JPH10244423A - 放電加工機の電源装置 - Google Patents
放電加工機の電源装置Info
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- JPH10244423A JPH10244423A JP4541197A JP4541197A JPH10244423A JP H10244423 A JPH10244423 A JP H10244423A JP 4541197 A JP4541197 A JP 4541197A JP 4541197 A JP4541197 A JP 4541197A JP H10244423 A JPH10244423 A JP H10244423A
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Abstract
電発生の可能な電圧を有する場合においても、負電圧の
放電による被加工物の加工面の品質低下が防止されると
ともに、加工面の加工品質の高い放電加工機の電源装置
を得る。 【解決手段】 正負両側の極性を有するパルス電圧を印
加する電圧印加手段と、正極性の電圧印加状態の期間と
負極性の電圧印加状態の期間と前記負極性の電圧印加状
態に続く負極性の電圧印加休止状態とを所定の順序で繰
り返し発生させるように電圧印加手段を制御するパルス
制御手段18とを備えたものである。
Description
の加工品質の向上を目的とした放電加工機の電源装置に
関するものである。
使用するため、電解電流により被加工物の腐食が発生す
るといった問題がある。このため、正負両極性のパルス
電圧を加工間隙に印加し、極間の平均電圧を零にしなが
ら加工を行い、電解電流による加工面の精度低下、電食
防止を実現するための方法が提案されている。
すブロック構成図である。また、図13は、図12の放
電加工機の電源装置を説明するためのタイミングチャー
トである。図12において1はワイヤ電極で、被加工物
2との間に加工液である水を介して、所定の加工間隙を
保持している。被加工物2は、NC装置などの駆動装置
によってXY軸平面上を移動するテーブル(図示せず)
に設置されている。3は直流電源で、正極側は被加工物
2に接続され、ワイヤ電極1と被加工物2との間に電圧
を印加する。
側は直流電源3の負極側へ接続され、直流電源3の電圧
E1をオンオフする。5は限流抵抗で、トランジスタ4
のコレクタ側とワイヤ電極1との間に直列に接続されて
いる。6は直流電源で、負極側は被加工物2に接続さ
れ、且つ直流電源3と並列に接続され、ワイヤ電極1と
被加工物2との間に直流電源3と逆極性の電圧を印加す
る。7はPNP型のトランジスタで、エミッタ側は直流
電源6の正極側に接続され、直流電源6の電圧E2をオ
ンオフ制御する。8は限流抵抗で、トランジスタ7のコ
レクタ側とワイヤ電極1との間に直列に挿入されてい
る。9は低周波パルス発振器。10は高周波パルス発振
器。11はインバータで低周波パルス発振器9に接続さ
れている。
周波パルス発振器10に接続され、他端はインバータ1
1の出力端子に接続され、且つ出力端子はトランジスタ
4のベース側に接続されている。13はドライブ回路
で、アンド回路12とトランジスタ4のベース側間に直
列に挿入されている。14はナンド回路で、入力端子の
一端は高周波パルス発振器10にアンド回路12と並列
に接続され、他端は低周波パルス発振器9にインバータ
11と並列に接続され、且つ出力端子はトランジスタ7
のベース側に接続されている。15はドライブ回路で、
ナンド回路14とトランジスタ7のベース側との間に直
列に挿入されている。
な構成をしており、図13のように高周波パルス発振器
10は波形Aのような短い周期のパルスを出力する。一
方、低周波パルス発振器9は波形Bのような長い周期の
パルスを出力する。インバータ11は波形Bを反転し、
波形Cの信号を出力する。アンド回路12は波形Aと波
形Cのアンド条件を取り、波形Dの信号を出力する。ド
ライブ回路13は波形Dの信号を増幅して、トランジス
タ4をオンオフさせる。すると、トランジスタ4のコレ
クタ側の電圧は波形Fとなる。一方、ナンド回路14
