JPH0722287A - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JPH0722287A
JPH0722287A JP14914393A JP14914393A JPH0722287A JP H0722287 A JPH0722287 A JP H0722287A JP 14914393 A JP14914393 A JP 14914393A JP 14914393 A JP14914393 A JP 14914393A JP H0722287 A JPH0722287 A JP H0722287A
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JP
Japan
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electrolytic solution
weight
electrolyte
solvent
gamma
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Pending
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JP14914393A
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English (en)
Inventor
Makoto Ue
誠 宇恵
Masayuki Takeda
政幸 武田
Kenji Tamamitsu
賢次 玉光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemi Con Corp
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 安息香酸の四級アンモニウム塩を主溶質と
し、ガンマーブチロラクトンとエチレングリコールとか
らなる複合溶媒を主溶媒とする電解液100重量部に対
して、炭素数が4〜10の飽和アルキル基を2個有する
燐酸ジアルキルエステルを1〜8重量部、平均粒径が1
0〜50nmのアルミノシリケ−ト微粒子を0.5〜1
0重量部を含有してなる電解コンデンサ用電解液。 【効果】 電解コンデンサに使用される長寿命電解液、
特に高い電導度と高い耐電圧を105℃のような高温で
長期間維持でき、また、水分の添加に対しても安定な電
解液を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサに使用さ
れる電解液、特に高い電導度と高い耐電圧を高温で長期
間維持できる電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、アルミニウム、タン
タルなどの絶縁性酸化皮膜層が形成され得るいわゆる弁
金属を陽極に使用し、その表面を陽極酸化処理等によっ
て前記の絶縁性の酸化皮膜薄膜を誘電体層として形成し
たものを陽極側電極に使用する。そして、この陽極側電
極に対向させて陰極側電極を配置、陽極側電極と陰極側
電極間にセパレータを介在させ、このセパレータに電解
液を保持させて電解コンデンサが形成される。陽極側電
極は、通常表面積の拡大のためエッチング処理がなされ
ており、電解液はこの凹凸面に密接して、実質的な陰極
としての機能を有する。このため電解液の電導度、温度
特性などか電解コンデンサの電気的特性を決定する要因
となる。又、電解液は絶縁性の酸化皮膜薄膜の劣化や損
傷を修復し、漏れ電流や寿命特性へ影響を及ぼす。この
ように、電解液は電解コンデンサの特性を左右する重要
な構成要素である。
【0003】電解液の特性の中でも、電導度は電解コン
デンサの誘電損失、インピーダンス特性などに直接関わ
ることから、近年高い電導度を有する電解液の開発が盛
んに行われている。この中でも有機酸特に各種のカルボ
ン酸をアニオンとした四級アンモニウム塩を溶質とした
ものをガンマーブチロラクトンなどの非プロトン性溶媒
に溶解したものが、高い電導度を得られるということで
注目されている。このようなものとしては、例えば特開
昭62ー145713号公報、特開昭62ー14571
5号公報などが知られている。しかしながら、このよう
な高電導度電解液は一般に電解液自体の耐電圧が低く、
定格電圧が50V以下の領域で使用されてきた。
【0004】そこで、この高電導度電解液に薬剤を添加
することにより、電導度の低下を抑制しつつ耐電圧を向
上させることが試みられており、たとえば、特開昭63
ー261820号公報、特開昭63ー261822号公
報および特開平3ー209810号公報にはフタル酸や
マレイン酸の四級アンモニウム塩/ガンマーブチロラク
トン系電解液にアルキル燐酸エステルを添加した系、特
開平4ー58512号公報にはフタル酸やマレイン酸の
四級アンモニウム塩/ガンマーブチロラクトン系電解液
にシリカコロイド粒子を添加した系、特願平3−330
152号にはフタル酸、マレイン酸、及び安息香酸の四
級アンモニウム塩/ガンマーブチロラクトン系電解液に
燐酸ジブチルとシリカ微粒子を両方添加した系が提案さ
れているが、105℃のような高温では寿命が十分でな
く、水分の添加に対して不安定であるという問題点があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
改良したもので、安息香酸の四級アンモニウム塩/ガン
マーブチロラクトン系電解液において、少なくとも5m
