JP3918885B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサ駆動用電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム電解コンデンサは、アルミ電極箔を巻回してなるコンデンサ素子を、駆動用電解液と共にケース内に封入して構成されている。このようなアルミニウム電解コンデンサのケースとしては、一般的に上部開口型のケースが使用され、その上部開口はゴム製の封口部材によって塞がれている。そして、ケース内部に収納されたコンデンサ素子からの電極の引き出しは、一般的に、ゴム製の封口部材を貫通するリベットにコンデンサ素子の引出端子を接続することによって行われており、リベットや引出端子はアルミニウムから構成されている。
【0003】
また、このようなアルミニウム電解コンデンサの駆動用電解液としては、従来、エチレングリコールを主体とする溶媒に、有機カルボン酸およびホウ酸あるいはその塩を溶解してなる電解液が用いられてきた。これに対して、近年、電解コンデンサの低インピーダンス化に伴い、駆動用電解液においても低抵抗化の要求から、γ−ブチロラクトンを主体とする溶媒に、フタル酸やマレイン酸などの有機カルボン酸の4級アンモニウム塩を溶解した電解液が使用されている。このように、有機カルボン酸の4級アンモニウム塩を溶質とする電解液は、比抵抗が小さく、高温でも安定であるという利点を持つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、フタル酸やマレイン酸などの有機カルボン酸の4級アンモニウム塩を溶質とする駆動用電解液を使用した場合には、電解コンデンサ使用時に陰極近傍の駆動用電解液が強アルカリ性になる。そして、この場合には、強アルカリ化した駆動用電解液によって、電解コンデンサの開口部を封止しているゴム製の封口部材やそれに固定されたアルミニウム製の引出端子、リベット等が劣化し、ゴム製の封口部材の陰極部分から駆動用電解液が漏れるという不具合を発生する可能性があり、信頼性の点で問題がある。
【0005】
以上説明したように、従来の4級アンモニウム塩を溶質とする電解コンデンサ駆動用電解液を使用した場合には、比抵抗及び高温での安定性については優れている反面、電解コンデンサ使用時に陰極近傍の駆動用電解液が強アルカリ性になる結果、ゴム製の封口部材の陰極部分から内部の駆動用電解液が外部に漏れるという不具合を発生する可能性があり、信頼性の点で問題がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、比抵抗が十分に小さく、高温でも安定でありながら、しかも、電解コンデンサ使用時に陰極近傍が強アルカリ性にならず、強アルカリによる部材の劣化に起因して駆動用電解液が漏れるという不具合を発生することのない、信頼性の高い電解コンデンサ駆動用電解液を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による電解コンデンサ駆動用電解液は、従来の4級アンモニウム塩の代わりに、4−イミダゾロン類の塩を溶質とするものである。すなわち、請求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液は、下記の一般式(1)で示される5−イミダゾロン類のカルボン酸塩を溶質とすることを特徴としている。
【0008】
【化2】
【0009】
ただし、この式(1)中、R1、R2、R3の各々は、水素と炭素数1〜3のアルキル基の中から選択される。
【0010】
このような一般式(1)で示される4−イミダゾロン類の塩を溶質とする駆動用電解液は、4級アンモニウム塩を溶質とする場合と同様に、比抵抗が十分に小さく、高温でも安定である。その上、4−イミダゾロン類の塩を溶質とする駆動用電解液は、4級アンモニウム塩を溶質とする場合とは異なり、電解コンデンサ使用時に陰極近傍が強アルカリ性にならないため、ゴム製の封口部材やアルミニウム製の引出端子、リベット等を劣化させることがない。そのため、これらの部材の劣化に起因して駆動用電解液が漏れるという不具合の発生を防止できる。
【0011】
また、請求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液において使用される4−イミダゾロン類は、具体的には、請求項2記載の4−イミダゾロン類のグループの中から選択された1種もしくは2種以上である。すなわち、この4−イミダゾロン類のグループは、4−イミダゾロン、1−メチル−4−イミダゾロン、1,5−ジメチル−4−イミダゾロン、1−エチル−4−イミダゾロン、1,5−ジエチル−4−イミダゾロン、1−プロピル−4−イミダゾロン、1,5−ジプロピル−4−イミダゾロン、1,2,5−トリメチル−4−イミダゾロンからなるグループである。
【0013】
一方、請求項1または2のいずれか一つに記載の電解コンデンサ駆動用電解液においては、任意の溶媒を使用可能であるが、特に、請求項4記載のように、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの中から選択された1種もしくは2種の材料を主体とする溶媒を使用することが望ましい。
【0014】
【実施例】
以下には、本発明による電解コンデンサ駆動用電解液の実施例について説明する。まず、表1は、本発明に係る4−イミダゾロン類の塩を溶質とする駆動用電解液の実施例1〜8と、従来技術に係る4級アンモニウム塩を溶質とする駆動用電解液の従来例1、2の組成を示している。
【0015】
【表1】
【0016】
次に、表2は、以上のような従来例1、2の各駆動用電解液と本発明に係る実施例1〜8の各駆動用電解液について、25℃での比抵抗及び火花発生電圧を調べた試験結果を示している。また、表2においては、従来例1、2の各駆動用電解液と本発明に係る実施例1〜8の各駆動用電解液を使用して製作した各20個の同定格のアルミニウム電解コンデンサ(25V−1000μF)に対して、密閉容器中で同一条件の高温負荷試験(105℃ 2000時間)を行い、封口部の液漏れを観察した結果についても示している。
