JPH05144673A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ用電解液Info
- Publication number
- JPH05144673A JPH05144673A JP33015191A JP33015191A JPH05144673A JP H05144673 A JPH05144673 A JP H05144673A JP 33015191 A JP33015191 A JP 33015191A JP 33015191 A JP33015191 A JP 33015191A JP H05144673 A JPH05144673 A JP H05144673A
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- Japan
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- electrolytic solution
- electrolytic
- ethylene glycol
- butyrolactone
- solution
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い電導度を有する電解液の電導度を低下を
極力抑制し、熱安定性の向上を図る。更に耐電圧が高い
電解コンデンサ用電解液を得る。 【構成】 γ−ブチロラクトンおよびエチレングリコー
ルを含有する混合溶媒からなる主溶媒に、安息香酸のト
リエチルメチルアンモニウム塩を主溶質として溶解す
る。又、前記電解液にコロイダルシリカを添加する。更
に、前記電解液の主溶媒のγ−ブチロラクトンとエチレ
ングリコールとの混合比を、90/10から70/30
の範囲とする。
極力抑制し、熱安定性の向上を図る。更に耐電圧が高い
電解コンデンサ用電解液を得る。 【構成】 γ−ブチロラクトンおよびエチレングリコー
ルを含有する混合溶媒からなる主溶媒に、安息香酸のト
リエチルメチルアンモニウム塩を主溶質として溶解す
る。又、前記電解液にコロイダルシリカを添加する。更
に、前記電解液の主溶媒のγ−ブチロラクトンとエチレ
ングリコールとの混合比を、90/10から70/30
の範囲とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低圧用電解コンデン
サに用いられる電解液、特に高い電導度と共に高い熱安
定性、更には優れた耐圧特性を有する電解液に関する。
サに用いられる電解液、特に高い電導度と共に高い熱安
定性、更には優れた耐圧特性を有する電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、アルミニウム、タン
タルなどの絶縁性酸化皮膜層が形成され得るいわゆる弁
金属を陽極に用い、その表面を陽極酸化処理等によって
前記の絶縁性の酸化皮膜薄膜を誘電体層として形成した
ものを陽極側電極に用いる。そして、この陽極側電極に
対向させて陰極側電極を配置、陽極側電極と陰極側電極
間にセパレータを介在させ、このセパレータに電解液を
保持させて電解コンデンサが形成される。
タルなどの絶縁性酸化皮膜層が形成され得るいわゆる弁
金属を陽極に用い、その表面を陽極酸化処理等によって
前記の絶縁性の酸化皮膜薄膜を誘電体層として形成した
ものを陽極側電極に用いる。そして、この陽極側電極に
対向させて陰極側電極を配置、陽極側電極と陰極側電極
間にセパレータを介在させ、このセパレータに電解液を
保持させて電解コンデンサが形成される。
【0003】陽極側電極は、通常表面積の拡大のためエ
ッチング処理がなされており、電解液はこの凹凸面に密
接して、実質的な陰極としての機能を有する。このため
電解液の電導度、温度特性などが電解コンデンサの電気
的特性を決定する要因となる。又、電解液は絶縁性の酸
化皮膜薄膜の劣化や損傷を修復し、漏れ電流や寿命特性
へ影響を及ぼす。このように、電解液は電解コンデンサ
の特性を左右する重要な構成要素である。
ッチング処理がなされており、電解液はこの凹凸面に密
接して、実質的な陰極としての機能を有する。このため
電解液の電導度、温度特性などが電解コンデンサの電気
的特性を決定する要因となる。又、電解液は絶縁性の酸
化皮膜薄膜の劣化や損傷を修復し、漏れ電流や寿命特性
へ影響を及ぼす。このように、電解液は電解コンデンサ
の特性を左右する重要な構成要素である。
【0004】電解液の特性の中でも、電導度は電解コン