S/cm(25℃)以上の電導度、100V(105
℃)以上の耐電圧を、105℃のような高温で長期間維
持でき、また、水分の添加に対しても安定な電解液を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、安息香酸の四
級アンモニウム塩を主溶質とし、ガンマーブチロラクト
ンとエチレングリコールとからなる複合溶媒を主溶媒と
する電解液100重量部に対して、炭素数が4〜10の
飽和アルキル基を2個有する燐酸ジアルキルエステルを
1〜8重量部、平均粒径が10〜50nmのアルミノシ
リケ−ト微粒子を0.5〜10重量部を含有してなる高
い電導度と高い耐電圧を高温で長期間維持できる電解液
を提供するものである。
【0007】本発明の電解コンデンサ用電解液は安息香
酸の四級アンモニウム塩を主溶質として、ガンマーブチ
ロラクトンとエチレングリコールとからなる複合溶媒を
主体とする溶媒に溶解した電解液を基本電解液として使
用する。本発明で使用する基本電解液の溶質はアニオン
成分は安息香酸であるが、カチオン成分である四級アン
モニウムはテトラアルキルアンモニウム塩であり、高い
電導度を示す総炭素数8以下のテトラアルキルアンモニ
ウム塩が好ましい。具体例としては、テトラメチルアン
モニウム、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジ
エチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウムあるいはN,Nージメチルピ
ロリジニウム等を例示することができる。基本電解液中
での安息香酸の四級アンモニウム塩の濃度は、高い電導
度を得るためには15〜25重量%の範囲が好ましい。
【0008】基本電解液中の主溶媒であるガンマーブチ
ロラクトンとエチレングリコールとからなる複合溶媒
は、高温における高い電導度を維持するために、エチレ
ングリコールのガンマーブチロラクトンに対する重量比
を0.1〜0.4の範囲にするのが好ましい。本発明の
電解液には主溶媒であるガンマーブチロラクトンとエチ
レングリコールとからなる複合溶媒の他に後記するアル
ミノシリケ−ト微粒子のゾルに使用される有機溶媒等を
副溶媒として併用することができる。その量としては全
溶媒中10重量%以下が好ましい。本発明の電解液に使
用する燐酸ジアルキルエステルは、一般式(1)で表さ
れるものである。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、アルキル基R1およびR2は炭素数
が4〜10の直鎖あるいは非直鎖の飽和アルキル基であ
る。)上記式中のR1とR2は必ずしも同一である必要は
ないが、通常は同一である。この燐酸ジアルキルエステ
ルの具体例としては燐酸ジ−n−ブチル、燐酸ジ−n−
オクチル、燐酸ジ(2−エチルヘキシル)、燐酸ジノニ
ル、燐酸ジ−n−デシル、燐酸ジイソデシルなどを例示
することができる。基本電解液に添加する燐酸ジアルキ
ルエステルは、燐酸モノアルキルエステルを含むもので
あってもよいが、その量が5重量%以下であるものが好
ましい。通常入手できる燐酸ジアルキルエステルは、そ
の製造法上、燐酸モノアルキルエステルを副生成物とし
て含んでいるので、精製したものを使用する必要があ
る。
【0011】燐酸ジアルキルエステルは2種類以上を併
用しても差し支えないが、総添加量は基本電解液100
重量部に対して1〜8重量部、好ましくは1〜5重量部
の範囲である。添加量が少ないと耐圧向上効果が充分で
なく、多すぎると電導度が低下するので好ましくない。
【0012】本発明の電解液に使用するアルミノシリケ
−ト微粒子のAl/Si比は0.02〜1が好ましく、
より好ましくは0.02〜0.8である。粒子のコロイ
ド状態を安定に維持するために、粒子表面にアルミノシ
リケート構造による強い負電荷点を作ることが必要であ
るが、Siに対してAl量が少なすぎると負電荷が弱く
好ましくない。また、Al量が多すぎるとアルミノシリ
ケート構造をとることができなくなり好ましくない。
【0013】また、アルミノシリケ−ト微粒子の粒径は
10〜50nmが好ましく、より好ましくは20〜40
nmである。粒径が小さ過ぎると、高温において電解液
中で微粒子の会合が進行し、やがてはゲル化に到るので
耐圧向上効果を維持することができない。また、粒径が
大き過ぎると、同一重量でも粒子数が少ないので、所定
の耐圧向上を得るためには、大量に添加する必要が有り
電導度の低下を招くので好ましくない。
【0014】アルミノシリケ−ト微粒子の添加量は電解
液100重量部に対し0.5〜10重量部であることが
好ましく、添加量が少なすぎると十分な耐圧向上効果が
得られず、多すぎると電導度が低下し過ぎるし、高温に
おいて会合、ゲル化して耐圧向上効果が低下するので好
ましくない。
【0015】本発明に使用して好適なアルミノシリケ−
ト微粒子は適当な溶媒に分散したゾルとして添加するこ
とが望ましい。ゾルとして添加する方法が微粒子を会合
させることなく電解液中に安定にコロイド状に分散させ
ることが容易であり、耐圧向上効果が大きいからであ
る。
【0016】ゾルに使用される有機溶媒としてはメタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
メトキシエタノール、エチレングリコール等のアルコー
ル溶媒、Nーメチルホルムアミド、N,Nージメチルホ
ルムアミド、N,Nージメチルアセトアミド、Nーメチ
