JP2004249912A - レジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レジスタ10内に送り込まれた気流を空気吹出口から吹出すレジスタ10において、一対の対向する開口部46a、46bが形成されたバレル46をレジスタ10のリテーナ30内に配設し、バレル46の開口部46a、46bの向きを偏向可能にし、バレル46の開口部46a、46bの向きを偏向することにより、バレル46内を通過して空気吹出口から吹出される気流の方向を偏向させること。さらに、バレル46を支える縦軸47が設けられ、縦軸47がリテーナ30に回動自在に支えられていること。さらに、バレル46の両外壁面46d、46eが縦軸47を中心とする円弧状に形成されていること。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスタに関し、特に、レジスタ内の気流騒音を少なくすることができるレジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車室内のインストルメントパネル等には、レジスタが設けられている。このレジスタは空調装置の温冷風の吹き出し方向を調節するものである。図7は、このレジスタの従来例を示す。(例えば特許文献1)
図7に示すレジスタ60では、その前面にベゼル61が配設され、ベゼル61の後にダクト状のリテーナ62が取り付けられている。ベゼル61の前面には空気吹出口61aが形成され、空気吹出口61aの近傍のリテーナ62内には複数の連動するフィンからなる水平フィン群63が配設されている。さらに、リテーナ62内にて水平フィン群63より風上側には複数の連動するフィンからなる垂直フィン群64が配設されている。
空気吹出口61aには、水平フィン群63の一つのフィンを摺動自在に挟むようにフィン操作ノブ65が配設され、このフィン操作ノブ65のスリット65aが垂直フィン群64のフィンに取り付けられた縦方向のロッド64aに摺動自在に連結されている。このため、フィン操作ノブ65の傾斜度を操作することにより水平フィン群63の偏向方向を変えることができ、さらに、フィン操作ノブ65を水平フィン群63の前記一つのフィンに沿って摺動させることにより、垂直フィン群64の偏向方向を変えることができる。そして、水平フィン群63の偏向方向を変えることにより、レジスタ60から吹き出す風の方向を上下に変えることができ、垂直フィン群64の偏向方向を変えることにより、レジスタ60から吹き出す風の方向を左右に変えることができる。例えば、図8に示すように、垂直フィン群64の偏向方向を変えることにより、レジスタ60から吹き出す風の方向を矢印72、73、74、75に示すように図示右方に変えることができる。なお、水平フィン群63についても同様である。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−101058号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例では、図8に示すように、気流が矢印71〜76で示すように流れるので、矢印72〜75で示す気流の方向が垂直フィン群64により偏向するが、図9に示すように、垂直フィン群64のフィンの数だけ気流の剥離(矢印78で示す)があるので、この気流の剥離により、騒音が大きくなるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、レジスタにおいて、気流騒音を少なくすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、レジスタ内に送り込まれた気流を空気吹出口から吹出すレジスタにおいて、前後に連通する開口部が形成された枠状体をレジスタのダクト状部分内に配設し、前記開口部の向きを偏向可能にし、前記開口部の向きを偏向させることにより、前記枠状体内を通過して前記空気吹出口から吹出される気流の方向を偏向させることである。
これにより、レジスタのダクト状部分内に配置された、前後に連通する開口部が形成された枠状体(「発明の実施の形態」におけるバレル46、樽状体および筒状体を含む)の開口部の向きを調節することにより容易にレジスタの空気吹出口から吹出される気流の方向を偏向させることができ、その際に前記枠状体内を通過する気流の剥離が従来のフィン群の場合よりも少なくなる。
【0006】
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1に記載した発明において、前記枠状体を支える軸が前記枠状体に付設され、この軸が前記レジスタに回動自在に支えられていることである。
これにより、前記軸を回動中心として前記枠状体を回動させることにより、前記開口部の向きを容易に調節することができる。
【0007】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項2に記載した発明において、前記枠状体の両外側面が前記軸を中心とする円弧状に形成されていることである。
これにより、前記軸を回動中心として前記枠状体を回動させたとき、前記枠状体の両外側面が前記軸となす距離が変化しないので、前記両外側面をレジスタの壁面に接近させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係るレジスタを示し、図2は図1のレジスタを分解して示し、図3は図1の横断面を示す。
