JPH11302963A - 面ファスナー雌材及びその製造方法 - Google Patents

面ファスナー雌材及びその製造方法

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JPH11302963A
JPH11302963A JP10924298A JP10924298A JPH11302963A JP H11302963 A JPH11302963 A JP H11302963A JP 10924298 A JP10924298 A JP 10924298A JP 10924298 A JP10924298 A JP 10924298A JP H11302963 A JPH11302963 A JP H11302963A
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female
fibers
layer
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JP10924298A
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Hiroyuki Nakagami
博行 中上
Hiroyuki Mitsuzuka
裕行 三塚
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Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性や、高い係合力、優れた反復耐久性
等、ディスポーザブル商品としての適性を有する面ファ
スナー用雌材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 雄材との係合面をなす不織布層と熱可塑
性樹脂層との積層体からなる面ファスナー雌材であっ
て、不織布層表面は、その繊維がマトリックスに取り込
まれた状態になっている部分を有する面部(全表面積の
5〜80%)と、ループ状物が形成されている面部から
なる。深さが1mm以上の凹凸部を有するロールを不織
布と接するようにして、樹脂を溶融押出しながら不織布
層へロール圧着する面ファスナー雌材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉤型、キノコ型の雄
材のフックと雌材のループが結合する結合手段をとる面
ファスナーにおける面ファスナー用雌材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】面ファスナーは、通常一対の係合面と被
係合面からなる。即ち、係合面に多数のフックを有する
面ファスナー用雄材と、被係合面には多数のループ状物
を有する面ファスナー用雌材から構成されるものであ
り、両者を向かい合わせ、面加圧すると、フックがルー
プ状物に係合して二つの面材が結合される。
【0003】かかる面ファスナーは係合面と被係合面の
繊維の絡み合いによる係合力を利用するため、脱着も可
能であり、結合/脱着を繰り返して使用可能な簡易係合
具として粘着テープ、ボタン、紐等の結合具に代わり、
種々の用途に広く用いられている。特に、迅速かつ簡単
に結合、脱着が必要なもの、例えば、オムツカバー、手
術着、カーテン、電車のヘッドレストカバー、自動車内
装材、トンネル工事マット等の締結用に好ましく使用さ
れている。
【0004】面ファスナー雌材としては不織布が広く用
いられており、その製法として各種の方法が提示されて
いる。例えば、長繊維不織布を用いるものとして、長繊
維不織布と熱収縮繊維の積層体を加熱収縮させ、長繊維
不織布表面に畝を形成させた不織布が提案されている
(特開昭60−17164号公報)。しかし、スパンボ
ンド法に代表される長繊維不織布は繊維強力が強く、面
ファスナー雌材として用いた場合、毛羽立ちとして現れ
る繊維抜けが起こりにくいという長所はあるものの、元
来嵩高性に乏しいため、いくら他素材と組み合わせても
長繊維不織布表面に係合に必要なループを得る事は難し
く、面ファスナー雄材との係合力に劣るものしか得られ
ないという問題がある。
【0005】一方、短繊維不織布を用いて面ファスナー
雌材にする場合、短繊維不織布に針を打ち込むことによ
り繊維を交絡するニードルパンチや高圧水流交絡のウォ
ーターニードル、熱風により繊維中の低融点成分を融着
させるエアスルー等の方法を用いることにより、長繊維
