JPH10251078A - 吸音材の製造方法及び吸音材 - Google Patents

吸音材の製造方法及び吸音材

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JPH10251078A
JPH10251078A JP5903497A JP5903497A JPH10251078A JP H10251078 A JPH10251078 A JP H10251078A JP 5903497 A JP5903497 A JP 5903497A JP 5903497 A JP5903497 A JP 5903497A JP H10251078 A JPH10251078 A JP H10251078A
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JP
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foam
weight
foaming
inorganic
parts
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JP5903497A
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English (en)
Inventor
Yoichi Ikemoto
陽一 池本
Yuzo Yokoyama
祐三 横山
Kunio Kusano
邦雄 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い吸音性と強度を併せ有する吸音材の製造
方法及び吸音材を提供する。 【解決手段】 硬化性無機質組成物からなる連続通気孔
発泡体(A)の一面に、Al2 3 −SiO2 系無機質
粉体、アルカリ金属珪酸塩、発泡剤、水及びポリシロキ
サン−ポリオキシアルキレン共重合体からなる発泡性無
機質組成物が発泡され、硬化された後、ノズル圧力30
〜150kg/cm2 の高圧水処理がなされた厚さ2〜
40mmの連続通気孔発泡体(B)が積層されることを
特徴とする吸音材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音材の製造方法
及び吸音材に関し、更に詳しくは吸音性に優れ、高い強
度を有する不燃性土木・建築材料等に有用な吸音材の製
造方法及び吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、無機質発泡体は、その軽量
性、断熱性等に優れることから不燃性土木・建築材料と
して汎用されてきた。しかし、これらの無機質発泡体は
概ね独立気泡からなるものであって、吸音材としての性
能は低小なものであった。無機質吸音材としては、例え
ば、特開平5−85858号公報に、水可溶性アルカリ
金属珪酸塩、無機固体成分、充填材からなる主材と、ア
ニオン界面活性剤及び過酸化水素等の発泡剤とからなる
無機発泡体用組成物を用いて発泡硬化し、吸音材、フィ
ルター等の用途に供し得る連続気泡を有する無機質発泡
体が開示されている。
【0003】しかし、特開平5−85858号公報に開
示されている吸音材は、高い吸音性を得るために密度を
低くし、発泡体の通気率を高くしているので、強度が低
下してしてしまうといった問題があった。例えば、高速
道路等の防音壁等の大面積の壁面に用いられ、吸音材の
汚れを除去する際に、一般的に高圧洗浄水による洗浄が
なされるが、このような高圧洗浄水が直接上記吸音材に
当たると、該吸音材表面がぼろぼろに削れてしまうとい
う吸音性と強度の二律背反の問題点を有するものであっ
た。
【0004】又、軽量気泡コンクリート板表面の機械的
強度と断熱性や軽量性等の諸特性を両立させるための試
みとして、上記板の厚さ方向に比重勾配を持たせた軽量
気泡コンクリート板の製造方法が提案されている。例え
ば、特開平8−208345号公報には、低比重モルタ
ルスラリーと高比重モルタルスラリーを注入し、型枠振
動を行う、比重勾配を持たせた軽量気泡コンクリート板
の製造方法が開示されている。
【0005】しかし、特開平8−208345号公報に
開示されている方法では、型枠振動によって発泡時の気
泡を一部潰してしまうので、高比重層の比重が0.7〜
1.3程度に調整され、吸音特性の低小なものとなるた
め、吸音材としては用いることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の事実に
