JPH10240241A - 自動ピアノ - Google Patents

自動ピアノ

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JPH10240241A
JPH10240241A JP9041226A JP4122697A JPH10240241A JP H10240241 A JPH10240241 A JP H10240241A JP 9041226 A JP9041226 A JP 9041226A JP 4122697 A JP4122697 A JP 4122697A JP H10240241 A JPH10240241 A JP H10240241A
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祐二 藤原
Takashi Tamaki
隆 玉木
Yasuhiko Oba
保彦 大場
Taro Kawabata
太郎 川端
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/32Constructional details
    • G10H1/34Switch arrangements, e.g. keyboards or mechanical switches specially adapted for electrophonic musical instruments
    • G10H1/344Structural association with individual keys
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/0033Recording/reproducing or transmission of music for electrophonic musical instruments
    • G10H1/0041Recording/reproducing or transmission of music for electrophonic musical instruments in coded form
    • G10H1/0058Transmission between separate instruments or between individual components of a musical system
    • G10H1/0066Transmission between separate instruments or between individual components of a musical system using a MIDI interface

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の自動ピアノと互換性を維持しつつ、高
度な演奏を可能とする演奏情報を生成する。 【解決手段】 押鍵イベントフレームは従来の自動ピア
ノでは生成されないフレームであって、ノート番号指定
子、押鍵イベント、および拡張バイトから構成される。
ここで、ノート番号指定子のステータスは「B0 5
0」、押鍵イベントのステータスは「B0 51」、拡
張バイトのステータスは「B0 10」である。これら
のステータスは、MIDI規格において汎用操作子とし
て定義されており、従来の自動ピアノではこれを無視す
るようになっている。したがって、新たに付加した押鍵
イベントフレームは、従来の自動ピアノで無視され、互
換性を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、演奏情報を拡張
してより自然な演奏を行うのに好適な自動ピアノに関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動ピアノにあっては、演奏者が鍵を押
下すると、これに連動してダンパが弦から離れるととも
にハンマが回転し、打弦が行われる。また、離鍵が行わ
れるとダンパが弦に接して消音が行われる。このように
楽音は、押鍵→打弦→離鍵→消音という一連の動作によ
って発生されるのが通常である。このため、記録時には
上記各動作に基づいて演奏情報を生成して記録し、再生
時には読み出された演奏情報に基づいて鍵の動作を制御
することが行われる。この場合の鍵の制御においては、
演奏情報に基づいて、ソレノイドを励磁して鍵を駆動
し、これに応じてハンマが回転して打弦を行なう。
【0003】ところで、電子楽器の分野においては、演
奏情報をデジタル信号として伝達するためのインターフ
ェースとしてMIDI(Musial Instrument Digital In
terface)が知られている。MIDIメッセージは、8
ビットを1バイト単位とするシリアルデータで表され、
メッセージの種類を指示するステータスとデータから構
成される。このステータスには、鍵盤を押すことを示す
ノートオンと鍵盤を離すことを示すノートオフがある。
【0004】上述した自動ピアノの演奏情報は、このM
IDI規格に準拠するものが多い。この場合、ピアノの
ある動作はイベントと称される1つのMIDIメッセー
ジで表され、複数のイベントによって演奏情報が構成さ
れる。そして、押鍵→打弦→離鍵→消音という一連の動
作は、ハンマーが弦を打つことを指示する打弦イベント
(ノートオンに対応)と、ダンパーが弦に接することを
指示する離鍵イベント(ノートオフに対応)とによって
表されることが多かった。また、一つのイベントは、図
13に示すように、1バイトのステータスと、これに続
く2バイトのデータから構成される。データの各先頭ビ
ットはステータスとの区別するため「0」が書き込まれ
る。そして、ステータスに続く1バイトには、音階を指
示するノート番号が書き込まれ、最後の1バイトには鍵
の速度を指示する情報が書き込まれる。このため、鍵の
速度は7ビットで表される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ピアノの演
奏においては、いわゆるハーフストロークと言われる奏
法がなされることがあり、この場合には、完全に押鍵さ
れる(鍵をエンド位置間で押し切る)前に離鍵が開始さ
れたり、あるいは、離鍵の途中から次の押鍵操作に入
る。しかしながら、従来の自動ピアノにおいては、押鍵
や離鍵が途中までしか行われないハーフストロークの再
現については、何等考慮されていなかったため、上述し
た打弦イベントと離鍵イベントのみでハーフストローク
を十分に再現することは困難である。また押鍵操作に特
開平7−175472号に記載されているような多岐に
わたる変化をもたらすことも困難である。そこで、新た
に付加情報を加えてハーフストロークに代表される変化
系奏法に対応することが考えられる。
【0006】ここで、付加情報を識別するためのステー
タスを単にノートオン/オフ以外のステータスに設定す
ると、MIDIメッセージとしての互換性が失われる。
例えば、付加情報のステータスを「A0」で表すと、一
般の電子楽器ではポリフォニック・キー・プレッシャー
であると解釈されてしまう。
【0007】また、従来の自動ピアノでは、MIDI規
格に準拠したノートオン/オフに対応する打弦情報と離
鍵情報は各々7ビットで表されていたが、実際のピアノ
演奏では、ピアニシモからフォルテシモといったように
鍵の速度が大きく変化する。このため鍵の速度を1バイ
トでは表現しきれないことがある。この場合、鍵の速度
情報を拡張するため、拡張された情報を単にノートオン
/オフ以外のステータスに設定すると、付加情報と同様
の問題が生じる。
【0008】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、互換性を維持しつつ、高度な演奏を行うこ
