JP2004195562A - 放電加工機の加工電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】漏れ電流を抑制し、放電検出後、主電源回路からの電圧印加の立上りまでの遅れ時間内に放電がとぎれないようにする。
【解決手段】副電源回路4からのワーク1と電極2間の電極間への電圧印加回路内に抵抗器44とコンデンサ45の並列回路を直列に挿入する。スイッチング素子42をオンにして、副電源41の電圧を電極間に印加する。放電が発生すると、コンデンサ45を介して電流を流し、放電を持続させる。浮遊キャパシタンスやインダクタンスにより放電電流が振動しても、放電がとぎれることはない。放電検出によりスイッチング素子32をオンにして、主電源31より加工用の大電流を流し加工する。極間に副電源電圧を印加し、放電が発生するまでの間には、電流制限抵抗器44によって小さな漏れ電流に保持できるので、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】副電源回路4からのワーク1と電極2間の電極間への電圧印加回路内に抵抗器44とコンデンサ45の並列回路を直列に挿入する。スイッチング素子42をオンにして、副電源41の電圧を電極間に印加する。放電が発生すると、コンデンサ45を介して電流を流し、放電を持続させる。浮遊キャパシタンスやインダクタンスにより放電電流が振動しても、放電がとぎれることはない。放電検出によりスイッチング素子32をオンにして、主電源31より加工用の大電流を流し加工する。極間に副電源電圧を印加し、放電が発生するまでの間には、電流制限抵抗器44によって小さな漏れ電流に保持できるので、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放電加工機の加工電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の放電加工機では、副電源回路から電極とワーク間の極間に電圧を印加し、放電の発生を検出した後、主電源回路から大電流の加工パルス電流を供給してワークを加工している(例えば、特許文献1参照)。この方法では、副電源回路により極間に電圧を印加し、その後、極間での放電を検出し主電源回路により大電流を投入し安定加工状態に至るまでには時間を要する。すなわち、放電開始検出回路やスイッチング素子の動作時間、給電線のインダクタンス成分による主電源回路からの主電流の立上り時間などにより、数100nsの遅れ時間が存在する。この間、放電状態を維持するためには、副電源回路から電流を流しておく必要があるが、この電流が小さすぎると、給電線と極間のインダクタンスとキャパシタンスが共振して電流が振動し、放電がとぎれる恐れがある。
【0003】
図3は、この放電がとぎれる現象の説明図である。図3(a)において、横軸は時間、縦軸はワークと電極の極間電圧であり、VSは副電源回路による印加電圧、VMは主電源回路による印加電圧を示す。又、図3(b)は横軸が時間で、縦軸は極間に流れる極間電流である。
時間t1で副電源回路より極間に電圧VSが印加され、時間t2で放電が発生したとする。時間t1からt2までには僅かな漏れ電流が極間に流れるが、時間t2で放電が発生し、極間電流が増大し、極間電圧は低下する。これを放電開始検出回路で放電発生として検出して、主電源回路より電圧VMを印加する。この主電源回路より極間に印加される電圧は、前述したように、放電開始検出回路やスイッチング素子の動作時間、給電線のインダクタンス成分による主電源回路からの主電流の立上り時間などにより、数100nsの遅れ時間がある。この時間遅れで、図3では、時間t4に主電源回路からの電圧VMが印加なされるものとする。一方、給電線と極間のインダクタンスと浮遊キャパシタンスによって放電電流は振動し、前述した遅れ時間(t2からt4の間)内に、該電流の振動により、図3の例で、時間t3で放電電流が「0」となり放電がとぎれて停止するという現象が発生する。その後、時間t4で主電源回路から電圧VMの印加がなされても、放電できない状態となる。
【0004】
そこで、放電を持続させるために副電源回路からの電流を増加させ、放電電流が「0」とならないようにする方法が考えられる。図4は、この副電源回路からの電流を増加させたときの状態を示す。図4(a)の横軸は時間、縦軸は極間電圧を示し、図4(b)の横軸は時間、縦軸は極間電流を示す。この場合、放電を検出(t2)してから、主電源回路からの主電流が立ち上がるまでの時間(t4)の遅れ時間内に、放電がとぎれることなく持続し、主電源回路から加工用の大電流Iを流し加工することができる。しかし、加工液として水を使用する場合などでは、副電源回路からの電流を増加させたことにより、図4(b)に示すように、副電源回路で極間に電圧を印加してから放電が発生するまでの間、極間に流れる漏れ電流が増加し、ワークの電解腐食の増加や、ワーク加工面への電極材料の付着現象が顕著になり、加工面の品位を低下させる結果となる。
