JPH10251307A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系重合体の製造方法Info
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- JPH10251307A JPH10251307A JP5325197A JP5325197A JPH10251307A JP H10251307 A JPH10251307 A JP H10251307A JP 5325197 A JP5325197 A JP 5325197A JP 5325197 A JP5325197 A JP 5325197A JP H10251307 A JPH10251307 A JP H10251307A
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Abstract
品質の塩化ビニル系重合体の製造を高効率で行う製造方
法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
及び塩化ビニルと共重合し得る単量体を分散剤、重合開
始剤及び必要によりその他添加剤の存在下に水性媒体中
で懸濁重合を行うに際し、壁付着防止剤を塗布した重合
反応機を用い、且つ、水性媒体,分散剤、単量体及び重
合開始剤を重合機に仕込む際に、少なくとも水性媒体の
仕込みを単量体の仕込みと並行して行うことを特徴とす
る塩化ビニル系重合体の製造方法。
Description
体の製造方法に関し、詳しくは懸濁重合法において高品
質の塩化ビニル系重合体の製造を高効率で行う製造方法
に関する。
を製造する場合、重合反応機に水,分散剤,単量体,重
合開始剤及び必要によりその他添加剤を順次単独で仕込
み、攪拌しながらジャケットに温水又は蒸気等を循環さ
せる等の方法で重合反応機内の液温を所定の重合温度に
昇温,調整し重合を行っている。
場合、その原料仕込量は必然的に多くなりその仕込み時
間も又必然的に長くかかり、また、ジャケットの伝熱面
積が相対的に小さくなるため熱効率が悪いので昇温時間
も長くなり重合時間に対する原料の仕込時間や昇温時間
の短縮が生産性の向上に重要になってきた。
コイルを設置することが考えられるが、塩化ビニルの重
合に際してはスケールの発生という問題があり、重合機
内部の掃除に時間がかかったり、スケールの付着が得ら
れるポリマーの品質にも悪影響を及ぼすので、重合機内
にはできるだけ突起物がないことが望ましく、このため
昇温に際しては重合機内にコイルを設置して熱効率を向
上する方法には問題があり、昇温をジャケットに頼らざ
るを得ない。
に通す熱媒の温度を高温にすると、塩化ビニルの重合は
発熱反応なので、昇温終了後に塩化ビニルの重合が開始
すると重合熱が大量に発生してこの除熱が困難となり、
熱バランスが崩れると暴走反応を起こす可能性があるの
でその制御も困難であり、使用する熱媒の温度の制限を
受ける。また、重合機内温と重合機内壁との温度差が大
きすぎるため、重合機内に温度分布が発生し製品品質の
バラツキや物性等に悪影響がでる。
に依る昇温では重合機内温とジャケット温度との温度差
があまり大きくできないため必然的に昇温時間が長くな
っている。
方式の合理化、重合反応機の壁面への付着を防止する技
術の開発、及びそれに伴って重合後にマンホールを開放
しないで次の重合を続けて行ういわゆるクローズドプロ
セスの開発等の技術開発によって、塩化ビニル系重合体
に使用する重合反応機を大型化することによって生産効
率を向上させる技術は大きく進展しており、従来の数m
3の重合反応機からスタートした工業的プロセスはいま
や100m3以上、最近は200m3を超える重合反応機
で生産されるようになってきている。大型の重合反応機
では使用する原料の量も当然装置に比例して多くなる
が、重合に使用する原料の配管やそれを供給するポンプ
等の付帯設備も必然的に大きくする必要が生じる。さら
には、例えば重合に使用する脱イオン水の製造設備等に
ついても供給速度に合わせて処理能力を増大させるか、
大きな貯槽が必要となる。前記したような大型の設備は
莫大な費用がかかるのでこれを有効に効率良く稼動させ
るのは工業的に極めて重要な課題である。
型化は原料の仕込み及び昇温に時間がかかるため、製造
のサイクルタイムが長くなり、重合反応機の生産効率の
向上が不十分であり、さらなる生産効率の向上が望まれ
ていた。
5に見られるような水性媒体に仕込分散剤の全量を溶解
した物と、単量体に開始剤の全量を溶解した物を同時に
重合反応機に仕込む(この時水性媒体を加熱しておく方
