JPH1025575A - スポーツ用品等の物品及びそれらの製造方法 - Google Patents

スポーツ用品等の物品及びそれらの製造方法

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JPH1025575A
JPH1025575A JP8202917A JP20291796A JPH1025575A JP H1025575 A JPH1025575 A JP H1025575A JP 8202917 A JP8202917 A JP 8202917A JP 20291796 A JP20291796 A JP 20291796A JP H1025575 A JPH1025575 A JP H1025575A
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carbon film
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Takahiro Nakahigashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】他の物品や部材との摺動性、耐摩耗性、撥水性
のうち幾つかの点で優れたスポーツ用品等の物品及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】他物品との接触面S1´に耐摩耗性、潤滑
性、撥水性のある炭素膜Fが形成されているスポーツ用
品、他物品との接触面S2´に耐摩耗性、潤滑性、撥水
性のある炭素膜Fが形成されている自転車用部品、外表
面S3´に耐摩耗性、撥水性のある炭素膜Fが形成され
ている雨具、外表面S4´に耐摩耗性、撥水性のある炭
素膜Fが形成されているダイヤフラム、及びこれらの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ボール、テニ
スラケット等のラケット枠、ラケットに張設するガッ
ト、ゴルフクラブ、スポーツ用シューズ等のスポーツ用
品(完成品の部品を含む)、自転車用のリム、タイヤ、
スポーク代用のディスク等の自転車用部品、雨靴、傘等
の雨具、人工心臓で使用されるダイヤフラムポンプ等に
おいて使用されるダイヤフラム及びそれらの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】スポーツ用品や自転車用部品の材料とし
てゴムや樹脂等の高分子材料が多用される。ゴムは、例
えばテント等のシール材、ボール、スポーツ用シュー
ズ、自転車用タイヤ等の材料又は表面材料として用いら
れ、樹脂は、例えばテニスやバドミントン等のラケット
の枠、ラケットに張設するガット、ゴルフクラブ、スポ
ーツ用シューズ、ディスクでタイヤを支えるタイプの自
転車におけるスポーク代用の該ディスク、リム等の材料
又は表面材料として用いられる。
【0003】表面がゴムからなるものについては、他物
品との摺動性を向上させ、他物品との接触による摩耗、
劣化を防止し、また表面の撥水性を向上させるために、
表面にグリースやワックスを塗布したり、基材にオイル
を添加して成形したり等する。表面が樹脂からなるもの
については特にこのような処置は施していない。また、
雨靴、傘、レインコート等の雨具の材料としても、通常
ゴムや樹脂等の高分子材料が用いられる。
【0004】また、人工心臓で採用されるダイヤフラム
ポンプ等において採用されるダイヤフラムの材料として
は、シリコンゴム等の高分子材料が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スポー
ツ用品、自転車用部品に関して、シール材、ボール、自
転車のタイヤ等の表面にグリースやワックスを塗布する
方法では、使用開始時には比較的良好な所望特性が得ら
れても、時間とともに表面のグリースやワックスが他部
分へ分散したり、吸収されたり、脱落したりして少なく
なり、摺動性が低下し、表面の摩耗、劣化が生じやすく
なり、撥水性が低下して汚れが付着し易くなる。
【0006】また、基材中にオイルを添加して成形する
方法では、使用開始時には比較的良好な摺動性等の所望
特性が得られても、時間とともに表面部分に含まれるオ
イルが相手方物品に吸収される等して少なくなり、摺動
性が低下し、表面の摩耗、劣化が生じやすくなり、撥水
性が低下する。例えば、テントの布とポールとをシール
するシール材では金属製のポールとの摩擦により、ボー
ルでは地面、バット、ラケット等との摩擦により、自転
車のタイヤでは空気を入れたり抜いたりするときに金属
製のリムとの摩擦により、それぞれ表面が摩耗、劣化し
易くなり、その結果、摺動性、撥水性が低下する。ま
た、撥水性が低下する結果、ゴルフボール等では雨天時
に飛距離が伸びないという問題もある。
【0007】また、表面が樹脂からなるものについても
同様で、ラケット、ゴルフクラブでは他物品との接触に
より、樹脂からなるガットではガット同士の摩擦によ
り、リムではタイヤとの接触によりそれぞれ表面が摩
耗、劣化し易く、摺動性、撥水性が悪い。また、自転車
用ディスクでは、撥水性が悪いために、雨天時に雨滴が
付着してスピードを上げ難い。
【0008】また、ゴムや樹脂からなる雨具では、他物
