JPH10239832A - 感光性平版印刷版の製造方法及び画像形成材料 - Google Patents

感光性平版印刷版の製造方法及び画像形成材料

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JPH10239832A
JPH10239832A JP9191286A JP19128697A JPH10239832A JP H10239832 A JPH10239832 A JP H10239832A JP 9191286 A JP9191286 A JP 9191286A JP 19128697 A JP19128697 A JP 19128697A JP H10239832 A JPH10239832 A JP H10239832A
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JP
Japan
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photosensitive layer
photosensitive
weight
printing plate
acid
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JP9191286A
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English (en)
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Shigeto Goto
成人 後藤
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度の経時による変動が改善され、又優れた
耐刷性及びボールペン特性を有する感光性平版印刷版の
製造方法及び画像形成材料の提供。 【解決手段】 支持体上に、o−ナフトキノンジアジ
ド、及び重量平均分子量Mwが5000以上のバインダ
ー樹脂を少なくとも1種含む感光層を少なくとも1層設
けてなる感光性平版印刷版の、前記感光層の残留溶剤量
が該感光層の全重量の4.5重量%以下となるように熱
処理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷
版、フォトレジストに関し、特にポジ型の感光性平版印
刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は、水と油とが本質的には混じ
り合わない性質を巧みに利用した印刷方式である。ポジ
型感光性平版印刷版は、感光層に画像露光を施し、次い
で現像すると、露光部のインキ受容性である感光層は除
去されて親水性支持体の表面が露出する一方、露光され
ない部分のインキ受容性である感光層は支持体に残留し
てインキ受容層を形成する。
【0003】印刷版の感度は製造直後から経時しても安
定である方が露光や現像条件を変更することなく処理が
安定して行えるという点で好ましい。又処理廃液の低減
や処理の迅速化のために感光層を薄膜化することが有効
であるが、その一方で薄膜化することにより耐刷性及び
耐薬品性に問題の生じる恐れもある。又平版印刷版の製
版作業時に、版上に、見当合わせや目印のためにボール
ペンで印を付けることがある。その印を付けた部分は露
光されると当然現像され、親水性支持体の表面が露出し
なければいけないが、ボールペンインキが支持体表面に
残ることが多々発生している。この問題を解決するため
には、感光層の現像性を上げようとする方法で対処して
きたが、感光層の現像性を上げようとすると、耐刷性等
に問題がでてくる。耐刷性を上げようとするとその逆の
現象が起こる。従って、ボールペンインキを支持体上に
残らせないようにすることと、現像性及び耐刷性を兼ね
備えるのは、特に感光層が薄膜になった場合非常に困難
な技術となる。
【0004】印刷版の機械的強度、反発弾性等の性能の
向上を目的として特開昭63−8648号には有機微粒
子を含有する感光性樹脂組成物が、又特開平2−175
702号及び特開平8−95237号には非架橋性樹脂
微粒子を有する感光性樹脂組成物に関する技術が知られ
ているが、上記目的達成には十分満足のいくものではな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、感度の経時によ
る変動が改善され、又優れた耐刷性及びボールペン特性
を有する感光性平版印刷版の製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0007】(1) 支持体上に、o−キノンジアジド
化合物、及び重量平均分子量(Mw)が5000以上の
バインダー樹脂を少なくとも1種含む感光層を少なくと
も1層設けてなる感光性平版印刷版の、前記感光層の残
留溶剤量が該感光層の全重量の4.5重量%以下となる
ように熱処理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版
の製造方法。
【0008】(2) 支持体上に、o−キノンジアジド
化合物、及びガラス転移点(Tg)が150℃以上のバ
インダー樹脂を少なくとも1種含む感光層を少なくとも
1層設けてなる感光性平版印刷版の、前記感光層の残留
溶剤量が該感光層の全重量の4.5重量%以下となるよ
うに熱処理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の
