JPH10256178A - レーザ熱処理方法及びその装置 - Google Patents

レーザ熱処理方法及びその装置

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JPH10256178A
JPH10256178A JP5334097A JP5334097A JPH10256178A JP H10256178 A JPH10256178 A JP H10256178A JP 5334097 A JP5334097 A JP 5334097A JP 5334097 A JP5334097 A JP 5334097A JP H10256178 A JPH10256178 A JP H10256178A
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JP
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temperature
processed
heat treatment
laser
laser beam
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JP5334097A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Gotou
訓顕 後藤
Hiroshi Ito
弘 伊藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、被処理物を長時間にわたって熱処理
温度以上に維持して被処理物を改質する。 【解決手段】被処理物3に膜損傷を発生させる温度以上
とならない強度の第1のパルスレーザ光L1 を照射し、
この第1のパルスレーザ光L1 の照射後、下地2の温度
が最も高くなったときに被処理物3に対して被処理物3
に膜損傷を発生させずかつ被処理物3の熱処理温度Tp
以上となる強度の第2のパルスレーザ光L2を照射す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば基板上に形
成された薄膜に対してパルスレーザ光を照射して微細な
配線を形成するなどの膜質の改質を行なうレーザ熱処理
方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置や液晶表示装置などの製造工
程においては、基板に形成された薄膜に対してパルスレ
ーザ光を照射し、薄膜を熱処理温度以上に加熱すること
により、膜質の改質等の熱処理を行なっている。
【0003】このような熱処理においては、図4に示す
ように、薄膜等の被処理物の温度が被処理物の熱処理温
度TP以上に維持された時間tpの間だけ被処理物が改質
され、tpの時間がある時間以上保持されなければ改質
が起こらない。
【0004】従って、実際に被処理物の熱処理を行なう
ためには、時間tpはある所定の時間以上でなければな
らない。この時間tpは、図4に示すように、被処理物
に照射するパルスレーザ光の強度が高い程長くすること
ができるが、強度が高すぎると被処理物である薄膜や下
地である基板に損傷を与えてしまうため、パルスレーザ
光の強度は制限される。この結果として時間tpの長さ
も制限される。
【0005】一方、時間tpを長くする方法として薄膜
の形成された基板を高い温度に保持することが行なわれ
ている。図5は基板を高い温度に保持してパルスレーザ
光を照射して熱処理を行なったときの被処理物の温度変
化を示している。
【0006】この図から分かるように基板を高い温度に
保持してパルスレーザ光を照射することによって、時間
pを長くすることができる。すなわち、パルスレーザ
光の照射により加熱された被処理物は、この被処理物と
接している下地への熱伝導によりその温度は低下してい
く。このときの温度の低下する速度は、被処理物とこの
被処理物と接しいる下地との温度差の小さいほぼ遅くな
る。
【0007】なお、図5は2つの基板(下地)保持温度
の場合の被処理物の温度変化を示している。この結果、
被処理物の最高到達温度は同じでも、図5に示すように
下地温度が高いほど、時間tpは長くなる。
【0008】このような事から、被処理物及びその下地
を含めた基板全体をヒータ等により常温以上に保持した
