JPH1025637A - 多層構造糸条 - Google Patents

多層構造糸条

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JPH1025637A
JPH1025637A JP8196935A JP19693596A JPH1025637A JP H1025637 A JPH1025637 A JP H1025637A JP 8196935 A JP8196935 A JP 8196935A JP 19693596 A JP19693596 A JP 19693596A JP H1025637 A JPH1025637 A JP H1025637A
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秀雄 池永
Naoki Kataoka
直樹 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水の拡散性、速乾性及び濡れ戻り防止性を備
えたスポーツ、インナー等各種衣料用布帛に供する糸条
ならびに布帛の提供。 【解決手段】 二層以上の多層構造糸条であって、
最外層が疎水性繊維で構成されており、内層及び/又は
中間層の少なくとも一部がセルロースマルチフィラメン
ト繊維で構成されている多層構造糸条。 該糸条から
なる多層構造布帛。 【効果】 多層構造糸条表面に供給されたで水分が、内
層及び/又は中間層へ素速く移行し、内層及び/又は中
間層で拡散して保持されるために、外からの圧力等によ
り多層構造糸条表面に水が濡れ戻ることが少なく、少量
発汗時はもちろん多量発汗時においても表面がべとつか
ず、さらっとした快適な肌触りとなる布帛用糸条とな
り、乾燥性も優れ着用時、着用後の冷え感や不快感も防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水の拡散性、速乾
性及び濡れ戻り防止性を備えたスポーツ、インナー等各
種衣料用布帛に供される糸条に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、汗をかいたときにスポーツや
インナー等の衣料を形成している糸の表面全体が濡れて
べとついたり、又、乾燥性が悪いために汗をかいた後に
冷え感を生じ、不快感を覚えることがある。従来より、
親水性のセルロース繊維と疎水性の合成繊維を複合し、
セルロース繊維の吸汗作用と、合成繊維の拡散作用を利
用してこの問題を改善しようとした糸条が知られてい
る。
【0003】その方法として、精紡交撚等により合成長
繊維を芯に、セルロース短繊維を鞘に巻き付けた二層構
造糸条により、芯の合成長繊維の毛細管現象を利用して
水の拡散性を向上させようとしたもの、さらにはこの二
層構造糸条の最外層に疎水性の合成長繊維を配置させて
三層構造糸条とし、水分を内層のセルロース繊維に移行
させることにより糸条表面への水の濡れ戻りを防止した
糸条等が知られている。しかしながら従来用いられてい
る綿等のセルロース短繊維からなる紡績糸の場合は、短
繊維部分が嵩高で多くの空隙をもつものとなり、この空
隙に水が蓄えられると同時に、短繊維のため導水する繊
維が寸断されることにより水の拡散が極めて妨げられる
ものであった。従って局部的に水を保持してしまうこと
によって乾燥性、水の濡れ戻り防止性が充分ではなかっ
た。
【0004】また、セルロースマルチフィラメント繊維
と合成繊維とをエアー混繊やエアー混繊後仮撚等の方法
で、単繊維を均一に交絡させて複合することにより、セ
ルロースマルチフィラメント繊維のもつ吸水、吸湿特性
と合成長繊維の拡散性、速乾性を複合したり、カバーリ
ング等の方法により合成繊維を芯にセルロースマルチフ
ィラメント繊維を鞘にして、吸水、吸湿性、水の拡散性
を向上させる方法がある。これらは、セルロース短繊維
の複合に比べて水の拡散性は向上するものの、糸の表面
に多くのセルロース繊維が露出しこれが水を含んでいる
ため、表面のべとつき感を完全に解消することは困難で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水の拡散
