JPH10251982A - 染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents
染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布帛およびその製造方法Info
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- JPH10251982A JPH10251982A JP9048987A JP4898797A JPH10251982A JP H10251982 A JPH10251982 A JP H10251982A JP 9048987 A JP9048987 A JP 9048987A JP 4898797 A JP4898797 A JP 4898797A JP H10251982 A JPH10251982 A JP H10251982A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コーティング樹脂層を有さないポリエステル
繊維布帛において、使用する染料濃度が高いにもかかわ
らず、染色堅牢度、特にアルカリ汗堅牢度が著しく改善
されたポリエステル繊維布帛およびその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 染色されたポリエステル繊維から主とし
て構成される布帛において、該布帛を構成するポリエス
テル繊維をエタノール抽出した際の最大吸収波長での液
体透過率(%TS)が少なくとも50%であり、かつエ
タノール抽出後の布帛を溶解したオルソクロロフェノー
ル液の最大吸収波長における液体透過率(%TI)と前
記液体透過率(%TS)との関係が下記式 TS/(TI)1/2≧90 を満足する染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布
帛。
繊維布帛において、使用する染料濃度が高いにもかかわ
らず、染色堅牢度、特にアルカリ汗堅牢度が著しく改善
されたポリエステル繊維布帛およびその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 染色されたポリエステル繊維から主とし
て構成される布帛において、該布帛を構成するポリエス
テル繊維をエタノール抽出した際の最大吸収波長での液
体透過率(%TS)が少なくとも50%であり、かつエ
タノール抽出後の布帛を溶解したオルソクロロフェノー
ル液の最大吸収波長における液体透過率(%TI)と前
記液体透過率(%TS)との関係が下記式 TS/(TI)1/2≧90 を満足する染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布
帛。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濃色に染色されて
いるにもかかわらず、染色堅牢度、特にアルカリ汗堅牢
度の改善されたポリエステル繊維から主としてなる布帛
およびその製造方法に関する。
いるにもかかわらず、染色堅牢度、特にアルカリ汗堅牢
度の改善されたポリエステル繊維から主としてなる布帛
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル繊維布帛を分散
染料で染色した後、アクリル系、ウレタン系あるいは塩
ビ系樹脂等でコーティングした場合には、分散染料がそ
のコーティング樹脂層に移行転染し、樹脂層を汚染する
ことが知られている。この現象は、分散染料の染着機構
がポリエステルとの化学的結合を有しない物理的なもの
であること、および分散染料が有機溶剤や上記樹脂に対
し溶解性、親和性を有することが相乗的に作用して起こ
るものである。例えば特開平5−287673号公報に
は、上記の問題をオゾン処理により解決する方法が開示
されている。一方、コーティング樹脂層を有さない、ポ
リエステル繊維布帛の染色堅牢度を向上させる方法とし
ては、染色後還元洗浄処理を行なうことが常用されてい
る。
染料で染色した後、アクリル系、ウレタン系あるいは塩
ビ系樹脂等でコーティングした場合には、分散染料がそ
のコーティング樹脂層に移行転染し、樹脂層を汚染する
ことが知られている。この現象は、分散染料の染着機構
がポリエステルとの化学的結合を有しない物理的なもの
であること、および分散染料が有機溶剤や上記樹脂に対
し溶解性、親和性を有することが相乗的に作用して起こ
るものである。例えば特開平5−287673号公報に
は、上記の問題をオゾン処理により解決する方法が開示
されている。一方、コーティング樹脂層を有さない、ポ
リエステル繊維布帛の染色堅牢度を向上させる方法とし
ては、染色後還元洗浄処理を行なうことが常用されてい
る。
【0003】しかしながら、特に、黒や青などの濃色に
染色する場合や単繊維繊度が1.0デニール以下の極細
ポリエステル繊維から構成される布帛を染色する場合
等、使用する染料濃度が高い場合には、還元洗浄処理を
行ってもポリエステル繊維表面に固着した染料の除去が
充分に行われず、染色堅牢度が著しく低下するという問
題を有していた。
染色する場合や単繊維繊度が1.0デニール以下の極細
ポリエステル繊維から構成される布帛を染色する場合
等、使用する染料濃度が高い場合には、還元洗浄処理を
行ってもポリエステル繊維表面に固着した染料の除去が
充分に行われず、染色堅牢度が著しく低下するという問
題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コー
ティング樹脂層を有さないポリエステル繊維布帛におい
て、使用する染料濃度が高いにもかかわらず、染色堅牢
度、特にアルカリ汗堅牢度が著しく改善されたポリエス
テル繊維布帛およびその製造方法を提供することにあ