デンサの損失、インピーダンス特性などに直接関わるこ
とから、近年高い電導度を有する電解液の開発が盛んに
行われている。この中でも有機酸特に各種のカルボン酸
をアニオンとした4級アンモニウム塩を溶質としたもの
をγ−ブチロラクトンなどの非プロトン溶媒に溶解した
ものが、高い電導度を得られるということで注目されて
いる。このようなものとしては、例えば特公平3−66
46号公報、特公平3−8092号公報などが知られて
いる。
デンサの損失、インピーダンス特性などに直接関わるこ
とから、近年高い電導度を有する電解液の開発が盛んに
行われている。この中でも有機酸特に各種のカルボン酸
をアニオンとした4級アンモニウム塩を溶質としたもの
をγ−ブチロラクトンなどの非プロトン溶媒に溶解した
ものが、高い電導度を得られるということで注目されて
いる。このようなものとしては、例えば特公平3−66
46号公報、特公平3−8092号公報などが知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】安息香酸の4級アンモ
ニウム塩は、マレイン酸やフタル酸の4級アンモニウム
塩より電解液の電導度は低いが、逆に火花電圧(耐電
圧)が高いという特性を有するため、マレイン酸やフタ
ル酸系の電解液より高い定格電圧の電解コンデンサに適
用できる。
ニウム塩は、マレイン酸やフタル酸の4級アンモニウム
塩より電解液の電導度は低いが、逆に火花電圧(耐電
圧)が高いという特性を有するため、マレイン酸やフタ
ル酸系の電解液より高い定格電圧の電解コンデンサに適
用できる。
【0006】しかしながら、特公平3−8092号公報
に提案されているγ−ブチロラクトンに安息香酸の4級
アンモニウム塩を溶解した電解液は高温における熱安定
性が悪く、この電解液を使用した電解コンデンサは寿命
が短いという欠点があった。
に提案されているγ−ブチロラクトンに安息香酸の4級
アンモニウム塩を溶解した電解液は高温における熱安定
性が悪く、この電解液を使用した電解コンデンサは寿命
が短いという欠点があった。
【0007】又、耐電圧についても他の4級アンモニウ
ム塩に比べて高いと言うものの、実用上は概ね50Vが
上限であり、より高い電圧領域での使用できるものが求
められていた。
ム塩に比べて高いと言うものの、実用上は概ね50Vが
上限であり、より高い電圧領域での使用できるものが求
められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の電解液は、溶
質のカチオン成分をトリエチルメチルアンモニウムとす
ることにより溶解性を良くし、電解液の電導度を最適な
ものにし、又、γ−ブチロラクトンにエチレングリコー
ルを混合することで、電解液の熱安定性を著しく向上さ
せることに成功した。
質のカチオン成分をトリエチルメチルアンモニウムとす
ることにより溶解性を良くし、電解液の電導度を最適な
ものにし、又、γ−ブチロラクトンにエチレングリコー
ルを混合することで、電解液の熱安定性を著しく向上さ
せることに成功した。
【0009】この発明の電解液の第1の特徴は、溶質と
しての安息香酸トリエチルメチルアンモニウム塩と、溶
媒としてのγ−ブチロラクトンおよびエチレングリコー
ルとの混合溶媒からなるものである。
しての安息香酸トリエチルメチルアンモニウム塩と、溶
媒としてのγ−ブチロラクトンおよびエチレングリコー
ルとの混合溶媒からなるものである。
【0010】又、この発明の第2の特徴は、γ−ブチロ
ラクトンとエチレングリコールとの混合割合が、90/
10から70/30の範囲であることにある。
ラクトンとエチレングリコールとの混合割合が、90/
10から70/30の範囲であることにある。
【0011】溶質の濃度は5〜30重量%であり、特に
好ましくは10〜20重量%である。溶質量がこれ以下
であると充分な電導度が得られない。また溶質量がこれ
以上であると、温度特性が悪く低温での溶質析出などの
不都合が起きる。
好ましくは10〜20重量%である。溶質量がこれ以下
であると充分な電導度が得られない。また溶質量がこれ
以上であると、温度特性が悪く低温での溶質析出などの
不都合が起きる。
【0012】更にこの発明の第3の特徴は、上記の基本
電解液に、耐圧向上のためにコロイダルシリカを添加し
たことにある。
電解液に、耐圧向上のためにコロイダルシリカを添加し
たことにある。
【0013】コロイダルシリカは二酸化ケイ素(SiO
2 )の微粒子で、溶媒に殆ど溶けない。このため適当な
