JPH1024458A - 射出成形用金型 - Google Patents

射出成形用金型

Info

Publication number
JPH1024458A
JPH1024458A JP18088896A JP18088896A JPH1024458A JP H1024458 A JPH1024458 A JP H1024458A JP 18088896 A JP18088896 A JP 18088896A JP 18088896 A JP18088896 A JP 18088896A JP H1024458 A JPH1024458 A JP H1024458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
runner
mold
cavity
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18088896A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimitaka Nishimura
公孝 西村
Masahiko Kikuchi
政彦 菊地
Ryuichi Yamamoto
隆一 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP18088896A priority Critical patent/JPH1024458A/ja
Publication of JPH1024458A publication Critical patent/JPH1024458A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアブロックがキャビティブロックに追随し
て移動可能であって、しかもサイドゲート方式やサブマ
リンゲート方式等のように成形品の側面から溶融材料を
充填できるゲート方式を適用することができ、金型の変
形や破損等を防止して長寿命化を図ることができる射出
成形用金型を提供する。 【解決手段】 ランナー33の一部を形成するランナー
ブロック36をコアブロック15の側方に移動可能に設
けると共に、型締め時にランナーブロック36を側方か
らコアブロック15に押し付けるブロック押付機構40
を固定側型1に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融して可塑
化状態とされた成形材料を、予め閉じられた固定側型及
び可動側型により形成されるキャビティ内に圧力を加え
て充填し、冷却(熱可塑性樹脂の場合)又は加熱(熱硬
化性樹脂の場合)固化して成形品を得るための射出成形
用金型に関し、特に、可動側型のコアブロックが固定側
型のキャビティブロックに追随して移動可能に構成され
た射出成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンパクトカセット(音声信号
記録再生テープカセット)やビデオカセット(音声及び
映像信号記録再生テープカセット)等の筐体は、上下に
重ね合わされる一対の上シェル及び下シェルからなり、
これらは主としてスチレン系樹脂を成形材料として射出
成形によって大量生産されている。このようなコンパク
トカセットやビデオカセット等のテープカセットには外
観や内部形状の相違、大きさの大小等によって多種多用
のものがあり、これに伴ってテープカセットを生産する
ための射出成形用金型も、そのシェルの数だけ存在す
る。
【0003】この射出成形用金型の一般的構造として
は、2枚構成金型が最も良く知られており、パーティン
グ面によって分割された固定側型と可動側型とから構成
されている。固定側型は成形品の外面を成形するキャビ
ティが設けられたキャビティブロックを有する一方、可
動側型は成形品の内面を成形する突起部が設けられたコ
アブロックを有しており、両型を重ね合わせることによ
ってキャビティブロック及びコアブロック間に成形品の
ためのキャビティ空間が形成されている。また、キャビ
ティブロックは取付ねじによって固定側受け板に固定さ
れ、コアブロックは同じく取付ねじによって可動側受け
板に固定されている。そして、両ブロックには、これら
を位置決めするための位置決めピン及びブシュ、並びに
成形材料をキャビティに導くためのスプルー、ランナー
及びゲート等が設けられている。
【0004】このような構成を有する固定側型及び可動
側型は、成形材料が射出されて冷却固化するまでの間キ
ャビティ内の材料圧に負けないだけの十分な型締力が要
求されると共に、成形品の取出しに必要なストロークを
速やかに開閉できる必要がある。そのため、射出成形用
金型が用いられる射出成形機には型締装置が設けられて
いて、その型締装置によって開閉される構成となってい
る。
【0005】この型締装置による型開閉時、両型が正し
い位置に位置決めされていない場合、或いは一方の型が
移動して両型間にズレを生じたような場合には、一方の
型に設けた位置決めピンが他方の型に設けた位置決めブ
シュに嵌まり合わなくなる。その結果、両型の型締めが
できないことになり、場合によってはキャビティブロッ
ク又はコアブロック或いはその双方等に変形や破損等の
不具合が生ずることになるという問題点があった。
【0006】そこで、本出願人は、先に、キャビティブ
ロックに追随してコアブロックを移動可能とした金型構
造を有する射出成形用金型について特許出願を行った
(特願平7−290068号)。その特許出願に係る射
出成形用金型は、固定側型及び可動側型を射出成形機に
取り付けた状態のままキャビティブロック又はコアブロ
ックのみを取り外して交換作業等を行うことができるよ
うにしたもので、その射出成形用金型の構成要部を、本
出願の図10として断面図示する。
【0007】図10において、固定側型1は、取付板3
と受け板4とキャビティブロック5等を有し、キャビテ
ィブロック5のパーティング面6には成形品の外面を成
形するキャビティ7が形成されている。キャビティブロ
ック5と受け板4とはノックピン8によって位置決めさ
れていると共に、取付ねじ9によって一体的に締付固定
されている。そして、キャビティ7にはキャビティブロ
ック5及び受け板4を貫通するスプルー10の一端が連
通されていて、スプルー10の他端は取付板3に嵌合さ
れたスプルーブシュ11に連通されている。更に、位置
決めピン12が、キャビティブロック5のパーティング
面6に突出されている。
【0008】また、可動側型2は、コアブロック15と
バックプレート16と受け板17等を有し、コアブロッ
ク15のパーティング面6には成形品の内面を成形する
コアプレート18が取り付けられている。コアブロック
