JPH10245908A - 吸音材 - Google Patents

吸音材

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JPH10245908A
JPH10245908A JP5202897A JP5202897A JPH10245908A JP H10245908 A JPH10245908 A JP H10245908A JP 5202897 A JP5202897 A JP 5202897A JP 5202897 A JP5202897 A JP 5202897A JP H10245908 A JPH10245908 A JP H10245908A
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JP
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inorganic
absorbing material
sound
small
holes
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JP5202897A
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English (en)
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Yoichi Ikemoto
陽一 池本
Yuzo Yokoyama
祐三 横山
Kunio Kusano
邦雄 草野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い吸音性と強度を併せ有する吸音材を提供
する。 【解決手段】 硬化性無機質組成物から成形された連続
通気孔発泡体の一面に、多数の小貫通孔が全面に略均等
に分散して穿設されている無機質板状体の複数枚を、上
下の無機質板状体の上記小貫通孔が互いに位置をずらし
た状態で積層されている吸音材であって、無機質板状体
に穿設されている小貫通孔の開孔率が30〜80%であ
り、該無機質板状体の厚さが1〜15mm、積層枚数が
2〜10枚及び積層全高さが2〜40mmであることを
特徴とする請求項1記載の吸音材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音材に関し、更
に詳しくは吸音性に優れ、高い強度を有する不燃性土木
・建築材料等に有用な吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、無機質発泡体は、その軽量
性、断熱性等に優れることから不燃性土木・建築材料と
して汎用されてきた。しかし、これらの無機質発泡体は
概ね独立気泡からなるものであって、吸音材としての性
能は低小なものであった。無機質吸音材としては、例え
ば、特開平5−85858号公報に、水可溶性アルカリ
金属珪酸塩、無機固体成分、充填材からなる主材と、ア
ニオン界面活性剤及び過酸化水素等の発泡剤とからなる
無機発泡体用組成物を用いて発泡硬化し、吸音材、フィ
ルター等の用途に供し得る連続気泡を有する無機質発泡
体が開示されている。
【0003】しかし、特開平5−85858号公報に開
示されている吸音材は、高い吸音性を得るために密度を
低くし、発泡体の通気率を高くしているので、強度が低
下してしてしまうといった問題があった。例えば、高速
道路等の防音壁等の大面積の壁面に用いられ、吸音材の
汚れを除去する際に、一般的に高圧洗浄水による洗浄が
なされるが、このような高圧洗浄水が直接上記吸音材に
当たると、該吸音材表面がぼろぼろに削れてしまうとい
う吸音性と強度の二律背反の問題点を有するものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点を解決し、高い吸音性と強度を併せ有する無機質吸
音材を得るために、構成材料と構造の両面から鋭意検討
し、硬化性無機質組成物から形成される連続通気孔発泡
体と、多数の小貫通孔が全面に略均一に分散して穿設さ
れている無機質板状体の特定の組み合わせによって所期
の目的を達し得ることを知見し、本発明を完成するに至
ったものである。本発明の目的は、高い吸音性と強度を
併せ有する吸音材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
硬化性無機質組成物から成形された連続通気孔発泡体の
一面に、多数の小貫通孔が全面に略均等に分散して穿設
されている無機質板状体の複数枚を、上下の無機質板状
体の上記小貫通孔が互いに位置をずらした状態で積層さ
れている吸音材であって、無機質板状体に穿設されてい
る小貫通孔の開孔率が30〜80%であり、該無機質板
状体の厚さが1〜15mm、積層枚数が2〜10枚及び
積層全高さが2〜40mmであることを特徴とする請求
項1記載の吸音材をその要旨とする。
【0006】本発明において連続通気孔発泡体の成形に
用いられる硬化性無機質組成物は、水硬性無機物質から
なるものであれば特に限定されるものではないが、例え
ば、普通ポルトランドセメント、特殊ポルトランドセメ
ント、アルミナセメント、耐酸セメント、耐火セメン
ト、スラグセメント、ローマンセメント、マグネシアセ