とができる演奏情報を生成する自動ピアノを提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明にあっては、鍵が押下された
ことを検出して、その状態を示す押鍵情報を生成する押
鍵情報生成手段と、ハンマによる打弦がなされたことを
検出し、その状態を示す打弦情報を生成する打弦情報生
成手段と、前記鍵が解放されたことを検出して、その状
態を示す離鍵情報を生成する離鍵情報生成手段と、前記
押鍵情報にはMIDI規格において汎用操作子を指示す
る識別情報を付加し、前記打弦情報には前記MIDI規
格においてノートオンを指示する識別情報を付加し、前
記離鍵情報には前記MIDI規格においてノートオフを
指示する識別情報を付加して演奏情報を生成する演奏情
報生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】また、請求項2に記載の発明にあっては、
鍵が押し下げられてから元に戻るまでの過程において、
前記鍵の速度、前記鍵と連動するハンマーアクションの
速度、または前記鍵と連動する止音機構の速度を検出す
る速度検出手段と、前記速度検出手段によって検出され
た検出速度を示すデータを上位ビットと下位ビットに分
割するデータ分割手段と、前記データ分割手段によって
分割された前記上位ビットにMIDI規格においてノー
トオンまたはノートオフを指示する識別情報を付加して
速度情報を生成し、前記下位ビットにMIDI規格にお
いて汎用操作子に対応する識別情報を付加して拡張情報
を生成する演奏情報生成手段とを備えたことを特徴とす
る。また、請求項3に記載の発明にあっては、前記演奏
情報生成手段は前記速度情報の直後に前記拡張情報を出
力することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
1.実施形態の構成 1−1 全体構成 以下、図面を参照してこの発明の実施形態の構成につい
て説明する。図1はこの発明の一実施形態のブロック図
である。図1において、1は鍵であり、3は鍵1の運動
をハンマ2に伝達するアクションである。4は、ハンマ
2によって打弦される弦であり、5は鍵1を駆動するソ
レノイドである。この場合、ソレノイド5のプランジャ
が突出すると、鍵1がバランスピンPを中心に回動し、
演奏者側に下がり(以下、この状態を押鍵状態とい
う)、また、これに連動してアクション機構3が作動
し、ダンパー6が弦4から離れるとともに、ハンマ2が
回動して打弦する。一方、演奏者が弾く場合は、指で鍵
1を押下することにより、上述と同様の作用が生じて打
弦が行われる。
【0012】また、図において、SE1,SE2は、打
弦速度を計測するためのセンサであり、演奏記録部30
は、ハンマ2がこれらのセンサSE1,SE2の間を通
過する時間を計測することにより、ハンマ2の速度、す
なわち打弦速度(発音速度)を計測し、また、ハンマ2
がセンサSE1を通過する時刻を打弦時刻(発音時刻)
として検出する。
【0013】次に、26は鍵1の下面に取り付けられた
板状のシャッタである。25は、上下方向に所定距離隔
て設けられている2組のフォトセンサSF2,SF3に
よって構成されるキーセンサであり、鍵1が押下され始
めると、まず上方のフォトセンサSF2が遮光され、次
いで、下方のフォトセンサSF3が遮光される。離鍵の
際には、下方のフォトセンサSF3が受光状態となり、
次いで、上方のフォトセンサSF2が受光状態になる。
【0014】キーセンサ25の出力信号は、演奏記録部
30に供給される。押鍵時にあっては、演奏記録部30
は、上方のフォトセンサSF2が遮光状態になってから
下方のフォトセンサSF3が遮光状態となるまでの時間
を測定し、ここから押鍵速度Vkを検出する。また、演
奏記録部30は下方のフォトセンサSF2が遮光状態と
なった時刻を押鍵時刻tkとして検出する。
【0015】一方、離鍵時にあっては、演奏記録部30
は、下方のフォトセンサSF3が受光状態になってから
上方のフォトセンサSF2が受光状態となるまでの時間
を測定し、ここから離鍵速度VkNを検出する。また、
演奏記録部30は上方のフォトセンサSF1が受光状態
となった時刻を離鍵時刻tkNとして検出する。
【0016】記録後処理部31においては、演奏記録部
30から供給される各種情報に対して、正規化処理を施
し、所定のデータ形式に変換した後に、外部の記録媒体
に演奏情報として供給する。ここで正規化処理とは、ピ
アノの個体差を吸収するための処理である。すなわち、
打弦時刻・打弦速度、押鍵時刻・押鍵速度、離鍵時刻・
離鍵速度等は、各ピアノにおけるセンサの位置や、構造
上の違い、あるいは機械的誤差によって固有の傾向を持
つため、標準となるピアノを想定し、そのピアノにおけ
る打弦時刻・打弦速度等に変換するための処理である。
【0017】10は再生前処理部であり、記録メディア
あるいはリアルタイム通信装置から供給される演奏デー
タに基づいて、鍵の軌道データを作成するとともに軌道
データを用いて鍵の位置データ(t,X)を作成する回
路である。再生前処理部10で作成された位置データ
(t,X)は、モーションコントローラ11に供給され
る。モーションコントローラ11は、供給された位置デ
ータ(t,X)に基づいて、各時刻における鍵1の位置
に対応した位置制御データ(X)を作成し、サーボコン
トローラ12に供給する。サーボコントローラ12は、
位置制御データ(X)に応じた励磁電流をソレノイド5
に供給するとともに、ソレノイド5から供給されるフィ
ードバック信号と制御データ(X)を比較し、両者が一
致するようにサーボ制御を行う。
【0018】1−2 演奏情報 次に、記録後処理部31において生成される演奏情報に
ついて説明する。演奏情報のデータ形式を図2に示す。
演奏データは、押鍵、打弦または離鍵等の各動作を単位
として生成され、この1単位をイベントと称する。
【0019】楽曲の演奏データは、イベントを組合せる
ことによって表されるが、再生時に鍵軌道を再現するた
めにはイベントの発生時刻(以下、イベント時刻と称す
る)を特定する必要がある。このため、楽曲の演奏デー
タは、イベント間にそれらの時間差を示すインターバル
と呼ばれるデータを介挿して構成される。
【0020】打弦イベントフレーム 打弦イベントは、ハンマ2がセンサSE1を通過した際
に生成される。また、打弦イベントのイベント時刻は、
ハンマ2がセンサSE1を通過する打弦時刻とする。
【0021】打弦イベントフレームのデータ形式を、図
2に示す。図示するように打弦イベントフレームは、打
弦イベントとこれに付随する拡張バイトからなる。打弦
イベントにおいて、第1バイトはステータスを示してお
り、そのデータ値「90」が、当該イベントが打弦イベ
ントであることを示している。また、第2バイトと第3
バイトの上位1ビットには、「0」を書き込む。これに
より、ステータスとデータが区別される。第2バイトの
「kkkkkkk」はノート番号を7ビットで示しており、こ
れによって音階が指定される。また、第3バイトの「vv
vvvvv」は打弦速度の上位7ビットを示している。な
お、従来の自動ピアノにおいても打弦イベントは、同様
に生成される。
【0022】次に、拡張バイトにおいて、第1バイトと
第2バイトはステータスであって、そのデータ値「B0
10」が、拡張バイトであることを示している。そし
て、第3バイトの「www」または「wwwwwww」は、打弦速
度の下位3ビットまたは下位7ビットを示している。こ
こで、拡張バイトのステータス「B0 10」はMID
I規格において汎用操作子として定義されている。汎用
操作子は、MIDI規格においてMIDIメッセージの
形式を有するが、情報の指示する内容が定義されていな
いものをいう。このため、一般の電子楽器では汎用操作
