JPH10256635A - 連続励起qスイッチレーザ出力装置及びレーザ加工装置 - Google Patents

連続励起qスイッチレーザ出力装置及びレーザ加工装置

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JPH10256635A
JPH10256635A JP9051509A JP5150997A JPH10256635A JP H10256635 A JPH10256635 A JP H10256635A JP 9051509 A JP9051509 A JP 9051509A JP 5150997 A JP5150997 A JP 5150997A JP H10256635 A JPH10256635 A JP H10256635A
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Yasuhiro Akiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、Qスイッチレーザパルス列のピーク
パワー又はエネルギー値を精度高く均一化する。 【解決手段】アークランプのアークランプ電流をランプ
電流モニタ3によりモニタし、このモニタされたアーク
ランプ電流の時間積分値をQスイッチ制御回路4により
求め、この時間積分値が所定の設定値に達したときに、
Nd:YAGレーザ用電源2を通してQスイッチ素子を
スイッチング動作してトリガパルスとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、尖頭出力の高いト
リガパルスのレーザ光を出力する連続励起Qスイッチレ
ーザ出力装置及びこれを用いたレーザ加工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ光は、切断、溶接、マーキングと
いった種々な加工分野に利用されている。このうち切断
加工を例にとると、レーザ光を利用して鋼板等を切断す
る加工が一般的に行われている。
【0003】このようなレーザ加工の方式の1つとし
て、XYテーブルを用いたものがある。この方式は、X
Yテーブル上に被加工物を載置し、指定の加工形状に基
づいてXYテーブルを2次元方向の平面上に走査し、こ
れと共にレーザ光を被加工物に照射して指定の加工形状
に切断加工するものである。
【0004】しかしながら、この方式の加工では、被加
工物の角部や鋭角形状の先端においてレーザ光の走査速
度が著しく遅くなり、このために被加工物に対する入熱
過多により鋭角度が失われたり、溶け落ちたりする。
【0005】このような問題を解決するために、例えば
特開昭62−270291号公報に記載されているよう
に、加工速度にリアルタイムに対応してレーザ出力又は
その出力形態を制御することが行われている。
【0006】ところで、連続励起Qスイッチパルスレー
ザの場合、Qスイッチパルスの繰り返し周波数を可変す
ると、この繰り返し周波数が高くなるに従って、1レー
ザパルス当たりの特性、すなわちエネルギーやピークパ
ワーが低下する。
【0007】このため、レーザ光の走査速度が変化した
場合、同一特性のQスイッチレーザ光により加工を行う
ことが困難となる。一方、レーザ発振装置の不安定性に
より励起量や繰り返し周波数が変動した場合、Qスイッ
チレーザパルスのピークパワー又はエネルギーを精度高
く均一化することができず、特に精密な彫り深さ制御が
要求されるマーキング加工等では、加工に不具合が生じ
る虞がある。
【0008】又、被加工物上に走査するレーザ光が走査
パターン中の曲り角等に達した際には、レーザ光路又は
レーザ共振器中にメカニカルシャッターを挿入し、曲り
角等に対するパルスレーザ光の照射を停止等することが
行われている。
【0009】このようにメカニカルシャッターを備える
機構のために、装置が複雑化し、そればかりでなく被加
工物に高速にレーザ光を照射する場合、メカニカルシャ
ッターの開閉時間により加工速度が制限される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにレーザ光
の走査速度が変化した場合、同一特性のQスイッチレー
ザ光により加工を行うことが困難となる。又、Qスイッ
チ素子の繰り返し周波数が変動した場合、Qスイッチレ
ーザパルスのピークパワー又はエネルギーを精度高く均
一化することができない。
【0011】さらに、メカニカルシャッターを備える機
構の場合、装置が複雑化し、かつメカニカルシャッター
