JP2011102113A - レジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベゼル20は前フレーム部21前面に開口する第1開口部2を有し、ベゼル20に回動可能に軸支されるバレルは第1開口部2の内側に位置する吹出開口部5と、通風ダクトDに開口する第1吸入開口部7を有し、バレル30の吹出開口部5はバレル30内に回動可能に軸支されるフィン40により開放及び閉鎖される。ベゼル20は、通風ダクトDに連通すると共に第1開口部2から離間するように前方に向かって外側へ傾斜する傾斜部14A、14Bを備えるスリット13A、13Bを有し、傾斜部14A、14Bがベゼル20の前フレーム部21前面に開口して第2開口部3A、3Bが形成される。
【選択図】図9
Description
一般的なレジスタは、通風ダクトから供給された空気を乗員の体等に向かって直接吹き出す直接送風に用いられている。しかし、近年、気象条件等によっては強い風が直接体等に当たることによる煩わしさや不快感を回避したいというユーザの要望が強くなっている。このため、直接送風だけでなく、吹き出し風を乗員に直接当てらないように吹き出す間接送風も可能なレジスタが提案されている。
よって、この車両用空気吹出グリル装置1ではこのフィン41、42を手動で押すことによって先端吹出孔40を開放させて車両用空気吹出グリル装置1の前方に位置する乗員に向かって吹き出される直接送風を得ることが出来る。また、中間グリルケース21が、収容位置から突出位置に突出すると、側部吹出孔28が開放されて前方の乗員に直接当たらないように吹き出される間接送風が得られる。
更に、請求項1のレジスタではバレルを介した直接送風のための空気の流路と別に、間接送風のためにスリットからなる流路を形成する。スリットはベゼルの第1開口部から離間するようにベゼルの前面に向かって外側に傾斜する傾斜部を有する。このため通風ダクトから供給される前方への空気は、通風ダクトに連通するスリットの傾斜部を通ることによりその送風方向を第1開口部の開口方向に対し斜め外側方向へ変化させる。そして、送風方向を変化させた空気は、傾斜部がベゼル前面に開口して形成される第2開口部から、第1開口部の開口方向に対して確実に斜め外側へ、すなわちレジスタの斜め側方へ吹き出され、乗員にとってより風速感の少なく快適な間接送風となる。
上記構成により請求項3のレジスタでは、スリットの傾斜部及び第2開口部は車両の窓部に沿う方向を向くため、第2開口部からは車両の窓部に沿って下方に吹き出される。これにより第2開口部からの送風は、外部の温度が伝わり易い車窓部分全体を空調して、車室内の温度分布の偏りを効果的に改善して車内を快適な状態に保つことができる。
更に、請求項5のレジスタではバレルを介した直接送風のための空気の流路と別に、間接送風のためにスリットからなる流路を形成する。スリットはベゼルの第1開口部から離間するように前面に向かって外側に傾斜する傾斜部を有する。このため通風ダクトから供給される前方への空気は、通風ダクトに連通する該スリットの傾斜部を通ることによりその送風方向を第1開口部の開口方向に対し斜め外側方向へ変化させる。そして、送風方向を変化させた空気は、傾斜部がベゼル前面に開口して形成される第2開口部から、第1開口部の開口方向に対して確実に斜め外側へ、すなわちレジスタの斜め側方へ吹き出され、乗員にとってより風速感の少なく快適な間接送風となる。
よって請求項8のレジスタでは、乗員がバレルを回動させて第1開口部を開放することにより第1開口部から吹き出される直接送風が得られるだけでなく、当該バレルの操作により連結部を介して第2吸入開口部をドア部により閉鎖させて間接送風をストップできる。また、乗員はバレルを回動させて第1開口部を閉鎖することにより第1開口部から吹き出される直接送風をストップできるだけでなく、当該バレルの操作により第2吸入開口部をドア部により開放させてスリットに流入した空気が第2開口部から吹き出す間接送風を得ることができる。
よって、請求項8のレジスタでは、乗員が直接送風を得たい場合に第2吸入開口部を閉鎖できるから通風ダクトからレジスタへ流入する空気はほとんどが第1吸入開口部へ流入して第1開口部から吹き出され、間接送風のためのスリットを設けても直接送風の風速を維持できる。