15とバックプレート16は複数の固定ねじ19で締付
固定されて一体化されており、これによって形成された
コアブロック組立体20にはノックピン21が嵌合され
ていて、このノックピン21を貫通する取付ねじ22に
よってコアブロック組立体20が受け板17に取り付け
られている。
【0009】この取付ねじ22の頭部とコアブロック1
5の座ぐり孔の座部との間には皿バネ23が介在されて
おり、この皿バネ23のバネ力はコアブロック組立体2
0が自重によってずれない程度の大きさに設定されてい
る。更に、ノックピン21の内径と取付ねじ22の軸部
との間には若干の隙間が設定されており、この隙間によ
ってコアブロック組立体20のパーティング面6方向へ
の移動が可能とされている。そして、コアブロック15
には、キャビティブロック5との位置合わせを行うため
の位置決めブシュ24が取り付けられている。
【0010】更に、バックプレート16には、基部が受
け板17に圧入されたガイドピン25の先端部が嵌合さ
れている。そして、コアブロック組立体20及びコアプ
レート18には突出ピン26及び接続ボルト27が貫通
されていて、これら突出ピン26及び接続ボルト27の
基部は、ガイドピン25にガイドされて進退する突出プ
レート28に固定されている。この突出プレート28の
前進動作によって突出ピン26及び接続ボルト27の先
端がコアプレート18から突き出され、これにより成形
品がコアプレート18から剥離される。
【0011】かくして、コアブロック組立体20は、皿
バネ23の変形可能量だけ取付ねじ22の軸方向へ移動
(浮き上がり)可能であると共に、ノックピン21と取
付ねじ22との間の隙間分だけパーティング面6方向へ
移動可能とされている。従って、これらの移動可能量に
より、キャビティブロック5の移動に対するコアブロッ
ク15のある程度の追随の自由度が確保されている。
【0012】このような構成を有する射出成形用金型に
よって成形される成形品は、溶融した成形材料が導入さ
れるゲートの設定位置によって外観上の見栄えを大きく
異にし、そのゲート位置の良否によって意匠上の価値観
に大きな影響を与えるものである。例えば、図10に示
すダイレクトゲート方式や図11に示すピンポイントゲ
ート方式の場合には、スプルー10がキャビティ7の略
中央に連通されていて、そのゲート位置が成形品の平面
の略中央に位置することになる。そのため、成形品がコ
ンパクトカセットの上シェルや下シェルのように、その
平面側が見易くて特徴を有する部分である場合に、その
ような面にゲート跡が残っていると外観上の見栄えに欠
けることになって意匠上の価値観を低下させることにな
る。
【0013】これに対して、図12に示すサイドゲート
方式や図13に示すサブマリンゲート方式の場合には、
スプルー10がキャビティ7の側方に設けられていて、
そのスプルー10のパーティング面6に設けられたラン
ナー29から延びるゲート30によってキャビティ7と
ランナー29が連通されている。その結果、成形品の目
立たない側面にゲート跡が位置することになるため、か
かる側面にゲート跡が残っている場合にも、外観上の見
栄えを損なうことなく意匠上の価値観の低下を防止する
ことができる。従って、成形品がコンパクトカセットの
シェル等である場合には、その金型のゲートは、成形品
の側面にゲート30が設定されるサイドゲート方式やサ
ブマリンゲート方式のものが好ましい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような先行技術としての射出成形用金型においては、
サイドゲート方式やサブマリンゲート方式の場合には、
スプルー10がキャビティ7の側方に設定されているば
かりでなく、パーティング面6側にランナー29を設
け、このランナー29とキャビティ7をゲート30で連
通する構造となっていたため、キャビティブロック5及
びコアブロック15の大型化を招き、成形時において変
形や傷みを生じ易いために必要に応じて補修作業や交換
作業を随時行うことが必要とされるキャビティブロック
5及びコアブロック15の補修・交換等の作業性が悪く
なり、生産効率の低下を招くと共に、射出成形用金型の
保守・管理等に不利・不便をきたすおそれがあるという
不十分な点があった。
【0015】そこで、本発明者は、キャビティブロック
及びコアブロックとは別にランナーブロック及びランナ
ープレートを設け、ランナープレートを受け板に別個独
立に固定すると共に、ランナープレートにはランナーブ
ロックを移動可能に支持し、ランナーブロックの上面に
ランナーの一部を設けた射出成形用金型を発明した。こ
のランナーブロック等を有する射出成形用金型によれ
ば、コアブロック等の大型化を生ずることがなく、成形
品の側面にゲートを設けるサイドゲート方式やサブマリ
ンゲート方式を適用することができ、従って、外観上の
見栄えを損なうことなく意匠上の価値観の低下を防止で
きる成形品を射出成形することができるようになった。
【0016】ところが、上述した先行技術に係る射出成
形用金型によると、微小距離ではあるがコアブロックが
パーティング面方向に移動可能な構成とされているた
め、溶融した成形材料の充填圧力等によってコアブロッ
クがパーティング面方向に移動すると、ランナーブロッ
クとコアブロックとの間に隙間が発生し、その隙間内に
成形材料が流れ込むことによってキャビティ内に導入す
る際の圧力が低下して、キャビティの末端部まで成形材
料が行きわたらない、いわゆるショートショットと呼ば
れる成形不良が発生するおそれがあるという課題があっ
た。
【0017】本発明は、このような先行技術の課題に鑑
みてなされたものであり、コアブロックがキャビティブ
ロックに追随して移動可能であって、しかもサイドゲー
ト方式やサブマリンゲート方式等のように成形品の側面
から溶融材料を充填できるゲート方式を適用することが
でき、金型の変形や破損等を防止して長寿命化を図るこ
とができる射出成形用金型を提供することを目的として
いる。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の射出成形用金型
は、上述したような課題等を解決し、上記目的を達成す
るために、ランナーの一部を形成するランナーブロック
をコアブロックの側方に移動可能に設けると共に、型締
め時にランナーブロックを側方から押圧してコアブロッ
クに押し付けてランナーを液密に封止するブロック押付
機構を固定側型に設けたことを特徴としている。
【0019】本発明は、上述のように構成したことによ
り、ランナーブロックとコアブロックとの間に隙間を生
ずることがなく、その隙間内に成形材料が流れ込むこと
によってキャビティ内の充填圧力が低下し、いわゆるシ
