JPH10249273A - 帯電防止プラスチックプレートの製造方法 - Google Patents

帯電防止プラスチックプレートの製造方法

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JPH10249273A
JPH10249273A JP9063506A JP6350697A JPH10249273A JP H10249273 A JPH10249273 A JP H10249273A JP 9063506 A JP9063506 A JP 9063506A JP 6350697 A JP6350697 A JP 6350697A JP H10249273 A JPH10249273 A JP H10249273A
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JP
Japan
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radiation
curable
weight
parts
curable conductive
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Pending
Application number
JP9063506A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Nishimura
善雄 西村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布方式による高度帯電防止プラスチックプ
レートの製造方法であって、プラスチックプレートに変
形や歪みを与えることなく帯電防止塗膜を均質に、且
つ、強固に積層する。 【解決手段】 離型性を有するフィルム上に放射線硬化
型の導電性塗料を塗布、乾燥して放射線硬化性導電層を
形成し、該放射線硬化性導電層をプラスチックプレート
に積層し、然る後、放射線硬化性導電層に電離性放射線
を照射して硬化させることを特徴とする帯電防止プラス
チックプレートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止プラスチ
ックプレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハー保存容器の材料や、電子
部品、半導体等各種の極もしくは超微細加工を要する製
造工場における床材や壁材は、帯電による塵埃の付着、
これら塵埃の落下や再分散による2次汚染等を防止する
目的で、高度に帯電防止されたプラスチックプレートが
使用される。従来、上記目的に使用される帯電防止され
たプラスチックは、アルミニウム、亜鉛等の金属微粉
末、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物、導
電性カーボン粉末、導電性ポリアニリン粉末等からなる
導電性物質をプラスチックプレート等の成型品の表面に
薄く均一に塗布したり、プラスチックをシートやプレー
ト等の加工素材や半導体ウェハー保存容器の如き成型品
を成型する際に、プラスチック中に均質に練り込んでお
き、これらの導電性プラスチック組成物を押出成型や射
出成型によって成型して導電性プラスチック成形品を製
造していたのである。
【0003】しかし、上記プラスチック中に導電性物質
を均質に練り込んでおき、これらの導電性プラスチック
組成物を押出成型や射出成型によって成型した成型品
は、光線透過率を高めるために、練り込まれる導電性物
質の粒度を0.2μm以下の微粒子とする等、光学的に
工夫してはいるが、殆どの場合、プラスチック中に分散
した導電性物質によって著しく透明性が阻害されるもの
であった。
【0004】従って、高度に帯電防止され、且つ、透明
性に優れたプラスチックプレートを製造するためには、
帯電防止能を有する部分が表面部分に濃縮された塗布方
式が採用され、上記帯電防止能を有する塗膜が透光性を
保持するため極めて薄い層で形成される。従って、極端
な厚さのバラツキが発生して帯電防止能にバラツキが発
生することのないように塗膜の厚さの精度を高める必要
があった。
【0005】上記の如き導電性樹脂シートとその製造方
法として、特開平6−263899号公報に、熱可塑性
樹脂と導電性材料とから成る塗料を熱可塑性樹脂離型フ
ィルムの表面に塗布し硬化させて導電性塗膜を形成し、
次いで、当該離型フィルムを、その塗膜面を熱可塑性樹
脂の基材シートの表面に対面させて当該樹脂基材シート
と熱圧着する導電性樹脂シートの製造方法、上記導電性
材料がポリアニリンである導電性樹脂シートの製造方法
及び上記熱可塑性樹脂と導電性ポリアニリンとから成る
導電性塗膜層が、熱可塑性樹脂基材シートの表面に、熱
圧一体に積層形成されてなる導電性樹脂シートが開示さ
れている。
【0006】しかし、上記特開平6−263899号公
報に開示された導電性樹脂シートの製造方法では、導電
性塗膜層を熱可塑性樹脂基材シートの表面に、熱圧一体
に積層するためには、導電性塗膜層を相当高温に加熱し
なければ熱可塑性樹脂基材シートの表面に密着させるこ
とができず、従って、このような高温に加熱して熱圧す
ると熱可塑性樹脂基材シートが熱変形してしまうという
問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の事実
に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、塗布方式による高度帯電防止プラスチックプレート
の製造方法であって、プラスチックプレートに変形や歪
みを与えることなく帯電防止塗膜を均質に、且つ、強固
に積層することのできる帯電防止プラスチックプレート
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、離型性を有するフィルム上に放射線硬化型の導電性
塗料を塗布、乾燥して放射線硬化性導電層を形成し、該
放射線硬化性導電層をプラスチックプレートに積層し、
然る後、放射線硬化性導電層に電離性放射線を照射して
硬化させることを特徴とする帯電防止プラスチックプレ
ートの製造方法をその要旨とするものである。
【0009】請求項1記載の発明において用いられる放
射線硬化型の導電性塗料は、(a)放射線硬化性樹脂、
(b)導電性粉末、(c)アルキル(メタ)アクリレー
ト系重合体を構成成分とする。
【0010】上記放射線硬化性樹脂は、α線、β線、γ
線、X線等の電離性放射線で架橋し、硬化するものであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、分子内に
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する
(メタ)アクリレート化合物、不飽和ポリエステル、ジ
アリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等
が挙げられる。
【0011】上記分子内に少なくとも2個以上の(メ
タ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合
物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ
(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチ
ル)−イソシアヌル酸エステル(メタ)アクリレート、
2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニ
ル〕プロパン、3−フェノキシ−2−プロパノイルアク
リレート、1,6−ビス(3−アクリロキシ−2−ヒド
ロキシプロピル)−ヘキシルエーテル、テトラメチロー
ルメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】又、上記(メタ)アクリレート化合物以外
に、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレー
トも好適に使用される。即ち、これらの分子内にウレタ
ン結合を有する(メタ)アクリレートの少なくとも1種
の添加は、得られる導電層の耐擦傷性を高める等の好ま
しい性能を付与する。上記分子内にウレタン結合を有す
る(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリ
スリトールアクリレートヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロン
ジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ートトリレンジイソシアネート等のウレタンプレポリマ
ー等が挙げられる。
【0013】又、更に、上記(メタ)アクリレート化合
物以外に、分子内にエステル結合を有し、且つ、分子内
に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
るポリエステル(メタ)アクリレートも好適に使用され
る。即ち、これらのポリエステル(メタ)アクリレート
の少なくとも1種の添加は、得られる導電層を構成する
放射線硬化性樹脂を高度に架橋し、該導電層の硬度と耐