ルピロリドン等のアミド溶媒、ガンマーブチロラクトン
等のラクトン溶媒、プロピレンカーボネート等のカーボ
ネート溶媒、Nーメチルオキサゾリドン等のカーバメー
ト溶媒、N,Nージメチルイミダゾリドン等のユレア溶
媒、アセトニトリル等のニトリル溶媒、トリメチルホォ
スフェート等の燐酸エステル溶媒、ジメチルスルフォキ
シド、3ーメチルスルホラン、エチレンサルファイト等
の含硫黄溶媒等の極性溶媒を使用することができるが、
基本電解液に使用されているエチレングリコールあるい
はガンマーブチロラクトンが電解液の調製上好ましく、
さらには、エチレングリコールが微粒子の分散性に優れ
るのでより好ましい。ゾルに使用する溶媒が低沸点溶媒
の時は、ゾルを電解液に添加したのち、その溶媒を蒸留
等で電解液から除去することが好ましい。
【0017】ゾル中のアルミノシリケ−ト濃度は1〜5
0重量%が好ましいが、高すぎるとゲル化に対し不安定
であり、低すぎると電解液の濃度調製の自由度がなくな
るので、10〜40重量%がより好ましい。
【0018】本発明の安息香酸の四級アンモニウム塩/
ガンマーブチロラクトン系電解液は、水分の添加に対し
ても安定であり、電解液中に5重量%程度まで含有させ
ることができ、ゲル化することなく長時間耐圧を維持す
ることが可能である。
【0019】
【作用】アルミノシリケート微粒子はその表面にアルミ
ノシリケート構造による強い負電荷点を持っており、理
由は不明であるが、電解液中の水分によるゲル化等の変
質に対する安定性を著しく増加させる。
【0020】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。 実施例1.安息香酸トリエチルメチルアンモニウム塩2
5重量%を溶解したガンマーブチロラクトン溶液、純度
99%の燐酸ジブチル、イオン交換法で製造した平均粒
径30nm、Al/Si比0.64であるアルミノシリ
ケート微粒子30重量%をエチレングリコール中に分散
したゾル、ガンマーブチロラクトンおよびエチレングリ
コールを使用して、安息香酸20重量%、ガンマーブチ
ロラクトン64重量%、エチレングリコール16重量%
から成る溶液100重量部に燐酸ジブチル2重量部、ア
ルミノシリケート微粒子を6重量部を含む電解液を調合
し、電解液中の水分を2重量%に調製した。
【0021】この電解液を110℃で1時間熟成した
後、電導度および耐電圧を測定した。電導度は25℃で
の測定値、耐電圧は定格電圧200V、静電容量68μ
Fの電解コンデンサを作製し、これに110℃で5mA
の定電流を印加した時に観測されるシンチレーション開
始電圧とした。さらに、この電解液を密閉ガラス容器に
封入し、110℃で2000時間保存した後、同一の方
法で電導度と耐電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0022】実施例2 実施例1において、電解液中の水分を4重量%に変化さ
せ、同様の実験をした結果を表1に示す。 比較例1.実施例1において、アルミノシリケート微粒
子の代わりに同一粒径のシリカ微粒子を使用し、同様の
実験をした結果を表1に示す。 比較例2.実施例2において、アルミノシリケート微粒
子の代わりに同一粒径のシリカ微粒子を使用し、同様の
実験をした結果を表1に示す。
【0023】 表1 実験例 電導度初期値 耐電圧初期値 電導度2000hr後 耐電圧2000hr後 (mS/cm) (V) (mS/cm) (V) 実施例1 6.6 170 4.2 220 実施例2 6.7 200 4.1 230 比較例1 6.6 150 3.7(一部ゲル化) 140 比較例2 6.7 150 3.7(一部ゲル化) 140
【0024】コンデンサとしての評価例 実施例1、2および比較例2の電解液を使用して、定格
電圧100V、定格静電容量56μFの電解コンデンサ
を各々10個ずつ作製し、110℃における高音負荷試
験を実施した。2000時間経過後の耐圧降下によるシ
ョートまたは開弁発生率は、実施例1、2では0%で、
比較例2では100%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、低インピーダンス、長
寿命の定格電圧50V以上の電解コンデンサを提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉光 賢次 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安息香酸の四級アンモニウム塩を主溶質
    とし、ガンマーブチロラクトンとエチレングリコールと
    からなる複合溶媒を主溶媒とする電解液100重量部に
    対して、炭素数が4〜10の飽和アルキル基を2個有す
    る燐酸ジアルキルエステルを1〜8重量部、平均粒径が
    10〜50nmのアルミノシリケ−ト微粒子を0.5〜
    10重量部を含有してなる電解コンデンサ用電解液。
JP14914393A 1993-06-21 1993-06-21 電解コンデンサ用電解液 Pending JPH0722287A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103337366A (zh) * 2013-06-06 2013-10-02 上海洪微电子科技有限公司 用于电容器工作电解液的闪火电压提升剂及其制备方法
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