ョートショットと呼ばれる成形不良が発生するのを防止
すると共に、金型の変形や破損等を抑制して長寿命化を
図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1〜図7は本発明の第1実施例を示
すもので、図1は本発明の射出成形用金型の第1実施例
を断面して示す説明図、図2は図1の要部を拡大して示
す金型が開いた状態の断面図、図3は図1の要部を拡大
して示す金型が閉じた状態の断面図、図4はコアブロッ
ク及びランナーブロックの平面図、図5は図4の側面
図、図6は図4のA−A線拡大断面図、図7は図6の状
態からコアブロックが移動した状態を示す断面図であ
る。また、図8及び図9は本発明の射出成形用金型の第
2実施例を断面して示すもので、図8は金型が開いた状
態の断面図、図9は金型が閉じた状態の断面図である。
尚、図1〜図9において、先行技術を示す図10〜図1
4と同一部分には、合一符号を付して説明する。
【0021】図1に示すように、この第1実施例に示す
射出成形用金型は、2個の成形品を1度に成形すること
ができる、いわゆる2個取りの金型に適用したものであ
る。また、本実施例の射出成形の対象とされる成形品と
しては、コンパクトカセットやビデオカセット等の筐体
を構成する一対の上シェル及び下シェル等を挙げること
ができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】尚、一般に、コンパクトカセット等のカセ
ットシェルは、主としてスチレン系樹脂(例えば、AB
S樹脂、高衝撃性ポリスチレン等)を成形材料として射
出成形によって大量生産されている。従って、本実施例
においてもスチレン系樹脂を成形材料として適用できる
ことは勿論のこと、射出成形が可能なその他の合成樹脂
及び、合成樹脂以外の射出成形が可能な金属等を成形材
料として適宜に用いることができる。
【0023】図1において、本実施例の射出成形用金型
は、射出成形機の型締装置の固定盤に取り付けられる固
定側型1と、可動盤に取り付けられる可動側型2とから
構成されている。固定側型1は、固定側取付板3と固定
側受け板4と固定側のキャビティブロック5及びランナ
ープレート31とを有し、固定側取付板3の前面に固定
側受け板4が配置され、その固定側受け板4の前面にキ
ャビティブロック5及びランナープレート31が横並び
に配置されている。そして、固定側取付板3と固定側受
け板4とは、背面側から螺合される図示しない取付ねじ
によって着脱可能に締付固定されている。
【0024】これに対して、キャビティブロック5及び
ランナープレート31は、正面側であるパーティング面
6側から螺合される取付ねじ9等によって固定側受け板
4に着脱可能に締付固定されている。そして、固定側受
け板4の複数箇所には、ピン孔とこれより小径のねじ孔
とが同心に設けられており、各ピン孔には外周面の精度
を十分に高くした円筒状のノックピン8の一端がそれぞ
れ圧入固定されている。これらノックピン8の他端は、
これに対応させてキャビティブロック5に設けた位置決
め穴に嵌合されており、かかる位置決め孔にノックピン
8を嵌合した後、ノックピン8の内側に挿入される取付
ねじ9を締め込むことによって、キャビティブロック5
が固定側受け板4に精度良く位置決めされて取り付けら
れている。
【0025】このように重ね合わされた固定側受け板4
及びランナープレート31には、これらを貫通して先端
がランナープレート31のパーティング面6に開口する
スプルー32が設けられている。そして、スプルー32
のパーティング面6側の先端には、ランナー33の一部
を形成する固定側のランナー凹部33aが形成されてい
る。この固定側ランナー凹部33aとキャビティブロッ
ク5のパーティング面6に形成された成形品の外面を形
成するキャビティ7とは、後述する可動側の前後のラン
ナー凹部33b,33c及びサブマリンゲート34によ
って連通されることになる。そして、スプルー32の基
端である固定側取付板3側には、図示しない射出装置の
射出ノズルが臨むスプルーブシュ11が嵌合されてい
て、その外側には円環状のロケートリング35が固定さ
れている。
【0026】更に、キャビティブロック5には、コアブ
ロック15と精密に位置合わせするためのブロック位置
決め機構の一方を構成する位置決めピン12が設けられ
ている。この位置決めピン12は、キャビティブロック
5のキャビティ7が開口する前面側に開口された凹部内
に収容される固定部12aと、この固定部12aの軸方
向の一側に連続してパーティング面6側に突出する突起
部12bとから構成されている。そして、背面側である
固定側受け板4側から螺合される固定ねじ47によって
キャビティブロック5に固着されている。
【0027】また、図2及び図3に拡大して示すよう
に、固定側ランナープレート31には、型締め時にラン
ナーブロック36を側方からコアブロック15に押し付
けるブロック押付機構40が設けられている。このブロ
ック押付機構40は、ロッキングブロック41とストッ
パねじ42とガイドスリーブ43とガイドブシュ44と
弾性体の一具体例を示すコイルバネ45とを有し、これ
らがランナープレート31の段付き孔46に収容されて
いる。段付き孔46には、その中途部に鍔部46aが設
けられていて、その鍔部46aの正面側にはロッキング
ブロック41が移動可能に嵌合され、鍔部46aの背面
側にはガイドブシュ44が嵌合されている。
【0028】更に、ガイドブシュ44には、一端にフラ
ンジ部を有するガイドスリーブ43が軸方向へ摺動可能
に嵌合されており、その先端は段付き孔46の正面側に
突出されている。このガイドスリーブ43の背面側には
コイルバネ45の一端が着座されていると共に、そのコ
イルバネ45の他端は固定側受け板4の座部に着座され
ている。そして、ストッパねじ42の軸部がロッキング
ブロック41とガイドスリーブ43の孔を摺動可能に貫
通し、その先端に設けたねじ部が固定側受け板4の座部
中央に螺合されている。
【0029】かくして、ランナープレート31に取り付
けられたブロック押付機構40のガイドスリーブ43
は、コイルバネ45のばね力によって常時パーティング
面6側に付勢されており、このコイルバネ45のばね力
に抗してガイドスリーブ43を押し込むことにより、そ
の先端の突出量Sだけロッキングブロック41が段付き
孔46内に押し込まれる。このロッキングブロック41
の先部のキャビティブロック5側には、ランナーブロッ
ク36を側方から押圧するための傾斜押圧面41aが形
成されている。
【0030】また、図1に示すように、可動側型2は、
コアブロック15とバックプレート16と可動側受け板
17とランナーブロック36とランナープレート37と