鑑みなされたものであって、そのの目的とするところ
は、高い吸音性と強度を併せ有する吸音材の製造方法及
び吸音材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
硬化性無機質組成物からなる連続通気孔発泡体(A)の
一面に、Al2 3 −SiO2 系無機質粉体、アルカリ
金属珪酸塩、発泡剤、水及びポリシロキサン−ポリオキ
シアルキレン共重合体からなる発泡性無機質組成物が発
泡され、硬化された後、ノズル圧力30〜150kg/
cm2 の高圧水処理がなされた厚さ2〜40mmの連続
通気孔発泡体(B)が積層されることを特徴とする吸音
材の製造方法をその要旨とする。
【0008】本発明において連続通気孔発泡体(A)の
成形に用いられる硬化性無機質組成物は、水硬性無機物
質からなるものであれば特に限定されるものではない
が、例えば、普通ポルトランドセメント、特殊ポルトラ
ンドセメント、アルミナセメント、耐酸セメント、耐火
セメント、スラグセメント、ローマンセメント、マグネ
シアセメント、石膏、石灰及びこれらの混合物等の水硬
性無機物質及び水からなる硬化性無機質組成物が挙げら
れる。
【0009】上記硬化性無機質組成物のうち、(ア)A
2 3 −SiO2 系無機質粉体、(イ)アルカリ金属
珪酸塩、(ウ)発泡剤及び(エ)水からなる硬化性無機
質組成物が、特に強度並びに吸音性が良好であることか
ら好適に用いられる。上記(ア)Al2 3 −SiO2
系無機質粉体としては、Al2 3 90〜10重量%、
SiO2 10〜90重量%からなる組成の粉体が使用さ
れる。上記組成のAl2 3 −SiO2 系無機質粉体と
しては、例えば、アルミナ系研磨剤を製造する際のダス
ト、フライアッシュ、フライアッシュの分級品や粉砕
品、メタカオリン、フライアッシュを溶融し気中に噴霧
して得られる粉体、Al 2 3 −SiO2 系粉体からな
る粘土を溶融し気中に噴霧して得られる粉体、Al2
3 −SiO2 系粉体に機械的エネルギーを作用させて得
られる粉体、粘土鉱物に500〜900℃で加熱して得
られる粉体に機械的エネルギーを作用させて得られる粉
体等が使用できるが、組成と粒度を選べばこれらに限定
されるものではない。
【0010】上記(イ)アルカリ金属珪酸塩としては、
一般式M2 O・nSiO2 (M=Li、K、Na又はこ
れらの混合物、nの値は、好ましくはn=0.05〜
8、更に好ましくはn=0.1〜3)で表されるもので
ある。上記アルカリ金属珪酸塩のnの値が8を超える場
合、アルカリ金属珪酸塩水溶液がゲル化を起こし易く、
すぐ粘度が急激に上昇するため、他の粉体との混合が困
難となり、0.05未満では、得られる連続通気孔発泡
体の強度が低下するので上記範囲のアルカリ金属珪酸塩
が使用される。
【0011】上記アルカリ金属珪酸塩を、他の粉体成分
に混合して硬化性無機質組成物を調製する際に、水溶液
として添加、混合されることが好ましい。上記アルカリ
金属珪酸塩の水溶液濃度は、特に限定されるものではな
いが、高濃度であると、発泡に適した粘度が得られず、
低濃度であると、得られる連続通気孔発泡体の硬化収縮
が大きくなったり、強度低下のおそれがあるので、10
〜60重量%が好ましい。
【0012】上記アルカリ金属珪酸塩の添加量は、上記
Al2 3 −SiO2 系無機質粉体100重量部に対し
て、好ましくは0.2〜450重量部、更に好ましくは
10〜350重量部である。上記アルカリ金属珪酸塩の
添加量が0.2重量部未満の場合、得られる連続通気孔
発泡体が硬化不良となり、逆に、450重量部を超える
と得られる連続通気孔発泡体の耐水性が低下するおそれ
がある。
【0013】上記硬化性無機質組成物に含まれる水
(エ)は、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液中の水成分を
含めて、上記Al2 3 −SiO2 系無機質粉体100
重量部に対して、好ましくは35〜1500重量部、更
に好ましくは45〜1000重量部である。上記水の含
有量が多くなると、硬化性無機質組成物の粘度が低下
し、発泡工程が不安定となり、又、得られる連続通気孔
発泡体の強度も低下する。逆に、水の含有量が少なくな
ると、硬化性無機質組成物の粘度が高くなり過ぎ、発泡
工程が不安定となり、且つ、高倍率発泡、低密度連続通
気孔発泡体が得られない。
【0014】上記硬化性無機質組成物は、必要に応じ
