JPH10248614A - 面ファスナー用雌材の製造方法 - Google Patents

面ファスナー用雌材の製造方法

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JPH10248614A
JPH10248614A JP5936897A JP5936897A JPH10248614A JP H10248614 A JPH10248614 A JP H10248614A JP 5936897 A JP5936897 A JP 5936897A JP 5936897 A JP5936897 A JP 5936897A JP H10248614 A JPH10248614 A JP H10248614A
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JP
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heat
nonwoven fabric
shrinkable film
hook
film
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JP5936897A
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English (en)
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Hiroyuki Nakagami
博行 中上
Yasunori Ikuga
康則 生賀
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不織布が織編物により裏打ちされた従来の面
ファスナー用雌材に比べて薄く、嵩張らず、柔軟性を有
し、係合/脱着性に優れ、ディスポーザブル商品として
の適性を有し、製造方法が簡単な低コストの面ファスナ
ー雌材を製造する優れた方法を見出すこと。 【解決手段】 多数のフックが形成された係合面を有す
る面ファスナー用雄材が係合する、多数のループをが形
成された被係合面を有する面ファスナー用雌材を製造す
る方法において、不織布の一面に熱収縮性フィルムを接
合後、加熱収縮させて繊維を多数のループ状に変形させ
る面ファスナー用雌材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉤型、キノコ型等
の雄材のフックと雌材のループが係合する結合手段をと
る面ファスナーの該面ファスナー用雌材の製造方法に関
する。より詳細には、おむつ、手袋等の締結用に広く使
用されている面ファスナーにおける、面ファスナー用雌
材のループを簡易に製造するため、不織布と熱収縮性フ
ィルムを接合し、加熱してフィルムを主体に収縮させて
不織布を構成する繊維を多数のループ状に変形させるこ
とによる面ファスナー用雌材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】面ファスナーは、通常一対の係合面と被
係合面からなり、係合面には多数のフックが形成されて
面ファスナー用雄材が構成されており、被係合面には多
数のループが形成されて面ファスナー用雌材が構成され
ており、両者を向い合せ、面加圧すると、フックがルー
プに係合して前記二つの面材が結合される構成をとる。
面ファスナーは、係合面と被係合面の繊維の絡みあいに
よる係合力を利用するため、脱着も可能であり、結合/
脱着を繰り返して使用可能な簡易係合具として粘着テー
プ、ボタン、紐等結合具に代わり、種々の用途に広く用
いられている。特に迅速且つ簡単に結合、脱着が必要な
もの、例えば、オムツカバー、手術着、カーテン、電車
のヘッドレストカバー、自動車内装材、トンネ工事用マ
ット等の締結用に使用されている。
【0003】係合面のフックは、通常、織布,編布の表
面に形成された、弾性又は塑性変形の少ない、剛性の高
い繊維からなるループ部の先端を切断して、逆J字形の
自由端が形成された織(編)タイプや樹脂成形品である
モールドタイプが用いられているが、本発明において
は、係合面のフックの形成方法は何ら限定されるもので
はない。又、被係合面のループの形成には後述のごとく
各種の方法が提案されているが、該ループの大きさは、
前記フックとの係合、脱離性を考慮して適宜選ばれる。
係合面と被係合面の係合は、前記フックの自由端が被係
合面のループ部分に引き掛かることにより形成される。
【0004】不織布を用いた面ファスナー用雌材の製法