擦傷性を高める等の好ましい性能を付与する。
【0014】上記不飽和ポリエステル樹脂としては、特
に限定されるものではないが、例えば、不飽和多塩基性
酸又はその無水物と多価アルコールを反応して得られる
不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解した通常の不
飽和ポリエステル樹脂を用いることができる。上記不飽
和多塩基性酸又はその無水物としては、例えば、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、カービ
ック酸、無水カービック酸等が挙げられ、必要に応じて
無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、モノクロ
ロフタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸等の飽
和多塩基性酸を添加してもよい。就中、耐熱水性を高め
るためには、イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂、
ビスフェノールA系不飽和ポリエステル樹脂等が好適に
使用される。
【0015】一方、多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレン
グリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
等のグリコール類やグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール等
が挙げられる。
【0016】上記不飽和ポリエステルは、分子内に二重
結合を含有する重合性単量体に溶解して用いられる。上
記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルト
ルエン、ジビニルベンゼン、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチルメタクリレート等が好適に用いられる。
【0017】上記不飽和ポリエステル樹脂を硬化させる
ために、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物やア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等の硬化剤が
用いられる。上記硬化剤に必要に応じて、例えば、ナフ
テン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクテン酸コバ
ルト等の金属石鹸類、ジメチルアニリン等の芳香族第三
級アミン類、ジメチルベンジルアンモニウムクロライド
等の第四級アンモニウム塩類等の硬化促進剤を併用して
もよい。
【0018】上記エポキシ樹脂としては、特に限定され
るものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹
脂等が好適に用いられる。上記エポキシ樹脂を硬化させ
るために、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、メタフェニレンジアミン等のアミン類、
ポリアミン類、ポリアミド類、無水フタル酸、テトラハ
イドロフタル酸酸無水物、ヘキサハイドロフタル酸酸無
水物等の酸無水物、多硫化物等からなる硬化剤が好適に
用いられる。
【0019】上記ウレタン樹脂としては、特に限定され
るものではないが、例えば、ポリオールと分子内に2個
以上のイソシアネート基を有する化合物とを付加重合す
る公知の方法で製造されるウレタン樹脂が用いられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン
等の短鎖のジオール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、並
びに、アジピン酸とエチレングリコール、アジピン酸と
プロパンジオール、アジピン酸とブタンジオール、アジ
ピン酸とペンタンジオール、アジピン酸とヘキサンジオ
ールとの縮合ポリエステルグリコール等の長鎖のジオー
ル等が挙げられる。上記ポリオールの内、短鎖のジオー
ルは、得られる導電層の表面高度を高めることができる
ので好適に用いられる。
【0020】分子内に2個以上のイソシアネート基を有
する化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、トル
エンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メ
チレンジシクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられ
る。これらの熱硬化性樹脂は、(メタ)アクリレート化
合物単独で用いられてもよいが、(メタ)アクリレート
化合物と不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂等が併用されてもよい。
【0021】上記導電性粉末は、透光性を著しく阻害す
るものでなければ特に限定されるものではなく、無機質
の導電性粉末、有機質の導電性粉末から適宜選択使用さ
れる。上記無機質の導電性粉末として、例えば、粒子の
表面もしくは粒子全体が酸化錫成分からなる導電性粉
末、上記酸化錫成分に酸化アンチモン成分0.1〜20
重量%を添加した導電性粉末等が挙げられる。上記酸化
錫成分からなる導電性粉末は、高い導電性を示すが、粒
子径が大きくなると可視光線を散乱し、得られる導電性
塗膜の透明性が低下するので、その粒子径は0.4μm
以下であることが望ましい。しかし、硫酸バリウム等の
透明性を有する粒子の表面に酸化錫をコーティングした
導電性粉末の場合には、上記可視光線の散乱は少ないの
で、その粒子径は0.4μm以上であってもよい。
【0022】酸化アンチモン含有酸化錫を硫酸バリウム
等の透明性を有する粒子の表面にコーティングした導電
性粉末は、その高い透明性から好適に使用される。上記
酸化アンチモン含有酸化錫を硫酸バリウム粒子の表面に
コーティングした導電性粉末の粒子径は、0.01〜2
μmの範囲で好適に使用される。上記粒子径が0.01
μm未満である場合、必要な導電性を示す厚さに形成さ
れた導電性塗膜において、芯材である硫酸バリウム粒子
の体積比率が小さくなり、該導電性塗膜の透明性が低下
する。又、上記粒子径が2μmを超えると、形成される
導電性塗膜の平滑性が低下し、充填された導電性粉末間
に微小な空気孔が生じ、導電性塗膜が曇り、その透明性
を低下させる。
【0023】上記無機質の導電性粉末の配合量は、放射
線硬化性樹脂100重量部に対し100〜500重量部
が好ましい。上記配合量が100重量部未満である場
合、形成される導電性塗膜の導電性が低下し、必要な帯
電防止効果が得られず、又、上記配合量が500重量部
を超えると、形成される導電性塗膜の透明性が低下す
る。
【0024】上記有機質の導電性粉末として、例えば、
アニリン系重合体、ピロール系重合体、チオフェン系重
合体等の導電性粉末が挙げられる。就中、導電性アニリ
ン系重合体は、熱安定性に優れることから好適に使用さ
れる。上記導電性アニリン系重合体の配合量は、放射線
硬化性樹脂100重量部に対し0.1〜30重量部が好
ましい。上記配合量が0.1重量部未満である場合、形
成される導電性塗膜の導電性が低下し、必要な帯電防止
効果が得られず、又、上記配合量が30重量部を超える
と、形成される導電性塗膜の透明性が低下する。
【0025】上記アルキル(メタ)アクリレート系重合
体は、本発明において用いられる放射線硬化型の導電性
塗料において、導電性粉末を均一に分散させるための分
散剤として作用するものであり、アルキル(メタ)アク
リレートの単独重合体及び/又は共重合体である。上記
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。上記アルキル(メタ)アクリレートの
単独重合体及び共重合体の製造方法は特に限定されるも
のではなく、例えば、一般に用いられる溶液重合法、乳
化重合法、懸濁重合法、塊状重合法によって重合され
る。
【0026】上記アルキル(メタ)アクリレートの単独
重合体及び共重合体の分子量は、小さくなると、増粘の
効果が発現せず塗工性に劣り、又、大き過ぎると放射線
硬化型の導電性塗料の粘度が高くなり過ぎ塗工性に劣る
ので、10万〜100万程度、好ましくは30万〜80
万である。
【0027】上記アルキル(メタ)アクリレート系重合
体の配合量は、放射線硬化性樹脂100重量部に対し、
好ましくは10〜100重量部、より好ましくは30〜
80重量部である。上記アルキル(メタ)アクリレート
系重合体の配合量が放射線硬化性樹脂100重量部に対
し10重量部未満であると、放射線硬化型の導電性塗料
の各成分が均一に分散せず、増粘の効果も得られないの
で、該放射線硬化型の導電性塗料の塗工性に劣り、且
つ、得られる導電層の透明性も低下する。又、上記配合
量が100重量部を超えると、得られる導電層の耐擦傷
性が低下する。
【0028】上記放射線硬化型の導電性塗料は、放射線
硬化性樹脂、導電性粉末の他、必要に応じて、有機溶
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤等が添加