性、速乾性及び濡れ戻り防止性を備えたスポーツ、イン
ナー等各種衣料用布帛に供する糸条を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
について鋭意検討の結果、二層以上の多層構造糸条であ
って、最外層が疎水性繊維で構成されており、内層及び
/又は中間層の少なくとも一部がセルロースマルチフィ
ラメント繊維で構成されている多層構造糸条又はそれか
らなる多層構造布帛によって、本発明の目的が達成され
ることを見い出し、本発明をなすに至った。また、本発
明は、下記の実施の態様をも包含する。 セルロースマルチフィラメント繊維が、内層及び/
又は中間層に、複合糸条の体積割合で2割以上を占める
ことを特徴とする請求項1又は2記載の多層構造糸条又
は多層構造布帛。 少なくとも最外層の疎水性繊維の割合が糸条側面の
面積割合で6割以上を占めることを特徴とする請求項1
又は2記載の多層構造糸条又は多層構造布帛。 疎水性繊維の繊維表面が親水化されていることを特
徴とする請求項1又は2記載の多層構造糸条又は多層構
造布帛。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明ではセルロースマルチフィラメント繊維を内層及び
/又は中間層の少なくとも一部に用いることが必要であ
る。即ち、セルロースマルチフィラメント繊維が持つ優
れた吸水性により、水を瞬時に内層及び/又は中間層に
吸収し、なおかつ、マルチフィラメント間の微細な空隙
を利用して毛細管により水が広範囲に拡散されるものと
なる。
【0008】内層及び/又は中間層に用いられるセルロ
ースマルチフィラメント繊維は、内層及び/又は中間層
の少なくとも一部に用いられていればよく、その他の合
成繊維や天然繊維、再生繊維と混繊されている状態でも
良い。しかしながら水を瞬時に内層及び/又は中間層に
吸収し、最外層に濡れ戻らなくするためには、セルロー
スマルチフィラメント繊維が、内層及び/又は中間層
に、複合糸条全体の体積割合で2割以上、好ましくは3
割以上であることが好ましい。詳細には、本発明で用い
られるセルロースマルチフィラメント繊維は、パルプや
コットンリンターを原料とするビスコース法レーヨンや
銅アンモニア法レーヨンのマルチフィラメント繊維のこ
とを言い、その形態は原糸、加工糸のいずれであっても
良い。
【0009】また、単糸デニールやフィラメント数、断
面形状も特に限定されものではないが、衣料用布帛とし
ての消費物性、糸の加工性等を考えるとトータルデニー
ルは20d〜300d、単糸デニールは0.5d〜10
dであることが好ましい。断面形状がWやC、L、Y等
のように通常の○断面より表面積が大きくなる形状の方
が、水を拡散させる毛管吸引力が増しより好ましい。
【0010】更に、最外層に用いる糸は疎水性繊維であ
ることが必要である。例えば、ポリアミド、ポリエステ
ル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成
繊維が用いられる。その形態は原糸、加工糸のいずれで
あっても良い。さらに紡績糸やマルチフィラメント繊維
のいずれであっても良く、断面形状も特に限定されるも
のではないが、マルチフィラメント繊維であることが水
の拡散性の点で好ましい。また、断面形状がWやC、
L、Y等のように通常の○断面より表面積が大きくなる
形状の方が、糸条表面の合成繊維側から供給された水を
拡散すると同時に、内層及び/又は中間層のセルロース
マルチフィラメント繊維に伝える毛管吸引力が増し、よ
り好ましいものとなる。
【0011】本発明に使用する合成繊維の繊度は特に限
定されるものではないが、衣料用として用いることを考
慮するとトータルデニールは20d〜300d、単糸デ
ニールは0.1d〜10d程度が望ましい範囲である。
特に過酷な条件にも耐え得なければならないスポーツ衣
料用布帛に供する場合には、1d〜5dがより好まし
く、柔らかな肌触りや風合を重視するインナー衣料用布
帛に供する場合には0.1〜3dがより好ましい。
