JPH10256094A - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液Info
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- JPH10256094A JPH10256094A JP8189997A JP8189997A JPH10256094A JP H10256094 A JPH10256094 A JP H10256094A JP 8189997 A JP8189997 A JP 8189997A JP 8189997 A JP8189997 A JP 8189997A JP H10256094 A JPH10256094 A JP H10256094A
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Abstract
ながら、しかも、電解コンデンサ使用時に陰極近傍が強
アルカリ性にならず、強アルカリによる部材の劣化に起
因して駆動用電解液が漏れるという不具合を発生するこ
とのない、信頼性の高い電解コンデンサ駆動用電解液を
提供する。 【解決手段】 コンデンサ素子と共にケース内に封入さ
れる電解コンデンサ駆動用電解液において、下記の一般
式(1)で示される5−イミダゾロン類の塩を溶質とす
ることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。 【化3】 ただし、この式(1)中、R1、R2、R3の各々は、
水素と炭素数1〜3のアルキル基の中から選択される。
Description
動用電解液に関する。
電極箔を巻回してなるコンデンサ素子を、駆動用電解液
と共にケース内に封入して構成されている。このような
アルミニウム電解コンデンサのケースとしては、一般的
に上部開口型のケースが使用され、その上部開口はゴム
製の封口部材によって塞がれている。そして、ケース内
部に収納されたコンデンサ素子からの電極の引き出し
は、一般的に、ゴム製の封口部材を貫通するリベットに
コンデンサ素子の引出端子を接続することによって行わ
れており、リベットや引出端子はアルミニウムから構成
されている。
ンサの駆動用電解液としては、従来、エチレングリコー
ルを主体とする溶媒に、有機カルボン酸及びホウ酸ある
いはその塩を溶解してなる電解液が用いられてきた。こ
れに対して、近年、電解コンデンサの低インピーダンス
化に伴い、駆動用電解液においても低抵抗化の要求か
ら、γ−ブチロラクトンを主体とする溶媒に、フタル酸
やマレイン酸などの有機カルボン酸の4級アンモニウム
塩を溶解した電解液が使用されている。このように、有
機カルボン酸の4級アンモニウム塩を溶質とする電解液
は、比抵抗が小さく、高温でも安定であるという利点を
持つ。
ように、フタル酸やマレイン酸などの有機カルボン酸の
4級アンモニウム塩を溶質とする駆動用電解液を使用し
た場合には、電解コンデンサ使用時に陰極近傍の駆動用
電解液が強アルカリ性になる。そして、この場合には、
強アルカリ化した駆動用電解液によって、電解コンデン
サの開口部を封止しているゴム製の封口部材やそれに固
定されたアルミニウム製の引出端子、リベット等が劣化
し、ゴム製の封口部材の陰極部分から駆動用電解液が漏
れるという不具合を発生する可能性があり、信頼性の点
で問題がある。
ウム塩を溶質とする電解コンデンサ駆動用電解液を使用
した場合には、比抵抗及び高温での安定性については優
れている反面、電解コンデンサ使用時に陰極近傍の駆動
用電解液が強アルカリ性になる結果、ゴム製の封口部材
の陰極部分から内部の駆動用電解液が外部に漏れるとい
う不具合を発生する可能性があり、信頼性の点で問題が
ある。
解決するために提案されたものであり、その目的は、比
抵抗が十分に小さく、高温でも安定でありながら、しか
も、電解コンデンサ使用時に陰極近傍が強アルカリ性に
ならず、強アルカリによる部材の劣化に起因して駆動用
電解液が漏れるという不具合を発生することのない、信
頼性の高い電解コンデンサ駆動用電解液を提供すること
である。
ンサ駆動用電解液は、従来の4級アンモニウム塩の代わ
りに、5−イミダゾロン類の塩を溶質とするものであ
る。すなわち、請求項1記載の電解コンデンサ駆動用電
解液は、下記の一般式(1)で示される5−イミダゾロ
ン類の塩を溶質とすることを特徴としている。
3の各々は、水素と炭素数1〜3のアルキル基の中から
選択される。
ミダゾロン類の塩を溶質とする駆動用電解液は、4級ア