としては、以下に例示する各種の方法が提案されている
が、それぞれ問題点も多い。先ず、特開平4−1056
02号公報には2種類のマルチフィラメントを流体攪拌
処理により混繊し、表面に多数のループ、コイル等を形
成したマルチフィラメント糸条を織物に挿入する方法が
開示されているが、混繊工程、ループ等の形成、挿入工
程の繁雑さがあり、好ましい方法とは言えない。特開平
6−33359号公報には、エンボス加工で被係合面に
凹凸皺を設けた長繊維不織布の製法が記載されている
が、エンボス加工のみでは係合に必要な大きさのループ
は得難い。また、特開平7−313213号公報は、熱
融着性複合繊維をニードルパンチ加工をし、高温熱ロー
ルで片面を熱融着処理する方法を提案しているが、前記
の場合同様に必要な大きさのループは得難い。
【0005】又、特開平8−27657号公報には織編
物の上に熱接着性繊維をニードルパンチ加工をして一体
化し、加熱処理する方法が開示されているが、熱接着性
繊維の選択、ニードルパンチ加工工程、加熱処理等、面
ファスナー用雌材の性能、品質を左右する因子が多く好
ましい方法とは言えない。更に、特開平8−33509
号公報は、編物の上に熱収縮性繊維を高圧水流処理で交
絡一体化し、加熱処理して繊維ウェブを熱収縮させ、編
物側にループを形成させる方法を提案しているが、編
物、不織布からなる基布と熱収縮性繊維を一体化し、加
熱処理により熱収縮させることによりループを形成させ
る方法であり、係合力、結合/脱着の反復耐久性の点で
は優れているものの、厚みが大であり、面ファスナーと
しては嵩高く、ディスポーザブル商品としては不適切で
あり、又面ファスナーとしては柔軟性に乏しいという問
題点をも含んでいる。また、前記方法は、いずれも通気
性を有する繊維を単層または接着層で積層したもので構
成されている。おむつ製造装置では、真空吸引による部
材の搬送がよく使用されているが、通気性部材は吸着し
ないため、ハンドリングの問題が生じる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上詳述したように、
製造方法が簡単で、面ファスナーとして要望される柔軟
性が簡単に得られ、高い係合力、結合/脱着の優れた反
復耐久性、ディスポーザブル商品としての適性等の点を
満たす面ファスナー用雌材は未だ得られていない。 従
って、本発明の課題は、織編物からなる面ファスナー用
雌材に比べて薄く、嵩張らず、柔軟性を有し、結合/脱
着性に優れ、ディスポーザブル商品としての適性を有
し、製造方法は簡単で低コストの面ファスナー雌材を製
造する新しい、優れた方法を見出すことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題の解
決のため、鋭意研究を行った結果、不織布と熱収縮性フ
ィルムを積層複合化し、加熱収縮させるのみで簡単に解
決することを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明の要旨は以下の通りである。 (第1)多数のフックが形成された係合面を有する面フ
ァスナー用雄材に係合する、多数のループが形成された
被係合面を有する面ファスナー用雌材を製造する方法に
おいて、不織布の一面に熱可塑性樹脂製の熱収縮性フィ
ルムを積層して積層シートを製造後、該シートを加熱処
理して該繊維を多数のループ状に変形させることを特徴
とする面ファスナー用雌材の製造方法。 (第2)熱収縮性フィルムがポリオレフィン製又はエチ
レン−酢酸ビニル共重合体製フィルムである上記第1記
載の面ファスナー用雌材の製造方法。 (第3)不織布が、スパンボンド法不織布、サーマルボ
ンド法不織布あるいはスパンレース法不織布である上記
第1又は2記載の面ファスナー用雌材の製造方法。 (第4)不織布との積層時の熱収縮性フィルムの加熱に
よる面積収縮率が20%以下であり、積層シートの加熱
処理時の面積収縮率が15〜60%である上記第1〜3
のいずれかに記載の面ファスナー用雌材の製造方法。 (第5)不織布と熱収縮性フィルムの積層方法が、接着
層を介した部分接合である上記第1記載の面ファスナー
用雌材の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】第1の発明における面ファスナー
用雌材は、不織布に熱収縮性フィルムを積層して製造さ
れる。不織布は、雄材との係合性を考慮してポリプロピ
レン(PP)系、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)系、ポリエチレン(PE)系、ナイロン系、アクリ