スペーサブロック38と可動側取付板39とを有し、コ
アブロック15の前面には成形品の内面を形成するコア
プレート18が固定されている。可動側取付板39の前
面にはスペーサブロック38を介して可動側受け板17
が配置されていて、その可動側受け板17の前面にはバ
ックプレート16が配置され、更に、その前面にはコア
ブロック15が配置されている。そして、コアブロック
15とバックプレート16及び、可動側受け板17とス
ペーサブロック38と可動側取付板39とは、それぞれ
背面側から螺合される取付ねじ19,48によって着脱
可能に締付固定されている。
【0031】一方、コアブロック15とバックプレート
16とが固定ねじ19で締結されて一体化されたコアブ
ロック組立体20は、正面側であるコアブロック15側
からノックピン21の孔に挿入される取付ねじ22によ
って可動側受け板17に着脱可能に締付固定されてい
る。更に、コアブロック15及びバックプレート16の
複数箇所には、これらを貫通するピン孔20aと、その
ピン孔20aより大径の座ぐり穴20bとが同心に設け
られている。そして、各ピン孔20aに対応させて可動
側受け板17の複数箇所には、円筒状のノックピン21
がそれぞれ圧入固定されている。
【0032】ノックピン21の内径は取付ねじ22の外
径よりも若干大きく形成されており、両者間に若干の隙
間を設けることによって当該隙間の範囲内において、コ
アブロック組立体20のパーティング面6方向(図4に
おいてX方向及びY方向)への移動を可能とし、キャビ
ティブロック5の移動に対するコアブロック組立体20
の追随性を確保している。更に、ノックピン21の先端
が臨む座ぐり穴20bの座部と取付ねじ22の頭部との
間には、弾性体の一具体例を示す皿ばね23が介在され
ており、この皿ばね23のばね力によってコアブロック
組立体20が可動側受け板17に押圧されて弾性的に支
持され、自重による移動が防止されている。
【0033】更に、コアブロック15には、ブロック位
置決め機構の他方を構成する位置決めブシュ24が取り
付けられている。この位置決めブシュ24は、コアブロ
ック15のコアプレート18が突出する前面側に開口さ
れたブシュ収納穴内に収納されており、その前面側には
キャビティブロック5に設けた位置決めピン12の突起
部12bが嵌合される位置決め孔24aが設けられてい
る。この位置決めブシュ24の位置決め孔24aに位置
決めピン12の突起部12bを嵌合させることにより、
キャビティブロック5とコアブロック15とを精度良く
位置決めして型合わせすることができる。
【0034】かかる位置決めブシュ24には、位置決め
孔24aの反対側から螺合される取付ねじ49によって
ネジブロック50が締付固定されており、このネジブロ
ック50を介して位置決めブシュ24がコアブロック1
5に取り付けられている。そして、コアブロック15の
背面側に配置されたバックプレート16によって位置決
めブシュ24及びネジブロック50が抜け止めされてい
る。
【0035】また、ランナープレート37は、図示しな
い複数本の取付ねじによって正面側から可動側受け板1
7に着脱可能に取り付けられている。そして、図2〜図
5に示すように、ランナープレート37の前面にはラン
ナーブロック36が、コアブロック15に対して近接・
離反可能に取り付けられている。このランナーブロック
36は、幅方向の両側に突出して当該幅方向と直交する
方向に平行に延びる左右のガイド部36bを有し、各ガ
イド部36bは、ランナープレート37に設けた左右の
ガイド板52によって摺動可能に支持されている。
【0036】従って、ランナーブロック36は、その幅
方向への移動が左右のガイド板52によって阻止されて
いる一方、これと直交する方向に対してはコアブロック
15との間に設定された隙間Tだけ移動可能とされてい
る。そして、ランナーブロック36の後部には、ロッキ
ングブロック41の傾斜押圧面41aが摺動接触する傾
斜受圧面36aが形成されている。この傾斜受圧面36
aの角度と傾斜押圧面41aの角度を加えた角度は略9
0度に設定されており、これによりロッキングブロック
41の移動方向に対するランナーブロック36の移動方
向を、その押圧力の作用方向に対して略直交する方向へ
変換させるように構成している。
【0037】更に、ランナーブロック36のパーティン
グ面6には、ランナー33の一部を形成する可動側の後
ランナー凹部33cが形成されている。この後ランナー
凹部33cは、図4に示すように、平面形状がコの字形
をなしていて、両端のコアブロック15側の開口部に
は、当該コアブロック15に設けたゲート凸部56の前
ランナー凹部33bが対向設置されている。この前ラン
ナー凹部33bの幅bは、後ランナー凹部33cの幅B
よりも若干幅狭(b<B)に形成されている。この前後
ランナー凹部33b,33cの幅の差は、上述したノッ
クピン21及び取付ねじ22間の隙間と略同一に設定す
る。
【0038】従って、ランナーブロック36に対してコ
アブロック15が所定位置に対向設置されている場合に
は、図6に拡大して示すように、後ランナー凹部33c
の中心と前ランナー凹部33bの中心とは一致した状態
にある。これに対して、キャビティブロック5の移動に
追随してコアブロック15が図4においてX方向に移動
すると、前ランナー凹部33bの中心が後ランナー凹部
33cの中心からズレて、図7に拡大して示すような状
態に変化する。しかしながら、このような移動状態にお
いても、前ランナー凹部33bの移動量は後ランナー凹
部33cの広幅によって吸収することができる。
【0039】その結果、コアブロック15が所定の正規
位置にあるか、又は移動後の任意位置にあるかに係わら
ず、材料充填時には常に、前ランナー凹部33bの断面
積に相当する成形材料の流量を確保することができる。
因みに、前後のランナー凹部33b,33cの幅を等し
くbに設定すると、図14に示すように、その移動量に
応じて互いの側部が重なり合い、流動時の有効断面積が
減少して成形材料の流量が少なくなるという不具合が生
ずることになる。
【0040】尚、前ランナー凹部33bの断面積は、通
常の射出成形時において必要とされる大きさに設定し、
これよりも大きな断面積を後ランナー凹部33cの断面
積とするようにする。また、本実施例におけるランナー
33は、固定側ランナープレート31のランナー凹部3
3a及び可動側ランナーブロック36の後ランナー凹部
33cが共に半円形をなしていて、全体として円形のラ
ンナーを構成しているが、各ランナー凹部の形状として
は、台形その他の周知形状のものを適用できることは勿
論である。
【0041】上記形状を有する前ランナー凹部33bに