ンモニウム塩を溶質とする場合と同様に、比抵抗が十分
に小さく、高温でも安定である。その上、5−イミダゾ
ロン類の塩を溶質とする駆動用電解液は、4級アンモニ
ウム塩を溶質とする場合とは異なり、電解コンデンサ使
用時に陰極近傍が強アルカリ性にならないため、ゴム製
の封口部材やアルミニウム製の引出端子、リベット等を
劣化させることがない。そのため、これらの部材の劣化
に起因して駆動用電解液が漏れるという不具合の発生を
防止できる。
用電解液において使用される5−イミダゾロン類は、具
体的には、請求項2記載の5−イミダゾロン類のグルー
プの中から選択された1種もしくは2種以上である。す
なわち、この5−イミダゾロン類のグループは、5−イ
ミダゾロン、2−メチル−5−イミダゾロン、3−メチ
ル−5−イミダゾロン、5−メチル−5−イミダゾロ
ン、2,3−ジメチル−5−イミダゾロン、2,5−ジ
メチル−5−イミダゾロン、3,5−ジメチル−5−イ
ミダゾロン、2,3,5−トリメチル−5−イミダゾロ
ン、3−エチル−5−イミダゾロン、3−プロピル−5
−イミダゾロンからなるグループである。
ンサ駆動用電解液においては、5−イミダゾロン類の塩
を任意に選択可能であるが、特に、請求項3記載のよう
に、フタル酸やマレイン酸等の有機カルボン酸の塩を用
いることが望ましい。
記載の電解コンデンサ駆動用電解液においては、任意の
溶媒を使用可能であるが、特に、請求項4記載のよう
に、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの中から
選択された1種もしくは2種の材料を主体とする溶媒を
使用することが望ましい。
用電解液の実施例について説明する。まず、表1は、本
発明に係る5−イミダゾロン類の塩を溶質とする駆動用
電解液の実施例1〜10と、従来技術に係る4級アンモ
ニウム塩を溶質とする駆動用電解液の従来例1、2の組
成を示している。
の各駆動用電解液と本発明に係る実施例1〜10の各駆
動用電解液について、25℃での比抵抗及び火花発生電
圧を調べた試験結果を示している。また、表2において
は、従来例1、2の各駆動用電解液と本発明に係る実施
例1〜10の各駆動用電解液を使用して製作した各20
個の同定格のアルミニウム電解コンデンサ(25V−1
000μF)に対して、密閉容器中で同一条件の高温負
荷試験(105℃ 2000時間)を行い、封口部の液
漏れを観察した結果についても示している。
る実施例1〜10の各駆動用電解液においては、比抵抗
に関しては従来例1、2の各駆動用電解液と同程度に十
分に小さくなっており、火花発生電圧に関しては従来例
1、2よりも高くなっている。すなわち、従来例1、2
の比抵抗が95〜105Ωcmであるのに対し、本発明
に係る実施例1〜10の比抵抗は、90〜105Ωcm
であり、従来例と同程度あるいはそれ以下まで十分に小
さくなっている。そして、従来例1、2の火花発生電圧
が80〜110Vであるのに対し、本発明に係る実施例
1〜10の火花発生電圧は、110〜145Vであり、
従来例1、2よりも明らかに高くなっている。
ては、従来例1、2の各駆動用電解液を用いたアルミニ
ウム電解コンデンサにおいては、20個中15個又は1
6個と、半数以上が液漏れを発生している。これに対し
て、本発明に係る実施例1〜10の各駆動用電解液を用
いたアルミニウム電解コンデンサにおいては、液漏れは
皆無である。
解液を使用した場合に、液漏れを防止できるのは、次の
ような理由によるものと考えられる。すなわち、実施例
1〜10の各駆動用電解液がいずれも5−イミダゾロン
類の塩を溶質としているために、4級アンモニウム塩を
溶質とする従来例1、2の各駆動用電解液を用いた場合
とは異なり、電解コンデンサ使用時に陰極近傍が強アル
カリ性にならないため、ゴム製の封口部材やアルミニウ
ム製の引出端子、リベット等を劣化させることがない。
0の各駆動用電解液は、駆動用電解液が漏れるという不
具合の発生を防止でき、従来例1、2の各駆動用電解液
に比べて、信頼性が極めて高くなっている。
定されるものではなく、電解液の具体的な組成は、本発
明の範囲内で適宜選択可能である。例えば、前記実施例
1〜10においては、請求項2記載の5−イミダゾロン
類のグループの中から選択された1種のみを使用した
が、2種以上を使用することも可能であり、その場合に
も同様に優れた効果が得られるものである。
タル酸の塩とマレイン酸の塩のいずれか一方のみを使用
した場合について説明したが、フタル酸の塩とマレイン
酸の塩の両方を使用することも同様に可能であり、その
