JPH10256271A - 電界効果トランジスタおよび高周波電力増幅器 - Google Patents

電界効果トランジスタおよび高周波電力増幅器

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JPH10256271A
JPH10256271A JP9056442A JP5644297A JPH10256271A JP H10256271 A JPH10256271 A JP H10256271A JP 9056442 A JP9056442 A JP 9056442A JP 5644297 A JP5644297 A JP 5644297A JP H10256271 A JPH10256271 A JP H10256271A
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JP
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drain
region
layer
impurity
effect transistor
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JP9056442A
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Inventor
Mayumi Moritsuka
塚 真由美 森
Yoshiaki Kitaura
浦 義 昭 北
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching, or capacitors or resistors with at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof  ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/76Unipolar devices, e.g. field effect transistors
    • H01L29/772Field effect transistors
    • H01L29/80Field effect transistors with field effect produced by a PN or other rectifying junction gate, i.e. potential-jump barrier
    • H01L29/812Field effect transistors with field effect produced by a PN or other rectifying junction gate, i.e. potential-jump barrier with a Schottky gate

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力変換効率が高く、かつドレイン効率およ
び歩留まりを可及的に高くすることを可能にする。 【解決手段】 半導体基板1の表面領域に形成された第
1導電型の動作層3と、この動作層上に形成されたゲー
ト電極4と、ゲート電極の両側の半導体基板に形成され
た、動作層よりも不純物濃度の高い第1導電型のソース
領域8bおよびドレイン領域8bと、ゲート電極下のチ
ャネル領域とソース領域の間およびチャネル領域とドレ
イン領域の間の半導体基板に形成され、ソース領域およ
びドレイン領域とほぼ同じ深さでかつ不純物濃度がチャ
ネル領域よりも高くソース領域およびドレイン領域より
も低い第1導電型の第1および第2の不純物領域6a,
6bと、を備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界効果トランジス
タおよびこのトランジスタを有する高周波電力増幅器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話用電力増幅器には、電力
変換効率が高く線形性の良いGaAsショットキ接合型
電界効果トランジスタ(以下、MESFET(MEtal Se
miconductor Field Effect Transistor )ともいう)が
用いられている。このMESFETの構造はリセス型構
造が主であったが、より低コストで、低電圧で動作可能
となるセルフアライ構造に切り替わりつつある。ゲート
長の短いセルフアライ構造の従来のMESFETの構成
を図9に示す。
【0003】図9に示すように、半絶縁性GaAs基板
(以下、単に基板ともいう)81に短チャネル効果を抑
制するためのp型の不純物層82が形成されている。そ
してこのp型の不純物層82の表面領域にn型の動作層
83が形成され、この動作層83上にショットキゲート
電極84が形成されている。またこのゲート電極84を
挟むように、不純物層82にn型の不純物層(以下、中
間層ともいう)86a,86bが形成され、これらの中
間層86aおよび86bの外側の不純物層82にはn型
のソース領域88aおよびドレイン領域88bが形成さ
れている。
【0004】この構造MESFETにおいてはソース側
及びドレイン側の中間層86a,86bは通常、ソース
領域88a及びドレイン領域88bの半分程度の深さ
で、ソース領域88a及びドレイン領域88bとほぼ同
等の不純物濃度とすることによって、動作層下のポテン
シャルが低下するのを防いで短チャネル効果を抑制し、
しかも寄生抵抗を低減して、高いトランスコンダクタン