子を無視するようになっている。
【0023】ところで、従来の自動ピアノにおいては、
ノートオン、ノートオフに対応するイベントを用いて演
奏情報を構成していたので、汎用操作子で定義されるス
テータスのイベントが入力されても無視するようになっ
ている。したがって、拡張バイトが付加された打弦イベ
ントフレームを従来の自動ピアノで再生すると、拡張バ
イトは無視され、上記した打弦イベントに基づいて鍵が
駆動される。この場合、打弦イベントのデータは、打弦
速度の上位7ビットを表しているので、従来の自動ピア
ノで記録された演奏情報と同様の精度で鍵を駆動するこ
とができる。一方、拡張バイトが付加された打弦イベン
トフレームを本実施形態の自動ピアノで再生すると、拡
張バイトのステータスが検知され、これに続くデータが
拡張されたデータとして取り込まれる。これにより、打
弦時の鍵の速度を精度良く再現することが可能となる。
【0024】押鍵イベントフレーム 押鍵イベントは、鍵1が押し下げられ、上方のフォトセ
ンサSF2が遮光され、次いで、下方のフォトセンサS
F3が遮光された際に生成される。また、押鍵イベント
のイベント時刻は、鍵1が下方のフォトセンサSF3を
通過した押鍵時刻tkとする。
【0025】押鍵イベントのデータ形式を、図3に示
す。押鍵インベントフレームの先頭には、ノート番号指
定子を書き込む。ノート番号指定子において、第1バイ
トと第2バイトはステータスであって、そのデータ値
「B0 50」が、ノート番号指定子であることを示し
ている。そして、第3バイトの下位7ビットに書き込む
「kkkkkkk」によってノート番号が指定される。ここ
で、ノート番号指定子のステータス「B0 50」はM
IDI規格において汎用操作子として定義されている。
なお、ノート番号指定子は省略することができる。この
場合、再生系はその時点で定まっているノート番号を適
用する。例えば、上述した打弦イベントが、「90 k
k vv」であって、押鍵イベントがこれに続く場合に
その押鍵イベントフレームでノート番号指定子が省略さ
れると、ノート番号は打弦イベントのノート番号「k
k」で定まり、押鍵イベントフレームにおいてもその状
態が継続する。
【0026】次に、ノート番号指定子に続いて押鍵イベ
ントを書き込む。押鍵イベントにおいて、第1バイトと
第2バイトはステータスであって、そのデータ値「B0
51」が、押鍵イベントであることを示している。そ
して、第3バイトの下位7ビットに書き込む「vvvvvv
v」によって押鍵速度の上位7ビットが指定される。な
お、押鍵イベントのステータス「B0 50」はMID
I規格において汎用操作子として定義されている。
【0027】次に、押鍵イベントに続いて拡張バイトを
書き込む。この拡張バイトは、打弦イベントフレームの
場合と同様に、第1バイトと第2バイトはステータスで
あって、そのデータ値「B0 10」が、拡張バイトで
あることを示している。そして、第3バイトの「www」
は、押鍵速度の下位3ビットを示している。
【0028】この押鍵イベントフレームによって、押鍵
速度を再生することができるので、後述するように鍵の
軌道を正確に再現してハーフストローク等の演奏を可能
にすることができる。
【0029】離鍵イベントフレーム 離鍵イベントは、鍵1が戻され、下方のフォトセンサS
F3が受光状態となり、次いで、上方のフォトセンサS
F2が受光状態となった際に生成される。また、離鍵イ
ベントのイベント時刻は、鍵1が上方のフォトセンサS
F2を通過する離鍵時刻tkNとする。
【0030】離鍵イベントフレームのデータ形式を、図
4に示す。図示するように離鍵イベントフレームは、離
鍵イベントとこれに付随する拡張バイトからなる。離鍵
イベントにおいて、第1バイトはステータスを示してお
り、そのデータ値「8,0」が、当該イベントが離鍵イ
ベントであることを示している。また、第2バイトと第
3バイトの上位1ビットには、「0」を書き込む。これ
により、ステータスとデータが区別される。第2バイト
の「kkkkkkk」はノート番号を7ビットで示しており、
これによって音階が指定される。また、第3バイトの
「vvvvvvv」は離鍵速度の上位7ビットを示している。
なお、従来の自動ピアノにおいても離鍵イベントは、同
様に生成される。
【0031】次に、拡張バイトにおいて、第1バイトと
第2バイトはステータスであって、そのデータ値「B0
10」が、拡張バイトであることを示している。そし
て、第3バイトの「www」は、打弦速度の下位3ビット
または下位7ビットを示している。なお、拡張バイトの
ステータス「B0 10」はMIDI規格において汎用
操作子として定義されている。
【0032】イベントフレームの順序 1つの鍵に対応する押離鍵動作において、上述したイベ
ントフレームは、押鍵イベントフレーム→打弦イベント
フレーム→離鍵イベントフレームの順で生成されること
が大半であるが、実際の演奏では、打弦イベントフレー
ム→押鍵イベントフレーム→離鍵イベントフレーム、押
鍵イベントフレーム→離鍵イベントフレーム→打弦イベ
ントフレームの順で生成されることもある。また、各イ
ベントフレーム間には、タイムインターバルが介挿され
る。すなわち、記録媒体上ではタイムインターバルを含
めて、連続したアドレスに書き込み、伝送上では各フレ
ーム間をインターバルを表す時間間隔で送信するもので
ある。
【0033】これにより、従来の自動ピアノにない押鍵
イベントフレームを、打弦イベントの手前もしくは、打
弦イベントフレームの後等に書き込むようにしても、従
来の自動ピアノとの互換性を確保できる。
【0034】押鍵イベントフレームは、そのステータス
がMIDI規格の汎用操作子で定義されているため、従
来の自動ピアノでは無視される。ここで、押鍵イベント
フレーム→打弦イベントフレーム→離鍵イベントフレー
ムの順でフレームを生成したとすると、従来の自動ピア
ノでは打弦イベントフレーム→離鍵イベントフレームが
連続する。また、打弦イベントフレーム→押鍵イベント
フレーム→離鍵イベントフレームの順でフレームを生成
した場合も同様である。このようにいずれの場合も従来
のイベントと同様に再生するので、従来の自動ピアノと
の互換性を確実に行うことが可能となる。
【0035】拡張バイトの順序 上述したように各イベントフレームにおいて拡張バイト
を使用する場合には、拡張が必要とされるイベントの直
後に拡張バイトを付加するが、これは以下の理由によ
る。再生系においては、拡張バイトで指定される下位ビ
ットと通常イベントで指定される上位ビットを併せて速
度データを検出し、これに基づいて鍵軌道の再生処理を
行う。しかし、両者が時間的に離れていると、速度デー
タを得るまでの所要時間が長くなるので、鍵軌道の再生
処理を短時間で行う必要がある。そこで、イベントの直
後に拡張バイトを付加することにより、速度データを短
時間で得て鍵軌道の再生処理に時間的な余裕を持たせて
いる。さらには両者間に他のイベントが介挿すると、拡
張バイトが拡張対象とするイベントの特定を誤ることに
なるので、通常イベントの直後に拡張バイトを付加する
ことでこれを防止する。
【0036】1−3 軌道作成の原理 次に、再生前処理部10における軌道作成の原理につい
て説明する。 リファレンスポイント 鍵1を押し下げる速度に応じてハンマ2の打弦速度が決
まるが、鍵1の速度は初め遅くて次第に早くなる場合
や、その逆の場合もあり、さらには、ほとんど一定の速
さで押される場合もある。この場合、鍵1のレスト位置
からエンド位置に至るまでの速度と、ハンマ2の打弦速
度とがどのような関係になっているのかが重要である。
なぜならば、その関係を考察せず、打弦強度データに応
じて鍵速度(初期速度など)を制御しても、記録時の打
弦速度を再生することはできないからである。
【0037】実験によれば、鍵1のある位置における速