【0009】
図1に示すように、レジスタ10は、ベゼル20とベゼル20の後側にその吹出し側端部31が取り付けられたダクト状のリテーナ30(特許請求の範囲における「ダクト状部分」に相当する)を主体として構成されている。ベゼル20がレジスタ10の前面(図示手前の面)を構成し、リテーナ30の流入側端部32が図示しない空調装置から送出される温冷風等の気流の流通路となるダクトに接続可能である。
【0010】
ベゼル20の前面には、リテーナ30内に送り込まれた気流を吹出す空気吹出口21が形成され、空気吹出口21の近傍のリテーナ30内には、気流の吹出方向を上下に偏向させる横フィン群41が配置されている。
図2に示すように、横フィン群41の各横フィンの横軸42が回動自在にリテーナ30の凹部状の各軸受33により支持されている。なお、各軸受33にはベゼル20の端部が当接しているので、各軸受33は実質的に孔状になっている。
【0011】
図1に示すように、リテーナ30内において横フィン群41の風上側に、レジスタ10から吹き出す気流の吹き出し方向を横方向に偏向させるバレル46が配置されている。このバレル46は、図3に示すように、前後方向に互いに開口部46a、46bが形成された通風路46cを形成し、リテーナ30内を通過する気流がこの通風路46cを通過することができる。そして、リテーナ30の横幅は、図3に示すように、バレル46を取り付けた部分よりも吹出し側端部31において広く形成されている。
バレル46の上片と下片のほぼ中央部には縦軸47(特許請求の範囲における「軸」に相当する)が付設され、この縦軸47、47が回動自在にリテーナ30の軸受34(図2参照)に支持されている。また、バレル46の両外壁面46d、46e(特許請求の範囲における「外側面」に相当する)は、縦軸47を中心とする円弧状に形成されている。
【0012】
図1に示すように、ベゼル20の空気吹出口21の下部にノブ用開口部22が形成されている。このノブ用開口部22には、横フィン群41およびバレル46の偏向方向を調節する調節手段50のダイヤルノブ53が配設されている。このダイヤルノブ53はノブホルダ54の前部に形成された凹部54a(図2参照)に配置されている。図2に示すように、凹部54aには一対の円形の貫通孔54bが形成されている。そして、ダイヤルノブ53の角型の貫通孔53aは角型のシム52を介して角型の横軸となるシャフト51に摺動自在に嵌合している。このシャフト51は、一対の円形の貫通孔54bを挿通し、その軸状の両端部51aがベゼル20とリテーナ30との結合部に形成された軸受35(軸受34と同様のもの)により回動自在に支持されている。
【0013】
このため、ダイヤルノブ53は、シム52を介してシャフト51に沿って横方向に摺動可能であり、かつ、シャフト51を回動させることができる。また、ノブホルダ54はダイヤルノブ53と一緒にシャフト51に沿って横方向に摺動可能である。シャフト51の図示右側の端部には、アーム部51bが設けられ、アーム部51bは横フィン群41のリンク43に連結されている。
さらに、ノブホルダ54の後部には、ラック55が取り付けられ、このラック55がバレル46の縦軸47の下端部に取り付けられた扇型のギヤ48に螺合している。このため、ダイヤルノブ53を横方向に摺動させると、ラック55を介してギヤ48が回動するので、縦軸47が回動し、これにより、バレル46が回動することになる。
【0014】
以上の構成により、図3に示すように、例えばダイヤルノブ53を矢印53bの方向(図示左方向)に移動させた場合には、ノブホルダ54と一体に形成されているラック55も同じ方向に移動する。このとき、ラック55と螺合しているギヤ48が矢印48aの方向(図示時計周り方向)に回転するので、バレル46が矢印48aの方向に回転し、例えば二点鎖線で示す位置まで回転する。これにより、図4に示すように、開口部46aからバレル46の通風路46c内に入り開口部46bから出る気流が図示左方向に偏向し、矢印49の方向に流れる。このとき、リテーナ30の横幅が上述のようにその吹出し側端部31にて広くなっているので、バレル46で偏向された気流がリテーナ30で妨げられないようになっている。
なお、ダイヤルノブ53を矢印53bと反対の方向(図示右方向)に移動させた場合には、バレル46が矢印48aと反対の方向に回転し、バレル46を通過する気流が図示右方向に偏向する。
【0015】
この場合に、バレル46には上述の従来例の垂直フィン群64(図7〜図9参照)のような多くのフィンがないので、この多くのフィンの存在による気流騒音が発生しなくなる。
なお、図4に示すように、バレル46による気流の剥離が矢印49aにて示すように一箇所のみであるので、これによる気流騒音の大きさは上述の従来例の場合よりも著しく小さくなる。
また、バレル46の構造上、風向きを変える際の気流の剥離、圧縮流れ、および偏向がフィン列に比べ、より効率的に行なわれるため、気流の指向性が向上するとともに、気流がよくなる。
【0016】
また、図3に示すように、バレル46の外壁面46d、46eは、縦軸47を中心とする円弧状に形成されているので、バレル46の外壁面46d、46eをリテーナ30の内壁面36に接近させても、バレル46を縦軸47の周りに回動させることができる。このため、バレル46の外壁面46d、46eと内壁面36との間を通過する気流が少なくなり、バレル46により効率よく気流を偏向させることができる。