また連結部によって、間接送風を得るための第2吸入開口部の開閉を、直接送風が吹き出す第1開口部の開閉に連動させるため、間接送風をシャットするための別の駆動機構が不要で製造コスト減となると共に、乗員は簡単なバレル操作のみで直接送風と間接送風を切り替えることができて便利である。
よって、請求項9のレジスタでは、バレル軸部と同方向に立設するドア部の係合軸部を一の部材によって連結することによりバレルとドア部を連結することができ、バレルの回動とドア部の第2吸入開口部の開閉とを非常に簡単な機構により連動させることができて製造コスト減となる。
まず図1〜図11に基づき第1実施形態のレジスタ1について説明する。以下、第1実施形態のレジスタ1の方向を説明する際には、図1の上下方向をレジスタ1の上下方向、図1の左右方向をレジスタ1の左右方向、図1の手前を前方向、後側を後方向とする。
図1〜図3に示すように、レジスタ1は、平坦な矩形板状の前フレーム部21前面の中央部分において横長の長方形状に開口する第1開口部2を有するベゼル20と、ベゼル20に回動可能に軸支されると共に、第1開口部2の内側に吹出開口部5が位置するバレル30と、バレル30内に連動して回動可能に軸支される複数のフィン40とから主に構成されている。
このバレル支持部22は、左右の両側壁の前側中央部にそれぞれ貫通孔28A、28Bを有する。この左右の両側壁は、後部上方に一対の貫通孔24A、24B(図4参照)、後部下方に一対の貫通孔25A、25B(図4参照)も有する。図4に示すように、貫通孔24A、24Bはバレル支持部22の上側内壁26A後端部の後方に、貫通孔25A、25Bは後述するバレル支持部22の下側内壁26B後端部の後方に、それぞれ設けられる。
具体的には、内フレーム体34の内側に配置される第1補助板35および第2補助板36により複数のフィン40の列が挟まれる。第1補助板35および第2補助板36には、複数のフィン40各々の回転軸となる複数の第2回転軸41A、41Bを、バレル30の第1回転軸33の軸方向に対しても、また吹出開口部5の開口方向に対しても、略直交するように回転自在に支える複数の凹部35A、36Aが形成されている。フィン40は裏側(吹出開口部5の全閉状態における後側)に折曲がる上側の折曲部及び下側の折曲部を有し、第2回転軸41Aは上側の折曲部の外面に立設され、第2回転軸41Bは下側の折曲部の外面に立設される。第2回転軸41Aは第1補助板35の孔35Aで支えられ、第2回転軸41Bは第2補助板36の孔36Aで支えられている。
さらに、各フィン40の裏側に第2回転軸41A、41Bから離間するように斜め後方へ突起する突起部42が設けられ、突起部42の先端にピン部42Aが設けられている。第1連結部材43の各孔43Aは各ピン部42Aに回転自在に連結されている。
なお、図3の他の部材については後述する。
図4に示すように、ベゼル20のバレル支持部22は外壁及び内壁がバレル40を四方から二重に囲む構造をしている。この二重構造では左右の外壁と内壁は隙間なく一体化しているが、上側外壁27Aと上側内壁26Aの間及び下側外壁27Bと下側内壁26Bとの間にはそれぞれ隙間がある。
図7に示すように上側外壁27Aと上側内壁26Aとの隙間によりスリット13Aが形成され、下側外壁27Bと下側内壁26Bとの隙間によりスリット13Bが形成される。
一方、上側外壁27A、下側外壁27Bはほぼ均一な厚みを有する。そして上側外壁27Aの内側面は前後に渡って上側内壁26Aの外側面と略平行な状態を保つように上側内壁26Aの外側面の屈曲に沿って屈曲する。同様に下側外壁27Bの内側面は前後に渡って上側内壁26Bの外側面と略平行な状態を保つように上側内壁26Bの外側面の屈曲に沿って屈曲する。
また、傾斜部14Aが前フレーム部21の前面に開口して第2開口部3Aを形成し、傾斜部14Bが前フレーム部21前面に開口して第2開口部3Bを形成する(図1等参照)。
一方、スリット13A、13Bは後方では、第1開口部2の開口方向と略反対の方向に通風ダクトDに開口する第2吸入開口部23A、23Bを有する。
図3に示すように、リテーナ22の第2吸入開口部23A、23Bには略長方形の板状に形成されるドア部50、52が取り付けられる。