度とハンマ2の打弦速度とが極めて良い対応を示すこと
が判った。この位置は、ピアノの個体差にもよるが、概
ねレスト位置から9.0mm〜9.5mm程度押し下げ
た位置であった。したがって、鍵1がこの位置に達する
ときの速度を、打弦強度データに応じて制御すれば、記
録時の打弦速度を忠実に再現することができる。なお、
以下においては、上述の所定位置をリファレンスポイン
トXrという。
【0038】リファレンス速度 次に、上述のようにして求めたリファレンスポイントX
rにおいて、どのような鍵速度にすれば、打弦速度を忠
実に再現することができるかを設定する必要がある。な
お、以下においては、リファレンスポイントXrにおけ
る鍵速度をリファレンス速度Vrという。
【0039】ここで、図5はリファレンスポイントXr
を9.5mmに設定したときの鍵速度と打弦速度の関係
を示す図である。図中、白点は鍵をエンド位置まで押し
切る単打奏法を行った場合の結果を示し、黒点は鍵をエ
ンド位置まで押し切らずに連打する連打奏法を行った場
合の結果を示している。また、C1は1次最小自乗法近
似による直線、C2は6次最小自乗法による曲線を示し
ている。
【0040】図5から明らかなように、リファレンス速
度Vrは、直線C1あるいは曲線C2のいずれによって
も近似できる。したがって、近似性のよい関数を適宜選
択すれば、この関数を用いて任意の打弦強度データ(記
録時の打弦速度情報)からリファレンス速度Vrを決定
することができる。この実施例においては、計算が簡単
で誤差の少ない1次関数近似を採用している。したがっ
て、リファレンス速度Vrは、次式によって求められ
る。
【0041】
【数1】 数1において、VHは打弦速度(打弦強度データ)であ
り、αおよびβは定数である。定数αおよびβは、ピア
ノの機種等に応じ実験等によって決定する。なお、αお
よびβは、同一ピアノであっても、リファレンスポイン
トXrをどこにするかによって変動する。
【0042】リファレンス時間差 さて、この例にあっては、演奏情報に含まれる打弦時刻
データは、タイムインターバルとして、相対時刻で記録
されているが、再生側自動ピアノにおいてタイムインタ
ーバルを読みとって積算処理することにより、再生時の
各音の打弦絶対時刻が求められる。そこで、このように
して求めた打弦絶対時刻において正確に打弦を行わせる
には、鍵が何時リファレンスポイントXrを通過すれば
よいかを求める必要がある。
【0043】ここで、鍵1がリファレンスポイントXr
を通過する時刻(以下、リファレンス時刻trという)
と打弦時刻(正確には、ハンマが打弦位置直前にあるセ
ンサSE1を通過した時刻)との時間差をリファレンス
時間差Trと定義し、これと打弦速度との関係を実験に
より求めたものが図6である。図6において、白点は単
打奏法による結果、黒点は連打奏法による結果を示して
いる。そして、図6を縮尺2倍にしたものが図7であ
り、縮尺4倍にしたものが図8である。これらの図から
判るように、リファレンス時間差Trと打弦速度との関
係は、双曲線により極めて良好に近似される。すなわ
ち、このリファレンス時間差Trは、打弦速度VHを分
母にする1変数式で近似することができ、次式によって
算出される。
【0044】
【数2】 なお、数2における定数γおよびδは、ピアノの機種等
に応じ実験等によって決定する。また、γおよびδは、
同一ピアノであっても、リファレンスポイントXrをど
こにするかによって変動する。これは、数1における
α、βの場合と同様である。
【0045】さて、数2によって、リファレンス時間差
Trが求まれば、再生側の打弦絶対時刻からリファレン
ス時間差Trを減算することによって、リファレンス時
刻trが求められ、結局、上述した、、の処理に
より、リファレンスポイントXr、リファレンス速度V
r、およびリファレンス時刻trが求められる。したが
って、リファレンス時刻trにリファレンスポイントX
rに達し、かつ、その時の速度がリファレンス速度Vr
となるように鍵1を駆動すれば、記録時の打弦状態を忠
実に再現することができる。なお、鍵1がリファレンス
ポイントXrに達したときに打弦が行われるのであれ
ば、リファレンス時間差Trを求める処理は不要にな
る。
【0046】押鍵時の軌道データ作成 図9は、鍵の押鍵軌道を示す図であり、レスト位置X0
から等速運動をしてエンド位置Xeに至っている。ここ
で、鍵の初速度をV0、鍵の位置をX、鍵の駆動開始時
点からの時間をtとすれば、鍵の軌道は、
【0047】
【数3】 と表される。また、鍵がリファレンスポイントXrに達
する時刻をtr’とすると、
【0048】
【数4】 なる式が成り立つから、この数4から時刻tr’を求め
ることができる。したがって、押鍵を開始する絶対時刻
(以下、押鍵開始時刻という)t0は、次式によって求
めることができる。
【0049】
【数5】 なお、リファレンス時刻trは、前述のように、打弦時
刻からリファレンス時間差Trを減算することによって
求める。上記数5によって押鍵開始時刻t0を求め、こ
の時刻から、数3で示される軌道に従って鍵1を駆動す
れば、鍵1は、リファレンス時刻trにおいて正確にリ
ファレンスポイントXrに達し、しかも、その時の速度
は、打弦強度データに対応したレファレンス速度Vrと
なる。
【0050】なお、鍵の挙動については、直線軌道(等
速運動)を想定しているから、リファレンス速度Vrと
初速度V0は等しい。そして、リファレンス速度Vr
は、前述の数1によって求められるから、結局、数5で
求めた押鍵開始時刻t0から一定速度vrで鍵を駆動す
るように制御(速度制御)することができる。
【0051】離鍵時の軌道データ作成 次に、離鍵時の軌道データ作成について説明する。ま
ず、鍵の位置をXN、離鍵初速度をV0N(<0)、離
鍵開始時点からの時間をtN、エンド位置をXeとすれ
ば、離鍵時の鍵軌道は、次式で表される。
【0052】
【数6】 ここで、図10は数6で示される軌道を示す図である。
【0053】さて、前述のように、演奏記録部30(図
1参照)は、キーセンサ25内の下方のフォトセンサS
F3が受光状態になってから上方のフォトセンサSF2
が受光状態になるまでの時間を測定して離鍵速度VkN
を検出し、また、上方のフォトセンサが受光状態になっ
た時刻を離鍵時刻tkNとして検出する。この場合、離
鍵時刻tkNにおけるダンパー6は、弦4に接して音の
減衰を開始する状態なっている(そのような状態になる
ようフォトセンサの位置が調整されている)。そして、
このようにして検出された離鍵速度VkNおよび離鍵時
刻tkNは、それぞれ演奏情報を構成するデータとして
記録され、再生時に読み出される。
【0054】ここで、ダンパー6が弦4に接するときの
鍵の位置を離鍵リファレンスポイントXrNと定義すれ
ば、鍵1が離鍵リファレンスポイントXrNに達したと
きに、離鍵状態になったということができる。したがっ
て、鍵1が離鍵リファレンスポイントXrNに達する時
刻(以下、離鍵リファレンス時刻trNという)と、演
奏情報中の離鍵時刻tkNとが一致するように鍵位置を
制御すれば、正確な離鍵タイミング制御を行うことがで
きる。
【0055】また、ダンパー6が弦4に接する速さは、
音の減衰状態に影響を与えるから、これを忠実に再現す
ることが望ましい。この速さは、離鍵速度VkNに対応
するから、結局、離鍵リファレンスポイントXrNにお
ける鍵速度(以下、離鍵リファレンス速度VrNとい
う)を正確に離鍵速度VkNに一致させれば、音の減衰
状態が正確に再現される。ここで、鍵の駆動が開始され
る時刻を基準(=0)にして、鍵が離鍵リファレンスポ
イントXrNに達する時刻をtrN’とすると、
【0056】
【数7】 (ただし、直線軌道だからV0N=VrN=VkN)な
る関係が成り立ち、この数7より時刻trN’を求める
