JPH10251447A - 水性ゲル基材の製法およびそれによって得られた水性ゲル基材 - Google Patents

水性ゲル基材の製法およびそれによって得られた水性ゲル基材

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JPH10251447A
JPH10251447A JP9053015A JP5301597A JPH10251447A JP H10251447 A JPH10251447 A JP H10251447A JP 9053015 A JP9053015 A JP 9053015A JP 5301597 A JP5301597 A JP 5301597A JP H10251447 A JPH10251447 A JP H10251447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度が高く保形性に優れ、かつ離水が生じない
水性ゲルを得ることのできる水性ゲル基材を効率良く製
造することのできる水性ゲル基材の製法を提供する。 【解決手段】カルボキシメチルセルロースアルカリ塩に
グリオキサールを架橋剤として添加して上記カルボキシ
メチルセルロースアルカリ塩を架橋反応させた後、上記
架橋反応における反応生成物に多価金属塩を架橋剤とし
て添加し、さらに上記反応生成物を架橋反応させること
により水性ゲル基材を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボキシメチル
セルロースアルカリ塩を原料とする水性ゲルに関するも
のであって、例えば、ゲル状保冷剤や、車用芳香剤,室
内用芳香剤,トイレ用芳香剤等各種芳香剤の基材成分と
して用いられる水性ゲル基材の製法およびそれによって
得られた水性ゲル基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ゲル状の保冷剤が種々の分野
に使用されている。上記ゲル状保冷剤は、冷却作用を奏
するゲル状物を密封袋あるいはプラスチック容器に充填
してなるものである。上記ゲル状物としては、例えば、
グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱
粉にアクリル酸またはアクリルアミドをグラフト重合さ
せたもの等水溶性高分子化合物の高粘度水溶液、もしく
は上記水溶性高分子化合物をホウ酸塩等の無機塩または
有機系架橋剤により架橋した基材に水を加えることによ
り得られる含水ゲル状物があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
溶性高分子化合物の高粘度水溶液は、密封袋の破袋時等
において流出し、しかも粘着性を有するために保冷対象
物に付着して汚損するという欠点がある。一方、上記グ
アーガム、ポリビニルアルコールをホウ酸塩で架橋させ
水を加えてゲル化させたものは、粘着性は有しないが流
動性を有するために、密封袋の破袋等により密封してい
た内容物であるゲルが流出したり、袋内の形状が変化す
るため異形のまま凍結されることがあり、断熱材容器へ
の梱包が困難となる等の欠点がある。また、上記グアー
ガムは、天然成分であることから、その成分中に蛋白質
や脂肪等を含有しており、微生物の栄養源となるため、
保冷剤製造時または運搬時等に腐敗を生ずる等の欠点が
ある。さらに、上記ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドを架橋させ水を加
えて得られた含水ゲル状物は、保冷剤として容器に充填
した後、経時変化によって重合度の低下が生起する等し
て商品価値を失ったり、密封袋の破袋時に流出して保冷
対象物を汚損するおそれがある。
【0004】このような欠点を解決するために、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム塩を多価金属イオンを
用いて架橋した水性ゲル基材が提案されている。しかし
ながら、上記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩
を多価金属イオンで架橋した水性ゲル基材に水を加えて
ゲル化させた水性ゲルは、ゲル化速度が遅いため、水性
ゲルを袋や容器に充填する際の充填作業性に関して問題
があった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであって、強度が高く保形性に優れ、かつ離水が生