る。
ティング樹脂層を有さないポリエステル繊維布帛におい
て、使用する染料濃度が高いにもかかわらず、染色堅牢
度、特にアルカリ汗堅牢度が著しく改善されたポリエス
テル繊維布帛およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究した結果、化学的結合により染
着する染料(例えばカチオン染料)を使用した場合ある
いは樹脂コーティングを施さない染色布帛においても、
染色後の加熱処理(乾燥、ファイナルセットなど)によ
り染料が繊維表面に移行し、この染料が脱落することが
染色堅牢度を低下させる原因となっていることを究明
し、その原因の解決方法について、さらに研究を進めた
結果、本発明を完成するに至った。
達成するために鋭意研究した結果、化学的結合により染
着する染料(例えばカチオン染料)を使用した場合ある
いは樹脂コーティングを施さない染色布帛においても、
染色後の加熱処理(乾燥、ファイナルセットなど)によ
り染料が繊維表面に移行し、この染料が脱落することが
染色堅牢度を低下させる原因となっていることを究明
し、その原因の解決方法について、さらに研究を進めた
結果、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明によれば、染色されたポ
リエステル繊維から主として構成された布帛であって、
該布帛は(i)それを構成するポリエステル繊維をエタ
ノール抽出した際、該抽出液の最大吸収波長における液
体透過率(%;TS)が少なくとも50%であり、かつ
(ii)エタノール抽出後のポリエステル繊維を溶解し
たオルソクロロフェノール液の最大吸収波長における液
体透過率(%;TI)を前記液体透過率(%;TS)との
関係が下記式 TS/(TI)1/2≧90 を満足することを特徴とする染色堅牢度の改善されたポ
リエステル繊維布帛が提供され、さらに本発明によれ
ば、ポリエステル繊維から主として構成された布帛を染
色して樹脂含浸処理した後オゾン処理するか、あるいは
該布帛を樹脂含浸処理と同時に染色した後オゾン処理す
ることを特徴とする染色堅牢度の改善されたポリエステ
ル繊維布帛の製造方法が提供される。
リエステル繊維から主として構成された布帛であって、
該布帛は(i)それを構成するポリエステル繊維をエタ
ノール抽出した際、該抽出液の最大吸収波長における液
体透過率(%;TS)が少なくとも50%であり、かつ
(ii)エタノール抽出後のポリエステル繊維を溶解し
たオルソクロロフェノール液の最大吸収波長における液
体透過率(%;TI)を前記液体透過率(%;TS)との
関係が下記式 TS/(TI)1/2≧90 を満足することを特徴とする染色堅牢度の改善されたポ
リエステル繊維布帛が提供され、さらに本発明によれ
ば、ポリエステル繊維から主として構成された布帛を染
色して樹脂含浸処理した後オゾン処理するか、あるいは
該布帛を樹脂含浸処理と同時に染色した後オゾン処理す
ることを特徴とする染色堅牢度の改善されたポリエステ
ル繊維布帛の製造方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに具体
的に説明する。本発明で使用するポリエステル繊維と
は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも1種
のグリコール、好ましくはエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコールから選ば
れた少なくとも1種のアルキレングリコールを主たるグ
リコール成分とするポリエステルから構成される繊維を
言う。
的に説明する。本発明で使用するポリエステル繊維と
は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも1種
のグリコール、好ましくはエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコールから選ば
れた少なくとも1種のアルキレングリコールを主たるグ
リコール成分とするポリエステルから構成される繊維を
言う。
【0008】また、該ポリエステルに、スルホン酸金属
塩基を含有するイソフタル酸成分、例えば5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸あるいは5−テトラブチルホスホ
ニウムスルホイソフタル酸などを公知の方法で共重合し
たカチオン染料可染性ポリエステルであってもよく、本
発明の目的を損なわない範囲で安定剤、酸化防止剤、難
燃剤、帯電防止剤、蛍光増色剤、触媒、着色剤、無機微
粒子などを添加したものでもよい。
塩基を含有するイソフタル酸成分、例えば5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸あるいは5−テトラブチルホスホ
ニウムスルホイソフタル酸などを公知の方法で共重合し
たカチオン染料可染性ポリエステルであってもよく、本
発明の目的を損なわない範囲で安定剤、酸化防止剤、難
燃剤、帯電防止剤、蛍光増色剤、触媒、着色剤、無機微
粒子などを添加したものでもよい。
【0009】上記ポリエステル繊維の形状はフィラメン
ト、ウーリー加工糸、紡績糸を問わず、また必要に応じ
て木綿、羊毛などの天然繊維、レーヨンなどの再生繊
維、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルをハー
ドセグメントとし、ポリオキシブチレングリコール系ポ
リエステルをソフトセグメントとするブロック共重合ポ
リエーテルエステルよりなる弾性繊維および他の合成繊
維との混繊、混紡などの形で使用されてもよい。
ト、ウーリー加工糸、紡績糸を問わず、また必要に応じ
て木綿、羊毛などの天然繊維、レーヨンなどの再生繊
