JPH06132166A - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents
電解コンデンサの駆動用電解液Info
- Publication number
- JPH06132166A JPH06132166A JP4308275A JP30827592A JPH06132166A JP H06132166 A JPH06132166 A JP H06132166A JP 4308275 A JP4308275 A JP 4308275A JP 30827592 A JP30827592 A JP 30827592A JP H06132166 A JPH06132166 A JP H06132166A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furan
- thiophene
- pyrrole
- electrolytic capacitor
- leak current
- Prior art date
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- Pending
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- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 比抵抗を増加させることなく、火花電圧を上
昇させ、且つ漏れ電流による水素ガス発生を防止した6
3V級でも使用可能とする。 【構成】 主溶媒としてのγ−ブチロラクトンに、溶質
としてのフタル酸の4級アンモニウム塩を加え、更にピ
ロール,フラン,チオフェンの中の少なくとも1種を添
加してなるものであり、好ましくはピロール,フラン,
チオフェンの中の少なくとも1種の添加量を0.1〜5
%とする。
昇させ、且つ漏れ電流による水素ガス発生を防止した6
3V級でも使用可能とする。 【構成】 主溶媒としてのγ−ブチロラクトンに、溶質
としてのフタル酸の4級アンモニウム塩を加え、更にピ
ロール,フラン,チオフェンの中の少なくとも1種を添
加してなるものであり、好ましくはピロール,フラン,
チオフェンの中の少なくとも1種の添加量を0.1〜5
%とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、諸特性良好にして電解
コンデンサの寿命特性に大きく寄与する電解コンデンサ
の駆動用電解液に関する。
コンデンサの寿命特性に大きく寄与する電解コンデンサ
の駆動用電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電解コンデンサの駆動用電解液
としては、溶媒としてのエチレングリコールに溶質とし
てアジピン酸やホウ酸のアンモニウムを溶解した電解液
が用いられていた。
としては、溶媒としてのエチレングリコールに溶質とし
てアジピン酸やホウ酸のアンモニウムを溶解した電解液
が用いられていた。
【0003】しかし、この種駆動用電解液は、比抵抗が
大きく、高温においては比抵抗の増大によりtanδの
増大ということで安定性に乏しく、また低温においては
粘度が大きくなるため、tanδやインピーダンスが急
激に増大するなどの欠点があった。
大きく、高温においては比抵抗の増大によりtanδの
増大ということで安定性に乏しく、また低温においては
粘度が大きくなるため、tanδやインピーダンスが急
激に増大するなどの欠点があった。
【0004】そのため、これらの欠点を解決するものと
して、γ−ブチロラクトンを主溶媒としたものにフタル
酸の4級アンモニウム塩を溶解した駆動用電解液が提案
され比抵抗の減少化に大きく貢献している。
して、γ−ブチロラクトンを主溶媒としたものにフタル
酸の4級アンモニウム塩を溶解した駆動用電解液が提案
され比抵抗の減少化に大きく貢献している。
【0005】しかしながら、この駆動用電解液は火花電
圧が低いために50V以下の製品での使用が限度であ
り、しかも化成性が悪いために漏れ電流が大きく、高温
負荷試験中に水素ガスが発生して電解コンデンサの封口
ゴム栓が膨らみ外観異常の発生となる問題を抱える結果
となっていた。
圧が低いために50V以下の製品での使用が限度であ
り、しかも化成性が悪いために漏れ電流が大きく、高温
負荷試験中に水素ガスが発生して電解コンデンサの封口
ゴム栓が膨らみ外観異常の発生となる問題を抱える結果
となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来一般化している電解コンデンサの駆動用電解液は、低
温域での粘度上昇や高温域での比抵抗の増大、若しく
は、それに伴うtanδの増大などの欠点を有し、ま
た、これらの欠点を除去する目的で提案されているγ−
ブチロラクトンにフタル酸の4級アンモニウム塩を溶解
した駆動用電解液は、上記のような欠点がない代わり
に、火花電圧が低くなり、化成性も悪くなるため、低電
圧のコンデンサにしか対応できないという問題点があり
実用上解決すべき課題をもっていた。
来一般化している電解コンデンサの駆動用電解液は、低
温域での粘度上昇や高温域での比抵抗の増大、若しく
は、それに伴うtanδの増大などの欠点を有し、ま
た、これらの欠点を除去する目的で提案されているγ−
ブチロラクトンにフタル酸の4級アンモニウム塩を溶解
した駆動用電解液は、上記のような欠点がない代わり
に、火花電圧が低くなり、化成性も悪くなるため、低電
圧のコンデンサにしか対応できないという問題点があり
実用上解決すべき課題をもっていた。
【0007】本発明は、上記の問題を解決するために成