メント、石膏、石灰及びこれらの混合物等の水硬性無機
物質及び水からなる硬化性無機質組成物が挙げられる。
【0007】上記硬化性無機質組成物のうち、(A)A
2 3 −SiO2 系無機質粉体、(B)アルカリ金属
珪酸塩(C)水及び(D)発泡剤からなる硬化性無機質
組成物が、特に強度及び吸音性が良好であることから好
適に用いられる。上記(A)Al2 3 −SiO2 系無
機質粉体としては、Al2 3 90〜10重量%、Si
2 10〜90重量%からなる組成の粉体が使用され
る。上記組成のAl2 3 −SiO2 系無機質粉体とし
ては、例えば、アルミナ系研磨剤を製造する際のダス
ト、フライアッシュ、フライアッシュの分級品や粉砕
品、メタカオリン、フライアッシュを溶融し気中に噴霧
して得られる粉体、Al 2 3 −SiO2 系粉体からな
る粘土を溶融し気中に噴霧して得られる粉体、Al2
3 −SiO2 系粉体に機械的エネルギーを作用させて得
られる粉体、粘土鉱物に500〜900℃で加熱して得
られる粉体に機械的エネルギーを作用させて得られる粉
体等が使用できるが、組成と粒度を選べばこれらに限定
されるものではない。
【0008】上記(B)アルカリ金属珪酸塩としては、
一般式M2 O・nSiO2 (M=Li、K、Na又はこ
れらの混合物、nの値は、好ましくはn=0.05〜
8、更に好ましくはn=0.1〜3)で表されるもので
ある。上記アルカリ金属珪酸塩のnの値が8を超える場
合、アルカリ金属珪酸塩水溶液がゲル化を起こし易く、
すぐ粘度が急激に上昇するため、他の粉体との混合が困
難となり、0.05未満では、得られる連続通気孔発泡
体の強度が低下するので上記範囲のアルカリ金属珪酸塩
が使用される。
【0009】上記アルカリ金属珪酸塩を、他の粉体成分
に混合して硬化性無機質組成物を調製する際に、水溶液
として添加、混合されることが好ましい。上記アルカリ
金属珪酸塩の水溶液濃度は、特に限定されるものではな
いが、高濃度であると、発泡に適した粘度が得られず、
低濃度であると、得られる連続通気孔発泡体の硬化収縮
が大きくなったり、強度低下のおそれがあるので、10
〜60重量%が好ましい。
【0010】上記アルカリ金属珪酸塩の添加量は、上記
Al2 3 −SiO2 系無機質粉体100重量部に対し
て、好ましくは0.2〜450重量部、更に好ましくは
10〜350重量部である。上記アルカリ金属珪酸塩の
添加量が0.2重量部未満の場合、得られる連続通気孔
発泡体が硬化不良となり、逆に、450重量部を超える
と得られる連続通気孔発泡体の耐水性が低下するおそれ
がある。
【0011】上記硬化性無機質組成物に含まれる(C)
水は、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液中の水成分を含め
て、上記Al2 3 −SiO2 系無機質粉体100重量
部に対して、好ましくは35〜1500重量部、更に好
ましくは45〜1000重量部である。上記水の含有量
が多くなると、硬化性無機質組成物の粘度が低下し、発
泡工程が不安定となり、又、得られる連続通気孔発泡体
の強度も低下する。逆に、水の含有量が少なくなると、
硬化性無機質組成物の粘度が高くなり過ぎ、発泡工程が
不安定となり、且つ、高倍率発泡、低密度連続気泡発泡
体が得られない。
【0012】上記(D)発泡剤は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、過酸化物や金属粉末等等が挙げら
れる。
【0013】上記過酸化物系発泡剤としては、例えば、
過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過ほ
う酸ナトリウム等が挙げられる。これらの過酸化物系発
泡剤の添加量は、Al2 3 −SiO2 系無機粉体10
0重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部で
ある。上記添加量が0.01重量部未満では、気泡が十
分に形成されず、所望の発泡体を得ることが難しく、1
0重量部を超えると、発泡ガスが過剰となり、破泡が多
く発生するおそれがある。
【0014】又、発泡剤として過酸化水素を用いる場
合、水溶液で用いるのが好ましいが、その水溶液濃度
は、濃過ぎると発泡が激しく危険であるばかりか、安定
した発泡が難しくなり、薄過ぎると硬化性無機質組成物
の粘度が低下し、安定した発泡が難しくなるので、好ま
しくは0.5〜35重量%、更に好ましくは1〜25重
量%である。
【0015】又、金属粉末系発泡剤としては、例えば、
Mg、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン等が挙げ
られる。これらの金属粉末系発泡剤の平均粒径は、小さ
過ぎると硬化性無機質組成物への分散性が低下するおそ
れがあり、又、分散性が良好な場合には反応性が高くな
り、発泡が激しく安定した発泡が難しくなり、又、大き
過ぎると反応性が低下し、所望の発泡体を得ることが難
しくなるおそれがあるので、好ましくは1〜200μm
である。これらの金属粉末系発泡剤の添加量は、Al2
3 −SiO2 系無機質粉体100重量部に対して、好
ましくは0.01〜5重量部である。上記添加量が0.