【0012】この多層構造糸条の最外層が疎水性繊維で
あることによって、最外層の水分が内層及び/又は中間
層のセルロースマルチフィラメント繊維に瞬時に拡散、
移行し、最外層の水分が極めて減少するために、多層構
造糸条の表面がさらっとしたものとなる。さらに、セル
ロースマルチフィラメント繊維が、水を拡散させて内層
側に保持するために、外からの圧力等により最外層に水
が濡れ戻ることがないものとなる。また、最外層を疎水
性繊維で覆うことにより、セルロースマルチフィラメン
ト繊維のもつ湿摩擦堅牢度、湿潤時強度、摩耗性等の物
性的欠点もカバーできるものとなる。
【0013】本発明で言う多層構造糸条とは、2層、3
層あるいはそれ以上の層構造をしている糸条であり、2
層構造以上の層構造糸条であればどのような層構造糸条
であっても構わない。さらに本発明で言う多層構造糸条
とは、最外層、内層及び/又は中間層の各層はそれぞれ
が完全に分離・独立している必要はなく、見かけ上、層
構造になっている状態でも良く、各層を構成する糸条の
単繊維が隣接する層を構成する糸条の単繊維と部分的に
混ざっていても、又、多少逆転していても構わないもの
である。しかしながら、少なくとも最外層の疎水性繊維
の割合が糸条側面の面積割合で6割以上、好ましくは
6.5割以上、より好ましくは6.5割〜8.5割であ
ることが濡れ戻りを防止するために必要である。
【0014】係る多層構造糸条は、どのような方法を用
いて製造されても良く、例えばカバーリング機を用いた
カバーリング方法で得られるものや、高速流体噴射ノズ
ルを用いて2種類の異なる糸条をエアー交絡し引き続き
仮撚加工する複合仮撚により、それぞれの捲縮度合によ
って一方が他方をカバーするような構造をとり、その結
果層構造をなすもの、又は2種類の伸度の異なる糸条を
エアー交絡させた後に仮撚加工する伸度差複合仮撚によ
り、伸度の大きな糸条を伸度の小さな糸条に巻き付かせ
ることで層構造となすもの、あるいは高速流体噴射ノズ
ルを用いたエアー交絡加工法において、2種類の異なる
糸条にフィード差を付けて送り出すことにより一方が他
方に巻き付きカバーするような状態となり層構造をなす
もの等が挙げられる。
【0015】さらには、エアー交絡加工法で得られた層
構造糸条に他の繊維糸条をカバーリングすることで、よ
り多層の層構造糸条とすることも可能である。また2種
類の異なる糸条を撚糸した合撚糸や、エアー交絡させた
後に仮撚加工した複合仮撚糸を織編物とした後、染色加
工等により2種類の糸条が持つそれぞれの収縮や、捲縮
発現等の特性から一方が他方に巻き付き、編織物中で層
構造となるような複合糸条であっても良い。さらに、特
に内層及び/又は中間層に位置するセルロースマルチフ
ィラメント繊維に仮撚加工が施される場合は、嵩高で軽
量、保温効果を有する多層構造糸条となる。
【0016】また、本発明の多層構造糸条を構成する疎
水性繊維の繊維表面は親水化している方が好ましい。繊
維表面の親水化によって、多層構造糸条の最外層での吸
水速度がより速くなり、又、多層構造糸条の内層及び/
又は中間層への水分移行速度や水分拡散速度も速くな
る。その結果、水が滞ることなくより内層側へ移行しや
すくかつ拡散しやすくなり、濡れ拡がり、乾燥性、濡れ
戻り性がより良好となる。
【0017】なお、本発明の多層構造糸条を構成する疎
水性繊維の繊維表面を親水化する方法としては、どのよ
うな方法を用いても構わないが、例えば本発明の多層構
造糸条を糸条のままチーズ形態に巻き上げ、先染加工の
要領で親水化処理を行っても良いし、また本発明の多層
構造糸条を織編物にした後、染色後加工処理として親水
化処理を行っても良く、これらに限定されるものではな
い。親水化剤についてもポリエチレングリコール系樹脂
剤のような公知の親水化剤を用いれば良く、その推奨す
る濃度で浸漬処理、パディング処理、スプレー処理等の
推奨処方を用いて親水化処理を行えば良い。また、本発
明の多層構造糸条の最外層を構成する合成繊維が元々親
水化しているものは、繊維表面の親水化は行っても良い