は、波形Aと波形Bのナンド条件を取り、波形Eの信号
を出力する。ドライブ回路15は波形Eの信号を増幅し
て、トランジスタ7をオンオフさせる。
圧は波形Gとなる。波形Fと波形Gのパルス電圧は限流
抵抗5と限流抵抗8を通じて加算された後、加工間隙に
印加される。ここで、加工間隙に印加される電圧の波形
は、通電ケーブルのインダクタンスや浮遊容量のため、
波形Hとなる。すると、放電が加工間隙に発生し、被加
工物2を加工する。そして、放電が発生すると、加工間
隙を通じて、波形Iの加工電流が流れ、加工間隙の電圧
は下降して波形Jとなる。
状に整形されたパルス電圧であるので、放電可能電圧E
A以上である放電可能時間taが長く、加工に有効な放
電数を多くでき、加工効率を向上させることができる。
従来例によれば、ワイヤカット放電加工の仕上げ加工に
おいて、両極性の周期の長い短形状のパルス電圧を加工
間隙に印加するようにしたので、放電可能な時間を長く
して、加工に有効な放電の数を多くして、加工効率を向
上させることができる。
に示す従来の放電加工機の電源装置においては、負電
圧、すなわち、被加工物2の電圧よりも電極1の電圧が
高くなるように印加される電圧は、放電を開始するため
の高い電圧を供給する直流電源3により供給されるた
め、負電圧も高い電圧となり負電圧による放電が発生す
る。
平均加工電圧を零ボルトとして加工しようとした場合、
正側印加電圧の積分値を負側の印加電圧の積分値で打ち
消すために、正極側の電圧印加時間と負極側の電圧印加
時間を同程度に設定する必要がある。正極性側の放電は
加工に有効であるが、負極性側の放電が発生すると、マ
イクロクラックの問題や、ワイヤ電極材料の被加工物2
への付着といった状況が発生する。
置は上述のように構成されており、負電圧印加時の放電
を極力防止するよう考慮されたものではなく、正電圧と
負電圧を印加する時間が同じになるように設定されてい
るので、負電圧による放電電流が正側の放電電流と同じ
ように流れるため、被加工物2の加工面の加工品質を著
しく低下させるという問題点を有している。また、特開
平5−208317号公報に開示された放電加工装置に
おいては、電圧パルスの印加方法を正負極性で異なった
方法で印加し、負極性側の放電の発生を防止している。
しかし、この発明は加工速度の速い荒加工に着目したも
のであり、加工精度を重視する仕上加工においては、電
圧および電流パルスを印加しない休止時間を設定する必
要があり、この休止時間については、考慮されていない
ため、仕上加工に使用した場合には加工寸法精度が悪化
するという問題がある。
ためになされたものであり、加工間隙に負電圧を印加す
る電源の電圧が放電発生の可能な電圧を有する場合にお
いても、負電圧の放電による被加工物の加工面の品質低
下が防止されるとともに、加工面の加工品質の高い放電
加工機の電源装置を得ることを目的としている。
の電源装置は、被加工物と電極との間に前記被加工物に
対して前記電極が正負両側の極性を有するパルス電圧を
印加し、かつ平均加工電圧を零ボルトに維持するように
した放電加工機において、前記正負両側の極性を有する
パルス電圧を印加する電圧印加手段と、正極性の電圧印
加状態の期間と負極性の電圧印加状態の期間と前記負極
性の電圧印加状態に続く負極性の電圧印加休止状態とを
所定の順序で繰り返し発生させるように前記電圧印加手
段を制御するパルス制御手段とを備えたものである。
物に対して前記電極が正負両側の極性を有するパルス電
圧を印加し、かつ平均加工電圧を零ボルトに維持するよ
うにした放電加工機において、前記正負両側の極性を有
するパルス電圧を印加する電圧印加手段と、負極性側の
電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検
出値と所定の電圧を比較する比較手段と、正極性の電圧
印加状態の期間と負極性の電圧印加状態の期間と前記負
極性の電圧印加状態に続く負極性の電圧印加休止状態と
を所定の順序で繰り返し発生させるように前記電圧印加
手段を制御するパルス制御手段とを備え、前記パルス制
御手段は、前記負極性の電圧印加休止状態を維持する所
