra,10Ca,10Laと下部部分10Rb,
10Cb,10Lbに電力をそれぞれ別々に調節して投
入出来るようにするためである。
【0069】そして、図1の装置の場合と同様の態様に
より、各外部電極10R’の上部部分10Raと外部電
極10C’の上部部分10Caが導線13Raによっ
て、また外部電極10C’の上部部分10Caと外部電
極10L’の上部部分10Laが導線13Laによって
それぞれ短絡されており、さらに、各外部電極10R’
の下部部分10Rbと外部電極10C’の下部部分10
Cbが導線13Rbによって、また外部電極10C’の
下部部分10Cbと外部電極10L’の下部部分10L
bが導線13Lbによってそれぞれ短絡されている。
【0070】これによって、高周波電源Rfからマッチ
ングボックスMおよび切換えスイッチSを介して各外部
電極10R’,10C’,10L’の上部部分10R
a,10Ca,10Laに電力が投入された際に、電力
が各外部電力の上部部分にほぼ均等に配分されて、各外
部電極に収容されたプラスチック容器Bの口部および肩
部にそれぞれほぼ同一のコーティング状態のDLC膜を
形成することができ、さらに、切換えスイッチSの切換
えによって各外部電極10R’,10C’,10L’の
下部部分10Rb,10Cb,10Lbに電力が投入さ
れた際に、電力が各外部電力の下部部分にほぼ均等に配
分されて、各外部電極に収容されたプラスチック容器B
の胴部にそれぞれほぼ同一のコーティング状態のDLC
膜を形成することができる。
【0071】そして、各外部電極10R’,10C’,
10L’の上部部分10Ra,10Ca,10Laと下
部部分10Rb,10Cb,10Lbに投入される電力
の大きさまたは投入時間を調節することによって、各プ
ラスチック容器Bについてその全面に亘って均等にDL
C膜を形成することが出来る。
【0072】ここで、図1および2の装置においては、
各チャンバCR,CC,CL(CR’,CC’,C
L’)間が導線13Rおよび13L(13Ra,13R
bおよび13La,13Lb)によって短絡されている
ことによって、各チャンバCR,CC,CL(CR’,
CC’,CL’)におけるDLC膜のコーティング条件
を同一と見なすことが出来る程度に十分に近づけること
ができるが、各チャンバCR,CC,CL(CR’,C
C’,CL’)を図示のように直線状に配置した場合に
は、中央のチャンバCC(CC’)がその両側に配置さ
れたチャンバCR,CL(CR’,CL’)よりも電源
部(高周波電源RfおよびマッチングボックスM)に対
して近くに配置されることになり、マッチングボックス
Mと各チャンバCR,CC,CL(CR’,CC’,C
L’)とを同じ長さの導線で接続したとしても、電源部
との距離が短い中央のチャンバCC(CC’)に配分さ
れる電力が大きくなってしまう傾向にあり、このため、
各チャンバCR,CC,CL(CR’,CC’,C
L’)におけるコーティング条件を完全には同一にする
ことは難しい。
【0073】そこで、図3に示される装置は、チャンバ
CR,CC,CL(CR’,CC’,CL’)が電源部
(高周波電源RfおよびマッチングボックスM)の周り
に円弧状に配置されて、各チャンバが電源部に対して等
距離に位置されている{従って、高周波電源Rfと各チ
ャンバを接続する導線11R(11Ra,11Rb),
11C’(11Ca’,11Cb’),11L(11L
a,11Lb)もその長さが等しくなっている}。これ
によって、図1および2の装置の場合よりもさらに各チ
ャンバにおけるコーティング条件を互いに近づけること
ができる。
【0074】図4ないし7に示される装置は、図3の装
置をさらに改良するために、プラスチック容器Bにコー
ティングを行う複数個(図示の例では25個)のチャン
バCが、円周に沿って等角度間隔位置に配列されてい
る。
【0075】この図4ないし7において、各チャンバC
は、外部電極10の本体部10Aがそれぞれ後述する真
空装置のドーナツ型に成形された真空ダクトDに垂下さ
れた状態で取り付けられていて、図7に特に示されるよ
うに、サークルを形成するように配列されている。
【0076】この真空ダクトDに取り付けられた外部電
極10の下方には、図示しない昇降装置によって鉛直向
きに昇降されるようになっている昇降テーブルTが配置
されており、この昇降テーブルT上に外部電極10の蓋
部10Bが、外部電極10のそれぞれの本体部10Aに
対向する位置に配設されている。
【0077】高周波電源Rfおよびマッチングボックス
Mは、上記のように円周に沿って配置されたチャンバC
の中心部に位置するように配置されており、この高周波
電源Rfが各チャンバCの外部電極10の本体部10A
に、マッチングボックスMを介して、それぞれ各チャン
バCの中心位置から外方に放射状に延びる導線11によ