スと、低いオン抵抗を実現している。ところが、この構
造のMESFETのドレイン耐圧は6V程度であり、電
源電圧が3V程度の電力増幅器に利用するには十分とは
言い難い。このため、図10に示すようにドレイン側の
中間層86bを形成せず、動作層83を延長してドレイ
ン領域88bに接続することにより耐圧を上昇させる構
造(M.Nagaoka, et.al, SSDM93, PD-2-1)や、ドレイン
側の中間層86bを長くする構造(S.Murai, et.al IEE
E GaAs IC Symp. Dig., pp139-142, 1992 )が用いられ
てきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の構造は非対称構造となるため、製造工程で精密なマス
ク合わせが必要となり、歩留まりが大幅に低下し、製造
コストが上がるという問題があった。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、第1の目的は、電力変換効率が高く、かつド
レイン耐圧および歩留まりを可及的に高くすることので
きる電界効果トランジスタを提供することにあり、第2
の目的は電源電圧が広範囲に変動しても可及的に信頼性
の高い高周波電力増幅器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による電界効果ト
ランジスタの第1の態様は、半導体基板の表面領域に形
成された第1導電型の動作層と、この動作層上に形成さ
れたゲート電極と、前記ゲート電極の両側の前記半導体
基板に形成された、前記動作層よりも不純物濃度の高い
第1導電型のソース領域およびドレイン領域と、前記ゲ
ート電極下のチャネル領域と前記ソース領域の間および
前記チャネル領域と前記ドレイン領域の間の半導体基板
に形成され、前記ソース領域およびドレイン領域とほぼ
同じ深さでかつ不純物濃度がチャネル領域よりも高く前
記ソース領域およびドレイン領域よりも低い第1導電型
の第1および第2の不純物領域と、を備えていることを
特徴とする。
【0008】本発明による電界効果トランジスタの第2
の態様は、前記第1および第2の不純物領域の不純物濃
度は前記ソース領域およびドレイン領域の不純物濃度の
1/2から1/10であることを特徴とする。
【0009】本発明による電界効果トランジスタの第3
の態様は、前記第1および第2の不純物領域の下部の前
記半導体基板に前記第1導電型と異なる第2導電型の不
純物層が形成されていることを特徴とする 本発明による電界効果トランジスタの第4の態様は、前
記第1および第2の不純物領域の長さが0.4μm〜
0.7μmの範囲にあることを特徴とする。
【0010】本発明による電界効果トランジスタの第5
の態様は、請求項1乃至4のいずれかに記載の第1乃至
第n(≧2)の電界効果トランジスタを有し、前記第1
乃至第nの電界効果トランジスタの各々は、ドレインが
チョークコイルを介して第1の電源に接続され、ソース
が第2の電源に接続され、前記第1の電界効果トランジ
スタのゲートに入力信号を受け、第i(i=1,…n−
1)の電界効果トランジスタのドレインが第i+1の電
界効果トランジスタのゲートに接続され、前記第nの電
界効果トランジスタのドレインから出力信号が出力され
ることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による電界効果トランジス
タの第1の実施の形態の構成を図1に示す。この実施の
形態の電界効果トランジスタはMESFETであって、
図1に示すように半絶縁性GaAs基板1上に短チャネ
ル効果を抑制するためのp型の不純物層2が形成されて
いる。そしてこの不純物層2の表面領域にはn型の動作
層3が形成され、この動作層3上には例えば窒化タング
ステンからなるショットキゲート電極4が形成されてい
る。
【0012】また、このゲート電極4を挟むように不純
物層2にn型の不純物領域(以下、中間濃度領域ともい
う)6a,6bが形成され、これらの中間濃度領域6
a,6bの外側の不純物層2にはn型のソース領域8a
およびドレイン領域8bが形成されている。なお、図示
はしないがこれらのソース領域8aおよびドレイン領域
8b上にはソース電極およびドレイン電極が形成され
る。
【0013】ソース領域8aおよびドレイン領域8b
は、不純物濃度が動作層3よりも高く、かつ深く形成さ
れている。また、中間濃度領域6aおよび6bは、ソー
ス領域8aおよびドレイン領域8bの不純物濃度と、動
作層3の不純物濃度との間の不純物濃度を有し、ソース
領域8aおよびドレイン領域8bとほぼ同じ深さとなる
ように形成されている。
【0014】この第1の実施の形態のMESFETは次
のようにして形成される。
【0015】まず半絶縁性GaAs基板上1に不純物、
例えばMgを、ピーク深さ0.2μmで5×1016cm
-3のピーク濃度となるよう選択イオン注入してp型不純
物層2を形成する。次にn型の不純物例えばSiをピー
ク深さ0.025μmでピーク濃度が8×1017cm-3
となるよう選択的にイオン注入してn型の動作層3を形
成する。さらにこの動作層3上に高融点金属例えば窒化
タングステンからなるショットキゲート電極4を、長さ
0.8μm形成する。その後、不純物例えばSiを、ピ
ーク深さ0.1μmで3×1017cm-3のピーク濃度と
なる条件で、ゲート電極4をマスクとしてイオン注入
し、n型のソース側中間濃度層6aとドレイン側中間濃
度層6bを自己整合的に形成する。
【0016】次にゲート電極4の両側に、たとえば0.