じない水性ゲルを得ることのできる水性ゲル基材を効率
良く製造することのできる水性ゲル基材の製法およびそ
れによって得られた水性ゲル基材の提供をその目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、カルボキシメチルセルロースアルカリ塩
にグリオキサールを架橋剤として添加して上記カルボキ
シメチルセルロースアルカリ塩を架橋反応させた後、上
記架橋反応における反応生成物に多価金属塩を架橋剤と
して添加し、さらに上記反応生成物を架橋反応させるこ
とにより水性ゲル基材を製造する水性ゲル基材の製法を
第1の要旨とし、上記水性ゲル基材の製法によって得ら
れた水性ゲル基材を第2の要旨とする。
【0007】なお、本発明において、カルボキシメチル
セルロースアルカリ塩(以下「CMC」と略す)のアル
カリ塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩があげられる。
【0008】すなわち、本発明は、まず、出発原料とな
るCMCに架橋剤となるグリオキサールを添加して上記
CMCを架橋反応させてグリオキサール架橋処理したC
MC(反応生成物)を作製する。ついで、このグリオキ
サール架橋処理したCMCに架橋剤である多価金属塩を
添加して、さらに上記グリオキサール架橋処理したCM
Cを架橋反応させることにより水性ゲル基材を製造する
という新規の製法である。このようにグリオキサール架
橋処理したCMCに多価金属塩を添加することにより、
上記CMC中のアルカリイオンと多価金属塩の金属イオ
ンとの置換反応が促進され、通常のCMCを用いてのゲ
ル化の場合よりも、上記水性ゲル基材に水を加えてゲル
化させる際のゲル化時間を大幅に短縮することができ
る。また、グリオキサール架橋処理したCMCを、架橋
剤である多価金属塩の添加によって架橋させた場合、得
られるゲル基材は分子内で三次元架橋構造を形成するた
めに、これに水を添加して得られる水性ゲルは高い強度
を有するようになり、結果、従来よりも保形性に優れた
固い水性ゲルが得られる。
【0009】そして、出発原料となるCMCとして、エ
ーテル化度0.5〜1.5で、1%水溶液粘度が100
〜5000mPa・sを有するものを用いることによ
り、遅くもなく、また極端に早くもなく適度なゲル化時
間の設定が可能となり、上記特定のエーテル化度および
1%水溶液粘度の設定とともに、グリオキサールを用い
た架橋処理との併用によって、ゲル化時間を好ましいも
のに制御することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の水性ゲル基材は、CMCに、架橋
剤となるグリオキサールを添加して上記CMCを架橋反
応させた後、上記架橋反応における反応生成物(グリオ
キサール架橋処理したCMC)に、架橋剤となる多価金
属塩を添加して、さらに上記反応生成物を架橋反応させ
ることにより得られる。
【0012】本発明の水性ゲル基材の製法の出発原料と
なるCMCとしては、特に限定するものではなく従来の
CMCがあげられる。なかでも、グリオキサールで架橋
処理した後、さらに多価金属塩で架橋して水性ゲル基材
を生成するという点を考慮した場合、エーテル化度0.
5〜1.5で、1%水溶液粘度が100〜5000mP
a・sを有するCMCを用いることが好ましい。すなわ
ち、エーテル化度が0.5未満では、多価金属塩との置
換反応基が少なく、結果、充分なゲル化がなされず目的
とするゲル化物が得られ難い。また、エーテル化度が
1.5を超えると、多価金属塩との置換反応速度が遅く
なり、結果、充分なゲル化がなされず目的とするゲル化
物が得られ難いからである。一方、1%水溶液粘度が1
00mPa・s未満では粘度が低いことにより、粘弾力
の強いゲル状物が得られ難く、5000mPa・sを超
えると逆に固過ぎる水性ゲルが得られ易く好ましいもの
ではない。
【0013】なお、上記エーテル化度は、つぎのように
して測定される。すなわち、75℃で3時間真空乾燥し
た測定対象のCMC粉末約1.0gを精秤し、るつぼ中
で灰化する。ついで、これを冷却した後、温水中で灰化
物を溶出し、N/10−硫酸50〜80mlを加えて酸
性にして煮沸し冷却する。そして、過剰の酸をN/10
−水酸化ナトリウムで逆滴定し、灰分中のアルカリ中和
に消費された硫酸量よりエーテル化度が求められる。
