JPH10247451A - ネジ締め型ヒュージブルリンクを備えた電気接続箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両内に電気接続箱を取り付ける際に、電気
接続箱とワイヤーハーネスとを特別な作業空間を空ける
ことなく簡便に接続でき、電気接続箱内に組付られるバ
スバーの形状を簡略化し得るネジ締め型ヒュージブルリ
ンクを備えた電気接続箱を提供する。 【解決手段】 電気接続箱１を構成する接続箱本体２の
外壁に凹状の取付部空間１４を形成するとともに、ネジ
締め型ヒュージブルリンク２１を装着するためのハウジ
ングを取付部空間１４に連続する位置に配置し、ネジ締
め型ヒュージブルリンク２１にワイヤーハーネス１６の
丸型端子１７を接続する際に、取付部空間１４を利用し
て接続作業を行うように構成した。また、ハウジングの
配置位置は、接続箱本体２上に配置される他のヒュージ
ブルリンク用ハウジング６に並ぶように設定され、ハウ
ジング間を接続するバスバー７、８の形状を直線状か１
回の折り曲げ程度にすることができ、接続箱本体１内へ
のバスバー７、８の形状を簡略化して組付け性向上を図
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種配線部材を取
り付けた配線箱本体にネジ締め型ヒュージブルリンクや
リレーボックス等を着脱自在に取付けるように構成した
電気接続箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在の自動車は、走行制御のためリレー
スイッチやヒュージブルリンク等の電気部品を備えてい
る。これらの電気部品は電気接続箱に組付られ、電気接
続箱と電子機器間はワイヤーハーネスにより接続され
る。この種の電気接続箱の構成は多種にわたるが、実開
昭６３−１２７０５５号公報により開示されたネジ締め
型ヒュージブルリンクの取付構造について図６乃至図８
を参照して説明する。

【０００３】図６に示した接続箱本体５１の上面には、
複数のリレー装着用ハウジング５２、複数のヒュージブ
ルリンク装着用ハウジング５３ｂおよびヒュージブルリ
ンク装着用ハウジング５３ａがそれぞれ形成されてい
る。また、接続箱本体５１の隅部には、接続箱５１の外
側壁５１ａ、５１ｂに対して傾斜した隅部外壁５４が形
成され、この隅部外壁５４に直交するようにして突設部
５５が形成されている。この接続箱本体５１の上面の突
設部５５に対応する位置には、ヒュージブルリンク装着
用ハウジング５３ａが設けられている。また、突設部５
５の両面のヒュージブルリンク装着用ハウジング５３ａ
の下方所定位置には、図８に示すようにナット部材５６
ａ、５６ｂが固着されている。更に、突設部５５の一方
のナット部分には、端部が各端子嵌合型ヒュージブルリ
ンク装着用ハウジング５３ｂに分岐されるバスバー５７
が配設されている。

【０００４】図６に示したヒュージブルリンク５８は、
６０〜１００Ａ程度の高い電流特性が要求される場合に
使用されるネジ締め型のヒュージブルリンクであり、３
０〜５０Ａ程度の低い電流特性でよい場合は、端子嵌合
型ヒュージブルリンクが使用される。このヒュージブル
リンク５８の下面側には、２本の電気接続用の足部５９
ａ、５９ｂが突設され、各足部５９ａ、５９ｂにはそれ
ぞれ締め付け用のネジ穴６０ａ、６０ｂが形成されてい
る。

【０００５】上記ヒュージブルリンク装着用ハウジング
５３ａにヒュージブルリンク５８を装着する場合は、そ
の足部５９ａ、５９ｂをハウジング５３ａの下面に貫通
させて突設部５５の両側部分に位置させる。その後、一
方の足部５９ａのネジ穴６０ａを突設部５５の一方のナ
ット部材５６ａに合わせ、バスバー５７を介して所定の
配線、すなわちワイヤーハーネスの丸型端子６１ａとと
もにボルト６２をナット部材５６ａに螺着する。この結
果、足部５９ａ、バスバー５７および丸型端子６１ａが
通電可能に接続される。なお、他方の足部５９ｂには、
負荷側に接続される配線の丸型端子６１ｂがボルト６２
を他方のナット部材５６ｂに螺合させることにより接続
される。また、上記ボルト６２のナット部材５６ａ、５
６ｂの締め付けに際しては、締め付け工具として図６に
示すようなモンキーレンチ６３か、図８に示すようなイ
ンパクトレンチ６４が用いられていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のヒュージブ
ルリンクの取付構造においては、車両内に組み付ける場
合、接続箱本体５１の近傍にはバッテリーやエアクリー
ナー等の他部品が配設され、これらの部品に接続された
ワイヤーハーネスの丸型端子６１ａ、６１ｂを上述した
ように接続することになる。このため、ボルト６２の締
め付けにモンキーレンチ６３を使用する場合は、図７に
示した矢印Ａの近傍にモンキーレンチ６３を操作するた
めの作業空間を空けておく必要がある。また、インパク
トレンチ６４を用いて締め付けを行う場合は、矢印Ｂの
近傍に作業空間を空けておかなければならない。