て、無機質充填材、補強繊維、発泡助剤、無機質発泡体
等が添加されてもよい。上記無機質充填材は、硬化性無
機質組成物スラリーの流動性向上、発泡時及びその後の
気泡の安定化、得られる連続通気孔発泡体の硬化時の収
縮低減、セルの緻密化等を図る目的で添加される。
【0015】無機質充填材としては、例えば、珪砂、珪
石粉、フライアッシュ、スラグ、シリカヒューム、マイ
カ、タルク、ワラストナイト、炭酸カルシウム、アエロ
ジル、シリカゲル、アルミナゲル、ゼオライト、活性炭
等の多孔質無機質粉体が挙げられる。
【0016】上記無機質充填材の平均粒径は、好ましく
は0.01μm〜1mmである。上記平均粒径が0.0
1μm未満では、吸着水量の増加によって硬化性無機質
組成物の粘度が上がり、混合作業性が低下したり、発泡
が十分行われなくなるおそれがある。又、1mmを超え
ると、発泡の安定性が阻害される。
【0017】上記無機質充填材の添加量は、上記Al2
3 −SiO2 系無機質粉体100重量部に対して、好
ましくは20〜600重量部、更に好ましくは40〜4
00重量部である。上記添加量が20重量部未満では、
十分な添加効果が発現せず、又、600重量部を超える
と、得られる連続通気孔発泡体の強度低下をきたすおそ
れがある。
【0018】補強繊維は、得られる連続通気孔発泡体の
強度向上、クラック防止を図る目的で添加される。上記
補強繊維としては、例えば、ビニロン繊維、ポリプロピ
レン繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、レーヨン繊
維、カーボン繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウムウイ
スカー、アルミナ繊維、スチールウール、スラグウール
等が挙げられる。
【0019】上記補強繊維の繊維長は、好ましくは、1
〜15mmである。上記繊維長が1mm未満では、混合
時に再凝集してファイバーボールを形成し、又、15m
mを超えると、分散性が低下し、いずれも十分な補強効
果を発現しないおそれがある。又、上記補強繊維の繊維
径は、好ましくは、1〜500μmである。上記繊維径
が上記範囲を外れると、いずれも十分な補強効果を発現
しないおそれがある。
【0020】上記補強繊維の添加量は、上記Al2 3
−SiO2 系無機質粉体100重量部に対して、好まし
くは10重量部以下である。上記添加量が10重量部を
超えると繊維の分散性が低下し、却って補強効果を阻害
するおそれがある。
【0021】発泡助剤は、発泡時の気泡の安定化を図る
目的で添加される。上記発泡助剤としては、例えば、シ
リカゲル、アルミナゲル、ゼオライト、活性炭等の多孔
質無機質粉体やステアリン酸、オレイン酸、パルミチン
酸等の脂肪酸のアルカリ金属塩類、アルキルサルフェー
ト塩類、アルキルアリールスルホネート塩類からなる界
面活性剤等が挙げられる。上記界面活性剤からなる発泡
助剤として、就中、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸ナト
リウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸カリウム、ラウリルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが好適に用いる
ことができる。
【0022】上記多孔質無機質粉体からなる発泡助剤の
添加量は、上記Al2 3 −SiO 2 系無機質粉体10
0重量部に対して、好ましくは5重量部以下である。上
記添加量が5重量部を超えると、破泡の発生が多くな
り、発泡の安定性が阻害される。上記界面活性剤からな
る発泡助剤の添加量は、上記Al2 3 −SiO2 系無
機質粉体100重量部に対して、好ましくは0.05〜
5重量部、更に好ましくは0.3〜3重量部である。上
記添加量が0.05重量部未満では、発泡助剤の添加効
果が現出せず、破泡の発生が多くなり、発泡の安定性が
阻害されるおそれがあり、逆に、5重量部を超えると、
硬化性無機質組成物の粘度が上昇し、該硬化性無機質組
成物の発泡に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0023】無機質発泡体は、得られる連続通気孔発泡
体の軽量化を図る目的で添加される。 上記無機質発泡
体としては、例えば、ガラスバルーン、シラスバルー
ン、フライアッシュバルーン、シリカバルーン、パーラ
イト、ヒル石、粒状発泡シリカ等が挙げられる。これら