って接続されている。
【0078】そして、各チャンバCは、隣接する外部電
極10の本体部10A同士が、導線13によって互いに
短絡されている。
【0079】真空ダクトDの中央部には、図4ないし6
から分かるように、リザーブタンクRTが配置され、こ
のリザーブタンクRTの周囲に等角度間隔に配置された
四個のバルブV1を介して真空ダクトDに接続されてい
る。そして、このリザーブタンクRTには真空ポンプP
Aが接続されていて、この真空ポンプPAの作動により
リザーブタンクRT内の排気が行われるようになってい
る。
【0080】真空ダクトDには、さらに、真空ポンプP
BがバルブV2を介して、またクライオポンプPCがバ
ルブV3を介してそれぞれ接続されており、後述するよ
うに、各ポンプが順次作動されることによって、真空ダ
クトDを介して各チャンバC内の排気が段階的に行われ
るようになっている。
【0081】この真空装置の構成および作動について
は、後で詳述する。
【0082】この図4ないし7の装置は、図4に示され
るように、下降位置にある昇降テーブルT上の各蓋部1
0Bにコーティングを行うプラスチック容器Bがそれぞ
れ直立した状態で載置され、この後、昇降テーブルTが
上昇されることによって、プラスチック容器Bが外部電
極10の各蓋部10Bに対応する本体部10A内に収容
される。
【0083】そして、バルブV1ないし3が順次開閉さ
れてリザーブタンクRT,真空ポンプPBおよびクライ
オポンプPCの作動によって、真空ダクトDを介して各
チャンバC内が真空にされた後、マスフローコントロー
ラMCを介して原料ガス供給装置RMから炭素源ガスが
チャンバCに収容されたプラスチック容器Bの内部に供
給される。
【0084】これとともに、マッチングボックスMを介
して高周波電源Rfから各チャンバCの外部電極10に
電力が投入され、これによって、各外部電極10と外部
電極10内に配置された内部電極との間にプラズマが発
生されることにより、プラスチック容器Bの内壁面にD
LC膜が形成される(このプラズマによるDLC膜の形
成過程は、図12の装置の場合と同様である)。
【0085】このとき、各チャンバCが高周波電源Rf
に対して等距離に配置されて各導線11が同じ長さにな
っているとともに、図1ないし3の装置では両側のチャ
ンバCRとCL(CR’とCL’)が中央のチャンバC
Cにのみ接続され中央のチャンバCC(CC’)は両側
の二つのチャンバCRとCL(CR’とCL’)に短絡
されているのに対し、各チャンバCが隣接する両側のチ
ャンバCとそれぞれ同一条件で互いに連鎖状に短絡され
ていることにより、各チャンバCにおけるDLC膜のコ
ーティング条件をより完全に同一になるように設定する
ことができ、これによって、各チャンバCにおいてコー
ティングされるプラスチック容器のDLC膜が互いによ
り均一になる。
【0086】図8は、上記第1ないし7の各装置に接続
される真空装置の構成を概略的に示す配管図である。
【0087】この図8において、チャンバCに接続され
た吸気管Lに、バルブV1を介してリザーブタンクRT
が接続され、バルブV2を介して真空ポンプPBが接続
され、さらにバルブV3を介してクライオポンプCPが
それぞれ接続されている。そして、リザーブタンクRT
には真空ポンプPAが接続されている。
【0088】真空ポンプPAは、メカニカルブースタポ
ンプMBAとロータリポンプRPAから構成されてお
り、真空ポンプPBも同様に、メカニカルブースタポン
プMBBとロータリポンプRPBから構成されている。
このメカニカルブースタポンプMBA,MBBは、それ
ぞれロータリポンプRPA,RPBを補助するポンプで
ある。
【0089】各チャンバCには、バルブV4を介して原
料ガス供給装置RMおよびマスフローコントローラMC
が接続され、さらに高周波電源Rfおよびマッチングボ
ックスMが接続されている。なお、図8中、バルブV5
は、吸気管Lに接続されてチャンバC内をリークするリ
ーク弁である。
【0090】なお、この図8の真空装置を図4ないし7
の装置に接続する場合、図4ないし7の装置の真空ダク
トDが図8の真空装置の吸気管Lに対応する。
【0091】図9は、上記真空装置の作動サイクルとこ
の真空装置の作動に対応するチャンバC内の圧力変化を
示す作動図である。
【0092】以下、図8の真空装置の作動を図9に基づ
いて説明する。
【0093】なお、以下において、各バルブの開閉制御
およびポンプの作動制御は、シーケンサやマイクロコン
ピュータ等の制御装置によって行われる。
【0094】リザーブタンクRTは、真空装置によるチ
ャンバC内の排気開始前に、真空ポンプPAの作動によ
って排気されて、内部の真空度が所定の値に維持されて
いる。
【0095】そして、前述したように、各チャンバC内