ロニトリル(AN)系等の単独繊維、混合繊維又は複合
繊維であって、高弾性、高剛性の繊維が好ましく使用さ
れるが、これらの繊維に限定されるものではない。
【0009】第1の発明における不織布の使用目的は、
ループを有する被係合面形成のためである。不織布を構
成する各繊維間は適宜の間隔を置いて固定されているこ
とが好ましい。繊維間に適宜このような固定点を形成す
ることにより、熱収縮フィルムの収縮に際して不織布が
収縮応力を受けた場合の繊維相互間の自由な変位が抑制
され、各固定点間の短縮に伴い、繊維はループを形成し
易くなる。上記各繊維間の固定は、製造上、熱融着固定
が最も好ましく、製造方法としては、長繊維を熱融着し
たスパンボンド法、複合繊維を熱融着したサーマルボン
ド法等により得られる長繊維不織布が繊維の脱落がなく
好適である。他の方法としてスパンレース法も採られ
る。結合/脱着を繰り返して繊維が脱落して係合力が不
足する恐れがある場合は、熱エンボスロールによる固
定、接着剤による固定、高周波融着による固定、超音波
による固定等を前記不織布に追加することもできる。
【0010】不織布に収縮応力を付与する方法として
は、不織布自体の加熱により、その構成繊維に熱収縮応
力を付与する方法があるが、繊維の収縮が大に過ぎると
各固定点間の長さも短くなり、被係合用のループの大き
さも制限を受けるので好ましくない。本発明は、この不
織布に収縮応力を付与する手段として、前記のごとく不
織布の片面に熱収縮性フィルムを積層した後、該熱収縮
性フィルムを加熱収縮させる方法をとる。熱可塑性フィ
ルムと不織布の接着方法は、通常の熱圧着法やホットメ
ルト等の接着剤を使用する方法以外に、熱収縮フィルム
より低融点の樹脂からなる接着層を介して接着しても良
い。接着層に使用可能な樹脂は、線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE),エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)等があるが、熱収縮性フィルムより低融点で、不
織布、熱可塑性樹脂の双方、又は熱収縮性フィルムと熱
接着可能なものであればいずれでも良い。さらに、積層
時の熱収縮性フィルムの面積収縮率が20%以下の低融
点樹脂が好ましい。具体的には、熱収縮性フィルムと不
織布を繰出しながら、溶融押出しした熱接着層を介在さ
せて接合する。続いて該接合シートを加熱処理し、収縮
させて該接合シートに収縮応力を付与する(図1参
照)。この応力により、不織布層の熱収縮性フィルム側
は接着層により拘束されているため繊維の変形は小さい
が、不織布層の表面側は拘束されていないので繊維の変
形は大きい。その結果、不織布層の繊維は厚み方向にア
ーチ状に変形してループを形成し、嵩高くなり、雄材が
内部までくい込みやすくなり係合性が高まる(図2参
照)。この図2において、(A)は加熱前の雌材シート
の断面を示し、(B)は加熱後の熱収縮した雌材シート
の断面を示すが、さらにこの図2によれば、加熱前の雌
材シートの任意の二点間a−b(距離L)が、熱収縮後
にa’−b'(距離L')(L>L')となることがわかる。
なお、上記接着層に使用される樹脂には、EVA,LL
DPE,メタロセン触媒を用いたエチレン−オクテン共
重合体が好ましく使用される。不織布を構成する繊維の
繊度は特に限定されるものではないが、弾性復元性、剛
性等の観点から0.5〜10デニールが特に好ましい。
【0011】第1の発明において用いられる熱収縮性フ
ィルムの機能は、上述のように熱収縮性を利用して不織
布の繊維をアーチ状に変形させてループを作り、面ファ
スナー用雄材との係合性を付与すること以外に、面ファ
スナー用雌材として例えばオムツの基材面に取り付け加
工し易くすることである。上記熱収縮性フィルムを使用
せず、従来のように熱収縮性織布を使用した場合は、上
記基材面と熱収縮性織布との接着に、通常はホットメル
ト接着剤等が使用されるが、接着剤が繊維間にしみ込む
ため塗布量が多くなり、また点又は線接着となり接着強
度も低くなり、安定した接着状態が得られない恐れがあ
る。熱収縮性フィルムを使用した場合は、上記接着剤の
しみ込みもなく、面接着となるため接着状態の安定化の
点で優れている。
【0012】熱収縮性フィルムの材質としては、EVA
の他、LLDPE,LDPE等の延伸加工性、柔軟性、
熱融着性のある熱可塑性樹脂が好ましい。これら熱可塑
性樹脂は延伸フィルム用原反として押出成形された後、
テンター方式等公知の各種延伸方法で延伸加工される。
熱収縮性フィルムとして使用されるため、延伸後の熱処