製造方法。
【0009】(3) 支持体上に、o−キノンジアジド
化合物及びバインダー樹脂を含み、かつガラス転移点
(Tg)が100℃以上の感光層を少なくとも1層設け
てなる感光性平版印刷版の、前記感光層の残留溶剤量が
該感光層の全重量の4.5重量%以下となるように熱処
理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方
法。
【0010】(4) 支持体上に、o−キノンジアジド
化合物及びバインダー樹脂を含み、かつ超微小押し込み
硬度が1.7GPa以上の感光層を少なくとも1層設け
てなる感光性平版印刷版の、前記感光層の残留溶剤量が
該感光層の全重量の4.5重量%以下となるように熱処
理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方
法。
【0011】(5) 支持体上に、o−キノンジアジド
化合物、バインダー樹脂及び沸点が100℃以下の溶剤
を含む感光層を少なくとも1層設けてなる感光性平版印
刷版の、前記感光層の残留溶剤量が該感光層の全重量の
4.5重量%以下となるように熱処理を行うことを特徴
とする感光性平版印刷版の製造方法。
【0012】(6) 支持体上に、放射線により酸及び
ラジカルから選ばれる少なくとも一方を発生し得る化合
物、重量平均分子量(Mw)が4×103以上104以下
のo−キノンジアジド化合物、ガラス転移点(Tg)が
150以上250℃以下のノボラック樹脂を含み、かつ
乾燥塗布量が0.1以上1.8g/m2以下の感光層を
有することを特徴とする画像形成材料。
【0013】(7) 支持体上に、放射線により酸及び
ラジカルから選ばれる少なくとも一方を発生し得る化合
物、ガラス転移点(Tg)が150以上200℃以下の
ビニル系重合体を含み、かつ乾燥塗布量が0.1以上
1.8g/m2以下の感光層を有することを特徴とする
画像形成材料。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明は、特定のバインダーを含有する又
は特定の感光層を設けてなる感光性平版印刷版におい
て、前記感光層の残留溶剤量を該感光層の全重量の4.
5重量%以下となるように熱処理を行うことにより、本
発明の目的を十分満足する感光性平版印刷版を製造する
製造方法を提供するものである。
【0016】その方法としては、大別して5つのタイプ
があり、(1)感光層に含まれるバインダー樹脂の少な
くとも1種が、重量平均分子量(Mw)が5000以上
(態様1)、(2)感光層に含まれるバインダー樹脂の
少なくとも1種が、ガラス転移点(Tg)が150℃以
上(態様2)、(3)感光層の少なくとも1層が、ガラ
ス転移点(Tg)が100℃以上(態様3)、(4)感
光層の少なくとも1層が、超微小押し込み硬度が1.7
GPa以上(態様4)、(5)感光層の少なくとも1層
が、沸点が100℃以下の溶剤を含む(態様5)、とい
う感光性平版印刷版を、前記感光層の残留溶剤量が該感
光層の全重量の4.5重量%以下となるように熱処理を
行うことにより、感光性平版印刷版を製造するものであ
る。
【0017】又、特定の酸又はラジカル発生剤と、特定
のTgを有するバインダー樹脂とを併用してなる感光層
を担持した画像形成材料によっても、本発明の目的を十
分満足する効果を奏する。
【0018】以下、それぞれのタイプについて説明す
る。
【0019】(1)態様1 態様1の感光性平版印刷版の製造方法は、感光層に、o
−キノンジアジド化合物、及び重量平均分子量(Mw)
が5000以上のバインダー樹脂を少なくとも1種有
し、該感光層の残留溶剤量が該感光層の全重量に対し、
4.5重量%以下となるように熱処理を行うことを特徴
とする。
【0020】バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)
が5000以下であると、経時により感度の変動が左右
されやすくなる等本発明の効果が十分に達成されない。
又、バインダー樹脂の重量平均分子量Mwは好ましくは
6500以上、より好ましくは8000以上である。上
記バインダー樹脂としては、重量平均分子量(Mw)が
5000以上のものであればいかなるものでも使用可能
であるが、好ましくは以下のものを挙げることができ
る。
【0021】例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹
脂、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂等があり、好ま
しくはノボラック樹脂、アクリル樹脂であり、更に好ま
しくはノボラック樹脂である。
【0022】又、他の要件として、感光層に含まれる残
留溶剤量が該感光層の全重量に対し、4.5重量%以下
となるように熱処理を行うことが挙げられる。即ち、o
−キノンジアジド化合物及び上記バインダー樹脂、更に
必要に応じて添加される他の組成物を溶媒を用いて感光
層塗布液となし、該感光層塗布液を支持体上に塗布する
工程及び乾燥する工程等の一連の工程の中で、用いた溶
媒の残留量が該感光層の全重量に対し、4.5重量%以
下となるように熱処理する、換言すると高温下での熱処
理を行い、感光性平版印刷版を製造する。感光層に含ま
れる残留溶剤量が該感光層の全重量に対し、4.5重量
%より大であると、耐刷性に影響が出やすくなる等本発
明の効果が十分に達成されない。感光層に含まれる残留
溶剤量は好ましくは4.0重量%、更に好ましくは3.