品との接触により傷がつき易く、また撥水性が十分でな
いため該雨具に付着した雨滴や泥を除去し難い。また、
高分子材料からなるダイヤフラムは、そのダイヤフラム
の固定具等との接触により摩耗、劣化し易く、また、そ
のダイヤフラムが取り扱う液体等の流体が付着し易いと
いう問題がある。
【0009】そこで本発明は、他の物品や部材との摺動
性、耐摩耗性、撥水性のうち幾つかの点で優れたスポー
ツ用品等の物品及びその製造方法を提供することを課題
とする。特に、他の物品との摺動性が良好で、耐摩耗性
に優れ、劣化し難く、さらに撥水性に優れるスポーツ用
品(完成品の部品を含む)及び自転車用部品並びにそれ
らの製造方法を提供することを課題とする。
【0010】また特に、耐摩耗性、撥水性に優れる雨具
及びその製造方法を提供することを課題とする。また特
に、耐摩耗性に優れ、劣化し難く、さらに撥水性に優れ
るダイヤフラム及びその製造方法を提供することを課題
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑性、
撥水性のある炭素膜が形成されていることを特徴とする
スポーツ用品(完成品の部品を含む)を提供する。また
本発明は、表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑性、撥
水性のある炭素膜を形成する工程を含むことを特徴とす
るスポーツ用品(完成品の部品を含む)の製造方法を提
供する。
【0012】また、本発明は、表面の一部又は全部に耐
摩耗性、潤滑性、撥水性のある炭素膜が形成されている
ことを特徴とする自転車用部品を提供する。また本発明
は、表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑性、撥水性の
ある炭素膜を形成する工程を含むことを特徴とする自転
車用部品の製造方法を提供する。また、本発明は、表面
の一部又は全部に耐摩耗性、撥水性のある炭素膜が形成
されていることを特徴とする雨具を提供する。また本発
明は、表面の一部又は全部に耐摩耗性、撥水性のある炭
素膜を形成する工程を含むことを特徴とする雨具の製造
方法を提供する。
【0013】また、本発明は、表面の一部又は全部に耐
摩耗性、撥水性のある炭素膜が形成されていることを特
徴とするダイヤフラム(自動車部品ダイヤフラムを除
く)を提供する。また本発明は、表面の一部又は全部に
耐摩耗性、撥水性のある炭素膜を形成する工程を含むこ
とを特徴とするダイヤフラム(自動車部品ダイヤフラム
を除く)の製造方法を提供する。
【0014】なお、前記スポーツ用品における炭素膜を
形成する表面の一部又は全部として、特に他物品との接
触面を挙げることができ、この「他物品」には、通常の
物品の他、コート面、路面等の面や、スポーツ用品の種
類によっては水滴等も含む。また、前記自転車用部品に
おける炭素膜を形成する表面の一部又は全部として、特
に他物品との接触面を挙げることができ、この「他物
品」には、自転車における他部材の他、自転車用部品の
種類によっては水滴等も含む。また、前記雨具における
炭素膜を形成する表面の一部又は全部として、特に外表
面を挙げることができる。また、前記ダイヤフラムにお
ける炭素膜を形成する表面の一部又は全部としては、該
ダイヤフラムの固定具等の他物品との接触面や該ダイヤ
フラムが取り扱う液体等の流体との接触面等が考えられ
る。
【0015】本発明に係るスポーツ用品は、表面の一部
又は全部に耐摩耗性、潤滑性、撥水性を有する炭素膜が
形成されているため、その部分での他物品との滑りが良
く、またその部分は他物品との摩擦により摩耗、劣化し
難い。さらに、該炭素膜が摩耗し難いことから良好な潤
滑性が長期にわたり維持される。また、該炭素膜が撥水
性を有することから、雨天時に使用してもその部分には
雨滴が付着し難く、汚れが付着し難い。
【0016】本発明に係る自転車用部品は、表面の一部
又は全部に耐摩耗性、潤滑性、撥水性を有する炭素膜が
形成されているため、その部分での他物品との滑りが良
く、またその部分は他物品との摩擦により摩耗、劣化し
難い。さらに、該炭素膜が摩耗し難いことから良好な潤
滑性が長期にわたり維持される。また、該炭素膜が撥水
性を有することから、雨天時に使用してもその部分には
雨滴が付着し難く、汚れが付着し難い。
【0017】本発明に係る雨具は、表面の一部又は全部
に耐摩耗性、撥水性を有する炭素膜が形成されているた
め、その部分は他物品との接触により傷がつき難く、ま
た、その部分には雨滴や泥等の汚れが付着し難い。本発
明に係るダイヤフラムは、表面の一部又は全部に耐摩耗
性、撥水性を有する炭素膜が形成されているため、その
部分は他物品との摩擦により摩耗や劣化が生じ難く、ま
た、その部分には液体等が付着し難い。
【0018】本発明に係るスポーツ用品としては、ボー
ル、ラケット枠、ガット、ゴルフクラブ、バット、キャ
ンプ用テント等において用いるスポーツ用品としての各
種シール材、さらに、スキーシューズ、アイススケート
シューズ、川釣り用長靴等のスポーツ用シューズ等を例
示できる。また、本発明に係る自転車用部品としては、
タイヤ、リム、スポーク代用のディスク等を例示でき
る。また、本発明に係る雨具としては、雨用シューズ
