JPH0636974A - 電解コンデンサ駆動用の電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用の電解液

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JPH0636974A
JPH0636974A JP20956892A JP20956892A JPH0636974A JP H0636974 A JPH0636974 A JP H0636974A JP 20956892 A JP20956892 A JP 20956892A JP 20956892 A JP20956892 A JP 20956892A JP H0636974 A JPH0636974 A JP H0636974A
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JP
Japan
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electrolytic capacitor
electrolyte
electrolytic
electrolytic solution
boric acid
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Application number
JP20956892A
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English (en)
Inventor
Koichi Morita
晃一 森田
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐電圧が高く、寿命特性及び低温特性に優
れ、電圧を印加した際に安定した特性を有する電解コン
デンサの駆動用の電解液を提供すること。 【構成】 γ−ブチロラクトン98ml及びエチレングリコ
ール2ml を溶媒とし、セバシン酸トリエチルメチルアン
モニウム塩10g 及びほう酸1gを溶質として溶解した電解
液を用いて定格 100V− 220μFの電解コンデンサを試
作し、 105℃,2000時間の高温負荷試験を行った。その
結果、 tanδの変化量, 漏れ電流の変化量及び容量変化
率は、従来の電解液による電解コンデンサと比較して低
かった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサ駆動用
の電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、駆動用電解液(以下
電解液という)を含浸したセパレータ紙をアルミニウム
の箔とともに巻回してなるコンデンサ素子を、アルミニ
ウム製又は合成樹脂製のケースに収納し密閉した構造を
有している。
【0003】このような電解コンデンサの電解液には、
エチレングリコールを主溶媒とし、アジピン酸,蟻酸,
安息香酸等の有機酸若しくはその塩、又はほう酸,リン
酸等の無機酸若しくはその塩を溶質とするものが、多く
用いられている。
【0004】近年では、耐電圧,熱安定性等の特性が優
れた電解液が求められており、高電導度を有し熱安定性
の優れた電解液として、γ−ブチロラクトンを溶媒とし
フタル酸の四級アンモニウム塩であるフタル酸テトラメ
チルアンモニウム塩を溶質として溶解した電解液が提案
されている(特開昭63−69213 号公報) 。
【0005】この電解液は、高伝導度を有し、寿命特性
が優れており、溶媒にγ−ブチロラクトン(融点-43.53
℃)を使用しているので、低温特性に優れている。しか
しながら、この電解液は耐電圧が低く、これを用いた電
解コンデンサの定格電圧は、35〜50Vを限界としてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また、γ−ブチロラク
トンを溶媒とし、セバシン酸の四級アンモニウム塩を溶
質として溶解した電解液が提案されている(特開昭62−
248217号公報) 。この電解液を用いた電解コンデンサ
は、熱安定性及び寿命特性が優れており、耐電圧が高
い。しかしながら、この電解コンデンサは電圧を印加し
た際に、陽極に形成されている酸化膜が破壊され易く、
そのために耐電圧が急峻に低下する。このことから、こ
の電解液は電解コンデンサに電圧を印加した際に、その
特性を不安定にするという問題があった。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、耐電圧が高く、寿命特性及び低温特性に優
れ、電圧を印加した際に安定した特性を有する電解コン
デンサの駆動用の電解液を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る電解コン
デンサ駆動用の電解液は、γ−ブチロラクトンを主溶媒
とし、セバシン酸の四級アンモニウム塩を主溶質とする
電解コンデンサ駆動用の電解液において、ほう酸及びエ
チレングリコールを溶解してあることを特徴とする。
【0009】第2発明に係る電解コンデンサ駆動用の電
解液は、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、セバシン酸
の四級アンモニウム塩を主溶質とする電解コンデンサ駆
動用の電解液において、前記溶媒 100mlに対し、含有量
が 0.5〜2g のほう酸と、含有量が1〜5mlのエチレン
グリコールを溶解してあることを特徴とする。
【0010】
【作用】図1は電解液の電圧上昇特性を示すグラフであ
る。縦軸は電圧、横軸は時間を表している。図1(a)
は、従来のγ−ブチロラクトン100ml を溶媒とし、セバ
シン酸トリエチルメチルアンモニウム塩10g を溶質とし
て溶解した電解液に電極を装着して、これに印加された
電圧を測定した電圧上昇特性を示している。電圧を徐々
に上昇した場合に、この電解液に印加される電圧は 200
Vまで上昇した後、急峻に下降している。これは、高電
圧を印加することにより陽電極であるアルミニウム表面
に形成された酸化膜が破壊され、この電解液の耐電圧が
低下したためであると思われる。
【0011】一方、図1(b) は、γ−ブチロラクトン98
ml及びエチレングリコール2ml を溶媒とし、セバシン酸
トリエチルメチルアンモニウム塩10g 及びほう酸1gを溶
質として溶解した電解液に電極を装着して、これに印加
された電圧を測定した電圧上昇特性を示している。この
電解液では、電圧を徐々に上昇した場合に印加される電
圧は略 190Vでピークに達して 190Vを保ち、降下する
ことはない。このことから、ほう酸及びこれを溶解する
ためのエチレングリコールを含有することにより、高電
圧を印加したことによる酸化膜の破壊が抑制されると言
える。
【0012】本発明の電解コンデンサ駆動用の電解液で