5重量%である。ここで、「感光層の全重量」とは、該
感光層において、用いた溶剤の重量を除いた感光層組成
物の全重量で表される。
【0023】熱処理を行う方法及びその条件としては様
々であるが、例えば、90〜110℃に設定された恒温
槽の中で熱処理を行う方法が挙げられるが、詳細は後述
する。
【0024】本発明においては、上記感光層は単層或い
は複数層で構成されていても構わない。感光層の乾燥膜
厚は特に制限はないが、全膜厚で5mg/dm2〜30
mg/dm2の範囲であることが好ましい。複数層で構
成される場合、上層の膜厚は通常1〜20mg/d
2、好ましくは1〜10mg/dm2、より好ましくは
2〜8mg/dm2であり、又下層の膜厚は通常1〜3
0mg/dm2、好ましくは2〜20mg/dm2、より
好ましくは5〜15mg/dm2である。
【0025】(2)態様2 態様2の感光性平版印刷版の製造方法は、感光層に、o
−キノンジアジド化合物、及びガラス転移点(Tg)が
150℃以上のバインダー樹脂を少なくとも1種有し、
該感光層の残留溶剤量が該感光層の全重量に対し、4.
5重量%以下となるように熱処理を行うことを特徴とす
る。
【0026】バインダーのTgが150℃より低い場合
は、本発明の効果が十分に達成されない。又バインダー
のTgは好ましくは170℃以上であり、190℃以上
であると本発明の効果が十分に達成されるという点で更
に好ましい。上記バインダー樹脂としては、Tgが15
0℃以上のものであればいかなるものでも使用可能であ
るが、好ましくは以下のものを挙げることができる。
【0027】例えば、m−クレゾール/ベンズアルデヒ
ド/サリチルアルデヒドやm−クレゾール/ベンズアル
デヒドからなるノボラック樹脂、p−クレゾール比率が
50モル%以上であるノボラック樹脂、フェニルメタク
リルアミドやフェニルメタクリレートを構造単位の一部
として含むビニル系共重合体が挙げられる。
【0028】本発明において、バインダーのTgの測定
方法は特に限定されるものではないが、例えば測定装置
にバイブロンDDV−II−EA(東洋ボールドウィン
(株)社製)を用いて測定することができる。具体的に
は、特定の試料を特定の温度範囲で加熱しながら、幅方
向端縁に特定の周波数のサイン波伸縮歪を与え、他端に
出現するサイン波応力の両ベクトルの位相差δの最大t
anδを与える温度を求めることにより、バインダーの
Tgが得られる。
【0029】又、態様2においては、上記バインダー樹
脂のヤング率は100kgf/mm2以上であることが
好ましく、更に好ましくは120kgf/mm2以上、
最も好ましくは140kgf/mm2以上である。上記
バインダー樹脂のヤング率が100kgf/mm2以上
であると、本発明の効果が十分に達成されるという点で
更に好ましい。
【0030】ヤング率は、弾性率の1種であり、伸び弾
性率ともいい、その測定方法としては特に制限はない
が、本発明では、例えば、Tensilon(東洋ボー
ルドウィン(株)社製)を使用して、1%伸びに対する
応力Tを測定し、その応力を歪み率ε(0.01)で除
した値として求めることができる。
【0031】又、感光層の残留溶剤量については、態様
1と同様である。
【0032】(3)態様3 態様3の感光性平版印刷版の製造方法は、o−キノンジ
アジド化合物及びバインダー樹脂を含み、かつTgが1
00℃以上の感光層を少なくとも1層有し、前記感光層
の残留溶剤量が該感光層の全重量に対し、4.5重量%
以下となるように熱処理を行うことを特徴とする。
【0033】前記感光層のTgは、好ましくは110℃
以上、より好ましくは120℃以上である。前記感光層
のTgが100℃以上であると、本発明の効果が十分に
達成されるという点で更に好ましい。
【0034】又、態様3においては、前記感光層のヤン
グ率は150kgf/mm2以上が好ましく、更に好ま
しくは180kgf/mm2以上、より好ましくは20
0kgf/mm2以上である。
【0035】又、態様3においては、上記感光層のヤン
グ率は150kgf/mm2以上であることが好まし
く、更に好ましくは180kgf/mm2以上、最も好
ましくは200kgf/mm2以上である。上記バイン
ダー樹脂のヤング率が150kgf/mm2以上である
と、本発明の効果が十分に達成されるという点で更に好
ましい。
【0036】又感光層の残留溶剤量については、態様1
と同様である。
【0037】(4)態様4 態様4の感光性平版印刷版の製造方法は、o−キノンジ
アジド化合物及びバインダー樹脂を含み、超微小押し込
み硬度が1.7GPa以上の感光層を少なくとも1層有
し、前記感光層の残留溶剤量が該感光層の全重量に対
し、4.5重量%以下となるように熱処理を行うことを
特徴とする。
【0038】上記感光層の超微小押し込み硬度は、好ま
しくは2.0GPa以上、より好ましくは2.4GPa
以上である。前記感光層の超微小押し込み硬度が1.7
GPa以上であると、本発明の効果が十分に達成される
という点で更に好ましい。