【0017】
【表2】
【0018】
この表2から明らかなように、本発明に係る実施例1〜8の各駆動用電解液においては、比抵抗に関しては従来例1、2の各駆動用電解液と同程度に十分に小さくなっており、火花発生電圧に関しては従来例1、2よりも高くなっている。すなわち、従来例1、2の比抵抗が95〜105Ωcmであるのに対し、本発明に係る実施例1〜8の比抵抗は、90〜105Ωcmであり、従来例と同程度あるいはそれ以下まで十分に小さくなっている。そして、従来例1、2の火花発生電圧が80〜110Vであるのに対し、本発明に係る実施例1〜8の火花発生電圧は、110〜140Vであり、従来例1、2よりも明らかに高くなっている。
【0019】
また、密閉容器中での高温負荷試験に関しては、従来例1、2の各駆動用電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサにおいては、20個中15個又は16個と、半数以上が液漏れを発生している。これに対して、本発明に係る実施例1〜8の各駆動用電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサにおいては、液漏れは皆無である。
【0020】
そしてこのように、本発明に係る駆動用電解液を使用した場合に、液漏れを防止できるのは、次のような理由によるものと考えられる。すなわち、実施例1〜8の各駆動用電解液がいずれも4−イミダゾロン類の塩を溶質としているために、4級アンモニウム塩を溶質とする従来例1、2の各駆動用電解液を用いた場合とは異なり、電解コンデンサ使用時に陰極近傍が強アルカリ性にならないため、ゴム製の封口部材やアルミニウム製の引出端子、リベット等を劣化させることがない。
【0021】
以上のように、本発明に係る実施例1〜8の各駆動用電解液は、駆動用電解液が漏れるという不具合の発生を防止でき、従来例1、2の各駆動用電解液に比べて、信頼性が極めて高くなっている。
【0022】
なお、本発明は、前記実施例1〜8に限定されるものではなく、電解液の具体的な組成は、本発明の範囲内で適宜選択可能である。例えば、前記実施例1〜8においては、請求項2記載の4−イミダゾロン類のグループの中から選択された1種のみを使用したが、2種以上を使用することも可能であり、その場合にも同様に優れた効果が得られるものである。
【0023】
また、前記実施例1〜8においては、フタル酸の塩とマレイン酸の塩のいずれか一方のみを使用した場合について説明したが、フタル酸の塩とマレイン酸の塩の両方を使用することも同様に可能であり、その場合にも同様に優れた効果が得られるものである。さらに、4−イミダゾロン類のカルボン酸塩は任意に選択可能である。
【0024】
そしてまた、前記実施例1〜8においては、溶媒として、γ−ブチロラクトンのみを使用した場合及びγ−ブチロラクトンとエチレングリコールの両方を使用した場合について説明したが、溶媒としてエチレングリコールのみを使用することや、さらに、γ−ブチロラクトンやエチレングリコール以外の材料を使用することも可能である。しかしながら、基本的には、前記実施例1〜8のように、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの中から選択された1種もしくは2種の材料を主体とする溶媒を使用することが望ましい。
【0025】
一方、前記実施例1〜8においては、定格が25V−1000μFのアルミニウム電解コンデンサに適用した場合について説明したが、本発明の駆動用電解液は、各種の定格の各種の電解コンデンサに同様に適用可能であり、いずれの場合においても、前記実施例1〜10と同様に、優れた効果が得られるものである。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、従来の4級アンモニウム塩の代わりに、4−イミダゾロン類の塩を溶質とすることにより、比抵抗が十分に小さく、高温でも安定でありながら、しかも、電解コンデンサ使用時に陰極近傍が強アルカリ性にならず、強アルカリによる部材の劣化に起因して駆動用電解液が漏れるという不具合を発生することのない、信頼性の高い電解コンデンサ駆動用電解液を提供することができる。

Claims (3)

  1. コンデンサ素子と共にケース内に封入される電解コンデンサ駆動用電解液において、下記の一般式(1)で示される4−イミダゾロン類の有機カルボン酸塩を溶質とすることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
    ただし、この式(1)中、R1、R2、R3の各々は、水素と炭素数1〜3のアルキル基の中から選択される。
  2. 前記4−イミダゾロン類が、4−イミダゾロン、1−メチル−4−イミダゾロン、1,5−ジメチル−4−イミダゾロン、1−エチル−4−イミダゾロン、1,5−ジエチル−4−イミダゾロン、1−プロピル−4−イミダゾロン、1,5−ジプロピル−4−イミダゾロン、1,2,5−トリメチル−4−イミダゾロンの中から選択された1種もしくは2種以上であることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 溶媒が、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールの中から選択された1種もしくは2種の材料を主体とする溶媒であることを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
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