されてもよい。
【0029】上記有機溶剤は、特に限定されるものでは
ないが、沸点が低いもの、もしくは揮発性の高いものは
塗工中に蒸発により放射線硬化型の導電性塗料粘度が変
化するという問題があり、高沸点のものでは乾燥工程に
時間を要するので、沸点70〜160℃程度のものが好
ましい。上記有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサ
ノン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチル
セロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル
(エチルセロソルブ)、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、酢酸ブチル、イソプロピルアセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソプロピルケトン、トルエン、
キシレン、アニソール等が挙げられる。
【0030】上記紫外線吸収剤としては、特に限定され
るものではないが、例えば、サリチル酸系紫外線吸収
剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤
等が挙げられる。上記酸化防止剤としては、例えば、フ
ェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、イオウ系
酸化防止剤等が挙げられる。上記重合禁止剤としては、
例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール等が挙
げられる。
【0031】又、導電性粉末のバインダーとして使用さ
れる熱可塑性樹脂への分散性を向上させるために上記導
電性粉末を予め、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、アルミネートカップリング剤等で表面処理を
行っておくことも有効である。
【0032】上記放射線硬化型の導電性塗料の調製は、
上記アルキル(メタ)アクリレート系重合体、導電性粉
末を有機溶剤に加えて混合した後、(メタ)アクリレー
ト化合物、放射線硬化性樹脂、硬化触媒等を加えて更に
混合して行われる。上記混合には、微粉末を充分に分散
させるため、例えば、サンドミル、ボールミル、アトラ
イター、高速回転攪拌装置、3本ロール等の混合装置が
用いられる。
【0033】本発明において、上記放射線硬化型の導電
性塗料を塗布・乾燥させる手段は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、溶液キャスティング法によって上
記放射線硬化型の導電性塗料をプラスチックフィルム上
に形成させる方法が採られてもよい。
【0034】上記放射線硬化型の導電性塗料を塗布・乾
燥等の工程で用いられるプラスチックフィルムとして
は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオ
レフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートの如き
ポリエステルフィルムが挙げられる。上記透明なプラス
チックフィルムは、1軸もしくは2軸の延伸処理が施さ
れたものであってもよく、必要に応じて表面離型処理が
施されたものであってもよい。
【0035】上記プラスチックフィルム上に上記放射線
硬化型の導電性塗料が塗工されるが、採られる塗工方法
としては、精密塗工ができる方法であれば特に限定され
るものではないが、例えば、スプレー法、バーコート
法、ドクターブレード法、ロールコート法、ディッピン
グ法等が挙げられる。
【0036】上記プラスチックフィルム上に形成される
導電層の厚さは、好ましくは0.5〜5μmである。上
記導電層の厚さが0.5μm未満であると、導電性が不
充分となり、必要な帯電防止効果が得られない。又、上
記導電層の厚さが5μmを超えると、全光線透過率が低
下し、透明性が低下する。
【0037】上記プラスチックフィルム上に形成された
放射線硬化型の導電性塗料層の乾燥及び硬化の工程にお
いて用いられる加熱手段は、特に限定されるものではな
いが、例えば、熱風加熱、マイクロ波を照射するマイク
ロ波加熱、赤外線ヒーターで加熱する赤外線加熱等が挙
げられ、特に、赤外線加熱は上記導電性塗料の塗膜層を
均一に安定して加熱できるので、好適に用いられる。こ
れらの加熱手段は、単独もしくは併用して用いられても
よい。上記加熱温度は、低温に過ぎると放射線硬化性導
電層とプラスチックプレートの積層時の密着性が不充分
となり、高温に過ぎると放射線硬化性導電層が変形する
ので、好ましくは40〜130℃、より好ましくは50
〜100℃である。
【0038】本発明で用いられる上記プラスチックプレ
ートとしては、特に限定されるものではないが、例え
ば、塩化ビニル(PVC)系樹脂、ポリカーボネート
(PC)樹脂、ポリメタクリレート(アクリル)系樹
脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹
脂、ポリサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテ
ルイミド樹脂、フッ素樹脂等のプラスチックから成型さ
れたプレート及びシートが挙げられる。
【0039】上記放射線硬化性導電層とプラスチックプ
レートを積層する手段は、特に限定されるものではない
が、例えば、加熱・加圧ロールによる積層装置や熱プレ
ス装置等の積層手段を用いることができる。
【0040】又、上記放射線硬化性導電層の硬化の工程
において用いられる放射線照射手段は、特に限定される
ものではないが、例えば、β線(電子線)照射装置等が
挙げられる。上記照射線量は、少なくなると架橋密度が
低くなり、得られる導電層の表面硬度が低下し、多くな
ると得られる導電層が着色する等光学特性を低下させる
ので、通常1〜20Mrad程度が好ましく、より好ま
しくは5〜10Mradである。
【0041】請求項2記載の発明は、離型性を有するフ
ィルム上に放射線硬化型の導電性塗料を塗布、乾燥して
放射線硬化性導電層を形成し、該放射線硬化性導電層に
電離性放射線を照射し、硬化させて導電層を形成し、該
導電層を接着剤層を介してプラスチックプレートに積層
することを特徴とする帯電防止プラスチックプレートの
製造方法をその要旨とする。
【0042】請求項2記載の発明において用いられる放
射線硬化型の導電性塗料、塗工手段、電離性放射線照射
手段並びにプラスチックプレートは、いずれも請求項1
記載の発明において用いられたものが同様に用いられ
る。
【0043】上記導電層は、プラスチックプレートに重
ね合わされて積層されるが、上記積層手段は、請求項1
記載の発明において用いられた手段が同様に用いられ
る。
【0044】上記導電層とプラスチックプレートとの間
に接着剤層を介して積層される。上記接着剤層に用いら
れる接着剤は、透光性ないしは透明性を阻害しないもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば、軟化点
が50〜100℃の飽和ポリエステル樹脂からなる透明
樹脂接着剤、光硬化型接着剤等が挙げられる。上記飽和
ポリエステル樹脂は、数種の多価カルボン酸と数種の多
価アルコールの共重合体からなり、例えば、「飽和ポリ
エステル樹脂ハンドブック」(日刊工業社発行、198
9年)等の刊行物にも紹介されている。
【0045】上記多価カルボン酸としては、例えば、テ
レフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ダデカンジオン酸等の脂肪
族ジカルボン酸等が挙げられ、多価アルコールとして
は、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げら
れる。
【0046】このような飽和ポリエステル樹脂として
は、例えば、東レ社製、商品名「ケミット」、東洋紡績
社製、商品名「バイロン」、グッドイヤー社製、商品名
「バイテル」等の市販品がある。上記飽和ポリエステル
樹脂の軟化点が50℃未満では、粘着性を帯びて取扱い
にくく、150℃を超えると、上記導電層とプラスチッ
クプレートとの積層温度が高くなって、導電層とプラス
チックプレート等の熱変形のおそれがあるため、軟化点
は50〜150℃の範囲にある上記飽和ポリエステル樹
脂が用いられる。尚、ここでいう軟化点とは、JIS
K 2207に規定する環球法により測定された軟化点
である。
【0047】上記接着剤には、必要に応じ、有機溶剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。上記
有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤は、いずれも請求
項1記載の発明において放射線硬化型導電性塗料に用い
られるものが同様に用いられる。
【0048】上記接着剤層は、塗工法その他の方法によ
って直接プラスチックプレート上もしくは導電層上に設
けられてもよいが、離型処理されたプラスチックフィル
ム等の離型性を有する工程紙上に接着剤層を設け、これ