にプラスチック容器Bが収容されてこのチャンバCが密
閉されると、バルブV1が開かれてチャンバC内の空気
がリザーブタンクRT内に吸引されて、チャンバC内の
圧力が一気に低下される(グラフa)。
【0096】このリザーブタンクRTによる吸引によっ
て各チャンバC内の圧力が所要の圧力まで低下すると、
バルブV1が閉じられた後、バルブV2が開かれて、真
空ポンプPBの作動による排気によってチャンバC内の
圧力がさらに低下される(グラフb)。
【0097】なお、リザーブタンクRTは、バルブV1
が閉じられた後、真空ポンプPAの作動によってタンク
内の空気が排出されて、次のコーティングのために内部
の真空度が所定の値に復帰される。このとき、ロータリ
ポンプRPAによってリザーブタンクRT内の圧力があ
る程度まで低下すると、メカニカルブースタポンプMB
Aが機能し始めて、リザーブタンクRT内の圧力が所要
の値まで一気に低下される。
【0098】一方、真空ポンプPBについては、チャン
バC内の圧力がリザーブタンクRTによって低真空領域
まで低下されているため、バルブV2を開くと同時に、
メカニカルブースタポンプMBBがロータリーポンプR
PBと共に機能し始めて、チャンバC内の圧力を所要の
値まで一気に低下させる。
【0099】この真空ポンプPBによる排気によって各
チャンバC内の圧力が所要の圧力まで低下すると、バル
ブV2が閉じられた後、次にバルブV3が開かれて、ク
ライオポンプPCの作動による気体の凝固吸着により、
チャンバC内の圧力がさらに低下される(グラフc)。
【0100】このクライオポンプPCは、ヘリウムガス
冷凍機システムによってチャンバC内に残留している気
体分子を凝固吸着することにより、高い真空度を得るも
のである。
【0101】このクライオポンプPCによって各チャン
バC内の圧力が所要の圧力まで低下すると、バルブV3
が閉じられる。
【0102】そして、この後、バルブV2が再度開かれ
るとともにバルブV4が開かれることによって、原料ガ
ス供給装置RMからマスフローコントローラMCを介し
て供給される炭素源の原料ガスが、真空ポンプPBによ
る吸引によってチャンバC内に導入される。
【0103】このとき、チャンバC内への原料ガスの導
入によって、チャンバC内の圧力が若干上昇(グラフ
d)した後、真空ポンプPBの作動によって一定の圧力
に維持(グラフe)される。
【0104】このようにして、各チャンバC内に所要量
の原料ガスが導入されるとともに、高周波電源Rfから
マッチングボックスMを介して電力がチャンバCの外部
電極10に投入されてプラズマが発生されることによっ
て、プラスチック容器BへのDLCのコーティングが行
われる。
【0105】この高周波電源Rfからの電力の投入が一
定時間行われた後、リーク弁V5が開放されて、チャン
バC内がリークされる(グラフf)。
【0106】この後、チャンバC内のプラスチック容器
Bが交換されて上記の一連の工程が繰り返されることに
より、DLC膜コーティングプラスチック容器の量産が
行われる。
【0107】そして、上記真空装置によれば、あらかじ
め高真空に維持されたリザーブタンクによってチャンバ
内の圧力が平衡圧力まで一気に低下された後、特性の異
なる複数の真空ポンプが順次作動されて、各真空ポンプ
の特性に合った圧力領域でそれぞれの能力が最大限に発
揮されることにより、高い真空度を短い時間で得ること
ができ、これによって、DLC膜コーティングプラスチ
ック容器の製造効率を上げることができる。また、各ポ
ンプへの負荷が少なくなり、連続運転が可能になる。
【0108】図10は、図4に示される製造装置を複数
基(図示の例では4基)連結して、大量のプラスチック
容器に同時にコーティングを行う場合の真空装置の態様
を示すものである。
【0109】この例における真空装置は、DLC膜コー
ティングプラスチック容器の製造効率を上げるために、
図4の製造装置が複数基(この例では4基)配設され
て、それぞれの真空装置が互いに連結されているもので
ある。
【0110】図10において、図4の製造装置のリザー
ブタンク(以下、第1リザーブタンクRT1という)が
四方に配置され、さらにその中心に第2リザーブタンク
RT2が配置されていて、この二つのリザーブタンクR
T1およびRT2によって、第1リザーブタンクRT1
の周囲にサークル状に配設されたチャンバ(図示せず)
内の排気を高速で行うようになっている。
【0111】すなわち、図11に示されるように、各第
1リザーブタンクRT1の周囲にサークル状に配設され
たチャンバCに、図8の真空装置と同様に、第1リザー
ブタンクRT1がバルブV1を介して、真空ポンプPB
がバルブV2を介して、さらにクライオポンプCPがバ
ルブV3を介してそれぞれ接続されている。
【0112】そして、第2リザーブタンクRT2は、バ
