JPH10253144A - 空調用レジスタ - Google Patents

空調用レジスタ

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JPH10253144A
JPH10253144A JP6344497A JP6344497A JPH10253144A JP H10253144 A JPH10253144 A JP H10253144A JP 6344497 A JP6344497 A JP 6344497A JP 6344497 A JP6344497 A JP 6344497A JP H10253144 A JPH10253144 A JP H10253144A
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Minoru Shibata
実 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】風向偏向板を硬質樹脂のみから形成しても、揺
動時に支持部材との干渉を防止でき、騒音の増大を防止
しつつ揺動角度を拡大することができるようにする 【解決手段】後方偏向板31を揺動させるノブ50と、後方
偏向板31に枢支された遊星ギヤ53と、遊星ギヤ53と噛合
し後方偏向板31の揺動に伴って遊星ギヤ53を回動させる
固定ギヤ15と、遊星ギヤ53と噛合するとともに前方偏向
板30に連結され後方偏向板31の揺動に伴う遊星ギヤ53の
回動により遊星ギヤ53の回動角度と異なる角度で回動し
て前方偏向板30を揺動させる従動ギヤ54と、を有する後
方偏向板31を小さな角度で揺動させるだけで、前方偏向
板30をより大きな角度で揺動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車室内などに設
けられ、温風又は冷風を吹き出す開口部を構成する空調
用レジスタの構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のインストルメントパネルなどに
は、空調装置からの温冷風を吹き出す開口部としてのレ
ジスタが設けられている。このレジスタは、空気流路及
び吹き出し開口を形成する筒状のリテーナと、リテーナ
内に揺動自在に配置された互いに平行な複数の風向偏向
板とからなり、一般に手動により風向偏向板の角度を調
節することで風向を調節可能とされている。
【0003】風向偏向板としては、水平方向に延び上下
方向に揺動して風向を上下方向に変化させる水平偏向板
と、上下方向に延び左右方向に揺動して風向を左右方向
に変化させる垂直偏向板との2種類が一般に設けられて
いる。そして水平偏向板と垂直偏向板にはそれぞれノブ
が設けられ、ノブの操作により複数の水平偏向板又は複
数の垂直偏向板が同時に揺動するように構成されてい
る。
【0004】つまり例えば図6に示すように、複数の垂
直偏向板100(図6には1枚のみを示している)を中
心部の上下方向で枠体200に揺動自在に枢支し、かつ
垂直偏向板100の一端を連結ロッド300に揺動自在
に枢支する。このようにすることで、1枚の垂直偏向板
100先端の突起101にノブを連結して揺動させれ
ば、1枚の垂直偏向板100の枠体200に対する揺動
に伴って連結ロッド300が円弧状に移動し、これによ
り全ての垂直偏向板100を同期して揺動させることが
できる。
【0005】ところで車室内の快適性を一層向上させる
ためには、風向偏向板の揺動角度を大きくする必要があ
る場合がある。ところが複数の風向偏向板を大きく揺動
させると、両端に位置する風向偏向板が枠体200など
の支持部材と干渉してしまう。したがって風向偏向板の
揺動角度は、両端の風向偏向板の支持部材との干渉位置
で規制され、それ以上の揺動が困難となっていた。
【0006】そこで例えば特開平3−204550号公
報や、実開平3−100751号公報には、風向偏向板
の一部を軟質材料から形成し、その一端を固定して他端
を揺動させることにより湾曲可能とした空調用グリルが
開示されている。このような風向偏向板を用いれば、一
端が固定されているため支持部材との干渉を回避しつつ
他端の揺動角度を大きくすることが可能となり、風向の
指向性が向上するとともに騒音も低減することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが一部を軟質材
料から形成した風向偏向板では、製造工数が多大とな