状態で、被処理物にパルスレーザ光を照射する方法が一
般的に行なわれている。
【0009】しかしながら、被処理物及びその下地を含
めた基板全体を常温以上に保持してパルスレーザ光を照
射する方法では、基板を長い時間高い温度で保持する
と、熱処理温度に比べてかなり低い温度でも、基板ダメ
ージを与えてしまい、保持時間にも制限がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、被処理
物を改質させるための時間tpをパルスレーザ光の強度
を高くすることで長くできるが、強度が高すぎると被処
理物である薄膜や下地である基板に損傷を与えてしまう
ためパルスレーザ光の強度は制限され、時間tpの長さ
も制限される。
【0011】又、被処理物及びその下地を含めた基板全
体を常温以上に保持しても、この保持温度が熱処理温度
に比べてかなり低くても、基板ダメージを与えてしま
い、保持時間にも制限がある。
【0012】そこで本発明は、被処理物を長時間にわた
って熱処理温度以上に維持して被処理物の改質ができる
レーザ熱処理方法及びその装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、被処
理物にパルスレーザ光を照射して被処理物を熱処理する
レーザ熱処理方法において、被処理物に対して損傷を発
生させる温度以上とならない強度のパルスレーザ光を照
射し、この後、被処理物に対して被処理物に損傷を発生
させずかつ被処理物の溶融温度以上となる強度のパルス
レーザ光を少なくとも1回所定の間隔で照射するレーザ
熱処理方法である。
【0014】請求項2によれば、下地上に載置された被
処理物にパルスレーザ光を照射して被処理物を熱処理す
るレーザ熱処理方法において、被処理物に損傷を発生さ
せる温度以上とならない強度の第1のパルスレーザ光を
照射する第1の工程と、第1のパルスレーザ光の照射
後、下地の温度が最も高くなったときに被処理物に対し
て被処理物に損傷を発生させずかつ被処理物の溶融温度
以上となる強度の第2のパルスレーザ光を照射する第2
の工程と、を有するレーザ熱処理方法である。
【0015】請求項3によれば、請求項2記載のレーザ
熱処理方法において、第1のパルスレーザ光及び第2の
パルスレーザ光の波長を等しくしている。請求項4によ
れば、請求項1記載のレーザ熱処理方法において、損傷
を発生させる温度は1000℃以上であり、溶融温度は
700℃である。
【0016】請求項5によれば、被処理物にパルスレー
ザ光を照射して被処理物を熱処理するレーザ熱処理装置
において、パルスレーザ光を強度可変に出力するレーザ
出力手段と、このレーザ出力手段から出力される前記パ
ルスレーザ光を、被処理物に対して損傷を発生させる温
度以上とならない強度に制御し、この後、被処理物に対
して被処理物に損傷を発生させずかつ被処理物の溶融温
度以上となる強度でかつ少なくとも1つ所定の間隔で出
力制御する出力制御手段と、を備えたレーザ熱処理装置
である。
【0017】請求項6によれば、下地上に載置された被
処理物にパルスレーザ光を照射して被処理物を熱処理す
るレーザ熱処理装置において、パルスレーザ光を強度可
変に出力する2台のレーザ装置と、これらレーザ装置う
ち一方のレーザ装置から被処理物に対して損傷を発生さ
せる温度以上とならない強度のパルスレーザ光を出力制
御する第1の出力制御手段と、一方のレーザ装置からパ
ルスレーザ光を出力した後、下地の温度が最も高くなっ
たときに他方のレーザ装置から被処理物に対して被処理
物に損傷を発生させずかつ被処理物の溶融温度以上とな
る強度のパルスレーザ光を出力制御する第2の出力制御
手段と、を備えたレーザ熱処理装置である。
【0018】請求項7によれば、請求項4又は5記載の
レーザ熱処理装置において、パルスレーザ光をカライド
スコープを通過させて被処理物に照射する。請求項8に
よれば、請求項5記載のレーザ熱処理装置において、2
台のレーザ装置は、それぞれ同一波長のパルスレーザ光
を出力する。請求項9によれば、請求項5又は6記載の
レーザ熱処理装置において、損傷を発生させる温度は1
000℃以上であり、溶融温度は700℃である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について図面を参照して説明する。本発明のレーザ熱処