定期間に前記電圧検出手段の電圧検出値の絶対値が前記
比較手段で設定する所定値の絶対値より小さくなる場合
に再度負極性の電圧印加状態を繰り返すように前記電圧
印加手段を制御するものである。
グ素子を含み構成されるスイッチ回路であるものであ
る。
印加状態の期間および負極性側の電圧印加状態の期間に
対して、前記負極性の電圧印加状態に続く負極性の電圧
印加休止状態を維持する所定期間が充分長いものであ
る。
ルス印加期間および負極性の電圧パルス印加期間におい
て、電圧印加状態と電圧印加状態を解除した状態が交互
にくり返し発生させるものである。
説明する。 実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1による放電
加工機の電源装置を示すブロック図である。図1におい
て、1はワイヤ電極、2は被加工物、16は極間におけ
る加工電圧を検出する電圧検出回路、17は電圧検出回
路16の電圧検出値と設定値を比較する比較回路、18
は加工用電源19のスイッチング動作を制御するパルス
制御回路である。加工用電源19はワイヤ電極1と被加
工物2とに放電電流パルスを供給するる。また、20は
被加工物2を載置するテーブル、21a、21bはワイ
ヤ電極1と被加工物2との相対位置を位置決めするX軸
およびY軸駆動モータ、22はX軸およびY軸駆動モー
タ21a、21bを制御する軸駆動制御装置、23は軸
駆動制御装置22およびパルス制御回路18に軸移動指
令および加工条件パラメータを送出するNC制御装置で
ある。
るパルス制御回路と加工電源を示す回路図である。図2
において、1は電極、2は被加工物、101は出力電圧
がE1である直流電源、102、103、104、およ
び105はそれぞれスイッチ回路、例えば、半導体スイ
ッチング素子である。106は半導体スイッチング素子
104および105の陽極と被加工物2との間に接続さ
れた抵抗器である。また、107〜110は半導体スイ
ッチング素子102〜105を駆動する駆動回路であ
る。18は駆動回路107〜110に制御信号を与え、
半導体スイッチング素子102〜105の制御を行うパ
ルス制御回路である。
り出力される制御信号S1を駆動回路107および11
0に伝える信号線であり、112はパルス制御回路18
より出力される制御信号S2を駆動回路108および1
09に伝える信号線である。制御信号S1およびS2に
よりパルス制御回路18は駆動回路107〜110に制
御信号を与え、半導体スイッチング素子102〜105
のオンオフ制御する。次に、113は出力電圧がE2で
ある直流電源、114は陰極が直流電源113の陽極に
接続された整流回路、例えばダイオードで、直流電源1
13とともにクランプ回路を構成している。なお、E2
の絶対値はE1の絶対値より小さく設定されている。ま
た、ダイオードの陽極は電極1に接続され、直流電源1
13の陰極は被加工物2に接続されている。
源の動作について説明する。図2において、パルス制御
回路18により半導体スイッチング素子102および1
05は同時にオンオフ動作し、半導体スイッチング素子
103および104は同時にオンオフするように制御さ
れるとともに、半導体スイッチング素子102および1
03は互いに相補的にオンオフ動作し、半導体スイッチ
ング素子104および105は互いに相補的にオンオフ
動作するように制御される。また、半導体スイッチング
素子103および104がオンし、電極1に比べ被加工
物2に高い電圧が印加された状態、すなわち、正の電圧
が加工間隙に印加された状態で放電が開始すると、被加
工物2と電極1との間に放電電流が流れ加工が行われ
る。
グ素子103および104をオフさせるようにパルス制
御回路18により制御される。なお、放電による被加工
物2の加工は半導体スイッチング素子103および10
4がオンし加工間隙に正の電圧が印加された状態のとき
に行われる。そして、半導体スイッチング素子102お
よび105がオンし被加工物2に比べ電極1の電圧が高
い電圧が印加される状態、すなわち、負の電圧が加工間
隙に印加される状態のとき被加工物2と電極1との間に
印加されると平均電圧の片寄りが減少する方向に是正さ