法もある)方法。 (2)特開昭54−163982に見られるような全原
料を一定比率で連続的に小型混合器に供給して予備混合
し、こうして得られた乳化粗分散液滴を均質化して重合
を行う方法。(ここでこの小型混合器の容積は重合反応
機容積の4分の1以下で攪拌機が設置されていることと
なっている。) (3)特開平1−172407,特開平4−14920
4.特開平5−186506に見られるような仕込原料
の何れか1つ(仕込量から判断して水性媒体若しくは単
量体のどちらかを加熱しないと効果が得られないと思わ
れる)を予め4O〜9O℃に加熱して他の原料と同時に
仕込み、仕込終了時に重合温度Tに対し重合機内温度t
がT一1O≦t≦T+5℃となるように重合機内温度を
調整する方法(一般的にホットチャージと呼ばれてい
る)等の方法が提案されていた。
うな方法には以下に掲げるような問題点がある。(1)
のような方法を実施しようとすると、水、分散剤、単量
体及び重合開始剤のそれぞれを混合するための予備混合
槽が必要となるため装置の設置及び設置場所の確保に多
大の費用がかかる。
混合するため、もしもトラブル等の発生により仕込がス
トップし、これが長時間にわたる場合この予備混合槽内
で単量体の重合反応が進むことが容易に推定される。
槽には冷却装置(この場合冷媒を用いて氷点下までの冷
却が可能な能力が必要)や重合禁止剤の仕込み装置及び
塩化ビニルモノマーの回収装置等が必要となり、更に安
全性を考えた場合この予備混合槽は重合機と同様な設備
となってしまい、著しく効率の悪い方法であると考え
る。
やはり前述(1)と同様な問題として小型混合器の新設
が必要となる。しかもこの小型混合器は主重合機が10
0m3の場合最大25m3の容積となる。これでは主重合
反応機よりは小型であるが、その設置場所は主重合機の
60%程度の広さが必要となり、多額の設備投資と場所
が必要となる。更に全原料を一定比率で小型混合器に仕
込む必要があるため、各原料の仕込み速度を細かく調節
する必要があり装置が複雑になり制御も精度の高いもの
が要求され設備費の負担が増加する。
るため重合反応が開始されることが容易に推定される。
従って、形状を充分に考慮し全量が押し出し流れで入れ
替わる様、にしないと、小型混合器での滞留時間に差が
出て製品の品質(主に粒子径分布)に悪影響を及ぼすだ
けでなく、滞留部分がある場合はそこで重合が進んだ
り、スゲ−ルが発生することが容易に推定できる。
と略称する)を実施しようとする場合、重合温度以上の
水と重合開始剤が直接接触することが容易に推定され、
その水の温度により重合開始ラジカルの発生が早くなる
ことが容易に考えられる。
が高温の水と接触した場合、溶解していた分散剤が析出
してしまい、本来の機能を発揮できなくなることが容易
に推定される。
量体液滴の分散状態及び液滴粒子径がまだ十分に安定し
ないうちに重合が開始されることが容易に推定される。
に悪影響を与える事は容易に推定され、製造された製品
の品質(粒子径分布及びフィッシュアイ)を悪化させる
という問題があり、確かに仕込み時間及び昇温時間は短
縮されるが、製品物性の悪化というデメリットが無視で
きない問題となっていた。
ような方法で重合を実施しようとする場合、現行の分散
剤処方では製造できない銘柄があることが容易に推定さ
れる。
良して原料の仕込時間を短縮する方法も検討されたが、
(1)乃至(3)の方法を含めて、これらの方法は特殊
な設備を必要としたり、得られた重合体がフィッシュア
イが多いとかの品質上の問題があり十分ではなかった。
行技術が抱える問題点を解決するべく鋭意研究を行っ
た。
の設備を用いて、更には通常の製品の物性を損なうこと
もない塩化ビニル系重合体の製造方法を完成するに至っ
たものである。即ち本発明は以下の発明から構成され
る。
体及び塩化ビニルと共重合し得る単量体を分散剤、重合
開始剤及び必要によりその他添加剤の存在下に水性媒体
中で懸濁重合を行うに際し、壁付着防止剤を塗布した重
合反応機を用い、且つ、水性媒体,分散剤、単量体及び
重合開始剤を重合機に仕込む際に、少なくとも水性媒体
の仕込みを単量体の仕込みと並行して行うことを特徴と
する塩化ビニル系重合体の製造方法。
体及び塩化ビニルと共重合し得る単量体を分散剤、重合
開始剤及び必要によりその他添加剤の存在下に水性媒体
中で懸濁重合を行うに際し、壁付着防止剤を塗布した重
合反応機を用い、且つ、水性媒体,分散剤、単量体及び
重合開始剤を重合機に仕込む際に、水性媒体の仕込み
を、単量体及び重合開始剤よりも先に開始し、引き続き
単量体の仕込を開始しすることを特徴とする記載の塩
化ビニル系重合体の製造方法。