【0005】
又、放電のとぎれを防止する方法として、極間にコンデンサとインダクタンスの直列回路を並列接続し、副電源回路を極間に印加した際に、このコンデンサを充電し、極間に放電が発生すると、このコンデンサから電流を極間に流し、主電源回路からの電圧印加の立上りまでの遅れ時間内に放電電流が振動しても、放電がとぎれないようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公昭46−24678号公報
【特許文献2】
特開昭59−161230号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
放電を検出してから主電源回路による電圧印加が十分に立ち上がるまでの遅れ時間内にこの放電がとぎれることを防止する方法として、副電源回路からの電流供給を増大すると、漏れ電流が増大し好ましくない。又、特許文献2に記載されたインダクタンスとコンデンサの直列回路を極間に並列に接続する方法では、副電源から電圧を印加する際の電圧の立上りが遅くなり、放電頻度が低下するという問題がある。さらに、副電源からの電圧印加開始直後に放電発生が検出されたような場合、コンデンサには十分な電荷が充電されていないので、放電を持続させるための十分な効果がない場合が生じる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、漏れ電流の増加を防止し、放電検出後主電源回路からの電圧印加の立上りまでの遅れ時間内に放電がとぎれないように持続させる放電加工機の加工電源装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電極とワークの極間に電圧を印加し放電を誘起する副電源回路と、前記極間に加工電流を供給する主電源回路と、前記副電源回路で前記極間に電圧を印加し放電が発生したことを検出して、前記主電源回路により極間へ加工電流供給を開始させる制御手段とを備えた放電加工機の加工電源装置において、副電源回路を、直流電源とスイッチング手段及び電流制限抵抗器とコンデンサの並列接続回路を直列に接続して構成とすることにより、放電開始時にコンデンサを通して電流を流すことにより、放電開始後主電源回路からの主電流が十分に立ち上がるまでの時間内に放電電流が振動しても、放電がとぎれないように防止した。又、電流制限抵抗器により副電源回路からの電圧印加中の漏れ電流を小さく抑えて、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制した。さらに、副電源回路の直列回路にさらに振動抑制の抵抗器を直列接続することにより、コンデンサの容量と給電線のインダクタンスにより発生する振動を抑制するようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の要部回路構成図である。
ワーク1と電極2間の極間には主電源回路3と副電源回路4が並列に接続されている。主電源回路3は、主電源31とスイッチング素子32と順方向に接続された逆流阻止用ダイオード33の直列回路で構成されている。
又、副電源回路4は、副電源41とスイッチング素子42と抵抗器43が直列に接続され、この直列回路に電流制限用抵抗器44とコンデンサ45が並列に接続された並列回路が直列に接続され、さらに順方向に接続された逆流阻止用ダイオード46が直列に接続されて構成されている。
又、ワーク1と電極2間の極間には、該極間電圧等を検出してスイッチング素子42,32をオン/オフ制御する制御手段5が接続されている。
【0011】
図2はこの実施形態における動作説明図である。図2(a)の横軸は時間、縦軸は極間電圧、図2(b)の横軸は時間、縦軸は極間電流を示す。
まず、制御手段5は副電源回路4のスイッチング素子42をオンにする。副電源回路4の副電源41により、スイッチング素子42、抵抗器43,電流制限用抵抗器44とコンデンサ45の並列回路、逆流阻止用ダイオード46を介して、ワーク1と電極2の極間には、図2(a)に示すように、副電源41の電圧VSが印加される。又、副電源41による電圧VSの印加による漏れ電流は、電流制限用抵抗器44で図2(b)に示すように、十分に小さな値に制限される。これにより、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制する。
【0012】
その後、放電が発生し、制御手段5がこれを検出して主電源回路3のスイッチング素子32をオンにする。主電源回路3の主電源31からスイッチング素子32、逆流阻止用ダイオード33を介して、ワーク1と電極2の極間に主電源31の電圧VMが印加され、加工用の大電流Iを流す。
【0013】