理方法は、基板等の下地上に形成されたシリコン化合物
などから成る薄膜等の被処理物に対して膜の損傷を発生
させる温度例えば1000℃以上とならない強度のパル
スレーザ光を照射し、この後、被処理物に対してこの被
処理物に膜の損傷を発生させずかつ被処理物の溶融温度
例えば700℃となる強度のパルスレーザ光を少なくと
も1つ所定の間隔で照射するものである。
【0020】より具体的には、被処理物に膜損傷を発生
させる温度例えば1000℃以上とならない強度の第1
のパルスレーザ光を照射する第1の工程と、この第1の
パルスレーザ光の照射後、下地の温度が最も高くなった
ときに被処理物に対してこの被処理物に膜損傷を発生さ
せずかつ被処理物の溶融温度例えば700℃以上となる
強度の第2のパルスレーザ光を照射する第2の工程とを
有している。
【0021】すなわち、図1はパルスレーザ光照射後の
被処理物及びこれに接する下地の温度変化を示す。第1
のパルスレーザ光を照射することにより、従来技術のヒ
ータ加熱では基板へのダメージにより制限されている温
度より、はるかに高い温度まで被処理物と接する下地が
加熱される。
【0022】この場合、下地が加熱されている時間は、
1s以下と非常に短時間であるため、基板はダメージを
受けない。このように高い温度状態にある被処理物及び
これに接する下地に対して、第2のパルスレーザ光を照
射するので、従来技術に比べ、長い時間、被処理物を熱
処理温度以上に維持することが可能となる。
【0023】又、本発明は、第1及び第2のパルスレー
ザ光を同一波長を用いる。一般的にレーザ光の膜での吸
収は、波長により大きく依存しており、最もよく吸収さ
れるレーザ光の波長は決まっている。
【0024】この事から、第1のパルスレーザ光と第2
のパルスレーザ光とも、最も膜に吸収される波長を用い
ることにより、非常に効率のよい熱処理が可能となる。
又、同一波長の第1及び第2のパルスレーザ光を合成す
る方法として、カライドスコープを用い、カライドスコ
ープを出射したレーザ光を結像レンズで被処理物面上に
結像する方法を用いれば、第1及び第2のパルスレーザ
光が同一波長である事から、第1のパルスレーザ光と第
2のパルスレーザ光とも、被処理物面上の全く同一位置
に、完全に同一の形状でかつ強度分布を均一化した状態
で照射でき、レーザ光の照射部分全体を均一に熱処理で
きる。
【0025】次に本発明の第1の実施の形態について具
体的に説明する。図2はレーザ熱処理装置の構成図であ
る。ヒータテーブル1上には、基板等の下地2が載置さ
れている。この下地2は、その表面上に薄膜等の被処理
物3が形成されている。
【0026】このヒータテーブル1は、被処理物3及び
下地2が熱影響を受けない最高温度Tbとなるように温
度設定する機能を有している。一方、2台のレーザ装
置、すなわち第1、第2のレーザ装置4、5が設けられ
ている。これら第1及び第2のレーザ装置4、5は、そ
れぞれ同一波長の第1、第2のパルスレーザ光L1 、L
2 を出力するもので、それぞれ第1、第2のパルスレー
ザ光L1 、L2 の強度を独立して設定可能となってい
る。
【0027】これら第1及び第2のレーザ装置4、5の
設定波長は、被処理物3に対して最もよく吸収される波
長となっている。又、第1のレーザ装置4は、被処理物
3に対して膜損傷を発生させる温度例えば1000℃以
上に加熱せず、かつ被処理物3を熱処理温度(溶融温度
例えば700℃)Tp以上に加熱する強度I1 の第1の
パルスレーザ光L1 を出力するように設定されている。
【0028】第2のレーザ装置5は、被処理物3に対し
てこの被処理物3に膜損傷を発生させずかつ被処理物3
を熱処理温度Tp以上に加熱する強度I2 の第2のパル
スレーザ光L2 を出力するように設定されている。
【0029】なお、これら第1及び第2のレーザ装置
4、5は、例えばYAGレーザ、エキシマレーザが用い
られる。又、これら第1及び第2のレーザ装置4、5の
うち第1のレーザ装置4は、駆動装置7から出力される
第1の駆動信号d1 を受けて第1のパルスレーザ光L1
を出力動作し、第2のレーザ装置5は、第1の駆動信号
1 を遅延出力する遅延装置8からの第2の駆動信号d
2 を受けて第2のパルスレーザ光L2 を出力動作するも
のとなっている。