みの途中で重合機の昇温を開始することを特徴とする
または記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
開始時期を分散剤の仕込み終了後とすることを特徴とす
る、項記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。によっ
て構成される。
本発明は塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体及び塩
化ビニルと共重合し得る単量体の共重合に適用される。
本発明の方法は塩化ビニルの重合または塩化ビニルを主
成分とする共重合、グラフト重合にも適用できる。
は、通常塩化ビニルの共重合に使用されているモノマー
なら特に限定はなく、例えば酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニ
ルエステル類、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブ
チレン等のオレフィン類、イソブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、フ
ェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニ
リデン、フッ化ビニル、塩化プロピレン、臭化ビニル等
のハロゲン化オレフィン類、エチルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、2
ーエチルヘキシルアクリレート、2ーエチルヘキシルメ
タアクリレート、ステアリルアクリレート等のアクリレ
ート類またはメタアクリレート類、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、無
水イタコン酸、アクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ル等が例示でき、これらは1種以上用いてもよいが塩化
ビニルに対して15重量%以下で使用することが好まし
い。
ラフト重合する公知のグラフト重合に適用することがで
き、この際に使用される上記重合体は例えば、エチレン
ー酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンーアクリル
酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリウレタ
ン、ブタジエンースチレンーメチルメタクリレート(M
BS)、ブタジエンーアクリロニトリルー(αーメチ
ル)スチレン共重合体(ABS)、ポリブチルアクリレ
ート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレンーブタジエ
ン共重合体などが例示される。
の目的である生産性の向上に有効である公知の重合機お
よび装置が使用でき、重合機の容積は20〜350
m3、好ましくは40〜250m3のものが使用でき、重
合熱の除去のために逆流コンデンサーを使用することが
推奨される。
重合、特に水性媒体を用いた懸濁重合に有効である。
塩化ビニルモノマーとの割合は公知の量比で、水/塩化
ビニル比=0.8〜1.5、好ましくは0.85〜1.
2、さらに好ましくは0.9〜1.0で行われる。
ビニルの重合に使用される触媒、特に油溶性ラジカル開
始剤が使用され、例えば、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、
ジラウリルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパ
ーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボ
ネート、ジターシャリブチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ(エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、
ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネー
ト、ジ(3-メトキシブチル)パーオキシジカーボネー
ト、ジ(3-メトキシ-3-メチルブチル)パーオキシジ
カーボネート、ジ(ブトキシエチル)パーオキシジカー
ボネート、ジ(2-イソプロポキシエチル)パーオキシ
ジカーボネート、ジ(2-イソプロポキシエチル)パー
オキシジカーボネート、ジベンジルパーオキシジカーボ
ネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、
ジターシャリーブチルシクロヘキシルパーオキシジカー
ボネート等のパーカーボネート、ターシャリーブチルパ
ーオキシネオデカネート、アミルパーオキシネオデカネ
ート、ターシャリーオクチルパーオキシネオデカネー
ト、α−クルミパーオキシネオデカネート、ターシャリ
ーブチルパーオキシピバレート、アミルパーオキシピバ
レート、ターシャリーオクチルパーオキシピバレート、
α─クルミパーオキシトルエンピバレート、パーヘキシ
ルオキサレート、ジターシャリーブチルパーオキシオキ
ザレート、アセチルシクロヘキシルサルフォニルパーオ
キサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオ
キシフェノキシアセテート等のパーエステル、ラウロイ
ルパーオキサイド、ジイソブチルパーオキサイド、2-
エチルヘキサノイルパーオキサイド、3,5,5-トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、
2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ化合物等が例示され、これらは通常
行われているように数種類を組み合わせて使用できる。
これらは重合反応速度を均一化する為に組み合わせて使
用し、ポンプで重合機に装入する方法が推奨される。こ
れらの触媒はそのまま使用しても良いし、水エマルジョ
ン、水サスペンジョンにしても使用でき又トルエン等の
溶媒に溶解しても使用できる。
で使用されている公知の分散剤が使用でき、分散剤とし
ては、例えば、完全鹸化もしくは部分鹸化のポリビニル
アルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、無水マレ
イン酸−酢酸ビニル共重合体等の合成高分子化合物、デ
ンプン、ゼラチン等の天然高分子物質等が例示され、こ
れらを2種以上の組み合わせた公知の分散剤が使用でき
る。
比重のPVCを得るためには、鹸化度90モル%以上の
ポリビニルアルコールを分散剤の全量に対して30−7
0重量%を使用することにより達成される。また、別の
一例として、フィッシュアイの少ないPVCを得るため
には、鹸化度40−50モル%で重合度200−300
のポリビニルアルコールを分散剤の全量に対して30−
60重量%使用することにより達成される。
ー100重量部に対して0.02〜0.2重量部、好ま
しくは0.04〜0.18重量部、更好ましくは0.0
6〜0.15重量部である。
の壁面に壁付着防止剤を塗布する必要があり、壁付着防
止剤は公知のものを公知の方法で塗布することができ
る。
例えば公知のフェノール系水酸基を有する化合物の縮合
物、好ましくはフェノール系水酸基を有する化合物の共
縮合物が使用できる。フェノール系水酸基を有する化合
物の縮合物とは1価または多価フェノール化合物の自己
縮合物または1価または多価フェノールとアルデヒド類
の縮合物を意味し、またこの中でフェノール系水酸基を
有する化合物の縮合物が特に好ましく使用される。フェ
ノール系水酸基を有する化合物の共縮合物とは1価また
は多価フェノール化合物の自己縮合物または1価または
多価フェノールとアルデヒド類の縮合物を製造する時に
数種類の1価または多価フェノールとアルデヒド類を使
用したり、フェノール以外の化合物を縮合した縮合物ま
たはこれらの変性物を意味する。これらの薬剤として
は、例えば再公表JP3501884、特公昭60ー5
9246、又は特公昭62ー3841等に記載されてい
る薬剤があげられるが、特に好ましくは再公表JP35
01884に記載されている薬剤が例示される。
に塗布またはスプレイする方法などがあり、特に制限は
ないが、好ましい塗布方法は再公表JP3501884
の請求の範囲1項〜3項に記載の方法があげられるが、
この方法にこだわらず一般的な方法、例えば再公表JP
3501884の実施例8、又は特公昭61ー843の
実施例1〜3に記載の方法で塗布することができる。
重合機で塩化ビニルを重合した後重合機を開放せずに、
続けて重合を行う操作を繰り返すクローズド化された塩
化ビニルの重合においても有効である。
合する場合は重合反応機の壁面に壁付着防止剤を塗布す
ることが必須の条件であり、壁付着防止剤の塗布が原料
が全部入った定常の重合条件になる前に起こる壁付着を
避けることが可能となるものである。
原料装入方法として水、分散剤、単量体次いで重合開始
剤を順次装入する方法が得られた塩化ビニル系重合体の
フィシュアイの最も少ない製品を与え、本発明のように