詳述すると、ドア部50は長手方向の両端に位置する左右両側面の下端部から外方へ突設される支軸50A、50Bを有し、ドア部52は長手方向の両端に位置する左右両側面の上端部から外方へ突設される支軸52A、52Bを有する。ドア部50は一方(図3の右上側)の支軸50Aがバレル支持部22の貫通孔24Aに、他方の支軸50Bが貫通孔24B(図4参照)に挿入されることにより第2吸入開口部23A(図4参照)に回動可能に軸支される。また、ドア部52は一方(図3の右上側)の支軸52Aがバレル支持部22の貫通孔25Aに、もう一方の支軸52Bが貫通孔25B(図4参照)に挿入されることにより第2吸入開口部23B(図4参照)に回動可能に軸支される。
またアーム片51及びアーム片53はそれぞれ、互いに向き合う方向に突起するピン51A及びピン53Aを有する。
上述した第1連結部材43は、略直角に下方に立設する板部45を有する。略矩形の板部45は、後側に湾曲する円弧状の逃しガイド溝45Aを有する。逃しガイド溝45Aは、後述の軸部61が挿通され、その形状によりバレル30の上下の揺動による軸部61の変動を可能とする(図7及び図9参照)。
また第2連結部材60は、折れ曲がり形状を有する棒板状であり、一端を貫通する連結孔60Aを有する。第2連結部材60の他端からは軸部61が、第2連結部材60の側面から略直交して立設する。なお、第2連結部材60の折れ曲がり形状は後述の組み立て後、第1連結部材43と抵触するのを避けるためである(図7等参照)。
また真っ直ぐな棒板状の第3連結部材65は、両端をそれぞれ貫通する連結孔65Aと65Bを有する。
図6に示すように、吹出開口部5の全開状態では、複数のフィン40は吹出開口部5の開口方向すなわち第1開口部2の開口方向と略直交している。また突起部42はフィン40から左後方向(図6の右下方向)へ突起する状態にある。すると突起部42を連結する第1連結部材43及び第1連結部材43の逃しガイド溝45Aに挿通する軸部61は、後方(図6の下側)に突出する位置にある。図7のように第1開口部2と吹出開口部5の開口方向がほぼ一致する状態では軸部61は逃しガイド溝45Aの中央部分を挿通する。 上記のように軸部61が後方に位置することにより、図7に示すように上記全開状態では、右側面視において、軸部61が立設する第2連結部材60はレジスタ1の上下方向に対し時計回りに僅かに傾いた状態となるため、連結孔60Aとドア部50の支軸50A、50Bはほぼ同じ高さとなる(これにより図7では、連結孔60Aとドア部50の支軸50A、50Bとを結ぶ線分は第2吸入開口部23Aの開口方向と略平行に表される)。同様に軸部61と連結する第3連結部材65はレジスタ1の上下方向に対し反時計回りに僅かに傾いた状態となり、連結孔65Bはドア部50の支軸52A、52Bとほぼ同じ高さにある。
これにより第2連結部材60の連結孔60Aの位置はドア部50の支軸50A、50Bの下方(図9の左方)に動く。よって、屈曲点50A、50Bを回動中心としてドア部50とアーム片51が成すL字が下方(図9の左方)に回動する。するとドア部50の上端は第2吸入開口部23Aから後方に離間し、第2吸入開口部23Aを開放する。
同様に第2連結部材65の連結孔65Bの位置はドア部52の支軸50A、50Bの上方(図9の右方)動く。これにより、屈曲点52A、52Bを回動中心としてドア部52とアーム片53が成すL字が上方(図9の右方)に回動する。すると、ドア部52の上端も第2吸入開口部23Bから後方へ離間し、第2吸入開口部23Bを開放する。
図10のように、吹出開口部5が全開の場合は通風ダクトDからレジスタ1に供給される気流は、吹出開口部5を介して第1開口部2からレジスタ1の前方へ吹き出す。この送風はレジスタ1の前方の乗員に向かって直接吹き出す直接送風となる。しかし、上述したようにこの状態では第2吸入開口部23A、23Bはドア部50、52に塞がれて閉鎖されているため、スリット13A、13Bに通風ダクトDの空気は入り込まず、第2開口部3A、3Bからの斜め側方へ吹き出す間接送風はほとんど得られない。
しかし、上述したようにドア部50が第2吸入開口部23Aを、またドア部52が第2吸入開口部23Bをそれぞれ開放しているため、通風ダクトDの空気は、スリット13A、13Bに流入する。