不織布では得られない嵩高性が容易に得られ、この嵩高
性により面ファスナーとしての係合性については満足で
きるものが得られている。例えば、特開平7−3132
13号公報には、熱融着性複合繊維をニードルパンチ加
工し、高温熱ロールで片面を熱融着する方法が提案され
ている。この場合、片面を熱融着するのは、収縮を発生
させ嵩高性を増すためと、面ファスナー雌材として用い
た場合に毛羽立ちとして現れる繊維抜けを防止すること
にある。しかしながら、この方法では繊維表面からの繊
維抜けを完全に防止することはできず、繰り返し使用す
る場合の耐久性に劣るという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、簡単に製造することが可能で、柔軟性及び高
い係合力を有し、しかも繊維抜けが少ないため結合脱着
反復耐久性にも優れた、ディスポーザブル商品に好適に
用いることのできる面ファスナー用雌材及びその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、それ自身が嵩高性を持っている短繊維不
織布を用い、繊維の一部を強固に留めるために樹脂層に
取り込ませた構造をとることにより、高い係合力と結
合,脱着の優れた反復耐久性を兼ね備えた面ファスナー
雌材を得るに至った。本発明は、かかる知見に基づいて
完成したものである。
【0008】即ち、本発明は、以下の面ファスナー雌材
及びその製造方法である。 (1)不織布層と熱可塑性樹脂層とが接した積層構造を
有する積層体からなり、該不織布層が雄材との係合面を
なす面ファスナー雌材であって、該不織布層の表面が、
以下の面部(A)及び面部(B)からなるものであるこ
とを特徴とする面ファスナー雌材。面部(A)は、該不
織布層をなす繊維が実質的にマトリックスに取り込まれ
た状態になっているものであって、全表面積の5〜80
%をなしており、面部(B)は前記面部(A)以外の部
分であって、不織布層をなす繊維によりループ状物が形
成されているものである。 (2)不織布層と熱可塑性樹脂層とが接した積層構造を
有する積層体からなり、該不織布層が雄材との係合面を
なす面ファスナー雌材であって、該不織布層の表面が、
以下の面部(A)及び面部(B)からなるものであるこ
とを特徴とする面ファスナー雌材。面部(A)は、該不
織布層をなす繊維が不織布層の表面に実質的に露出して
いない部分であり、全表面積の5〜80%をなしてお
り、面部(B)は前記面部(A)以外の部分であって、
不織布層をなす繊維が不織布層の表面に露出しループ状
物が形成されているものである。 (3)上記(1)又は(2)に記載の不織布層をなす繊
維が、芯鞘型複合繊維を20重量%以上含むものである
上記(1)又は(2)に記載の面ファスナー雌材。 (4)上記(1)又は(2)に記載の不織布層をなす繊
維が、長さ30〜100ミリメートルの短繊維を少なく
とも50重量%以上含むものである上記(1)〜(3)
のいずれかに記載の面ファスナー雌材。 (5)熱可塑性樹脂層をなす樹脂を溶融押出しながら不
織布層へロール圧着し押出ラミネートすることによる面
ファスナー雌材の製造方法において、該一対のロールの
うち、少なくとも不織布と接するロールはその接触面に
複数の凹凸部を有するものであり、その凹凸の深さが1
mm以上、かつ該ロールにおける凹部と凸部の面積比
が、20〜95:80〜5であるものを用いることを特
徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の面ファ
スナー雌材の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。 I.面ファスナー雌材 本発明にかかる面ファスナー雌材は、不織布層と熱可塑
性樹脂層とが接した積層構造を有する積層体からなり、
該不織布層が雄材との係合面をなすものである。さら
に、該不織布層表面において、以下の面部(A)及び面
部(B)からなるものであることを特徴としている。面
部(A)は、該不織布層をなす繊維の少なくとも一部の
ものについて、その繊維におけるある一部分が実質的に
マトリックスに取り込まれた状態になっている部分を有
しているものであり、全表面積の5〜80%をなしてお
り、面部(B)は前記面部(A)以外の部分であって、
不織布層をなす繊維によりループ状物が形成されている
ものである。 1.不織布層 (1)不織布層を形成する樹脂 不織布層を形成する樹脂としては、特に制限はないが、