原料を並行して装入するとフィシュアイが増加するが、
壁付着防止剤を塗布していれば驚くべきことに原料を並
行して装入しても、フィシュアイが低いレベルに保てる
ので原料の装入時間を短縮することが可能となった。
の原料を常温で仕込むにも関わらず、その各原料の仕込
み開始順を規定することにより総仕込時間を短縮するこ
とが可能となったばかりでなく昇温タイミングをも早め
ることが可能となり、仕込み開始から昇温完了までの時
間を短縮することができた。
は、通常の製造方法により製造された製品の物性と同等
であり何ら悪影響を受けていない。これは重合反応機に
壁付着防止剤を塗布することでスケールの生成が減少し
て原料装入の順序によるスケールの付着が影響しないと
いう特別の効果の発見が本発明を可能に下ものである。
水と単量体を少なくとも同時に重合反応機に装入するこ
とで大幅な原料装入時間の短縮が可能になるものであ
る。
まわないが、好ましくは水性媒体が重合機内に全装入量
の5重量%、好ましくは10重量%存在させ、その中に
分散剤.単量体及び重合開始剤が仕込まれるため、重合
機内壁に水性媒体以外の原料が直接接触することが避け
られる。
の重合を抑えることができ重合反応を均一に実施するこ
とが可能となった。
剤添加時に存在していれば問題はなく特に制限はない
が、水性媒体に対する分散と単量体との混合を考慮すれ
ば水性媒体の存在下であり且つ単量体の仕込み開始時に
は、既に一部、好ましくは全装入量の5重量%、より好
ましくは10重量%が重合機内に存在していることが単
量体の液滴粒子径の安定上望ましい。
み開始後単量体の仕込み開始前までの問に開始すること
がより望ましく、単量体開始時には分散剤の全量が装入
されているのが最も好ましい。
が上昇し重合開始ラジカルが発生し重合が開始するまで
の間であり、単量体液滴粒子径の安定化を図る上で可能
な限り早い時期に開始する為に、攪拌機が運転可能とな
った時点で開始することが望ましい。
可能であれば水性媒体の仕込み開始前から開始すること
がより望ましい。
に開始するがその開始は分散剤の仕込みが終了してから
とする。
温を開始すると水性媒体.分散剤及び単量体の混合が充
分行われず、単量体の液滴粒子径が安定する前に系内温
度が上昇し重合が開始してしまい製品の品質が悪化して
しまう為である。
ついては分散剤の仕込が終了していればどのタイミング
でも可能である。
を考えた場合、早い時期での仕込み開始はそれだけ重合
機内にラジカルを増加させ、単量体の液滴粒子径が安定
する前に重合が開始され、製品の品質が悪化してしまう
ので好ましくない。
り速やかに開始剤の仕込を開始する。更に、原料の仕込
時間を短縮し効率アップを図りたい場合は、単量体の仕
込終了と重合開始剤の仕込終了が同時になるような重合
開始剤の仕込開始時期を、重合開始剤の仕込量と使用す
る仕込み装置の能力より計算して求めても構わない。本
発明において使用される水性媒体の温度は、10〜45
℃の範囲が一般的であるが、好ましくは25〜40℃未
満、更に好ましくは35〜4O℃未満のもが使用され
る。
体の仕込み開始後に昇温完了までの時間が短くなり効率
が良く好ましい。
すると、高重合度の製品を製造する場合従来技術のホッ
トチャージと同様な結果となってしまい品質に悪影響を
及ぼしかねない。
合に使用されているものであれば特に制限無く使用で
き、例えば、水性媒体としてはイオン交換した水、高度
ろ過処理を行った水及びプロセス回収水等が考えられ
る。
は、消泡剤、酸化防止剤及びPH調整剤等を添加しても
何ら差し支えなく、現在塩化ビニルの添加剤として知ら
れているものであれぱ使用が可能であるが、これらの添
加剤中には添加時期によって重合反応及び製品の品質に
影響を与える物もあるので、その添加時期及び添加方法
については十分に考慮した慎重な対応が必要である。
び本発明における同時装入が行える仕込装置が設置され
ていれば形式に限定はないが、大型重合機の場合は更に
除熱用の逆流コンデンサ−が設置されていることが望ま
しい。
は全て常温で取り扱われるため、昇温の開始時期が早く
ても従来の技術のホットチャージと比較して重合機内の
温度及び内圧が高くなることがないので、通常使用され
る設備が用いられ特別の装置は必要がない。
る。但し、本発明はこれらに限られるものではない。
によって製品の品質に及ぼす影響をみたものである。実
施例は150m3の容量の重合反応機を用いて本発明の
原料短縮の効果と良好な品質のPVCが得られることを
示した。又、以下の参考例、参考比較例、実施例及び比
較例において品質の測定は以下の方法を用いた。
1rpmの2本ロールを145℃に加熱して5分混練し