り、コスト面での不具合が生じている。本発明はこのよ
うな事情に鑑みてなされたものであり、風向偏向板を硬
質樹脂のみから形成しても、揺動時に支持部材との干渉
を防止でき、騒音の増大を防止しつつ揺動角度を拡大す
ることができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の空調用レジスタの特徴は、吹き出し開口を形成する
筒状のリテーナと、リテーナ内に揺動自在に配置された
互いに平行な複数の風向偏向板とを具備するレジスタに
おいて、風向偏向板は前方偏向板と、ヒンジ部を介して
前方偏向板に揺動自在に連結された後方偏向板とからな
り、前方偏向板と後方偏向板とは互いに独立して揺動可
能に構成され、吹き出し開口側に設けられ後方偏向板を
揺動させるノブと、後方偏向板に枢支された遊星ギヤ
と、遊星ギヤと噛合し後方偏向板の揺動に伴って遊星ギ
ヤを回動させる固定ギヤと、遊星ギヤと噛合するととも
に前方偏向板に連結され後方偏向板の揺動に伴う遊星ギ
ヤの回動により遊星ギヤの回動角度と異なる角度で回動
して前方偏向板を揺動させる従動ギヤと、を有すること
にある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の空調用レジスタでは、ノ
ブを揺動させて後方偏向板を所定角度揺動させると、そ
れに伴って遊星ギヤが回動し、従動ギヤが回動する。従
動ギヤには前方偏向板が連結されているため、従動ギヤ
の回動に伴って前方偏向板が揺動する。
【0010】ここで、遊星ギヤと従動ギヤとのギヤ比を
適宜設定することにより、従動ギヤの回動角度と遊星ギ
ヤの回動角度を異ならせることができ、前方偏向板の揺
動角度と後方偏向板の揺動角度を異ならせることができ
る。したがって、ヒンジ部を中心にして例えば前方偏向
板の一端を大きく揺動させた時に後方偏向板を小さく揺
動させるようにすれば、前方偏向板の他端を構成するヒ
ンジ部とリテーナとの干渉はないので前方偏向板の揺動
角度を大きくすることができ、吹き出す風の風向を大き
く変化させることができる。そして後方偏向板をリテー
ナと干渉しない範囲で前方偏向板となす角度が極力小さ
くなるように揺動させれば、風向を一層安定させること
ができる。
【0011】また本発明の空調用レジスタでは、ノブを
操作して後方偏向板を揺動させるだけで、前方偏向板を
適切な角度に揺動させることができる。このため前方偏
向板の揺動角度に合わせて後方偏向板の揺動角度を調節
する手間が省け、操作性を著しく向上させることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本実施例は自動車のインストルメントパネルに設け
られる空調用レジスタに本発明を適用したものである。 (実施例1)図1に本実施例の空調用レジスタの全体構
成図を、図2にその要部断面図を示す。この空調用レジ
スタは、車体に固定される筒状のリテーナ1と、インス
トルメントパネルに固定されて開口部を構成しリテーナ
1と結合固定される筒状のベゼル2と、リテーナ1及び
ベゼル2内に保持される垂直偏向板部材3と、垂直偏向
板部材3の前方でリテーナ1及びベゼル2内に保持され
る水平偏向板部材4と、変位機構5とから主として構成
されている。
【0013】垂直偏向板部材3は、図3にその断面図を
示すように、複数対の前方偏向板30及び後方偏向板3
1と、前方偏向板30及び後方偏向板31を枢支する第
1連結ロッド32、第2連結ロッド33、第3連結ロッ
ド34及び第4連結ロッド35からなり、複数対の前方
偏向板30及び後方偏向板31はそれぞれ互いに間隔を
隔てて平行に配置されている。
【0014】図2及び図3に示すように、複数の後方偏
向板31は前端部がそれぞれ前方偏向板30と凹凸状に
係合し、後方偏向板31の凸部が前方偏向板30の凹部
に形成されている一対の突起36に係合することによ
り、複数対の前方偏向板30と後方偏向板31は互いに
揺動自在に一体化されている。また複数の前方偏向板3
0は、後端部の上下両端に形成された軸部37がそれぞ
れ第1連結ロッド32と第2連結ロッド33に回動自在
に枢支されている。したがって複数対の前方偏向板30
及び後方偏向板31は、第1連結ロッド32と第2連結
ロッド33に保持された状態で、互いに揺動自在となっ
ている。
【0015】また複数の前方偏向板30の前端部の下端
にはそれぞれ凸部38が形成され、それぞれの凸部38
は第3連結ロッド34に回動自在に枢支されている。こ