01重量部未満では、気泡が十分に形成されず、所望の
発泡体を得ることが難しく、5重量部を超えると、発泡
ガスが過剰となり、破泡が多く発生するおそれがある。
【0016】これらの発泡剤の種類や添加量は、目的と
する製品の仕様に基づき適宜選択、設定されるが、コス
ト、使用時の安全性、入手の容易さ、取扱の容易さ等を
総合して、特に、過酸化水素、アルミニウム粉末が好適
に用いられる。
【0017】上記硬化性無機質組成物は、必要に応じ
て、無機質充填材、補強繊維、発泡助剤、無機質発泡体
等が添加されてもよい。上記無機質充填材は、硬化性無
機質組成物スラリーの流動性向上、発泡時及びその後の
気泡の安定化、得られる連続気泡発泡体の硬化時の収縮
低減、セルの緻密化等を図る目的で添加される。
【0018】無機質充填材としては、例えば、珪砂、珪
石粉、フライアッシュ、スラグ、シリカヒューム、マイ
カ、タルク、ワラストナイト、炭酸カルシウム、アエロ
ジル、シリカゲル、アルミナゲル、ゼオライト、活性炭
等の多孔質無機質粉体が挙げられる。
【0019】上記無機質充填材の平均粒径は、好ましく
は0.01μm〜1mmである。上記平均粒径が0.0
1μm未満では、吸着水量の増加によって硬化性無機質
組成物の粘度が上がり、混合作業性が低下したり、発泡
が十分行われなくなるおそれがある。又、1mmを超え
ると、発泡の安定性が阻害される。
【0020】無機質充填材の添加量は、Al2 3 −S
iO2 系無機質粉体100重量部に対して、好ましくは
20〜600重量部、更に好ましくは40〜400重量
部である。上記添加量が20重量部未満では、十分な添
加効果が発現せず、又、600重量部を超えると、得ら
れる連続通気孔発泡体の強度低下をきたすおそれがあ
る。
【0021】補強繊維は、得られる連続通気孔発泡体の
強度向上、クラック防止を図る目的で添加される。上記
補強繊維としては、例えば、ビニロン繊維、ポリプロピ
レン繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、レーヨン繊
維、カーボン繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウムウイ
スカー、アルミナ繊維、スチールウール、スラグウール
等が挙げられる。
【0022】上記補強繊維の繊維長は、好ましくは、1
〜15mmである。上記繊維長が1mm未満では、混合
時に再凝集してファイバーボールを形成し、又、15m
mを超えると、分散性が低下し、いずれも十分な補強効
果を発現しないおそれがある。又、上記補強繊維の繊維
径は、好ましくは、1〜500μmである。上記繊維径
が上記範囲を外れると、いずれも十分な補強効果を発現
しないおそれがある。
【0023】上記補強繊維の添加量は、Al2 3 −S
iO2 系無機質粉体100重量部に対して、好ましくは
10重量部以下である。上記添加量が10重量部を超え
ると繊維の分散性が低下し、却って補強効果を阻害する
おそれがある。
【0024】発泡助剤は、発泡時の気泡の安定化を図る
目的で添加される。上記発泡助剤としては、例えば、シ
リカゲル、アルミナゲル、ゼオライト、活性炭等の多孔
質無機質粉体やステアリン酸金属塩、オレイン酸金属
塩、パルミチン酸金属塩等の脂肪酸金属塩からなる界面
活性剤等が挙げられる。上記界面活性剤からなる発泡助
剤として、就中、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸ナトリ
ウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、
パルミチン酸カリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが好適に用いること
ができる。
【0025】上記多孔質無機質粉体からなる発泡助剤の
添加量は、Al2 3 −SiO2 系無機質粉体100重
量部に対して、好ましくは5重量部以下である。上記添