(長靴等)、傘、レインコート等を例示できる。また、
本発明に係るダイヤフラムとしては、人工心臓や各種流
体回路等で用いられる各種ダイヤフラムを例示できる。
【0019】本発明におけるスポーツ用品基体、自転車
用部品基体、雨具基体、ダイヤフラム基体は、それぞれ
少なくとも膜形成面が有機材料、例えばゴム、樹脂、炭
素から選ばれた少なくとも1種の有機材料からなるもの
であることが考えられる。ゴムとしては、天然ゴム、ブ
チルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴ
ム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリ
コンゴム、フッ素ゴム等を例示できる。
【0020】樹脂のうち、熱硬化性樹脂としては、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン・
ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、キ
シレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、
ジアリルフタレート樹脂等を例示できる。また、熱可塑
性樹脂としては、ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ
2塩化ビニル、ポリビニルブチラート、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール等)、
ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエーテル、ポリエステ
ル系樹脂(ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル
共重合体等)、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアセタール、アクリル系樹脂(ポリメチルメタ
クリレート、変性アクリル等)、ポリアミド系樹脂(ナ
イロン6、66、610、11等)、セルロース系樹脂
(エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピルセルロ
ース、酢酸・酪酸セルロース、硝酸セルロース等)、ポ
リカーボネート、フェノキシ系樹脂、フッ素系樹脂(3
フッ化塩化エチレン、4フッ化エチレン、4フッ化エチ
レン・6フッ化プロピレン、フッ化ビニリデン等)、ポ
リウレタン等を例示できる。
【0021】また、本発明における炭素膜としては、代
表例としてDLC(Diamond Like Carbon) (ダイアモン
ド状炭素)膜を挙げることができる。DLC膜は、潤滑
性良好であり、また、他物品との摩擦により摩耗し難
く、且つ、その厚さを調整することにより、該膜で被覆
された基体が柔軟性を有するものである場合にも該基体
本来の柔軟性を損なわないようにすることができる程度
の適度な硬度を有する炭素膜である。また、撥水性が良
好である。さらに、比較的低温で形成できる等、成膜を
容易に行うことができる。
【0022】また、いずれにしても前記炭素膜の膜厚
は、各基体上に密着性良好に形成でき、さらに基体の保
護膜として十分機能できるとともに、基体が柔軟性を有
するものである場合にも該基体本来の柔軟性を損なわな
い範囲内であればよい。また、本発明方法において、前
記炭素膜形成に先立ち、前処理として、前記各基体の膜
形成面を前処理用ガス、例えばフッ素(F)含有ガス、
水素(H2 )ガス及び酸素(O2 )ガスから選ばれた少
なくとも1種の前処理用ガスのプラズマに曝すことが考
えられる。この場合、本発明のスポーツ用品、自転車用
部品、雨具及びダイヤフラムにおいて、前記各基体は、
このような前処理を施されたものとなる。
【0023】前記フッ素含有ガスとしては、フッ素(F
2 )ガス、3フッ化窒素(NF3 )ガス、6フッ化硫黄
(SF6 )ガス、4フッ化炭素(CF4 )ガス、4フッ
化ケイ素(SiF4 )ガス、6フッ化2ケイ素(Si2
6 )ガス、3フッ化塩素(ClF3 )ガス、フッ化水
素(HF)ガス等を挙げることができる。前記各基体
を、前記前処理用ガスのプラズマに曝すことにより、基
体表面が清浄化され、又はさらに基体表面粗度が向上す
る。これらは、炭素膜の密着性向上に寄与し、高密着性
炭素膜を得ることができる。
【0024】また、前記各基体の膜形成面がゴム、樹脂
等の有機材料からなる場合、前処理にフッ素含有ガスプ
ラズマを採用するときは、これによって基体表面がフッ
素終端され、水素ガスプラズマを採用するときはこれに
よって基体表面が水素終端される。フッ素−炭素結合及
び水素−炭素結合は安定であるため、前記のように終端
処理することで膜中の炭素原子が基体表面部分のフッ素
原子又は水素原子と安定に結合を形成する。そしてこれ
らのことから、その後形成する炭素膜と前記基体との密
着性を向上させることができる。
【0025】また、酸素ガスプラズマを採用するとき
は、基体表面に付着した有機物等の汚れを特に効率良く
除去でき、これらのことからその後形成する炭素膜と前
記基体との密着性を向上させることができる。本発明に