【0039】本発明において、超微小押し込み硬度とは
次のように定義される。即ち、下記の圧子を用い、下記
の条件で圧電アクチュエーターにより、ダイヤモンド三
角錐針を押し込む。
【0040】 圧子形状 :対稜角80°三角圧子 荷重 :最大50mg 押し込み速度:21nm/sec 測定環境 :25℃,60%RH 押し込み深さ:表面から5μm以内 この時、荷重Wで押し込んだ時の押し込み深さをXとす
ると、深さεでの硬さH(ε)として次式が成り立つ。
【0041】 W(X)=a∫H(ε)(X−ε)dε (a;定数) 従って、押し込み深さXの2乗に対する荷重W(X)の
グラフは直線となり、傾きより、H(超微小押し込み硬
度)を求めることができる。本発明での超微小押し込み
硬度は、表面から0.5μmまでの深さについて求めた
値である。又、超微小押し込み硬度の測定に用いられる
硬度計は薄膜硬度計(MHA−400,NEC社製)等
を挙げることができる。
【0042】又、態様4においては、上記感光層の塑性
変形量が0.8μm以下であることが好ましく、更に好
ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.6μm以
下である。塑性変形量が0.8μm以下であると、本発
明の効果が十分に達成されるという点で更に好ましい。
【0043】塑性変形量は、前述の超微小押し込み硬度
測定と同条件のもとで、圧子を荷重が50mgになるま
で押し込んだ後、押し込み速度と同じ速度で荷重を解除
していき、荷重が0となった際の深さdをフォトニック
センサーで計測する。押し込み開始時に荷重が掛かり始
まる深さをd0としたとき、塑性変形量はd−d0(μ
m)で表される。即ち、試料が完全弾性体であれば塑性
変形量は0となる。
【0044】塑性変形量の測定は当然、圧子形状の異な
るもの、例えば四角圧子、又はその他のものを使用する
ことも可能である。この場合にも荷重押し込み速度、測
定環境(温度、湿度条件)及び押し込み深さを前述の超
微小押し込み硬度と同様にした場合には、ほぼ同様の結
果が得られる。
【0045】又、感光層の残留溶剤量については、態様
1と同様である。
【0046】(5)態様5 態様5の感光性平版印刷版の製造方法は、o−キノンジ
アジド化合物、バインダー樹脂及び沸点が100℃以下
の溶剤を含む感光層を少なくとも1層有し、前記感光層
の残留溶剤量が該感光層の全重量の4.5重量%以下と
なるように熱処理を行うことを特徴とする。
【0047】態様5においては、特に40℃〜100℃
の溶剤を全溶剤の25重量%以上、更には50重量%以
上用いると、本発明の効果が十分に達成されるという点
で更に好ましい。該溶剤としては、沸点が100℃以下
の溶剤であれば特に限定されないが例えば、メタノー
ル、エタノール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチル
ケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、詳しくは後
述する。
【0048】(共通事項)本発明の製造方法における感
光性平版印刷版は、支持体上に少なくともo−キノンジ
アジド化合物及び上述のバインダー樹脂を含む感光層を
設けてなる。
【0049】先ず、o−キノンジアジド化合物について
説明する。
【0050】o−キノンジアジド化合物としては、例え
ば、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸と、フェノー
ル類及びアルデヒド又はケトンの重縮合樹脂とのエステ
ル化合物が挙げられる。
【0051】上記フェノール類としては、例えば、フェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモー
ル等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒド
ロキノン等の二価フェノール、ピロガロール、フロログ
ルシン等の三価フェノール等が挙げられる。
【0052】又、アルデヒドとしては、ホルムアルデヒ
ド、べンズアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンア
ルデヒド、フルフラール等が挙げられる。これらのうち
好ましいものはホルムアルデヒド及びべンズアルデヒド
である。又、ケトンとしてはアセトン、メチルエチルケ
トン等が挙げられる。
【0053】前記重縮合樹脂の具体的な例としては、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m−,p−混合クレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹
脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が挙げられる。
【0054】前記o−ナフトキノンジアジド化合物にお