加量が5重量部を超えると、破泡の発生が多くなり、発
泡の安定性が阻害される。上記界面活性剤からなる発泡
助剤の添加量は、Al2 3 −SiO2 系無機質粉体1
00重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部、
更に好ましくは0.3〜3重量部である。上記添加量が
0.05重量部未満では、発泡助剤の添加効果が現出せ
ず、破泡の発生が多くなり、発泡の安定性が阻害される
おそれがあり、逆に、5重量部を超えると、硬化性無機
質組成物の粘度が上昇し、該硬化性無機質組成物の発泡
に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0026】無機質発泡体は、得られる連続通気孔発泡
体の軽量化を図る目的で添加される。 上記無機質発泡
体としては、例えば、ガラスバルーン、シラスバルー
ン、フライアッシュバルーン、シリカバルーン、パーラ
イト、ヒル石、粒状発泡シリカ等が挙げられる。これら
は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。上記無機質発泡体の嵩密度は、0.01g/cc未
満では、得られる連続通気孔発泡体の機械的強度が低下
し、又、1g/ccを超えると、軽量化を図る目的を十
分に達成し得ないので、好ましくは0.01〜1g/c
c、更に好ましくは0.03〜0.7g/ccである。
上記無機質発泡体の添加量は、Al2 3 −SiO2
無機質粉体100重量部に対して、好ましくは10〜1
00重量部、更に好ましくは30〜80重量部である。
上記添加量が10重量部未満では、軽量化を図る目的を
十分に達成し得ず、100重量部を超えると、得られる
連続通気孔発泡体の機械的強度が低下するおそれがあ
る。
【0027】上記発泡した硬化性無機質組成物は、次い
で硬化される。上記発泡した硬化性無機質組成物の硬化
手段は、特に限定されるものではなく、例えば、常温硬
化ないしは加熱硬化されるが、特に、50〜100℃の
温度で加熱硬化させることにより好ましい速度で硬化で
き、且つ、得られる連続通気孔発泡体の機械的強度を含
む好ましい物性を付与し得るものである。
【0028】このようにして得られる連続通気孔発泡体
は、独立気泡の相互に隣接する気泡膜が或る方向に破れ
て連続する気孔が形成された形態の発泡体であるが、そ
の連続通気孔の通気孔径の平均値が好ましくは10〜5
000μm、更に好ましくは50〜1000μmであ
る。連続通気孔の通気孔径の平均値が10〜5000μ
mの範囲外であると、吸音性が低下する。
【0029】又、上記連続通気孔発泡体の通気率が1c
3 ・cm/cm2 ・sec・cmH2 O未満である
と、吸音性が低下し、40cm3 ・cm/cm2 ・se
c・cmH2 Oを超えると、吸音性の低下に加え、連続
通気孔発泡体自体の機械的強度が低下するので、上記連
続通気孔発泡体の通気率は、好ましくは1〜40cm3
・cm/cm2 ・sec・cmH2 O、より好ましくは
3〜20cm3 ・cm/cm2 ・sec・cmH2 O、
最も好ましくは5〜10cm3 ・cm/cm2 ・sec
・cmH2 Oである。
【0030】本発明において用いられる多数の小貫通孔
が全面に略均等に分散して穿設されている無機質板状体
の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、前
記する連続通気孔発泡体に用いた硬化性無機質組成物も
しくはこれらの硬化性無機質組成物から発泡剤成分を除
いた硬化性無機質組成物等が挙げられる。
【0031】上記無機質板状体の全面に略均等に分散し
て穿設される小貫通孔の開孔部の形状及び孔径は、特に
限定されるものではないが、例えば、円形、楕円形、三
角形、四角形、・・・、多角形、その他任意の閉じた曲
線乃至直線で描かれた形状が挙げられ、孔径は、例え
ば、小貫通孔の開孔部の形状が円形である場合、好まし
くは直径2〜30mm程度である。又、上記小貫通孔の