ことができる。したがって、次式によって離鍵開始時刻
t0Nを求めることができる。
【0057】
【数8】 この数8によって離鍵開始時刻t0Nを求め、この時刻
から、数6で示される軌道に従って鍵を駆動すれば、鍵
は離鍵時刻tkNにおいて離鍵リファレンスポイントX
rNに達し、記録時の離鍵状態を忠実に再現することが
できる。なお、時刻t0から速度V0N(=VkN:離鍵
速度)で鍵駆動するように制御(速度制御)しても上記
と同様の結果を得ることができる。
【0058】押鍵スローダウン・離鍵スローアップ軌
道データ作成 (a)トランジット位置 上述のようにして作成される押鍵軌道および離鍵軌道は
直線状をなす等速軌道であり、以下、これらをそれぞれ
押鍵等速軌道、離鍵等速軌道と称する。ここで、押鍵か
ら離鍵へ移る演奏がハーフストロークで行われた場合に
は、押鍵等速軌道と離鍵等速軌道は、図11(A)に示
すように、エンド位置Xeに至る手前で交差する。この
自動ピアノでは、押鍵の際には、レスト位置X0から所
定位置XTまでは押鍵等速軌道に基づいて鍵1を制御
し、所定位置XTとエンド位置Xeの間の範囲では、2
次曲線の軌道(以下、押鍵スローダウン軌道と称する)
に基づいて鍵1を制御する。また、離鍵の際には、所定
位置XTからレスト位置X0までは離鍵等速軌道に基づ
いて鍵1を制御し、所定位置XTとエンド位置Xeの範
囲では、2次曲線の軌道(以下、離鍵スローアップ軌道
と称する)に基づいて鍵1を制御する。なお、以下の説
明においては、「所定位置」をトランジット位置と称す
る。また、押鍵等速軌道がトランジット位置XTに達す
る時刻を押鍵中間時刻(tPT)、離鍵等速軌道がトラ
ンジット位置XTから開始する時刻を離鍵中間時刻(t
NT)と称する。ここで、トランジット位置XTは、鍵
1に自然な動作を与えるべく適宜設定されるが、押鍵等
速軌道が短すぎると、打鍵速度の再現性を不安定にす
る。よって、押鍵から離鍵へ移る演奏の場合には、トラ
ンジット位置XTは、レスト位置X0とエンド位置Xeの
中間よりもエンド位置Xe寄りにする。
【0059】(b)等速時交差時刻tcの計算 図11(A)に示すように、押鍵等速軌道および離鍵等
速軌道どうしが交差する位置(以下、等速時交差位置と
称する)をXcとし、等速時交差位置Xcに達する時刻
(以下、等速時交差時刻と称する)をtcとすると、こ
の交差時刻tcは、押鍵等速軌道および離鍵等速軌道の
軌道データから計算により求めることができる。そこ
で、等速時交差時刻tcに鍵の速度が0となるように、
押鍵スローダウン軌道および離鍵スローアップ軌道を設
定すれば、図11(B)に示すように、押鍵スローダウ
ン軌道においては、押鍵中間時刻tPTから等速時交差
時刻tcまでの間に、鍵の速度VがV0から0まで変化す
るような軌道を設定すればよい。また、離鍵スローアッ
プ軌道においては、等速時交差時刻tcから離鍵中間時
刻tNTまでの間に、鍵の速度Vが0からV0N(<
0)まで変化するような軌道を設定すればよい。そこ
で、まず、等速時交差時刻tcを以下のようにして求め
る。
【0060】押鍵開始時刻t0から等速時交差時刻tcま
での時間をa、等速時交差時刻tcから離鍵等速軌道が
終了する時刻t4までの時間をbとすると、下記式が成
立する。
【数9】
【0061】
【数10】 また、数9および数10により、下記式が成立する。
【0062】
【数11】
【0063】次に、等速時交差時刻tcは、押鍵開始時
刻t0に時間aを加算すれば良いから下記式によって算
出される。
【数12】
【0064】ここで、数12におけるt4は、離鍵等速
軌道がレスト位置X0に達する時刻であって、数8によ
って算出したt0Nを用いて次式により算出される。
【数13】
【0065】(c)押鍵スローダウン軌道データの作成 次に、押鍵スローダウン軌道における押鍵加速度aPを
下記式によって求める。
【数14】 ただし、数14におけるtPTは次式により算出され
る。
【0066】
【数15】
【0067】また、押鍵スローダウン軌道における押鍵
速度Vは数14で求められるaP(<0)を用いて下記
数16によって求めることができ、押鍵スローダウン軌
道は、下記数17によって表すことができる。ただし、
式中tは、押鍵スローダウン軌道および離鍵スローアッ
プ軌道における絶対時刻である。
【数16】
【0068】
【数17】 ただし、P1,Q1,R1は定数であり、これらは、数1
7と数17をtで微分した式に図11(A)に示すtの
特定値を代入することにより求めることができる。すな
わち、数17は、時刻tPTで傾きがV0、等速時交差
時刻tcで傾きが0となる2次関数であり、時刻tPT
における値がXTであるから、これらの値を上記式に代
入すればよい。
【0069】(d)離鍵スローアップ軌道データの作成 次に、離鍵スローアップ軌道における離鍵加速度aN
(<0)を以下のようにして求める。
【数18】
【0070】ここで、数18におけるtNTは次式によ
り算出される。
【数19】
【0071】また、離鍵スローアップ軌道における離鍵
速度Vは下記数20によって求めることができ、離鍵ス
ローアップ軌道は下記数21によって表すことができ
る。ただし、aN<0である。
【数20】
【0072】
【数21】
【0073】ただし、P2,Q2,R2は定数であり、こ
れらは、数21と数21をtで微分した式に図11
(A)に示すtの特定値を代入することにより求めるこ
とができる。すなわち、数21は、時刻tNTで傾きが
V0N、速度等速時交差時刻tcで傾きが0となる2次関
数であり、時刻tNTにおける値がXTであるから、こ
れらの値を上記式に代入すればよい。この場合におい
て、数21の最大値は数17の最大値と等しくなり、よ
って、これら2つの式で表される2次曲線は等速時交差
時刻tcに交差する。
【0074】このように、上述した押鍵・離鍵時の軌道
データ作成と押鍵スローダウン・離鍵スローダウン軌道
データ作成によって、鍵1の軌道を再生することができ
る。
【0075】2.実施形態の動作 2−1 記録動作 始めに、記録動作について説明する。まず、演奏者によ
って演奏が行われると、演奏記録部30がセンサSE
1,SE2の出力信号に基づいて打弦速度VHおよび打
弦時刻を検出するとともに、キーセンサ25を構成する
フォトセンサSF2,SF3の出力信号に基づいて押鍵
時刻Vkおよび押鍵時刻tk、打弦速度VHおよび打弦
時刻を検出する。これらの情報は、記録後処理部31に
おいて正規化処理された後に、演奏情報としてフロッピ
ーディスク等の記録媒体に記録される。
【0076】2−2 再生動作 次に、再生動作について図面を参照しつつ説明する。図
12は、本実施形態に係わる自動ピアノの再生動作を示
すフローチャートである。 2−2−1 本実施形態に係わる自動ピアノで記録され
た演奏情報を本実施形態に係わる自動ピアノで再生する
場合 まず、本実施形態に係わる自動ピアノで記録された演奏
情報を本実施形態に係わる自動ピアノで再生する場合を
想定する。図12において、再生前処理部10は、記録
媒体から演奏情報を読み出すか、あるいは、外部から供
給される演奏情報を受信する(ステップS1)。次に、
演奏情報のステータスを検知する(ステップS2)。具
体的には、予めステータスのデータ値をテーブルに格納
しておき、演奏情報が供給されると、テーブルからデー
タ値を読み出して演奏情報のデータ値と比較を行い、一
致するものを検索する。例えば、演奏情報が、図3に示
すように「B0 51 vv」であれば、ステータスは
押鍵イベントを指示すると検知される。
【0077】この後、再生前処理部10は、ステータス
に続くデータを解釈する(ステップS3)。上記した例
では、ステータス「B0 50」に続く第3バイトの
「vv」が押鍵速度であると解釈される。なお、押鍵イ