いて、フェノール類のOH基に対するo−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応
率)は、15〜80%が好ましく、より好ましいのは2
0〜45%である。
【0055】更に、o−キノンジアジド化合物として
は、特開昭58−43451号に記載のある以下の化合
物も挙げることができる。即ち、例えば、1,2−ベン
ゾキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ナフト
キノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ベンゾキ
ノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸アミドなどの公知の1,2−キノン
ジアジド化合物、更に具体的にはジェイ・コサール
(J.Kosar)著「ライト・センシティブ・システ
ムズ」(“Light−Sensitive Syst
ems”)第339〜352頁(1965年)、ジョン
・ウィリー・アンド・サンズ(JohnWiley&S
ons)社(ニューヨーク)やダブリュー・エス・ディ
ー・フォレスト(W.S.De Forest)著「フ
ォトレジスト」(Photoresist)第50巻,
(1975年)、マグローヒル(McGraw−Hil
l)社(ニューヨーク〕に記載されている1,2−ベン
ゾキノンジアジド−4−スルホン酸フェニルエステル、
1,2,1′,2′−ジ−(ベンゾキノンジアジド−4
−スルホニル)−ジヒドロキシビフェニル、1,2−ベ
ンゾキノンジアジド−4−(N−エチル−N−β−ナフ
チル)−スルホンアミド、1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホン酸シクロヘキシルエステル、1−
(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−
3,5−ジメチルピラゾール、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸−4″−ヒドロキシジフェニル
−4″−アゾ−β−ナフトールエステル、N,N−ジ−
(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−
アニリン、2−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホニルオキシ)−1−ヒドロキシ−アントラキノ
ン、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,3,4
−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと
4,4′−ジアミノベンゾフェノン1モルの縮合物、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリ
ド2モルと4,4′−ジヒドロキシ−1,1′−ジフェ
ニルスルホン1モルの縮合物、1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸クロリド1モルとプルプロガリ
ン1モルの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5
−(N−ジヒドロアビエチル)−スルホンアミドなどの
1,2−キノンジアジド化合物を挙げることができる。
又、特公昭37−1953号、同37−3627号、同
37−13109号、同40−26126号、同40−
3801号、同45−5604号、同45−27345
号、同51−13013号、特開昭48−96575
号、同48−63802号、同48−63803号に記
載された1,2−キノンジアジド化合物をも挙げること
ができる。
【0056】上記o−キノンジアジド化合物のうち、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホニルクロリド又は
1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドをピ
ロガロール・アセトン縮合樹脂又は2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノンと反応させて得られるo−キノ
ンジアジドエステル化合物が特に好ましい。
【0057】本発明においては、o−キノンジアジド化
合物として、上記化合物を各々単独で用いてもよいし、
又2種以上組合せて用いてもよい。
【0058】請求項9におけるo−キノンジアジド化合
物は重量平均分子量Mwが4×103以上104以下であ
ることを必須とし、好ましくは5×103以上9×103
である。
【0059】o−キノンジアジド化合物の感光層中に占
める割合は6〜60重量%が好ましく、特に好ましくは
10〜50重量%である。o−キノンジアジド化合物を
含有する感光層には、必要に応じて、可塑剤、界面活性