はサブマリンゲート34の一端が連通されていて、当該
サブマリンゲート34の他端は、ゲート凸部56を貫通
してコアプレート18との間に設定された、成形品の側
面壁となる空間部分に連通されている。このゲート凸部
56をコアブロック15に設けたことに対応して、キャ
ビティブロック5の対応する部分には、ゲート凸部56
が嵌合される切欠き部57が設けられている。
【0042】かくして、固定側型1側では、キャビティ
ブロック5とランナープレート31の各前面がパーティ
ング面6を形成し、可動側型2側では、コアブロック1
5とランナーブロック36とゲート凸部56の各前面が
パーティング面6を形成している。これらパーティング
面6を突き合わせてキャビティブロック5及びコアブロ
ック15とランナープレート31及びランナーブロック
36とを重ね合わせて型締めすることにより、図3に示
すように、キャビティ7内にコアプレート18が挿入さ
れてキャビティ7及びコアプレート18間に成形品のた
めの所定形状のキャビティ空間が形成される。そして、
ランナープレート31とランナーブロック36とゲート
凸部56とによって、それらのランナー凹部33a,3
3b,33cで囲まれたランナー33が液密に形成され
ている。
【0043】図1に示すように、上述したような構成を
有するコアブロック組立体20には、前後方向に貫通す
る貫通孔がそれぞれ設けられており、一方の貫通孔には
突出ピン26が摺動可能に挿通され、他方の貫通孔には
突出プレート28を接続するための接続ボルト27が摺
動可能に挿通されている。突出ピン26及び接続ボルト
27の各一端には、それぞれの外径を軸部よりも太くし
たフランジ状の固定部が設けられていて、これら固定部
を第1及び第2プレート28a,28bで挟持すること
により、突出ピン26及び接続ボルト27が突出プレー
ト28に固定されている。
【0044】この突出プレート28の第1プレート28
a及び第2プレート28bは、背面側から螺合される複
数本の取付ねじ60によって着脱可能に締付固定されて
いる。そして、接続ボルト27等を介してコアブロック
組立体20に摺動可能にしじされた突出プレート28
は、可動側受け板17の前面側に開口するように設けら
れた凹陥部61内に収納され、コアブロック組立体20
に対して接近・離反可能とされている。
【0045】上記突出ピン26及び接続ボルト27は、
それぞれ第1プレート80aとバックプレート16とコ
アブロック15とコアプレート18とを貫通し、それぞ
れの先端面がパーティング面6側に露出されている。従
って、突出ピン26及び接続ボルト27の各先端面は、
成形品の内面の一部を形成している。更に、接続ボルト
27の固定部側には第2プレート28b側に突出するね
じ軸部が設けられており、そのねじ軸部には、可動側受
け板17を背面側から貫通する突出ロッド62の先端部
が螺合されている。
【0046】更に、突出プレート28にはブシュ孔が貫
通されていて、このブシュ孔に嵌合固定されたガイドピ
ンブシュ63にはガイドピン25が摺動可能に挿通され
ている。ガイドピン25は、一端がバックプレート16
に圧入固定されていて、その他端は凹陥部61の底面に
臨んでいる。従って、突出プレート28はガイドピン2
5にガイドされて前進又は後退動作することができ、そ
の後退時の移動が、凹陥部61の底面に取付ねじ64で
固定されたストッパ65によって制限されている。この
突出プレート28の前進動作によって突出ピン26がキ
ャビティ7側に突き出され、これにより成形品がコアブ
ロック15及びコアプレート18から剥離される。
【0047】また、可動側受け板17の背面側であるス
ペーサブロック38と可動側取付板39とで囲まれた空
間部には突出板66が配置されており、この突出板66
には突出ロッド62の固定部62aが固定されている。
突出板66は、互いに重ね合わされた第1突出板66a
と第2突出板66bとからなり、両突出板66a,66
bは背面側から螺合される複数本の取付ねじ67によっ
て着脱可能に締付固定されている。そして、突出ロッド
62の固定部62aには、半径方向外側へ突出する突起
部が設けられており、この突起部を第1突出板66aの
係合溝に係合させることによって突出ロッド62の回動
を防止している。
【0048】突出板66は、可動側受け板17に螺合固
定されたガイドねじ68によって摺動可能にガイドされ
ている。即ち、突出板66の第1突出板66aには、ガ
イドねじ68の軸部が摺動可能に挿通される孔が設けら
れていると共に、第2突出板66bには、ガイドねじ6
8の頭部が挿通される孔が設けられている。そして、突
出板66の背面側には取付ねじ69によって突出ブロッ
ク70が固定されている。この突出ブロック70は可動
側取付板39に設けた貫通孔71内に収納されていて、
この突出ブロック70の外端面には、射出成形機に設け
られた進退動作が可能な突出軸72の先端が臨んでい
る。
【0049】かくして、突出軸72を介して突出ロッド
82を前進させることにより、これと一体にコア側突出
し機構が前進して、突出ピン26による成形品の突き出
し動作が実行される。上記突出軸72と突出ブロック7
0と突出板66と突出ロッド62とによって、コア側突
出し機構を動作させるための主突出し機構が構成されて
いる。
【0050】尚、図示しないが、上記キャビティブロッ
ク5及びコアブロック15には、冷却媒体の一具体例を
示す水が流通される冷却路が設けられており、これらの
冷却路は固定側受け板4及び可動側受け板17の各通路
から外部の冷却装置に接続されている。従って、冷却装
置から供給される冷却水によって固定側型1及び可動側
型2は、それぞれ強制冷却が可能である。
【0051】このような構成を有する射出成形用金型
は、一方の固定側型1が型締装置の固定盤に固定され、
他方の可動側型2が型締装置の可動盤に固定されて、射
出成形機に取り付けられる。そして、従来のものと同様
に型締装置によって金型の開閉動作が行われ、その型締
め時、溶融された成形材料を射出装置から射出してキャ
ビティ内に充填して固化することにより、射出成形によ
る成形品の製造が実行される。尚、射出成形機は、例え
ば、型締シリンダによるトグル方式の型締機構を有する
型締装置と、スクリューインライン式の射出ユニットを
有する射出装置等から構成されている。
【0052】この射出成形用金型による射出成形は、例
えば、次のようにして行われる。まず、図1及び図2に
示すように、金型が開かれた状態では、固定側型1と可
動側型2との間には、突出ピン26で突き出された成形
品を取り出すために必要な大きさの空間部が設定されて
いる。このとき、ランナーブロック36は、コアブロッ
ク15に対して近接・離反可能な状態となっており、ま