おいて、炭素膜形成に先立って行うプラズマによる基体
の前処理は、同種類のプラズマを用いて或いは異なる種
類のプラズマを用いて複数回行っても構わない。例え
ば、該基体を酸素ガスプラズマに曝した後、フッ素含有
ガスプラズマ又は水素ガスプラズマに曝し、その上に炭
素膜を形成するときには、基体表面がクリーニングされ
た後、該面がフッ素終端又は水素終端されて、その後形
成する炭素膜と該基体表面との密着性は非常に良好なも
のとなる。
【0026】また、本発明における炭素膜形成方法とし
ては、ゴム、樹脂等の比較的耐熱性に劣る材料を用いた
基体に熱的損傷を与えない温度範囲で膜形成できる方法
として、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法等を挙げることができるが、特にプラ
ズマCVD法を用いる場合は、被成膜基体のプラズマに
よる前処理と炭素膜形成とを同一の装置で行うことがで
きる。
【0027】プラズマCVD法により炭素膜を形成する
場合のプラズマ原料ガスとしては、炭素膜形成に一般に
用いられるメタン(CH4 )、エタン(C2 6 )、プ
ロパン(C3 8 )、ブタン(C4 10)、アセチレン
(C2 2 )、ベンゼン(C6 6 )、4フッ化炭素
(CF4 )、6フッ化2炭素(C2 6 )等の炭素化合
物ガス、及び必要に応じて、これらの炭素化合物ガスに
キャリアガスとして水素ガス、不活性ガス等を混合した
ものを用いることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係るスポーツ用品
の製造、自転車用部品の製造、雨具の製造及びダイヤフ
ラムの製造にそれぞれ用いることができる成膜装置の1
例の概略構成を示す図である。また、図3(A)は本発
明に係るスポーツ用品の1例(ボール)の断面図であ
り、図3(B)は本発明に係る自転車用部品の1例(ス
ポーク代用ディスク)の断面図であり、図3(C)は本
発明に係る雨具の1例(長靴)の側面図であり、図3
(D)は本発明に係るダイヤフラムの1例の断面図であ
る。
【0029】この装置は、排気装置11が付設された真
空チャンバ1を有し、チャンバ1内には電極2及びこれ
に対向する位置に電極3が設置されている。電極3は接
地され、電極2にはマッチングボックス22を介して高
周波電源23が接続されている。また、電極2にはその
上に支持される被成膜基体を成膜温度に加熱するための
ヒータ21が付設されている。また、チャンバ1にはガ
ス供給部4が付設されて、内部にプラズマ原料ガスを導
入できるようになっている。ガス供給部4には、マスフ
ローコントローラ411、412・・・及び弁421、
422・・・を介して接続された1又は2以上のプラズ
マ原料ガスのガス源431、432・・・が含まれる。
【0030】この装置を用いて本発明に係るスポーツ用
品を製造するにあたっては、スポーツ用品基体S1を他
物品との接触面S1´を対向する電極3の方に向けて電
極2上に配置し、排気装置11の運転にてチャンバ1内
部を所定の真空度にする。次いで、ガス供給部4からチ
ャンバ1内にフッ素含有ガス、水素ガス及び酸素ガスの
うち1種以上のガスを前処理用ガスとして導入するとと
もに高周波電源23からマッチングボックス22を介し
て電極2に高周波電力を供給し、これにより前記導入し
た前処理用ガスをプラズマ化し、該プラズマの下で基体
S1の表面処理を行う。なお、この表面処理(前処理)
は行うことが望ましいが、必ずしも要しない。
【0031】次いで、必要に応じてチャンバ1内を再び
真空引きした後、ガス供給部4からチャンバ1内に成膜
用原料ガスとして炭素化合物ガスを導入するとともに高
周波電源23から電極2に高周波電力を供給し、これに
より前記導入した炭素化合物ガスをプラズマ化し、該プ
ラズマの下で基体S1表面に炭素膜を形成する。スポー
ツ用品基体S1の前記表面処理及び成膜を行う間、該基
体が例えばボールのような立体構造物である場合、例え
ば基体S1の一部を電極2に接触させて、図示しない回
転駆動手段にて基体S1を回転させ、基体S1の外表面
(他物品との接触面)にほぼ均一に表面処理及び成膜が
行われるようにする。
【0032】このようにして、図3(A)に示すよう
に、スポーツ用品基体S1(図示の例ではボール)の他
物品との接触面(外表面)S1´にほぼ均一に炭素膜F
が形成された炭素膜被覆スポーツ用品が得られる。ま
た、この装置を用いて本発明に係る自転車用部品を製造
するにあたっても、前記スポーツ用品の製造と同様にし
て、自転車用部品基体S2の他物品との接触面S2´に
前記表面処理及び炭素膜形成を行い、図3(B)に示す
ように、自転車用部品基体S2(図示の例ではスポーク
代用のディスク)の雨や塵埃等に曝される両側面S2´
にほぼ均一に炭素膜Fが形成された炭素膜被覆スポーツ
用品が得られる。
【0033】また、この装置を用いて本発明に係る雨具
を製造するにあたっても、前記スポーツ用品の製造と同
様にして、雨具基体S3の外表面S3´に前記表面処理
及び炭素膜形成を行い、図3(C)に示すように、雨具
基体S3の外表面S3´にほぼ均一に炭素膜Fが形成さ
れた炭素膜被覆雨具が得られる。また、この装置を用い
て本発明に係るダイヤフラムを製造するにあたっても、