穿設位置は、特に限定されるものではなく、規則的な配
置がなされてもよく、又、ランダムな配置がなされても
よいが、開孔率を高め、強度や外観的な美しさを考慮す
れば60度千鳥型の配列が好ましい。
【0032】本発明の吸音材の無機質板状体に穿設され
ている小貫通孔の開孔率は30〜80%であり、該無機
質板状体の厚さは1〜15mm、積層枚数が2〜10枚
及び積層全高さが2〜40mmに限定される。
【0033】本発明の吸音材において、無機質板状体の
開孔率とは、その一表面から裏面に貫通している小孔の
開孔部の面積の総和を、上記表面積で除した値を百分率
で表したものである。上記開孔率が30%未満である
と、得られる吸音材の吸音性が低下し、80%を超える
と、機械的強度が低下したり、高圧洗浄水の圧力を分散
することができないため連続通気孔発泡体からなる吸音
層を保護することができなくなる。
【0034】又、上記無機質板状体の厚さが1mm未満
では、補強効果も吸音性の改善も期待できず、15mm
を超えるものを2枚以上積層すると、得られる吸音材の
吸音性が低下してしまう。
【0035】又、積層される無機質板状体の枚数が1枚
のみであると、高圧洗浄水の圧力は分散されず、従っ
て、連続気泡発泡体の表面を保護することができず、1
0枚を超えると、積層工程が複雑となり、積層固定する
方法も難しくなるばかりか、却って吸音性が低下する傾
向を現す。例えば、小貫通孔の配列が60度千鳥型であ
る場合、3枚積層すると4枚目は1枚目と同配列とな
り、高圧洗浄水の圧力の分散効果もそれほど大きくなら
ないため、3枚積層が最も効率的である。
【0036】本発明の吸音材は、上記複数の無機質板状
体を、該無機質板状体の表面に穿設されている小貫通孔
が互いに上下に位置をずらした状態で積層してなるもの
である。上記の如く、上記小貫通孔は、互いに上下に位
置をずらした状態で積層されてジグザグに曲がりながら
連結して連続気泡発泡体の表面に到る凹凸の激しい壁面
を多数形成しているので、前記する高圧洗浄水は、衝突
する水量及びその水圧は分散され、上記無機質板状体を
含む吸音材の高圧水による洗浄を可能ならしめる。
【0037】本発明の吸音材において、上記積層された
複数の無機質板状体の積層全高さが2mm未満である
と、上記高圧洗浄水の分散能が小さいので洗浄時の保護
能力が低下し、40mmを超えると、吸音性が低下す
る。
【0038】請求項2記載の発明は、多数の小貫通孔が
全面に略均等に分散して穿設されている無機質板状体
が、離型性を有する平板上に流延された硬化性無機質組
成物スラリーに、同一高さの柱状突起が表面に略均一に
分散して設けられたシート状成形型を、上記柱状突起の
先端が上記平板上に接するように押圧された状態で、加
熱硬化され、硬化後、上記シート状成形型が剥離されて
作製されたものであることを特徴とする請求項1記載の
吸音材をその要旨とする。
【0039】本発明で用いられる硬化性無機質組成物
は、特に限定されるものではないが、例えば、前記する
連続通気孔発泡体に用いられた硬化性無機質組成物もし
くはこれらの硬化性無機質組成物から発泡剤成分を除い
た硬化性無機質組成物等が挙げられる。
【0040】上記硬化性無機質組成物スラリーが流延さ
れる離型性を有する平板とは、硬化性無機質組成物の成
形に際し、得られる無機質板状体の一面を形成するに足
る平面性と、硬化した上記硬化性無機質組成物が該平面
から容易に剥離できるだけの離型性を有するものであれ
ば特に限定されるものでなく、バッチ生産用のテーブル
方式の平板であってもよく、又、例えば、離型処理され
たポリエチレンテレフタレートフィルムで表面を被覆し
たステンレス鋼ベルト等のように、連続的生産を可能に
するエンドレスベルト状の平板部分であってもよい。
【0041】又、図3及び図4に示すように、上記同一
高さの柱状突起41、41、・・・が表面に略均一に分
散して設けられたシート状成形型4は、特に限定される
ものでなく、生産される無機質板状体の仕様に応じて適
宜選択使用されるが、例えば、ステンレス鋼等の金属製