れにより1枚の前方偏向板30を揺動させることによ
り、全ての前方偏向板30が同期して互いに平行に揺動
可能となっている。さらに後方偏向板31の後端部の上
端部にもそれぞれ凸部39が形成され、それぞれの凸部
39は第4連結ロッド35に回動自在に枢支されてい
る。これにより1枚の後方偏向板31の揺動により、全
ての後方偏向板31が同期して互いに平行に揺動可能と
なっている。
【0016】なお、複数の前方偏向板30のうち中央に
位置する一つの前方偏向板30の下端からは前方軸30
aが突出し、複数の後方偏向板31のうち中央に位置す
る一つの後方偏向板31の下端からは後方軸31aが突
出している。この垂直偏向板部材3は、2色成形法によ
り形成された。すなわち、先ず第1の成形時に複数の前
方偏向板30と第4連結ロッド35を融点の高い熱可塑
性樹脂より形成する。このような樹脂としては、AB
S、POM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド)な
どが例示されるが、この実施例ではABSを用いてい
る。
【0017】次に、同じ成形型内で一部のスライドコア
を変更し、形成された複数の前方偏向板30を成形型内
に配置した状態で、ABSより融点が低くABSと接合
しない熱可塑性樹脂により後方偏向板31と、第1連結
ロッド32、第2連結ロッド33及び第3連結ロッド3
4を形成する第2の成形を行う。これにより第1連結ロ
ッド32、第2連結ロッド33、第3連結ロッド34及
び第4連結ロッド35に揺動自在に保持され、互いに揺
動可能な複数対の前方偏向板30及び後方偏向板31よ
りなる垂直偏向板部材3が得られる。なお、第2の成形
に用いられる樹脂としてはPP、PEなどが例示される
が、本実施例ではPPを用いている。
【0018】水平偏向板部材4は、互いに間隔を隔てて
平行に配置された複数の水平偏向板40と、複数の水平
偏向板40を揺動自在に枢支する一対の側板41と、複
数の水平偏向板40の一端に配置され複数の水平偏向板
40を枢支する図示しない連結ロッドとから構成されて
いる。側板41には円弧状の長孔42が形成され、図示
しない連結ロッドから延びる水平軸43が長孔42に係
合して側板41から突出している。
【0019】したがってこの水平偏向板部材4では、水
平軸43を長孔42に沿って移動させることにより、複
数の水平偏向板40が同期して揺動するように構成され
ている。なお、この水平偏向板部材4も2色成形により
形成されている。リテーナ1は断面矩形の筒状をなし、
その上面には第1連結ロッド32が係合固定される切り
欠き10が形成されている。また下面には、中央に下方
へ突出するボス部11をもち第2連結ロッド33と同一
形状の直線形状の凹溝12と、凹溝12の前方に円弧状
の第1長孔13と、凹溝12の後方に円弧状の第2長孔
14とが形成されている。またその底部外表面の後端部
には、内周表面に円弧状のギヤ部をもつ固定ギヤ15が
形成されている。
【0020】ベゼル2は、リテーナ1と係合固定される
断面矩形の筒状の本体20と、本体20の前方に一体的
に形成され開口部を規定するフランジ部21とから構成
されている。フランジ部21には、縦方向に延びる縦長
孔22と、水平方向に延びる横長孔23が形成され、縦
長孔22側の本体20側面には貫通孔24が形成されて
いる。
【0021】さて、本実施例を特徴付ける変位機構5
は、図1に示すように、水平ノブ50と、遊星ギヤ53
と、従動ギヤ54とから構成されている。水平ノブ50
は長尺状の板状をなし、先端にノブギヤ51をもつとと
もに後端に後方軸31aが枢支される孔52をもち、ビ
ス6によりボス部11に回動自在に保持されている。遊
星ギヤ53は、後方軸31aに回動自在に枢支されて水
平ノブ50とリテーナ1との間に配置され、固定ギヤ1
5及び従動ギヤ54と噛合している。
【0022】また従動ギヤ54は、先端に前方軸30a
が枢支される孔55をもち、中央部がボス部11に回動
自在に枢支されるとともに、後端が遊星ギヤ53と噛合
している。この変位機構の作用を以下に説明する。先ず
複数の前方偏向板30が前後方向に延びた状態では、図
4に示すように遊星ギヤ53の中心は前方軸30a及び
水平ノブ50の中心と同一直線上に位置し、複数の後方
偏向板31は前方偏向板30と同一方向である前後方向
に延びている。そして水平ノブ50は、ベゼル2の横長
孔23から表出している。
【0023】そして図5に示すように水平ノブ50を回