【0014】また、上記CMCの1%水溶液粘度は、つ
ぎのようにして測定される。すなわち、300ml共栓
付三角フラスコ中にCMC約2.4g精秤して、蒸留水
200gを加え、直ちに栓をして激しく三角フラスコを
振動させることにより、CMCを小固まりに分散させて
放置する。なお、別にCMCの水分を測定しておく。そ
して、一夜(約18〜20時間)放置した後、水分測定
値から下記の式により補正水量を算出して不足の水を補
う。
【0015】
【数1】[試料(g)×〔99−水分(%)〕]−20
0=補正水量(g)
【0016】補正終了後、三角フラスコ中に小回転子を
入れ、マグネチックスターラーにて5分間攪拌を行い、
膨潤状態の液を完全に分散溶解させる。ついで、溶液を
250ml容蓋付容器(口径50mm×高さ140m
m)に移し蓋をして25℃の恒温槽中に30分間放置す
る。この後、温度を確認し、この蓋付容器にBM型粘度
計、ローター、ガードを取付け3分後の目盛りを読み取
る。そして、用いたローターと回転数より係数を乗じた
値をCMCの1%水溶液粘度とする。
【0017】上記グリオキサール架橋処理したCMCを
さらに架橋させるために用いられる多価金属塩として
は、配合することにより三次元架橋構造を形成すること
が可能な架橋剤としての作用を奏するものであれば特に
限定するものではなく、例えば、アルミニウム化合物,
鉄化合物,クロム化合物,亜鉛化合物,バリウム化合
物,鉛化合物,銅化合物,スズ化合物等があげられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特
に、安全性、得られる水性ゲルのゲル化強度の面から、
経済的にも容易に入手可能なアルミニウム化合物を用い
ることが好ましい。上記アルミニウム化合物としては、
具体的には、カリミョウバン,ナトリウムミョウバン,
酢酸アルミニウム,硫酸アルミニウム,硝酸アルミニウ
ム等があげられる。
【0018】本発明の水性ゲル基材の製造は、例えば、
つぎのようにして行われる。まず、CMCに対して、溶
剤とグリオキサールとpH調整剤を溶解した溶液を添加
し混合して加熱乾燥させた後室温まで冷却する。この工
程によってCMCをグリオキサール架橋処理する。上記
工程をより詳しく述べると、CMCへの不均一な付着を
抑制し均一化するために、炭素数1〜4程度の低級アル
コールに濃度40%のグリオキサールとpH調整剤を溶
解した溶液(架橋不溶化薬剤)を、CMCに添加する。
添加した後、80〜100℃で1〜2時間加熱乾燥を行
う。この加熱乾燥により、上記低級アルコールは除去さ
れて出発原料であるCMCは粉末状になり、架橋剤であ
るグリオキサールとpH調整剤は均一にCMCに接触し
て架橋反応が進行しCMCがグリオキサール架橋処理さ
れることとなる。
【0019】上記工程において用いられる低級アルコー
ルに対して、CMCは不溶性を示すため、上記架橋不溶
化薬剤の添加によりCMCは湿潤状態となり、いわゆる
CMCのだんご状物が生成されずその使用が好ましい。
【0020】また、上記pH調整剤としては、特に限定
するものではないが、例えば、濃度80〜100%のギ
酸等が用いられる。
【0021】ついで、上記グリオキサール架橋処理した
CMCに、前記多価金属塩を添加して均一混合すること
より架橋反応が進行して水性ゲル基材が得られる。この
ようにして得られた水性ゲル基材に水を加えることによ
りゲル化させて水性ゲルが得られる。上記多価金属塩の
添加による架橋工程およびこれに水を加えて水性ゲル基
材をゲル化させるゲル化工程をより詳しく述べると、上
記グリオキサール架橋処理したCMCの水溶液に、架橋
剤である多価金属塩を添加し、系全体に粘性が出て均一
な液状品となるまで攪拌を続ける。つぎに、所望の形状
に成形するための成形型等に仕込みゲル化が進行して所
望形状の水性ゲルが得られる。この場合、上記グリオキ
サール架橋処理したCMCをグリセリン,エチレングリ
コール,エタノール,その他の親水性有機溶剤を用いて
湿潤または分散させて、これを水に溶解させるとともに
多価金属塩を添加する方法によっても、最終的に均一な
水性ゲルを得ることができる。
【0022】上記水性ゲル基材の製造工程における、各
成分の添加量は、つぎのように設定することが好まし
い。まず、グリオキサール架橋処理に用いるグリオキサ
ールの添加量は、40%グリオキサールではCMC10
0重量部(以下「部」と略す)に対して1〜20部の範