れ、電解現象や電食現象が軽減される。
の動作について、図3に示す動作フロー図、図4に示す
半導体スイッチング素子の制御信号S1、S2のタイミ
ングチャートおよび加工間隙の電圧波形図により更に説
明する。加工電源に動作司令が与えられると図3におい
てS100からS101に移行する。S101では、半
導体スイッチング素子102および105がオンし半導
体スイッチング素子103および104がオフする(す
なわち、図4の制御信号がS1=1、S2=0の状
態)。この状態では、半導体スイッチング素子102を
介して直流電源101の陽極の電圧が電極1に印加さ
れ、半導体スイッチング素子105および抵抗器106
を介して直流電源101の陰極の電圧が被加工物2に印
加される。
る。そして、S102では、S101で設定された状態
のまま期間T1の間、留まり次のS103に進む。な
お、S102に留まる期間T1においては、図4に示す
ように−E1の電圧が発生する。
02および105がオフし、加工間隙に電圧が印加され
ない状態になる(すなわち、図4の制御信号がS1=
0、S2=0の状態)。そして、直ちにS104に進
む。S104では、S103で設定された状態のまま図
4に示す期間T2の間留まり、次のS105に進む。
02および105はオフしたまま、半導体スイッチング
素子103および104がオンする(すなわち、図4の
制御信号がS1=0、S2=1の状態)。この状態で
は、半導体スイッチング素子104および抵抗器106
を介して、直流電源101の陽極の電圧が被加工物2に
印加され、半導体スイッチング素子103を介して直流
電源101の陰極の電圧が電極1に印加される。そし
て、S105からS106に直ちに移行する。
のまま期間T3の間留まり、初めのS101に戻る。な
お、S106に留まる期間T3においては図4に示すよ
うにE1の電圧が加工間隙に発生する。
加工間隙の電圧波形を示しているが、実線で示したパル
ス波形401は被加工物2と電極1との加工間隙に静電
容量分が存在しない場合の波形を示し、零ボルトの電圧
から−E1およびE1の電圧に時間とともに漸近する点
線で示した波形402は静電容量が存在する場合の波形
を示している。ともに、放電が発生しない場合の加工間
隙の状態を示している。
常静電容量が存在するため、加工間隙の電圧は半導体ス
イッチング素子をオフした後もすぐには立ち下がらず、
点線で示す電圧波形402のように変化する。加えて、
被加工物2の電解腐食を防止するには、加工間隙の平均
電圧を零ボルトに維持する必要があり、正側の電圧の面
積402aと負側の電圧の面積402bが平均的に等し
くなるように加工条件を設定する必要がある。ところ
で、ここで加工間隙の静電容量を考慮すると、負側の電
圧パルスの印加を止めても加工間隙の電圧はすぐに零ボ
ルトには戻らず、正側の電圧パルスを印加するまで負側
の電圧が存在する。すなわち、負側の電圧の面積402
bは負側の電圧パルス印加時間T1と電圧パルスを印加
しない期間T2において加工間隙に存在する負極性の電
圧を積分したものであり、この負電圧の面積402bが
正側の電圧の面積402aと等しくなると加工間隙の平
均電圧が零ボルトになり電解腐食の防止できる。
2を正負の電圧パルス印加時間T1およびT3に比べ充
分長い時間に設定すると、半導体スイッチング素子10
2および105をオフした後の期間T2の間は、加工間
隙の静電容量のため負電圧が維持される。一方、正電圧
を印加(期間T3)し半導体スイッチング素子103お
よび104をオフしたあとは、すぐに負電圧を印加する
ので、加工間隙の電圧は図4に示すように、正極性から
負極性に直ちに反転する。したがって、加工間隙の平均
電圧を零ボルトとなる条件を選択した場合、負側の電圧
パルス印加期間T1を正側の電圧パルス印加時間T3よ
り短くする加工条件設定が可能となる。
102および105のオン時間を正側の半導体スイッチ
ング素子103、104のオン時間に対して短くなるよ
うな加工条件の設定(T3>T1)が可能となる。例え
ば、T2=6μsとした場合、加工間隙の平均電圧を零
ボルトに維持しながら、T1=1.5μs、T3=3.