前記スポーツ用品の製造と同様にして、ダイヤフラム基
体S4の外表面S4´に前記表面処理及び炭素膜形成を
行い、図3(D)に示すように、ダイヤフラム基体S4
の外表面S4´にほぼ均一に炭素膜Fが形成された炭素
膜被覆ダイヤフラムが得られる。
【0034】また、本発明方法を実施するにあたり、図
1の装置に代えて図2に示す成膜装置を用いることがで
き、この場合、基体が立体構造物であるときにも該基体
の表面に効率よく膜形成することができる。図2の装置
は、誘導結合型のプラズマCVD装置であり、真空容器
1´を有しており、容器1´の外周には誘導コイル電極
5が巻回して設けられ、該電極5両端にはマッチングボ
ックス51及び高周波電源52が接続されている。ま
た、真空容器1´の外側には、被成膜基体S1を成膜温
度に加熱するためのヒータ21´が設けられている。
【0035】また、真空容器1´には排気装置11´を
配管接続してあるとともに、成膜用原料ガスのガス供給
部4´を配管接続してある。ガス供給部4´には、マス
フローコントローラ411´、412´・・・・及び弁
421´、422´・・・・を介して接続された1又は
2以上の成膜用原料ガスを供給するガス源431´、4
32´・・・・が含まれている。
【0036】この装置を用いて本発明に係る物品を製造
するにあたっては、図1の装置を用いた物品基体S1の
表面処理及び炭素膜形成と同様にし、但し、原料ガスの
プラズマ化を誘導コイル電極5への高周波電力印加によ
り行う。この場合も、表面処理(前処理)は行うことが
望ましいが、必ずしも要しない。次に、図1の装置を用
いて、スポーツ用品、自転車用部品、雨具、ダイヤフラ
ムの材料として用いられる、エチレン−プロピレン−ジ
エン系モノマーの三元共重合体ゴム(EPDM)からな
る試験片やポリイミドからなる試験片の表面にDLC膜
を形成した実験例(EPDMについては実験例1〜5、
ポリイミドについては実験例6〜10)を説明する。 実験例1 前述した、図1の装置を用いたスポーツ用品の製造にお
いて、前処理用ガスプラズマによる試験片の前処理を行
わず、該試験片の外表面に直接DLC膜を形成した。
【0037】 試験片材質 EPDM サイズ 20cm×20cm×厚さ1cm 高周波電極2サイズ 40cm×40cm 成膜条件 成膜用原料ガス メタン(CH4 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 成膜真空度 0.1Torr 成膜速度 500Å/min 成膜時間 20min 実験例2 前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件で水素ガスプラズマによる前処理を施した。成膜条
件は前記実験例1と同様とした。
【0038】 前処理条件 前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 実験例3 前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件でフッ素化合物ガスプラズマによる前処理を施し
た。成膜条件は前記実験例1と同様とした。
【0039】 前処理条件 前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 実験例4 前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さ
らに水素ガスプラズマによる第2の前処理を施した。成
膜条件は前記実験例1と同様とした。
【0040】 第1前処理条件 前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 第2前処理条件 前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 実験例5 前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さ
らにフッ素化合物ガスプラズマによる第2の前処理を施
した。成膜条件は前記実験例1と同様とした。
【0041】 第1前処理条件 前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 第2前処理条件 前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 実験例6 前述した、図1の装置を用いたスポーツ用品の製造にお
いて、前処理用ガスプラズマによる試験片の前処理を行
わず、該試験片の外表面に直接DLC膜を形成した。
【0042】 試験片材質 ポリイミド サイズ 20cm×20cm×厚さ1cm 高周波電極2サイズ 40cm×40cm 成膜条件 成膜用原料ガス メタン(CH4 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 成膜真空度 0.1Torr 成膜速度 500Å/min 成膜時間 20min 実験例7 前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件で水素ガスプラズマによる前処理を施した。成膜条
件は前記実験例6と同様とした。
