JPH10250536A - 建設機械のジャッキアップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ジャッキアップシリンダユニットを取外すこ
となく本体に装備し、上部旋回体の下端が非常に低い場
合でも、格納と使用ができる様にする。 【解決手段】 ロワ−フレ−ム１の前後に固設したシリ
ンダ取付ブラケット３にロワ−フレ−ムに沿って横方向
に格納可能なジャッキアップシリンダ２を取付け、シリ
ンダ取付ブラケット３の先端部に上下方向に隔設したピ
ンａとピンｂで使用時の状態を保持する第一フレ−ム４
を備え、さらに該第一フレ−ム４の先端部に水平方向に
隔設されたピンｃとピンｄで使用時の状態を保持し、前
記第一フレ−ム４とシリンダ取付ブラケット３との結合
部にピンａを差し込み可能な固定穴ｅを、又第二フレ−
ム５と第一フレ−ム４との結合部にピンｃを差し込み可
能な固定穴ｇを備え、ジャッキアップシリンダ２を前記
ピンｄを軸としての上下方向と、前記ピンｂを軸として
の水平方向とに回動可能にして格納する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は建設機械のジャッキ
アップ装置に関するものである。さらに詳しく言えば、
ジャッキアップシリンダを機体から取外すことなく、本
体に装備した状態のまゝで格納又は使用を容易にできる
ようにしたジャッキアップ装置の改良に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】建設機械のうち走行手段として無限軌道
を有する機械において、本体を輸送する場合サイドフレ
−ムを取外し、本体部を輸送用トレ−ラへ積み込む場合
がある。その一つの手段として本体部を上方へジャッキ
アップし、本体部の下側へ輸送用トレ−ラをすべり込ま
せたのち、ジャッキダウンして搬送となる。

【０００３】図８〜図１０は大型従来機のジャッキアッ
プユニットを示す。これはロワ−フレ−ム１１にジャッ
キアップユニット１２を取付けるいわゆるロワ−ジャッ
キ方式である。この場合には上部旋回体１３の下面とジ
ャッキアップユニット１２の上端間には隙間１４が存在
している(図９)。この隙間１４の存在下でロワ−ジャッ
キシリンダ１２を伸ばし、ジャッキアップする構成であ
る。そして、以下の手順に示す如く、ジャッキの格納は
シリンダ取付ブラケット１５のまわりでの水平方向即ち
左右方向のみの回動で行っている。

【０００４】以下にその分解手順について概略説明する
（図１０）。 （１）分解準備 サイドフレ−ム１６を吊り上げる補助クレ−ンを用意
する。 分解・輸送できるスペ−スを確保し、本体を移動す
る。

【０００５】（２）ジャッキアップ準備 シュ−１７のたれ防止１８を取付ける（図１０
(ａ)）。 上部旋回体１３をサイドフレ−ム１６と直交する様に
設定する（図１０(ｂ)，図１０(ｃ)）。 格納していたジャッキアップユニット１２を側方に回
転して図１０(ｃ)の様に設置する。

【０００６】（３）ジャッキアップ及びサイドフレ−ム
取外し ジャッキアップ操作レバ−１９（図１０(ｃ)）を操作
し、シュ−１７が軽く接地している状態になるまでジャ
ッキアップする。 トレッドメンバ−の吊りラグに、吊りビ−ム２０（図
１０(ｄ)）を使って玉掛をし、サイドフレ−ム１６がア
クスルビ−ムよりすこし浮き上がる程度になるまで補助
クレ−ンで吊り上げる（図１０(ｄ)）。 サイドフレ−ム脱着シリンダを伸ばしてサイドフレ−
ム１６を取外す（左・右共）。

【０００７】（４）トレ−ラ進入し輸送 ジャッキアップ操作レバ−１９を操作し、本体をトレ
−ラが進入できる高さまで上げる。 トレ−ラは図１０(ｄ)の矢印方向より進入してカ−ボ
ディ(アクスルビ−ム)がトレ−ラの搭載位置になる様に
トレ−ラを移動させる。 ジャッキダウンしてトレ−ラに本体をあずける。 ジャッキアップユニットを回転させてジャッキアップ
ユニットを格納する。