また、ベゼル120のバレル支持部122と嵌合されるリテーナ123は、正面視矩形をなす四方枠状の外壁部と、外壁部の上側外壁125Aとの隙間を有しつつ上側外壁125Aの下方に形成される側面視円弧状の上側内壁124A、外壁部の下側外壁125Bと隙間を有しつつ下側外壁125Bの上方に形成される側面視円弧状の下側内壁124Bとからなる(図15及び図16参照)。
レジスタ101を通風ダクトDに装着する際には、このリテーナ123が後方から通風ダクトDの開口部にはめ込まれる(図17及び図18参照)。
内フレーム体134は後方に、バレル130内へ通風ダクトDからの気流を吸い込むための第1吸入開口部107のほか、変流板134A、134Bを有する。これら変流板の機能は第1実施形態と同様である。
また外フレーム体132には、バレル130が組み立てられた際に吹出開口部105と吸入開口部107の間に位置する上フレーム部132A及び下フレーム部132Bを有する。
上述のようにリテーナ123は上下の側壁が二重にバレル130の後方を囲む構造をしている。
図示していないが、リテーナ123と同様に、ベゼル120のバレル支持部122は、左側及び右側において一重にバレル130の前方を囲む。しかし図15及び図16に示すように、上側及び下側では二重にバレル130の前方を囲む構造をしている。
なお、ベゼル120の上側外壁127A及び下側外壁127Bは第1実施形態のベゼル20の上側外壁27A及び下側外壁27Bとほぼ同様の構造をしている。またベゼル120の上側内壁126Aと下側内壁126Bはその内側面が略円弧状である点以外は、第1実施形態のベゼル20の上側内壁26Aと下側内壁26Bとほぼ同様の構造をしている。
これによりバレル支持部122の上側側壁127Aと上側内壁126Aとの隙間からなるスリット113Aはリテーナ123の上側外壁125Aと下側外壁124Aとの隙間からなるスリット153Aと連続する。同様にバレル支持部122の下側内壁126Bと下側外壁127Bとの隙間からなるスリット113Bはリテーナ123の下側内壁124Bと下側外壁125Bとの隙間からなるスリット153Bと連続する。
またスリット113Aは、ベゼル120の前フレーム部121前面に向かって第1開口部102から離間するように上方へ傾斜する傾斜部114Aを有し、傾斜部114Aが前フレーム部121前面に開口することによりベゼル120の前フレーム部121に第2開口部103Aを形成する。一方、スリット113Bは、ベゼル120の前フレーム部121前面に向かって第1開口部102から離間するように下方へ傾斜する傾斜部114Bを有し、傾斜部114Bが前フレーム部121の前面に開口することによりベゼル120の前フレーム部121に第2開口部103Bを形成する。
第2吸入開口部163Aからスリット153Aを通ってバレル支持部122のスリット113Aに流入した空気は、傾斜部114Aを通って、図17に示すように、第2開口部103Aから天井部Rに沿うように横方向に吹き出す間接送風となる。
同様に、第2吸入開口部163Bからスリット153Bを通ってからバレル支持部122のスリット113Bに流入し、傾斜部114Bを通った空気は、図17に示すように、第2開口部103Bから窓部Wに沿うように下方向に吹き出す間接送風となる。
これによりレジスタ101内での圧力が高まって、第2吸入開口部163A、163Bからスリット113A、113Bに大量の空気が流入する。
そして図18に示すように、第2開口部103Aから天井部Rを沿うように横方向に吹き出されると共に、第2開口部103Bから窓部Wを沿うように床に向かって斜め上方へ吹き出される。
図19〜図20に示すように、レジスタ201は第2実施形態のレジスタ101と同様、横長板状に形成されて側面視において湾曲をなす前フレーム部221と、前フレーム部221の後方へ立設するバレル支持部222とが一体に形成されてなるベゼル220を有する。
第3実施形態ではバレル支持部222がバレル230の後部まで延在し、スリット213A、213Bは後端部周辺で屈曲するため、傾斜部214A、214Bが比較的長い。
なお、図20では外フレーム体132の後方においてフィン140の下側の第2回転軸141Bを支持する凹部136が示されている。これらの凹部のうち中央の凹部136Aにはブシュ145が嵌め込まれる。これらの凹部は第2実施形態では不図示だった。