雄材との係合性の点から、ポリプロピレン系、ポリエチ
レンテレフタレート系、ポリエチレン系、ナイロン系、
アクリロニトリル系等の樹脂が好ましい。 (2)不織布層を形成する繊維 不織布層を形成する繊維としては、嵩高性を得るため
に短繊維を含んでいることが望ましい。ここで、短繊維
とは、長さ30〜100ミリメートル、好ましくは50
〜70ミリメートルのものをいい、これらの短繊維を、
少なくとも50重量%以上、好ましくは80重量%以
上、さらに好ましくは90重量%以上含むものであるこ
とが望ましい。
【0010】また、単体の樹脂からなる繊維であって
もよいが、芯鞘型複合繊維を20重量%以上、好ましく
は30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上含
むものが望ましい。芯鞘型複合繊維とは、異なる二種の
樹脂を用い、通常、高融点のものを芯にして、低融点の
ものを鞘とした構造をとるものである。具体的には、芯
部にはポリエチレンテレフタレート等の高融点の樹脂を
用い、鞘部には高密度ポリエチレン等の低融点の樹脂を
用いたものが挙げられる。かかる芯鞘型複合繊維を20
重量%以上含むものを本発明の不織布層をなす繊維とし
て用いた場合、芯にある高融点成分の存在により、高い
係合力を得ることが容易になるという利点がある。
【0011】芯鞘型複合繊維を用いない場合において
は、嵩高性を保持するためには、低融点樹脂成分を単体
で用いるのではなく、高融点樹脂成分とを組み合わせて
用いることが望ましい。この場合、低融点樹脂成分の繊
維の量を全繊維中の20〜50重量%、好ましくは25
〜40重量%にすることが望ましい。20重量%未満の
場合、やわらかな風合いに欠けるおそれがあることや、
樹脂層と十分に接着しないおそれがある。50重量%を
超えると樹脂層とラミネートする際に、溶けてしまって
積層体が得られなくなるおそれがある。また、芯鞘型複
合繊維と、高融点樹脂成分からなる繊維又は低融点樹脂
成分からなる繊維を適宜組み合わせたものを用いてもよ
い。 (3)不織布層の製造方法 特に制限はないが、ニードルパンチ、ウォーターニード
ル、エアスルーのいずれかの製法により得られた不織布
であることが好ましい。 (4)積層体における不織布層表面の形態 不織布層表面は、前記面部(A)及び面部(B)から
なっており、面部(A)と面部(B)の表面積割合は、
面部(A)が5〜80%、好ましくは10〜60%、さ
らに好ましくは20〜50%であり、面部(B)が95
〜20%、好ましくは90〜40%、さらに好ましくは
80〜50%である。面部(A)が5%未満であると、
十分に表面繊維の繊維抜けを防止することができず、ま
た80%を超えると、繊維の嵩高性が失われ、面ファス
ナー雌材として係合力の弱いものとなってしまうおそれ
がある。
【0012】面部(A)は、該不織布層をなす繊維の
少なくとも一部のものについて、その繊維におけるある
一部分が実質的にマトリックスに取り込まれた状態にな
っている部分を有していることが必要である。実質的に
マトリックスに取り込まれた状態とは、繊維部分が、他
の樹脂からなるマトリックス中で形状を保持したまま固
められてしまったような状態をいい、例えば、不織布層
と樹脂層とを積層させるとき、ローラー等により加熱さ
れた結果、樹脂層の樹脂が先に溶融し、かかる溶融状態
にある樹脂部分に未だ溶融していない不織布層の繊維が
入り込み、その後、樹脂部分が冷却、固化しマトリック
スを形成し、繊維部分は、そのマトリックス中で形状を
保持したまま固められてしまったような場合が該当す
る。該不織布層をなすすべての繊維についてその一部分
がマトリックスに取り込まれた状態になっているのが最
も望ましいが、必ずしも不織布層をなすすべての繊維に
ついてそのような状態になければならないわけではな
く、該不織布層をなす繊維の少なくとも一部のものにつ
いてそのような状態にあればよい。さらに、マトリック
スに取り込まれた状態にある各繊維1本1本について言
えば、その繊維におけるある一部分がマトリックスに取
り込まれた状態になっている必要がある。それにより繊
維の抜け防止という本発明の優れた効果が奏せられるこ
とになる。即ち、マトリックスに取り込まれた状態にあ
る部分(即ち、面部(A)にある部分)により強固に接
着されることになり、取り込まれずに不織布層の表面上
に存在している部分(即ち、面部(B)にある部分)に