【０００８】図１１は前例とは逆に、上部旋回体側にジ
ャッキが取付けられたいわゆるアッパ−ジャッキ方式で
ある。これは特殊例であるが、上部旋回体下面と地上面
の高さが小さい場合（たとえば小型クロ−ラクレ−ン
等）に用いられる方式である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】このように、ジャッキ
アップユニットを使用するとき、前記図１１で説明した
アッパ−ジャッキ方式の場合にはこれを取付・取外しの
必要があること、あるいは又図８〜図１０で説明したロ
ア−ジャッキ方式では上部旋回体の下端が地上より低い
高さ、即ちシリンダの最縮小長さより小さい場合、シリ
ンダを格納しないとロア−ジャッキと干渉して上部旋回
体が旋回できないという問題があった。このような問題
を解決し、ジャッキアップシリンダユニットを取外すこ
となく本体に装備し、上部旋回体の下端が非常に低い場
合でも、格納と使用が容易にできる様な構成のジャッキ
アップ装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】走行手段として無限軌道
を備えた建設機械において、サイドフレ−ムを着脱可能
なロワ−フレ−ム１の前後に固設したシリンダ取付ブラ
ケット３にロワ−フレ−ムに沿って横方向に格納可能な
ジャッキアップシリンダ２を取付け、該ジャッキアップ
シリンダ２はシリンダ取付ブラケット３の先端部に上下
方向に隔設した２本のピンａとピンｂで使用時の状態を
保持される第一フレ−ム４を備え、さらに該第一フレ−
ム４の先端部に水平方向に隔設された２本のピンｃとピ
ンｄで使用時の状態を保持され、ジャッキアップシリン
ダ２を取付けた第二フレ−ム５を有し、前記第一フレ−
ム４とシリンダ取付ブラケット３との結合部に前記２本
のピンａ，ｂのうちの一方のピンａを差し込み可能な固
定穴ｅを、又前記第二フレ−ム５と第一フレ−ム４との
結合部に前記２本のピンｃとｄのうちの一方のピンｃを
差し込み可能な固定穴ｇを備え、ジャッキアップシリン
ダ２を前記ピンｂを軸としての上下方向と、前記ピンｄ
を軸としての水平方向とに回動可能にして格納するよう
にした。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１以下を参照して説明する。図
１でロワ−フレ−ム１にはその前後に左右対をなして２
基宛のジャッキアップシリンダ２が設置されている。各
ジャッキアップシリンダ２の取付けは次の構成である。
ロワ−フレ−ム１の前後に夫々左右対をなしてシリンダ
取付ブラケット３が固設されている。シリンダ取付ブラ
ケット３の先端には上下方向に設けられ互に隔てられた
平行する２本のピンａとピンｂで第一フレ−ム４が取付
けられている。第一フレ−ム４の先端にはさらに第二フ
レ−ム５が、水平方向に設けられ、互に隔てられた平行
する２本のピンｃとピンｄとで固定されている。そして
上下に伸縮するジャッキアップシリンダ２は第二フレ−
ム５に挟持されて固定されている。

【００１２】そして使用時（図１の実線位置）には、ピ
ンａとｂ、ピンｃとｄはそれぞれの位置にあって、シリ
ンダを上下に伸縮する。ただし、このとき、上部旋回体
はサイドフレ−ムと直交する位置に回動されている必要
がある。さもないと、上部旋回体とジャッキアップシリ
ンダ並びにフレ−ムが干渉するからである（図７）。

【００１３】次に使用状態から格納するには、ジャッキ
アップシリンダ２を最縮状態にする（図４）。そして第
一フレ−ム４と第二フレ−ム５を結合する２本のピンの
うちの一本のピンｃを抜き、もう一本のピンｄを中心に
して第二フレ−ム５とジャッキアップシリンダ２を上下
方向に回し、別に設けた固定穴ｇに先に抜いたピンｃを
挿し換へる。すると第二フレ−ム５と共にジャッキアッ
プシリンダ２は上下方に回動し、第一フレ−ム４内に格
納することができる。