【０００７】しかしながら、従来の電気接続箱にあって
は、バッテリー等の他部品と干渉して作業空間を設定で
きず、インパクトレンチ６４等を使用できない場合があ
る。この場合、電気接続箱の車両への組付け順序の変更
をしなければならず、設計変更や工程変更等に及ぶこと
もあって電気接続箱の組付け作業が容易ではなく、作業
性の低下や汎用性の妨げとなっていた。また、丸型端子
の電気接続箱へのボルトによる締め付けとは別手段とし
て、一方のワイヤーハーネスと相手ワイヤーハーネスと
をコネクタを介して接続した場合は、太物電線が増えた
りコネクタが増えたりして、コスト高の一因になってし
まうという問題があった。

【０００８】更に、上記構成にあっては、図７に点線で
示すようにハウジング５３ｂからヒュージブルリンク５
８の足部５９ａ、５９ｂに接続されるバスバー５７の形
状が多数位置で曲げる必要がある。このようなバスバー
５７の屈曲形成は精度が要求され、寸法管理も必要であ
る。そして、寸法誤差がある場合は、接続箱本体５１内
に嵌合できなくなる虞れがあり、作業遅れや製品の歩留
り低下の一因になるという問題があった。

【０００９】本発明の目的は、車両内に電気接続箱を取
り付ける際に、電気接続箱とワイヤーハーネスとを特別
な作業空間を空けることなく簡便に接続し得るように構
成したネジ締め型ヒュージブルリンクを備えた電気接続
箱を提供することにある。また、本発明の他の目的は、
電気接続箱に装着されるネジ締め型ヒュージブルリンク
の外部接続端子に接続されるバスバー形状を簡略化し得
る位置に他のヒュージブルリンク用ハウジングを配置し
たネジ締め型ヒュージブルリンクを備えた電気接続箱を
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る上記課題
は、接続箱本体の所定位置に形成されたネジ締め型ヒュ
ージブルリンク用ハウジングにヒュージブルリンクを装
着するとともに、該ヒュージブルリンクの外部接続端子
に他のワイヤーハーネスに接続された接続端子をボルト
により締め付け固定するネジ締め型ヒュージブルリンク
を備えた電気接続箱において、前記接続箱本体の一部に
リレーボックスを装着するための取付部空間を設けると
ともに、前記ハウジングを前記取付部空間に連続する位
置に配置したことを特徴とするネジ締め型ヒュージブル
リンクを備えた電気接続箱によって解決することができ
る。また、上記課題は、前記接続箱本体上であって、前
記ハウジングに装着されるヒュージブルリンクの外部接
続端子に直線または１回曲げによりバスバーを接続し得
る位置に他のヒュージブルリンク用ハウジングを配置し
たことを特徴とするネジ締め型ヒュージブルリンクを備
えた電気接続箱によって解決することができる。

【００１１】上記構成のネジ締め型ヒュージブルリンク
を備えた電気接続箱においては、接線箱本体の一部にリ
レーボックスを装着するための取付部空間が設けられ、
この取付部空間に連続する位置にネジ締め型ヒュージブ
ルリンク用ハウジングが配設されている。したがって、
電気接続箱にワイヤーハーネスを接続する場合は、イン
パクトレンチ等の工具を取付部空間を利用して操作する
ことができる。また、電気接続箱を構成する接続箱本体
には、ネジ締め型ヒュージブルリンク用ハウジングに対
し直線または直角な１回曲げでバスバーを接続し得る位
置に他のヒュージブルリンク用ハウジングが配設される
ので、バスバーの形状が簡略化される。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明のネジ締め型ヒュー
ジブルリンクを備えた電気接続箱（以下、単に電気接続
箱と略称する）に関する第１の実施の形態例を図１乃至
図３に基づいて詳細に説明する。図１は本発明の電気接
続箱の構成を示す平面図、図２は電気接続箱の構成を示
す要部の斜視図、図３は電気接続箱の組付け例を示す平
面図である。なお、実施の形態例の説明にあたっては、
従来例の説明に用いた図面を適宜援用する。