0.8mmのロール間隔からシートを取り出す。しかる
後15×10cmの面積に存在するフィッシュアイの個
数を数える。 樹脂 100g DOP 6Og CdーBa系安定剤(東亜理化製ADVASTABBC=1000J)5g カーボン 0.1g (2)粒子径分布 JIS Z8801の方法に準ずる。 (3)平均粒子径 JlS Z‐8801の方法に準ずる。
においては、品質比較を分かりやすくするために同一の
処方にてすべての重合を実施した。
器付き三ッ口フラスコに石炭酸282.0g(3.0モ
ル)、37.0%ホルマリン356.8g(4.4モ
ル)、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)を装
入し、攪拌下85℃まで30分間で昇温した。さらにこ
の温度に保ちながら2時間40分反応させた。このよう
にして得られたレゾールは、B型粘度計を用いて85℃
で粘度を測定したところ10.4cpsを示した。また
亜硫酸ソーダ法で残存ホルマリンを分析したところ不検
出であった。さらにゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーで測定した重量平均分子量(Mw)は410であ
った。この生成物を水で希釈し樹脂分2wt%の水溶液
とした。
剤の溶液を塗布た。即ち、重合反応機の内壁を60℃に
昇温し、前述の製造例に従って製造した壁付着防止剤の
水溶液を重合反応機の上部に設置したスプレーノズルよ
り内部に噴霧し塗布し、その後内部を十分に水洗した。
この時使用した壁付着防止剤水溶液の塗布量は1リッタ
ーであった。
ルの重合機に29℃の純水270kgを仕込み始めると
同時に攪拌機をスタ−トさせた、その3分後15℃の分
散剤水溶液6.6kgと15℃の単量体220kgの仕
込みを同時に開始した。それぞれの仕込に要した時間
は、純水17分、分散剤7分、単量体20分であり、純
水の仕込開始から単量体の仕込終了までに要した時間は
23分であった。
始剤を混合して5分間で仕込んだ。
の総仕込時間は28分であった。
重合機内温21℃より、ジャケットによる通常の昇温操
作を開始した、昇温開始より38分で重合温度の58℃
に到達し、引き続き同温度で重合反応を実施した。
cm2になったところで反応停止とし、未反応の単量体
を回収し製品スラリ−を得、デカンターにより脱水ケ−
キにした後流動床乾燥機にて乾燥して製品を得た。この
詳細については表一2を参照。
初めてから3分後に分散剤の仕込みを開始して、更にそ
の2分後に単量体の仕込みを開始した。
の仕込み開始と同時とし、昇温の開始タイミングは参考
例1と同様とした。
込み終了と同時になるように開始時間と仕込み速度を調
整して仕込みを実施した。本参考例の総仕込時間は、2
5分であった。
考例1と同様として製造を行った。
は42分であった。この詳細については表−2を参照。
した以外は同じ方法で仕込み及び重合を実施した。この
時の総仕込時間は23分であり、仕込開始から昇温終了
までの時間は43分であった。この詳細については表−
2を参照。
同じ方法で仕込及び重合を実施した。この時の総仕込時
間は25分であり、仕込開始から昇温終了までの時間は
34分であった。この詳細については表−2を参照。
した。つまり、純水を最初に仕込みその仕込み終了後分
散在を仕込み分散剤の仕込み終了後に単量体を仕込み、
更に単量体の仕込み終了後に重合開始剤を仕込んだ。そ
して、重合開始剤の仕込みが終了してから昇温を開始し
た。攪拌の開始タイミングとしては純水の仕込みが終了
した時点とした。この詳細については表−3を参照。
ージにより原料を装入した。65℃の純水と15℃の単
量体の仕込を同時に開始して、その後3分後に常温の分
散剤の仕込を開始した。更に分散剤の仕込終了後直ちに
重合開始剤の仕込を開始し、単量体の仕込が終了する前
に全仕込量の仕込が終了するようにした。
み終了後の重合反応機の温度は54℃であり、重合反応
温度までの昇温時間は5分であった。重合反応以降の操
作は参考例1と同様に行なった。結果を表3にしめす。
攪拌開始を分散剤の仕込み終了後とした以外は参考比較
例2と同様な仕込み及び重合を実施した。仕込み終了後
の重合機内温度は56℃であり、重合反応温度までの昇
温時間は2分であった。この詳細につては表−4を参
照。
以外は同様な仕込み及び重合を実施した。この詳細につ
いては表−4を参照。
込み開始と同時にした以外は同様な仕込み及び重合を実
施した。この詳細については表−4を参照。
開始と同時にした以外は同様な仕込み及び重合を実施し
た。結果、仕込みが終了した時点での重合機内圧は6.