場合にも同様に優れた効果が得られるものである。さら
に、5−イミダゾロン類の塩は任意に選択可能である
が、通常は、前記実施例1〜10のように、フタル酸や
マレイン酸等の有機カルボン酸の塩を用いることが望ま
しい。
は、溶媒として、γ−ブチロラクトンのみを使用した場
合及びγ−ブチロラクトンとエチレングリコールの両方
を使用した場合について説明したが、溶媒としてエチレ
ングリコールのみを使用することや、さらに、γ−ブチ
ロラクトンやエチレングリコール以外の材料を使用する
ことも可能である。しかしながら、基本的には、前記実
施例1〜10のように、γ−ブチロラクトンとエチレン
グリコールの中から選択された1種もしくは2種の材料
を主体とする溶媒を使用することが望ましい。
格が25V−1000μFのアルミニウム電解コンデン
サに適用した場合について説明したが、本発明の駆動用
電解液は、各種の定格の各種の電解コンデンサに同様に
適用可能であり、いずれの場合においても、前記実施例
1〜10と同様に、優れた効果が得られるものである。
来の4級アンモニウム塩の代わりに、5−イミダゾロン
類の塩を溶質とすることにより、比抵抗が十分に小さ
く、高温でも安定でありながら、しかも、電解コンデン
サ使用時に陰極近傍が強アルカリ性にならず、強アルカ
リによる部材の劣化に起因して駆動用電解液が漏れると
いう不具合を発生することのない、信頼性の高い電解コ
ンデンサ駆動用電解液を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 コンデンサ素子と共にケース内に封入さ
れる電解コンデンサ駆動用電解液において、 下記の一般式(1)で示される5−イミダゾロン類の塩
を溶質とすることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電
解液。 【化1】 ただし、この式(1)中、R1、R2、R3の各々は、
水素と炭素数1〜3のアルキル基の中から選択される。 - 【請求項2】 前記5−イミダゾロン類が、5−イミダ
ゾロン、2−メチル−5−イミダゾロン、3−メチル−
5−イミダゾロン、5−メチル−5−イミダゾロン、
2,3−ジメチル−5−イミダゾロン、2,5−ジメチ
ル−5−イミダゾロン、3,5−ジメチル−5−イミダ
ゾロン、2,3,5−トリメチル−5−イミダゾロン、
3−エチル−5−イミダゾロン、3−プロピル−5−イ
ミダゾロンの中から選択された1種もしくは2種以上で
あることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ駆
動用電解液。 - 【請求項3】 前記5−イミダゾロン類の塩が、有機カ
ルボン酸の塩であることを特徴とする請求項1又は2記
載の電解コンデンサ駆動用電解液。 - 【請求項4】 溶媒が、γ−ブチロラクトンとエチレン
グリコールの中から選択された1種もしくは2種の材料
を主体とする溶媒であることを特徴とする請求項1から
3までのいずれか一つに記載の電解コンデンサ駆動用電
解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08189997A JP3959558B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08189997A JP3959558B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10256094A true JPH10256094A (ja) | 1998-09-25 |
JP3959558B2 JP3959558B2 (ja) | 2007-08-15 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08189997A Expired - Fee Related JP3959558B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3959558B2 (ja) |
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1997
- 1997-03-13 JP JP08189997A patent/JP3959558B2/ja not_active Expired - Fee Related
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