【0030】すなわち、駆動装置7は、第1のレーザ装
置4に対して第1の駆動信号d1 を出力し、この第1の
レーザ装置4から被処理物3に対して膜損傷を発生させ
る温度以上とならない強度の第1のパルスレーザ光L1
を出力制御する第1の出力制御手段としての機能を有し
ている。
【0031】遅延装置8は、第1のレーザ装置4から第
1のパルスレーザ光L1 を出力した後、下地2の温度が
最も高くなったタイミングに第2のレーザ装置5に対し
て第2の駆動信号d2 を出力し、第2のレーザ装置5か
ら被処理物3に対してこの被処理物3に膜損傷を発生さ
せずかつ被処理物3の溶融温度以上となる強度の第2の
パルスレーザ光L2 を出力制御する第2の出力制御手段
としての機能を有している。
【0032】第1のレーザ装置4から出力される第1の
パルスレーザ光L1 の光路上には、各高反射ミラー9、
10が配置され、第1のパルスレーザ光L1 を高反射ミ
ラー11に導くものとなっている。
【0033】第2のレーザ装置5から出力される第2の
パルスレーザ光L2 の光路上には、高反射ミラー11が
配置されている。この高反射ミラー11の反射光路上に
は、入射レンズ12、カライドスコープ13、結像レン
ズ14が同一光軸上に配置されている。
【0034】入射レンズ12は、第1、第2のパルスレ
ーザ光L1 、L2 を集束してカライドスコープ13に入
射するものであり、カライドスコープ13は、これら第
1、第2のパルスレーザ光L1 、L2 を合成するととも
にその強度分布を均一化する光学的な機能を有してい
る。
【0035】結像レンズ14は、カライドスコープ13
の出射面を被処理物3の表面上に結像させるためのもの
である。次に上記の如く構成された装置の作用について
説明する。
【0036】ヒータテーブル1上に被処理物3の形成さ
れた下地2が載置されると、これら被処理物3及び下地
2は、ヒータテーブル1により熱影響を受けない最高温
度Tbに加熱される。
【0037】駆動装置7から第1の駆動信号d1 が出力
されると、第1のレーザ装置4は、第1の駆動信号d1
を受けて第1のパルスレーザ光L1 を出力する。この第
1のパルスレーザ光L1 は、被処理物3に対して膜損傷
を発生させる温度以上に加熱せず、かつ被処理物3を熱
処理温度Tp以上に加熱する強度I1 であり、各高反射
ミラー9〜11をで各反射して入射レンズ12に導かれ
る。
【0038】この第1のパルスレーザ光L1 は、入射レ
ンズ12からカライドスコープ13に入射すると、その
強度分布が均一化されて出射し、結像レンズ14により
被処理物3に結像される。
【0039】このように第1のパルスレーザ光L1 が被
処理物3に照射されると、この被処理物3及び下地2の
温度は、図3に示すように上昇する。この被処理物3の
温度は、第1のパルスレーザ光L1 が被処理物3に照射
されてからt1 秒後に熱処理温度Tp以上の最高到達温
度に達し、その後低下していき、tp1 時間の間、熱処
理温度Tp以上が維持される。なお、時間tp1 は、従来
技術における熱処理温度Tp以上の温度の維持時間であ
る。
【0040】下地2の温度は、被処理物3の温度が最高
到達温度に達した後も上昇を続け、被処理物3の温度が
最高到達温度に達してからt2 秒後に最高到達温度に達
する。
【0041】続いて、遅延装置8は、駆動装置7から出
力された第1の駆動信号d1 を入力し、第1のレーザ装
置4から第2のパルスレーザ光L1 を出力した後、下地
2の温度が最も高くなったタイミング、すなわち第1の
駆動信号d1 を入力してから(t1 +t2 )秒後に第2
の駆動信号d2 を第2のレーザ装置5に対して出力す
る。
【0042】この第2のレーザ装置5は、第2の駆動信
号d2 を受けて第2のパルスレーザ光L2 を出力する。
この第2のパルスレーザ光L2 は、被処理物3に対して
この被処理物3に膜損傷を発生させずかつ被処理物3を
熱処理温度Tp以上に加熱する強度I2 であり、高反射
ミラー11で反射して入射レンズ12に導かれる。
【0043】この第2のパルスレーザ光L2 は、入射レ
ンズ12からカライドスコープ13に入射すると、その
強度分布が均一化されて出射し、結像レンズ14により
被処理物3に結像される。
【0044】このように第2のパルスレーザ光L2 が被