溶媒に分散させた溶液として基本電解液に添加する。分
散溶媒は特に限定はないが、添加される電解液の溶媒と
同じもの(この発明においては、γ−ブチロラクトン又
はエチレングリコール)を用いれば、基本電解液への影
響も少なく、しかも電解液中への拡散も容易である。コ
ロイダルシリカの添加量は特に限定はないが、好ましく
は添加される電解液に対し、0.5〜10重量%であ
る。
2 )の微粒子で、溶媒に殆ど溶けない。このため適当な
溶媒に分散させた溶液として基本電解液に添加する。分
散溶媒は特に限定はないが、添加される電解液の溶媒と
同じもの(この発明においては、γ−ブチロラクトン又
はエチレングリコール)を用いれば、基本電解液への影
響も少なく、しかも電解液中への拡散も容易である。コ
ロイダルシリカの添加量は特に限定はないが、好ましく
は添加される電解液に対し、0.5〜10重量%であ
る。
【0014】更に上記の発明で得られた電解液に、電蝕
防止、漏れ電流の低減、水素ガス吸収等の目的で、種種
の助溶質、例えばリン酸誘導体、ニトロベンゼン誘導体
等を添加することができる。また電導度の向上、化成性
の向上等の目的で微量の水を添加することもできる。
防止、漏れ電流の低減、水素ガス吸収等の目的で、種種
の助溶質、例えばリン酸誘導体、ニトロベンゼン誘導体
等を添加することができる。また電導度の向上、化成性
の向上等の目的で微量の水を添加することもできる。
【0015】
【作用】本発明によれば、溶質のカチオン成分をトリエ
チルメチルアンモニウムとすることで、溶解性をが向上
し、高い電導度が得られる。
チルメチルアンモニウムとすることで、溶解性をが向上
し、高い電導度が得られる。
【0016】又、溶媒にエチレングリコールを加えるこ
とで、高温での溶質の分解が抑制され、電導度の低下な
どの特性劣化を防止する。
とで、高温での溶質の分解が抑制され、電導度の低下な
どの特性劣化を防止する。
【0017】又、コロイダルシリカの添加は、電解液の
耐電圧を向上させる。しかもコロイダルシリカも熱安定
性に優れ、高温での使用においても耐圧の劣化がない。
耐電圧を向上させる。しかもコロイダルシリカも熱安定
性に優れ、高温での使用においても耐圧の劣化がない。
【0018】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。実験は、溶質に安息香酸トリエチル
メチルアンモニウム塩を用い、溶媒にγ−ブチロラクト
ン、エチレングリコールからなる基本電解液を調製し、
更に所定の添加剤を加えて特性を調べた。
具体的に説明する。実験は、溶質に安息香酸トリエチル
メチルアンモニウム塩を用い、溶媒にγ−ブチロラクト
ン、エチレングリコールからなる基本電解液を調製し、
更に所定の添加剤を加えて特性を調べた。
【0019】なお、電解液の電導度は25℃における値
(mS/cm)であり、耐電圧は、これらの電解液を用
いた電解コンデンサを作成し、室温にて5mAの定電流
の電圧を印加し、電圧−時間の上昇カーブを調べ、上昇
カーブではじめにスパークあるいはシンチレーションが
観測された電圧(V)を耐電圧とした。
(mS/cm)であり、耐電圧は、これらの電解液を用
いた電解コンデンサを作成し、室温にて5mAの定電流
の電圧を印加し、電圧−時間の上昇カーブを調べ、上昇
カーブではじめにスパークあるいはシンチレーションが
観測された電圧(V)を耐電圧とした。
【0020】耐圧試験に用いるために作成した電解コン
デンサの仕様は、240Vで化成した陽極箔を、セパレ
ータ、陰極箔と共に巻回し、巻回端面からリード線を導
出させたコンデンサ素子に電解液を含浸(40℃、減圧
下で40分)し、この素子を金属ケースに収納し、開口
部を封口ゴムで閉じ、外装ケースの端部を巻き締めして
電解コンデンサとした。この電解コンデンサの定格電圧
は160WV、静電容量22μF、外形寸法は10φ×
20lのものである。
デンサの仕様は、240Vで化成した陽極箔を、セパレ
ータ、陰極箔と共に巻回し、巻回端面からリード線を導
出させたコンデンサ素子に電解液を含浸(40℃、減圧
下で40分)し、この素子を金属ケースに収納し、開口
部を封口ゴムで閉じ、外装ケースの端部を巻き締めして
電解コンデンサとした。この電解コンデンサの定格電圧
は160WV、静電容量22μF、外形寸法は10φ×
20lのものである。
【0021】表1は、溶質である安息香酸トリエチルメ
チルアンモニウム塩の溶解量を25重量%に固定して、
溶媒であるγ−ブチロラクトン(GBL)とエチレング