一方、主電源31による主電流の十分な立上りまで時間遅れがあるが、その間、放電によりワーク1と電極間の極間電圧が急激に低下することにより、コンデンサ45を介して、大きな電流を図2(b)に示すように極間に流す。その結果、給電線と極間のインダクタンスと浮遊キャパシタンスによって放電電流が振動しても、コンデンサ45から供給される電流により、この放電電流が「0」となることはなく、放電は持続される。この作用は、副電源41による電圧印加開始直後に放電が発生しても同様に作用し、常に効果を発揮する。すなわち、放電が発生するような電極間の電圧発生状態では、コンデンサ45の両端子間に電位差を生じるように、コンデンサ45に充電電流が流れ、放電を維持することになる。これにより、放電が持続され、主電源回路3からの主電流が立ち上がり、ワーク1と電極2間の極間に大電流Iを流し放電加工がなされる。
【0014】
なお、コンデンサ45の容量と給電線及び極間のインダクタンスのため、場合によっては、電圧印加開始時に極間電圧に振動が重畳する場合があるので、これを防止するために、本実施形態では、電流制限抵抗器44とコンデンサ45の並列回路に直列に適度な値の抵抗器43を直列に挿入している。すなわち、この抵抗器43は極間電圧振動抑制用としてして付加しているものである。
【0015】
又、逆流防止用ダイオード33,46は両者とも必ず必要なものではなく、主、副の電源31,41の電圧の低い方にのみ、電圧が高い方からの回り込みを防止するものである。しかし、荒加工、仕上げ加工によって、主電源回路3の主電源31の電圧VMと、副電源回路4の副電源41の電圧VSの大きさが逆転する場合があることから、主電源回路3及び副電源回路4に共に逆流防止用ダイオード33,46を設けたものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、電極間への主電源回路からの主電流の立上りの遅れにともなう放電のとぎれを防止し、安定した放電加工を持続させ、かつ、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の要部回路構成図である。
【図2】同実施形態における動作説明図である。
【図3】従来の加工電源装置における動作において、放電がとぎれる現象の説明図である。
【図4】従来の加工電源装置における動作において、放電のとぎれを防止するために、副電源回路からの供給電流を増大させたときの動作説明図である。
【符号の説明】
1 ワーク
2 電極
3 主電源回路
4 副電源回路
5 制御手段
31 主電源
32,42 スイッチング素子
33,46 逆流防止用のダイオード
41 副電源
43,44 抵抗器
45 コンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は放電加工機の加工電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の放電加工機では、副電源回路から電極とワーク間の極間に電圧を印加し、放電の発生を検出した後、主電源回路から大電流の加工パルス電流を供給してワークを加工している(例えば、特許文献1参照)。この方法では、副電源回路により極間に電圧を印加し、その後、極間での放電を検出し主電源回路により大電流を投入し安定加工状態に至るまでには時間を要する。すなわち、放電開始検出回路やスイッチング素子の動作時間、給電線のインダクタンス成分による主電源回路からの主電流の立上り時間などにより、数100nsの遅れ時間が存在する。この間、放電状態を維持するためには、副電源回路から電流を流しておく必要があるが、この電流が小さすぎると、給電線と極間のインダクタンスとキャパシタンスが共振して電流が振動し、放電がとぎれる恐れがある。
【0003】
図3は、この放電がとぎれる現象の説明図である。図3(a)において、横軸は時間、縦軸はワークと電極の極間電圧であり、VSは副電源回路による印加電圧、VMは主電源回路による印加電圧を示す。又、図3(b)は横軸が時間で、縦軸は極間に流れる極間電流である。
時間t1で副電源回路より極間に電圧VSが印加され、時間t2で放電が発生したとする。時間t1からt2までには僅かな漏れ電流が極間に流れるが、時間t2で放電が発生し、極間電流が増大し、極間電圧は低下する。これを放電開始検出回路で放電発生として検出して、主電源回路より電圧VMを印加する。この主電源回路より極間に印加される電圧は、前述したように、放電開始検出回路やスイッチング素子の動作時間、給電線のインダクタンス成分による主電源回路からの主電流の立上り時間などにより、数100nsの遅れ時間がある。この時間遅れで、図3では、時間t4に主電源回路からの電圧VMが印加なされるものとする。一方、給電線と極間のインダクタンスと浮遊キャパシタンスによって放電電流は振動し、前述した遅れ時間(t2からt4の間)内に、該電流の振動により、図3の例で、時間t3で放電電流が「0」となり放電がとぎれて停止するという現象が発生する。その後、時間t4で主電源回路から電圧VMの印加がなされても、放電できない状態となる。