維、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルをハー
ドセグメントとし、ポリオキシブチレングリコール系ポ
リエステルをソフトセグメントとするブロック共重合ポ
リエーテルエステルよりなる弾性繊維および他の合成繊
維との混繊、混紡などの形で使用されてもよい。
【0010】また、ポリエステル繊維の繊度には特に制
限はないが、単繊維繊度が1.0デニール以下の極細繊
維を使用した場合には、本発明の効果が顕著に発揮でき
る。また、本発明で使用する主としてポリエステル繊維
から構成される布帛とは、ポリエステル繊維のみを使用
した織編物、不織布はもとよりポリエステル繊維とナイ
ロン繊維の混用(交織、交編)品、ポリエステル繊維と
綿の混用品、ポリエステル繊維とウールの混用品、ポリ
エステル繊維とレーヨン等の混用品などポリエステル繊
維を50重量%以上含むものを意味する。また、上記布
帛は、風合を向上させるためにアルカリ減量処理を行っ
たものでもよい。
限はないが、単繊維繊度が1.0デニール以下の極細繊
維を使用した場合には、本発明の効果が顕著に発揮でき
る。また、本発明で使用する主としてポリエステル繊維
から構成される布帛とは、ポリエステル繊維のみを使用
した織編物、不織布はもとよりポリエステル繊維とナイ
ロン繊維の混用(交織、交編)品、ポリエステル繊維と
綿の混用品、ポリエステル繊維とウールの混用品、ポリ
エステル繊維とレーヨン等の混用品などポリエステル繊
維を50重量%以上含むものを意味する。また、上記布
帛は、風合を向上させるためにアルカリ減量処理を行っ
たものでもよい。
【0011】本発明においては、上記ポリエステル繊維
から構成される布帛を染色した後還元洗浄せずに、直ち
に乾燥、樹脂を含浸付与し、乾燥、硬化した後、あるい
は該布帛を樹脂含浸処理と同時に染色してから還元洗浄
をしないで乾燥、硬化した後など、布帛がそれ以上熱履
歴を受けない段階でオゾン処理することが必要である。
また、オゾン処理を行った後、布帛が熱履歴を受けた場
合は、繊維内部に固着されていた染料が繊維表面に移動
し、染色堅牢度の向上効果は発現しない。染色に際して
は、従来公知の方法が任意に採用でき、染料としては、
布帛を構成する繊維の種類に応じ、分散染料、カチオン
染料、酸性染料、直接染料あるいはスレン染料などが任
意に採用される。
から構成される布帛を染色した後還元洗浄せずに、直ち
に乾燥、樹脂を含浸付与し、乾燥、硬化した後、あるい
は該布帛を樹脂含浸処理と同時に染色してから還元洗浄
をしないで乾燥、硬化した後など、布帛がそれ以上熱履
歴を受けない段階でオゾン処理することが必要である。
また、オゾン処理を行った後、布帛が熱履歴を受けた場
合は、繊維内部に固着されていた染料が繊維表面に移動
し、染色堅牢度の向上効果は発現しない。染色に際して
は、従来公知の方法が任意に採用でき、染料としては、
布帛を構成する繊維の種類に応じ、分散染料、カチオン
染料、酸性染料、直接染料あるいはスレン染料などが任
意に採用される。
【0012】なお、上記の樹脂の含浸付与は、前述のよ
うな、布帛の片方の表面全体に厚さ100〜500μm
にも及ぶ連続した樹脂被膜を形成させるコーティング加
工ではなく、布帛に撥水性、防汚性、吸汗性、柔軟性、
防炎性、抗菌防臭性、消臭性などを付与するために、布
帛を構成するポリエステル繊維の単繊維表面に厚さ10
0オングストローム〜1μm程度のフッ素系、シリコン
系、パラフィン系、ワックス系、ポリウレタン系、メラ
ミン系、アルキルエチレン尿素系、脂肪族アミド誘導体
系、ポリエステル樹脂、ポリアミド誘導体系、アクリル
酸エステル系、リン酸エステル系、有機ハロゲン化リン
酸化合物、ベンゾイミダゾール化合物、キトサン、シリ
コン第4級アンモニウム系などの樹脂被膜を散在させ
る、いわゆるパッディング加工を指す。
うな、布帛の片方の表面全体に厚さ100〜500μm
にも及ぶ連続した樹脂被膜を形成させるコーティング加
工ではなく、布帛に撥水性、防汚性、吸汗性、柔軟性、
防炎性、抗菌防臭性、消臭性などを付与するために、布
帛を構成するポリエステル繊維の単繊維表面に厚さ10
0オングストローム〜1μm程度のフッ素系、シリコン
系、パラフィン系、ワックス系、ポリウレタン系、メラ
ミン系、アルキルエチレン尿素系、脂肪族アミド誘導体
系、ポリエステル樹脂、ポリアミド誘導体系、アクリル
酸エステル系、リン酸エステル系、有機ハロゲン化リン
酸化合物、ベンゾイミダゾール化合物、キトサン、シリ
コン第4級アンモニウム系などの樹脂被膜を散在させ
る、いわゆるパッディング加工を指す。
【0013】また、別の樹脂の付与方法は該布帛を樹脂
含浸処理と同時に染色して繊維内部に染料と樹脂を固着
させるものであり、染色後は還元洗浄しないでオゾン処
理を行なう。かかる樹脂例としてはヘキサブロモシクロ
ドデカン(難燃性)、ベンゾトリアゾール系化合物(紫
外線遮蔽性)、ポリエチレングリコールとポリエチレン
テレフタレートの共重合物(吸汗性)などが挙げられ
る。本発明におけるオゾン処理は、従来公知の装置を使
用すれば良く、例えばステンレス製あるいはガラス製の
処理室にオゾンを導入し、所定のオゾン濃度にコントロ
ールした後、ポリエステル繊維布帛を処理室に投入し、
常温、常圧でオゾンに暴露させればよい。この際、オゾ
ンの漏洩を防止したり、オゾン濃度を安定化させるため
に、処理室内を若干加圧あるいは減圧してもよい。
含浸処理と同時に染色して繊維内部に染料と樹脂を固着
させるものであり、染色後は還元洗浄しないでオゾン処
理を行なう。かかる樹脂例としてはヘキサブロモシクロ
ドデカン(難燃性)、ベンゾトリアゾール系化合物(紫
外線遮蔽性)、ポリエチレングリコールとポリエチレン
テレフタレートの共重合物(吸汗性)などが挙げられ
る。本発明におけるオゾン処理は、従来公知の装置を使