より雄材と係合することになる。
【0013】面部(A)は上述のように繊維がマトリッ
クスに取り込まれた状態にある部分が大部分を占めるの
が望ましいが、それに限られず、不織布層をなす繊維と
マトリックスを形成している他の樹脂とが溶け合った状
態になっている部分や繊維そのものが表層に露出してい
る部分を有していてもよい。さらにまた、面部(A)の
一態様として、面部(A)が該不織布層をなす繊維が不
織布層の表面に露出していない部分のみから形成されて
いるという場合もある。即ち、例えば、面部(A)が、
繊維がマトリックスに取り込まれた状態にある部分及び
不織布層をなす繊維とマトリックスを形成している他の
樹脂とが溶け合った状態になっている部分のみからなる
ような場合である。
【0014】このように、不織布層をなす繊維が樹脂マ
トリックスに取り込まれた状態にある部分の存在によ
り、不織布層と樹脂層とが強固に接着することになり、
不織布層の表面からの繊維抜けを効果的に防止すること
が可能となる。かかる状態の部分が存在しない場合、雌
材から繊維抜けが発生しやすくなり、雄材フック部に抜
けた繊維が絡まり、その結果、雄材と雌材の係合力が著
しく低下することになる。
【0015】面部(B)は、不織布層をなす繊維によ
りループ状物が形成された状態にある部分である。ルー
プ状物とは、雄材と係合できる状態にあるものをいい、
形状等に特に制限はなく、例えば、交絡したルーズなル
ープ、束状のループ、パイル状のもの、ウェブ状のもの
等があげられる。雄材との十分な係合力を得るためには
面部(B)は嵩高性を有していることが望ましい。
【0016】不織布層をなす繊維の分布については特
に制限はないが、各繊維1本1本について面部(A)及
び面部(B)の両方にわたって存在しているのが望まし
い。 2.樹脂層 (1)樹脂層を形成する樹脂 熱可塑性樹脂であれば特に制限はなく、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が目
的に応じて適宜用いられるが、不織布層より融点が同程
度かやや低いものが好ましく用いられる。また、不織布
層が2種以上の樹脂からなる場合には、そのうち、融点
が最も低いものの融点と同程度かやや低いものが好適に
選ばれる。不織布層と樹脂層との融点が、かかる関係に
ある場合、樹脂層の樹脂が溶融しており、かかる溶融状
態にある樹脂部分に溶けていない不織布層の繊維が入り
込むという状態を作りやすくなる。このように不織布層
の繊維がマトリックスをなす樹脂に取り込まれた状態に
なった後、冷却、固化すればよい。 3.積層体及びその製造方法 本発明にかかる面ファスナー雌材は、前記不織布層と熱
可塑性樹脂層とが接して積層している部分を有する積層
体からなるものである。該不織布層が雄材との係合面を
なしており、不織布層と熱可塑性樹脂層とは前記のよう
な構造をとっていることが必要であるが、積層体として
は、不織布層と熱可塑性樹脂層の2層に限られず、目的
に応じてさらに熱可塑性樹脂層に接する側に他の樹脂層
や紙層等を設けてもよい。また、不織布層と熱可塑性樹
脂層との厚さの比についても特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択すればよい。
【0017】不織布層と樹脂層との積層方法としては
特に制限はない。具体的には、樹脂層として予め製膜さ
れたフィルムを用い、凹凸を有する一対の加熱ロールを
通過させる際に不織布層と熱圧着する熱ラミネート法
や、あるいは不織布層を繰り出しながら溶融樹脂をフィ
ルム状に押し出し、凹凸を有する一対の冷却ロールを通
過させることにより不織布層と樹脂層を積層する押し出
しラミネート法が挙げられる。
【0018】不織布層をなす繊維がマトリックスをな
す樹脂に取り込まれた状態を得るには、熱可塑性樹脂層
をなす樹脂を溶融押出しながら不織布層へロール圧着し
押出ラミネートする方法が好ましい。この場合、用いる
ロールにおいて、特に不織布と接するロールについて
は、上記面部(A)の面積の割合を5〜80%にするた
めに、その接触面に複数の凹凸部を有するものを用いる
のが好ましい。このようなロールを用いた場合、ロール
の凸部により面部(A)が形成され、凹部により面部
(B)が形成されることになる。この場合、その凹凸の
深さが1mm以上好ましくは3mm以上、かつ該ロール
における凹部と凸部の面積比が、20〜95:80〜