【００１３】図１及び図３に示すように、本実施の形態
例の電気接続箱１は、接続箱本体２とリレーボックス３
とを備えている。接続箱本体２の上面には複数のリレー
装着用ハウジング４と、後述するネジ締め型ヒュージブ
ルリンク２１を装着するたのヒュージブルリンク装着用
ハウジング５と、端子嵌合型ヒュージブルリンクを装着
するためのヒュージブルリンク装着用ハウジング６とが
配設されている。

【００１４】前記ヒュージブルリンク装着用ハウジング
５、６間には、図１及び図３に点線で示すように接続箱
本体２の下部においてバスバー７、８が配設されてお
り、接続箱本体２の下部からはワイヤーハーネス１１が
引き出されている。このワイヤーハーネス１１の一端
は、リレー装着用ハウジング４に設けられている接続端
子やヒュージブルリンク装着用ハウジング６に設けられ
ている接続端子に接続されている。また、ワイヤーハー
ネス１１の他端には、ボルト孔を有する丸型端子１２や
コネクタ端子（図示省略）等が取り付けられる。また、
接続箱本体２の外側部には、自動車のエンジンルーム等
に固定するためのネジ孔（図示省略）を形成した固定部
１３ａ、１３ｂやリレーボックス３を嵌合するための取
付部空間１４等が形成されている。なお、上記固定部１
３ａ、１３ｂや取付部空間１４の形状および位置等は本
実施の形態に限定されるものではなく、自動車の仕様に
より適宜変更されるものである。

【００１５】また、リレーボックス３は箱体に形成さ
れ、その大きさや形状は図３に示すように取付部空間１
４に嵌合し得るように設定されている。また、リレーボ
ックス３の上部には複数のリレー装着用ハウジング１５
が取付られ、各リレー装着用ハウジング１５の接続端子
にはワイヤーハーネス１６の一端が接続されている。更
に、ワイヤーハーネス１６には後述するヒュージブルリ
ンク２１の接続端子や他の電子機器にネジ締め接続され
る丸型端子１７、図示を省略しているコネクタ端子等が
必要により接続される。

【００１６】なお、ヒュージブルリンク２１は従来例で
説明した構成のものであるが、図２に示すようにハウジ
ング２２下部に２本の外部接続用端子２３ａ、２３ｂが
設けられている。各電気接続用端子２３ａ、２３ｂは略
平板状であり、ほぼ中央部に締め付け用のネジ穴２４
ａ、２４ｂが形成されている。

【００１７】次に、ヒュージブルリンク２１の接続箱本
体２への組付けを説明する。図２に想像線で示した位置
から実線で示したようにヒュージブルリンク装着用ハウ
ジング５内に挿入することで、外部接続用端子２３ａ、
２３ｂは、図１で示した如くバスバー７、８に沿うよう
になる。この状態では、図１および図２に示すように外
部接続端子２３ａの外側に取付部空間１４が形成されて
おり、ボルト１８をナット部材に締め付けるための締め
付け作業空間が確保されることになる。したがって、取
付部空間１４を利用しての丸型端子１７の位置合わせや
ボルト１８によるネジ締めをインパクトレンチ１９を用
いて簡便に行うことができる。

【００１８】次に、図３に示すようにボルト１８の締め
付けを行った後、取付部空間１４にリレーボックス３を
嵌合する。この時点で、丸型端子１７の接続と接続箱本
体２へのリレーボックス３の取付が完了する。したがっ
て、自動車メーカーの組み立てラインにおいて、例えば
バッテリー等の他の部品に関わりなく電気接続箱１を組
付けることができ、組付け不能による工程変更等を未然
に防止することができる。

【００１９】上記接続箱本体２では、ネジ締め型ヒュー
ジブルリンク装着用ハウジング５が一方のヒュージブル
リンク装着用ハウジング６に並ぶように配設され、他方
のヒュージブルリンク装着用ハウジング６に対し直交す
る位置に配設されている。このため、バスバー７は図１
および図２に点線で示したように直線状でよく、バスバ
ー８は１箇所を９０°に曲げた形状にすることができ
る。したがって、本実施の形態例では、従来例で示した
ようにバスバーを複雑に曲げる必要がなく、寸法管理も
容易であることからバスバーが嵌合不良になる等の不具
合は一切なく、作業効率および製品の歩留り向上を図る
ことができる。