【0043】 前処理条件 前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 実験例8 前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件でフッ素化合物ガスプラズマによる前処理を施し
た。成膜条件は前記実験例6と同様とした。
【0044】 前処理条件 前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 実験例9 前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さ
らに水素ガスプラズマによる第2の前処理を施した。成
膜条件は前記実験例6と同様とした。
【0045】 第1前処理条件 前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 第2前処理条件 前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 実験例10 前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の
条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さ
らにフッ素化合物ガスプラズマによる第2の前処理を施
した。成膜条件は前記実験例6と同様とした。
【0046】 第1前処理条件 前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 第2前処理条件 前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm 高周波電力 周波数13.56MHz、300W 処理真空度 0.1Torr 処理時間 5min 次に、前記実験例1、2、3、4、5により得られたD
LC膜被覆試験片、DLC膜を形成していない未処理の
同様の試験片(比較実験例1)及び前記実験例6、7、
8、9、10により得られたDLC膜被覆試験片、DL
C膜を形成していない未処理の同様の試験片(比較実験
例2)について、アルミニウム材との摩擦係数及びダイ
アモンド材との摩耗特性、さらに撥水性をそれぞれ評価
した。また、実験例1〜10により得られた各DLC膜
被覆試験片についてDLC膜と試験片との密着性を評価
した。
【0047】摩擦係数は、試験片表面にアルミニウムか
らなるピン状物品の先端部を当接させ、且つ、該ピン状
物品に10gの荷重をかけた状態でこのピンを20mm
/secの速度で移動させたときの値を測定し、摩耗特
性は、試験片表面にダイアモンドからなるピン状物品の
先端部を当接させ、且つ、それに100gの荷重をかけ
た状態で20mm/secの速度で移動させ、1時間あ
たりに摩耗した深さを測定することで評価した。膜密着
性は、円柱状部材を接着剤を用いて膜表面に接合させ、
該円柱状部材を膜に対して垂直方向に引っ張って該膜を
試験片本体から剥離させ、剥離に要した力を測定する引
っ張り法により評価した。撥水性は、試験片上に水滴を
おき、その接触角を測定することで評価した。
【0048】なお、接触角は、空気中にある固体面上に
液体があるとき、固体、液体、気体の3相の接触点で液
体に引いた切線と固体面のなす角のうち、液体を含む方
の角をいい、大きいほど撥水性が良いことを示す。結果
を次表に示す 摩擦係数 摩耗特性 膜密着強度 接触角 (μm/h) (kg/mm2) ( ° ) 実験例1 1 0.9 2 100 実験例2 1 0.7 4 100 実験例3 1 0.7 4 100 実験例4 1 0.5 5 100 実験例5 1 0.5 5 100 実験例6 1 0.7 2 110 実験例7 1 0.6 4 110 実験例8 1 0.6 4 110 実験例9 1 0.5 5 110 実験例10 1 0.5 5 110 比較実験例1 3 2.5 ─ 80 比較実験例2 3 1.8 ─ 85 このように、DLC膜を被覆した実験例1〜5及び実験
例6〜10の各試験片では、アルミニウム材との間の摩
擦係数はDLC膜を被覆していない比較実験例1及び比
較実験例2の試験片よりそれぞれ小さく、潤滑性(摺動
性)がよいことが分かる。また、ダイアモンド材との間
の摩耗特性値もDLC膜を被覆していない比較実験例1
及び2の試験片より小さかった。
【0049】また、前記実験例1〜10の各DLC膜の
試験片本体への密着強度は、DLC膜形成に先立ち試験
片本体表面に対しプラズマによる前処理を施した実験例
2〜5の試験片の方が、前処理を施さない実験例1の試
験片より、また実験例7〜10の試験片の方が、前処理
を施さない実験例6の試験片より、それぞれ大きかっ
た。
【0050】また、DLC膜を被覆した実験例1〜5及
び実験例6〜10の各試験片では、水の接触角はDLC
膜を被覆していない比較実験例1及び比較実験例2の試
験片よりそれぞれ大きく、撥水性がよいことが分かる。
以上のことから、スポーツ用品基体の表面の一部又は全
部に炭素膜(特にDLC膜)を形成した本発明のスポー
ツ用品、自転車用部品基体の表面の一部又は全部に炭素
膜(特にDLC膜)を形成した本発明の自転車用部品、
雨具基体の表面の一部又は全部に炭素膜(特にDLC