されたもので、その目的は比抵抗を増加させることな
く、火花電圧を上昇させ、且つ漏れ電流による水素ガス
発生を防止し、電解コンデンサの寿命特性向上に大きく
貢献できる信頼性の高い電解コンデンサの駆動用電解液
を提供することである。
されたもので、その目的は比抵抗を増加させることな
く、火花電圧を上昇させ、且つ漏れ電流による水素ガス
発生を防止し、電解コンデンサの寿命特性向上に大きく
貢献できる信頼性の高い電解コンデンサの駆動用電解液
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による電解コンデ
ンサの駆動用電解液は、γ−ブチロラクトンからなる主
溶媒にフタル酸の4級アンモニウム塩からなる溶質を加
えてなる溶液に、ピロール,フラン,チオフェンの中の
少なくとも1種を添加したことを特徴とするものであ
り、このような駆動用電解液において、好ましくはピロ
ール,フラン,チオフェンの添加量が0.1〜5%であ
ることを特徴とするものである。
ンサの駆動用電解液は、γ−ブチロラクトンからなる主
溶媒にフタル酸の4級アンモニウム塩からなる溶質を加
えてなる溶液に、ピロール,フラン,チオフェンの中の
少なくとも1種を添加したことを特徴とするものであ
り、このような駆動用電解液において、好ましくはピロ
ール,フラン,チオフェンの添加量が0.1〜5%であ
ることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】以上のように構成された電解コンデンサの駆動
用電解液によれば、ピロール,フラン,チオフェンの中
の少なくとも1種を加えることにより、比抵抗を増加さ
せることなく、火花電圧の上昇が可能となる。
用電解液によれば、ピロール,フラン,チオフェンの中
の少なくとも1種を加えることにより、比抵抗を増加さ
せることなく、火花電圧の上昇が可能となる。
【0010】また、この電解コンデンサの駆動用電解液
を用いた電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜の欠陥部に
流れる漏れ電流によって、ピロール,フラン,チオフェ
ンが電解酸化重合を起こし、それぞれポリピロール,ポ
リフラン,ポリチオフェンの絶縁膜を形成し、欠陥部に
流れる漏れ電流を遮断し、その後漏れ電流が殆ど流れな
くなり、水素ガス発生要因は解消される。
を用いた電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜の欠陥部に
流れる漏れ電流によって、ピロール,フラン,チオフェ
ンが電解酸化重合を起こし、それぞれポリピロール,ポ
リフラン,ポリチオフェンの絶縁膜を形成し、欠陥部に
流れる漏れ電流を遮断し、その後漏れ電流が殆ど流れな
くなり、水素ガス発生要因は解消される。
【0011】なお、ピロール,フラン,チオフェンの添
加量が0.1〜5%とするのは、0.1%未満では添加
の効果は見られず、5%を越えると駆動用電解液特性と
しての比抵抗が増加する理由に基づくものである。
加量が0.1〜5%とするのは、0.1%未満では添加
の効果は見られず、5%を越えると駆動用電解液特性と
しての比抵抗が増加する理由に基づくものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る電解コンデンサの駆動用
電解液の実施例について説明する。
電解液の実施例について説明する。
【0013】すなわち、主溶媒としてのγ−ブチロラク
トンに、溶質としてのフタル酸の4級アンモニウム塩を
添加溶解してなる溶液に、ピロール,フラン,チオフェ
ンの中の少なくとも1種を添加して駆動用電解液を構成
してなるものである。
トンに、溶質としてのフタル酸の4級アンモニウム塩を
添加溶解してなる溶液に、ピロール,フラン,チオフェ
ンの中の少なくとも1種を添加して駆動用電解液を構成
してなるものである。
【0014】なお、この場合ピロール,フラン,チオフ
ェンの添加量として、0.1%未満では添加する意味が
なく、5%を越えると比抵抗が増大することから0.1
〜5%とすることが好ましい。
ェンの添加量として、0.1%未満では添加する意味が
なく、5%を越えると比抵抗が増大することから0.1
〜5%とすることが好ましい。
【0015】次に、本発明に基づく具体的な実施例と従
来例との特性比較について述べる。
来例との特性比較について述べる。
【0016】表1に示す実施例A,B,Cと従来例の駆
動用電解液を用いた定格50V−330μF及び63V
−330μF、2種類のアルミニウム電解コンデンサの
初期と高温負荷試験(105℃,2000h)後の特性
を比較した結果、表2及び表3に示す通りであった。
動用電解液を用いた定格50V−330μF及び63V
−330μF、2種類のアルミニウム電解コンデンサの
初期と高温負荷試験(105℃,2000h)後の特性
を比較した結果、表2及び表3に示す通りであった。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】表1から明らかなように、実施例A,B,
Cのものは、従来例のものと比較して比抵抗を増加させ
ることなく火花電圧が20〜40V上昇していることが
わかる。
Cのものは、従来例のものと比較して比抵抗を増加させ
ることなく火花電圧が20〜40V上昇していることが
わかる。
【0021】また、表2から明らかなように、実施例
A,B,Cのものは、従来例のものと比較して初期漏れ
電流が約1/2で、105℃,2000h負荷試験後で
も1μA以下と極めて小さく、漏れ電流特性改善に大き
く貢献している。
A,B,Cのものは、従来例のものと比較して初期漏れ