【0004】
そこで、放電を持続させるために副電源回路からの電流を増加させ、放電電流が「0」とならないようにする方法が考えられる。図4は、この副電源回路からの電流を増加させたときの状態を示す。図4(a)の横軸は時間、縦軸は極間電圧を示し、図4(b)の横軸は時間、縦軸は極間電流を示す。この場合、放電を検出(t2)してから、主電源回路からの主電流が立ち上がるまでの時間(t4)の遅れ時間内に、放電がとぎれることなく持続し、主電源回路から加工用の大電流Iを流し加工することができる。しかし、加工液として水を使用する場合などでは、副電源回路からの電流を増加させたことにより、図4(b)に示すように、副電源回路で極間に電圧を印加してから放電が発生するまでの間、極間に流れる漏れ電流が増加し、ワークの電解腐食の増加や、ワーク加工面への電極材料の付着現象が顕著になり、加工面の品位を低下させる結果となる。
【0005】
又、放電のとぎれを防止する方法として、極間にコンデンサとインダクタンスの直列回路を並列接続し、副電源回路を極間に印加した際に、このコンデンサを充電し、極間に放電が発生すると、このコンデンサから電流を極間に流し、主電源回路からの電圧印加の立上りまでの遅れ時間内に放電電流が振動しても、放電がとぎれないようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公昭46−24678号公報
【特許文献2】
特開昭59−161230号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
放電を検出してから主電源回路による電圧印加が十分に立ち上がるまでの遅れ時間内にこの放電がとぎれることを防止する方法として、副電源回路からの電流供給を増大すると、漏れ電流が増大し好ましくない。又、特許文献2に記載されたインダクタンスとコンデンサの直列回路を極間に並列に接続する方法では、副電源から電圧を印加する際の電圧の立上りが遅くなり、放電頻度が低下するという問題がある。さらに、副電源からの電圧印加開始直後に放電発生が検出されたような場合、コンデンサには十分な電荷が充電されていないので、放電を持続させるための十分な効果がない場合が生じる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、漏れ電流の増加を防止し、放電検出後主電源回路からの電圧印加の立上りまでの遅れ時間内に放電がとぎれないように持続させる放電加工機の加工電源装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電極とワークの極間に電圧を印加し放電を誘起する副電源回路と、前記極間に加工電流を供給する主電源回路と、前記副電源回路で前記極間に電圧を印加し放電が発生したことを検出して、前記主電源回路により極間へ加工電流供給を開始させる制御手段とを備えた放電加工機の加工電源装置において、副電源回路を、直流電源とスイッチング手段及び電流制限抵抗器とコンデンサの並列接続回路を直列に接続して構成とすることにより、放電開始時にコンデンサを通して電流を流すことにより、放電開始後主電源回路からの主電流が十分に立ち上がるまでの時間内に放電電流が振動しても、放電がとぎれないように防止した。又、電流制限抵抗器により副電源回路からの電圧印加中の漏れ電流を小さく抑えて、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制した。さらに、副電源回路の直列回路にさらに振動抑制の抵抗器を直列接続することにより、コンデンサの容量と給電線のインダクタンスにより発生する振動を抑制するようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の要部回路構成図である。
ワーク1と電極2間の極間には主電源回路3と副電源回路4が並列に接続されている。主電源回路3は、主電源31とスイッチング素子32と順方向に接続された逆流阻止用ダイオード33の直列回路で構成されている。
又、副電源回路4は、副電源41とスイッチング素子42と抵抗器43が直列に接続され、この直列回路に電流制限用抵抗器44とコンデンサ45が並列に接続された並列回路が直列に接続され、さらに順方向に接続された逆流阻止用ダイオード46が直列に接続されて構成されている。
又、ワーク1と電極2間の極間には、該極間電圧等を検出してスイッチング素子42,32をオン/オフ制御する制御手段5が接続されている。
【0011】
図2はこの実施形態における動作説明図である。図2(a)の横軸は時間、縦軸は極間電圧、図2(b)の横軸は時間、縦軸は極間電流を示す。