5、好ましくは40〜90:60〜10、さらに好まし
くは50〜80:50〜20であるものを用いることが
好ましい。凹凸の深さが1mmが未満であると、不織布
層面の凹凸感が小さく、ロールの凹部によって形成され
る部分の嵩高さが小さくなるため雄材との係合性が低下
するおそれがある。また、柔らかな風合いが得られなく
なるおそれがある。上限については、特に制限はない
が、用いる素材等により適宜選択される。 II.面ファスナー雄材 本発明の雌材に係合する雄材については、特に制限はな
いが、嵩張らず、安価に製造できる点から、高密度ポリ
エチレンやポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレ
ン等の樹脂成形タイプが好ましく用いられる。また、雌
材である不織布と係合するためには、フックを有してい
ることが望ましい。フックとは、いわゆる引っ掛かり部
分のことで、鉤型やきのこ状などその形状は特に問わな
い。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によって限定されるも
のではない。得られた面ファスナー雌材の評価は、以下
に示す方法で行った。 剥離強度(雄材との係合強さ) 雄材として、住友スリーエム社製の樹脂成形マッシュル
ームタイプ・CS−200−2500ppsiを使用
し、JIS−L−3416に準拠して、係合荷重1kg
/cmで前記雄材と面ファスナー雌材を係合した。
【0020】剥離強度は、幅30mmの試験片を50m
mの長さに重ね合わせ、定速伸長引張試験機にて、引張
速度300mm/分で剥離させた時の強度である。繰り
返し使用の可能性の評価のため、同じ操作を5回繰り返
し、測定した。 剪断強度 上記と同様にして雄材と面ファスナー雌材を係合し
た。幅30mm、重ね合わせ長さ50mmで、引張速度
300mm/分で分離させた時の強度である。
【0021】繰り返し使用の可能性の評価のため、同じ
操作を5回繰り返し、測定した。 [実施例1]不織布層としては、その繊維として、芯鞘
型複合繊維(芯部が融点264℃のポリエチレンテレフ
タレート、鞘部が融点132℃の高密度ポリエチレン、
2d×51mm)を用い、エアスルーによって得たものを
用いた。この不織布23g/m2の片面にTダイ型フィ
ルム製造装置を用いて融点103℃の低密度ポリエチレ
ンを厚さ20μmに製膜しながら凹凸ニップロールと平
滑な冷却ロールを用いて、圧着ロール圧3.0kg/cm
2 で接合し、積層体を得た。この凹凸ロールは溝深さが
4mm、幅が各3mmの凸部、凹部が交互に回転方向に
平行に並ぶ筋状のものであった。積層体の不織布層表面
における前記面部(A)は50%であった。面ファスナ
ー雌材としての特性を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】[実施例2]不織布層としては、その繊維
として、芯鞘型複合繊維(芯部が融点264℃のポリエ
チレンテレフタレート、鞘部が融点132℃の高密度ポ
リエチレン、2d×51mm)20%と、融点が258℃
のポリエチレンテレフターレート繊維(融点が258
℃、2d×51mm)80%を混合したものを用い、ウォ
ーターニードルにより得られたスパンレース不織布を用
いた。この不織布26g/m2の片面にTダイ型フィル
ム製造装置を用いて融点103℃の低密度ポリエチレン
を厚さ20μmに製膜しながら凹凸ニップロールと平滑
な冷却ロールを用いて、圧着ロール圧3.0kg/cm2
で接合し、積層体を得た。この凹凸ロールは溝深さが3
mm、凸部の幅が1mm、凹部の幅が2mmが交互に回
転方向に平行に並ぶ筋状のものであった。積層体の不織
布層表面における前記面部(A)は33%であった。面
ファスナー雌材としての特性を表1に示した。 [比較例1]不織布層としては、その繊維として、芯鞘
型複合繊維(芯部が融点264℃のポリエチレンテレフ
タレート、鞘部が融点132℃の高密度ポリエチレン、
2d×51mm)を用い、エアスルーによって得たものを
用いた。この不織布23g/m2の片面にTダイ型フィ
ルム製造装置を用いて融点103℃の低密度ポリエチレ
ンを厚さ20μmに製膜しながら平滑なニップロールと
平滑な冷却ロールにより、圧着ロール圧4.0kg/cm
2 で接合し、積層体を得た。積層体の不織布層表面にお
ける前記面部(A)は100%であった。不織布層表面
には、繊維のループ状物は殆ど認められず、面ファスナ