囲に設定することが好ましい。また、上記低級アルコー
ルの添加量は、CMC100部に対して10〜100部
の範囲に、上記pH調整剤の添加量は、CMC100部
に対して0.1〜5部の範囲にそれぞれ設定することが
好ましい。
【0023】さらに、上記多価金属塩の添加量は、グリ
オキサール架橋処理したCMC100部に対して1〜3
0部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは
2〜10部である。すなわち、多価金属塩の添加量が1
部未満では、固形分が少なくゲル形成が充分になされな
いおそれがあり、逆に多価金属塩の添加量が30部を超
えると、その水性ゲル基材に水を加えて形成される水性
ゲルが固過ぎて脆くなる傾向がみられるからである。ま
た、上記多価金属塩を添加する際の系、すなわち、グリ
オキサール架橋処理したCMCが水溶液の場合、多価金
属塩の添加量は1〜20重量%に設定することが好まし
く、特に好ましくは2〜5重量%である。
【0024】また、本発明の製法によって得られる水性
ゲル基材の優れた特性を損なわない範囲内であれば、上
記グリオキサール架橋処理したCMCとともに、通常の
CMC,グアーガム,ポリビニルアルコール,ポリアク
リル酸ナトリウム等の水溶性高分子化合物を併用するこ
ともできる。
【0025】そして、上記水性ゲル基材の製造におい
て、多価金属塩を添加して水性ゲル基材を得る際に、必
要に応じて、防腐剤,着色剤、および、エチレングリコ
ール,プロピレングリコール,グリセリン,ソルビトー
ル等の多価アルコールや、塩化ナトリウム,塩化カリウ
ム,硝酸ナトリウム,硫酸ナトリウム等の塩類を適宜に
添加することもできる。
【0026】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0027】
【実施例1〜16】下記の表1に示す各CMC(出発原
料)を準備し、上記CMC100部に対して、メチルア
ルコール20部、40%グリオキサールを7.5部、8
8%ギ酸を0.5部添加して、95℃で2時間加熱乾燥
することによりグリオキサール架橋処理したCMCを作
製した。
【0028】ついで、上記グリオキサール架橋処理した
CMC100部に、下記の表1に示す多価金属塩を同表
に示す割合で配合して架橋反応させることにより水性ゲ
ル基材を製造した。そして、この水性ゲル基材に200
mlの水を添加し、攪拌機を取り付けて回転数500r
pmで上記CMCが完全に水に溶解するまで攪拌を続け
ることによりゲル状物を得た。得られたゲル状物の10
0gを100mlガラス容器(ビーカー)に採取して約
16時間室温(25℃)にて放置した。このようにして
水性ゲルを製造した。なお、下記の表1中に、水200
mlに対するゲル基材の溶解量を併せて示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【比較例1〜16】グリオキサールを用いた架橋処理を
行わずに、そのまま下記の表2に示す各CMC(出発原
料)を用いて、上記実施例と同様、多価金属塩による架
橋処理を行った。すなわち、下記の表2に示す各CMC
100部と、下記の表2に示す多価金属塩を同表に示す
割合で配合して架橋反応させることにより水性ゲル基材
を製造した。そして、この水性ゲル基材に200mlの
水に添加し、攪拌機を取り付けて回転数500rpmで
上記CMCが完全に水に溶解するまで攪拌を続けゲル状
物を得た。得られたゲル状物の100部を100mlガ
ラス容器(ビーカー)に採取して約16時間室温(25
℃)にて放置した。このようにして水性ゲルを製造し
た。なお、下記の表2中に、水200mlに対するゲル
基材の溶解量を併せて示す。
【0031】
【表2】
【0032】このようにして得られた各実施例および比
較例の水性ゲルについて、その特性(ゲル化時間,ゲル
強度,ゲル状態での離水量)を下記に示す方法に従って
測定し評価した。その結果を後記の表3および表4に示
す。
【0033】〔ゲル化時間〕上記水性ゲルの製造時にお
いて、各CMC(実施例はグリオキサール架橋処理した
CMC、比較例は未処理のCMC)に多価金属塩を配合
して水性ゲル基材を製造し、これに200mlの水に投
入し、攪拌機による回転数500rpmで上記CMCが
完全に溶解するまで攪拌を続けゲル状物を得る工程で
の、完全に溶解した時点からプリン状のゲル状物が確認