5μsという期間T1をT3の1/2以下とする加工条
件設定が可能となる。
し被加工物2と電極1との間に放電が発生した場合の加
工間隙の電圧波形と電流波形を示している。図におい
て、正側は正電圧E1を加工間隙に印加しT11の時間
が経過後、放電電流I1が流れ、負側は負電圧−E1を
印加しT31の時間経過後、負側の電流−I1が加工間
隙に流れる状態を示している。また、正負両側の印加電
圧の絶対値は同じであるため、放電が発生するまでの時
間T11およびT31も同じである。このとき、正負の
放電電流の流れる時間を見ると、正側の電流が流れる時
間T12に比べ、負側の電流が流れる時間T32が短く
なっているのがわかる。
側の電流の積分値をかなり少なくすることが可能であ
る。負極性側の放電は、被加工物2の加工面にマイクロ
クラックが発生したり、ワイヤ電極1の電極材料が被加
工物2へ付着するといった問題が発生し、加工品質低下
を招くので、放電電流の流れる時間はできる限り短い方
がよいので、上記のような半導体スイッチング素子のオ
ンオフ時間の設定を行うことで、加工間隙の平均加工電
圧を零ボルトに維持しながら、負極性側の放電の影響を
受けにくい加工が可能となり、被加工物2の加工面の品
質の低下を防止できる。
2とワイヤ電極1との加工間隙の零ボルトとするような
加工条件設定を手動で行っているが、もちろん、加工間
隙の平均電圧を検出して、半導体スイッチング素子のオ
ンオフ時間を自動的に制御し、加工間隙の平均加工電圧
が零ボルトを維持するようにしても良い。
ダイオード114により構成するクランプ回路の動作に
ついて説明する。直流電源113およびダイオード11
4の直列体は加工間隙に印加される負の電圧の絶対値が
直流電源113の出力電圧E2より大きくならないよう
にクランプする働きを有している。すなわち、半導体ス
イッチング素子102および105がオンしても、絶対
値がE1である負の電圧が加工間隙に印加されることは
なく、E1(例えば約100V)より小さい電圧である
E2(例えば約70V)にクランプされる。なお、ダイ
オード114は直流電源113の陽極から電極1に向け
て流れる電流を阻止する機能を有している。
た場合の加工間隙の電圧波形を示したもので、実線60
1は加工間隙に静電容量が存在しない場合で、点線60
2は加工間隙に静電容量が存在するときの波形を示して
おり、共に加工間隙に放電が発生しない状態の波形であ
る。また、図6(b)はクランプ回路を使用した場合に
加工間隙に放電が発生した場合の電圧波形と電流波形を
示している。
T1における波高値が−E2(例えば約70V)の実線
で示した波形は、負の電圧がクランプされた状態におけ
る放電開始前の波形を示している。このように、加工間
隙に印加される負電圧の大きさは、電圧−E2にクラン
プされるため負電圧による放電は軽減または阻止され
る。そして、加工間隙には静電容量が存在するので、こ
のようにクランプ回路を使用した場合においても、負側
の電圧パルス印加後に電圧パルスを印加しない所定時間
(T2)を設定することで、加工間隙の平均電圧を零ボ
ルトに維持しながら、正側の電圧パルス印加時間T3に
対して、負側の電圧パルス印加時間T1が短くなるよう
な加工条件設定が可能となる。
を見ると、T1およびT3に対しT2を充分長く設定し
た場合は、負極性側で放電が発生した場合の放電電流の
積分値が、正側の放電電流の積分値に対してかなり少な
くなっていることがわかる。仮に、従来例のようにT2
の設定時間を取らない場合を考えると、クランプ回路を
使用した場合、加工間隙の平均電圧を零ボルトにしよう
とすると、正側の放電パルス印加時間(本実施の形態の
場合T3に相当)に比べ、負側の放電パルス印加時間
(本実施の形態の場合T1に相当)が長くなるような条
件設定をしなければならず、このような状態において、
加工間隙で放電が発生した場合、図6(b)の点線で示
すような電圧波形および電流波形となり、希に放電が発
生した場合、図6(b)のように長時間にわたって電流
が流れ、被加工物に大きな損傷を与えてしまう。本実施
の形態においては、以上のようにクランプ回路を使用し
て負極性側の放電発生を抑制するような場合において
も、電圧パルスの印加時間が最小限となるような加工条
件設定できるので、ごく希に放電が発生したとしても被
加工物のダメージを最小限に抑えることができる。
素子を切り替えるにより、一つの直流電源で正負両極性
の電圧を印加するようにしているが、二つの直流電源を
使用して正負両極性の電圧を印加するようにしても良
い。加えて、負極性側の放電を発生しにくくするために
電圧クランプ回路を使用しているが、正負の極性に応じ
て抵抗器を切り替え負極性側の放電を発生しにくくして
も良い。あるいは、直流電源が二つの場合は、印加する
電圧を変更しても良い。
2による放電加工機の電源装置におけるパルス制御回路
の動作を示すフローチャートである。図1に示すブロッ
ク構成図において、加工間隙の電圧を検出する電圧検出
回路16の出力を比較回路17に入力し、比較回路17