3μmのSiO2 側壁(図示せず)を形成し、この側壁
をマスクとして、n型の不純物を、ピーク深さ0.1μ
m、ピーク濃度が2×1018cm-3となるよう自己整合
的にイオン注入し、ソース領域8aとドレイン領域8b
を形成する。この製造基本プロセスは、図9に示す従来
のBP−LDD(Buried P-layer-Lightly Deped Drai
n)構造と同じで、ゲート電極4に対して、動作層3、
ソース側中間濃度層6aとドレイン側中間濃度層6b、
ソース領域8aとドレイン領域8bが全て自己整合で形
成されるため、高い精度でのマスク合わせを必要とせ
ず、高歩留まりで、均一な素子を製造することができ
る。
【0017】このようにして形成された本実施の形態の
MESFETの特性を、図9に示す従来のBP−LDD
構造のMESFET、およびPHS用の電力増幅器(以
下、PAともいう)に用いられる図10に示す非対称構
造のMESFETの特性と比較した結果を下記の表1に
示す。
【0018】
【表1】 この表1から分かるように本実施の形態の構造は従来の
BP−LDD構造より耐圧が高く、PHS用PAに利用
できるだけの十分な耐圧が得られた。また、トランスコ
ンダクタンスは従来のBP−LDD構造と同様に高く、
従来のPA用素子より高い。ソースドレイン抵抗は、従
来のBP−LDD構造と同等で、PA用素子より低い。
従って、従来のPA素子よりも、高効率の素子となるこ
とが期待できる。歩留まりは、従来のPA用素子より高
くなり、より低コストでの生産が可能であることが確認
できた。
【0019】本実施の形態の構造が、従来のBP−LD
D構造に比べてドレイン耐圧が高くなる効果は以下のよ
うに説明できる。ドレイン耐圧を決めている要素の一つ
はインパクトイオン化によるキャリアの発生である。こ
のインパクトイオン化現象は電界強度が大きい領域で、
電流密度が高くなると、キャリヤの発生が多くなるとい
うものである。従来のBP−LDD構造のMESFET
では、図3に示すキャリア発生分布のシミュレーション
結果から分かるようにドレイン側中間濃度層6b内部
で、電界強度、電流密度がともに高くなり、キャリアの
発生率が高くなる。例えば、ドレイン側のゲート端では
キャリアの発生密度は1022cm-3-1にもなってい
る。
【0020】そこで、本実施の形態のように中間濃度層
の深さを深くすることにより電界強度の強いドレイン側
中間濃度領域6bの電流密度を下げ、これによりキャリ
アの発生を抑え、耐圧を上昇させることができる。
【0021】本実施の形態の構造はドレイン電圧を高く
したときに、MESFETの内部で電界強度が最も高く
なるドレイン側の中間濃度層6bで、電流密度を低下さ
せ、深さ方向に幅広く電流を流すことにより、ドレイン
抵抗を増加させること無く、耐圧を上昇させている。ソ
ース側の中間濃度領域6aも同様の構造とすれば対称構
造となり、セルフアラインゲートの利点を生かして高精
度のマスク合わせを必要とせず製造でき、寄生のソース
抵抗も低減させることができる。
【0022】このことは図2に示すシミュレーション結
果からも明らかである。図2は第1の実施の形態のME
SFETにおけるキャリア発生分布のシミュレーション
結果を示したものである。この図2から分かるように第
1の実施の形態のMESFETにおいては、ドレイン側
中間濃度領域6b内部のキャリア発生量は、最大で10
20cm-3-1であり、従来のBP−LDD構造のMES
FETに比べて、2桁小さい値となっている。これによ
り耐圧が上昇している。
【0023】次に本発明によるトランジスタの第2の実
施の形態の構成を図4に示す。この実施の形態のトラン
ジスタは図1に示す第1の実施の形態のトランジスタに
おいて、p型の不純物層2を、動作層3下には形成せず
中間濃度領域6a,6bおよびソース領域8a、ドレイ