された時点までの時間を測定した。
【0034】〔ゲル強度〕得られたゲル状物100gを
100mlガラス容器に採取して約16時間室温(25
℃)にて放置した後のゲル状物を、レオメーターで強度
測定した。なお、アダプターは直径10mm粘弾性用を
使用した。
【0035】〔ゲル状態での離水量〕100mlガラス
容器(ビーカー)から各水性ゲルを取り出して、上記ビ
ーカーの底面および内壁に付着している水の有無を確認
するとともにその水量を測定した。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】上記表3および表4から、出発原料として
同じエーテル化度および1%水溶液粘度のCMCを用い
て最終的に得られた水性ゲルを比べた場合、全ての実施
例の水性ゲルでは、ゲル化時間が大幅に短縮されてお
り、また、ゲル強度も高くなっている。しかも、ゲル状
態からの離水現象も認められなかった。これに対して比
較例で得られた水性ゲルは、ゲル化時間が極端に長く、
またゲル強度も非常に低く保形性に劣ることがわかる。
また、ゲル状態からの離水現象も認められた。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明は、出発原料とな
るCMCに架橋剤としてグリオキサールを添加して上記
CMCを架橋反応させて反応生成物であるグリオキサー
ル架橋処理したCMCを作製する。ついで、このグリオ
キサール架橋処理したCMCに架橋剤として多価金属塩
を添加し、上記グリオキサール架橋処理したCMCを架
橋反応させることにより水性ゲル基材を製造するもので
ある。このようにグリオキサール架橋処理したCMCに
多価金属塩を添加することにより、上記CMC中のアル
カリイオンと多価金属塩の金属イオンとの置換反応が促
進されるために、通常のCMCを用いてのゲル化の場合
と比較すると、上記水性ゲル基材に水を加えて水性ゲル
化させる際のゲル化時間を大幅に短縮することができ
る。したがって、本発明の水性ゲル基材に水を加えて得
られた水性ゲルを、密封袋や容器等に充填する際の充填
作業性が向上する。さらに、上記グリオキサール架橋処
理したCMCを多価金属塩で架橋させた場合、分子内に
三次元架橋構造を形成するために、水性ゲル基材に水を
加えて最終的に得られる水性ゲルは高い強度を有し優れ
た保形性を備えたものである。したがって、保冷剤や、
各種の芳香剤等の基材として広く利用することができ
る。
【0040】そして、上記出発原料となるCMCとし
て、エーテル化度0.5〜1.5で、1%水溶液粘度が
100〜5000mPa・sを有するものを用いること
により、適度なゲル化時間の設定が可能となり、上記特
定のエーテル化度および1%水溶液粘度の設定ととも
に、グリオキサールを用いた架橋処理との併用によっ
て、ゲル化時間を好ましいものに制御することが可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 5/00 101 C09K 5/00 101

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシメチルセルロースアルカリ塩
    にグリオキサールを架橋剤として添加して上記カルボキ
    シメチルセルロースアルカリ塩を架橋反応させた後、上
    記架橋反応における反応生成物に多価金属塩を架橋剤と
    して添加し、さらに上記反応生成物を架橋反応させるこ
    とにより水性ゲル基材を製造することを特徴とする水性
    ゲル基材の製法。
  2. 【請求項2】 上記多価金属塩が、アルミニウム化合
    物,鉄化合物,クロム化合物,亜鉛化合物,バリウム化
    合物,鉛化合物,銅化合物およびスズ化合物からなる群
    から選ばれた少なくとも一つの多価金属塩である請求項
    1記載の水性ゲル基材の製法。
  3. 【請求項3】 上記カルボキシメチルセルロースアルカ
    リ塩が、エーテル化度0.5〜1.5で、1%水溶液粘
    度が100〜5000mPa・sを有するものである請
    求項1または2記載の水性ゲル基材の製法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水
    性ゲル基材の製法によって得られた水性ゲル基材。
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