の開閉時間により加工速度が制限される。そこで本発明
は、Qスイッチレーザパルス列のピークパワー又はエネ
ルギー値を精度高く均一化できる連続励起Qスイッチレ
ーザ出力装置を提供することを目的とする。
【0012】又、本発明は、Qスイッチレーザパルス列
のピークパワー又はエネルギー値を精度高く均一化して
被加工物上に照射できるレーザ加工装置を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、励起
ランプの発光によりレーザ媒質を励起し、この励起エネ
ルギーをQスイッチ素子の動作によりポンピングしかつ
トリガパルスとして出力する連続励起Qスイッチレーザ
出力装置において、励起ランプの励起ランプ電流をモニ
タするランプ電流モニタ手段と、このランプ電流モニタ
手段によりモニタされた励起ランプ電流の時間積分値を
求め、この時間積分値が所定の設定値に達したときにQ
スイッチ素子をスイッチング動作させるQスイッチ制御
手段と、を備えて上記目的を達成しようとする連続励起
Qスイッチレーザ出力装置である。
【0014】請求項2によれば、Qスイッチ制御手段
は、モニタされた励起ランプ電流を積分する積分器と、
この積分器の電流積分値と所定の設定値とを比較するコ
ンパレータと、このコンパレータによる比較の結果、電
流積分値が設定値に達したときにQスイッチトリガ信号
を出力するマルチショットバイブレータと、を有する。
【0015】請求項3によれば、励起ランプの発光によ
りレーザ媒質を励起し、この励起エネルギーをQスイッ
チ素子の動作によりポンピングしかつトリガパルスとし
て出力し、このトリガパルスのパルス列を被加工物に対
して走査して照射するレーザ加工装置において、励起ラ
ンプの励起ランプ電流をモニタするランプ電流モニタ手
段と、このランプ電流モニタ手段によりモニタされた励
起ランプ電流の時間積分値を求め、この時間積分値が所
定の設定値に達したときにQスイッチ素子をスイッチン
グ動作させるQスイッチ制御手段と、被加工物に対する
トリガパルスの走査位置をモニタする走査モニタ手段
と、この走査手段によりモニタされた走査位置に基づい
て被加工物上におけるトリガパルスの走査速度を求め、
この走査速度に応じて励起ランプ電流を制御するランプ
電流制御手段と、を備えて上記目的を達成しようとする
レーザ加工装置である。
【0016】請求項4によれば、レーザ加工装置におけ
るQスイッチ制御手段は、モニタされた励起ランプ電流
を積分する積分器と、この積分器の電流積分値と所定の
設定値とを比較するコンパレータと、このコンパレータ
による比較の結果、電流積分値が設定値に達したときに
Qスイッチトリガ信号を出力するマルチショットバイブ
レータと、を有する。
【0017】請求項5によれば、ランプ電流制御手段
は、Qスイッチ繰り返し周波数に対する励起ランプ電流
の関係を保持し、この関係に基づいてトリガパルスの走
査速度に応じて励起ランプ電流に制御する機能を有す
る。
【0018】上記請求項1によれば、励起ランプの発光
によりレーザ媒質を励起し、この励起エネルギーをQス
イッチ素子の動作によりポンピングしかつトリガパルス
として出力する場合、励起ランプの励起ランプ電流をモ
ニタし、このモニタされた励起ランプ電流の時間積分値
を求め、この時間積分値が所定の設定値に達したときに
Qスイッチをスイッチング動作してトリガパルスとして
出力する。これにより、レーザパルス列のピークパワー
又はエネルギー値が均一化される。
【0019】上記請求項2によれば、Qスイッチ素子の
スイッチング動作は、モニタされた励起ランプ電流を積
分器により積分し、この電流積分値と所定の設定値とを
コンパレータにより比較し、この比較の結果、電流積分
値が設定値に達したときにマルチショットバイブレータ
からQスイッチ素子トリガ信号を出力し、Qスイッチ素
子をスイッチング動作する。
【0020】上記請求項3によれば、励起ランプの発光
によりレーザ媒質を励起し、この励起エネルギーをQス
イッチ素子の動作によりポンピングしかつトリガパルス
として出力し、このトリガパルスのパルス列を被加工物
に対して走査して照射するレーザ加工する場合、励起ラ
ンプの励起ランプ電流をモニタし、このモニタされた励
起ランプ電流の時間積分値を求め、この時間積分値が所
定の設定値に達したときにQスイッチ素子をスイッチン
グ動作してトリガパルスを出力し、かつこのトリガパル
スの被加工物に対する走査位置をモニタし、このモニタ
された走査位置に基づいて被加工物上におけるトリガパ
ルスの走査速度を求め、この走査速度に応じて励起ラン