ルブV1’を介してチャンバCに接続されている。
【0113】なお、図11において、VMはバルブV6
を介してチャンバCに接続された真空計であり、他の図
8と同様の構成については同一の符号が付されている。
【0114】第1リザーブタンクRT1には、図10か
ら分かるように、それぞれ隣合う二個のタンクについて
一基の真空ポンプPAが排気管L1を介して接続されて
いて、この真空ポンプPAによって第1リザーブタンク
RT1内の排気が行われるようになっており、また第2
リザーブタンクRT2には、真空ポンプPA’が接続さ
れていて、この真空ポンプPA’によって第2リザーブ
タンクRT2内の排気が行われるようになっている。
【0115】この真空装置は、第1リザーブタンクRT
1,第2リザーブタンクRT2,真空ポンプPB,クラ
イオポンプPCの順で作動されて、各第1リザーブタン
クRT1の周囲にサークル状に配設されたチャンバCか
らこのチャンバ内C内が所定の真空度になるまで排気を
行う。
【0116】すなわち、第1リザーブタンクRT1およ
び第2リザーブタンクRT2は、チャンバC内の排気開
始前に、それぞれ真空ポンプPAおよびPA’の作動に
よって排気されて、内部の真空度が所定の値に維持され
ている。
【0117】そして、各チャンバC内にプラスチック容
器Bが収容されてこのチャンバCが密閉されると、バル
ブV1が開かれてチャンバC内の空気が第1リザーブタ
ンクRT1内に吸引されて、このチャンバC内の圧力が
第1リザーブタンクRT1内の圧力と平衡するまで一気
に低下される。
【0118】バルブV1が閉じられた後、次に、バルブ
V1’が開かれて第2リザーブタンクRT2による吸引
が行われ、各チャンバC内の圧力が第2リザーブタンク
RT2内の圧力と平衡するまでさらに低下される。
【0119】さらに、バルブV1’が閉じられた後、バ
ルブV2が開かれて、真空ポンプPBの作動により、チ
ャンバC内がさらに排気されてその内部の圧力がさらに
低下される。
【0120】なお、第1リザーブタンクRT1は、バル
ブV1が閉じられた後、真空ポンプPAの作動によって
タンク内の空気が排出されて、次のコーティングのため
に内部の真空度が所定の値に復帰される。また、第2リ
ザーブタンクRT2は、バルブV1’が閉じられた後、
真空ポンプPA’の作動によってタンク内の空気が排出
されて、次のコーティングのために内部の真空度が所定
の値に復帰される。
【0121】真空ポンプPBの作動によって各チャンバ
C内の圧力が所要の圧力まで低下すると、バルブV2が
閉じられた後、次にバルブV3が開かれて、クライオポ
ンプPCの作動による気体の凝固吸着によって、チャン
バC内の圧力がさらに低下される。
【0122】このクライオポンプPCによって、各チャ
ンバC内の圧力がプラズマ放電に必要な所要の圧力まで
低下すると、バルブV3が閉じられ、この後、バルブV
2が再度開かれるとともにバルブV4が開かれることに
よって、原料ガス供給装置RMからマスフローコントロ
ーラMCを介して供給される炭素源の原料ガスが、真空
ポンプPBによる吸引によってチャンバC内に導入され
る。
【0123】これとともに、各チャンバC内においてプ
ラズマ放電が行われて、チャンバC内のプラスチック容
器へのDLCのコーティングが行われる。そして、この
プラズマ放電が所定時間行われた後、リーク弁V5が開
放されてチャンバC内がリークされる。
【0124】そして、チャンバC内のプラスチック容器
が交換されて上記の一連の工程が繰り返されることによ
り、DLC膜コーティングプラスチック容器の量産が行
われる。
【0125】この図10および11の真空装置は、チャ
ンバCの各サークルごとに設けられた第1リザーブタン
クRT1の他に大容量の第2リザーブタンクRT2を備
えていて、リザーブタンクによるチャンバC内の吸気を
段階的に行うので、チャンバC内の圧力を一気に低下さ
せることができ、排気時間を大幅に低下させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による炭素膜コーティングプラスチッ
ク容器の製造装置の一例を示す概略斜視図である。
【図2】この発明による炭素膜コーティングプラスチッ
ク容器の製造装置の他の例を示す概略斜視図である。
【図3】この発明による炭素膜コーティングプラスチッ
ク容器の製造装置のさらに他の例を示す概略構成図であ
る。
【図4】この発明による炭素膜コーティングプラスチッ
ク容器の製造装置のさらに他の例を真空装置とともに示
す斜視図である。
【図5】同例の真空装置を示す平面図である。
【図6】同真空装置の側面図である。
【図7】同例における外部電極の配置を示す平面図であ
る。
【図8】同例の真空装置における回路構成を示す図であ
る。