理等は通常不要であるが、熱収縮性の制御のために必要
な範囲で行ってもよい。不織布と積層されて積層シート
を形成する工程で、熱収縮性フィルムは多少収縮する
が、積層シートが加熱処理されてループを形成させるた
めには、加熱処理による面積収縮率(後述)は15〜6
0%が好ましい。15%未満では面ファスナー雌材とし
て必要なループが形成され難い。また、60%を超えて
収縮すると生産性が低下する。
【0013】熱収縮性フィルムの厚みは特に限定される
ものではないが、5〜100μm程度が好ましく、10
〜40μm程度が一層好ましい。5μm未満では延伸フ
ィルム自体の安定した成形が困難であり、100μmを
超えると面ファスナーとして嵩高いものになり、また柔
軟性も低下し好ましくない。
【0014】不織布と熱収縮性フィルムとの積層方法
は、前記のごとく熱接着剤層を介在させる場合と介在さ
せない場合とにかかわらず、押出ラミネート、エンボス
ラミネート、サーマルラミネート、ドライラミネート、
ウェットラミネート、ホットメルラミネート等公知の積
層フィルム、積層シートの製造方法が好適に適用でき、
係合力を超える接着強度が得られ、積層時に熱収縮性フ
ィルムの熱収縮を可及的に抑える方法が適宜選択され
る。積層時の熱による面積収縮率は、20%以下が好ま
しいが、10%以下がより好ましく、5%以下が最も好
ましい。積層時の熱収縮性フィルムの熱収縮を最小限に
抑えるためには、例えば接着用樹脂を用いて押出しラミ
ネートする場合、熱収縮性フィルムを冷却ロールに可及
的に長時間接触させつつ供給し接合することが好まし
い。積層用ロール温度は低すぎると、不織布と熱収縮性
フィルムとの接着強度が低下し、不織布にループを形成
するための熱処理時に層間剥離し、好ましくない。また
逆に高すぎると、上記層間剥離はないが、上記熱処理前
に熱収縮性フィルムの熱収縮が激しく好ましくない。
【0015】上記エンボスラミネート法は、加熱ロール
を使用して熱圧着で積層する場合において、一方のロー
ルとしてエンボスロールを使用して所望の間隔を有する
部分接合法であり、熱収縮性フィルムの熱収縮防止、軟
らかい風合いを維持する点で特に好ましく利用できる。
部分接合法として、接着層として樹脂をフィルム状に押
出成形しながら同時に積層する場合は、積層用ロールの
少なくとも一方のロールを凹凸形状のエンボスロールに
する。例えば、凹凸形状のニッップロールと、平滑な冷
却ロールで接合するとニップロールの凸部のみで圧着積
層される。この時、凹凸ロールの凸部をピン形状にする
と点接着となり、線形状にすると線接着となる。エンボ
スの深さは、凹部で不織布層の嵩を押し潰さない程度に
設定することが好ましい。また基材の繰り出し方法とし
ては、図1に示すように、凹凸ニップロール4側に不織
布1、冷却ロール6側に熱収縮性フィルム3を抱かせな
がら接着すると、積層時の不繊布の嵩高性を保持し、熱
収縮性フィルムの収縮を抑えることができるので好まし
い。
【0016】次に、不織布と熱収縮性フィルムの積層後
の熱処理について説明する。熱処理手段としては、熱風
乾燥機、熱収縮包装用トンネルのごとき熱風吹きつけ等
の熱処理が連続的にできる加熱炉であって、熱収縮性フ
ィルムが所望の収縮率の範囲で収縮し、不織布表面に係
合用のループが形成される炉であれば充分であり、特に
限定されるものではない。積層シートの熱処理による熱
収縮フィルムの面積収縮率は15〜60%が好ましい
が、20〜40%がより好ましい。15%未満ではルー
プ形成が不十分であり、充分な係合力が不足して実用性
に欠ける。逆に60%を超えると得られる面ファスナー
の面積の減少が著しく、生産性が低下し好ましくない。
収縮率が上記範囲の場合は、面ファスナーの雄材と雌材
間の係合性がよく、しかも薄く嵩張らないファスナーが
得られる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により更に
詳しく説明する。 実施例1 目付け30g/m2 のPPスパンボンド不織布(出光石
油化学社製ストラテック・RW2030)の片面にTダ
イ型フィルム製造装置を用いてLLDPE(ダウ・ケミ
カル社製アフィニティー・EG8200)を厚み12μ
mに製膜しながら接合して2層シートを作製し、そのL
LDPE面に厚さ17μmのポリプロピレン系シュリン
クフィルム(大倉工業社製、商品名ラプラー501)を
熱エンボスロール(エンボス凸部の面積率10%のピン
タイプ)を用いてサーマルラミネート法で点接着し(エ
ンボスロール表面温度70℃、線圧30kg/cm)、