ベントフレームにあっては、上述したように押鍵イベン
トの直前にノート番号指定子が設けられるので、これに
より押鍵イベントのノート番号が検知される。
【0078】次に、再生前処理部10は、拡張バイトが
付加されているいるか否かを判定する(ステップS
4)。拡張バイトのステータスは、上述したように「B
0 10」であり、各イベントは3バイト単位で構成さ
れるので、ステップS2において検知されたステータス
を含めて4バイト目が「B0」で5バイト目が「10」
であるか否かを判定する。
【0079】例えば、演奏情報が図3に示す「B0 5
1 vv」「B0 10 wr」であるとすれば、ステッ
プS4の判定結果はYESとなり、ステップS5に進ん
で、拡張バイトを考慮して鍵の速度が検知される。この
例では、押鍵イベントに対して拡張バイトが付加されて
いるので、押鍵速度は押鍵イベントの第3バイトに書き
込まれたvv(7ビット)と拡張バイトの第3バイトに
書き込まれたw(3ビット)を併せた10ビットである
と検知される。
【0080】一方、ステップS2において検知されたス
テータスを含めて4バイト目が「B0」でかつ5バイト
目が「10」でない場合には、ステップS4の判定結果
はNOとなり、ステップS6に直接進む。この場合に
は、拡張の対象となるデータが存在しないが、拡張バイ
トが付加されている場合を通常と考えて7ビットの速度
データを10ビットのデータとして取り扱う。具体的に
は、下位3ビットに「0」を付加して10ビットの速度
データを生成する。これにより、拡張バイトが付加され
ない場合であっても、後段の処理を10ビットに統一す
ることができる。
【0081】次に、ステップS6では、数3に示す押鍵
軌道の軌道データを作成する。押鍵軌道は、レスト位置
X0からエンド位置Xeに至る軌道であり、この軌道デー
タは、押鍵イベント中の押鍵時刻データおよび押鍵速度
データ、打弦イベント中の打弦時刻データおよび打弦速
度データに基づいて作成される。この後、ステップS7
に進んで、数6に示す離鍵等速軌道の軌道データを作成
する。この軌道データは、離鍵イベント中の離鍵時刻デ
ータおよび離鍵速度データに基づいて作成される。
【0082】次に、ステップS8へ進んで押鍵スローダ
ウン軌道と離鍵スローアップ軌道を作成するための交差
処理を行う。まず、2つの軌道の等速時交差時刻tcを
数12を用いて計算する。押鍵スローダウン軌道および
離鍵スローアップ軌道における加速度aP,aNを数1
4および数18を用いて計算する。そして、求めた加速
度aP,aNを用いて、数15および数19に示す押鍵
スローダウン軌道と離鍵スローアップ軌道の軌道データ
を作成する。なお、押鍵等速軌道と離鍵等速軌道とが交
差しないのであれば、ステップS8の処理は省略でき
る。
【0083】次に、ステップS9へ進み、モーションコ
ントローラ11に供給する位置データ(t,X)を作成
する。この位置データ(t,X)は、時刻tと、時刻t
に対応する鍵の位置Xからなる。ここで、時刻tは、押
鍵開始時刻t0から離鍵が終了する時刻t4までを一定の
ピッチで刻んだ時刻である。あるいは、押鍵スローダウ
ン軌道と離鍵スローアップ軌道における時刻tのピッチ
を短くし、押鍵等速軌道および離鍵等速軌道における時
刻tのピッチを長くすることもできる。このようにして
時刻tのピッチを設定することにより、押鍵等速軌道お
よび離鍵等速軌道における位置データ(t,X)の計算
を簡略化し、かつ、押鍵スローダウン軌道と離鍵スロー
アップ軌道における鍵1の動作を正確かつ滑らかにする
ことができる。
【0084】また、鍵の位置Xは、前述の方法によって
求めた各軌道データに各時刻tを代入して求める。すな
わち、押鍵開始時刻t0から押鍵中間時刻tPTまで
は、時刻tを数3に代入して押鍵等速軌道における鍵1
の位置Xを求め、押鍵中間時刻tPTから等速時交差時
刻tcまでは、時刻tを数17に代入して押鍵スローダ
ウン軌道における鍵の位置Xを求める。また、等速時交
差時刻tcから離鍵中間時刻tNTまでは、時刻tを数
21に代入して離鍵スローアップ軌道における鍵の位置
Xを求め、離鍵中間時刻tNTから時刻t4までは、時
刻tを数6に代入して離鍵等速軌道における鍵の位置X
を求める。そして、こうして作成した位置データ(t,
X)を、再生前処理部10に設けたメモリの所定のアド
レスから時刻tの順番に格納する。こうしてメモリの所
定のアドレスから時刻tの順番に位置データ(t,X)
を格納することにより、押鍵開始から離鍵終了までの鍵
の位置Xを時刻t毎に求めたシーケンシャルデータ列を
作成する。
【0085】ところで、楽曲の演奏データは、上述した
ように打弦,押鍵,離鍵の各イベントフレーム間に、各
イベントフレーム間の発生時間差を示すインターバルデ
ータが介挿されて記録媒体に記憶される。そして、楽曲
を再生する場合には、イベントフレームと次のインター
バルデータをセットで読み出し、読み出したインターバ
ルデータが示す時間が経過すると、次のイベントフレー
ムとインターバルデータをセットで読み出し、以下この
処理を繰り返す。
【0086】ここで、自動ピアノでは、ソレノイドに給
電を開始してから実際にハンマが打弦して発音されるま
でに時間がかかる。そのため、打弦イベントフレームが
記録媒体から読み出されたタイミングに対して実際の発
音が遅れることになる。また、ソレノイドに給電を開始
してから実際にハンマが打弦して発音されるまでの時間
は指示される打弦速度によって異なるため、打弦イベン
トフレームが記録媒体から読み出された時点にソレノイ
ドの給電を開始すると、打弦イベントの発生時間の間隔
が各打弦イベントの指示する打弦速度に応じて変化して
しまう。また、離鍵に関しても同様の問題がある。
【0087】そこで、自動ピアノの再生時には、各イベ
ントフレームが読み出されたタイミングから所定時間
(例えば、500msec)後に各イベントフレームで
指示された動作(打弦,離鍵)が行われるように、各イ
ベントを一律に遅延させる。具体的には、打弦,離鍵イ
ベントフレームが読み出された時点で、前述した軌道計
算を行い、打弦タイミング,離鍵タイミング(打弦,離
鍵イベントフレームが読み出された時点から500ms
ec後のタイミング)のどれだけ前から鍵を動かし始め
ればいかを求め、このタイミングで鍵を動かし始めるよ
うにする。
【0088】この点について、図14を参照して説明す
る。ここで、図14(a)に示すタイミングで打弦イベ
ントフレームと離鍵イベントフレームが読み出されたと
する。まず、打弦イベントにあっては、図14(b)に
示すように打弦タイミングに対して、リファレンス時間
Trと時間tr’との和だけ先行して鍵の駆動を開始す
ればよい。そこで、打弦イベントフレームが読み出され
た時点から「500msec−(Tr’+tr’)」だ
け経過したタイミングにおいて鍵を動かし始め、打弦イ
ベントフレームが読み出された時点から500msec
経過後に実際の打弦を行うようにしている。
【0089】一方、離鍵イベントは、消音の開始を指示
するものであって、自動ピアノではダンパ6を弦4に接
触させることを意味する。離鍵イベントの場合には、図
14(c)に示すように離鍵タイミングに対して、時間
trN’だけ先行して鍵の駆動を開始すればよい。そこ
で、離鍵イベントフレームが読み出された時点から「5
00msec−trN’」だけ経過したタイミングにお
いて鍵を動かし始める。これにより、離鍵イベントフレ
ームが読み出された時点から500msecだけ後方の
タイミングにおいてダンパ6が弦4に接触して実際の消
音が行われる。なお、電子楽器で演奏を再生する場合に
は、自動ピアノのような遅延の必要はないので、打弦イ
ベントフレームが記録媒体から読み出された時点におい
て楽音信号の合成を開始するとともに、離鍵イベントフ