用すれば良く、例えばステンレス製あるいはガラス製の
処理室にオゾンを導入し、所定のオゾン濃度にコントロ
ールした後、ポリエステル繊維布帛を処理室に投入し、
常温、常圧でオゾンに暴露させればよい。この際、オゾ
ンの漏洩を防止したり、オゾン濃度を安定化させるため
に、処理室内を若干加圧あるいは減圧してもよい。
【0014】本発明で使用されるオゾン濃度は、好まし
くは500〜10万ppm、さらに好ましくは1000
〜5万ppmである。また、オゾン処理に要する時間
は、好ましくは10秒〜100分、さらに好ましくは2
0秒〜30分である。さらに、オゾン処理の効果を高め
るためには処理室中のオゾン雰囲気を加熱することが好
ましく、好ましい温度は30〜100℃、さらに好まし
い温度は40〜70℃である。
くは500〜10万ppm、さらに好ましくは1000
〜5万ppmである。また、オゾン処理に要する時間
は、好ましくは10秒〜100分、さらに好ましくは2
0秒〜30分である。さらに、オゾン処理の効果を高め
るためには処理室中のオゾン雰囲気を加熱することが好
ましく、好ましい温度は30〜100℃、さらに好まし
い温度は40〜70℃である。
【0015】かくして得られたポリエステル繊維布帛
は、該布帛を構成するポリエステル繊維をエタノール抽
出した際の最大吸収波長での液体透過率(%;TS)が
少なくとも50%であり、かつエタノール抽出後の繊維
を溶解したオルソクロロフェノール液の最大吸収波長に
おける液体透過率(%;TI)と前記液体透過率(%;
TS)との関係が下記の条件を満足することを特徴とす
る染色堅牢性を示す。 TS/(TI)1/2≧90 この染色堅牢性は湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢
度が4級以上で極めて優れている。
は、該布帛を構成するポリエステル繊維をエタノール抽
出した際の最大吸収波長での液体透過率(%;TS)が
少なくとも50%であり、かつエタノール抽出後の繊維
を溶解したオルソクロロフェノール液の最大吸収波長に
おける液体透過率(%;TI)と前記液体透過率(%;
TS)との関係が下記の条件を満足することを特徴とす
る染色堅牢性を示す。 TS/(TI)1/2≧90 この染色堅牢性は湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢
度が4級以上で極めて優れている。
【0016】なお、上記の湿熱劣化促進試験(布帛を温
度45℃、湿度90%RHの湿熱雰囲気中に6日間放置
する)は、船底などの高温多湿の雰囲気中で約3ヶ月間
に相当する条件であり、これをクリアすれば、輸送に伴
う布帛の品質低下はまず起こり得ないと言われている条
件である。
度45℃、湿度90%RHの湿熱雰囲気中に6日間放置
する)は、船底などの高温多湿の雰囲気中で約3ヶ月間
に相当する条件であり、これをクリアすれば、輸送に伴
う布帛の品質低下はまず起こり得ないと言われている条
件である。
【0017】さて、次に透過率の測定方法とスペクトル
の説明をする。先ず、染色された布帛をエタノール抽出
し、得られた抽出液の透過率を分光光度計で透過スペク
トルを測定後、最大吸収波長での透過率(%;TS;繊
維表面に固着した染料量)を読み取る。
の説明をする。先ず、染色された布帛をエタノール抽出
し、得られた抽出液の透過率を分光光度計で透過スペク
トルを測定後、最大吸収波長での透過率(%;TS;繊
維表面に固着した染料量)を読み取る。
【0018】図1にエタノール抽出液の透過スペクトル
例(非希釈液)を示した。このTSが50%以上である
と繊維表面に固着した染料量が少なく、その結果、湿熱
劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度が4級以上となる
が、%TSが50%未満の場合色相が淡色でもアルカリ
汗堅牢度が4級未満となり本発明の趣旨から外れること
になる。さらにエタノール抽出後の該布帛をオルソクロ
ロフェノールに溶解させ、同様にこの液体の最大吸収波
長での透過率(%TI;ポリエステル繊維内部に染着し
た染料量)を読み取る。
例(非希釈液)を示した。このTSが50%以上である
と繊維表面に固着した染料量が少なく、その結果、湿熱
劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度が4級以上となる
が、%TSが50%未満の場合色相が淡色でもアルカリ
汗堅牢度が4級未満となり本発明の趣旨から外れること
になる。さらにエタノール抽出後の該布帛をオルソクロ
ロフェノールに溶解させ、同様にこの液体の最大吸収波
長での透過率(%TI;ポリエステル繊維内部に染着し
た染料量)を読み取る。
【0019】図2にオルソクロロフェノール溶解液の透
過スペクトル例(溶解原液を10倍に希釈)を示した。
この液体透過率(TI)と前記液体透過率(TS)との関
係が式 TS/(TI)1/2≧90 を満足する場合は濃色であっても表面固着染料が少な
く、その結果、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度
が4級以上となる。また、 TS/(TI)1/2<90 の場合は、淡色で表面の染料が少ないか、あるいは通常
の還元洗浄で染料除去が可能か、もしくは濃色であって
しかも表面の固着染料が大であるか、これらのいずれか
に該当するときは本発明の趣旨から外れるものである。
過スペクトル例(溶解原液を10倍に希釈)を示した。
この液体透過率(TI)と前記液体透過率(TS)との関
係が式 TS/(TI)1/2≧90 を満足する場合は濃色であっても表面固着染料が少な
く、その結果、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度