【００１４】次に第一フレ−ム４とシリンダ取付ブラケ
ット３を結合する２本のピンのうちの一本のピンａを抜
いてピンｂを中心に水平方向に回してロワ−フレ−ム１
と平行状態にする。別に設けた固定穴ｅに先に抜いたピ
ンａを挿し換えると、格納位置を固定できる（図１の仮
想線）。

【００１５】

【発明の効果】図１１に示す如き従来型のアッパ−ジャ
ッキ方式の場合、ジャッキアップユニットの使用時に、
これを取付・取外す必要があり、格納することができな
い。又図８のロア−ジャッキ方式の場合に、ロワ−フレ
−ムに格納できるものでも、左右方向一方向にのみ回動
して格納可能になっている場合には、上部旋回体の旋回
の妨げになる場合がある。これに対し、本発明によれ
ば、ジャッキアップシリンダの取付けをシリンダ取付ブ
ラケットと第一フレ−ム及び第二フレ−ムで構成し、各
接合部を２本のピンで固定して使用していたものを、２
本のピンのうちの一方のピンの取外し、そして外したピ
ンを別に設けた固定穴に挿し換えるだけで、水平方向と
これと直交する上下方向の２方向に回動して格納でき
る。これにより極めてコンパクトな状態に格納できる。
このようにコンパクトに格納できるので、ジャッキアッ
プシリンダ２の頂部と上部旋回体の下面間に予め隙間を
設けなくても、ジャッキアップ操作に何等妨げとならな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るジャッキアップ装置を備えた建設
機械のロワ−フレ−ム。

【図２】図１の正面図。

【図３】図１の右側面図。

【図４】図１のＡ矢視図。

【図５】図４のＣ矢視図。

【図６】図４のＢ矢視図。

【図７】使用時に於けるジャッキアップシリンダと上部
旋回体の関係を示す。

【図８】従来型建設機械のジャッキアップ装置（ロア−
ジャッキ方式）。

【図９】図８の右側面図。

【図１０】公知ロア−ジャッキ方式の分解手順を示す。

【図１１】公知アッパ−ジャッキ方式を示す図。

【符号の説明】

ａ〜ｄ ピン ｅ，ｇ 固定穴 １ ロワ−フレ−ム ２ ジャッキアップ
シリンダ ３ シリンダ取付ブラケット ４ 第一フレ−ム ５ 第二フレ−ム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行手段として無限軌道を備えた建設機
   械において、サイドフレ−ムを着脱可能なロワ−フレ−
   ム(１)の前後に固設したシリンダ取付ブラケット(３)に
   ロワ−フレ−ムに沿って横方向に格納可能なジャッキア
   ップシリンダ(２)を取付け、該ジャッキアップシリンダ
   (２)はシリンダ取付ブラケット(３)の先端部に上下方向
   に隔設した２本のピン(ａ)とピン(ｂ)で使用時の状態を
   保持される第一フレ−ム(４)を備え、さらに該第一フレ
   −ム(４)の先端部に水平方向に隔設された２本のピン
   (ｃ)とピン(ｄ)で使用時の状態を保持され、ジャッキア
   ップシリンダ(２)を取付けた第二フレ−ム(５)を有し、
   前記第一フレ−ム(４)とシリンダ取付ブラケット(３)と
   の結合部に前記２本のピン(ａ，ｂ)のうちの一方のピン
   (ａ)を差し込み可能な固定穴(ｅ)を、又前記第二フレ−
   ム(５)と第一フレ−ム(４)との結合部に前記２本のピン
   (ｃとｄ)のうちの一方のピン(ｃ)を差し込み可能な固定
   穴(ｇ)を備え、ジャッキアップシリンダ(２)を前記ピン
   (ｂ)を軸としての上下方向と、前記ピン(ｄ)を軸として
   の水平方向とに回動可能にして格納するようにしたこと
   を特徴とする建設機械のジャッキアップ装置。