に設定される電圧設定値との比較結果をパルス制御回路
18に入力している。パルス制御回路18は、電圧検出
回路16の検出する加工間隙の電圧値と比較回路17に
設定する電圧設定値の比較結果に応じて負の放電パルス
を印加する期間を制御するように構成されている。図8
は、パルス制御回路18の出力S1、S2と加工間隙の
電圧波形を示している。
源装置におけるパルス制御回路および加工電源の動作に
ついて、図7に示す動作フロー図、および、図8に示す
制御信号S1、S2のタイミングチャートおよび加工間
隙の電圧波形図により説明する。ここで、図7のフロー
チャートにおけるS200〜S203およびS207〜
S208は、図2のフローチャートにおけるS100〜
S103およびS105〜S106と同様の動作であ
り、説明を省略する。
において、電圧検出回路16を通じて、加工間隙の電圧
値E1を読み込む。次に、S205ではS204で読み
込んだ電圧−Eと比較回路17に設定される電圧値−E
aを比較し、−E>−EaならばS201に戻り、スイ
ッチング素子102および105をオンする。また、−
E≦−EaならばS206に進む。期間T2において加
工間隙の電圧が零ボルトに近づいたときに、再度負側の
電圧パルスを印加し、負極性側の電圧値を維持するよう
に動作する。したがって、負側の電圧値を高い値で維持
できるので、平均加工電圧を零ボルトとする場合、負側
の電圧パルスの印加時間を短くするような設定が可能と
なる。また、加工間隙の静電容量が少なく電圧値の立ち
下がりが速い場合においても、負側の電圧値を高く維持
できるので負側の電圧パルスの印加時間の短い設定が可
能となる。
し、負の電圧値が所定値Eaを切って、零ボルトの方へ
漸近する場合において、再度、半導体スイッチング素子
102および105をごく短い時間オンして負側の電圧
パルスを印加するので、負の放電パルスの印加時間が短
時間であっても、効率よく負の電圧の絶対値を高く維持
できるため、被加工物の損傷を最小限に抑えながら効率
の良い加工が実現できる。
電源装置におけるパルス制御回路と加工電源を示す回路
図である。図9において、1〜18、および101〜1
12は実施の形態1と同様であり、201は高周波発振
回路、202、203は2入力AND回路である。2入
力AND回路202、203の一方の入力端子は高周波
発振回路201の発振出力が入力されるように接続さ
れ、他方の入力端子はパルス制御回路18の出力、すな
わち、制御信号S1およびS2が入力されるように接続
されている。なお、この制御信号S1およびS2は実施
の形態1を示す図2における制御信号S1およびS2と
同様の信号である。
は駆動回路107および駆動回路110に接続され、2
入力AND回路203の出力端子は駆動回路108およ
び駆動回路109に接続されている。そして、パルス制
御回路18、高周波発振器201、2入力AND回路2
02、203および駆動回路107〜110によりスイ
ッチ回路が構成されている。図10はパルス制御回路1
8の出力S1、S2、S3と加工間隙の電圧波形を示し
ている。なお、高周波発振器201の出力は、図10の
S3に示すように、オンオフ(通常0.1〜2MHz)
動作を繰り返している。
御回路の動作について説明する。図中の加工電源および
パルス制御回路18は、図2に示す加工電源の動作にお
いて、正負の電圧が加工間隙に印加される期間、すなわ
ち、T1およびT3の期間において、半導体スイッチン
グ素子102〜105は高周波発振回路201の発振周
波数で断続的にオンオフする(図10のS3)。そし
て、加工間隙には図10の電圧波形に示すように断続的
にオンオフしながら、正負の電圧を交互に出力する電圧
波形が印加される。
の加工間隙の電圧波形を示しているが、実線で示したパ
ルス波形901は被加工物2と電極1との加工間隙に静
電容量分が存在しない場合の波形を示し、零ボルトの電
圧から−E1およびE1の電圧に時間とともに漸近する
点線で示した波形902は静電容量が存在する場合の波
形を示している。ともに、放電が発生しない場合の加工
間隙の状態を示している。
スイッチング素子102〜105の制御信号は断続的に
オンオフするが、静電容量が存在するために実際の電圧
波形としては、図4に示す実施の形態1と類似した電圧
波形が加工間隙に印加される。このとき、実施の形態1
と同様に負側の電圧パルス印加後の期間T2を正負の電
圧パルス印加時間T1およびT3に比べ充分長い時間に
設定すると、加工間隙の平均電圧を零ボルトとしなが
ら、負側の電圧パルス印加期間T1を正側の電圧パルス
印加時間T3より短くする加工条件設定が可能となる。
定し被加工物2と電極1との間に放電が発生した場合の
加工間隙の電流波形と電圧波形を示している。図におい
て、正側は正電圧E1を断続的にオンオフしながら加工
間隙に印加するので、放電が発生すると図に示すよう
に、放電電流I1が断続的に流れる。また、負側におい
ても負電圧−E1を断続的に印加し放電が発生した場合
は、負側の電流−I1が加工間隙に流れる状態を示して