レームが記録媒体から読み出された時点において楽音信
号の消音を開始する。
【0090】以上説明したように、この実施形態にあっ
ては、押鍵イベントを用いて演奏情報を表したので、押
鍵スローダウン軌道と離鍵スローアップ軌道を正確かつ
滑らかに再現することが可能となる。また、拡張バイト
を用いたので記録する速度のダイナミックレンジを拡大
することができる。これにより、例えば、ピアニシモか
らフォルテといったように鍵の速度が大幅に変化する場
合であっても、正確に再現することが可能になり、自動
演奏において微妙なニュアンスを再現することが可能と
なる。
【0091】2−2−2 従来の自動ピアノで記録され
た演奏情報を本実施形態に係わる自動ピアノで再生する
場合 従来の自動ピアノでは、演奏情報として上述した打弦イ
ベントと離鍵イベントが使用されており、押鍵イベント
は使用されていない。したがって、従来の自動ピアノで
記録された演奏情報が本実施形態に係わる自動ピアノに
供給されると、再生前処理部10は、演奏情報を取得し
て(ステップS1,図12参照)、演奏情報のステータ
スを検知する(ステップS2)。
【0092】この場合、打鍵動作に関するステータスは
打弦イベントを指示する「90」、または離鍵イベント
を指示する「80」に限られる。このため、ステータス
の解釈結果は打弦イベントまたは離鍵イベントのいずれ
かになる。また、拡張バイトは従来の自動ピアノでは用
いられていないので、ステップS4の判定結果はNOと
なり、ステップS6に進んで、一打鍵中に打弦イベン
ト、押鍵イベントおよび離鍵イベントが一組として含ま
れるか否かを判定する。押鍵イベントは使用されないか
ら、押鍵等速軌道の軌道データを打弦イベント中の打弦
時刻データおよび打弦速度データに基づいて作成する。
この後、ステップS7に進んで、数6に示す離鍵等速軌
道の軌道データを作成する。この軌道データは、離鍵イ
ベント中の離鍵時刻データおよび離鍵速度データに基づ
いて作成される。
【0093】次に、ステップS8へ進んで押鍵イベント
に基づいて交差処理を行う。この後、ステップS7で生
成された軌道データに基づいて、再生前処理部10は、
モーションコントローラ11に供給する位置データ
(t,X)を作成し、その内部に設けられたメモリの所
定のアドレスから時刻tの順番に格納する。こうして、
押鍵開始から離鍵終了までの鍵の位置Xを時刻t毎に求
めたシーケンシャルデータ列を作成する。
【0094】このように本実施形態においては、打弦イ
ベントと離鍵イベントのステータスを従来の自動ピアノ
で用いられているものと同じものを使用したので、従来
の自動ピアノで記録された演奏情報を再生することがで
きる。この場合、従来の自動ピアノで生成された打弦イ
ベントまたは離鍵イベント中の速度データは、1バイト
(7ビット)で表されるが、本実施形態の自動ピアノで
は、これを速度データの上位7ビットとして扱えるよう
に、拡張バイトに下位ビットを書き込むこととしたの
で、従来の自動ピアノと同様の精度で鍵の速度を再現す
ることができる。すなわち、本実施形態の自動ピアノ
は、従来の自動ピアノで記録された演奏情報を何ら損な
うことなく再生できるという互換性を備えている。
【0095】2−2−3 本実施形態に係わる自動ピア
ノで記録された演奏情報を従来の自動ピアノで再生する
場合 本実施形態の自動ピアノでは、打弦イベントや離鍵イベ
ントの他、押鍵インベントや拡張バイトを付加して演奏
情報を生成する。ここで、押鍵イベントや拡張バイトを
識別するためのステータスは、従来の自動ピアノで使用
されていないものが用いられる。一方、従来の自動ピア
ノでは、未定義のステータスが入力された場合、これを
無視するようにエラー処理が行われる。したがって、本
実施形態の自動ピアノで記録された演奏情報を従来の自
動ピアノで再生すると、押鍵イベントや拡張バイトが無
視される。また、打弦イベントや離鍵イベントのステー
タスは従来の自動ピアノで使用されるステータスと同じ
ものを用いたので、これらのイベントについては再生さ
れる。
【0096】例えば、演奏情報が、打弦イベントフレー
ム「90 kk vv,B0 10 wr」、押鍵イベント
フレーム「B0 50 kk,B0 51 vv」、離鍵イ
ベントフレーム「80 kk vv」で構成されており、
この演奏情報を従来の自動ピアノで再生したとする。こ
の場合、従来の自動ピアノではステータス「90」,
「80」は認識することができるが、ステータス「B0
50」と「B0 51」は認識することができない。こ
のため、打弦イベントフレームの拡張バイト「B0 1
0 wr」と押鍵イベントフレームは無視され、打弦イ
ベント「90 kkvv」と離鍵イベント「80 kk
vv」に基づいて軌道データが生成される。ここで、打
弦イベントフレームのvvは打弦速度の上位7ビットを
表しており、また、「wr」は下位3ビットを表してい
る。したがって、打弦速度の下位3ビットは無視される
こととなるが、従来の自動ピアノは元々7ビットに対応
するようになっているので、下位3ビットを無視したと
しても鍵速度の精度が劣化するわけではなく、予定され
ている最大限の精度で鍵の動作を再現することができ
る。すなわち、本実施形態の自動ピアノで記録された演
奏情報を従来の自動ピアノで再生すると、従来の自動ピ
アノで予定されている性能を最大限発揮させることがで
きる。この意味において、本実施形態の自動ピアノは、
従来の自動ピアノと互換性を有する。
【0097】また、本実施形態に係わる自動ピアノで記
録された演奏情報を従来の自動ピアノで再生する場合に
は、前述したように、押鍵イベントが無視されるが、そ
の前後のインターバルデータは無視されない。
【0098】例えば、演奏データが、「打弦イベントフ
レーム」、「インターバルデータ1」、「押鍵イベント
フレーム」、「インターバルデータ2」、「離鍵イベン
トフレーム」、「インターバルデータ3」…の順で記憶
されているとする。この演奏データを再生する場合、
「打弦イベントフレーム」,「インターバルデータ1」
がセットで読み出された後に、インターバルデータ1で
指示される時間が経過すると、「押鍵イベントフレー
ム」,「インターバルデータ2」がセットで読み出され
る。このとき、押鍵イベントは無視されるが、「インタ
ーバルデータ2」は無視されない。したがって、「押鍵
イベントフレーム」,「インターバルデータ2」が読み
出された後にインターバルデータ2で指示される時間が
経過すると、「離鍵イベントフレーム」,「インターバ
ルデータ3」がセットで読み出されることになる。
【0099】これにより、本実施形態に係わる自動ピア
ノで記録された演奏情報を従来の自動ピアノで再生する
場合には、押鍵イベントが無視されるが、打弦イベント
と離鍵イベントとの時間間隔は変化しない。
【0100】2−2−4 本実施形態に係わる自動ピア
ノで記録された演奏情報をMIDI規格に準拠した電子
楽器で再生した場合 本実施形態の自動ピアノにおいては、打弦イベントのス
テータスとして「90」を用いるが、これはMIDI規
格におけるノートオンのステータスに対応する。また、
離鍵イベントのステータス「80」はMIDI規格にお
けるノートオフのステータスに対応する。一方、押鍵イ
ベントのステータス「B0 50」や拡張バイトのステ
ータス「B0 51」はMIDI規格において汎用操作
子として定義されているものが選択されている。このた
め、当該演奏情報が入力される他の電子楽器が、汎用操
作子を用いて特殊な動作を行わないものであれば、押鍵
イベントや拡張バイトが無視され、当該演奏情報を再生
することができる。
【0101】ところで、MIDI規格に準拠した電子楽
器では、汎用操作子としてのステータスを用いないのが
一般である。また、本実施形態の自動ピアノで使用する
汎用操作子は、MIDI規格で定義されている汎用操作