よって、バレル230をベゼル220に収容させてレジスタ201を組み立てる際には、外フレーム体132の右側(図20の左奥側)に立設する不図示の第1回転軸133がブシュ孔128に嵌め込まれるブシュ135の貫通孔135Aに支持される一方、外フレーム体132の左側(図20の右手前側)に立設する第1回転軸133はバレル支持部222の貫通孔206に嵌め込まれると共にバレル軸部200が長ガイド溝207に挿通される。
またドア部208、209では、長ガイド溝207側の側面からはバレル軸部200の立設方向と同方向に係合軸部216、217がそれぞれ立設されている。係合軸部216、217はほぼ同じ形態をしており、それぞれ先端部213、214が僅かに膨出している。
図21、図22は共に、バレル230の吹出開口部105が第1開口部102と略一致する全開状態を示す。この時、バレル支持部222の長ガイド溝207と、板部材250の短ガイド溝202はバレル230の回動軸である第1回転軸133を中心とした同一の円周に沿って揃った状態にある。
バレル支持部222の長ガイド溝207は、第1回転軸133を支持する貫通孔206を中心に中心角が(K+β)の角度を成す円弧である。また板部材250の短ガイド溝202は中心角が(M+α)の角度を成す円弧である。ここで、Kとはバレル230が回動する最大角度であり、本実施形態では第1開口部102の全開から全閉までの90°である。また、Mはドア部208、209の最大開放角度L(図25参照)を回動角度Kから引いた角度であり、本実施形態ではLは60°なのでMは30°である。
図22のように第1開口部102の全開状態では、バレル軸部200は短ガイド溝202の後端部から角度M(第3実施形態では30°)前方に離れた位置にあると共に短ガイド溝202の前端部から角度α後方に離れた位置にある。同時に、バレル軸部200は長ガイド溝207の後端部から角度K(同90°)前方に離れた位置にあると共に短ガイド溝202の前端部から角度β後方に離れた位置にある。なお本実施形態ではαとβは同角度であり長ガイド溝207の前端部と短ガイド溝202の前端部が一致しているが必ずしもその必要はない。
このバレル軸部200の位置では、バレル軸部200と連結するドア部208、209は第2吸入開口部263A、263Bをそれぞれ塞ぐ位置で安定している。
図22について説明したように回転前に短ガイド溝202と長ガイド溝207は第1回転軸133すなわち基準点Oを中心とした同一の円周上に揃っており、バレル軸部200は短ガイド溝202の後端部から角度M(同30°)前方の位置にあった。このため図23のようにバレル230を角度M(同30°)回転させるとバレル軸部200は同一円弧上に揃う短ガイド溝202の内部と長ガイド溝207の内部を滑らかにスライドして短ガイド溝202の後端部に当接する。よってこの角度M(同30°)の回転の間、板部材250はバレル230の回動により変動しない。
なお図23に示す状態で左側面視においてバレル軸部200と第1回転軸133とからなる線分は、係合軸部216とヒンジ部210の回転中心からなる線分、係合軸部217とヒンジ部211の回転中心からなる線分は略平行である。
また図23の状態から、バレル軸部200が第1回転軸133を中心に30°回転するから短ガイド溝202の後端部がバレル軸部200に押されて板部材250も回動し、それに連れて板部材250に係合するドア部208、209も回動する。
上述のように側面視においてバレル軸部200と第1回転軸133との距離は、後述のドア部208の係合軸部216とヒンジ部210の回動中心との距離及び、ドア部209の係合軸部217とヒンジ部211の回動中心との距離とほぼ等しい。また上述の図23の状態におけるバレル軸部200の位置により、図23の状態から図24の状態まで、バレル軸部200と、係合軸部216及び係合軸部217はそれぞれの回転中心に対して概ね同方向の位置から略等しい回動半径により略同方向に略同じ30°の角度で回動する。よって、ドア部208、209も30°回動して第2吸入開口部263A、263Bを半開させる。