いる。
形を見ると、図4に示す実施の形態1においては、一旦
放電が開始すると期間T1が終了するまで継続して放電
が行われ、この放電が継続している間、加工間隙の電圧
は−E01に上昇する。そして、電流波形は−I1が期
間T1の終了するまで続く波形になる。したがって、実
施の形態1の加工電源およびパルス制御回路によれば加
工間隙に正負の電圧が印加された状態での放電が一旦開
始されると期間T1またはT3が終了するまで継続する
ので、特に負の電圧を印加する期間T1においては、負
電圧の放電にもとづき被加工物2の加工面の品質が低下
するが、図10に示す実施の形態3の加工電源およびパ
ルス制御回路によれば、放電が開始しても短時間で放電
電流が零に回避するので、被加工物2の加工面の品質の
低下を防止できる。もちろん、実施の形態1に示すよう
にクランプ回路を使用して、負の電圧による放電の発生
を抑制しても良いし、正負の電源を接続するようにして
も良い。
工物と電極との間に被加工物に対して電極が正負両側の
極性を有するパルス電圧を印加し、かつ平均加工電圧を
零ボルトに維持するようにした放電加工機において、正
負両側の極性を有するパルス電圧を印加する電圧印加手
段と、正極性の電圧印加状態の期間と負極性の電圧印加
状態の期間と負極性の電圧印加状態に続く負極性の電圧
印加休止状態とを所定の順序で繰り返し発生させるよう
に電圧印加手段を制御するパルス制御手段とを備えたこ
とにより、負極性の電圧パルスによる放電発生を抑制で
きるようになり、負極性の放電電流による加工面の品質
低下を防止できる効果がある。
対して電極が正負両側の極性を有するパルス電圧を印加
し、かつ平均加工電圧を零ボルトに維持するようにした
放電加工機において、正負両側の極性を有するパルス電
圧を印加する電圧印加手段と、負極性側の電圧を検出す
る電圧検出手段と、電圧検出手段の検出値と所定の電圧
を比較する比較手段と、正極性の電圧印加状態の期間と
負極性の電圧印加状態の期間と負極性の電圧印加状態に
続く負極性の電圧印加休止状態とを所定の順序で繰り返
し発生させるように電圧印加手段を制御するパルス制御
手段とを備え、パルス制御手段は、負極性の電圧印加休
止状態を維持する所定期間に電圧検出手段の電圧検出値
の絶対値が比較手段で設定する所定値の絶対値より小さ
くなる場合に再度負極性の電圧印加状態を繰り返すよう
に電圧印加手段を制御することにより、負極性の電圧パ
ルスによる放電発生を抑制しながらも負極性の電圧の絶
対値が大きい状態で維持できるので、より速い加工速度
を得ながら負極性の放電電流による加工面の品質低下を
防止できる効果がある。
グ素子を含み構成されるスイッチ回路であるため、半導
体スイッチング素子を切り替えるにより、一つの直流電
源で正負両極性の電圧を印加することができる。
印加状態の期間および負極性側の電圧印加状態の期間に
対して、負極性の電圧印加状態に続く負極性の電圧印加
休止状態を維持する所定期間が充分長く設定するので、
被加工物の加工寸法精度の良い加工ができる。
ルス印加期間および負極性の電圧パルス印加期間におい
て、電圧印加状態と電圧印加状態を解除した状態が交互
にくり返し発生させることにより、加工間隙に放電が発
生した直後に電圧パルスを印加できるので、異常放電
や、短絡が発生しやすい加工状態においても、負極性の
電圧パルスによる放電発生を抑制できるようになり、負
極性の放電電流による加工面の品質低下を防止できる効
果がある。
装置を示すブロック図である。
と加工電源を示す回路図である。
ャートである。
す説明図である。
加工機の放電電圧と放電電流の関係を示す説明図であ
る。
と加工電源の動作の他の例を示す説明図である。
の動作を示すフローチャートである。
す説明図である。
と加工電源を示す回路図である。
示した図である。
電加工機の放電電圧と放電電流の関係を示す説明図であ
る。
ク構成図である。
ためのタイミングチャートである。
比較回路、18 パルス制御回路、19 加工電源、1
01 直流電源、106 抵抗器、102 半導体スイ
ッチング素子、103 半導体スイッチング素子、10
4 半導体スイッチング素子、105 半導体スイッチ
ング素子。
Claims (5)
- 【請求項1】 被加工物と電極との間に前記被加工物に
対して前記電極が正負両側の極性を有するパルス電圧を
印加し、かつ平均加工電圧を零ボルトに維持するように
した放電加工機において、前記正負両側の極性を有する
パルス電圧を印加する電圧印加手段と、正極性の電圧印
加状態の期間と負極性の電圧印加状態の期間と前記負極
性の電圧印加状態に続く負極性の電圧印加休止状態とを
所定の順序で繰り返し発生させるように前記電圧印加手
段を制御するパルス制御手段とを備えたことを特徴とす
る放電加工機の電源装置。 - 【請求項2】 被加工物と電極との間に前記被加工物に
対して前記電極が正負両側の極性を有するパルス電圧を
印加し、かつ平均加工電圧を零ボルトに維持するように
した放電加工機において、前記正負両側の極性を有する
パルス電圧を印加する電圧印加手段と、負極性側の電圧