積層シートを得たが、該積層シートを構成する熱収縮性
フィルムの面積収縮率は2%であった。次に、上記積層
シートを炉内温度120℃の熱風乾燥機内に導き、20
秒間加熱処理した。得られたシートの外観は良好で、加
熱による熱収縮性フィルムの面積収縮率は43%であっ
た。面ファスナー雌材としての特性は表1に示した。
【0018】実施例2 実施例1で使用したものと同様のPPスパンボンド不織
布の片面に、Tダイ型フィルム製造装置を用いて、融点
が95℃のEVA樹脂(東ソー社製、商品名ウルトラセ
ンUE541)を厚み15μmに製膜しながら接合して
2層シートを作製し、そのEVAフィルム面に実施例1
で使用したものと同じポリプロピレン系シュリンクフィ
ルムをエンボスロール(エンボス凸部面積率10%のピ
ンタイプ)で均一に点接着し(エンボスロール表面温度
85℃、線圧39kg/cm)積層シートを得たが、該
積層シートを構成する熱収縮性フィルムの面積収縮率は
5%であった。次いで、該積層シートを実施例1同様の
加熱処理をして面ファスナー雌材を作製した。得られた
シートの外観は良好で、熱収縮性フィルムの面積収縮率
は38%であった。面ファスナー雌材としての特性は表
1に示した。
【0019】実施例3 実施例1で使用したものと同様のPPスパンボンド不織
布及びポリプロピレン系シュリンクフィルムを用い、ド
ライラミネート法で積層した。即ち、ウレタン系接着剤
をポリプロピレン系シュリンクフィルムに塗布面積率2
5%、塗布量(固形分)2g/m2 になるように筋状に
塗布後、60℃の乾燥炉で10秒間乾燥させ、前記PP
スパンボンド不織布と接合した。上記接着剤塗布、乾燥
後のポリプロピレン系シュリンクフィルムの面積収縮率
は4%であった。続いて、実施例1と同様の条件で加熱
処理して、面ファアスナー雌材を得た。外観は良好で、
ポリプロピレン系シュリンクフィルムの面積収縮率は5
1%であった。面ファスナー雌材としての特性は表1に
示した。
【0020】実施例4 実施例1で使用したものと同様のPPスパンボンド不織
布と、厚みが12μmのポリプロピレン系シュリンクフ
ィルムとの間に、接着層としてTダイ型フィルム製造装
置でLLDPE(ダウ・ケミカル社製、商品名アフィニ
ティー・EG8200)を膜厚10μmに押出しなが
ら、凹凸ニップロールと冷却ロールで線接合し積層シー
トを作製した。凹凸ニップロールは、溝深さが4mm、
幅が各3mmの凸部、凹部が交互に回転方向に平行に並
ぶ筋状のものを使用した。この接合時の上記ポリプロピ
レン系シュリンクフィルムの面積収縮率は、2%であっ
た。続いて、積層シートを実施例1同様の条件で加熱処
理をした。外観は良好で、該シュリンクフィルムの面積
収縮率は25%であった。面ファスナー雌材としての特
性は表1に示した。
【0021】比較例1 実施例1で使用したものと同様のPPスパンボンド不織
布及びポリプロピレン系シュリンクフィルムを重ね、エ
ンボスロール(エンボス凸部の面積率10%のピンタイ
プ)で点接着(該ロールの表面温度145℃、線圧30
kg/cm)した積層シートを作製した。該積層シート
を構成するポリプロピレン系シュリンクフィルムの面積
収縮率は45%であった。続いて、該積層シートを実施
例1と同様の条件で加熱処理をしたところ、ポリプロピ
レン系シュリンクフィルム部分の面積収縮率は5%とい
う面ファスナー雌材を得た。面ファスナー雌材としての
特性は表1に示した。
【0022】比較例2 比較例1において、積層シートの面積収縮率を抑えるた
め、エンボスロールの温度を85℃に下げた以外は比較
例1と同様な方法で積層シートを作製した。得られた積
層シートは、不織布とシュリンクフィルムとの接着強度
は低く、熱風型乾燥機を使用して加熱処理をしたところ
両者が剥離し、面ファスナーは得られなかった。その
他、得られた特性は表1に示した。
【0023】比較例3 実施例2において、EVA樹脂に代えて融点110℃の
LDPE樹脂(日本ユニカー社製、商品名NCUポリエ
チレン8074)を使用した以外、実施例2と同様な方
法で積層シートを作製した。得られた積層シートの接着
強度は弱く、熱風乾燥機で加熱処理をして熱収縮させた
ところ、両者が剥離して面ファスナー雌材は得られなか
った。その他、得られた特性は表1に示した。
【0024】比較例4 比較例3において、接着強度を高めるためエンボスロー
ルを使用し、その表面温度を120℃とした以外は比較
例3と同様な方法で積層シートを作製した。得られた積
層シートにおける熱収縮性フィルムの面積収縮率は45
%であった。続いて、実施例1と同様の条件で加熱処理