をプラスチックプレート上もしくは導電層上に転写して
設けられてももよい。
【0049】上記接着剤層の厚さは、好ましくは0.5
〜10μmである。上記厚さが0.5μm未満である
と、接着性が不充分となり、必要な接着効果が得られな
い。又、10μmを超えると、全光線透過率が低下し、
透明性が低下する。
【0050】又、上記接着剤を塗工してプラスチックプ
レート、導電層もしくは工程紙上に接着剤層形成する手
段は、精密塗工ができる方法であれば特に限定されるも
のではないが、例えば、スプレー法、バーコート法、ド
クターブレード法、ロールコート法、ディッピング法等
が挙げられる。
【0051】上記上記光硬化型接着剤は、塗工性が良好
であり、光重合によって上記導電層とプラスチックプレ
ートを強固に接着し得るものであれば特に限定されるも
のではないが、例えば、光重合性モノマーないしはオリ
ゴマーと、該光重合性モノマーないしはオリゴマーの塗
工性を調整するための有機高分子重合体及び光重合開始
剤からなる光重合性樹脂組成物が好適に用いられる。
【0052】上記光重合性モノマーないしはオリゴマー
としては、例えば、請求項1記載の発明において放射線
硬化型導電性塗料等に用いられた(メタ)アクリレート
化合物が同様に用いられる。これらの光重合性モノマー
ないしはオリゴマーは、単独で用いられてもよいが、2
種以上が併用されてもよい。
【0053】又、上記有機高分子重合体としては、例え
ば、α,β−不飽和エチレン系モノマーを構成成分とす
るものが好適に用いられる。上記α,β−不飽和エチレ
ン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジ
メチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−
オクチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニ
ルスチレン、3,4−ジメチルクロルスチレン等のスチ
レン類、α−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン
類、エチレン、プロピレン、ブチレン又はC5 〜C30及
びC30を超えるα−オレフィン類、塩化ビニル、臭化ビ
ニル等のハロゲン化ビニル類、ビニルアセテート、ビニ
ルプロピオネート、ビニルブチレート等のビニルエステ
ル類、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル
(メタ)アクリレート、メチル−α−クロロ(メタ)ア
クリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
レート類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニル
エチルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロー
ル、N−ビニルインドール等のN−ビニル化合物、(メ
タ)アクリルニトリル、(メタ)アクリル酸アミド等が
挙げられる。
【0054】これらのα,β−不飽和エチレン系モノマ
ーは、単独でホモポリマーとされてもよいが、2種以上
を用いてコポリマーとされてもよい。上記のホモポリマ
ーもしくはコポリマーからなる有機高分子重合体の重量
平均分子量は、小さ過ぎると、コールドフローを起こし
易くなり、これを用いて表面離型処理されたプラスチッ
クフィルム上に光重合性接着剤層を形成してロール状に
巻回して一時貯留する場合、該光重合性接着剤層に皺が
入り、使用できなくなるおそれがあり、逆に、大き過ぎ
ると、塗工時の光重合性樹脂組成物の溶液粘度が高くな
り塗工ムラが発生するおそれがあるので、2万〜100
万、好ましくは5万〜50万程度に設定される。
【0055】上記光重合性モノマーないしはオリゴマー
と有機高分子重合体の配合量は、好ましくは有機高分子
重合体100重量部に対し、光重合性モノマーないしは
オリゴマー10〜250重量部、より好ましくは30〜
200重量部である。
【0056】又、上記光重合開始剤は、紫外線、可視光
線等の活性光線により、上記光重合性モノマーないしは
オリゴマーの重合を開始し得るものであれば特に限定さ
れるものではないが、紫外線で活性化するものとして、
例えば、ソジウムメチルチオカーバメイトサルファイ
ド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、ジフェニ
ルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファ
イド及びジサルファイド等のサルファイド類、チオキサ
ントン、エチルチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキ
サントン等のチオキサントン及びチオキサントン誘導
体、ヒドラゾン、アゾイソブチロニトリル、ベンゼンジ
アゾニウム等のジアゾ化合物、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルア
ミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ゼンジルアント
ラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアン
トラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノア
ントラキノン、2−クロロアントラキノン、ベンジルジ
メチルケタール、メチルフェニルグリオキシレート等の
芳香族カルボニル化合物、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケ
トン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジ
メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体、4
−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソプロ
ピル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル等のジメチル
アミノ安息香酸エステル類、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、キュメンハイドロパーオキサイド等の過酸化
物、9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニ
ルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズ
アクリジン等のアクリジン誘導体、9,10−ジメチル
ベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10
−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導体、
4,4’,4’’−トリメトキシ−2,3−ジフェニル
キノキサリン等のキノキサリン誘導体、2,4,5−ト
リフェニルイミダゾイル二量体、ハロゲン化ケトン、ア
シルホスフィンオキシド、アシルホスフォナート等のア
シル化リン化合物等が挙げられる。
【0057】又、可視光線で活性化するものとして、例
えば、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリス(ト
リクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’
−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトン等が挙
げられる。
【0058】上記光重合開始剤の酸素阻害による感度低
下を防止するために、例えば、トリエタノールアミン、
メチルジエタノールアミン等の脂肪族アミンや芳香族ア
ミン等の不揮発性のアミン化合物を添加してもよい。更
に、上記ジアルキルアミノ安息香酸エステル類、ミヒラ
ーケトン等のアミノ基を含有する光重合開始剤も上記ア
ミン化合物と同様に酸素阻害防止剤として使用可能であ
る。
【0059】上記光重合開始剤の添加量は、少なくなる
と光重合速度が低下して得られる光重合性接着剤層の硬
化が不充分となり、逆に、一定量を超えて多くなっても
光重合速度が飽和状態となってそれ以上に速くならない
ので、上記光重合性モノマーないしはオリゴマー100
重量部に対し、0.01〜10重量部程度である。上記
光重合性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤等が添加されてもよ
い。
【0060】上記有機溶剤は、沸点が低いものないしは
揮発性の高いものは塗工中に蒸発により光重合性樹脂組
成物粘度を変化させるという問題があり、沸点が高いも
のは乾燥工程に時間を要するので、その沸点が70〜1
60℃程度のものが好適に使用される。上記有機溶剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤等としては、特
に限定されるものではないが、前記放射線硬化型導電性