は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。上記無機質発泡体の見かけの密度は、0.01g/
cc未満では、得られる連続通気孔発泡体の機械的強度
が低下し、又、1g/ccを超えると、軽量化を図る目
的を十分に達成し得ないので、好ましくは0.01〜1
g/cc、更に好ましくは0.03〜0.7g/ccで
ある。上記無機質発泡体の添加量は、上記Al2 3
SiO2 系無機質粉体100重量部に対して、好ましく
は10〜100重量部、更に好ましくは30〜80重量
部である。上記添加量が10重量部未満では、軽量化を
図る目的を十分に達成し得ず、100重量部を超える
と、得られる連続通気孔発泡体の機械的強度が低下する
おそれがある。
【0024】上記硬化性無機質組成物から連続通気孔発
泡体を成形する際の発泡手段は、特に限定されるもので
はないが、例えば、過酸化物や金属粉末等の発泡剤を用
い、内部に気泡を形成させる方法等が挙げられる。
【0025】上記発泡剤としては、例えば、過酸化水
素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過ほう酸ナト
リウム等が挙げられる。これらの過酸化物からなる発泡
剤の添加量は、上記Al2 3 −SiO2 系無機質粉体
100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量
部である。上記添加量が0.01重量部未満では、気泡
が十分に形成されず、所望の発泡体を得ることが難し
く、10重量部を超えると、発泡ガスが過剰となり、破
泡が多く発生するおそれがある。
【0026】又、発泡剤として過酸化水素を用いる場
合、水溶液で用いるのが好ましいが、その水溶液濃度
は、濃過ぎると発泡が激しく危険であるばかりか、安定
した発泡が難しくなり、薄過ぎると硬化性無機質組成物
の粘度が低下し、安定した発泡が難しくなるので、好ま
しくは0.5〜35重量%、更に好ましくは1〜25重
量%である。
【0027】又、金属粉末からなる発泡剤としては、例
えば、Mg、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン等
が挙げられる。これらの金属粉末からなる発泡剤の平均
粒径は、小さ過ぎると硬化性無機質組成物への分散性が
低下するおそれがあり、又、分散性が良好な場合には反
応性が高くなり、発泡が激しく安定した発泡が難しくな
り、又、大き過ぎると反応性が低下し、所望の発泡体を
得ることが難しくなるおそれがあるので、好ましくは1
〜200μmである。これらの金属粉末からなる発泡剤
の添加量は、上記Al2 3 −SiO2 系無機質粉体1
00重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部で
ある。上記添加量が0.01重量部未満では、気泡が十
分に形成されず、所望の発泡体を得ることが難しく、5
重量部を超えると、発泡ガスが過剰となり、破泡が多く
発生するおそれがある。
【0028】これらの発泡剤の種類や添加量は、目的と
する製品の仕様に基づき適宜選択、設定されるが、コス
ト、使用時の安全性、入手の容易さ、取扱の容易さ等を
総合して、特に、過酸化水素、アルミニウム粉末が好適
に用いられる。
【0029】本発明において連続通気孔発泡体(B)の
成形に用いられる発泡性無機質組成物は、好ましくは、
上記(ア)Al2 3 −SiO2 系無機質粉体100重
量部、(イ)アルカリ金属珪酸塩0.2〜450重量
部、(ウ)発泡剤0.01〜10重量部、(エ)水35
〜1500重量部、更に、(オ)ポリシロキサン−ポリ
オキシアルキレン共重合体0.1〜5重量部が添加され
た発泡性無機質組成物である。
【0030】上記ポリシロキサン−ポリオキシアルキレ
ン共重合体は、硬化性無機質組成物の発泡に際して、気
泡径を大きくし、且つ、気泡間のセル壁厚さを厚くした
連続通気孔発泡体(B)を形成させる為に用いられる。
上記添加量が0.1重量部未満であると、気泡径が小さ
くなり独立気泡部分が増加し、通気抵抗が大きくなり、
又、5重量部を超えると、得られる発泡体の強度が低下
するおそれがあるので上記範囲、更に好ましくは1〜3
重量部の範囲で添加される。
【0031】上記(オ)ポリシロキサン−ポリオキシア
ルキレン共重合体以外の(ア)〜(エ)の各成分の添加
量を上記範囲に限定した理由は、連続通気孔発泡体
(A)を形成させる為に用いられる硬化性無機質組成物