た、ブロック押付機構40のロッキングブロック41
は、コイルバネ45のばね力によってパーティング面6
側に突出されている。
【0053】次に、射出成形機を作動させて型締装置の
可動盤を動かすことによってコアブロック15をキャビ
ティブロック5に近づけると、コアブロック15の位置
決めブシュ24がキャビティブロック5の位置決めピン
12に近づき、その突起部12bが位置決め孔24a内
に入り込む。更に、キャビティブロック5とコアブロッ
ク15とが互いのパーティング面6で接触するまで可動
側型2を固定側型1に近づけると、コアプレート18が
キャビティ7内に入り込むと共にゲート凸部56が切欠
き部57内に入り込む。そして、両型1,2間に所定の
圧力を加えて締め込むことにより、図3に示すように、
キャビティブロック5とコアブロック15及び固定側の
ランナープレート31と可動側のランナーブロック36
とがそれぞれパーティング面6で圧接される。
【0054】この場合、コアブロック組立体20は皿バ
ネ23を介して取付ねじ22によって可動側受け板17
に支持固定されており、その皿バネ23のばね力は、コ
アブロック組立体20が自重によってずれない程度に設
定されている。しかも、可動側受け板17に基部が圧入
されたノックピン21は、その内径が取付ねじ22の外
径よりも大きく形成されて若干の隙間が設定されてい
る。従って、コアブロック組立体20は、パーティング
面6方向に作用する外力に対して、皿バネ23が介在さ
れていることによってパーティング面6方向に若干移動
できる自由度を有している。
【0055】その結果、キャビティブロック5とコアブ
ロック15との間を位置決めする位置決めピン12の中
心と位置決めブシュ24の中心とが一致していないため
に、突起部12bを位置決め孔24aに挿入することに
よってコアブロック組立体20にパーティング面6方向
の力が発生するような場合においても、その力を小さく
するようキャビティブロック5に追随してコアブロック
組立体20が移動する。従って、型締め時には、常にキ
ャビティブロック5とコアブロック15とを所定位置で
精密に位置決めして、型締めすることができる。そのた
め、金型の変形や破損等を防止することができ、従っ
て、金型の長寿命化を図ることができる。
【0056】このようなキャビティブロック5及びコア
ブロック15の位置決め動作と略同時に、ランナーブロ
ック36の傾斜受圧面36aがブロック押付機構40の
ロッキングブロック41の傾斜押圧面41aに接触す
る。そして、可動側であるランナーブロック36の移動
力がロッキングブロック41に伝達される。
【0057】このとき、先部がパーティング面6から突
出しているロッキングブロック41は、コイルバネ45
で付勢されてガイドスリーブ43の突出量に相当する隙
間Sだけ軸方向へ移動可能とされているため、ランナー
ブロック36とロッキングブロック41とが接触する際
の衝突力をコイルバネ45で吸収し、両ブロック36,
41を滑らかに接触させることができる。そして、ロッ
キングブロック41からの押圧力の作用方向が傾斜押圧
面41aと傾斜受圧面36aとで90度方向変換されて
ランナーブロック36に作用するため、ランナーブロッ
ク36が可動側型2の移動方向と直交する方向であるコ
アブロック15側に移動する。更に、ランナーブロック
36が隙間Tを移動した後、コイルバネ45のばね力に
よってランナーブロック36がコアブロック15の側面
に押圧される。
【0058】このように型締めした後、射出装置からス
プルーブシュ11内に溶融した成形材料を射出し、その
成形材料をスプルー32からランナー33内に送り込
む。そして、ランナー33からサブマリンゲート34を
経てキャビティ7内に成形材料を導入し、キャビティ7
内に成形材料を充填する。その後、キャビティ7内の成
形材料を冷やして固化させることにより、金型がずれた
状態の成形品が製造されるおそれがなく、バリが小さい
か又はバリのない成形品を製造することができる。
【0059】この場合、ランナーブロック36にはブロ
ック押付機構40の力が常時作用しており、コイルバネ
45のばね力によってランナーブロック36がコアブロ
ック15の側面に押圧されているため、ランナーブロッ
ク36の側面とコアブロック15及びゲート凸部56の
側面との間を確実に密着させ、その面の液密性を確保す
ることができる。従って、本実施例によれば、キャビテ
ィブロック5に追随してコアブロック15も移動する
が、そのコアブロック15の移動に追随してランナーブ
ロック36も同様に移動するため、コアブロック15と
ランナーブロック36との間に隙間を生ずることがな
く、この隙間による成形品の成形不良の発生を防止する
ことができる。
【0060】因みに、コアブロック15とランナーブロ
ック36との間に隙間が生ずると、この隙間から圧力が
洩れるためにキャビティ7内の圧力が所定以下に低下
し、キャビティ末端部までに材料が行きわたらない、い
わゆるショートショットと呼ばれる成形不良を生ずるこ
とになる。これに対して、本実施例の場合には、成形材
料の充填不足という問題を生ずることがないため、所定
の寸法・形状を有するきれいな成形品を射出成形するこ
とができる。
【0061】次に、成形品の突き出し動作について説明
する。この突き出し動作は、射出成形された成形品が固
化してから金型が開かれた後に行われる。射出成形機に
設けられている突出軸72を前進させると、この突出軸
72が突出ブロック70に当接してこれを押し出し、こ
の突出ブロック70が連結されている突出板66を前進
させる。これにより、突出板66に基部が固定されてい
る突出ロッド62が前進し、この突出ロッド62と接続
された接続ボルト27及びこれと一体の突出プレート2
8がガイドピン25にガイドされて前進する。その結
果、突出プレート28の前進によって突出ピン26がコ
アプレート18から突出し、この突出ピン26によって
コアブロック15に付着されている成形品が剥離されて
突き出される。
【0062】その後、突出軸72を後退させると、突出
ブロック70の押圧力が解除されるために突出板66及
び突出ロッド62が後退し、これにより突出ロッド62
に引かれて突出プレート28が後退する。そのため、突
出ピン26及び接続ボルト27がコアブロック組立体2
0内に引き戻され、これにより、再びキャビティブロッ
ク5との型締めが可能となる。その結果、上述したよう
にして射出成形機を動作させ、可動側型2を固定側型1
に合わせて型締めすることにより、次の射出成形の準備
が完了する。
【0063】図8及び図9に示す本発明の第2実施例
は、サイドゲート方式の射出成形用金型に適用したもの
である。ランナーブロック76は、傾斜受圧面76aを