が4級以上となる。また、 TS/(TI)1/2<90 の場合は、淡色で表面の染料が少ないか、あるいは通常
の還元洗浄で染料除去が可能か、もしくは濃色であって
しかも表面の固着染料が大であるか、これらのいずれか
に該当するときは本発明の趣旨から外れるものである。
【0020】
【作用】一般に、染色後のポリエステル繊維表面には、
繊維の発色に寄与しない余分の染料が固着されており、
この染料が脱落することが染色堅牢度を低下させる原因
となっている。通常、該染料は還元洗浄により除去され
るが、ポリエステル繊維布帛を青や黒などの濃色に染色
する場合や単繊維繊度が1.0デニール以下の極細ポリ
エステル繊維布帛を染色する場合、濃色に染色するため
には、使用する染料濃度を高める必要があり、従って、
繊維表面に固着した染料が還元洗浄により充分に除去で
きないことがある。
繊維の発色に寄与しない余分の染料が固着されており、
この染料が脱落することが染色堅牢度を低下させる原因
となっている。通常、該染料は還元洗浄により除去され
るが、ポリエステル繊維布帛を青や黒などの濃色に染色
する場合や単繊維繊度が1.0デニール以下の極細ポリ
エステル繊維布帛を染色する場合、濃色に染色するため
には、使用する染料濃度を高める必要があり、従って、
繊維表面に固着した染料が還元洗浄により充分に除去で
きないことがある。
【0021】また、たとえ余分の染料が還元洗浄で除去
できたとしても、樹脂を付与した後の乾燥、硬化など、
布帛が熱を受けた場合には、繊維内部に固着されていた
染料が繊維表面に移動し、該染料が染色堅牢度の低下を
招くことがある。本発明においては、ポリエステル繊維
布帛を染色して、樹脂含浸処理した後オゾン処理し、繊
維表面に固着された余分の染料のみを分解除去している
ので、繊維の発色を阻害することがなく、還元洗浄を行
わなくても、濃色に染色されているにもかかわらず、染
色堅牢度の低下のないポリエステル繊維布帛を得ること
ができる。
できたとしても、樹脂を付与した後の乾燥、硬化など、
布帛が熱を受けた場合には、繊維内部に固着されていた
染料が繊維表面に移動し、該染料が染色堅牢度の低下を
招くことがある。本発明においては、ポリエステル繊維
布帛を染色して、樹脂含浸処理した後オゾン処理し、繊
維表面に固着された余分の染料のみを分解除去している
ので、繊維の発色を阻害することがなく、還元洗浄を行
わなくても、濃色に染色されているにもかかわらず、染
色堅牢度の低下のないポリエステル繊維布帛を得ること
ができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例に記載した物性は下記の方法
で測定したものである。
に説明する。なお、実施例に記載した物性は下記の方法
で測定したものである。
【0023】(1)染料の抽出 染色樹脂加工された繊維1gを精秤し、これを100m
lのメスフラスコに入れた後、約90mlのエタノール
(林純薬工業(株)、試薬1級)を加えて時々振とうし
ながら染料抽出が平衡状態になるまで、すなわちエタノ
ールで染料溶出しなくなるまで(通常8時間)放置す
る。次いで、メスフラスコから繊維を取り出し、エタノ
ールで洗いながらその洗液をメスフラスコに加え、標線
に併せて100mlとする。次に、自記分光光度計UV
2200(島津製作所製)を使用し、上記抽出液の最大
吸収波長における透過率を測定し、%TSとする。
lのメスフラスコに入れた後、約90mlのエタノール
(林純薬工業(株)、試薬1級)を加えて時々振とうし
ながら染料抽出が平衡状態になるまで、すなわちエタノ
ールで染料溶出しなくなるまで(通常8時間)放置す
る。次いで、メスフラスコから繊維を取り出し、エタノ
ールで洗いながらその洗液をメスフラスコに加え、標線
に併せて100mlとする。次に、自記分光光度計UV
2200(島津製作所製)を使用し、上記抽出液の最大
吸収波長における透過率を測定し、%TSとする。
【0024】(2)繊維の溶解 エタノール抽出後の布帛を100mlのメスフラスコに
入れた後、約90mlのオルソクロロフェノール(林純
薬工業(株))を加えて、少し加熱しながら繊維を溶解
させた後、冷却してメスフラスコの標線に併せて100
mlとする。さらにこの原液10mlをホールピペット
で取り出し、別の100mlメスフラスコに入れて、オ
ルソクロロフェノールで100mlの標線に合わせる
(希釈倍率10倍)。(2)と同様に、自記分光光度計
で最大吸収波長における直示透過率を読み取り、この直
示透過率に10を乗じたものが液体透過率%TIとな
る。%TSと%TIの測定値を用いて、TS/(TI)1/2
の数値を算出する。
入れた後、約90mlのオルソクロロフェノール(林純
薬工業(株))を加えて、少し加熱しながら繊維を溶解
させた後、冷却してメスフラスコの標線に併せて100
mlとする。さらにこの原液10mlをホールピペット
で取り出し、別の100mlメスフラスコに入れて、オ
ルソクロロフェノールで100mlの標線に合わせる
(希釈倍率10倍)。(2)と同様に、自記分光光度計
で最大吸収波長における直示透過率を読み取り、この直
示透過率に10を乗じたものが液体透過率%TIとな
る。%TSと%TIの測定値を用いて、TS/(TI)1/2
の数値を算出する。
【0025】(3)アルカリ汗堅牢度 布帛を温度45℃、湿度90%RHの湿熱雰囲気中に6
日間放置して湿熱劣化促進させた後、JIS L 08
48 A法に従い、該布帛の変退色と添付白布の汚染の
程度をグレースケールにより判定した。
日間放置して湿熱劣化促進させた後、JIS L 08
48 A法に従い、該布帛の変退色と添付白布の汚染の
程度をグレースケールにより判定した。
【0026】実施例1 ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とする、