剤、有機酸、酸無水物などを添加することができる。更
に、本発明において、o−キノンジアジド化合物を含有
する感光層には、該感光性組成物の感脂性を向上させる
ために、例えば、p−tert−ブチルフェノールホル
ムアルデヒド樹脂、p−n−オクチルフェノールホルム
アルデヒド樹脂、或いはこれらの樹脂がo−キノンジア
ジド化合物で部分的にエステル化されている樹脂などの
感脂化剤を添加することもできる。
【0060】本発明の感光層には包接化合物が含有され
てもよい。該包接化合物は、化学種を取り込む(包接す
る)ことができる化合物であれば特に限定されないが、
組成物の調製に用いる溶剤に可溶な有機系化合物が好ま
しい。そのような有機系化合物の例としては、例えば、
「ホストゲストケミストリー」(平岡道夫ら著、講談社
1984年、東京)などの成書や「テトラヘドロンレポ
ート」(No.226(1987)P5725A.Co
lletら)、「化学工業4月号」((1991)P2
78新海ら)、「化学工業4月号((1991)P28
8平岡ら)等に示されているものが挙げられる。
【0061】本発明において好ましく使用することがで
きる包接化合物としては、例えば、環状D−グルカン
類、シクロファン類、中性ポリリガンド、環状ポリアニ
オン、環状ポリカチオン、環状ペプチド、スフェランド
(SPHERANDS)、キャビタンド(CAVITA
NDS)及びそれらの非環状類縁体が挙げられる。これ
らの中でも、環状D−グルカン類及びその非環状類縁
体、シクロファン類、中性ポリリガンドが更に好まし
い。
【0062】環状D−グルカン類及びその非環状類縁体
としては、例えば、α−D−グルコピラノースがグリコ
キシド結合によって連なった化合物として挙げられる。
【0063】該化合物としては、デンプン、アミロー
ス、アミロペクトン等のD−グルコピラノース基により
構成される糖質類、α−シクロデキストリン、β−シク
ロデキストリン、γ−シクロデキストリン、D−グルコ
ピラノース基の重合度が9以上のシクロデキストリン等
のシクロデキストリン及びSO364CH264SO
3基、NHCH2CH2NH基、NHCH2CH2NHCH2
CH2NH基、SC65基、N3基、NH2基、NEt
2基、SC(NH2 +)NH2基、SH基、SCH2CH2
2基、イミダゾール基、エチレンジアミン基等の置換
基を導入したD−グルカン類の修飾物が挙げられる。
又、シクロデキストリン誘導体及び分岐シクロデキスト
リン、シクロデキストリンポリマー等も挙げられる。
【0064】分岐シクロデキストリンとは、公知のシク
ロデキストリンにグルコース、マルトース、セロビオー
ズ、ラクトース、ショ糖、ガラクトース、グルコサミン
等の単糖類や2糖類等の水溶性物質を分岐付加乃至結合
させたものであり、好ましくは、シクロデキストリンに
マルトースを結合させたマルトシルシクロデキストリン
(マルトースの結合分子数は1分子、2分子、3分子等
いずれでもよい)やシクロデキストリンにグルコースを
結合させたグルコシルシクロデキストリン(グルコース
の結合分子数は1分子、2分子、3分子等いずれもでも
よい)が挙げられる。
【0065】シクロファン類とは、芳香環が種々の結合
によりつながった構造を有する環状化合物であって、多
くの化合物が知られており、シクロファン類としては、
これら公知の化合物を挙げることができる。
【0066】中性ポリリガンドとしては、クラウン化合
物、クリプタンド、環状ポリアミン及びそれらの非環状
類縁体が挙げられる。該化合物は、金属イオンを有効に
取り込むことが知られているが、カチオン性有機分子も
有効に取り込むことができる。
【0067】その他の包接化合物として、尿素、チオ尿
素、デオキシコール酸、ジニトロジフェニル、ヒドロキ
ノン、o−トリチモチド、オキシフラバン、ジシアノア
ンミンニッケル、ジオキシトリフェニルメタン、トリフ
ェニルメタン、メチルナフタリン、スピロクロマン、ペ
ルヒドロトリフェニレン、粘度鉱物、グラファイト、ゼ
オライト(ホージャサイト、チャバザイト、モルデナイ
ト、レビーナイト、モンモリロナイト、ハロサイト
等)、セルロース、アミロース、タンパク質等が挙げら
れる。
【0068】これらの包接化合物は、単体として添加し
てもよいが、包接化合物自身或いは分子を取り込んだ包
接化合物の溶剤への溶解性、その他の添加剤との相溶性
を良好にするために包接能を有する置換基をポリマーに
ペンダント置換基として懸垂させたポリマーを一緒に添
加してもよい。
【0069】上記包接化合物の内、環状及び非環状D−
グルカン類、シクロファン類、及び非環状シクロファン
類縁体が好ましい。更に具体的には、シクロデキストリ
ン、カリックスアレン、レゾルシノール−アルデヒド環
状オリゴマー、パラ置換フェノール類非環状オリゴマー
が好ましい。又、最も好ましいものとして、シクロデキ
ストリン及びその誘導体が挙げられ、この内、β−シク
ロデキストリン及びその誘導体が更に好ましい。これら
の包接化合物の感光層の全重量に占める割合は、2.0