リコール(EG)との混合比を変化させたときの結果で
ある。
チルアンモニウム塩の溶解量を25重量%に固定して、
溶媒であるγ−ブチロラクトン(GBL)とエチレング
リコール(EG)との混合比を変化させたときの結果で
ある。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から明らかなように、高い電導
度を保つためには、γ−ブチロラクトンとエチレングリ
コールの混合比は、γ−ブチロラクトンが70を越える
範囲での使用が好ましいことがわかる。
度を保つためには、γ−ブチロラクトンとエチレングリ
コールの混合比は、γ−ブチロラクトンが70を越える
範囲での使用が好ましいことがわかる。
【0024】表2は、表1の電解液を130℃に放置し
たときの1時間後と50時間後との電導度の比を計算し
たもので、電解液の熱安定性の尺度となるものである。
たときの1時間後と50時間後との電導度の比を計算し
たもので、電解液の熱安定性の尺度となるものである。
【0025】実験は、10mlのバイアル管に6gの電
解液を入れ、密閉状態で高温(130℃)放置し、放置
時間1時間と50時間における電導度(mS/cm・2
5℃)を測定し、その変化率(50時間/1時間)を求
めた。なお表2の実験番号は、表1の電解液の実験番号
と対応している。
解液を入れ、密閉状態で高温(130℃)放置し、放置
時間1時間と50時間における電導度(mS/cm・2
5℃)を測定し、その変化率(50時間/1時間)を求
めた。なお表2の実験番号は、表1の電解液の実験番号
と対応している。
【0026】
【表2】
【0027】この結果からわかるように、エチレングリ
コールの混合割合が増えるほど、変化率が小さく(1に
近い)溶質の熱分解が抑制され、熱安定性に優れている
ことがわかった。
コールの混合割合が増えるほど、変化率が小さく(1に
近い)溶質の熱分解が抑制され、熱安定性に優れている
ことがわかった。
【0028】以上のことから、高い電導度と熱安定性の
双方の要求を満足させるためには、γ−ブチロラクトン
とエチレングリコールとの混合比が90/10から70
/30の範囲にあることが好ましい。
双方の要求を満足させるためには、γ−ブチロラクトン
とエチレングリコールとの混合比が90/10から70
/30の範囲にあることが好ましい。
【0029】更にエチレングリコールの熱安定性を確認
するために、以下の実験を行った。表3に示す組成の実
施例および比較例の電解液を調製し、この各電解液6g
を内容積10mlのバイアル管に密閉し、110℃で1
時間放置したときの発生ガス量と分解率をガスクロマト
グラフ分析により調べたものである。
するために、以下の実験を行った。表3に示す組成の実
施例および比較例の電解液を調製し、この各電解液6g
を内容積10mlのバイアル管に密閉し、110℃で1
時間放置したときの発生ガス量と分解率をガスクロマト
グラフ分析により調べたものである。
【0030】なお、表中の電解液組成の項のTEMAB
は安息香酸トリエチルメチルアンモニウム、GBLはγ
−ブチロラクトン、EGはエチレングリコールをそれぞ
れ示す。又、分解ガス量の項の、AはC2 H5 (C
H3 )2 Nガス、Bは(C2 H5 )2 CH3 Nガス、C
は(C2 H5 )3 Nガスを示す。
は安息香酸トリエチルメチルアンモニウム、GBLはγ
−ブチロラクトン、EGはエチレングリコールをそれぞ
れ示す。又、分解ガス量の項の、AはC2 H5 (C
H3 )2 Nガス、Bは(C2 H5 )2 CH3 Nガス、C
は(C2 H5 )3 Nガスを示す。
【0031】
【表3】
【0032】この分解ガスの実験結果からも、溶媒にエ
チレングリコールを添加することによって、高温でのガ
スの発生が抑制され、熱安定性が高まることが認められ
た。
チレングリコールを添加することによって、高温でのガ
スの発生が抑制され、熱安定性が高まることが認められ
た。
【0033】次に、溶質のカチオン成分について調べ
た。安息香酸の4級アンモニウムは種々の形態の4級塩
があるが、(比較例 3−1)として、安息香酸テトラ
メチルアンモニウム塩を、GBL/EGの混合比が80
/20の溶媒に溶解させた電解液の電導度を測定したと
ころ、6.37mS/cmであり、本発明の安息香酸の
トリエチルメチルアンモニウム(発明例1−3)の方が
溶質として好ましいことがわかった。
た。安息香酸の4級アンモニウムは種々の形態の4級塩
があるが、(比較例 3−1)として、安息香酸テトラ