子の一部に過ぎない。したがって、本実施形態で記録さ
れた演奏情報をMIDI規格に準拠した殆どの電子楽器
で再生することができる。この意味において、本実施形
態の自動ピアノは、MIDI規格に準拠した電子楽器と
互換性を有する。
【0102】また、本実施形態に係わる自動ピアノで記
録された演奏情報を従来の自動ピアノで再生する場合と
同様に、押鍵イベントが無視されるが、インターバルデ
ータは無視されない。したがって、本実施形態に係わる
自動ピアノで記録された演奏情報をMIDI規格に準拠
した電子楽器で演奏しても打弦イベントと離鍵イベント
との時間間隔は変化しない。この意味において、本実施
形態の自動ピアノは、MIDI規格に準拠した電子楽器
と互換性を有する。
【0103】3.変形例 本発明は上述した実施形態に限定されるものでなく、例
えば以下のように種々の変形が可能である。
【0104】上記実施形態において、打弦イベント
は、ハンマが弦を打弦したことを示すイベントであるか
ら、発音がなされたことを示す情報でもある。したがっ
て、発音がなされたことを示す発音情報は、ハンマが弦
を打弦したことによっても検出される。また、離鍵イベ
ントは、鍵がエンド側からレスト側に戻る際に生成され
るイベントであるから、ダンパーが弦に接触することに
よって止音がなされたことを示す情報でもある。したが
って、止音がなされたことを示す止音情報は、鍵がエン
ド側からレスト側に戻ることによっても検出される。な
お、止音がなされたか否かは、鍵の動作を検出する他、
ダンパーの位置を検出することによって判定しても良
い。
【0105】上記実施形態において、鍵の動作に係わ
るイベントとして、打弦イベント、押鍵イベント、離鍵
イベントを一例として説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、各種の変化系奏法を再現するため
の変則イベントを付加してもよい。例えば、押鍵がなさ
れ、上方のフォトセンサSF2が遮光状態となったこと
が検出された後、下方のフォトセンサSF3が受光状態
のまま離鍵が開始され、上方のフォトセンサSF2が受
光状態となる場合がある。この場合には、鍵が2つのフ
ォトセンサを通過しないので押鍵イベントが生成されな
い。そこで、押鍵イベントが欠落したことを明確するた
め、押鍵欠落イベントを生成してもよい。この場合に
は、鍵が下方のフォトセンサSF3を通過しなかったこ
とが分かるので、レスト位置付近で連打を行う上連打奏
法を再現することができる。
【0106】このような、変化系奏法に対応するために
新たなイベントを付加する場合には、上述した押鍵イベ
ントの場合と同様に、新たにイベントを示すステータス
をMIDI規格において汎用操作子として定義されてい
るものを用いればよい。これにより、従来の自動ピアノ
やMIDI規格に準拠した電子楽器と互換性を保つこと
ができ、しかも高度な演奏を再現することができる。
【0107】上記実施形態においては、説明の簡略化
のため詳述されていないが、インターバルを除くイベン
トの演奏データには、当該イベントが発生した鍵を示す
キーコードKCが付加されるものである。したがって、
記録動作においては、キーコードKCが付加された各イ
ベントがインターバルとともに記録される。また、再生
動作においては、このキーコードKCが示す鍵が推定さ
れた軌道で駆動されることになる。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
本発明に係わる自動ピアノで記録された演奏情報を従来
の自動ピアノで再生した場合に、従来のピアノの性能を
最大限に発揮させることができ、しかも、当該演奏情報
を本発明に係わる自動ピアノで再生した場合には、高度
な演奏を再現することができる。また、従来の自動ピア
ノと互換性を維持しつつ、鍵の速度の分解能およびダイ
ナミックレンジを拡大できるので、楽曲の微妙なニュア
ンスを再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態の構成を示すブロック図
である。
【図2】 同実施形態に係わる打弦イベントフレームの
データ列を示す図である。
【図3】 同実施形態に係わる押鍵イベントフレームの
データ列を示す図である。
【図4】 同実施形態に係わる離鍵イベントフレームの
データ列を示す図である。
【図5】 同実施形態に係わるリファレンスポイントを
9.5mmに設定したときの鍵速度と打弦速度の関係を
示す図である。
【図6】 同実施形態に係わるリファレンス時間差Tr
と打弦速度との関係を示す図である。
【図7】 図6を縮尺2倍にした図である。
【図8】 図6を縮尺4倍にした図である。
【図9】 同実施形態に係わる鍵の押鍵軌道を示す図で
ある。
【図10】 同実施形態に係わる数6で示される軌道を
示す図である。
【図11】 (A)は押鍵の後に発生した離鍵の軌道が
交差する場合を示す図であり、(B)は鍵の速度の変化
を示す図である。
【図12】 本実施形態に係わる自動ピアノの再生動作
を示すフローチャートである。
【図13】 MIDIメッセージを示す図である。
【図14】 同実施形態に係わる打弦,離鍵イベントフ
レームの読み出し時点と打弦,離鍵タイミングとの関係
を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】 1…鍵、2…ハンマ、3…アクション機構(ハンマアク
ション)、4…弦、6…ダンパー(止音機構)、10…
再生前処理部、11…モーションコントローラ、25…
キーセンサ、30…演奏記録部(発音情報生成手段、打
弦情報生成手段、押鍵情報生成手段、止音情報生成手
段、離鍵情報生成手段、演奏情報生成手段、データ分割
手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川端 太郎 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵が押下されたことを検出して、その状
    態を示す押鍵情報を生成する押鍵情報生成手段と、 ハンマによる打弦がなされたことを検出し、その状態を
    示す打弦情報を生成する打弦情報生成手段と、 前記鍵が解放されたことを検出して、その状態を示す離
    鍵情報を生成する離鍵情報生成手段と、 前記押鍵情報にはMIDI規格において汎用操作子を指
    示する識別情報を付加し、前記打弦情報には前記MID
    I規格においてノートオンを指示する識別情報を付加
    し、前記離鍵情報には前記MIDI規格においてノート
    オフを指示する識別情報を付加して演奏情報を生成する
    演奏情報生成手段とを備えたことを特徴とする自動ピア
    ノ。
  2. 【請求項2】 鍵が押し下げられてから元に戻るまでの
    過程において、前記鍵の速度、前記鍵と連動するハンマ
    アクションの速度、または前記鍵と連動する止音機構の
    速度を検出する速度検出手段と、 前記速度検出手段によって検出された検出速度を示すデ
    ータを上位ビットと下位ビットに分割するデータ分割手
    段と、 前記データ分割手段によって分割された前記上位ビット
    にMIDI規格においてノートオンまたはノートオフを
    指示する識別情報を付加して速度情報を生成し、前記下
    位ビットにMIDI規格において汎用操作子に対応する
    識別情報を付加して拡張情報を生成する演奏情報生成手
    段とを備えたことを特徴とする自動ピアノ。
  3. 【請求項3】 前記演奏情報生成手段は前記速度情報の
    直後に前記拡張情報を出力することを特徴とする請求項
    2に記載の自動ピアノ。
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