プ電流を制御する。これにより、レーザパルス列のピー
クパワー又はエネルギー値を精度高く均一化して被加工
物上に照射される、すなわち被加工物上に単位長さ当た
り一定数のレーザパルスを照射できる。
【0021】上記請求項4によれば、Qスイッチ素子の
スイッチング動作は、モニタされた励起ランプ電流を積
分器により積分し、この電流積分値と所定の設定値とを
コンパレータにより比較し、この比較の結果、電流積分
値が設定値に達したときにマルチショットバイブレータ
からQスイッチトリガ信号を出力し、Qスイッチ素子を
スイッチング動作し、均一化したレーザパルス列のピー
クパワー又はエネルギー値のパルスレーザを被加工物上
に照射する。
【0022】上記請求項5によれば、Qスイッチ繰り返
し周波数に対する励起ランプ電流の関係に基づいてトリ
ガパルスの走査速度に応じて励起ランプ電流に制御し、
均一化したレーザパルス列のピークパワー又はエネルギ
ー値のパルスレーザを被加工物上に照射する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は連続励起Qスイッ
チレーザ出力装置を適用したレーザ加工装置の構成図で
ある。
【0024】Nd:YAGレーザ装置1には、その共振
器内に配置されたYAGの固体レーザ媒質に沿って励起
ランプとしてのアークランプが配置され、かつ共振器内
に音響光学Qスイッチ素子(以下、Qスイッチ素子と省
略する)が配置されている。
【0025】このNd:YAGレーザ装置1には、N
d:YAGレーザ用電源2が接続されている。このN
d:YAGレーザ用電源2には、アークランプ用の駆動
電源及びQスイッチ素子用の駆動電源が備えられてい
る。
【0026】ランプ電流モニタ3は、Nd:YAGレー
ザ用電源2からNd:YAGレーザ装置1のアークラン
プに供給されるアークランプ電流をモニタし、そのラン
プ電流モニタ信号をQスイッチ制御回路4に送る機能を
有している。
【0027】このQスイッチ制御回路4は、ランプ電流
モニタ3から出力されたランプ電流モニタ信号を入力
し、このモニタされた励起ランプ電流の時間積分値を求
め、この時間積分値が所定の設定値に達したときにQス
イッチトリガ信号をNd:YAGレーザ用電源2に送出
し、Qスイッチレーザパルス列の均一化を行う機能を有
している。
【0028】このQスイッチ制御回路4の具体的な構成
は、図2に示すように加算器41が設けられ、この加算
器41にランプ電流モニタ信号が入力している。この加
算器41は、レーザ発振のしきい値(オフセット)を加
算して調整するもので、このオフセット調整はポテンシ
ョメータにより行われるようになっている。
【0029】次に積分器42が加算器41の出力端子に
接続されている。この積分器42は、加算器41から出
力されたランプ電流モニタ信号を積分し、アークランプ
の電流積分値を求める機能を有している。この積分器4
2は、コンデンサ及び可変抵抗器により構成され、その
時定数は可変抵抗器により調整される。
【0030】コンパレータ43は、積分器42により求
められるアークランプの電流積分値と設定値とを比較
し、アークランプの電流積分値が設定値に達したとき
に、マルチショットバイブレータ44を介してQスイッ
チトリガ信号を出力する機能を有している。
【0031】なお、このコンパレータ43の設定値は、
ポテンショメータにより設定されるものとなっている。
又、このコンパレータ43からマルチショットバイブレ
ータ44を介して出力されるQスイッチトリガ信号は、
リセット信号として積分器42に送られている。
【0032】なお、マルチショットバイブレータ44
は、装置中の遅れ時間を補償するために接続されてお
り、この遅れ時間の設定値は可変抵抗器により設定され
るものとなっている。
【0033】一方、レーザ光偏向装置5は、スキャンミ
ラーを備え、Nd:YAGレーザ装置1から出力される
Qスイッチパルス列のレーザ光をスキャンミラーにより
スキャニングして被加工物に照射するとき、被加工物に
対するレーザ光の走査位置をモニタ、すなわちスキャン
ミラーのX軸及びY軸の各位置信号をモニタ出力する機
能を有している。
【0034】同期装置6は、レーザ光偏向装置5により
モニタされたスキャンミラーのX軸及びY軸の各位置信
号に基づいて被加工物上におけるレーザ光の走査速度を
求め、この走査速度に応じて励起ランプ電流を制御する
ランプ電流制御手段としての機能を有している。
【0035】この同期装置6は、図3に示すQスイッチ
繰り返し周波数に対するアークランプ電流の関係を保持