有するが、その前面、即ちパーティング面6は平面とさ
れていて、上記実施例におけるランナー凹部33cのよ
うなものは設けられておらず、また、サブマリンゲート
55も必要としないためにゲート凸部56もコアブロッ
ク15から除かれている。従って、ゲート凸部56に対
応する切欠き部57もキャビティブロック5から除かれ
ている。
【0064】そして、スプルー32先端の固定側ランナ
ープレート31のパーティング面6だけにランナー77
が設けられており、そのランナー77がサイドゲート7
8によってキャビティブロック5のキャビティ7に側方
から連通されている。他の構成及び作用は上記第1実施
例と同様であり、かかる構成とすることによっても上記
実施例と同様の効果を得ることができる。
【0065】以上説明したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えば、射出成形機の構造とし
て、スクリューインライン式以外のプランジャー式やス
クリュープリプラ式の射出成形機を用いることができ、
また、キャビティブロックやコアブロックの形状、大き
さ等は図示のものに限定されるものではない。更に、射
出成形機の金型駆動手段として油圧装置や空気圧装置は
勿論のこと、その他の駆動装置を用いることもできる。
【0066】また、上記実施例では、コアブロック15
の移動を確保するために弾性体の一具体例として皿バネ
23を適用した例について説明したが、他の形式のばね
(例えば、コイルばね、ばね座金等)は勿論のこと、ゴ
ム状弾性体等を適用することもできる。更に、成形品と
してコンパクトカセットやビデオカセット等のテープカ
セットに適用した例について説明したが、本発明の金型
はテープカセット用に限られるものではなく、コンパク
トディスクのカートリッジ、フロッピーディスクのカー
トリッジ等の各種の筐体は勿論のこと、筐体以外の各種
の成形品を製造するための射出成形用金型として用いる
ことができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱
しない範囲で種々変更できるものである。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ランナーの一部を形成するランナーブロックをコアブロ
ックの側方に移動可能に設けると共に、型締め時にラン
ナーブロックをコアブロックに追随して移動させて押し
付けるブロック押付機構を設ける構成としたため、ラン
ナーブロックの側面とコアブロックの側面とを確実に密
着させ、その面の液密性を確保することができる。従っ
て、キャビティブロックに追随して移動するコアブロッ
クに対して、更にランナーブロックが同様に追随して移
動するため、コアブロックとランナーブロックとの間に
隙間を生ずることがなく、この隙間から圧力が洩れるた
めにキャビティ内の圧力が所定以下に低下してキャビテ
ィ末端部までに材料が行きわたらない、いわゆるショー
トショットと呼ばれる成形不良を生ずることがない射出
成形用金型を提供することができる。
【0068】更に、キャビティブロックに対してコアブ
ロックが追随して移動可能とされた金型構造にサイドゲ
ートやサブマリンゲート等のゲート方式を適用すること
ができるため、型締め時における金型の変形や破損等を
防止することができ、当該金型の長寿命化を図ることが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形用金型の第1実施例を示すも
ので、型締め前の状態の断面図である。
【図2】本発明の射出成形用金型の第1実施例を示す図
1の要部を拡大して示すもので、型締め前の状態の断面
図である。
【図3】本発明の射出成形用金型の第1実施例を示す図
1の要部を拡大して示すもので、型締め後の状態の断面
図である。
【図4】本発明の射出成形用金型の第1実施例に係るコ
アブロック及びランナーブロックを示す平面図である。
【図5】本発明の射出成形用金型の第1実施例に係るコ
アブロック及びランナーブロックを示す側面図である。
【図6】本発明の射出成形用金型の第1実施例に係るラ
ンナーブロックのランナー凹部とゲート凸部のランナー
凹部との関係を示すもので、移動前の状態の図4のA−
A線拡大断面図である。
【図7】本発明の射出成形用金型の第1実施例に係るラ
ンナーブロックのランナー凹部とゲート凸部のランナー
凹部との関係を示すもので、移動後の状態の図4のA−
A線拡大断面図である。
【図8】本発明の射出成形用金型の第2実施例を示すも
ので、型締め前の状態の断面図である。
【図9】本発明の射出成形用金型の第2実施例を示すも
ので、型締め後の状態の断面図である。
【図10】先行技術に係る射出成形用金型の要部を示す
もので、ダイレクトゲート方式に適用した断面図であ
る。
【図11】先行技術に係る射出成形用金型のピンポイン
トゲート方式のゲートを示す断面図である。
【図12】先行技術に係る射出成形用金型のサイドゲー
ト方式のゲートを示す断面図である。
【図13】先行技術に係る射出成形用金型のサブマリン
ゲート方式のゲートを示す断面図である。
【図14】先行技術に係る射出成形用金型のランナーブ
ロックのランナー凹部とゲート凸部のランナー凹部との
関係を示すもので、移動後の状態の断面図である。
【符号の説明】
1 固定側型、 2 可動側型、 3 固定側取付板、
4 固定側受け板、5 キャビティブロック、 6
パーティング面、 7 キャビティ、 12位置決めピ
ン、 15 コアブロック、 16 バックプレート、
17 可動側受け板、 18 コアプレート、 20
コアブロック組立体、 21 ノックピン、 22
取付ねじ、 23 皿バネ、 24 位置決めブシュ、
31 ランナープレート、 33,77 ランナー、
33a,33b,33cランナー凹部、 34 サブ
マリンゲート、 36,76 ランナーブロック、36
a,76a 傾斜受圧面、 40 ブロック押付機構、
41 ロッキングブロック、 41a 傾斜押圧面、
42 ストッパねじ、 43 ガイドスリーブ、 4
4 ガイドブシュ、 45 コイルバネ、 46 段付
き孔、 56 ゲート凸部、 57 切欠き部、 78
サイドゲート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の外面を成形するキャビティが設
    けられたキャビティブロックを有する固定側型と、 上記成形品の内面を成形する突起部が設けられたコアブ
    ロックを有する可動側型とを備え、 上記固定側型及び上記可動側型の型締め時、上記キャビ
    ティブロックに追随可能なように上記コアブロックを可
    動側型に移動可能に支持すると共に、上記成形品を成形