図23の状態から〜図24の状態までの回動のように、図24の状態から〜図25の状態まで、バレル軸部200と、係合軸部216及び係合軸部217はそれぞれの回転中心に対して略等しい方向に位置する状態を保ちながら、略等しい回動半径により回動し、それに伴い、係合軸部216、217も回動してドア部208、209を開放させる。そしてドア部208、209が最大限開放される角度は、係合軸部216、217のヒンジ部210、211の回転中心に係る回動角度及び短ガイド溝202の後端部の第1回転軸133に係る回動角度と略等しく、角度Kから角度Mを引いた角度である角度L(同60°)となる。
図21のように第1開口部102が全開の場合、バレル230の第1吸入開口部107の開口方向が通風ダクトDの開口部の開口方向とほぼ一致し通風ダクトDからバレル230に大量の空気が流れ込み、吹出開口部105を介して第1開口部102からレジスタ201の前方へ吹き出す。よって図21のレジスタ201からは図27のように、前方の乗員に向かって直接吹き出す直接送風が得られる。しかし、上述のようにこの状態では第2吸入開口部263A、263Bはドア部208、209にそれぞれ塞がれて閉鎖されているため、スリット213A、213Bに通風ダクトDの空気は入り込まず、第2開口部203A、203Bからの斜め側方へ吹き出す間接送風はほとんど得られない。
ここで、レジスタ1はルーフサイド部RSに斜め向きに配設されるため、傾斜部214A及び第2開口部203Aは天井部Rに沿う側方を向くと共に、傾斜部214B及び第2開口部203Bは窓部Wに沿う下方を向く。このためスリット213Aを通る空気は第2開口部203Aから天井部を沿うように横方向に吹き出される間接送風となる。一方、スリット213Bを通る空気は第2開口部203Bから吹き出される気流は窓部Wを沿うように下方に吹き出される間接送風となる。
よってレジスタ201では、乗員がノブ144等を操作することによりバレル230を回動させて第1開口部102を開放すると第1開口部102から吹き出される直接送風が得られるだけでなく、当該操作により板部材250を介して第2吸入開口部263A、263Bをドア部208、209により閉鎖させて間接送風をストップできる。また、乗員はバレル230を回動させて第1開口部102を閉鎖することにより第1開口部102から吹き出される直接送風をストップできるだけでなく、当該バレル230の操作により第2吸入開口部263A、263Bをドア部208、209の回動により開放させてスリット213A、213Bに流入した空気が第2開口部203A、203Bから吹き出す間接送風を得ることができる。
よってレジスタ201では、乗員が直接送風を得たい場合に第2吸入開口部263A、263Bを閉鎖できるから通風ダクトDからレジスタ201へ流入する空気はほとんどが第1吸入開口部107へ流入して第1開口部102から吹き出され、間接送風のためのスリット213A、213Bを設けても直接送風の風速は低下しない。
また板部材250によって、間接送風を得るための第2吸入開口部263A、263Bの開閉を、直接送風が吹き出す第1開口部102の開閉に連動させるため、間接送風をシャットするための別の駆動機構が不要で製造コスト減となると共に、乗員は簡単な操作のみで直接送風と間接送風を切り替えることができて便利である。
よってレジスタ201では、バレル軸部200と同方向に立設するドア部208、209の係合軸部216、217を一の部材によって連結することによりバレル230とドア部208、209を連結することができ、バレル230の回動とドア部208、209による第2吸入開口部263A、263Bの開閉とを非常に簡単な機構により連動させることができて製造コスト減となる。
たとえば、3つの実施形態では、レジスタをルーフサイド部に配設したが、別の個所でも構わない。
2、102 第1開口部
3A、3B、103A、103B、203A、203B 第2開口部
5、105 吹出開口部
7、107 第1吸入開口部
13A、13B、113A、113B、213A、213B ベゼルのスリット
14A、14B、114A、114B、214A、214B 傾斜部
23A、23B、163A、163B、263A、263B 第2吸入開口部
20、120、220 ベゼル
30、130、230 バレル
40 フィン
43 第1連結部材
45 板部
45A 逃しガイド溝
60 第2連結部材
61 軸部
65 第3連結部材
200 バレル軸部
250 板部材
D 通風ダクト
R 天井部
RS ルーフサイド部
W 窓部
Claims (9)