し、この関係に基づいてレーザ光の走査速度に応じたア
ークランプ電流に制御する機能を有している。
【0036】すなわち、同期装置6は、Qスイッチ制御
回路14とレーザ光偏向装置5との同期をとるもので、
Qスイッチレーザパルスのピークパワーを一定に保つた
めに必要なアーク電流値とQスイッチレーザパルス繰り
返し数との関係により求められる次式を現実したものと
なっている。
【0037】 Ilamp=gain×fQ +offset …(1) ここで、Ilampはアークランプ電流、gainは図4に示す
特性曲線の傾き、fQ はQスイッチレーザパルス繰り返
し数、offsetは図4に示す特性曲線のy切片で、Qスイ
ッチパルス列のピークパワー又はエネルギーを一定に保
つために必要な定数である。
【0038】なお、図4に示すアーク電流値とQスイッ
チレーザパルス繰り返し数との関係は、3通りのレーザ
ピークパワーの各特性曲線を示している。この同期装置
6の具体的な構成を図4に示す。
【0039】各微分器61、62にそれぞれスキャナX
軸位置信号、スキャナY軸位置信号が入力している。こ
れら微分器61、62は、それぞれスキャナX軸位置信
号、スキャナY軸位置信号を微分処理して各軸方向の速
度を求める機能を有している。
【0040】次に、各軸方向の速度から被加工物上のレ
ーザ光の走査速度を求めるためにX及びY軸方向の速度
成分の2乗和の平方根が計算される。すなわち、各微分
器61、62の各出力端子には、各絶対値器63、64
を介してそれぞれ各2乗器65、66が接続され、これ
ら2乗器65、66の出力端子に加算器67、平方根器
68が接続されている。そして、この平方根器68の出
力端子に加算器69が接続されている。なお、加算器6
9は、オフセットを調整を行ってアークランプ電流制御
信号としてNd:YAGレーザ用電源2に送出する機能
を有している。
【0041】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。Nd:YAGレーザ装置1のアークラン
プに対してNd:YAGレーザ用電源2の駆動電源から
アークランプ電流が供給される。
【0042】このアークランプ電流の供給によりアーク
ランプは、発光し、YAGの固体レーザ媒質は励起され
る。このとき、Qスイッチ素子は、動作していないの
で、励起エネルギーはポンピングされる。
【0043】一方、ランプ電流モニタ3は、このアーク
ランプ電流をモニタし、そのランプ電流モニタ信号をQ
スイッチ制御回路4に送る。このQスイッチ制御回路4
は、アークランプ電流の時間積分値を求め、この時間積
分値が所定の設定値に達したときにQスイッチトリガ信
号をNd:YAGレーザ用電源2に送出する。
【0044】すなわち、図2に示すように、加算器41
は、ランプ電流モニタ信号にレーザ発振のしきい値を加
算してオフセット調整を行い、次の積分器42は、加算
器41からのランプ電流モニタ信号を積分し、アークラ
ンプの電流積分値を求める。
【0045】コンパレータ43は、積分器42により求
められるアークランプの電流積分値と設定値とを比較
し、アークランプの電流積分値が設定値に達したとき
に、マルチショットバイブレータ44を介してQスイッ
チトリガ信号を出力する。
【0046】このようにQスイッチトリガ信号が出力さ
れると、Nd:YAGレーザ用電源2の駆動電源は、N
d:YAGレーザ装置1のQスイッチ素子に対して駆動
電圧を印加する。
【0047】このQスイッチ素子が動作すると、ポンピ
ングされた励起エネルギーにより光共振が発生し、尖頭
出力の高いトリガパルスのレーザ光が出力される。これ
以降、アークランプの電流積分値が設定値に達する毎
に、Qスイッチ素子が動作し、尖頭出力の高いトリガパ
ルスのレーザ光が、Qスイッチレーザパルス列として出
力される。
【0048】これらQスイッチレーザパルス列は、アー
クランプの電流積分値が設定値に達する毎にQスイッチ
素子が動作することから、1レーザパルス当たりのピー
クパワー又はエネルギーが一定に均一化されたものとな
る。
【0049】これらQスイッチパルス列のレーザ光は、
レーザ光偏向装置5のスキャンミラーにより走査されて
被加工物上に照射される。一方、このときレーザ光偏向
装置5は、スキャンミラーのX軸及びY軸の各位置信号
をモニタして同期装置6に送出する。
【0050】この同期装置6は、スキャンミラーのX軸
及びY軸の各位置信号に基づいて被加工物上におけるレ
ーザ光の走査速度を求め、この走査速度に応じて励起ラ
ンプ電流を制御する。
【0051】すなわち、図4に示すように同期装置6の