の各成分について先に述べた理由による。
【0032】本発明における連続通気孔発泡体の連続通
気孔とは、小さな気泡体(セル)が集まった独立気泡発
泡体における個々にセルに対して、上記独立気泡発泡体
が任意の3次元方向に、その長さ方向に隣合わせで接し
ているセルが次々と破れたような細くて長大な気泡を指
し、連続通気孔径は、その連続通気孔の直径を示す。上
記連続通気孔径の平均は、好ましくは10〜5000μ
m、更に好ましくは50〜1000μmである。連続通
気孔径の平均値が10〜5000μmの範囲外である
と、吸音性が低下する。
【0033】又、上記連続気泡発泡体の通気率が1cm
3 ・cm/cm2 ・sec・cmH 2 O未満であると、
吸音性が低下し、40cm3 ・cm/cm2 ・sec・
cmH2 Oを超えると、吸音性の低下に加え、連続気泡
発泡体自体の機械的強度が低下するので、上記連続気泡
発泡体の通気率は、好ましくは1〜40cm3 ・cm/
cm2 ・sec・cmH2 O、より好ましくは3〜20
cm3 ・cm/cm2・sec・cmH2 O、最も好ま
しくは5〜10cm3 ・cm/cm2 ・sec・cmH
2 Oである。
【0034】本発明において、硬化性無機質組成物を発
泡させる手段は、常法に従い、発泡剤を除く硬化性無機
質組成物を十分に混合分散させた後、該硬化性無機質組
成物に発泡剤を添加し、混合して、直ちに成形用型枠に
注型すれば、発泡が開始される。上記発泡工程は、常温
で行われてもよいが、50〜100℃程度に加熱して行
われてもよい。
【0035】又、上記発泡した硬化性無機質組成物を硬
化させる手段は、上記発泡工程と同様に、常温で行われ
てもよいが、50〜100℃程度に加熱して行われても
よい。
【0036】本発明における連続通気孔発泡体(B)の
厚さは、2〜40mmに限定される。上記連続通気孔発
泡体(B)の厚さが2mm未満であると、強度、就中、
洗浄時等の高圧水に対する保護能力が低下し、40mm
を超えると、吸音性が低下する。
【0037】又、上記連続気泡発泡体(A)の一面に、
連続気泡発泡体(B)を積層する手段は、上記連続気泡
発泡体(A)の一面に、連続気泡発泡体(B)を重ね合
わせ、その外側を丈夫なフレーム等で締め付ける方法が
とられてもよいが、又、上記連続気泡発泡体(A)の一
面に、連続気泡発泡体(B)をウレタン系の接着剤や上
記連続気泡発泡体(A)もしくは連続気泡発泡体(B)
を成形するための未発泡、未硬化の硬化性無機質組成物
をバインダーとして用い、加熱硬化させて接着してもよ
く、成形用型枠内に上記連続気泡発泡体(A)をインサ
ートして置き、該連続気泡発泡体(A)の上面に、連続
気泡発泡体(B)を成形するための硬化性無機質組成物
スラリーを注型して発泡、硬化させ、連続気泡発泡体
(B)を一体に積層成形してもよく、又、成形用型枠内
に上記連続気泡発泡体(A)及び連続気泡発泡体(B)
を成形するための硬化性無機質組成物スラリーを層状に
注型し、発泡、硬化させて、連続気泡発泡体(B)を一
体に積層成形してもよい。
【0038】上記発泡性無機質組成物(A)及び(B)
のスラリーを積層注型する際に、両者間に発泡後の比重
が違う場合、小さい比重の発泡体が得られる発泡性無機
質組成物を後から注型する。上記の如く小さい比重の発
泡体が得られる発泡性無機質組成物を後から注型するこ
とによって、高比重層と低比重層の境界部分が比重勾配
を有する構造になるものの、著しくは混合せず高比重層
と低比重層の綺麗な積層構造を形成する。
【0039】請求項2記載の発明は、請求項1記載の吸
音材の製造方法によって得られる吸音材であって、Al
2 3 −SiO2 系無機質粉体、アルカリ金属珪酸塩、
発泡剤、水及びポリシロキサン−ポリオキシアルキレン
共重合体からなる発泡性無機質組成物からなる連続通気
孔発泡体(B)の気泡径が1〜10mm、気泡間のセル
壁厚さが0.1〜5mm、嵩密度が0.2〜0.5g/
cm3 であることを特徴とする吸音材をその要旨とす
る。
【0040】上記気泡径が1mm未満であると、得られ
る連続通気孔発泡体(B)の吸音性が低下し、10mm
を超えると、強度が低下する。又、上記気泡間のセル壁
厚さが0.1mm未満であると、得られる連続通気孔発
泡体(B)の強度が低下し、5mmを超えると、吸音性
が低下する。更に、上記嵩密度が0.2g/cm3 未満
であると、得られる連続通気孔発泡体(B)の強度、就
中、洗浄時等の高圧水に対する保護能力が低下し、0.