- 通風ダクトから供給される空気を乗員に向かって吹き出す直接送風及び空気が乗員に直接当たらないように吹き出す間接送風のいずれも可能な車室空調用のレジスタにおいて、
前面に開口する第1開口部を有するベゼルと、
前記第1開口部の内側に位置する吹出開口部と、前記通風ダクトに開口する第1吸入開口部を有し、前記ベゼルに回動可能に軸支されるバレルと、
前記バレル内に回動可能に軸支されて前記吹出開口部を開放及び閉鎖するフィンと、を有し、
前記ベゼルには、前記通風ダクトに連通すると共に前記第1開口部から離間するように前面に向かって外側へ傾斜する傾斜部を備えるスリットを有し、傾斜部がベゼルの前記前面に開口して第2開口部が形成されることを特徴とするレジスタ。 - 前記スリットは前記通風ダクトに開口する第2吸入開口部を介して通風ダクトに連通し、
前記第2吸入開口部に回動可能に軸支されて第2吸入開口部を閉鎖及び開放するドア部と、
前記フィンと前記ドア部とを連結する連結部と、を備え、
前記フィンが前記吹出開口部を開放する際には前記連結部を介して前記ドア部が前記第2吸入開口部を閉鎖すると共に、フィンが吹出開口部を閉鎖する際には連結部を介してドア部が第2吸入開口部を開放することを特徴とする請求項1に記載のレジスタ。 - 前記レジスタは、前記車室のルーフサイド部に配設され、
前記傾斜部は前記ベゼルの前面に向かって斜め下側に傾斜し、前記第2開口部は第1開口部の下方に開口することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレジスタ。 - 前記レジスタは、前記車室のルーフサイド部に配設され、
前記傾斜部は前記ベゼルの前面に向かって斜め上側に傾斜し、前記第2開口部は第1開口部の上方に開口することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレジスタ。 - 通風ダクトから供給される空気を乗員に向かって吹き出す直接送風及び空気が乗員に直接当たらないように吹き出す間接送風のいずれも可能な車室空調用のレジスタにおいて、
前面に開口する第1開口部を有するベゼルと、
前記通風ダクトの空気が流入する第1吸入開口部と、第1吸入開口部と対向する吹出開口部と、第1吸入開口部と吹出開口部との間のフレーム部を有し、吹出開口部が前記第1開口部と一致して第1開口部を開放する状態からフレーム部が第1開口部を塞いで閉鎖する状態まで回動可能に前記ベゼルに軸支されるバレルと、を備え、
前記ベゼルには、前記通風ダクトに連通すると共に前記第1開口部から離間するように前面に向かって外側へ傾斜する傾斜部を備えるスリットを有し、傾斜部がベゼルの前記前面に開口して第2開口部が形成されることを特徴とするレジスタ。 - 前記レジスタは、前記車室のルーフサイド部に配設され、
前記傾斜部は前記ベゼルの前面に向かって斜め下側に傾斜し、前記第2開口部は第1開口部の下方に開口することを特徴とする請求項5に記載のレジスタ。 - 前記レジスタは、前記車室のルーフサイド部に配設され、
前記傾斜部は前記ベゼルの前面に向かって斜め上側に傾斜し、前記第2開口部は第1開口部の上方に開口することを特徴とする請求項5に記載のレジスタ。 - 前記スリットは前記通風ダクトに開口する第2吸入開口部を介して通風ダクトに連通し、
前記第2吸入開口部に回動可能に軸支されて第2吸入開口部を閉鎖及び開放するドア部と、
前記ドア部と前記バレルを連結させる連結部と、を備え、
前記バレルの回動により前記第1開口部が開放される際には前記連結部を介して前記ドア部が前記第2吸入開口部を閉鎖すると共に、バレルの回動により第1開口部が閉鎖される際には連結部を介してドア部が第2吸入開口部を開放することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のレジスタ。 - 前記バレルは、該バレルの回転軸が立設する外側側面において該回転軸と同方向に立設するバレル軸部を有し、
前記ドア部は、前記バレル軸部と同方向へ立設する係合軸部を有し、
前記連結部は、前記バレル軸部と係合すると共に前記係合軸部と係合する一の部材であることを特徴とする請求項8に記載のレジスタ。
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