〜10重量%が好ましく、2.0〜5.0重量%がより
好ましい。
【0070】上記感光層は、アルカリ可溶性樹脂を混入
することが好ましい。これらアルカリ可溶性樹脂として
は、ノボラック樹脂、アクリル系重合体、フェノール性
水酸基を有するビニル系重合体、特開昭55−5784
1号に記載されている多価フェノールとアルデヒド又は
ケトンとの縮合樹脂等が挙げられる。
【0071】上記ノボラック樹脂としては、例えば、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルム
アルデヒド樹脂、特開昭55−57841号に記載され
ているようなフェノール・クレゾール・ホルムアルデヒ
ド共重合体樹脂、特開昭55−127553号に記載さ
れているようなp−置換フェノールとフェノールもしく
は、クレゾールとホルムアルデヒドとの共重合体樹脂等
が挙げられる。
【0072】前記ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレ
ン標準)は、好ましくは数平均分子量Mnが3.00×
102〜7.50×103、重量平均分子量Mwが1.0
0×103〜3.00×104、より好ましくはMnが
5.00×102〜4.00×103、Mwが3.00×
103〜2.00×104である。上記ノボラック樹脂は
単独で用いてもよいし、2種以上組合せて用いてもよ
い。上記ノボラック樹脂の感光性組成物中に占める割合
は5〜95重量%が好ましい。
【0073】請求項9においては、前記ノボラック樹脂
のガラス転移点(Tg)が150以上250℃以下であ
り、好ましくは150以上220℃以下である。又ガラ
ス転移点(Tg)が80以上140℃以下のノボラック
樹脂との併用も好ましい。
【0074】上記アクリル系重合体としては、アクリル
酸及びその誘導体を重合して得られる重合体であって、
該重合体にはアクリル酸及びその誘導体以外の単量体を
共重合したものも含まれる。
【0075】アクリル酸及びその誘導体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、α−クロロアクリル酸等のアク
リル酸類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル
酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、エタクリル酸エチル、
p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート等のアク
リル酸のエステル類;アクリロニトリル、メタアクリロ
ニトリル等のニトリル類;アクリルアミド、N−(p−
アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−
(p−メチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルア
ミド等のアミド類;アクリルアニリド、p−クロロアク
リルアニリド、m−ニトロアクリルアニリド、m−メト
キシアクリルアニリド等のアニリド類;p−アミノスル
ホニルフェニルメタクリレート等が挙げられる。
【0076】又、共重合成分として用いられるアクリル
酸及びその誘導体以外の単量体としては、イタコン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボ
ン酸類;イタコン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、
マレイン酸ジエチル等の不飽和脂肪族ジカルボン酸のエ
ステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタ
ジエン、イソプレン等のエチレン系不飽和オレフィン
類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン等のスチレン類;N−フェニル
マレイミド等のイミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステ
ル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル;ビニリデン
クロライド;ビニリデンシアナイド;1−メチル−1−
メトキシエチレン、1,1−ジメトキシエチレン、1,
2−ジメトキシエチレン、1,1−ジメトキシカルボニ
ルエチレン、1−メチル−1−ニトロエチレン等のエチ
レン誘導体類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバ
ゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデ
ン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等の
ビニル系単量体等が挙げられる。これらのビニル系単量