ン領域8bと基板1との接合面を含む基板1の領域にp
型の不純物層(以下、p型層ともいう)5a,5bを形
成したものである。
【0024】このような構成とすることにより、動作層
3下のポテンシャルが第1の実施の形態ほど高くないた
め、同じしきい値を、より低いドーズ量で実現できる。
これにより第1の実施の形態のトランジスタに比べてゲ
ート電極4の界面での電界強度を低減でき、このゲート
電極4の界面でのインパクトイオン化によるキャリアの
発生を抑制することが可能となり、ドレイン耐圧を更に
上昇させることができる。
【0025】この第2の実施の形態のトランジスタは、
p型層5a,5bの形成を除いて第1の実施の形態のト
ランジスタと同様にして、実現することができる。中間
濃度領域6a,6bとソース領域8a、ドレイン領域8
bを囲むように形成するp型層5a,5bはゲート電極
4を形成したのち、p型層5a,5bとなる不純物を、
例えばピーク深さ0.2μm、ピーク濃度5×1016
-3となるようイオン注入することで形成することがで
きる。このようにして製作したFETの性能は下の表2
のようになった。
【0026】
【表2】 第1の実施の形態と第2の実施の形態の特性を比較する
と、ドレイン耐圧は第2の実施の形態の方が高く、トラ
ンスコンダクタンスは第1の実施の形態の方が高い。F
ETの効率は、一般にはドレイン耐圧が高く、かつトラ
ンスコンダクタンスが高いものほど、高い値が得られる
と言われている。1.9GHzのPHSシステムへの応
用を考えると、高効率と同時に隣接チャネル漏洩電力が
十分に小さいことも必要条件である。そこで、隣接チャ
ネル漏洩電力が−59dBc以下の条件を満たす範囲の
中で、最大効率を比較したところ、第1の実施の形態の
MESFETは、最大効率が37%、第2の実施の形態
のMESFETでは47%となり、第2の実施の形態の
方が高い結果が得られた。従来の素子が35%であった
ので、第2の実施の形態では、歩留まりのみならず、効
率も従来構造の素子より向上させることができた。
【0027】上述の説明では、動作層の下にp型層を形
成した構造と、p型層がソースおよびドレイン側の中間
濃度領域6a,6bとソースドレイン領域8a,8bの
周囲に形成された構造を例に挙げて述べたが、ゲート長
が長い場合には、p型層を形成しない構造としても同様
の効果が得られる。
【0028】上記第1および第2の実施の形態のMES
FETにおいては、ドレイン耐圧は7.8V以上であ
り、電源電圧が3Vの電力増幅器に応用することが可能
となる。ところがPHSへの応用という観点から見る
と、電源電圧は使用中に次第に低下するため、平均的に
は3Vの電源電圧であっても、使用初期には3.3Vか
ら4.5V程度と、3Vよりもかなり高い電圧となる。
このような電源電圧が高い状態ではドレイン電流が増加
して効率が低下するおそれがある。
【0029】そこで、本発明者は上記第1または第2の
実施の形態のMESFETにおいて、中間濃度領域6
a,6bの長さを変えた場合のドレイン耐圧とトランス
コンダクタンスへの影響について考察した。この考察結
果を、図5及び図6を参照して説明する。
【0030】中間濃度層の長さを0.25から0.5μ
mに長くすると、ドレイン耐圧は8.4Vから12.7
Vに高くなった(図5のグラフg1 参照)。一方、トラ
ンスコンダクタンスは280から270mS/mmとほ
ぼ同じである(図5のグラフg2 参照)。しかしなが
ら、中間濃度領域6a,6bをさらに長くして1μmと
しても、耐圧はほとんど変化せず、トランスコンダクタ
ンスは200mS/mmに低下した。従ってこの例では
中間濃度領域6a,6bの長さが0.5μmとすれば、
最も高耐圧で、かつ高トランスコンダクタンスを実現で
きる。
【0031】中間濃度領域6a,6bの長さを長くする
と、耐圧が上昇する現象は以下のように説明できる。図