であってもよく、又、シリコーンゴム等の耐熱性を有す
る弾性体製であってもよい。
【0042】上記硬化性無機質組成物5スラリーの流延
量やシート状成形型4、同柱状突起41の形状は、前記
請求項2記載の無機質板状体の仕様に基づいて設定ない
しは選択される。
【0043】図面を参照しながら、本発明によって無機
質板状体が作製される概要を説明する。先ず、図5に示
すように、硬化性無機質組成物5スラリーが離型性を有
する平板6上にシート状に流延され、図3及び図4に示
されたシート状成形型4が、図6に示されるように、シ
ート状に流延された硬化性無機質組成物5スラリー上よ
り柱状突起41、41、・・・の先端が上記平板を押圧
するように重ね合わされ、固定されて加熱炉内に導入さ
れ、該加熱炉内で発泡、硬化され、冷却後、図7に示す
ようにシート状成形型4が発泡、硬化した連続通気孔発
泡体から剥がされて多数の小貫通孔が全面に略均等に分
散して穿設されている無機質板状体1が作製される。
【0044】上記連続気泡発泡体の一面に、複数の上記
小貫通孔が全面に略均等に分散して穿設されている無機
質板状体を積層する手段は、特に限定されるものではな
いが、例えば、上記連続気泡発泡体の一面に、逐次上記
無機質板状体を積層していく方法が採られてもよく、上
記連続気泡発泡体の一面に、複数の上記無機質板状体の
必要枚数が予め積層されたものを積層する方法がとられ
てもよく、又、これらの両方法を組み合わせた方法がと
られてもよい。
【0045】上記連続気泡発泡体の一面に、上記無機質
板状体を積層していく具体例としては、例えば、連続
気泡発泡体の一面に、無機質板状体を重ね合わせ、その
外側を丈夫なフレームで緊締する方法、連続気泡発泡
体の一面に、無機質板状体を重ね合わせ、該重ね合わせ
面を各々接着剤で相互に接着する方法、無機質板状体
の表面に、連続気泡発泡体の作製に用いた硬化性無機質
組成物スラリー、Al 2 3 −SiO2 系無機質粉体、
アルカリ金属珪酸塩及び水からなる硬化性無機質組成物
スラリーを含浸、或いは塗布し、該硬化性無機質組成物
スラリーが硬化しないうちに連続気泡発泡体の一面に重
ね合わせ、硬化させて、両者を固着する方法等が挙げら
れる。
【0046】請求項3記載の発明は、硬化性無機質組成
物が、(A)Al2 3 −SiO2系無機質粉体、
(B)アルカリ金属珪酸塩、(C)水及び(D)発泡剤
からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
吸音材をその要旨とする。
【0047】請求項1記載の発明の吸音材は、叙上のよ
うに、連続気泡発泡体の一面に、複数の無機質板状体
を、上下の無機質板状体の上記小貫通孔が互いに位置を
ずらした状態で積層してなる構造となっているので、連
続気泡発泡体の有する吸音特性を何ら低下させることな
く、その表面を保護し得るものである。就中、複数の無
機質板状体の上記積層方法によって、各段における無機
質板状体の小貫通孔が互いにその孔の位置をずらしてジ
グザグに曲がった壁面を構成しているので、前記する高
圧洗浄水は、衝突する水量及びその水圧は分散され、洗
浄に適した水圧で吸音材表面に当たることとなり、高圧
洗浄水による高効率の洗浄が可能となる。
【0048】更に、本発明の吸音材における無機質板状
体の小貫通孔の開孔率、厚さ、積層枚数及び積層全高さ
の各々について、叙上のように最適範囲で設定すること
によって、より高い吸音性と共に、より高い強度を示す
不燃性の吸音材を提供することができる。
【0049】請求項2記載の発明の吸音材は、叙上のよ
うに構成されているので、用いられる多数の小貫通孔が
全面に略均等に分散して穿設されている無機質板状体を
確実且つ極めて容易に作製し得るものであり、特に、耐
熱性に優れたシリコーンゴム等の耐熱性弾性体製のシー
ト状成形型を用いることによって、より確実且つ極めて
容易に作製し得るものである。
【0050】請求項3記載の発明の吸音材は、叙上のよ