動させると、孔52に枢支された後方軸31aが後方偏
向板31の揺動に伴って第2長孔14に案内されて移動
し、遊星ギヤ53が自転しながら固定ギヤ15の表面に
沿って公転する。すると遊星ギヤ53に噛合する従動ギ
ヤ54が回動し、孔55に枢支された前方軸30aが第
1長孔13に案内されて移動するため、前方偏向板30
が揺動する。
【0024】このときギヤ比の調整により、後方偏向板
31の揺動角度より前方偏向板30の揺動角度の方が大
きくなるように構成されている。したがって図5に示す
ように、ノブギヤ51の操作角度(後方偏向板31の揺
動角度)を小さく抑制しながら、前方偏向板30を左右
に大きく揺動させることができる。これにより後方偏向
板31とリテーナ1とが干渉することがなく、また騒音
を防止しつつ、リテーナ1側から供給される温冷風の風
向を大きく可変することが可能となる。
【0025】一方、水平偏向板部材4では、図1に示す
ように、ベゼル2の貫通孔24に円板状の垂直ノブ45
が回動自在に保持され、垂直ノブ45に形成された貫通
孔46に水平軸43が係合される。したがって垂直ノブ
45を回動させることにより、水平軸43が長孔42に
案内されて上下に円弧状に移動し、それに伴って複数の
水平偏向板40が上下に揺動するため、風向を上下方向
に変化させることができる。
【0026】
【発明の効果】すなわち本発明の空調用レジスタによれ
ば、ノブを小さな角度で揺動させて後方偏向板を小さな
角度で揺動させるだけで、リテーナなどとの干渉を防止
しつつ前方偏向板を大きく揺動させることができるの
で、騒音を防止しつつ風向を大きく変化させることがで
き、操作性と快適性が向上する。
【0027】また従来のように軟質樹脂と硬質樹脂とを
接合した風向偏向板とする必要がないので、構成が簡略
化され安価なレジスタとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のレジスタの部品構成を示す
斜視図である。
【図2】本発明の一実施例のレジスタの要部断面図であ
る。
【図3】本発明の一実施例のレジスタの垂直偏向板部材
の断面図である。
【図4】本発明の一実施例のレジスタの作用を説明する
説明図である。
【図5】本発明の一実施例のレジスタの作用を説明する
説明図である。
【図6】従来のレジスタの垂直偏向板部材の部品構成を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1:リテーナ 2:ベゼル
3:垂直偏向板部材 4:水平偏向板部材 5:変位機構(変位手段) 1
5:固定ギヤ 30:前方偏向板 31:後方偏向板
40:水平偏向板 50:水平ノブ 53:遊星ギヤ
54:従動ギヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吹き出し開口を形成する筒状のリテーナ
    と、該リテーナ内に揺動自在に配置された互いに平行な
    複数の風向偏向板とを具備するレジスタにおいて、 前記風向偏向板は前方偏向板と、ヒンジ部を介して該前
    方偏向板に揺動自在に連結された後方偏向板とからな
    り、該前方偏向板と該後方偏向板とは互いに独立して揺
    動可能に構成され、 前記吹き出し開口側に設けられ該後方偏向板を揺動させ
    るノブと、該後方偏向板に枢支された遊星ギヤと、該遊
    星ギヤと噛合し該後方偏向板の揺動に伴って該遊星ギヤ
    を回動させる固定ギヤと、該遊星ギヤと噛合するととも
    に該前方偏向板に連結され該後方偏向板の揺動に伴う該
    遊星ギヤの回動により該遊星ギヤの回動角度と異なる角
    度で回動して該前方偏向板を揺動させる従動ギヤと、を
    有することを特徴とする空調用レジスタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103673083A (zh) * 2012-09-24 2014-03-26 珠海格力电器股份有限公司 空调器
CN104296350A (zh) * 2013-07-19 2015-01-21 珠海格力电器股份有限公司 一种导风板装置及空调器
CN106839376A (zh) * 2017-03-02 2017-06-13 广东美的环境电器制造有限公司 一种出风装置及设有该出风装置的冷风扇

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