JPH102495A - Ｂｏｇ管のドレン回収システムおよびドレン回収方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＢＯＧ管に混入したミストをドレンとして円
滑にＬＮＧ貯槽に回収することができるＢＯＧ管のドレ
ン回収システムおよびこれを用いたドレン回収方法を得
る。 【解決手段】 ＬＮＧ貯槽１のＢＯＧ管２に一端部が接
続されてＢＯＧ管２内のドレンを抜き出すドレン回収管
１０と、このドレン回収管１０の他端部が接続されてド
レンを貯留するドレンポット１２と、このドレンポット
１２の底部に一端部が接続されるとともに他端部がＬＮ
Ｇ貯槽１へドレンを導くＢＯＧドレン管１６に接続され
たドレン追出管１５と、ＢＯＧ管２のＢＯＧ圧縮機３の
吐出側４から枝配管されてドレンポット１２の上部に接
続されたドレン追出用のＢＯＧ供給管１７と、ドレン回
収管１０、ドレン追出管１５およびＢＯＧ供給管１７に
それぞれ介装された開閉弁１１、１４、１９とを備えて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＬＮＧ貯槽のＢＯ
Ｇ管に混入したドレンを上記ＬＮＧ貯槽に回収するため
のドレン回収システムおよびドレン回収方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、火力発電用ボイラの燃料や都市
ガス等の燃料として広く用いられているＬＮＧは、貯蔵
設備に配設されたＬＮＧ貯槽内に貯蔵され、必要に応じ
てポンプで移送されて気化されることにより、上記ボイ
ラの燃料や都市ガスとして供給されている。ところで、
このようなＬＮＧ貯槽にあっては、その内部を保冷する
ために断熱性に優れた構造になっているものの、ＬＮＧ
貯槽の周囲からの定常的な入熱や、ＬＮＧ入荷時におけ
る貯槽受入配管系からの入熱あるいはＬＮＧ貯槽内の移
送ポンプの駆動に起因する入熱といった非定常的な入熱
により、上記ＬＮＧ貯槽内に蒸発ガス（ＢＯＧと略称す
る。）が発生する。このようにして発生したＢＯＧは、
貯槽内圧の上昇をもたらすため、通常ＢＯＧ管からＢＯ
Ｇ圧縮機を用いてこれを貯槽外に抜出すとともに、所定
の圧力まで昇圧して燃料ガスとして利用することによ
り、上記ＬＮＧ貯槽の内圧を一定範囲内の運用圧力に保
持している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】また、上記ＬＮＧ貯槽
においては、ＢＯＧの発生を抑制するために、内部に発
生したＢＯＧにＬＮＧをスプレーして冷却することによ
り貯槽内圧を低下させる方法が採られる場合がある。と
ころが、上記ＬＮＧ貯槽内においてこのようなＬＮＧの
スプレーを行なった場合に、貯槽内に発生したミストが
上記ＢＯＧ管に混入し、これがＢＯＧ圧縮機によって吸
引されることにより、当該ミストに起因して、例えばレ
シプロ式のＢＯＧ圧縮機にあってはピストンリング部の
損傷を招いて故障を発生し、またターボ式のＢＯＧ圧縮
機やリターンガスブロアにあっては、回転翼におけるエ
ロージョンの発生を招来するという問題点があった。

【０００４】本発明は、上記従来のＬＮＧ貯槽のＢＯＧ
管における課題を有効に解決すべくなされたもので、Ｂ
ＯＧ管に混入したミストによって発生するドレンを円滑
にＬＮＧ貯槽に回収することができるＢＯＧ管のドレン
回収システムおよびこれを用いたドレン回収方法を提供
することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
に係るＢＯＧ管のドレン回収システムは、ＬＮＧ貯槽の
ＢＯＧ管に一端部が接続されて当該ＢＯＧ管内のドレン
を抜き出すドレン回収管と、このドレン回収管の他端部
が接続されて上記ドレンを貯留するドレンポットと、こ
のドレンポットの底部に一端部が接続されるとともに他
端部が上記ＬＮＧ貯槽へ上記ドレンを導くＢＯＧドレン
管に接続されたドレン追出管と、上記ＢＯＧ管のＢＯＧ
圧縮機の吐出側から枝配管されて上記ドレンポットの上
部に接続されたドレン追出用のＢＯＧ供給管と、少なく
とも上記ドレン回収管およびＢＯＧ供給管にそれぞれ介
装された開閉弁とを備えてなることを特徴とするもので
ある。