    するために溶融された成形材料をパーティング面に設け
    られたランナーを介して上記キャビティ内に導入するよ
    うにした射出成形用金型において、 上記ランナーの一部を形成するランナーブロックを上記
    コアブロックの側方に移動可能に設けると共に、型締め
    時に上記ランナーブロックを側方から押圧してコアブロ
    ックに押し付けて上記ランナーを液密に封止するブロッ
    ク押付機構を上記固定側型に設けたことを特徴とする射
    出成形用金型。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出成形用金型におい
    て、 上記ブロック押付機構は、弾性体によって上記可動側型
    側に付勢されたロッキングブロックを有し、上記ロッキ
    ングブロックで上記ランナーブロックを押圧してロッキ
    ングブロックの力の作用方向を90度変換して上記ラン
    ナーブロックを側方から上記コアブロックに押し付ける
    ようにしたことを特徴とする射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の射出成形用金型におい
    て、 上記ブロック押付機構は、コイルバネによって上記可動
    側型側に付勢されたロッキングブロックを有し、上記ロ
    ッキングブロックの上記キャビティ側には上記ランナー
    ブロックに圧接される傾斜押圧面を設けると共に、上記
    ランナーブロックには上記傾斜押圧面に接触する傾斜受
    圧面を設け、上記傾斜押圧面及び上記傾斜受圧面でロッ
    キングブロックの力の作用方向を変換して上記ランナー
    ブロックを側方から上記コアブロックに押し付けるよう
    にしたことを特徴とする射出成形用金型。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の射出成形用金型におい
    て、 上記ランナーブロックには上記ランナーの一部を形成す
    るランナー凹部を設けると共に、上記コアブロックには
    ランナーに供給される上記溶融材料を上記キャビティ内
    に導入するためのサブマリンゲートを設けたことを特徴
    とする射出成形用金型。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の射出成形用金型におい
    て、 上記ランナーブロックには上記ランナーの一部を形成す
    る平面部を設けると共に、上記キャビティブロックには
    ランナーに供給される上記溶融材料を上記キャビティ内
    に導入するためのサイドゲートを設けたことを特徴とす
    る射出成形用金型。
JP18088896A 1996-07-10 1996-07-10 射出成形用金型 Pending JPH1024458A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18088896A JPH1024458A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 射出成形用金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18088896A JPH1024458A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 射出成形用金型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1024458A true JPH1024458A (ja) 1998-01-27

Family

ID=16091094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18088896A Pending JPH1024458A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 射出成形用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1024458A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116423745A (zh) * 2023-03-30 2023-07-14 宁波永成双海汽车部件股份有限公司 一种线束板连接器连续模结构及其生产方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116423745A (zh) * 2023-03-30 2023-07-14 宁波永成双海汽车部件股份有限公司 一种线束板连接器连续模结构及其生产方法
CN116423745B (zh) * 2023-03-30 2023-11-10 宁波永成双海汽车部件股份有限公司 一种线束板连接器连续模结构及其生产方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070031533A1 (en) Injection molding method and injection mold
JP3536492B2 (ja) 射出成形用金型及び当該金型を用いた射出成形方法
JPH1024458A (ja) 射出成形用金型
JP3120217B2 (ja) カセット式射出成形金型装置
JP3005211B1 (ja) 射出成形金型
JPH03292116A (ja) 樹脂成形品の成形方法及び成形用金型
JP4214587B2 (ja) 環状成形品の射出成形方法並びに射出成形金型
JPH09141699A (ja) 射出成形用金型
JPH10323865A (ja) ディスク成形用金型
JP2734164B2 (ja) 多重成形金型装置
JPH08300419A (ja) 射出成形用金型
JP3138996B2 (ja) 突き出し機構付き金型
JPH09131766A (ja) 射出成形用金型
JP2003291178A (ja) 成形用金型装置
JPH0382514A (ja) ディスク成形用金型
JP3178674B2 (ja) ディスク成形用金型
JP3309382B2 (ja) 金型装置およびその組立て方法
JPH06198685A (ja) ディスク用射出成形金型装置
JPH08142135A (ja) 射出成形用金型
JPH09290441A (ja) 射出成形金型
JPH0226847B2 (ja)
JPH0675894B2 (ja) ディスク成形用金型
JPH058109Y2 (ja)
JPH0252613B2 (ja)
JPH0418834Y2 (ja)