塗料に用いた有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重
合禁止剤等が同様に好適に用いられる。
【0061】上記プラスチックフィルム上に光重合性接
着剤層を形成する手段は、精密塗工ができる方法であれ
ば特に限定されるものではないが、例えば、請求項1記
載の発明において用いられた塗工手段等が同様に用いら
れる。
【0062】上記プラスチックプレート、プラスチック
フィルム及び導電層上に形成される光重合性接着剤層の
厚さは、好ましくは0.5〜10μmである。上記光重
合性接着剤層の厚さが0.5μm未満であると、接着性
が不充分となり、必要な接着効果が得られない。又、上
記光重合性接着剤層の厚さが10μmを超えると、全光
線透過率が低下し、透明性が低下する。
【0063】用いられた光重合性接着剤を光硬化させる
ための活性光線は、紫外線又は可視光線等が使用され
る。上記活性光線の光源としては、例えば、高圧水銀ラ
ンプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ
ー、He−Cdレーザー、Arレーザー等が用いられ
る。
【0064】上記活性光線の照射量は、少なくなると光
重合性接着剤層の硬化が不充分となって、塗膜強度が低
下し、接着強度を低下させ、且つ、導電層の表面硬度を
低下させる。又、上記活性光線の照射量が多くなると、
得られる接着剤層の着色が強くなって透明性が低下する
ので、365nmでの積算露光量として50〜5000
mJ/cm2 程度が好ましい。
【0065】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて、本発明の
実施の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実
施例のみに限定されるものではない。
【0066】(実施例1) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「DP
HA」)100重量部、導電性粉末(三菱マテリアル社
製、商品名「T−1」)300重量部、ポリメチルメタ
クリレート(根上工業社製、商品名「ハイパールHP
A」)50重量部、メチルエチルケトン200重量部及
びシクロヘキサノン800重量部をアトライターを用い
て8時間攪拌分散させて放射線硬化型導電性塗料Aを調
製した。
【0067】厚さ25μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(帝人社製、商品名「テトロンフィルムHP
7」、以下、PETフィルムと略称する。)上に上記放
射線硬化型導電性塗料Aをバーコーターを用いて乾燥後
の膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥して放射線硬化
性導電層を形成した(第1工程)。得られた放射線硬化
性導電層を厚さ3mmの透明アクリル樹脂プレートに重
ね合わせ、温度120℃に加熱された圧着ロールを用い
て圧力4kg/cm2 で熱圧着し、透明アクリル樹脂プ
レート/放射線硬化性導電層/PETフィルム積層体を
作製した(第2工程)。上記積層体の放射線硬化性導電
層にβ線(電子線)を5Mrad照射して硬化させ導電
層を形成した(第3工程)。最後に、導電層の表面を覆
っているPETフィルムを剥離して(第4工程)帯電防
止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0068】(実施例2) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕放射線硬化型導電性
塗料Aの導電性粉末を三菱マテリアル社製、商品名「T
−1」300重量部から三井金属社製、商品名「パスト
ランType−IV」300重量部に変更したこと以
外、放射線硬化型導電性塗料Aと同様にして放射線硬化
型導電性塗料Bを調製した。実施例1の放射線硬化型導
電性塗料Aに替え、上記放射線硬化型導電性塗料Bを用
いたこと以外、実施例1と同様にして帯電防止透明アク
リル樹脂プレートを作製した。
【0069】(実施例3) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「DP
HA」)100重量部、導電性粉末(アライドシグナル
社製、商品名「Versicon」、アニリン重合体粉
末)15重量部、ポリメチルメタクリレート(根上工業
社製、商品名「ハイパールHPA」)50重量部、メチ
ルエチルケトン80重量部及びシクロヘキサノン320
重量部をアトライターを用いて8時間攪拌分散させて放
射線硬化型導電性塗料Cを調製した。実施例1の放射線
硬化型導電性塗料Aに替え、上記放射線硬化型導電性塗
料Cを用いたこと以外、実施例1と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0070】(実施例4) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕6官能ウレタンアク
リレート(共栄社油脂化学社製、商品名「UA−306
T」)100重量部、導電性粉末(三菱マテリアル社
製、商品名「T−1」)300重量部、ポリメチルメタ
クリレート(根上工業社製、商品名「ハイパールHP
A」)50重量部、メチルエチルケトン200重量部及
びシクロヘキサノン800重量部をアトライターを用い
て8時間攪拌分散させて放射線硬化型導電性塗料Dを調
製した。実施例1の放射線硬化型導電性塗料Aに替え、
上記放射線硬化型導電性塗料Dを用いたこと以外、実施
例1と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレートを
作製した。
【0071】(実施例5) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕放射線硬化型導電性
塗料Dの導電性粉末を三菱マテリアル社製、商品名「T
−1」300重量部から三井金属社製、商品名「パスト
ランType−IV」300重量部に変更したこと以
外、放射線硬化型導電性塗料Dと同様にして放射線硬化
型導電性塗料Eを調製した。実施例4の放射線硬化型導
電性塗料Dに替え、上記放射線硬化型導電性塗料Eを用
いたこと以外、実施例4と同様にして帯電防止透明アク
リル樹脂プレートを作製した。
【0072】(実施例6) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕6官能ウレタンアク
リレート(共栄社油脂化学社製、商品名「UA−306
T」)100重量部、導電性粉末(アライドシグナル社
製、商品名「Versicon」、アニリン重合体粉
末)15重量部、ポリメチルメタクリレート(根上工業
社製、商品名「ハイパールHPA」)50重量部、メチ
ルエチルケトン80重量部及びシクロヘキサノン320
重量部をアトライターを用いて8時間攪拌分散させて放
射線硬化型導電性塗料Fを調製した。実施例1の放射線
硬化型導電性塗料Aに替え、上記放射線硬化型導電性塗
料Fを用いたこと以外、実施例1と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0073】(実施例7) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ポリエステルアクリ
レート(東亜合成化学工業社製、商品名「M−905
0」)100重量部、導電性粉末(三菱マテリアル社
製、商品名「T−1」)300重量部、ポリメチルメタ
クリレート(根上工業社製、商品名「ハイパールHP
A」)50重量部、メチルエチルケトン200重量部及
びシクロヘキサノン800重量部をアトライターを用い
て8時間攪拌分散させて放射線硬化型導電性塗料Gを調
製した。実施例1の放射線硬化型導電性塗料Aに替え、
上記放射線硬化型導電性塗料Gを用いたこと以外、実施
例1と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレートを
作製した。
【0074】(実施例8) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕放射線硬化型導電性
塗料Gの導電性粉末を三菱マテリアル社製、商品名「T
−1」300重量部から三井金属社製、商品名「パスト
ランType−IV」300重量部に変更したこと以
外、放射線硬化型導電性塗料Gと同様にして放射線硬化
型導電性塗料Hを調製した。実施例7の放射線硬化型導
電性塗料Gに替え、上記放射線硬化型導電性塗料Hを用
いたこと以外、実施例7と同様にして帯電防止透明アク
リル樹脂プレートを作製した。
【0075】(実施例9) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ポリエステルアクリ
レート(東亜合成化学工業社製、商品名「M−905
0」)100重量部、導電性粉末(アライドシグナル社
製、商品名「Versicon」、アニリン重合体粉
末)15重量部、ポリメチルメタクリレート(根上工業
社製、商品名「ハイパールHPA」)50重量部、メチ
ルエチルケトン80重量部及びシクロヘキサノン320
重量部をアトライターを用いて8時間攪拌分散させて放
射線硬化型導電性塗料Jを調製した。実施例1の放射線