メチルアンモニウム塩を、GBL/EGの混合比が80
/20の溶媒に溶解させた電解液の電導度を測定したと
ころ、6.37mS/cmであり、本発明の安息香酸の
トリエチルメチルアンモニウム(発明例1−3)の方が
溶質として好ましいことがわかった。
【0034】次に、この発明の電解液の熱安定性を電解
コンデンサの寿命試験において確認した実験結果を示
す。実験は、表4に示す組成の電解液を用いて、定格電
圧10V、静電容量220μF、外形寸法8φ×20l
の電解コンデンサを作成した。この時の初期特性を表4
に示す。なお静電容量の単位は(μF)、漏れ電流は電
圧印加2分値で単位は(μA)、ESRは100KHz
のもので単位は(Ω)である。
コンデンサの寿命試験において確認した実験結果を示
す。実験は、表4に示す組成の電解液を用いて、定格電
圧10V、静電容量220μF、外形寸法8φ×20l
の電解コンデンサを作成した。この時の初期特性を表4
に示す。なお静電容量の単位は(μF)、漏れ電流は電
圧印加2分値で単位は(μA)、ESRは100KHz
のもので単位は(Ω)である。
【0035】
【表4】
【0036】図1および図2は、表4に示した電解コン
デンサの130℃における高温負荷試験および高温無負
荷試験結果を表したグラフで、1000時間までの静電
容量変化率、TanδおよびESRの変化を求めたもの
である。各図中の(a)は静電容量変化率、(b)はT
anδ、(c)はESRの変化をそれぞれ示す。又、
(○)印は比較例4−1、(×)印は発明例4−2を示
すが、エチレングリコールの添加により、電解コンデン
サで実験した場合において、無負荷、負荷試験を問わず
特性の劣化が著しく抑制されていることがわかる。
デンサの130℃における高温負荷試験および高温無負
荷試験結果を表したグラフで、1000時間までの静電
容量変化率、TanδおよびESRの変化を求めたもの
である。各図中の(a)は静電容量変化率、(b)はT
anδ、(c)はESRの変化をそれぞれ示す。又、
(○)印は比較例4−1、(×)印は発明例4−2を示
すが、エチレングリコールの添加により、電解コンデン
サで実験した場合において、無負荷、負荷試験を問わず
特性の劣化が著しく抑制されていることがわかる。
【0037】表1の実験結果からもわかるように、エチ
レングリコールの添加は熱安定性の向上と共に、耐圧の
上昇にも僅かに寄与することが認められるが同時に電導
度の急激な低下が免れない。そこで電導度の低下を極力
抑制し、しかも耐圧向上を図る要求に対応するために、
この発明の基本電解液にコロイダルシリカを添加し、耐
電圧の向上を調べた。
レングリコールの添加は熱安定性の向上と共に、耐圧の
上昇にも僅かに寄与することが認められるが同時に電導
度の急激な低下が免れない。そこで電導度の低下を極力
抑制し、しかも耐圧向上を図る要求に対応するために、
この発明の基本電解液にコロイダルシリカを添加し、耐
電圧の向上を調べた。
【0038】実験は、表5に示す組成の電解液につい
て、各々25℃における電導度と耐電圧を調べたもので
ある。なお、コロイダルシリカ添加に際しては、比較例
5−2については分散溶媒にγ−ブチロラクトンを、発
明例5−4についてはエチレングリコールをそれぞれ用
いて20%溶液の状態で添加した。
て、各々25℃における電導度と耐電圧を調べたもので
ある。なお、コロイダルシリカ添加に際しては、比較例
5−2については分散溶媒にγ−ブチロラクトンを、発
明例5−4についてはエチレングリコールをそれぞれ用
いて20%溶液の状態で添加した。
【0039】
【表5】
【0040】この結果からわかるように、コロイダルシ
リカの添加によって、耐電圧が大幅に上昇した。しか
も、電導度の低下も殆ど見られず、高電導度、熱安定性
と共に耐電圧の向上に効果があることがわかった。
リカの添加によって、耐電圧が大幅に上昇した。しか
も、電導度の低下も殆ど見られず、高電導度、熱安定性
と共に耐電圧の向上に効果があることがわかった。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば電
解液の溶質のカチオンをトリメチルエチルアンモニウム
とすることで、高い電導度が達成される。そして溶媒を
γ−ブチロラクトンとエチレングリコールとの混合溶媒
とすることで、γ−ブチロラクトン単独では得られない
熱安定性が得られるので、損失や高周波でのインピーダ
ンスが小さく、しかも広い使用温度(特に高温領域)で
長期に安定して使用可能な電解コンデンサが実現でき