【図9】同真空装置の作動による真空室内の圧力変化を
示す図である。
【図10】この発明による炭素膜コーティングプラスチ
ック容器の製造装置のさらに他の例における真空装置を
示す平面図である。
【図11】同例の真空装置における回路構成を示す図で
ある。
【図12】従来の炭素膜コーティングプラスチック容器
の製造装置を示す側断面図である。
【図13】複数個の外部電極を高周波電源に接続した場
合の例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
C,CR,CC,CL,CR’,CC’,CL’…チャ
ンバ 10R,10C,10L …外部
電極 10Ra,10Ca,10La …上部
部分(分割部分) 10Rb,10Cb,10Lb …下部
部分(分割部分) 11,11R,11C,11L,11Ra,11Rb,
11Ca,11Cb,11Ca’,11Cb’,11L
a,11Lb …導線 13,13R,13L,13Ra,13Rb,13L
a,13Lb…導線 Rf …高周波電源 RT …リザーブタンク RT1…第1リザーブタンク RT2…第2リザーブタンク(共用リザーブタンク) PB …真空ポンプ PC …クライオポンプ MBB…メカニカルブースタポンプ RPB…ロータリポンプ V1 …バルブ(第1バルブ) V2 …バルブ(第2バルブ) V3 …バルブ(第3バルブ) V’ …バルブ 3a …チャンバ(真空室)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部電極内に形成された真空室に容器を
    収容し、この外部電極の真空室に収容された容器内に内
    部電極を挿入し、真空室を真空にして容器内に炭素源の
    原料ガスを供給するとともに、外部電極に高周波電源か
    ら電力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを発
    生させることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形成
    する炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置に
    おいて、 前記高周波電源に複数の外部電極が接続されているとと
    もに、この複数の外部電極が互いに導線によって接続さ
    れていることを特徴とする炭素膜コーティングプラスチ
    ック容器の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記外部電極が複数の部分に分割されて
    この分割された複数の部分が絶縁部材によって互いに絶
    縁された状態で組み付けられることにより真空室が形成
    され、前記高周波電源に複数個の外部電極の分割された
    部分がそれぞれ接続されているとともに、この複数個の
    外部電極の互いに対応する分割された部分同士が導線に
    よって接続されている請求項1に記載の炭素膜コーティ
    ングプラスチック容器の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記複数個の外部電極が円弧状に配置さ
    れて、各外部電極が円弧の中心から直線状に延びる導線
    によって高周波電源に接続されているとともに、隣り合
    う外部電極が導線によって互いに接続されている請求項
    1または2に記載の炭素膜コーティングプラスチック容
    器の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記複数個の外部電極がサークル状に配
    置されて、各外部電極がサークルの中心から延びる直線
    状の導線によって高周波電源に接続されているととも
    に、隣り合う外部電極が導線によって互いに接続されて
    いる請求項1または2に記載の炭素膜コーティングプラ
    スチック容器の製造装置。
  5. 【請求項5】 外部電極内に形成された真空室に容器を
    収容し、この外部電極の真空室に収容された容器内に内
    部電極を挿入し、真空室を真空にして容器内に炭素源の
    原料ガスを供給するとともに、外部電極に高周波電源か
    ら電力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを発
    生させることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形成
    する炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置に
    おいて、 前記真空室にバルブを介して接続されるリザーブタンク
    と、真空室にそれぞれバルブを介して接続される複数の