硬化型導電性塗料Aに替え、上記放射線硬化型導電性塗
料Jを用いたこと以外、実施例1と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0076】(実施例10) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「DP
HA」)100重量部、導電性粉末(三菱マテリアル社
製、商品名「T−1」)120重量部、ポリメチルメタ
クリレート(根上工業社製、商品名「ハイパールHP
A」)50重量部、メチルエチルケトン120重量部及
びシクロヘキサノン480重量部をアトライターを用い
て8時間攪拌分散させて放射線硬化型導電性塗料Kを調
製した。実施例1の放射線硬化型導電性塗料Aに替え、
上記放射線硬化型導電性塗料Kを用いたこと以外、実施
例1と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレートを
作製した。
【0077】(実施例11) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「DP
HA」)100重量部、導電性粉末(三菱マテリアル社
製、商品名「T−1」)450重量部、ポリメチルメタ
クリレート(根上工業社製、商品名「ハイパールHP
A」)50重量部、メチルエチルケトン280重量部及
びシクロヘキサノン1120重量部をアトライターを用
いて8時間攪拌分散させて放射線硬化型導電性塗料Lを
調製した。実施例1の放射線硬化型導電性塗料Aに替
え、上記放射線硬化型導電性塗料Lを用いたこと以外、
実施例1と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレー
トを作製した。
【0078】(実施例12) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「DP
HA」)100重量部、導電性粉末(アライドシグナル
社製、商品名「Versicon」、アニリン重合体粉
末)0.5重量部、ポリメチルメタクリレート(根上工
業社製、商品名「ハイパールHPA」)50重量部、メ
チルエチルケトン70重量部及びシクロヘキサノン28
0重量部をアトライターを用いて8時間攪拌分散させて
放射線硬化型導電性塗料Mを調製した。実施例1の放射
線硬化型導電性塗料Aに替え、上記放射線硬化型導電性
塗料Mを用いたこと以外、実施例1と同様にして帯電防
止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0079】(実施例13) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「DP
HA」)100重量部、導電性粉末(アライドシグナル
社製、商品名「Versicon」、アニリン重合体粉
末)27重量部、ポリメチルメタクリレート(根上工業
社製、商品名「ハイパールHPA」)50重量部、メチ
ルエチルケトン80重量部及びシクロヘキサノン340
重量部をアトライターを用いて8時間攪拌分散させて放
射線硬化型導電性塗料Nを調製した。実施例1の放射線
硬化型導電性塗料Aに替え、上記放射線硬化型導電性塗
料Nを用いたこと以外、実施例1と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0080】(比較例1)実施例1の放射線硬化型導電
性塗料Aを用いて、実施例1と同様にしてPETフィル
ム上に放射線硬化型導電層を形成した。次いで、上記放
射線硬化型導電層にβ線(電子線)を5Mrad照射
し、硬化させて厚さ2μmの導電層を形成した。次に、
上記導電層を、実施例1で用いた厚さ3mmの透明アク
リル樹脂プレートに積層し、温度120℃に加熱された
圧着ロールによって圧力4kg/cm2で熱圧着して、
透明アクリル樹脂プレート/導電層/PETフィルム積
層体を作製した。最後に上記積層体の導電層表面からP
ETフィルムを剥離して帯電防止透明アクリル樹脂プレ
ートを作製した。
【0081】(比較例2) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕実施例1の導電性粉
末の配合量を300重量部から80重量部に減量し、こ
れに従って溶剤のメチルエチルケトン200重量部を1
00重量部に、シクロヘキサノン800重量部を400
重量部に各々減量したこと以外、放射線硬化型導電性塗
料Aと同様にして放射線硬化型導電性塗料Pを調製し
た。実施例1の放射線硬化型導電性塗料Aに替え、上記
放射線硬化型導電性塗料Pを用いたこと以外、実施例1
と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製
した。
【0082】(比較例3) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕実施例1の導電性粉
末の配合量を300重量部から550重量部に増量し、
これに従って溶剤のメチルエチルケトン200重量部を
460重量部に、シクロヘキサノン800重量部を18
60重量部に各々増量したこと以外、放射線硬化型導電
性塗料Aと同様にして放射線硬化型導電性塗料Qを調製
した。実施例1の放射線硬化型導電性塗料Aに替え、上
記放射線硬化型導電性塗料Qを用いたこと以外、実施例
1と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作
製した。
【0083】(比較例4) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕実施例3で用いた放
射線硬化型導電性塗料Cの導電性粉末の配合量を15重
量部から0.05重量部に減量し、これに従って溶剤の
メチルエチルケトン80重量部を70重量部に、シクロ
ヘキサノン320重量部を280重量部に各々減量した
こと以外、放射線硬化型導電性塗料Cと同様にして放射
線硬化型導電性塗料Rを調製した。実施例3の放射線硬
化型導電性塗料Cに替え、上記放射線硬化型導電性塗料
Rを用いたこと以外、実施例3と同様にして帯電防止透
明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0084】(比較例5) 〔放射線硬化型導電性塗料の調製〕実施例3で用いた放
射線硬化型導電性塗料Cの導電性粉末の配合量を15重
量部から35重量部に増量し、これに従って溶剤のメチ
ルエチルケトン80重量部を90重量部に、シクロヘキ
サノン320重量部を350重量部に各々増量したこと
以外、放射線硬化型導電性塗料Cと同様にして放射線硬
化型導電性塗料Sを調製した。実施例3の放射線硬化型
導電性塗料Cに替え、上記放射線硬化型導電性塗料Rを
用いたこと以外、実施例3と同様にして帯電防止透明ア
クリル樹脂プレートを作製した。
【0085】(実施例14)厚さ25μmのPETフィ
ルム上に実施例1の放射線硬化型導電性塗料Aをバーコ
ーターを用いて乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布
・乾燥して放射線硬化性導電層を形成した(第1工
程)。得られた熱硬化型導電層にβ線(電子線)を5M
rad照射して硬化させ、導電層を形成した(第2工
程)。 〔光重合性接着剤の調製〕有機高分子重合体〔住友化学
社製、PMMA、商品名「スミペックスL06」重量平
均分子量(Mw)=60000〕100重量部、オリゴ
エステルアクリレート(東亜合成社製、商品名「M−6
100」)50重量部、オリゴエステルアクリレート
(東亜合成社製、商品名「M−8030」)50重量
部、光重合開始剤(BASF社製、アシルホスフィンオ
キシド系、商品名「ルシリンTPO」)4重量部及びメ
チルエチルケトン330重量部を攪拌混合して光重合性
接着剤を調製した。次に、上記光重合性接着剤を実施例
1で用いた厚さ3mmの透明アクリル樹脂プレート上
に、バーコーターを用いて乾燥後の厚さが2μmになる
ように塗布、乾燥して光重合性接着剤層を形成した(第
3工程)。上記透明アクリル樹脂プレートの光重合性接
着剤層に、第2工程で形成された導電層を積層し、温度
120℃に加熱された圧着ロールにより、圧力4kg/
cm2 で熱圧着して、透明アクリル樹脂プレート/光重
合性接着剤層/導電層/PETフィルム積層体を作製し
た(第4工程)。第4工程で作製した積層体の光重合性
接着剤層に、高圧水銀ランプを用いて1000mJ/c
2 の光量の活性光線を照射して硬化し、接着剤層を形
成した(第5工程)。最後に、上記積層体のPETフィ
ルムを剥離して(第6工程)、帯電防止透明アクリル樹
脂プレートを作製した。
【0086】(実施例15)実施例14の第3工程を、
以下のように変更したこと以外、実施例14と同様にし
て帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。実施
例14で用いた光重合性接着剤を、厚さ25μmのPE
Tフィルム上に、実施例14で用いたバーコーターによ
り、乾燥後の厚さが2μmになるように塗布、乾燥して
光重合性接着剤層を形成し、次いで、上記光重合性接着
剤層を透明アクリル樹脂プレート上に積層し、温度12
0℃に加熱された圧着ロールにより、圧力4kg/cm
2 で熱圧着して、透明アクリル樹脂プレート/光重合性