6(a)乃至図6(c)は二次元デバイスモデルを用い
て素子内部のインパクトイオン化によるキャリア発生の
様子をシミュレーションした結果を示す図である。図6
(a)は中間濃度領域6a,6bの長さが0.25μ
m、図6(b)は0.5μm、図6(c)は1.0μm
であるMESFETのシミュレーション結果である。ド
レイン電圧は、図6(a)が10V、図6(b)が9
V、図6(c)が9Vで、ゲート電圧は全て−0.2V
である。図中の等高線は指数表示で、16以上を、指数
1ごとに表示している。すなわち図中で16は1016
-3-1を意味する。同時にn型層とp型層6a,6b
あるいは基板1との界面も表示している。
【0032】図6(a)ではX座標の0.4から0.6
5μm、Y座標の0から−0.2μmの部分がドレイン
側の中間層に当たる。インパクトイオン化によるキャリ
ア発生は主にこの領域で生じており、その発生量は10
23cm-3-1と、高密度である。
【0033】一方、図6(b)では、X座標の0.4か
ら0.9μmの部分がドレイン側中間層となるが、この
領域のキャリア発生は図6(a)に比べて一桁程度小さ
くなっている。ゲートのドレイン端のキャリア発生も一
桁小さく1022のオーダーである。これは中間濃度領域
6a,6bを長くしたことにより、この領域のX方向の
電界強度が低減し、インパクトイオン化を抑制できたた
めと考えられる。
【0034】図6(c)においては、X座標の0.4か
ら1.4μmの範囲が中間濃度領域6a,6bとなる
が、キャリア発生の様子は図6(b)とほぼ同様であ
る。これはインパクトイオン化に寄与する電界は電流方
向に沿ったものであり、X方向の電界だけでなく、Y方
向の電界も考慮しなければならないことによる。中間濃
度領域6a,6bの内部はY方向に不均一な不純物濃度
となっていることに起因するY方向の電界と、表面に準
位が高密度に存在して負の電荷が蓄積していることに起
因するY方向の電界が存在する。このような電界強度は
中間濃度領域の長さを変えることでは変化しない。この
ため、中間濃度領域6a,6bを長くしてX方向の電界
強度を低減しても、Y方向の電界強度は一定の強度のま
まのこり、インパクトイオン化の低減にも限りがある。
そのため、中間濃度領域6a,6bの長さを大きくして
も、図6(c)の場合にはキャリア発生が図6(b)と
同様で、耐圧の増加が現れないと考えられる。
【0035】一方、中間濃度領域6a,6bを長くする
ことによるトランスコンダクタンスの低下は、ソース側
中間濃度領域6aのシートキャリア濃度がソース領域8
aよりも低いことによる。中間濃度領域6aが長いほど
寄生のソース抵抗が大きくなり、トランスコンダクタン
スは低下する。
【0036】上記の例では中間濃度領域の長さが0.5
μmが最適であったが、中間濃度領域の不純物濃度分布
により、最適の長さは変動し、通常イオン注入で作成さ
れる条件の範囲を考慮すると、最適の長さは0.4から
0.7μmとなる。
【0037】以上説明したように、高耐圧で高トランス
コンダクタンスのGaAsMESFETを製造できるた
め、電源電圧が3から4.5Vと広範囲に変動しても常
に高効率で動作するパワーアンプを実現できる。またこ
の素子はスイッチや低雑音増幅器など様々な高周波アナ
ログ回路を実現することもでき、さらにこれらを同一チ
ップで集積化するアナログICを実現することも可能で
ある。
【0038】次に上記実施の形態のMESFETを携帯
無線端末用の高周波電力増幅器に用いた場合について図
7および図8を参照して説明する。
【0039】図7は、移動体通信装置の要部を説明する
ブロック図である。図中で30はデジタルブロックであ
り、送信時においては、図示しないマイクロホンなどか
ら入力した送信すべきアナログ信号をデジタル信号に変
換し、このデジタル信号を信号処理技術により帯域圧縮