は、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、セバシン酸の四
級アンモニウム塩を主溶質とする電解コンデンサ駆動用
の電解液に、ほう酸及びエチレングリコールを含有させ
る。このとき、ほう酸をエチレングリコールに溶解し
て、γ−ブチロラクトンと混合する。これにより、この
電解液を用いた電解コンデンサは、耐電圧が高く、寿命
特性及び低温特性に優れ、電圧を印加した際に安定した
特性を示す。また、これらの含有量は、溶媒 100mlに対
して、ほう酸は0.5 〜2g で、エチレングリコールは1
〜5mlである場合に、より優れた効果を示す。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を従来例と共に挙げて
具体的に説明する。
【0014】
【表1】
【0015】表1は電解液A,B,C,D,E,Fにつ
いての溶媒,溶質について示した表である。γ−ブチロ
ラクトン及びエチレングリコールを溶媒とし、セバシン
酸トリエチルメチルアンモニウム塩及びほう酸を溶質と
して溶解したものを、実施例の電解液A,B,Cとす
る。電解液A,B,Cは夫々溶媒の混合比,溶質の混合
比を異ならせたものであり、電解液Aはγ−ブチロラク
トン及びエチレングリコールを95:5(%) の溶媒に、溶媒
100mlに対してセバシン酸トリエチルメチルアンモニウ
ム塩を10g,ほう酸を2g溶解したものであり、電解液Bは
γ−ブチロラクトン及びエチレングリコールを98:2(%)
の溶媒にセバシン酸トリエチルメチルアンモニウム塩を
10g,ほう酸を1g溶解したもの、電解液Bはγ−ブチロラ
クトン及びエチレングリコールを99:1(%) の溶媒にセバ
シン酸テトラメチルアンモニウム塩を10g,ほう酸を0.5g
溶解したものである。ここで、ほう酸はエチレングリコ
ールに溶解し、γ−ブチロラクトンと混合される。
【0016】電解液D,E,Fは従来例であり、電解液
Dはγ−ブチロラクトン 100mlを溶媒として、フタル酸
テトラメチルアンモニウム塩20g を溶質として溶解した
ものであり、電解液Eはγ−ブチロラクトン 100mlを溶
媒として、セバシン酸トリエチルメチルアンモニウム塩
10g を溶解してもの、電解液Fはエチレングリコール10
0mlを溶媒として、アジピン酸アンモニウム10g を溶解
したものである。
【0017】これらの電解液A,B,C,D,E,Fに
電極を装着し、電導度,耐電圧を測定した結果、及びこ
れらの電解液A,B,C,D,E,Fを用いた電解コン
デンサ(定格 100V− 220μF,外形寸法がφ16mm×25
mm)を試作し、85℃, 100Vのエージングを行った場合
の状況を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2に示すように、従来例の電解液Dは耐
電圧が低く、これを用いた電解コンデンサに 100Vのエ
ージングを1時間,85℃で行ったところ、耐電圧以上の
電圧が負荷されて、電解コンデンサの陽極と陰極とが接
触するショートが発生し、パンクを多発させて(以下シ
ョートパンクと言う)、エージングが不可能であった。
【0020】これらの電解コンデンサを夫々20個ずつ試
作し、 105℃, 2000時間の高温負荷試験(定格電圧連続
印加試験)を実施した。2000時間後の容量変化率(ΔC
/C),電気抵抗値の指標である損失( tanδ)及び漏
れ電流の測定値を、初期値については容量, tanδ及び
漏れ電流の値を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】表3に示すように、従来例の電解液Fを用
いた電解コンデンサは容量変化率及び tanδが高くなっ
ており、寿命特性が悪いことが判る。また、従来例の電
解液Eを用いた電解コンデンサは高温負荷試験を実施中
に2個にショートパンクが発生している。これは、長時
間に渡る高温負荷試験中に電解コンデンサの酸化被膜が
破壊され、耐電圧に急激な変化が起こるためであると考
えられる。
【0023】これらと比較して本実施例の電解液A,
B,Cを用いた電解コンデンサは、容量変化率,tanδ及
び漏れ電流値は低く、ショートパンクも発生せず、安定
した特性を示していることが判る。
【0024】また、表2に示すように、電解液A,B,
Cの伝導度は、ほう酸及びエチレングリコールの添加量
が多くなるほど低くなっていること、表3に示すよう
に、ほう酸が添加されない電解液Eではショートパンク
が発生していること、ほう酸の添加量が多くなると溶媒
に溶け難くなることから、ほう酸の添加量は0.5g〜2g
が適量であることが言える。この添加量のほう酸を溶解
するためのエチレングリコールの添加量は1ml〜5mlが
適量である。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明の電解コンデンサ
駆動用の電解液は、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、
セバシン酸の四級アンモニウム塩を主溶質とする電解液
に、ほう酸及びエチレングリコールを添加することによ
り、耐電圧が高く、寿命特性及び低温特性に優れ、高電
圧を印加した際に安定した特性を有する電解コンデンサ
を得ることができ、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解液の電圧上昇特性を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、セバ
    シン酸の四級アンモニウム塩を主溶質とする電解コンデ
    ンサ駆動用の電解液において、ほう酸及びエチレングリ
    コールを溶解してあることを特徴とする電解コンデンサ
    駆動用の電解液。
  2. 【請求項2】 前記溶媒 100mlに対し、前記ほう酸の含
    有量が 0.5〜2g であり、前記エチレングリコールの含
    有量が1〜5mlであることを特徴とする請求項1記載の
    電解コンデンサ駆動用の電解液。
JP20956892A 1992-07-13 1992-07-13 電解コンデンサ駆動用の電解液 Pending JPH0636974A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110010354A (zh) * 2019-03-06 2019-07-12 湖南艾华集团股份有限公司 一种适用于高压铝电解电容器的电解液及其制备方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110010354A (zh) * 2019-03-06 2019-07-12 湖南艾华集团股份有限公司 一种适用于高压铝电解电容器的电解液及其制备方法

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