まず、制御手段5は副電源回路4のスイッチング素子42をオンにする。副電源回路4の副電源41により、スイッチング素子42、抵抗器43,電流制限用抵抗器44とコンデンサ45の並列回路、逆流阻止用ダイオード46を介して、ワーク1と電極2の極間には、図2(a)に示すように、副電源41の電圧VSが印加される。又、副電源41による電圧VSの印加による漏れ電流は、電流制限用抵抗器44で図2(b)に示すように、十分に小さな値に制限される。これにより、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制する。
【0012】
その後、放電が発生し、制御手段5がこれを検出して主電源回路3のスイッチング素子32をオンにする。主電源回路3の主電源31からスイッチング素子32、逆流阻止用ダイオード33を介して、ワーク1と電極2の極間に主電源31の電圧VMが印加され、加工用の大電流Iを流す。
【0013】
一方、主電源31による主電流の十分な立上りまで時間遅れがあるが、その間、放電によりワーク1と電極間の極間電圧が急激に低下することにより、コンデンサ45を介して、大きな電流を図2(b)に示すように極間に流す。その結果、給電線と極間のインダクタンスと浮遊キャパシタンスによって放電電流が振動しても、コンデンサ45から供給される電流により、この放電電流が「0」となることはなく、放電は持続される。この作用は、副電源41による電圧印加開始直後に放電が発生しても同様に作用し、常に効果を発揮する。すなわち、放電が発生するような電極間の電圧発生状態では、コンデンサ45の両端子間に電位差を生じるように、コンデンサ45に充電電流が流れ、放電を維持することになる。これにより、放電が持続され、主電源回路3からの主電流が立ち上がり、ワーク1と電極2間の極間に大電流Iを流し放電加工がなされる。
【0014】
なお、コンデンサ45の容量と給電線及び極間のインダクタンスのため、場合によっては、電圧印加開始時に極間電圧に振動が重畳する場合があるので、これを防止するために、本実施形態では、電流制限抵抗器44とコンデンサ45の並列回路に直列に適度な値の抵抗器43を直列に挿入している。すなわち、この抵抗器43は極間電圧振動抑制用としてして付加しているものである。
【0015】
又、逆流防止用ダイオード33,46は両者とも必ず必要なものではなく、主、副の電源31,41の電圧の低い方にのみ、電圧が高い方からの回り込みを防止するものである。しかし、荒加工、仕上げ加工によって、主電源回路3の主電源31の電圧VMと、副電源回路4の副電源41の電圧VSの大きさが逆転する場合があることから、主電源回路3及び副電源回路4に共に逆流防止用ダイオード33,46を設けたものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、電極間への主電源回路からの主電流の立上りの遅れにともなう放電のとぎれを防止し、安定した放電加工を持続させ、かつ、ワークの電解腐食を抑制し、ワーク加工面への電極材料の付着をも抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の要部回路構成図である。
【図2】同実施形態における動作説明図である。
【図3】従来の加工電源装置における動作において、放電がとぎれる現象の説明図である。
【図4】従来の加工電源装置における動作において、放電のとぎれを防止するために、副電源回路からの供給電流を増大させたときの動作説明図である。
【符号の説明】
1 ワーク
2 電極
3 主電源回路
4 副電源回路
5 制御手段
31 主電源
32,42 スイッチング素子
33,46 逆流防止用のダイオード
41 副電源
43,44 抵抗器
45 コンデンサ
Claims (2)
- 電極とワークの極間に電圧を印加し放電を誘起する副電源回路と、前記極間に加工電流を供給する主電源回路と、前記副電源回路で前記極間に電圧を印加し放電が発生したことを検出して、前記主電源回路により極間へ加工電流供給を開始させる制御手段とを備えた放電加工機において、前記副電源回路を、直流電源とスイッチング手段及び電流制限抵抗器とコンデンサの並列接続回路を直列に接続して構成したことを特徴とする放電加工機の加工電源装置。
- 前記副電源回路の直列回路にさらに振動抑制の抵抗器を直列接続した請求項1の放電加工機の加工電源装置。
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---|---|---|---|
JP2002363741A JP2004195562A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 放電加工機の加工電源装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002363741A JP2004195562A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 放電加工機の加工電源装置 |
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