5kg/cm2であったが純水仕込みをホットチャージ
用のポンプで行ったため、仕込みは予定どうり行うこと
ができた。この詳細については表−4を参照。
付着防止剤を重合反応機に塗布した逆流コンデンサーを
設置した内容積150m3に重合反応機を使用して塩化
ビニルの重合を行った。
始めると同時に攪拌機の攪拌を開始下。この時に使用し
たポンプの能力は250m3/hr、吐出圧力8kg/
cm2Gであった。
℃の鹸化度80モル%の部分鹸化ポリビニルアルコール
の5重量%水溶液800kgと25℃の単量体40tの
仕込を開始した。この時、単量体の仕込に使用したポン
プは1503/hr、吐出圧力8kg/cm2Gであっ
た。
オキシジカーボネート(60重量%水エマルジョン)3
3kgとクニルパーオキシネオデカノエート(50重量
%水エマルジョン)12kgで、単量体の仕込み終了と
重合開始剤の仕込み終了が同時になるように重合開始剤
の仕込み時間を仕込みポンプの能力より計算し仕込みを
開始した。
分、単量体20分、分散剤7分及び重合開始剤5分であ
り、全原料の仕込みに要した時間は23分であった。昇
温は分散剤の終了直後より開始し、この時の内温30℃
から反応温度の58℃まで昇温するまでに40分を要し
た。以上の結果原料仕込み開始から昇温終了までに要し
た時間は50分であった。
は6Bであった。
機の圧力が6.5kg/cm2に達するまで重合を続け
た。
ラリーを脱水後、流動乾燥機で乾燥して製品を得た。ス
ラリー排出後の重合反応機内にはスケールの付着はなく
きれいであった。この製品の品質は次の比較例で示す通
常の原料を順次装入して製造された樹脂と遜色はなかっ
た。評価結果を表5に示す。
を通常の順次装入法で重合を行った。
剤の順とし、それぞれ前の仕込みが終了してから次の仕
込みを開始した。それぞれの仕込み時間は純水17分、
単量体20分、分散剤7分及び重合開始剤5分で実施例
1と同様であり合計50分かかった。攪拌は純水仕込み
終了後とし、昇温開始は重合開始剤仕込み終了後とし、
27℃から反応温度の58℃まで昇温するのに46分を
要した。結果、仕込み開始から昇温終了までに1時間3
6分であった。重合反応以降の操作は実施例1と同様に
行い製品を得た。この製品の品質の詳細は表5に示すよ
うに実施例1と殆どおなじであった。
原料仕込み時間でが約1/2.2に、昇温までの時間が
約1/1.9に短縮された。
いて、原料の仕込時間及び昇温時間を短縮し製造のサイ
クルタイムの効率化をはかることが可能となり、しか
も、本発明の方法により製造された製品は、通常の製造
方法で製造された製品と同等の物性を確保することがで
きる。
Claims (4)
- 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
及び塩化ビニルと共重合し得る単量体を分散剤、重合開
始剤及び必要によりその他添加剤の存在下に水性媒体中
で懸濁重合を行うに際し、壁付着防止剤を塗布した重合
反応機を用い、且つ、水性媒体,分散剤、単量体及び重
合開始剤を重合機に仕込む際に、少なくとも水性媒体の
仕込みを単量体の仕込みと並行して行うことを特徴とす
る塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
及び塩化ビニルと共重合し得る単量体を分散剤、重合開
始剤及び必要によりその他添加剤の存在下に水性媒体中
で懸濁重合を行うに際し、壁付着防止剤を塗布した重合
反応機を用い、且つ、水性媒体,分散剤、単量体及び重
合開始剤を重合機に仕込む際に、水性媒体の仕込みを、
単量体及び重合開始剤よりも先に開始し、引き続き単量
体の仕込を開始しすることを特徴とする請求項1記載の
塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 該製造方法において、水性媒体の仕込み
の途中で重合機の昇温を開始することを特徴とする請求
項1または2記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 重合機の昇温を開始するに際し、その開
始時期を分散剤の仕込み終了後とすることを特徴とす
る、請求項3項記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05325197A JP3699238B2 (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05325197A JP3699238B2 (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10251307A true JPH10251307A (ja) | 1998-09-22 |
JP3699238B2 JP3699238B2 (ja) | 2005-09-28 |
Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP3699238B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013126760A (ja) * | 2006-10-20 | 2013-06-27 | Daikin Industries Ltd | 溶融ペレットの製造方法、及び、電線の製造方法 |
-
1997
- 1997-03-07 JP JP05325197A patent/JP3699238B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2013126760A (ja) * | 2006-10-20 | 2013-06-27 | Daikin Industries Ltd | 溶融ペレットの製造方法、及び、電線の製造方法 |
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