する。また受信時においては、受信したデジタル信号を
信号処理技術により帯域伸長し、これをアナログ信号に
変換し、図示しないスピーカを駆動する信号を出力する
ものである。32は送信すべき信号を変調するミキサー
であり、デジタルブロック30から入力した帯域圧縮さ
れデジタル信号を電圧制御発振器34からの1.9MH
zの局部発振信号を用いてπ/4シフトQPSK変調な
どを行い、この変調出力をMMICとして実現されてい
る高周波電力増幅器36へ出力する。高周波電力増幅器
36で送信電力まで増幅された信号は、送受信を切り替
えるスイッチ38を介してアンテナ40へ伝搬し、この
アナテナが励振することにより信号が送信される。
【0040】他方、受信の際には、アンテナ40が受信
した信号がスイッチ38を介して低雑音増幅器42に入
力され、この低雑音増幅器42により所望の信号レベル
に増幅された後、ミキサー44に出力される。このミキ
サー44は電圧制御発振器34からの局部発振信号を用
いて受信信号を検波・復調し、これをデジタルブロック
30に出力する。
【0041】なお、図7において図示は省略するが、こ
の移動体通信装置にはキー入力をするためのキーボー
ド、1次電池または2次電池などを電源とする電源回路
なども備えている。また、この例では高周波電力増幅器
36をMMICで実現しているが、スイッチ38、低雑
音増幅器42等もこのMMICに搭載してもよい。
【0042】図8は上記高周波電力増幅器36の細部を
示す回路図である。ミキサー32からの変調された送信
信号は入力端子50に供給される。この送信信号はイン
ピーダンス整合をとる周知のインピーダンス整合回路5
2を介して前段のMESFET54のゲートに供給され
る。このMESFET54のソースは接地されており、
ドレインにはチョークコイル56を介して例えば3Vの
電源電位が供給されている。なお、この電源電位は移動
体通信装置に搭載する例えばリチウムイオン2次電池の
供給電圧に対応している。また、MESFET54のド
レインは前段と後段の間のインピーダンス整合をとる周
知の段間整合回路58を介して後段のMESFET60
のゲートに供給される。このMESFET60は前段の
MESFET54と同様に、ソースは接地され、ドレイ
ンにはチョークコイル62を介して電源電位が供給され
ている。また、後段のMESFET60のドレインはイ
ンピーダンス整合をとる周知のインピーダンス整合回路
64を介してスイッチ38と接続する出力端子66に接
続している。これらのMESFET54,60には上述
の本発明の電界効果トランジスタが用いられる。
【0043】なお、ここでは高周波電力増幅器を2段の
MESFETで構成した例を示したが、必要に応じて3
段以上の多段構成にしてもよい。この場合は前段のME
SFET54のドレインと後段のMESFET60のゲ
ートの間に所望の数のMESFETを直前のMESFE
Tのドレインと当該MESFETのゲートを接続するよ
うに設ければよい。また、このとき必要に応じて直前の
MESFETのドレインと当該MESFETのゲートの
間に段間整合回路を設けてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電界効果ト
ランジスタによれば、電力変換効率が高く、かつドレイ
ン耐圧および歩留まりを可及的に高くすることができ
る。
【0045】また本発明の高周波電力増幅回路によれ
ば、電源電圧が広範囲に変動しても可及的に信頼性の高
い高周波電力増幅器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す断面
図。
【図2】第1の実施の形態のトランジスタのキャリア発
生分布を示す図。
【図3】従来のBP−LDD構造のトランジスタのキャ
リア発生分布を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の構成を示す断面