処理物3に照射されると、この被処理物3及び下地2の
温度は、再び図3に示すように上昇する。この被処理物
3の温度は、第2のパルスレーザ光L2 の照射により再
び熱処理温度Tp以上の最高到達温度に達し、その後低
下していき、tp2 時間の間、熱処理温度Tp以上が維持
される。
【0045】このとき下地2の温度は、加熱前の下地2
の保持温度Tbに比べてはるかに高い温度となっている
ので、被処理物3の温度下降は、第1のパルスレーザ光
1を照射したときよりもはるかに遅い。
【0046】従って、被処理物3の熱処理温度Tp以上
となる時間tp2 は、時間tp1 に比べて長くなる。この
結果、被処理物3は、(tp1 +tp2 )時間の間熱処理
温度Tp以上の温度に維持されて熱処理、例えば膜質の
改質が行われる。
【0047】このように上記一実施の形態においては、
被処理物3に膜損傷を発生させる温度以上とならない強
度の第1のパルスレーザ光L1 を照射し、この第1のパ
ルスレーザ光L1 の照射後、下地2の温度が最も高くな
ったときに被処理物3に対して被処理物3に膜損傷を発
生させずかつ被処理物3の熱処理温度Tp以上となる強
度の第2のパルスレーザ光L2 を照射するようにしたの
で、従来技術に比べて2倍以上の長い時間(tp1 +t
p2 )にわたって被処理物3を熱処理温度Tp以上の温度
に維持することができ、被処理物3を確実に改質でき
る。
【0048】従って、例えば長時間高温に保持すること
が困難なガラス基板上に形成された薄膜等に対して、極
めて有効に熱処理できる。又、第1のパルスレーザ光L
1 及び第2のパルスレーザ光L2 の波長を、薄膜等の被
処理物3に対して最も吸収される波長を用いているの
で、非常に効率のよい熱処理が可能となる。
【0049】さらに、カライドスコープ13を出射した
レーザ光を結像レンズ14で被処理物3面上に結像する
ので、第1及び第2のパルスレーザ光L1 、L2 が同一
波長である事から、第1のパルスレーザ光L1 と第2の
パルスレーザ光L2 とも、被処理物3面上の全く同一位
置に、完全に同一の形状でかつ強度分布を均一化した状
態で照射でき、レーザ光の照射部分全体を均一に熱処理
できる。
【0050】なお、本発明は、上記一実施の形態に限定
されるものでなく次の通り変形してもよい。例えば、被
処理物3へのパルスレーザ光の照射は、第1及び第2の
パルスレーザ光L1 、L2 の照射に限らず、さらに第
3、第4、…第nのパルスレーザ光を照射するようにし
てもよい。この場合、被処理物3の温度は、熱処理温度
Tp以上でかつ被処理物3に対して膜損傷を発生させる
温度以下である。
【0051】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1、
2、4によれば、被処理物を長時間にわたって熱処理温
度以上に維持して被処理物の改質ができるレーザ熱処理
方法を提供できる。
【0052】又、本発明の請求項3によれば、被処理物
に対して最も吸収される波長を用いていることにより被
処理物を長時間にわたって熱処理温度以上に維持して被
処理物の改質ができ、そのうえ非常に効率のよい熱処理
とすることができるレーザ熱処理方法を提供できる。
【0053】又、本発明の請求項5〜9によれば、被処
理物を長時間にわたって熱処理温度以上に維持して被処
理物の改質ができるレーザ熱処理装置を提供できる。
又、本発明の請求項7によれば、被処理物に対して最も
吸収される波長を用いていることにより被処理物を長時
間にわたって熱処理温度以上に維持して被処理物の改質
ができ、そのうえ被処理物面上の全く同一位置に、完全
に同一の形状でかつ強度分布を均一化した状態で照射で
き、レーザ光の照射部分全体を均一に熱処理できるレー
ザ熱処理装置を提供できる。
【0054】又、本発明の請求項8によれば、被処理物
に対して最も吸収される波長を用いていることにより被
処理物を長時間にわたって熱処理温度以上に維持して被
処理物の改質ができ、そのうえ非常に効率のよい熱処理
とすることができるレーザ熱処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルスレーザ光照射後の被処理物及び下地の温
度変化を示す図。
【図2】本発明に係わるレーザ熱処理装置の第1の実施
の形態を示す構成図。