る。
解液の溶質のカチオンをトリメチルエチルアンモニウム
とすることで、高い電導度が達成される。そして溶媒を
γ−ブチロラクトンとエチレングリコールとの混合溶媒
とすることで、γ−ブチロラクトン単独では得られない
熱安定性が得られるので、損失や高周波でのインピーダ
ンスが小さく、しかも広い使用温度(特に高温領域)で
長期に安定して使用可能な電解コンデンサが実現でき
る。
【0042】更に、この発明では、コロイダルシリカを
添加することで高い電導度、熱安定性を有し、しかも5
0Vを越える高い電圧領域で使用可能な電解コンデンサ
を得ることができる。
添加することで高い電導度、熱安定性を有し、しかも5
0Vを越える高い電圧領域で使用可能な電解コンデンサ
を得ることができる。
【図1】電解コンデンサの高温無負荷試験の結果を表す
グラフである。
グラフである。
【図2】電解コンデンサの高温負荷試験の結果を表すグ
ラフである。
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇恵 誠 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 佐藤 智洋 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 γ−ブチロラクトンおよびエチレングリ
コールを含有する混合溶媒に、溶質として安息香酸トリ
エチルメチルアンモニウム塩を溶解したことを特徴とす
る電解コンデンサ用電解液。 - 【請求項2】 γ−ブチロラクトンおよびエチレングリ
コールを含有する混合溶媒に、溶質として安息香酸トリ
エチルメチルアンモニウム塩を溶解すると共に、コロイ
ダルシリカを添加したことを特徴とする電解コンデンサ
用電解液。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2の電解液におい
て、γ−ブチロラクトンとエチレングリコールとの混合
比が、90/10から70/30の範囲にあることを特
徴とする電解コンデンサ用電解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33015191A JPH05144673A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 電解コンデンサ用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33015191A JPH05144673A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 電解コンデンサ用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05144673A true JPH05144673A (ja) | 1993-06-11 |
Family
ID=18229387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33015191A Pending JPH05144673A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 電解コンデンサ用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05144673A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006143610A (ja) * | 2004-11-17 | 2006-06-08 | Hokko Chem Ind Co Ltd | 液状農薬製剤 |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP33015191A patent/JPH05144673A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006143610A (ja) * | 2004-11-17 | 2006-06-08 | Hokko Chem Ind Co Ltd | 液状農薬製剤 |
JP4743831B2 (ja) * | 2004-11-17 | 2011-08-10 | 北興化学工業株式会社 | 液状農薬製剤 |
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