【０００６】また、請求項２に記載の発明は、上記請求
項１に記載のドレンポットには、内部の空間を上記ＬＮ
Ｇ貯槽のベント管に連通させる連通管が設けられ、かつ
この連通管に開閉弁が設けられていることを特徴とする
ものであり、さらに請求項３に記載の発明は、上記請求
項１または２に記載の開閉弁が、遠隔操作が可能な電磁
開閉弁であり、かつ上記ドレンポットには、内部に貯留
する上記ドレンのレベル検出器が設けられていることを
特徴とするものである。

【０００７】次いで、請求項４に記載の本発明に係るド
レン回収方法は、上記請求項１ないし３のいずれかに記
載のドレン回収システムを用いて、先ず上記ドレン回収
管の開閉弁を開くとともに、上記ＢＯＧ供給管の開閉弁
を閉じることにより、上記ＢＯＧ管内のドレンを上記ド
レン回収管を介してドレンポット内に貯留し、次いで当
該ドレンポット内のドレンが所定のレベルに達した際
に、上記ドレン回収管の開閉弁を閉じるとともに上記Ｂ
ＯＧ供給管の開閉弁を開くことにより、上記ＢＯＧ供給
管から導かれる高圧のＢＯＧによってドレンポット内の
ドレンを上記ドレン追出管およびＢＯＧドレン管を介し
て上記ＬＮＧ貯槽へ回収することを特徴とするものであ
る。

【０００８】請求項１〜３のいずれかに記載のＢＯＧ管
のドレン回収システムおよびこれを用いた請求項４に記
載のドレン回収方法によれば、通常開いている上記ドレ
ン回収管の開閉弁を介して、逐次ＢＯＧ管内のミスト分
に起因して発生するドレンを上記ドレンポット内に溜め
てゆき、このドレンポット内のドレンが所定のレベルに
達した際に、上記ドレン回収管の開閉弁を閉じて上記Ｂ
ＯＧ供給管の開閉弁を開くことにより、上記ＢＯＧ供給
管からの高圧のＢＯＧによって上記ドレンポット内のド
レンをＬＮＧ貯槽へ回収することができるため、上記Ｂ
ＯＧ管内に混入したミストやドレンによってＢＯＧ圧縮
機が損傷等を受けるといったおそれが解消される。

【０００９】この際に、特に請求項２に記載の発明によ
れば、上記連通管によってドレンポット内の圧力を常時
ＬＮＧ貯槽の内圧と等しくすることができ、よってドレ
ン管内のドレンを円滑に上記ドレンポット内に流下させ
ることができて好適である。ちなみに、この場合には、
ドレン回収時に開状態にある上記開閉弁を、ＢＯＧ供給
管の開閉弁を開いてドレンポット内のドレンを上記ドレ
ン追出管等を介して上記ＬＮＧ貯槽へ回収する際に閉じ
る。また、請求項３に記載の発明によれば、ドレンのレ
ベル検出器からの検出信号に基づいて、上記ドレン回収
管およびＢＯＧ供給管の開閉弁を遠隔で開閉操作するこ
とができるために、操作性が大幅に向上する。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は、本発明に係るＢＯＧ管の
ドレン回収システムの一実施形態を示すもので、図中符
号１がＬＮＧ貯槽である。このＬＮＧ貯槽１の上部に
は、内部で発生したＢＯＧを抜き出すためのＢＯＧ管２
が接続されており、当該ＢＯＧは、ＢＯＧ管２のＢＯＧ
圧縮機３で昇圧されて吐出側配管４から燃料ガス等とし
て供給されるようになっている。また、上記ＬＮＧ貯槽
１の上部には、内部圧力を他のＬＮＧ貯槽と共通圧力に
保持するためのベント管５が接続されている。そして、
上記ＢＯＧ圧縮機３の上流側に位置するＢＯＧ管２の底
部に、内部のドレンを流下させて抜き出すためのドレン
回収管１０の一端部が接続されており、当該ドレン回収
管１０の下端部は、開閉弁１１を介してドレンポット１
２に接続されている。このドレンポット１２には、上記
ドレン回収管１０を介して流入するドレンが一定のレベ
ルになった際に、図示されない中央操作室のパネルに高
レベルアラームを発するレベル検出器１３が取付けら
れ、さらにその底部には、手動の開閉弁１４を介して内
部のドレンを送り出すためのドレン追出管１５の一端部
が接続されている。そして、このドレン追出管１５の他
端部は、ＢＯＧドレンヘッダ（ＢＯＧドレン管）１６に
接続され、さらにこのＢＯＧドレンヘッダ１６は、上記
ＬＮＧ貯槽１へと配管されている。