【００２０】次に、本発明のネジ締め型ヒュージブルリ
ンクを備えた電気接続箱の第２の実施の形態例を図４お
よび図５を参照して説明する。なお、本実施の形態例
は、ネジ締め型ヒュージブルリンク５に他のワイヤーハ
ーネスを接続するものであるから、接続箱本体２等には
上記同様の符号を付してある。本実施の形態例における
ワイヤーハーネス３１は、リレーボックス３に接続され
たものではなく、他の電子機器やバッテリーに接続され
たものであり、このワイヤーハーネス３１には２個の丸
型端子３２、３３が接続されている。丸型端子３２、３
３をネジ締め型ヒュージブルリンク２１に接続する場合
は、図４に示す方向或いは外部接続端子２３ａ、２３ｂ
（図２参照）の外側方向から丸型端子３２、３３を位置
決めする。そして、丸型端子３３については上記同様に
取付部空間１４を利用してインパクトレンチ１９により
締め付けを行い、丸型端子３２については接続箱本体２
の外側からインパクトレンチ１９を用いて締め付けを行
う。

【００２１】次に、ネジ締め型ヒュージブルリンク５の
外部接続端子２３ａ、２３ｂに丸型端子３２、３３を接
続した後、取付部空間１４にリレーボックス３を嵌合す
る。リレーボックス３の取付けにより取付部空間１４は
閉塞されるが、丸型端子３３は既に接続されているの
で、自動車の生産ラインにおける電気接続箱１の組付は
容易に行われることになる。なお、本実施の形態例にあ
っても、バスバー７、８の構成は上記同様であり、バス
バー７、８の組付けも上記同様に簡便に行われる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るネジ締
め型ヒュージブルリンクを備えた電気接続箱は、接続箱
本体の一部にリレーボックスを装着するための取付部空
間を設けるとともに、ハウジングを取付部空間に連続す
る位置に配置したものであるから、ネジ締め型ヒュージ
ブルリンク用ハウジングに装着されたネジ締め型ヒュー
ジブルリンクにワイヤーハーネスを接続する場合は、イ
ンパクトレンチ等の工具を取付部空間を利用して操作す
ることができ、接続後に取付部空間にリレーボックス等
の部材を取付ることができる。したがって、自動車の組
み立てライン上でワイヤーハーネス接続作業のための作
業空間を設ける必要がなく、電気接続箱の設計変更や部
品配置の変更、更に工程変更等が発生するようなことは
なく、作業効率の向上と電気接続箱の汎用性向上を図る
ことができる。また、電気接続箱内におけるバスバーの
構成も簡略されるので、電気接続箱自体の組付性の向上
を図ることができ、製品の歩留り向上と相まってコスト
低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したネジ締め型ヒュージブルリン
クを備えた電気接続箱の第１の実施の形態例を示す平面
図である。

【図２】図１におけるヒュージブルリンクとワイヤーハ
ーネスとの接続を示す要部の斜視図である。

【図３】図１におけるリレーボックスを組付けた形態を
示す電気接続箱の平面図である。

【図４】本発明を適用したネジ締め型ヒュージブルリン
クを備えた電気接続箱の第２の実施の形態例を示す平面
図である。

【図５】図４におけるリレーボックスを組付けた形態を
示す電気接続箱の斜視図である。

【図６】従来の電気接続箱の一例を示す斜視図である。

【図７】図６における電気接続箱の構成を示す平面図で
ある。

【図８】図６におけるヒュージブルリンクとワイヤーハ
ーネスの接続を示す要部の断面図である。

【符号の説明】

１ 電気接続箱 ２ 接続箱本体 ３ リレーボックス ４ リレー装着用ハウジング ５ ネジ締め型ヒュージブルリンク装着用ハウ
ジング ６ ヒュージブルリンク装着用ハウジング ７、８ バスバー １２、１７ 丸型端子 １４ 取付部空間 １８ ボルト １９ インパクトレンチ ２１ ネジ締め型ヒュージブルリンク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接続箱本体の所定位置に形成されたネジ
   締め型ヒュージブルリンク用ハウジングにヒュージブル
   リンクを装着するとともに、該ヒュージブルリンクの外
   部接続端子に他のワイヤーハーネスに接続された接続端
   子をボルトにより締め付け固定するネジ締め型ヒュージ
   ブルリンクを備えた電気接続箱において、 前記接続箱本体の一部にリレーボックスを装着するため
   の取付部空間を設けるとともに、前記ハウジングを前記
   取付部空間に連続する位置に配置したことを特徴とする
   ネジ締め型ヒュージブルリンクを備えた電気接続箱。
2. 【請求項２】 前記ハウジングに装着されるヒュージブ
   ルリンクの外部接続端子に直線または１回曲げによりバ
   スバーを接続し得る位置に他のヒュージブルリンク用ハ
   ウジングを配置したことを特徴とする請求項１記載のネ
   ジ締め型ヒュージブルリンクを備えた電気接続箱。