が特別必要とするものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を実施
例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。なお本発明及び比較例の多層構造糸
条の特性は、糸条を編地とした後に以下の評価方法によ
り評価し、その結果は表1に示した。 <評価方法> 拡散性:ガラス板上に0.05ccの水滴を置き、
作製した編地を水滴の上に置き、2分後の水の拡散面積
(cm2 )を算出する。
【0019】 濡れ戻り防止性:ガラス板上に0.2
ccの水滴を置き、作製した編地を水滴の上に置き1分
間編地に水を吸水させる。引き続き編地を濾紙の上に置
き、上から0.5g/cm2 の荷重を30秒間乗せ濾紙
に濡れ戻った水分量aを測定し、濡れ戻り率を以下のよ
うに算出する。 濡れ戻り率(%)=a/0.2×100% 乾燥性:10cm角の編地に0.2ccの水を滴下
し、ケット科学研究所製赤外線水分計により赤外線を照
射して雰囲気温度を50℃にして水分を乾燥させて、編
地が完全に乾燥するまでの時間を測定する。
【0020】 濡れ感及びべとつき感:ガラス板上に
水滴0.2ccをおき、10cm角にした編地を水滴の
上に載せ、0.3g/cm2 の荷重をかけながら30秒
間編地に十分吸水させた後、男女各5名ずつ計10名の
パネラー上腕部に吸水させた布帛をのせ、濡れ感及びべ
とつき感の官能評価を行う。結果は以下の様に評価す
る。 濡れ感及びべとつき感:◎;濡れた感じ、べとつく感じはなくさらっと している。 ○;濡れて冷たい感じはするが、べとつく感じは ない。 ×;濡れて冷たく感じ、布帛のべとつきが激しい。
【0021】(実施例1)石川製作所DTB撚糸機によ
り、50デニール/30フィラメントの銅アンモニア法
レーヨン繊維と、75デニール/36フィラメントのポ
リエステル捲縮加工糸をZ−500T/Mで撚糸した。
得られた糸により28GGシングル編機で天竺編地を作
製した後、該編地に実施例1と同様の精練、染色、親水
化処理を行った。該天竺編地の目付は135g/m2
あり、この編地の糸を拡大して見ると、ポリエステル繊
維が6.9割外層となり銅アンモニア法レーヨン繊維が
内層となる多層構造糸条であった。該編地は水を瞬時に
吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行して拡
散し、表面への水の濡れ戻りは非常に少なくさらっとし
ており、又、乾燥性も良好なものであった。
【0022】(実施例2)イタリー撚糸機により、給糸
速度10m/分の50デニール/30フィラメントの銅
アンモニア法レーヨン繊維に対し、75デニール/24
フィラメントのポリエステル繊維をスピンドル回転数1
万5千rpm、撚数をZ−1500T/Mの条件でカバ
リングした。得られた糸はポリエステル繊維が7.8割
外層となり銅アンモニア法レーヨン繊維が内層となる多
層構造糸条であった。この多層構造糸条をオートクレー
ブにより120℃で20分間スチーム熱処理した後、2
8GGシングル編機で天竺編地を作製し、該編地は実施
例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。該天竺
編地の目付は127g/m2 であった。該編地は水を瞬
時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移行し
て拡散し、表面への水の濡れ戻りは非常に少なくさらっ
としており、又、乾燥性も良好なものであった。
【0023】(実施例3)村田機械335エアー加工機
により、75デニール/24フィラメントのポリエステ
ル繊維のフィード率を15%、50デニール/30フィ
ラメントの銅アンモニア法レーヨン繊維のフィード率を
5%とし、エアー圧7.0kg/cm2 でタスラン加工
をした後、村田機械33H仮撚加工機でDR=0.98
倍、加工速度300m/分、撚数2600T/M、ヒー
ター温度170℃で仮撚加工した。得られた糸はポリエ
ステル繊維が6.8割外層となり銅アンモニア法レーヨ
ン繊維とポリエステル繊維が内層となる多層構造糸条で
あった。