各微分器61、62は、それぞれスキャナX軸位置信
号、スキャナY軸位置信号を微分処理して各軸方向の速
度を求める。
【0052】次に各絶対値器63、64は、各軸方向の
速度の絶対値を求め、続いて各2乗器65、66により
各軸方向の速度の絶対値の2乗値が求められる。次に加
算器67は、これら2乗値の和を求め、続いて平方根器
68は、2乗和の平方根を求めて加算器69に送る。
【0053】この加算器69は、2乗和の平方根に対す
るオフセットを調整を行って、すなわち図4に示す特性
曲線のy切片であるオフセット(offset)をポテンショ
メータにより調整し、このオフセットをQスイッチレー
ザパルス列のピークパワー又はエネルギーを一定に保つ
値に設定する。すなわち、被加工物上に単位長さ当たり
一定数のレーザパルスを照射するように設定する。
【0054】かくして、加算器69からは、オフセット
調整されたアークランプ電流制御信号が、Nd:YAG
レーザ用電源2に送出される。このNd:YAGレーザ
用電源2の駆動電源は、アークランプ電流制御信号によ
りアークランプに供給するアークランプ電流量を制御す
る。
【0055】例えば、被加工物の角部や鋭角形状の先端
では、レーザ光の走査速度が著しく遅くなるので、Qス
イッチ繰り返し周波数を高くして1レーザパルス当たり
の特性、すなわちエネルギーやピークパワーを低下す
る。これにより、被加工物に対する入熱が減少し、鋭角
度が失われたり、溶け落ちたりすることがなくなる。
【0056】以上のようにQスイッチ制御回路4を用い
てQスイッチレーザパルス列の均一化を行った例を図5
に示す。同図(a)(b)はスキャンミラーを正弦波上に変化
させ、アークランプ電流を制御したときのレーザパルス
波形を示している。なお、これら図は、1秒間開放で数
千パルス重ね取りした写真をもとにした場合で、同図
(a) はQスイッチ周波数が6kHz一定の場合、同図
(b) はQスイッチパルス列均一化を行ったものである。
【0057】ピークパワーのばらつきは、その最大値に
対して同図(a) では59%、同図(b) では15%であ
る。この事から、Qスイッチレーザパルス列の均一化を
行うことによりQスイッチレーザパルス列が均一化され
ていることがわかる。
【0058】又、同図(c) はQスイッチ繰り返し周波数
を6kHz一定とし、かつアークランプ電流を一定とし
た場合のQスイッチレーザパルス波形を重ね撮りしたも
のである。このピークパワーのばらつきは、12%であ
る。
【0059】図5(a)(b)によりQスイッチレーザパルス
列の均一化のためのQスイッチ制御回路4を用いること
により、アークランプ電流をスキャンミラーと対応させ
制御した場合でも、Qスイッチレーザパルス列のピーク
パワーを、同図(c) に示すアークランプ電流一定、Qス
イッチ周波数一定のときと同程度に平坦化できることが
わかる。
【0060】このように上記一実施の形態においては、
アークランプのアークランプ電流をモニタし、このモニ
タされたアークランプ電流の時間積分値を求め、この時
間積分値が所定の設定値に達したときにQスイッチ素子
をスイッチング動作してトリガパルスとして出力するよ
うにしたので、Qスイッチレーザパルス列のピークパワ
ー又はエネルギー値を均一化できる、すなわち1レーサ
パルス当たりのピークパワー又はエネルギーを一定に均
一化できる。
【0061】又、アークランプ電流の時間積分値が所定
の設定値に達したときにQスイッチ素子をスイッチング
動作し、かつレーザ光の被加工物に対する走査位置をモ
ニタし、このモニタされた走査位置に基づいて被加工物
上におけるレーザ光の走査速度を求め、この走査速度に
応じてアークランプ電流を制御するようにしたので、Q
スイッチレーザパルス列のピークパワー又はエネルギー
値を精度高く均一化し、被加工物上に単位長さ当たり一
定数のレーザパルスを照射できる。
【0062】例えば、レーザ光の走査速度が著しく遅く
なる被加工物の角部や鋭角形状の先端では、Qスイッチ
繰り返し周波数を高くして1レーザパルス当たりのエネ
ルギーやピークパワーを低下し、被加工物に対する入熱
を減少して鋭角度を失うことなく、溶け落ちたりするこ
とがなくなる。
【0063】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、Q
スイッチレーザパルス列のピークパワー又はエネルギー
値を精度高く均一化できる連続励起Qスイッチレーザ出
力装置を提供できる。
【0064】又、本発明によれば、Qスイッチレーザパ