膜)を形成した本発明の雨具、ダイヤフラム基体の表面
の一部又は全部に炭素膜(特にDLC膜)を形成した本
発明のダイヤフラムは、それぞれ潤滑性、耐摩耗性、撥
水性に優れることが分かる。なお、炭素膜とこれと接触
する他物品との摺動性は、炭素膜とアルミニウム材との
摺動性とほぼ同様であるため、本発明のスポーツ用品及
び自転車用部品は炭素膜形成部分では他の物品との摺動
性が優れると考えられる。
【0051】また、前処理を施した後形成した炭素膜は
密着性が優れることが分かる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によると、他の物品
との摺動性が良好で、耐摩耗性に優れ、劣化し難く、さ
らに撥水性に優れるスポーツ用品(完成品の部品を含
む)及び自転車用部品並びにそれらの製造方法を提供す
ることができる。また、本発明によると、耐摩耗性、撥
水性に優れる雨具及びその製造方法を提供することがで
きる。
【0053】また、本発明によると、耐摩耗性に優れ、
劣化し難く、さらに撥水性に優れるダイヤフラム及びそ
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスポーツ用品、自転車用部品、雨
具及びダイヤフラムの製造にそれぞれ用いることができ
る成膜装置の1例の概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係るスポーツ用品、自転車用部品、雨
具及びダイヤフラムの製造にそれぞれ用いることができ
る成膜装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図3】図(A)は本発明に係るスポーツ用品の1例の
断面図であり、図(B)は本発明に係る自転車用部品の
1例の断面図であり、図(C)は本発明に係る雨具の1
例の側面図であり、図(D)は本発明に係るダイヤフラ
ムの1例の断面図である。
【符号の説明】
1、1´ 真空チャンバ 11、11´ 排気装置 2 高周波電極 21、21´ ヒータ 22、51 マッチングボックス 23、52 高周波電源 3 接地電極 4、4´ プラズマ原料ガス供給部 5 誘導コイル電極 S1 被成膜スポーツ用品基体 S1´ 基体S1の他物品との接触面 S2 被成膜自転車用部品基体 S2´ 基体S2の他物品との接触面 S3 被成膜雨具基体 S3´ 基体S3の外表面 S4 被成膜ダイヤフラム基体 S4´ 基体S4の外表面 F 炭素膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A63B 59/00 A63B 59/00 Z C23C 14/06 C23C 14/06 B 16/02 16/02

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑
    性、撥水性のある炭素膜が形成されていることを特徴と
    するスポーツ用品。
  2. 【請求項2】 前記炭素膜がDLC膜である請求項1記
    載のスポーツ用品。
  3. 【請求項3】 前記スポーツ用品の基体の膜形成面が有
    機材料からなるものである請求項1又は2記載のスポー
    ツ用品。
  4. 【請求項4】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑
    性、撥水性のある炭素膜が形成されていることを特徴と
    する自転車用部品。
  5. 【請求項5】 前記炭素膜がDLC膜である請求項4記
    載の自転車用部品。
  6. 【請求項6】 前記自転車用部品の基体の膜形成面が有
    機材料からなるものである請求項4又は5記載の自転車
    用部品。
  7. 【請求項7】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、撥水性
    のある炭素膜が形成されていることを特徴とする雨具。
  8. 【請求項8】 前記炭素膜がDLC膜である請求項7記
    載の雨具。
  9. 【請求項9】 前記雨具の基体の膜形成面が有機材料か
    らなるものである請求項7又は8記載の雨具。
  10. 【請求項10】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、撥水
    性のある炭素膜が形成されていることを特徴とするダイ
    ヤフラム。
  11. 【請求項11】 前記炭素膜がDLC膜である請求項1
    0記載のダイヤフラム。
  12. 【請求項12】 前記ダイヤフラムの基体の膜形成面が
    有機材料からなるものである請求項10又は11記載の
    ダイヤフラム。
  13. 【請求項13】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑
    性、撥水性のある炭素膜を形成する工程を含むことを特
    徴とするスポーツ用品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記炭素膜形成に先立ち、前処理とし
    て、前記スポーツ用品の基体の膜形成面をフッ素(F)
    含有ガス、水素(H2 )ガス及び酸素(O2)ガスから