【0024】この多層構造糸条により28GGシングル
編機で天竺編地を作製した後、該編地を100℃で20
分間精練、130℃で30分間染色を行った後、高松油
脂(株)製SR−1000を5%owf用いて100℃
で30分間親水化処理を行った。該天竺編地の目付は1
31g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸
水された水は複合糸条の内層側に移行して拡散し、表面
への水の濡れ戻りは少なくさらっとしており、又、乾燥
性も良好なものであった。
【0025】(実施例4)村田機械335エアー加工機
により50デニール/30フィラメントの銅アンモニア
法レーヨン繊維と50デニール/24フィラメントのポ
リエステル繊維をフィード率1.5%、エアー圧1.5
kg/cm2 でインターレース混繊し、さらに川製作所
DTB撚糸機により、本混繊糸と、50デニール/24
フィラメントのポリエステル捲縮加工糸をZ−500T
/Mで撚糸した。得られた糸により28GGシングル編
機で天竺編地を作製した後、該編地に実施例1と同様の
精練、染色、親水化処理を行った。
【0026】該天竺編地の目付は148g/m2 であ
り、この編地の糸を拡大して見ると、ポリエステル繊維
が8.2割外層となり内層に2割の銅アンモニア法レー
ヨン繊維が存在する多層構造糸条であった。該編地は水
を瞬時に吸水し、吸水された水は複合糸条の内層側に移
行して極めて広く拡散し、表面への水の濡れ戻りも極め
て少なくさらっとしており、又、乾燥性も良好なもので
あった。
【0027】(実施例5)村田機械33H仮撚加工機に
より、75デニール/24フィラメントのポリエステル
繊維と、50デニール/30の銅アンモニア法レーヨン
繊維をフィード率を1.5%、エアー圧1.5kg/c
2 でインターレース加工をした後、DR=0.98
倍、加工速度300m/分、撚数2600T/M、ヒー
ター温度170℃で仮撚加工した。得られた糸はポリエ
ステル繊維が6割外層となりポリエステル繊維と銅アン
モニア法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であっ
た。この多層構造糸条により28GGシングル編機で天
竺編地を作成した後、該編地を実施例1と同様の精練、
染色、親水化処理を行った。該天竺編地の目付は128
g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸水さ
れた水は複合糸条の内層側に移行して極めて広く拡散
し、表面への水の濡れ戻りは少なくべとつき感のないも
のであった。又、乾燥性も非常に良好であった。
【0028】(比較例1)村田機械335エアー加工機
により、75デニール/24フィラメントのポリエステ
ル繊維のフィード率を5%、50デニール/30フィラ
メントの銅アンモニア法レーヨン繊維のフィード率を1
5%とし、エアー圧7.0kg/cm2 でタスラン加工
をした後、村田機械33H仮撚加工機でDR=0.98
倍、加工速度300m/分、撚数2600T/M、ヒー
ター温度170℃で仮撚加工した。得られた糸は銅アン
モニア法レーヨン繊維が6.3割、ポリエステル繊維が
3.7割外層となり、ポリエステル繊維と銅アンモニア
法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であった。こ
の多層構造糸条により28GGシングル編機で天竺編地
を作成した後、該編地を実施例1と同様の精練、染色、
親水化処理を行った。該天竺編地の目付は133g/m
2 であった。該編地は水を瞬時に吸水し、水の拡散性も
良好であったが、吸水された水は複合糸条の内層側に移
行しにくく糸条表面に水を保持するため、表面への水の
濡れ戻りも多くべとつき感のする編地であった。
【0029】(比較例2)村田機械33H仮撚加工機に
より、50デニール/24フィラメントのポリエステル
繊維と、75デニール/45フィラメントの銅アンモニ
ア法レーヨン繊維をフィード率を1.5%、エアー圧
1.5kg/cm2 でインターレース加工をした後、D