5g/cm3 を超えると、吸音性が低下する。
【0041】請求項1記載の発明の吸音材の製造方法
は、叙上のように構成されているので、連続通気孔発泡
体(B)の気泡間のセル壁厚さの薄い、即ち、洗浄等の
目的で噴射される高圧水で削り取られるような部分が予
め除去され、気泡間のセル壁厚さは殆ど総てが厚く、気
泡径は若干大きくなって、通気率を大きくするものであ
るので、吸音性を改善すると共に、連続通気孔発泡体
(A)の有する吸音特性を保持しなが、その表面をより
堅固に保護し得るものである。就中、洗浄等の目的で噴
射される高圧水に対する保護機能の大きい吸音材を製造
し得るものである。
【0042】請求項2記載の発明の吸音材は、請求項1
記載の発明の吸音材の製造方法によって得られた吸音材
であって、その連続通気孔発泡体(B)を形成する硬化
性無機質組成物の構成成分及びその組成、気泡径、気泡
間のセル壁厚さ並びに嵩密度を、叙上の如く最適範囲を
定めることによって、より高い吸音性と共に、より高い
強度を示す不燃性の吸音材を提供することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、実施例及
び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例に限定されるものではない。
【0044】[無機質硬化性粉体]フライアッシュ(関
電化工社製、平均粒径20μm、JIS A 6201
に準ずる)を分級機(日清エンジニアリング社製、型
式:TC−15)によって分級し、粒径が10μm以下
の粉末を無機質硬化性粉体−1を得た。
【0045】[その他使用材料] タルク:山陽クレー工業社製、商品名「タルク83」、
平均粒径5μm。 マイカ:スゾライトマイカ、平均粒径40μm。 ビニロン繊維:クラレ社製、商品名「RM182−
3」、繊維長3mm。 オレインさんナトリウム:和光純薬社製。
【0046】[連続通気孔発泡体(A)の作製]表1に
示す配合部数(重量部)に従い、上記無機質硬化性粉
体、珪酸ナトリウム40重量%水溶液、過酸化水素10
重量%水溶液(三菱ガス化学社製35重量%水溶液を希
釈)、タルク、マイカ、ビニロン繊維、オレイン酸ナト
リウム及び粘度調整水をハンドミキサーで攪拌混合し、
均一なペーストを得た。次いで、発泡剤として用いられ
る過酸化水素10重量%水溶液を上記硬化性無機質組成
物ペーストに加え、更に約10秒間攪拌混合して発泡性
硬化性無機質組成物を得た。
【0047】
【表1】
【0048】得られた発泡性硬化性無機質組成物を、直
ちに成形用型枠内に流し込み、放置しておくと徐々に発
泡が起こり、発泡は約3分間で完了した。その後、85
℃のオーブン中で12時間加熱し、硬化させて連続気泡
発泡体を作製した。得られた連続気泡発泡体は、脱型
後、デシケータ中で乾燥され、常法に従い、厚さ及び嵩
比重(g/cm3 )が測定された。測定結果は表1に併
せて示す。
【0049】[連続通気孔発泡体(B)の作製]連続通
気孔発泡体(A)のオレイン酸ナトリウムに替えて、ポ
リシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(信越化
学社製、商品名「F342」)を用い、表1に示す配合
部数(重量部)に従い、発泡剤の過酸化水素10重量%
水溶液を除く各成分をハンドミキサーで攪拌混合し、均
一なペーストを得た。次いで、発泡剤として用いられる
過酸化水素10重量%水溶液を上記硬化性無機質組成物
ペーストに加え、更に約10秒間攪拌混合して発泡性硬
化性無機質組成物を得た。
【0050】得られた発泡性硬化性無機質組成物を、直
ちに成形用型枠内に流し込み、放置しておくと徐々に発
泡が起こり、発泡は約3分間で完了した。その後、85
℃のオーブン中で12時間加熱し、硬化させて連続気泡
発泡体を作製した。
【0051】[高圧水処理]次いで、表1に示す厚さに
スライスし、該スライス面に、ノズル圧60kg/cm
2 、噴射量20リットル/分で、3分間高圧水を直角に
噴射衝突させて処理し、風乾した後、デシケータ中で乾