【００１１】また、上記ＢＯＧ管２のＢＯＧ圧縮機３の
吐出側配管４には、これに枝配管されて上記ドレンポッ
ト１２の上部に接続されたドレン追出用のＢＯＧ供給管
１７が接続されており、このＢＯＧ供給管１７には、順
次ニードル弁１８および開閉弁１９が介装されている。
さらに、上記ドレンポット１２の上部には、内部の空間
を上記ＬＮＧ貯槽１のベント管５に連通させる連通管２
０が、開閉弁２１を介して接続されている。そして、上
記開閉弁１１、１９、２１は、それぞれ上記中央操作室
からの遠隔操作によって開閉することができるようにな
っている。

【００１２】次に、上記構成からなるＢＯＧ管のドレン
回収システムを用いた、本発明に係るドレン回収方法の
一実施形態について説明する。先ず、ドレン追出管１５
の開閉弁１４を手動で開状態にしておくとともに、通常
運転時には、上記ドレン回収管１０および連通管２０の
各開閉弁１１、２１を開き、かつ上記ＢＯＧ供給管１７
の開閉弁１９を閉じておく。すると、上記ドレンポット
１２内の圧力は、ＬＮＧ貯槽１の内圧と等しく保持さ
れ、上記ＢＯＧ管２内に混入したドレンは、上記ドレン
回収管１０を流下してドレンポット２内に溜められてゆ
く。

【００１３】そして、上記ドレンポット１２内のドレン
が所定のレベルに達すると、レベル検出器１３からの検
出信号によって中央操作室のパネルに高レベルアラーム
が発せられる。そこで、当該中央操作室からの遠隔操作
によって、上記ドレン回収管１０および連通管２０の開
閉弁１１、２１を閉じるとともに、上記ＢＯＧ供給管１
７の開閉弁１９を開く。すると、ＢＯＧ圧縮機３の吐出
側配管は、通常約９Kg/cm²の圧力に保持されているた
め、高圧のＢＯＧが上記ＢＯＧ供給管１７からニードル
弁１８を介してドレンポット１２内に導かれ、内部のド
レンをドレン追出管１５に押し出す。これにより、ドレ
ンポット１２内のドレンは、上記ドレン追出管１５から
ＢＯＧドレン管１６を介して上記ＬＮＧ貯槽１へと回収
される。このようにして、ドレンポット１２内のドレン
をＬＮＧ貯槽１に回収した後に、再び、上記ＢＯＧ供給
管１７の開閉弁１９を閉じるとともに、上記ドレン回収
管１０および連通管２０の開閉弁１１、２１を開くこと
により、上述したドレンの回収操作が繰り返される。

【００１４】このように、上記ＢＯＧ管のドレン回収シ
ステムおよびこれを用いたドレン回収方法によれば、通
常ドレンポット１２と連通しているドレン回収管１０を
介して、逐次ＢＯＧ管２内のミスト分に起因して発生す
るドレンをドレンポット１２内に溜めてゆき、このドレ
ンポット１２内のドレンが所定のレベルに達した際に、
上記ドレン回収管１０および連通管２０の開閉弁１１、
２１を閉じてＢＯＧ供給管１７の開閉弁１９を開くこと
により、上記ＢＯＧ供給管１７からの高圧のＢＯＧによ
って、速やかにドレンポット１２内のドレンをＬＮＧ貯
槽１へ回収することができるため、上記ＢＯＧ管２内に
混入したミストやドレンによってＢＯＧ圧縮機３が損傷
等を受けるおそれがない。

【００１５】また、上記ドレンポット１２に、ＬＮＧ貯
槽１のベント管５と連通する連通管２０を設けているの
で、ドレンをドレンポット１２に回収する際に、上記連
通管２０の開閉弁２１を開状態にしておくことにより、
ドレンポット１２内の圧力を常時ＬＮＧ貯槽１の内圧と
等しくすることができ、よって円滑にドレン回収管１０
からドレンポット１２へとドレンを流下させることがで
きる。さらに、レベル検出器１３から検出信号に基づく
高レベルアラームを中央操作室のパネルに点灯させ、か
つ上記ドレン回収管１０、ＢＯＧ供給管１７および連通
管２０に上記中央操作室から遠隔操作可能な開閉弁１
１、１９、２１をそれぞれ設けているので、上記高レベ
ルアラームに基づいて、即座に開閉弁１１、１９、２１
の開閉操作を行なうことができるために、ドレン回収時
の操作性を大幅に向上させることができる。