75デニール/36フィラメントのポリエステルマルチ
フィラメント糸を経糸および緯糸に配し、経密度81本
/インチ、緯密度70本/インチの平織物を製織した。
該織物を常法により精錬、リラックスおよびプレセット
した後、下記の条件で染色した。
75デニール/36フィラメントのポリエステルマルチ
フィラメント糸を経糸および緯糸に配し、経密度81本
/インチ、緯密度70本/インチの平織物を製織した。
該織物を常法により精錬、リラックスおよびプレセット
した後、下記の条件で染色した。
【0027】[染色条件] ・Foron Red S-CTL (Sandoz社製) 8%owf ・ディスパーVG (明成化学製) 0.5g/l ・酢酸 0.3g/l ・130℃×60分
【0028】次いで、上記染色布帛を還元洗浄すること
なく、下記条件で室温でオゾン処理した。 [オゾン処理条件] ・オゾン発生装置:無声放電方式(原料ガス:酸素) ・オゾン濃度 :1万ppm ・温度 :21℃ ・処理時間 :5分
なく、下記条件で室温でオゾン処理した。 [オゾン処理条件] ・オゾン発生装置:無声放電方式(原料ガス:酸素) ・オゾン濃度 :1万ppm ・温度 :21℃ ・処理時間 :5分
【0029】得られた布帛は濃い赤色に染色されてい
た。また、該布帛のエタノール抽出液の最大吸収波長5
10nmにおける透過率%TSは91.7%であり、50
%以上を満足していた。さらにオルソクロロフェノール
による繊維溶解液の510nmにおける透過率%TIは
0.67であった。TS/(TI)1/2値は112.0であ
り、これも90以上の条件内に入っていた。さらに、該
布帛の湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度は4〜5
級であった。
た。また、該布帛のエタノール抽出液の最大吸収波長5
10nmにおける透過率%TSは91.7%であり、50
%以上を満足していた。さらにオルソクロロフェノール
による繊維溶解液の510nmにおける透過率%TIは
0.67であった。TS/(TI)1/2値は112.0であ
り、これも90以上の条件内に入っていた。さらに、該
布帛の湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度は4〜5
級であった。
【0030】実施例2 実施例1において、染料濃度を12%owfに変更した
以外は実施例1と同様に実施した。得られた布帛のエタ
ノール抽出液の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化
促進試験後のアルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を
表1に示す。
以外は実施例1と同様に実施した。得られた布帛のエタ
ノール抽出液の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化
促進試験後のアルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を
表1に示す。
【0031】実施例3 実施例1において、染料およびその濃度をForon Blue R
D-GLF 4%owfに変更し、オゾン濃度を5万pp
m、処理時間を1分に変更した以外は実施例1と同様に
実施した。得られた布帛のエタノール抽出液の透過率、
繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗
堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。ただし、透
過スペクトルの最大球主波長は550nmであった。
D-GLF 4%owfに変更し、オゾン濃度を5万pp
m、処理時間を1分に変更した以外は実施例1と同様に
実施した。得られた布帛のエタノール抽出液の透過率、
繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗
堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。ただし、透
過スペクトルの最大球主波長は550nmであった。
【0032】実施例4 実施例1において、ポリエステルマルチフィラメント糸
を、ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分と
し、5−スルホイソフタル酸ナトリウム成分を2.6モ
ル%共重合したカチオン可染性ポリエステルマルチフィ
ラメント糸に、また染料をAizen Cathilon Blue GRLH
(保土ヶ谷化学製)に変更し、さらにオゾン濃度を50
00ppm、処理時間を10分に変更した以外は実施例
2と同様に実施した。得られた布帛のエタノール抽出液
の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後の
アルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
を、ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分と
し、5−スルホイソフタル酸ナトリウム成分を2.6モ
ル%共重合したカチオン可染性ポリエステルマルチフィ
ラメント糸に、また染料をAizen Cathilon Blue GRLH
(保土ヶ谷化学製)に変更し、さらにオゾン濃度を50
00ppm、処理時間を10分に変更した以外は実施例
2と同様に実施した。得られた布帛のエタノール抽出液
の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後の
アルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