【図3】レーザ熱処理における被処理物及び下地の温度
変化を示す図。
【図4】従来におけるレーザ熱処理方法での被処理物の
温度変化を示す図。
【図5】従来におけるレーザ熱処理方法での被処理物を
保温保持した場合の温度変化を示す図。
【符号の説明】
1…ヒータテーブル、 2…下地、 3…被処理物、 4…第1のレーザ装置、 5…第2のレーザ装置、 7…駆動装置、 8…遅延装置、 9〜11…高反射ミラー、 12…入射レンズ、 13…カライドスコープ、 14…結像レンズ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物にパルスレーザ光を照射して前
    記被処理物を熱処理するレーザ熱処理方法において、 前記被処理物に対して損傷を発生させる温度以上となら
    ない強度のパルスレーザ光を照射し、この後、前記被処
    理物に対して前記被処理物に損傷を発生させずかつ前記
    被処理物の溶融温度以上となる強度のパルスレーザ光を
    少なくとも1回所定の間隔で照射することを特徴とする
    レーザ熱処理方法。
  2. 【請求項2】 下地上に載置された被処理物にパルスレ
    ーザ光を照射して前記被処理物を熱処理するレーザ熱処
    理方法において、 前記被処理物に損傷を発生させる温度以上とならない強
    度の第1のパルスレーザ光を照射する第1の工程と、 前記第1のパルスレーザ光の照射後、前記下地の温度が
    最も高くなったときに前記被処理物に対して前記被処理
    物に損傷を発生させずかつ前記被処理物の溶融温度以上
    となる強度の第2のパルスレーザ光を照射する第2の工
    程と、を有することを特徴とするレーザ熱処理方法。
  3. 【請求項3】 前記第1のパルスレーザ光及び前記第2
    のパルスレーザ光の波長を等しくしたことを特徴とする
    請求項2記載のレーザ熱処理方法。
  4. 【請求項4】 前記損傷を発生させる温度は1000℃
    以上であり、前記溶融温度は700℃であることを特徴
    とする請求項1記載のレーザ熱処理方法。
  5. 【請求項5】 被処理物にパルスレーザ光を照射して前
    記被処理物を熱処理するレーザ熱処理装置において、 前記パルスレーザ光を強度可変に出力するレーザ出力手
    段と、 このレーザ出力手段から出力される前記パルスレーザ光
    を、前記被処理物に対して損傷を発生させる温度以上と
    ならない強度に制御し、この後、前記被処理物に対して
    前記被処理物に損傷を発生させずかつ前記被処理物の溶
    融温度以上となる強度でかつ少なくとも1つ所定の間隔
    で出力制御する出力制御手段と、を具備したことを特徴
    とするレーザ熱処理装置。
  6. 【請求項6】 下地上に載置された被処理物にパルスレ
    ーザ光を照射して前記被処理物を熱処理するレーザ熱処
    理装置において、 前記パルスレーザ光を強度可変に出力する2台のレーザ
    装置と、 これらレーザ装置うち一方のレーザ装置から前記被処理
    物に対して損傷を発生させる温度以上とならない強度の
    前記パルスレーザ光を出力制御する第1の出力制御手段
    と、 前記一方のレーザ装置から前記パルスレーザ光を出力し
    た後、前記下地の温度が最も高くなったときに他方の前
    記レーザ装置から前記被処理物に対して前記被処理物に
    損傷を発生させずかつ前記被処理物の溶融温度以上とな
    る強度の前記パルスレーザ光を出力制御する第2の出力
    制御手段と、を具備したことを特徴とするレーザ熱処理
    装置。
  7. 【請求項7】 前記パルスレーザ光をカライドスコープ
    を通過させて前記被処理物に照射することを特徴とする
    請求項4又は5記載のレーザ熱処理装置。
  8. 【請求項8】 2台のレーザ装置は、それぞれ同一波長
    のパルスレーザ光を出力することを特徴とする請求項5
    記載のレーザ熱処理装置。
  9. 【請求項9】 前記損傷を発生させる温度は1000℃
    以上であり、前記溶融温度は700℃であることを特徴
    とする請求項5又は6記載のレーザ熱処理装置。
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