ーとしては著しく係合力に劣るものであった。面ファス
ナー雌材としての特性を表1に示す。 [比較例2]不織布層としては、その繊維として、芯鞘
型複合繊維(芯部が融点264℃のポリエチレンテレフ
タレート、鞘部が融点132℃の高密度ポリエチレン、
2d×51mm)20%と、融点が258℃のポリエチレ
ンテレフターレート繊維(融点が258℃、2d×51
mm)80%を混合したものを用い、ウォーターニードル
により得られたスパンレース不織布を用いた。この不織
布26g/m2の片面にTダイ型フィルム製造装置を用
いて融点103℃の低密度ポリエチレンを厚さ20μm
に製膜しながら平滑なニップロールと平滑な冷却ロール
により、圧着ロール圧1.0kg/cm2 で接合し、積層
体を得た。積層体の不織布層表面における前記面部
(A)は0%であった。係合及び剥離を繰り返し行なっ
た場合、不織布層表面の繊維の抜けが生じ、反復耐久性
に劣るものであった。面ファスナー雌材としての特性を
表1に示す。
【0024】
【発明の効果】本発明の面ファスナー雌材は、簡単に製
造することが可能で、しかも面ファスナーとして要望さ
れる柔軟性や、高い係合力、結合,脱着の優れた反復耐
久性等、ディスポーザブル商品としての適性を満足する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる積層体の概略見取図。
【符号の説明】
1: 断面部における不織布層 2: 断面部における熱可塑性樹脂層 3: 面部(A) 4: 面部(B)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不織布層と熱可塑性樹脂層とが接した積
    層構造を有する積層体からなり、該不織布層が雄材との
    係合面をなす面ファスナー雌材であって、該不織布層の
    表面が、以下の面部(A)及び面部(B)からなるもの
    であることを特徴とする面ファスナー雌材。面部(A)
    は、該不織布層をなす繊維が実質的にマトリックスに取
    り込まれた状態になっているものであって、全表面積の
    5〜80%をなしており、面部(B)は前記面部(A)
    以外の部分であって、不織布層をなす繊維によりループ
    状物が形成されているものである。
  2. 【請求項2】 不織布層と熱可塑性樹脂層とが接した積
    層構造を有する積層体からなり、該不織布層が雄材との
    係合面をなす面ファスナー雌材であって、該不織布層の
    表面が、以下の面部(A)及び面部(B)からなるもの
    であることを特徴とする面ファスナー雌材。面部(A)
    は、該不織布層をなす繊維が不織布層の表面に実質的に
    露出していない部分であり、全表面積の5〜80%をな
    しており、面部(B)は前記面部(A)以外の部分であ
    って、不織布層をなす繊維が不織布層の表面に露出しル
    ープ状物が形成されているものである。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の不織布層をなす
    繊維が、芯鞘型複合繊維を20重量%以上含むものであ
    る請求項1又は2に記載の面ファスナー雌材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の不織布層をなす
    繊維が、長さ30〜100ミリメートルの短繊維を少な
    くとも50重量%以上含むものである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の面ファスナー雌材。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂層をなす樹脂を溶融押出し
    ながら不織布層へロール圧着し押出ラミネートすること
    による面ファスナー雌材の製造方法において、該一対の
    ロールのうち、少なくとも不織布と接するロールはその
    接触面に複数の凹凸部を有するものであり、その凹凸の
    深さが1mm以上、かつ該ロールにおける凹部と凸部の
    面積比が、20〜95:80〜5であるものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の面ファ
    スナー雌材の製造方法。
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