図。
【図5】中間濃度領域の長さに対するドレイン耐圧およ
びトランスコンダクタンスの特性を示すグラフ。
【図6】中間濃度領域の長さが異なる場合のキャリア発
生分布を示す図。
【図7】携帯端末装置の構成を示すブロック図。
【図8】高周波電力増幅器の構成を示す回路図。
【図9】従来のMESFETの構成を示す断面図。
【図10】従来のMESFETの他の構成を示す断面
図。
【符号の説明】
1 半絶縁性GaAs基板 2 p型の不純物層 3 動作層(チャネル層) 4 ゲート電極 5a,5b p型の不純物層 6a,6b 中間濃度領域 8a ソース領域 8b ドレイン領域 30 デジタルブロック 32 ミキサー 34 電圧制御発振器 36 高周波電力増幅器 38 スイッチ 40 アンテナ 42 低雑音増幅器 44 ミキサー 50 入力端子 52 インピーダンス整合回路 54 MESFET 56 チョークコイル 58 整合回路 60 MESFET 62 チョークコイル 64 インピーダンス整合回路 66 出力端子 81 半絶縁性GaAs基板 82 p型の不純物層 83 動作層 84 ゲート電極 86a,86b 中間層 88a ソース領域 88b ドレイン領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板の表面領域に形成された第1導
    電型の動作層と、 この動作層上に形成されたゲート電極と、 前記ゲート電極の両側の前記半導体基板に形成された、
    前記動作層よりも不純物濃度の高い第1導電型のソース
    領域およびドレイン領域と、 前記ゲート電極下のチャネル領域と前記ソース領域の間
    および前記チャネル領域と前記ドレイン領域の間の半導
    体基板に形成され、前記ソース領域およびドレイン領域
    とほぼ同じ深さでかつ不純物濃度がチャネル領域よりも
    高く前記ソース領域およびドレイン領域よりも低い第1
    導電型の第1および第2の不純物領域と、 を備えていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】前記第1および第2の不純物領域の不純物
    濃度は前記ソース領域およびドレイン領域の不純物濃度
    の1/2から1/10であることを特徴とする請求項1
    記載の電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】前記第1および第2の不純物領域の下部の
    前記半導体基板に前記第1導電型と異なる第2導電型の
    不純物層が形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】前記第1および第2の不純物領域の長さが
    0.4μm〜0.7μmの範囲にあることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の電界効果トランジス
    タ。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の第1乃
    至第n(≧2)の電界効果トランジスタを有し、 前記第1乃至第nの電界効果トランジスタの各々は、ド
    レインがチョークコイルを介して第1の電源に接続さ
    れ、ソースが第2の電源に接続され、 前記第1の電界効果トランジスタのゲートに入力信号を
    受け、 第i(i=1,…n−1)の電界効果トランジスタのド
    レインが第i+1の電界効果トランジスタのゲートに接
    続され、 前記第nの電界効果トランジスタのドレインから出力信
    号が出力されることを特徴とする高周波電力増幅器。
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