電流が約1/2で、105℃,2000h負荷試験後で
も1μA以下と極めて小さく、漏れ電流特性改善に大き
く貢献している。
【0022】更に、表3から明らかなように、従来例の
ものはエージング中パンクとなり63Vの製品では使用
に耐えないのに対して、実施例A,B,Cのものは、初
期特性は元より105℃,2000h負荷試験後であっ
ても安定した諸特性を示し、63Vの製品でも問題なく
使用できる優れた効果を実証した。
ものはエージング中パンクとなり63Vの製品では使用
に耐えないのに対して、実施例A,B,Cのものは、初
期特性は元より105℃,2000h負荷試験後であっ
ても安定した諸特性を示し、63Vの製品でも問題なく
使用できる優れた効果を実証した。
【0023】なお、上記表2及び表3とは別に、105
℃,2000h負荷試験後の外観状態を調べた結果、5
0V−330μFの電解コンデンサの従来例に係わるも
のは、全てゴム栓膨れとなったのに対して、実施例A,
B,Cのものは全て外観上の変化はなかった。
℃,2000h負荷試験後の外観状態を調べた結果、5
0V−330μFの電解コンデンサの従来例に係わるも
のは、全てゴム栓膨れとなったのに対して、実施例A,
B,Cのものは全て外観上の変化はなかった。
【0024】また、63V−330μFの電解コンデン
サにおいても、実施例A,B,Cのもの全て外観上の変
化はなかった。
サにおいても、実施例A,B,Cのもの全て外観上の変
化はなかった。
【0025】そして、この本発明と従来例の外観上の相
違は、実施例A,B,Cのものは、誘電体酸化皮膜の欠
陥部に流れる漏れ電流によって、コンデンサ素子に含浸
してある駆動用電解液を構成するピロール,フラン,チ
オフェンそれぞれが電解酸化重合を起こし、それぞれポ
リピロール,ポリフラン,ポリチオフェンの絶縁膜を形
成して誘電体酸化皮膜の欠陥部に流れる漏れ電流を遮断
し、その後漏れ電流が殆ど流れなくなることによって、
水素ガス発生要因が解消されることによるものである。
違は、実施例A,B,Cのものは、誘電体酸化皮膜の欠
陥部に流れる漏れ電流によって、コンデンサ素子に含浸
してある駆動用電解液を構成するピロール,フラン,チ
オフェンそれぞれが電解酸化重合を起こし、それぞれポ
リピロール,ポリフラン,ポリチオフェンの絶縁膜を形
成して誘電体酸化皮膜の欠陥部に流れる漏れ電流を遮断
し、その後漏れ電流が殆ど流れなくなることによって、
水素ガス発生要因が解消されることによるものである。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、比抵抗を増加すること
なく火花電圧を上昇でき、且つ漏れ電流を低下させ水素
ガス発生を抑制してゴム栓膨れを防止できる高信頼性の
電解コンデンサの駆動用電解液を得ることができる。
なく火花電圧を上昇でき、且つ漏れ電流を低下させ水素
ガス発生を抑制してゴム栓膨れを防止できる高信頼性の
電解コンデンサの駆動用電解液を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 γ−ブチロラクトンからなる主溶媒にフ
タル酸の4級アンモニウム塩からなる溶質を加えてなる
溶液に、ピロール,フラン,チオフェンの中の少なくと
も1種を添加したことを特徴とする電解コンデンサの駆
動用電解液。 - 【請求項2】 ピロール,フラン,チオフェンの添加量
が0.1〜5%であることを特徴とする請求項1記載の
電解コンデンサの駆動用電解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4308275A JPH06132166A (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4308275A JPH06132166A (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06132166A true JPH06132166A (ja) | 1994-05-13 |
Family
ID=17979069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4308275A Pending JPH06132166A (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06132166A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110246697A (zh) * | 2019-07-22 | 2019-09-17 | 珠海华冠电容器股份有限公司 | 一种混合电解质专用电解液及其制备方法 |
JP2020009916A (ja) * | 2018-07-09 | 2020-01-16 | サン電子工業株式会社 | 電解コンデンサ及びそれを用いた電子機器 |
-
1992
- 1992-10-21 JP JP4308275A patent/JPH06132166A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020009916A (ja) * | 2018-07-09 | 2020-01-16 | サン電子工業株式会社 | 電解コンデンサ及びそれを用いた電子機器 |
CN110246697A (zh) * | 2019-07-22 | 2019-09-17 | 珠海华冠电容器股份有限公司 | 一种混合电解质专用电解液及其制备方法 |
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