【0033】実施例5 実施例1において、ポリエステルマルチフィラメント糸
のデニールを、64デニール/144フィラメントに変
更した以外は実施例1と同様に実施した。得られた布帛
のエタノール抽出液の透過率、繊維溶解液の透過率、湿
熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度、TS/(TI)
1/2値を表1に示す。
のデニールを、64デニール/144フィラメントに変
更した以外は実施例1と同様に実施した。得られた布帛
のエタノール抽出液の透過率、繊維溶解液の透過率、湿
熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度、TS/(TI)
1/2値を表1に示す。
【0034】実施例6 実施例1において、染色後の布帛にプレポリマー型ウレ
タン(第1工業製薬製、エラストロンW−11−P)の
5.0重量%水溶液をパッドし、ピックアップ率80%
で搾液し、次いで130℃で3分間乾燥後170℃で4
5秒間熱処理を行った後、オゾン処理した以外は実施例
1と同様に実施した。得られた布帛のエタノール抽出液
の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後の
アルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
タン(第1工業製薬製、エラストロンW−11−P)の
5.0重量%水溶液をパッドし、ピックアップ率80%
で搾液し、次いで130℃で3分間乾燥後170℃で4
5秒間熱処理を行った後、オゾン処理した以外は実施例
1と同様に実施した。得られた布帛のエタノール抽出液
の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後の
アルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
【0035】比較例1 実施例1において、オゾン処理を実施せず、染色後下記
条件で還元洗浄のみを2回実施した以外は実施例1と同
様に実施した。 (還元洗浄条件) ・ハイドロサルファイト 2g/l ・苛性ソーダ 2g/l ・界面活性剤(アミラジン) 2g/l ・80℃×20分 得られた布帛のエタノール抽出液の透過率、繊維溶解液
の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度、T
S/(TI)1/2値を表1に示す。
条件で還元洗浄のみを2回実施した以外は実施例1と同
様に実施した。 (還元洗浄条件) ・ハイドロサルファイト 2g/l ・苛性ソーダ 2g/l ・界面活性剤(アミラジン) 2g/l ・80℃×20分 得られた布帛のエタノール抽出液の透過率、繊維溶解液
の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢度、T
S/(TI)1/2値を表1に示す。
【0036】比較例2 実施例1において、オゾン処理を染色前に実施した以外
は実施例1と同様に実施した。得られた布帛のエタノー
ル抽出液の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進
試験後のアルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1
に示す。
は実施例1と同様に実施した。得られた布帛のエタノー
ル抽出液の透過率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進
試験後のアルカリ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1
に示す。
【0037】比較例3 実施例1において、フッ素系撥水剤のパッディングをオ
ゾン処理の後に実施した以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた布帛のエタノール抽出液の透過率、繊維溶
解液の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢
度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
ゾン処理の後に実施した以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた布帛のエタノール抽出液の透過率、繊維溶
解液の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカリ汗堅牢
度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
【0038】比較例4 実施例6において、プレポリマー型ウレタンのパッディ
ングをオゾン処理の後に実施した以外は実施例6と同様
に実施した。得られた布帛のエタノール抽出液の透過
率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカ
リ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
ングをオゾン処理の後に実施した以外は実施例6と同様
に実施した。得られた布帛のエタノール抽出液の透過
率、繊維溶解液の透過率、湿熱劣化促進試験後のアルカ
リ汗堅牢度、TS/(TI)1/2値を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、コーティング樹脂層を
有さないポリエステル繊維布帛において、使用する染料
濃度が高いにもかかわらず、染色堅牢度、特にアルカリ
汗堅牢度が著しく改善されたポリエステル繊維布帛およ