さらに、バレル46を使用することにより、その生産に必要な金型、組み付け工数がフィン列の場合よりも少なくなり、その品質の管理が容易になる。さらに、レジスタ10の生産性が向上し、その見栄えがよくなるとともに、その操作感がよくなる。
【0017】
なお、図1に示すように、ダイヤルノブ53を矢印53cの方向に回転させると、図2のシャフト51のアーム部51bが同じ方向に回転し、アーム部51bに連結されたリンク43が上方に移動し、リンク43に連結された横フィン群41のアーム部42aが図2の矢印42bの方向に回転し、横フィン群41を通過する気流が下方に偏向する。なお、ダイヤルノブ53を矢印53cと反対の方向に回転させると、横フィン群41を通過する気流が上方に偏向することになる。
【0018】
なお、上記実施の形態において、バレル46の操作をレジスタ10のダイヤルノブ53で行っているが、これに限定されず、ダイヤルノブ53に相当するノブを任意に配置することができる。
さらに、ラック55に螺合する扇型のギヤ48の代わりに、図5に示すように、半円形に形成されたギヤ48bを配置し、このギヤ48bの回動方向にバレル46を回動させるようにしてもよい。
さらに、ラック55の代わりに、図6に示すようにスリット56を配設し、このスリット56に係合するピン57をバレル46の縦軸47から偏心した位置に配設し、スリット56が矢印56aまたはこれと反対の方向に移動することにより、ピン57が縦軸47の周りに矢印57aまたはこれと反対の方向に回転することにより、バレル46がピン57の回転と同じ方向に回転するようにしてもよい。
さらに、従来例の垂直フィン群64のみをバレル46で置き換えているが、これに限定されず、従来例の水平フィン群63を図示しないバレルで置き換えてもよい。
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、レジスタの空気吹出口から吹出される気流の方向を偏向させる際に、レジスタ内の気流騒音を低減することができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、レジスタの空気吹出口から吹出される気流の方向を偏向させることが容易になる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果とともに、レジスタの空気吹出口から吹出される気流の方向を効率よく偏向させることができきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレジスタの斜視図である。
【図2】図1のレジスタを分解して示す斜視図である。
【図3】図1のレジスタの横断面である。
【図4】図1のレジスタの動作説明図である。
【図5】図1のレジスタの第1変形例に係るレジスタの説明図である。
【図6】図1のレジスタの第2変形例に係るレジスタの説明図である。
【図7】従来のレジスタを分解してし示す斜視図である。
【図8】図7のレジスタの動作説明図である。
【図9】図8の状態のレジスタの動作を詳細に示す説明図である。
【符号の説明】
10 レジスタ
20 ベゼル
21 空気吹出口
30 リテーナ(ダクト状部分)
46 バレル(枠状体)
46a、46b 開口部
46d、46e 外壁面(外側面)
47 縦軸(軸)
50 調節手段
Claims (3)
- レジスタ内に送り込まれた気流を空気吹出口から吹出すレジスタにおいて、
前後に連通する開口部が形成された枠状体をレジスタのダクト状部分内に配設し、前記開口部の向きを偏向可能にし、
前記開口部の向きを偏向させることにより、前記枠状体内を通過して前記空気吹出口から吹出される気流の方向を偏向させることを特徴とするレジスタ。 - 請求項1に記載したレジスタであって、
前記枠状体を支える軸が前記枠状体に付設され、この軸が前記レジスタに回動自在に支えられていることを特徴とするレジスタ。 - 請求項2に記載したレジスタであって、
前記枠状体の両外側面が前記軸を中心とする円弧状に形成されていることを特徴とするレジスタ。
Priority Applications (1)
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Cited By (4)
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JP2010061356A (ja) * | 2008-09-03 | 2010-03-18 | Fuji Xerox Co Ltd | 情報利用制御システム、提供装置、および提供プログラム |
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2003
- 2003-02-21 JP JP2003044313A patent/JP2004249912A/ja active Pending
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US8602852B2 (en) * | 2008-10-30 | 2013-12-10 | Howa Plastics Co., Ltd. | Air blowing device |
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