    真空ポンプとを備え、各バルブが順次開閉されることに
    よりリザーブタンクと複数の真空ポンプによって真空室
    の排気が段階的に行われることを特徴とする炭素膜コー
    ティングプラスチック容器の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の真空ポンプのうちの少なくと
    も一つがメカニカルブースタポンプとロータリポンプに
    より構成されている請求項5に記載の炭素膜コーティン
    グプラスチック容器の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の真空ポンプのうちの少なくと
    も一つがクライオポンプである請求項5に記載の炭素膜
    コーティングプラスチック容器の製造装置。
  8. 【請求項8】 複数の前記外部電極が複数組に組分けさ
    れていて、各組ごとに設置されたリザーブタンクおよび
    複数の真空ポンプと、各組共用のリザーブタンクとを備
    えている請求項5に記載の炭素膜コーティングプラスチ
    ック容器の製造装置。
  9. 【請求項9】 外部電極内に形成された真空室に容器を
    収容し、この外部電極の真空室に収容された容器内に内
    部電極を挿入し、真空室を真空にして容器内に炭素源の
    原料ガスを供給するとともに、外部電極に高周波電源か
    ら電力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを発
    生させることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形成
    する炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法に
    おいて、 前記高周波電源に複数の外部電極を接続するとともに、
    この複数の外部電極を互いに導線によって接続すること
    を特徴とする炭素膜コーティングプラスチック容器の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記複数個の外部電極をサークル状に
    配置して、各外部電極をサークルの中心から延びる直線
    状の導線によって高周波電源に接続するとともに、隣り
    合う外部電極を導線によって互いに接続する請求項9に
    記載の炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 外部電極内に形成された真空室に容器
    を収容し、この外部電極の真空室に収容された容器内に
    内部電極を挿入し、真空室を真空にして容器内に炭素源
    の原料ガスを供給するとともに、外部電極に高周波電源
    から電力を投入して外部電極と内部電極間にプラズマを
    発生させることにより、容器の内壁面に硬質炭素膜を形
    成する炭素膜コーティングプラスチック容器の製造方法
    において、 前記真空室にリザーブタンクをバルブを介して接続する
    とともに、複数の真空ポンプをそれぞれバルブを介して
    接続して、各バルブを順次開閉することによりリザーブ
    タンクと複数の真空ポンプによって真空室の排気を段階
    的に行うことを特徴とする炭素膜コーティングプラスチ
    ック容器の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記真空室に、第1バルブを介してリ
    ザーブタンクを接続し、第2バルブを介してロータリポ
    ンプを有する真空ポンプを接続し、第3バルブを介して
    クライオポンプを接続して、第1バルブを開いてリザー
    ブタンクにより真空室の排気を行った後、第2バルブを
    開いて真空ポンプにより真空室の排気を行い、その後、
    第3バルブを開いてクライオポンプにより真空室の排気
    を行って、真空室内の圧力を所要の圧力まで低下させる
    請求項11に記載の炭素膜コーティングプラスチック容
    器の製造方法。
  13. 【請求項13】 複数の前記外部電極を複数組に組分け
    し、各組ごとに外部電極の真空室にリザーブタンクと複
    数の真空ポンプを接続するとともに、各組共用のリザー
    ブタンクを各組の外部電極の真空室に接続して、この共
    用のリザーブタンクと各組ごとに接続されたリザーブタ
    ンクとによって吸引による真空室の排気を段階的に行う
    請求項11に記載の炭素膜コーティングプラスチック容
    器の製造方法。
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