ルス列のピークパワー又はエネルギー値を精度高く均一
化して被加工物上に照射できるレーザ加工装置を提供で
きる。
【0065】又、本発明によれば、Qスイッチレーザパ
ルス列のピークパワー又はエネルギー値を精度高く均一
化し、被加工物上に単位長さ当たり一定数のレーザパル
スを照射できるレーザ加工装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる連続励起Qスイッチレーザ出力
装置を適用したレーザ加工装置の一実施の形態を示す構
成図。
【図2】Qスイッチ制御回路の具体的な構成図。
【図3】Qスイッチ繰り返し周波数とアークランプ電流
との関係図。
【図4】同期装置の具体的な構成図。
【図5】レーザパルス列の均一化を行った例を示す図。
【符号の説明】
1…Nd:YAGレーザ装置、 2…Nd:YAGレーザ用電源、 3…ランプ電流モニタ、 4…Qスイッチ制御回路、 5…レーザ光偏向装置、 6…同期装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起ランプの発光によりレーザ媒質を励
    起し、この励起エネルギーをQスイッチ素子の動作によ
    りポンピングしかつトリガパルスとして出力する連続励
    起Qスイッチレーザ出力装置において、 前記励起ランプの励起ランプ電流をモニタするランプ電
    流モニタ手段と、 このランプ電流モニタ手段によりモニタされた励起ラン
    プ電流の時間積分値を求め、この時間積分値が所定の設
    定値に達したときに前記Qスイッチ素子をスイッチング
    動作させるQスイッチ制御手段と、を具備したことを特
    徴とする連続励起Qスイッチレーザ出力装置。
  2. 【請求項2】 Qスイッチ制御手段は、モニタされた励
    起ランプ電流を積分する積分器と、 この積分器の電流積分値と所定の設定値とを比較するコ
    ンパレータと、 このコンパレータによる比較の結果、前記電流積分値が
    前記設定値に達したときにQスイッチトリガ信号を出力
    するマルチショットバイブレータと、を有することを特
    徴とする請求項1記載の連続励起Qスイッチレーザ出力
    装置。
  3. 【請求項3】 励起ランプの発光によりレーザ媒質を励
    起し、この励起エネルギーをQスイッチ素子の動作によ
    りポンピングしかつトリガパルスとして出力し、このト
    リガパルスのパルス列を被加工物に対して走査して照射
    するレーザ加工装置において、 前記励起ランプの励起ランプ電流をモニタするランプ電
    流モニタ手段と、 このランプ電流モニタ手段によりモニタされた励起ラン
    プ電流の時間積分値を求め、この時間積分値が所定の設
    定値に達したときに前記Qスイッチ素子をスイッチング
    動作させるQスイッチ制御手段と、 前記被加工物に対する前記トリガパルスの走査位置をモ
    ニタする走査モニタ手段と、 この走査手段によりモニタされた走査位置に基づいて前
    記被加工物上における前記トリガパルスの走査速度を求
    め、この走査速度に応じて前記励起ランプ電流を制御す
    るランプ電流制御手段と、を具備したことを特徴とする
    レーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 Qスイッチ制御手段は、モニタされた励
    起ランプ電流を積分する積分器と、 この積分器の電流積分値と所定の設定値とを比較するコ
    ンパレータと、 このコンパレータによる比較の結果、前記電流積分値が
    前記設定値に達したときにQスイッチトリガ信号を出力
    するマルチショットバイブレータと、を有することを特
    徴とする請求項3記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 ランプ電流制御手段は、Qスイッチ繰り
    返し周波数に対する励起ランプ電流の関係を保持し、こ
    の関係に基づいてトリガパルスの走査速度に応じて前記
    励起ランプ電流に制御する機能を有することを特徴とす
    る請求項3記載のレーザ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016181488A1 (ja) * 2015-05-12 2016-11-17 株式会社島津製作所 受動qスイッチレーザ及びその動作最適化方法

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