うにAl2 3 −SiO2 系無機質粉体、アルカリ金属
珪酸塩、水及び発泡剤からなる硬化性無機質組成物から
なるものであるので、優れた吸音性能に加えて優れた機
械的強度を併せて有するものである。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、実施例及
び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例に限定されるものではない。
【0052】[無機質硬化性粉体−1]フライアッシュ
(関電化工社製、平均粒径20μm、JIS A 62
01に準ずる)を分級機(日清エンジニアリング社製、
型式:TC−15)によって分級し、粒径が10μm以
下の粉末を無機質硬化性粉体−1を得た。
【0053】[連続気泡発泡体の作製]表1に示す配合
部数(重量部)に従い、上記無機質硬化性粉体−1、珪
酸ナトリウム40重量%水溶液、過酸化水素10重量%
水溶液(三菱ガス化学社製35重量%水溶液を希釈)、
タルク(山陽クレー工業社製、平均粒径5μm)、マイ
カ(スゾライトマイカ、平均粒径40μm)、ビニロン
繊維(クラレ社製、商品名「RM 182-3」、繊維長3m
m)、オレイン酸ナトリウム(和光純薬社製)及び粘度
調整水をハンドミキサーで攪拌混合し、均一なペースト
を得た。次いで、発泡剤として用いられる過酸化水素1
0重量%水溶液を上記硬化性無機質組成物ペーストに加
え、更に約10秒間攪拌混合して発泡性硬化性無機質組
成物を得た。
【0054】
【表1】
【0055】得られた発泡性硬化性無機質組成物を、直
ちに成形用型枠内に流し込み、放置しておくと徐々に発
泡が起こり、発泡は約3分間で完了した。その後、85
℃のオーブン中で12時間加熱し、硬化させて連続気泡
発泡体を作製した。得られた連続気泡発泡体は、脱型
後、デシケータ中で乾燥され、常法に従い、厚さ及び嵩
比重(g/cm3 )が測定された。測定結果は表1に併
せて示す。
【0056】[無機質硬化性粉体−2]メタカオリン
(エンゲルハード社製、商品名「SATINTONE
SP33」、平均粒径3.3μm、比表面積13.9m
2 /g)を無機質硬化性粉体−2として用いた。
【0057】[無機質板状体の作製]表2に示す配合部
数(重量部)に従い、上記無機質硬化性粉体−2、ワラ
ストナイト、珪酸ナトリウム40重量%水溶液、及び粘
度調整水をハンドミキサーで攪拌混合し、均一な無機質
硬化性組成物ペーストを得た。
【0058】
【表2】
【0059】得られた無機質硬化性組成物ペーストを、
直ちにフッ素樹脂(テフロン)製平板上に流延し、該流
延された無機質硬化性組成物シート上から、長さ方向に
60度の角度を持つ千鳥型配列で、直径8mmの円柱状
突起が各々表3に示す開孔率及び厚さとなるように設け
られたシリコーンゴム製シート状成形型を、上記円柱状
突起の先端の円形面が上記フッ素樹脂製平板に密着する
ように押圧し、この押圧された状態のまま、85℃のオ
ーブン中で12時間加熱し、硬化させた。硬化後、上記
シリコーンゴム製シート状成形型を剥がして表3に示す
開孔率及び厚さの無機質板状体を作製した。
【0060】(実施例1〜5)図1及び図2に示す如
く、上記連続気泡発泡体2と、表3に記載した積層枚数
で各々前後左右に小貫通孔直径の1/2ピッチずらして
積層した表3に記載した無機質板状体1、1、・・・
を、エポキシ系接着剤3により積層一体化して吸音材を
作製した。
【0061】(比較例1)実施例1で用いた連続気泡発
泡体のみを吸音材とした。
【0062】(実施例2〜8)上記連続気泡発泡体と、
表3に記載した積層枚数で表3に記載した無機質板状体
を、エポキシ系接着剤により積層一体化して吸音材を作
製した。
【0063】
【表3】
【0064】実施例1〜5及び比較例1〜8の吸音材の
性能を評価するため、垂直入射平均吸音率及び高圧洗浄
水試験を以下に示す方法で試験した。試験結果は表3に
併せて示した。
【0065】1.垂直入射平均吸音率:JIS A 1
405に準拠し、試験片の大きさは直径100mmと