【００１６】なお、上記実施の形態においては、レベル
検出器１３による高レベルアラームに基づいて、上記開
閉弁１１、１９、２１を遠隔で開閉操作する場合につい
てのみ説明したが、これに限るものではなく、さらに制
御手段を用いて、レベル検出器１３からの検出信号と連
動して、自動的に上記開閉弁１１、１９、２１を同様に
開閉制御することも可能である。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１〜３のい
ずれかに記載のＢＯＧ管のドレン回収システムおよびこ
れを用いた請求項４に記載のドレン回収方法によれば、
ＢＯＧ管内のドレンをドレンポット内に溜めてゆき、こ
のドレンポット内のドレンが所定のレベルに達した際
に、ＢＯＧ供給管からの高圧のＢＯＧによって上記ドレ
ンポット内のドレンをＬＮＧ貯槽へ回収することができ
るため、上記ＢＯＧ管内に混入したミストやドレンによ
ってＢＯＧ圧縮機が損傷等を受けるといったおそれがな
い。

【００１８】また特に、請求項２に記載の発明によれ
ば、上記連通管によってドレンポット内の圧力を常時Ｌ
ＮＧ貯槽の内圧と等しくすることができて円滑なドレン
の回収を行なうことができるとともに、請求項３に記載
の発明によれば、ドレンのレベル検出器からの検出信号
に基づいて、上記ドレン回収管およびＢＯＧ供給管の開
閉弁を遠隔で開閉操作することができるために、操作性
が大幅に向上するといった効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＢＯＧ管のドレン回収システムの
一実施形態を示す概略構成図である。

【符号の説明】

１ ＬＮＧ貯槽 ２ ＢＯＧ管 ３ ＢＯＧ圧縮機 ４ 吐出側配管（ＢＯＧ圧縮機の吐出側） ５ ベント管 １０ ドレン回収管 １１、１９、２１ 開閉弁 １２ ドレンポット １３ レベル検出器 １４ 開閉弁 １５ ドレン追出管 １６ ＢＯＧドレンヘッダ（ＢＯＧドレン管） １７ ＢＯＧ供給管 ２０ 連通管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久野 泰志 神奈川県横浜市磯子区汐見台３−３−3308 (72)発明者 染谷 真之 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 １号 千代田化工建設株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＬＮＧ貯槽のＢＯＧ管に一端部が接続さ
   れて当該ＢＯＧ管内のドレンを抜き出すドレン回収管
   と、このドレン回収管の他端部が接続されて上記ドレン
   を貯留するドレンポットと、このドレンポットの底部に
   一端部が接続されるとともに他端部が上記ＬＮＧ貯槽へ
   上記ドレンを導くＢＯＧドレン管に接続されたドレン追
   出管と、上記ＢＯＧ管のＢＯＧ圧縮機の吐出側から枝配
   管されて上記ドレンポットの上部に接続されたドレン追
   出用のＢＯＧ供給管と、少なくとも上記ドレン回収管お
   よびＢＯＧ供給管にそれぞれ介装された開閉弁とを備え
   てなることを特徴とするＢＯＧ管のドレン回収システ
   ム。
2. 【請求項２】 上記ドレンポットには、内部の空間を上
   記ＬＮＧ貯槽のベント管に連通させる連通管が設けら
   れ、かつこの連通管に開閉弁が設けられていることを特
   徴とする請求項１に記載のＢＯＧ管のドレン回収システ
   ム。
3. 【請求項３】 上記開閉弁は、遠隔による開閉操作が可
   能な電磁開閉弁であり、かつ上記ドレンポットには、内
   部に貯留する上記ドレンのレベル検出器が設けられてい
   ることを特徴とする請求項１または２に記載のＢＯＧ管
   のドレン回収システム。
4. 【請求項４】 請求項１ないし３のいずれかに記載のド
   レン回収システムを用いて、先ず上記ドレン回収管の開
   閉弁を開くとともに、上記ＢＯＧ供給管の開閉弁を閉じ
   ることにより、上記ＢＯＧ管内のドレンを上記ドレン回
   収管を介してドレンポット内に貯留し、次いで当該ドレ
   ンポット内のドレンが所定のレベルに達した際に、上記
   ドレン回収管の開閉弁を閉じるとともに上記ＢＯＧ供給
   管の開閉弁を開くことにより、上記ＢＯＧ供給管から導
   かれる高圧のＢＯＧによってドレンポット内のドレンを
   上記ドレン追出管およびＢＯＧドレン管を介して上記Ｌ
   ＮＧ貯槽へ回収することを特徴とするドレン回収方法。