燥し、常法に従い、嵩比重(g/cm3 )を測定した。
測定結果は表1に併せて示す。尚、比較例2において、
連続通気孔発泡体(B)は、高圧水処理を行わないで用
いるので、表1に示す厚さにスライスした後、直ちに嵩
比重の測定を行った。
【0052】(実施例1〜5)上記連続通気孔発泡体
(A)及び(B)を、エポキシ系接着剤により積層一体
化して吸音材を作製した。
【0053】(比較例)実施例1で用いた連続通気孔発
泡体(A)のみを吸音材とした。
【0054】実施例1〜5及び比較例の吸音材の性能を
評価するため、垂直入射平均吸音率及び高圧洗浄水試験
を以下に示す方法で試験した。試験結果は表1に併せて
示した。
【0055】1.垂直入射平均吸音率:JIS A 1
405に準拠し、試験片の大きさは直径100mmと
し、実施例の各吸音材は、無機質板状体側の面を音源側
とした。試験片の背面は、厚さ25mmの鉄板を密着さ
せて空気層のない状態で測定を行った。実施例1の吸音
材の測定データを表2に示すが、これらの周波数400
〜4000Hzにおける垂直入射吸音率(aj)を測定
し、建設省道路交通騒音測定指針に定める加重Kjを用
いて、垂直入射平均吸音率Σaj・Kj/ΣKjを算出
した。垂直入射平均吸音率は、実数で示したが、本発明
における評価としては、0.85以上を良好として取り
扱った。
【0056】
【表2】
【0057】2.高圧洗浄水試験:得られた吸音材から
面積200mm×200mmの試験片を切断し、該試験
片の上方15cmの位置から放水角度約60度、ノズル
吐出圧60kg/cm2 で通常洗浄に用いられる水量で
15秒間放水し、主として連続気泡発泡体の表面の損傷
の有無を観察し、○:損傷が認められなかったもの、
×:表面が削られる等の損傷があったもの、の2段階で
評価した。
【0058】
【発明の効果】本発明の吸音材は、叙上の如く構成され
ているので、高い吸音性と高い強度を併せ有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C04B 28/26 22:06 24:40) 103:42 111:40 111:52

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性無機質組成物からなる連続通気孔
    発泡体(A)の一面に、Al2 3 −SiO2 系無機質
    粉体、アルカリ金属珪酸塩、発泡剤、水及びポリシロキ
    サン−ポリオキシアルキレン共重合体からなる発泡性無
    機質組成物が発泡され、硬化された後、ノズル圧力30
    〜150kg/cm2 の高圧水処理がなされた厚さ2〜
    40mmの連続通気孔発泡体(B)が積層されることを
    特徴とする吸音材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸音材の製造方法によっ
    て得られる吸音材であって、Al2 3 −SiO2 系無
    機質粉体、アルカリ金属珪酸塩、発泡剤、水及びポリシ
    ロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体からなる発泡
    性無機質組成物からなる連続通気孔発泡体(B)の気泡
    径が1〜10mm、気泡間のセル壁厚さが0.1〜5m
    m、嵩密度が0.2〜0.5g/cm3 であることを特
    徴とする吸音材。
JP5903497A 1997-03-13 1997-03-13 吸音材の製造方法及び吸音材 Pending JPH10251078A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102329149A (zh) * 2011-07-12 2012-01-25 梁材 吸音泡沫混凝土制品用发泡剂及其制备方法
CN102329150A (zh) * 2011-07-28 2012-01-25 梁材 一种混凝土发泡剂及其制备方法

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