をしたところ、シュリンクフィルムの面積収縮率は13
%であった。その他、得られた特性は表1に示した。
【0025】比較例5 実施例1と同様な方法で3層の積層シートを作製し、続
いて該積層シートを炉内温度80℃の熱風型乾燥機を用
いて20秒加熱処理をした。シュリンクフィルム層の加
熱処理による面積収縮率は15%の面ファスナー雌材を
得た。その他、得られた特性は表1に示した。
【0026】比較例6 実施例3において、ドライラミネートの塗布面積率を2
5%とした以外、実施例3と同様の方法によって面ファ
スナー雌材を得た。得られた各種特性は、表1に示し
た。
【0027】
【表1】
【0028】上述の実施例及び比較例における試験方法
について説明する。 (1)面積収縮率 下記の計算式を用い、各面積を測定して代入して算出し
た。 (a) 積層シート作製時: 〔(積層前のフィルム面積)−(積層後のフィルム面
積)〕×100/(積層前のフィルム面積) (b) 加熱処理時: 〔(積層後のフィルム面積)−(加熱処理後のフィルム
面積)〕×100/(積層後のフィルム面積) (2)積層シート接着強度 積層シートから、巾15mmの短冊状試験片を切取り、
定速伸長型引張試験機を用い、引張速度300cm/m
inで不織布とフィルム間の剥離強度を測定した。単位
は、g/15mm。 (3)面ファスナー雌材の係合強さ 雌材/雄材を係合状態とし、その剥離強度(単位:g)
及び剪断強度(単位:kg)を測定した。面ファスナー
雌材と係合させる面ファスナー雄材としては、YKK社
製HDPE樹脂成形タイプの1QEUL−35を使用し
た。JIS−L3416に準拠して、試験片接着用ロー
ルの接着(係合)荷重を1kg/cmの条件下で両ファ
スナーを係合させた。剥離強度は試験片巾35mm、剪
断強度はファスナーの有効幅35mm、重ね合わせ長さ
50mmで、共に引張速度300mm/minで測定し
た。 (4)厚み ダイアルゲージを使用して測定した。単位は、mm。
【0029】
【発明の効果】第1ないし第5に係る発明は、従来の織
編物に代え、熱収縮性フィルム等を使用するため、熱収
縮後も薄い、嵩張らないファスナーを得ることができ、
また柔軟性に富むため、平面状のみでなく曲面状の使用
も可能であり、更に不織布からの繊維の脱落は勿論、フ
ァスナーの係合強さも向上させることに成功し、用途拡
大に大きく貢献している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の一例を示す説明図である。
【図2】 雌材シート断面図を示し、(A)は加熱前の
断面を、(B)は加熱後の断面をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 :不織布 2 :接着層 2’:接着層用の樹脂 3 :熱収縮フィルム層 4 :ニップロール 5 :ダイス 6 :冷却ロール 7 :加熱炉

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数のフックが形成された係合面を有する
    面ファスナー用雄材に係合する、多数のループが形成さ
    れた被係合面を有する面ファスナー用雌材を製造する方
    法において、不織布の一面に熱可塑性樹脂製の熱収縮性
    フィルムを積層して積層シートを製造後、該シートを加
    熱処理して該繊維を多数のループ状に変形させることを
    特徴とする面ファスナー用雌材の製造方法。
  2. 【請求項2】熱収縮性フィルムがポリオレフィン製又は
    エチレン−酢酸ビニル共重合体製フィルムである請求項
    1記載の面ファスナー用雌材の製造方法。
  3. 【請求項3】不織布が、スパンボンド法不織布、サーマ
    ルボンド法不織布およびスパンレース法不織布のいずれ
    かである請求項1又は2記載の面ファスナー用雌材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】不織布との積層時の熱収縮性フィルムの加
    熱による面積収縮率が20%以下であり、積層シートの
    加熱処理時の面積収縮率が15〜60%である請求項1
    〜3のいずれかに記載の面ファスナー用雌材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】不織布と熱収縮性フィルムの積層方法が、
    接着層を介した部分接合である請求項1記載の面ファス
    ナー用雌材の製造方法。
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