し、実施例の各吸音材は、無機質板状体側の面を音源側
とした。試験片の背面は、厚さ25mmの鉄板を密着さ
せて空気層のない状態で測定を行った。実施例1の吸音
材の測定データを表4に示すが、これらの周波数400
〜4000Hzにおける垂直入射吸音率(aj)を測定
し、建設省道路交通騒音測定指針に定める加重Kjを用
いて、垂直入射平均吸音率Σaj・Kj/ΣKjを算出
した。垂直入射平均吸音率は、実数で示したが、本発明
における評価としては、0.9以上を良好として取り扱
った。
【0066】
【表4】
【0067】2.高圧洗浄水試験:得られた吸音材から
面積200mm×200mmの試験片を切断し、該試験
片の上方15cmの位置から放水角度約60度、ノズル
吐出圧60kg/cm2 で通常洗浄に用いられる水量で
15秒間放水し、主として連続気泡発泡体の表面の損傷
の有無を観察し、○:損傷が認められなかったもの、
×:表面が削られる等の損傷があったもの、の2段階で
評価した。
【0068】
【発明の効果】本発明の吸音材は、叙上の如く構成され
ているので、高い吸音性と高い強度を併せ有する。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音材の実施の一例を示す平面図であ
る。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】本発明で用いられる無機質板状体を作製するた
めのシート状成形型の一例を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】本発明で用いられる無機質板状体を作製するプ
ロセスを説明するための説明図である。
【図6】図5に続くプロセスを説明するための説明図で
ある。
【図7】図5及び図6に続くプロセスを説明するための
説明図である。
【符号の説明】
1 無機質板状体 2 連続気泡発泡体 3 接着剤層 4 シート状成形型 41 柱状突起 5 硬化性無機質組成物 6 平板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 32/00 C04B 32/00 B 38/02 38/02 A G10K 11/172 G10K 11/16 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性無機質組成物から成形された連続
    通気孔発泡体の一面に、多数の小貫通孔が全面に略均等
    に分散して穿設されている無機質板状体の複数枚を、上
    下の無機質板状体の上記小貫通孔が互いに位置をずらし
    た状態で積層されている吸音材であって、無機質板状体
    に穿設されている小貫通孔の開孔率が30〜80%であ
    り、該無機質板状体の厚さが1〜15mm、積層枚数が
    2〜10枚及び積層全高さが2〜40mmであることを
    特徴とする請求項1記載の吸音材。
  2. 【請求項2】 多数の小貫通孔が全面に略均等に分散し
    て穿設されている無機質板状体が、離型性を有する平板
    上に流延された硬化性無機質組成物スラリーに、同一高
    さの柱状突起が表面に略均一に分散して設けられたシー
    ト状成形型を、上記柱状突起の先端が上記平板上に接す
    るように押圧された状態で、加熱硬化され、硬化後、上
    記シート状成形型が剥離されて作製されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸音材。
  3. 【請求項3】 硬化性無機質組成物が、(A)Al2
    3 −SiO2 系無機質粉体、(B)アルカリ金属珪酸塩
    (C)水及び(D)発泡剤からなることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の吸音材。
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