R=0.98倍、加工速度300m/分、撚数2600
T/M、ヒーター温度170℃で仮撚加工した。得られ
た糸はポリエステル繊維が4.2割、銅アンモニア法レ
ーヨン繊維が5.8外層となりポリエステル繊維と銅ア
ンモニア法レーヨン繊維が内層となる多層構造糸条であ
った。この多層構造糸条により28GGシングル編機で
天竺編地を作成した後、該編地を実施例1と同様の精
練、染色、親水化処理を行った。該天竺編地の目付は1
30g/m2 であった。該編地は水を瞬時に吸水する
が、吸水された水は複合糸条の内層側に移行しにくく糸
条表面に水を保持するため、表面への水の濡れ戻りがや
や多くべとつき感のする編地であった。
【0030】(比較例3)イタリー撚糸機により、給糸
速度10m/分の75デニール/24フィラメントのポ
リエステル繊維に対し、50デニール/30フィラメン
トの銅アンモニア法レーヨン繊維をスピンドル回転数1
万5千rpm、撚数をZ−1500T/Mの条件でカバ
リングした。得られた糸は、銅アンモニア法レーヨン繊
維が7.5割外層となりポリエステル繊維が内層となる
多層構造糸条であった。この多層構造糸条をオートクレ
ーブにより120℃で20分間スチーム熱処理した後、
28GGシングル編機で天竺編地を作成し、該編地は実
施例1と同様の精練、染色、親水化処理を行った。該天
竺編地の目付は125g/m2 であった。該編地は、外
層から吸収した水は殆ど内層、中間層に移行することな
く、外層で水を保持し、水の濡れ戻りが多くべとつき感
のする編地であった。
【0031】(比較例4)石川製作所DTB撚糸機によ
り、100番単糸の綿糸と、75デニール/24フィラ
メントのポリエステル加工糸をZ−500T/Mで撚糸
した。得られた糸により28GGシングル編機で天竺編
地を作製した後、該編地に実施例1と同様の精練、染
色、親水化処理を行った。該天竺編地の目付は130g
/m2 であり、この編地の糸を拡大して見ると、ポリエ
ステル繊維が6.8割外層となり綿糸が内層となる多層
構造糸条であった。該編地は水を瞬時に吸水し、吸水さ
れた水は複合糸条の内層側に移行するが、内層での水の
拡散が不十分なため、表面への水の濡れ戻りも多くべと
つき感のする編地であった。又、乾燥性も悪かった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の多層構造糸条
及び該糸条からなる多層構造布帛は、多層構造糸条表面
に供給された水分が、内層及び/又は中間層へ素速く移
行し、内層及び/又は中間層で拡散して保持されるため
に、外からの圧力等により多層構造糸条表面に水が濡れ
戻ることが少なく、少量発汗時はもちろん多量発汗時に
おいても表面がべとつかず、さらっとした快適な肌触り
となる布帛用の糸条となり、かつ乾燥性も優れ着用時及
び着用後の冷え感や不快感も防止できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二層以上の多層構造糸条であって、最外
    層が疎水性繊維で構成されており、内層及び/又は中間
    層の少なくとも一部がセルロースマルチフィラメント繊
    維で構成されていることを特徴とする多層構造糸条。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層構造糸条からなるこ
    とを特徴とする多層構造布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002266207A (ja) * 2001-03-15 2002-09-18 Teijin Ltd 吸水速乾性織編物
KR100486887B1 (ko) * 2002-12-13 2005-05-03 벤텍스 주식회사 2층구조를 갖는 온도조절형 속건성 섬유
KR100486885B1 (ko) * 2002-12-06 2005-05-03 벤텍스 주식회사 3층구조를 갖는 온도조절형 흡수속건성 섬유

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