を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出値
と所定の電圧を比較する比較手段と、正極性の電圧印加
状態の期間と負極性の電圧印加状態の期間と前記負極性
の電圧印加状態に続く負極性の電圧印加休止状態とを所
定の順序で繰り返し発生させるように前記電圧印加手段
を制御するパルス制御手段とを備え、前記パルス制御手
段は、前記負極性の電圧印加休止状態を維持する所定期
間に前記電圧検出手段の電圧検出値の絶対値が前記比較
手段で設定する所定値の絶対値より小さくなる場合に再
度負極性の電圧印加状態を繰り返すように前記電圧印加
手段を制御することを特徴とする放電加工機の電源装
置。 - 【請求項3】 電圧印加手段は、半導体スィッチング素
子を含み構成されるスイッチ回路であることを特徴とす
る請求項1または請求項2に記載の放電加工機の電源装
置。 - 【請求項4】 パルス制御手段は、正極性側の電圧印加
状態の期間および負極性側の電圧印加状態の期間に対し
て、前記負極性の電圧印加状態に続く負極性の電圧印加
休止状態を維持する所定期間が充分長いことを特徴とす
る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放電加工機
の電源装置。 - 【請求項5】 パルス制御手段は、正極性の電圧パルス
印加期間および負極性の電圧パルス印加期間において、
電圧印加状態と電圧印加状態を解除した状態が交互にく
り返し発生させることを特徴とする請求項1〜4のいず
れかに記載の放電加工機の電源装置。
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---|---|---|---|
JP04541197A JP3627084B2 (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 放電加工機の電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10244423A true JPH10244423A (ja) | 1998-09-14 |
JP3627084B2 JP3627084B2 (ja) | 2005-03-09 |
Family
ID=12718527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04541197A Expired - Fee Related JP3627084B2 (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 放電加工機の電源装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3627084B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002034444A1 (fr) * | 2000-10-20 | 2002-05-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Alimentation en courant pour l'usinage par etincelage a l'aide d'un fil-electrode |
US6727455B1 (en) * | 2000-06-06 | 2004-04-27 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Power supply system for applying a voltage of both positive and negative polarities in electric discharge machining |
JP2010012551A (ja) * | 2008-07-03 | 2010-01-21 | Fanuc Ltd | 単一電源を備えたワイヤ放電加工機 |
JP2013244542A (ja) * | 2012-05-23 | 2013-12-09 | Shin-Nihon Tech Inc | 焼結ダイヤモンドの放電加工方法 |
KR20150038578A (ko) * | 2012-08-08 | 2015-04-08 | 가부시키가이샤 소딕 | 방전 가공 장치 |
US9446465B2 (en) | 2012-10-30 | 2016-09-20 | Mitsubishi Electric Corporation | Wire electric-discharge machining apparatus |
-
1997
- 1997-02-28 JP JP04541197A patent/JP3627084B2/ja not_active Expired - Fee Related
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