びその製造方法が提供できる。
有さないポリエステル繊維布帛において、使用する染料
濃度が高いにもかかわらず、染色堅牢度、特にアルカリ
汗堅牢度が著しく改善されたポリエステル繊維布帛およ
びその製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】染色された布帛のエタノール抽出液の透過スペ
クトルの例を示すものであり、縦軸は液体透過率(%
T)を示し、横軸は波長を示す。
クトルの例を示すものであり、縦軸は液体透過率(%
T)を示し、横軸は波長を示す。
【図2】染色された布帛のオルソクロロフェノール溶解
液の透過スペクトル(溶解原液を10倍に希釈)の1例
を示すものであり、縦軸は、液体透過率(%T)を示
し、横軸は波長を示す。
液の透過スペクトル(溶解原液を10倍に希釈)の1例
を示すものであり、縦軸は、液体透過率(%T)を示
し、横軸は波長を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 染色されたポリエステル繊維から主とし
て構成された布帛であって、該布帛は(i)それを構成
するポリエステル繊維をエタノール抽出した際、該抽出
液の最大吸収波長における液体透過率(%;TS)が少
なくとも50%であり、かつ(ii)エタノール抽出後
のポリエステル繊維を溶解したオルソクロロフェノール
液の最大吸収波長における液体透過率(%;TI)と前
記液体透過率(%;TS)との関係が下記式 TS/(TI)1/2≧90 を満足することを特徴とする染色堅牢度の改善されたポ
リエステル繊維布帛。 - 【請求項2】 該布帛の湿熱劣化促進試験後のアルカリ
汗堅牢度が4級以上である請求項1記載の染色堅牢度の
改善されたポリエステル繊維布帛。 - 【請求項3】 該布帛を構成するポリエステル繊維の単
繊維繊度が1.0デニール以下である請求項1または2
記載の染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布帛。 - 【請求項4】 該布帛を構成するポリエステル繊維が、
その単繊維表面に樹脂被膜が散在するポリエステル繊維
である請求項1、2または3記載の染色堅牢度の改善さ
れたポリエステル繊維布帛。 - 【請求項5】 ポリエステル繊維から主として構成され
た布帛を染色して樹脂含浸処理した後、オゾン処理する
ことを特徴とする染色堅牢度の改善されたポリエステル
繊維布帛の製造方法。 - 【請求項6】 ポリエステル繊維から主として構成され
た布帛を樹脂含浸処理と同時に染色した後、還元洗浄処
理することなく、オゾン処理することを特徴とする染色
堅牢度の改善されたポリエステル繊維布帛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9048987A JPH10251982A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布帛およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9048987A JPH10251982A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布帛およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10251982A true JPH10251982A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=12818593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9048987A Withdrawn JPH10251982A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 染色堅牢度の改善されたポリエステル繊維布帛およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10251982A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009069265A (ja) * | 2007-09-11 | 2009-04-02 | Komatsu Seiren Co Ltd | リサイクル用のぼり旗、リサイクル用のぼり旗の脱色方法およびのぼり旗のリサイクル方法 |
CN101994249A (zh) * | 2010-10-18 | 2011-03-30 | 武汉纺织大学 | 棉花散纤维涂料染色方法 |
CN113550157A (zh) * | 2021-08-23 | 2021-10-26 | 福建漳平协龙高新化纤有限公司 | 一种多组分贾卡材料一浴法多色染色方法 |
-
1997
- 1997-03-04 JP JP9048987A patent/JPH10251982A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009069265A (ja) * | 2007-09-11 | 2009-04-02 | Komatsu Seiren Co Ltd | リサイクル用のぼり旗、リサイクル用のぼり旗の脱色方法およびのぼり旗のリサイクル方法 |
CN101994249A (zh) * | 2010-10-18 | 2011-03-30 | 武汉纺织大学 | 棉花散纤维涂料染色方法 |
CN113550157A (zh) * | 2021-08-23 | 2021-10-26 | 福建漳平协龙高新化纤有限公司 | 一种多组分贾卡材料一浴法多色染色方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040511 |