接着剤層/PETフィルム積層体を作製した後、該積層
体のPETフィルムを剥離して透明アクリル樹脂プレー
ト上に光重合性接着剤層を形成した。
【0087】(実施例16)実施例14の第3工程及び
第4工程を、以下のように変更したこと以外、実施例1
4と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作
製した。第2工程で形成した導電層上に、実施例14で
用いた光重合性接着剤をバーコーターにより、乾燥後の
厚さが2μmになるように塗布、乾燥して光重合性接着
剤層を形成し(第3工程)、次いで、上記光重合性接着
剤層を透明アクリル樹脂プレート上に積層し、温度12
0℃に加熱された圧着ロールにより、圧力4kg/cm
2 で熱圧着して、透明アクリル樹脂プレート/光重合性
接着剤層/導電層/PETフィルム積層体を作製した
(第4工程)。
【0088】(実施例17)実施例14の放射線硬化型
導電性塗料Aを、実施例2で用いた放射線硬化型導電性
塗料Bに変更したこと以外、実施例14と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0089】(実施例18)実施例15の放射線硬化型
導電性塗料Aを、実施例2で用いた放射線硬化型導電性
塗料Bに変更したこと以外、実施例15と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0090】(実施例19)実施例16の放射線硬化型
導電性塗料Aを、実施例2で用いた放射線硬化型導電性
塗料Bに変更したこと以外、実施例16と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0091】(実施例20)実施例14の放射線硬化型
導電性塗料Aを、実施例3で用いた放射線硬化型導電性
塗料Cに変更したこと以外、実施例14と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0092】(実施例21)実施例15の放射線硬化型
導電性塗料Aを、実施例3で用いた放射線硬化型導電性
塗料Cに変更したこと以外、実施例15と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0093】(実施例22)実施例16の放射線硬化型
導電性塗料Aを、実施例3で用いた放射線硬化型導電性
塗料Cに変更したこと以外、実施例16と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0094】(実施例23)実施例14の光重合性接着
剤の、オリゴエステルアクリレート(東亜合成社製、商
品名「M−6100」)50重量部を70重量部に、オ
リゴエステルアクリレート(東亜合成社製、商品名「M
−8030」)50重量部を30重量部に、各々配合量
を変更したこと以外、実施例14と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0095】(実施例24)実施例15の光重合性接着
剤の、オリゴエステルアクリレート(東亜合成社製、商
品名「M−6100」)50重量部を70重量部に、オ
リゴエステルアクリレート(東亜合成社製、商品名「M
−8030」)50重量部を30重量部に、各々配合量
を変更したこと以外、実施例15と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0096】(実施例25)実施例16の光重合性接着
剤の、オリゴエステルアクリレート(東亜合成社製、商
品名「M−6100」)50重量部を70重量部に、オ
リゴエステルアクリレート(東亜合成社製、商品名「M
−8030」)50重量部を30重量部に、各々配合量
を変更したこと以外、実施例16と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。放射線硬化型導
電性塗料Aを、実施例3で用いた放射線硬化型導電性塗
料Cに変更したこと以外、実施例16と同様にして帯電
防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0097】(比較例6)実施例14の光重合性接着剤
層を設けなかったこと以外、実施例14と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0098】(比較例7)実施例17の光重合性接着剤
層を設けなかったこと以外、実施例17と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0099】(比較例8)実施例20の光重合性接着剤
層を設けなかったこと以外、実施例20と同様にして帯
電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0100】(比較例9)実施例14の光重合性接着剤
層を設けた(第3工程)後、該光重合性接着剤層に10
00mJ/cm2 の光量の活性光線を照射して硬化して
接着剤層を形成し(第5工程)、然る後、得られた接着
剤層を、実施例1で用いた厚さ3mmの透明アクリル樹
脂プレートに積層し、温度120℃に加熱された圧着ロ
ールにより、圧力4kg/cm2 で熱圧着して、透明ア
クリル樹脂プレート/接着剤層/導電層/PETフィル
ム積層体を作製した(第4工程)。上記の如く、実施例
14の第4工程と第5工程の順序を変更したこと以外、
実施例14と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレ
ートを作製した。
【0101】(比較例10)比較例9と同様に、実施例
15の第4工程と第5工程の順序を変更したこと以外、
実施例15と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレ
ートを作製した。様に実施例1の熱硬化型導電性塗料A
に替え、実施例2の熱硬化型導電性塗料Bを用いたこと
以外、して帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製し
た。
【0102】(比較例11)比較例9と同様に、実施例
16の第4工程と第5工程の順序を変更したこと以外、
実施例16と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレ
ートを作製した。
【0103】(実施例26)実施例1の放射線硬化型導
電性塗料Aを用いて、実施例1の第1工程及び第2工程
と同様にして、PETフィルム上に導電層を形成した。 〔透明樹脂接着剤の調製〕飽和ポリエステル樹脂(東レ
社製、商品名「ケミットR−99」)30重量部、メチ
ルエチルケトン14重量部、トルエン56重量部を均一
に溶解して透明な熱可塑性樹脂組成物を調製した。上記
透明樹脂接着剤を厚さ3mmの透明アクリル樹脂プレー
トの一面に、バーコーターを用いて乾燥後の膜厚が2μ
mとなるように塗布し、乾燥して透明樹脂接着剤層を形
成した(第3工程)。次に、上記第2工程で得られた導
電層を第3工程で形成された透明樹脂接着剤層に積層
し、温度120℃に加熱された圧着ロールにより、面圧
4kg/cm2で熱圧着して、PETフィルム/導電層
/透明樹脂接着剤層/透明アクリル樹脂プレート積層体
を作製した(第4工程)。最後に、上記積層体の導電層
上に積層されているPETフィルムを剥離して(第5工
程)帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0104】(実施例27)実施例26の第3工程を、
以下のように変更したこと以外、実施例26と同様にし
て帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。実施
例26で用いた透明樹脂接着剤を、厚さ25μmのPE
Tフィルム上に、バーコーターにより、乾燥後の厚さが
2μmになるように塗布、乾燥して透明樹脂接着剤層を
形成し、次いで、上記透明樹脂接着剤層を透明アクリル
樹脂プレート上に積層し、温度120℃に加熱された圧
着ロールにより、圧力4kg/cm 2 で熱圧着して、透
明アクリル樹脂プレート/透明樹脂接着剤層/PETフ
ィルム積層体を作製した後、該積層体のPETフィルム
を剥離して透明アクリル樹脂プレート上に透明樹脂接着
剤層を形成した。
【0105】(実施例28)実施例26の第3工程及び
第4工程を、以下のように変更したこと以外、実施例2
6と同様にして帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作
製した。第2工程で形成した導電層上に、実施例26で
用いた透明樹脂接着剤をバーコーターにより、乾燥後の
厚さが2μmになるように塗布、乾燥して透明樹脂接着
剤層を形成し、次いで、上記透明樹脂接着剤層を透明ア
クリル樹脂プレート上に積層し、温度120℃に加熱さ
れた圧着ロールにより、圧力4kg/cm2 で熱圧着し
て、透明アクリル樹脂プレート/透明樹脂接着剤層/導
電層/PETフィルム積層体を作製した。
【0106】(実施例29)実施例26で用いた透明樹
脂接着剤の成分中、飽和ポリエステル樹脂(東レ社製、
商品名「ケミットR−99」)に替えて、飽和ポリエス
テル樹脂(東レ社製、商品名「ケミットR−274」)
30重量部を用いたこと以外、実施例26と同様にして
帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0107】(実施例30)実施例27で用いた透明樹
脂接着剤の成分中、飽和ポリエステル樹脂(東レ社製、
商品名「ケミットR−99」)に替えて、飽和ポリエス
テル樹脂(東レ社製、商品名「ケミットR−274」)
30重量部を用いたこと以外、実施例27と同様にして
帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0108】(実施例31)実施例28で用いた透明樹
脂接着剤の成分中、飽和ポリエステル樹脂(東レ社製、
商品名「ケミットR−99」)に替えて、飽和ポリエス
テル樹脂(東レ社製、商品名「ケミットR−274」)
30重量部を用いたこと以外、実施例28と同様にして
帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0109】(実施例32)実施例26で用いた放射線
硬化型塗料Aを、実施例2で用いた放射線硬化型塗料B
に変更したこと以外、実施例26と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0110】(実施例33)実施例27で用いた放射線
硬化型塗料Aを、実施例2で用いた放射線硬化型塗料B
に変更したこと以外、実施例27と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0111】(実施例34)実施例28で用いた放射線
硬化型塗料Aを、実施例2で用いた放射線硬化型塗料B
に変更したこと以外、実施例28と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0112】(実施例35)実施例26で用いた放射線
硬化型塗料Aを、実施例3で用いた放射線硬化型塗料C
に変更したこと以外、実施例26と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0113】(実施例36)実施例27で用いた放射線
硬化型塗料Aを、実施例3で用いた放射線硬化型塗料C
に変更したこと以外、実施例27と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0114】(実施例37)実施例28で用いた放射線
硬化型塗料Aを、実施例3で用いた放射線硬化型塗料C
に変更したこと以外、実施例28と同様にして帯電防止
透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0115】(比較例12)実施例26で透明樹脂接着
剤層を設けなかったこと以外、実施例26と同様にして
帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0116】(比較例13)実施例27で透明樹脂接着
剤層を設けなかったこと以外、実施例27と同様にして
帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0117】(比較例14)実施例28で透明樹脂接着
剤層を設けなかったこと以外、実施例28と同様にして
帯電防止透明アクリル樹脂プレートを作製した。
【0118】上記実施例及び比較例で得られた帯電防止
プラスチックプレートの性能を評価するため、以下に示
す試験項目について、以下に示す方法で試験した。試験
結果は表1〜表3に示した。 (試験項目及び試験方法) 1.表面固有抵抗:ASTM D257に準拠して、帯
電防止プラスチックプレートの導電層の表面固有抵抗
(Ω/□)を測定した。尚、測定温度及び湿度は、23
℃、50%RHであった。
【0119】2.全光線透過率:ASTM D1003
に準拠して、帯電防止プラスチックプレートの全光線透
過率を測定した。
【0120】3.ヘーズ(Haze):ASTM D1
003に準拠して、ヘーズ(Haze)を測定した。
【0121】4.密着性:帯電防止プラスチックプレー
トの導電層の密着性を碁盤目テストにより評価した。碁
盤目テストは、JIS K 5400に準拠して、帯電
防止プラスチックプレートの導電層に1mm角の切れ目
を縦横方向に入れて100個の碁盤目を作製し、積水化
学工業社製、商品名「セキスイセロハン粘着テープN
o.252」を常法に従い上記碁盤目に貼付し、これを
引き剥がして行った。テスト結果は、100個の碁盤目
(分母)の内、剥がれなかった個数を分子に表示した。
【0122】
【表1】
【0123】表1に示す如く、実施例1〜13で得られ
た帯電防止透明アクリル樹脂プレートは、放射線硬化性
導電層をプラスチックプレートと積層後、硬化させるこ
とによって、導電層の表面特性が向上し、表面固有抵
抗、全光線透過率及び表面硬度のいずれも優れた性能を
示し、且つ、導電層が透明アクリル樹脂プレート上に該
透明アクリル樹脂プレートを熱変形などのトラブルなく
強固に接着されている。これに対し、比較例1〜5の帯
電防止透明アクリル樹脂プレートは、帯電防止性能が良
ければ、密着性やヘーズが悪く、又、密着性が良くても
帯電防止性能が悪いものであった。
【0124】
【表2】
【0125】表2に示す如く、実施例14〜25で得ら
れた帯電防止透明アクリル樹脂プレートは、導電層と透
明アクリル樹脂プレートの間に介在する光重合性樹脂組
成物層を光重合させて積層することによって、表面固有
抵抗、全光線透過率及び表面硬度のいずれも優れた性能
を示し、且つ、導電層が透明アクリル樹脂プレート上に
該透明アクリル樹脂プレートを熱変形などのトラブルな
く強固に接着されている。これに対し、比較例6〜11
の帯電防止透明アクリル樹脂プレートは、導電層と透明
アクリル樹脂プレートとを熱接着や光重合した粘着剤層
によって接着したものであるが、いずれも導電層と透明
アクリル樹脂プレートの接着力は極端に低減してしま
い、碁盤目テストによって導電層は悉く剥離されてしま
った。
【0126】
【表3】
【0127】表3に示す如く、実施例26〜37で得ら
れた帯電防止透明アクリル樹脂プレートは、透明熱可塑
性樹脂接着剤層を導電層と透明アクリル樹脂プレートの
間に介在させて積層することによって導電層と透明アク
リル樹脂プレートの接着界面における積層状態が良好に
保たれ、表面固有抵抗、全光線透過率及び表面硬度のい
ずれも優れた性能を示し、且つ、導電層が透明アクリル
樹脂プレート上に該透明アクリル樹脂プレートを熱変形
などのトラブルなく強固に接着されている。これに対
し、比較例12〜14の帯電防止透明アクリル樹脂プレ
ートは、接着剤層を欠くことによって、導電層と透明ア
クリル樹脂プレートの接着力は極端に低減してしまい、
碁盤目テストによって導電層は悉く剥離されてしまっ
た。
【0128】
【発明の効果】本発明の帯電防止プラスチックプレート
の製造方法は、叙上の如く構成されているので、導電層
がプラスチックプレート上に強固に積層接着され、該導
電層の表面硬度を大きく形成でき、且つ、高い透明性を
付与し得るものである。よって、得られる帯電防止プラ
スチックプレートは、上記の如く高度に帯電防止され、
内部が透視でき、且つ、耐擦傷性の高いものであるの
で、例えば、内部を透視しながら作業するクリーンベン
チの如き半導体関連設備用に好適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 1/20 H01B 1/20 B 13/00 501 13/00 501P // B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性を有するフィルム上に放射線硬化
    型の導電性塗料を塗布、乾燥して放射線硬化性導電層を
    形成し、該放射線硬化性導電層をプラスチックプレート
    に積層し、然る後、放射線硬化性導電層に電離性放射線
    を照射して硬化させることを特徴とする帯電防止プラス
    チックプレートの製造方法。
  2. 【請求項2】 離型性を有するフィルム上に放射線硬化
    型の導電性塗料を塗布、乾燥して放射線硬化性導電層を
    形成し、該放射線硬化性導電層に電離性放射線を照射
    し、硬化させて導電層を形成し、該導電層を接着剤層を
    介してプラスチックプレートに積層することを特徴とす
    る帯電防止プラスチックプレートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169344A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Kimoto & Co Ltd ハードコートフィルムおよび転写型ハードコートフィルム
JP2015031121A (ja) * 2013-08-06 2015-02-16 長島鋳物株式会社 マンホール蓋の固有情報表示装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169344A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Kimoto & Co Ltd ハードコートフィルムおよび転写型ハードコートフィルム
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