    選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝す請求項
    13記載のスポーツ用品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記炭素膜をプラズマCVD法により
    形成する請求項13又は14記載のスポーツ用品の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 前記炭素膜をDLC膜とする請求項1
    3、14又は15記載のスポーツ用品の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記スポーツ用品の基体の膜形成面が
    有機材料からなるものである請求項13から16のいず
    れかに記載のスポーツ用品の製造方法。
  18. 【請求項18】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑
    性、撥水性のある炭素膜を形成する工程を含むことを特
    徴とする自転車用部品の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記炭素膜形成に先立ち、前処理とし
    て、前記自転車用部品の基体の膜形成面をフッ素(F)
    含有ガス、水素(H2 )ガス及び酸素(O2)ガスから
    選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝す請求項
    18記載の自転車用部品の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記炭素膜をプラズマCVD法により
    形成する請求項18又は19記載の自転車用部品の製造
    方法。
  21. 【請求項21】 前記炭素膜をDLC膜とする請求項1
    8、19又は20記載の自転車用部品の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記自転車用部品の基体の膜形成面が
    有機材料からなるものである請求項18から21のいず
    れかに記載の自転車用部品の製造方法。
  23. 【請求項23】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、撥水
    性のある炭素膜を形成する工程を含むことを特徴とする
    雨具の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記炭素膜形成に先立ち、前処理とし
    て、前記雨具の基体の膜形成面をフッ素(F)含有ガ
    ス、水素(H2 )ガス及び酸素(O2 )ガスから選ばれ
    た少なくとも1種のガスのプラズマに曝す請求項23記
    載の雨具。
  25. 【請求項25】 前記炭素膜をプラズマCVD法により
    形成する請求項23又は24記載の雨具の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記炭素膜をDLC膜とする請求項2
    3、24又は25記載の雨具の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記雨具の基体の膜形成面が有機材料
    からなるものである請求項23から26のいずれかに記
    載の雨具の製造方法。
  28. 【請求項28】 表面の一部又は全部に耐摩耗性、撥水
    性のある炭素膜を形成する工程を含むことを特徴とする
    ダイヤフラムの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記炭素膜形成に先立ち、前処理とし
    て、前記ダイヤフラムの基体の膜形成面をフッ素(F)
    含有ガス、水素(H2 )ガス及び酸素(O2)ガスから
    選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝す請求項
    28記載のダイヤフラムの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記炭素膜をプラズマCVD法により
    形成する請求項28又は29記載のダイヤフラムの製造
    方法。
  31. 【請求項31】 前記炭素膜をDLC膜とする請求項2
    8、29又は30記載のダイヤフラムの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記ダイヤフラムの基体の膜形成面が
    有機材料からなるものである請求項28から31のいず
    れかに記載のダイヤフラムの製造方法。
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JP2015171475A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 ヤマハ株式会社 ゴルフクラブ

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