体は不飽和二重結合が開裂した構造で高分子化合物中に
存在する。
【0077】アクリル酸及びその誘導体並びに共重合成
分として用いられるアクリル酸及びその誘導体以外の単
量体は、上記高分子化合物中にブロック又はランダムの
いずれの状態で結合していてもよい。
【0078】上記重合体はこれを単独で用いてもよい
し、又、2種以上を組み合わせて用いてもよい。又他の
高分子化合物等と組み合わせて用いることもできる。
【0079】又、アクリル系重合体としてはフェノール
性水酸基を有するアクリル重合体が好ましい。フェノー
ル性水酸基を有するアクリル系重合体において、フェノ
ール性水酸基は、下記一般式〔I〕〜〔VI〕で表される
構造単位として含まれているのが好ましい。
【0080】
【化1】
【0081】一般式〔I〕〜〔VI〕において、R1及び
2はそれぞれ水素原子、アルキル基又はカルボキシル
基を表し、好ましくは水素原子を表す。R3は水素原
子、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、好ましくは水
素原子又はメチル基、エチル基等のアルキル基を表す。
4は水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキ
ル基を表し、好ましくは水素原子を表す。Aは窒素原子
又は酸素原子と芳香族炭素原子とを連結する、置換基を
有していてもよいアルキレン基を表し、mは0〜10の
整数を表し、Bは置換基を有していてもよいフェニレン
基又は置換基を有してもよいナフチレン基を表す。
【0082】本発明においては、これらの内一般式〔I
I〕で示される構造単位を少なくとも1つ含む共重合体
が好ましい。
【0083】一般式〔I〕〜〔VI〕で表される構造単位
を有するアクリル系重合体の共重合成分としては、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプ
レン等のエチレン系不飽和オレフィン類、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン等のスチレン類、アクリル酸、メタクリル
酸等のアクリル酸類、例えばイタコン酸、マレイン酸、
無水マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、例え
ばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸フェニ
ル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、エタクリル酸エチル等のα−
メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル類、例えばア
クリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル
類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド等のアミ
ド類、例えばアクリルアニリド、p−クロロアクリルア
ニリド、m−ニトロアクリルアニリド、m−メトキシア
クリルアニリド等のアニリド類、例えば酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等の
ビニルエステル類、例えばメチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、β−ク
ロロエチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ビニリデンシアナイド、例え
ば1−メチル−1−メトキシエチレン、1,1−ジメト
キシエチレン、1,2−ジメトキシエチレン、1,1−
ジメトキシカルボニルエチレン、1−メチル−1−ニト
ロエチレン等のエチレン誘導体類、例えばN−ビニルピ
ロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリデン、N−ビニルピロリドン等の
N−ビニル系単量体等が挙げられる。
【0084】一般式〔I〕〜〔VI〕で表される構造単位
を有するアクリル系重合体の共重合成分としては、上記
の単量体の内でも、アクリル酸類、メタクリル酸類、脂
肪族モノカルボン酸のエステル類、ニトリル類が総合的
に優れた性能を示し、好ましい。より好ましくは、メタ
クリル酸類、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、
アクリル酸エチル等である。
【0085】請求項11は、Tgが150以上200℃
以下のビニル系重合体であることを必須とし、好ましく
は150以上190℃以下である。又Tgが150以上
250℃以下のノボラック樹脂との併用も好ましい。
【0086】アクリル系樹脂中における一般式〔I〕〜
〔VI〕のそれぞれで示される構造単位の含有率は、5〜
70モル%が好ましく、特に10〜40モル%が好まし
い。上記アクリル系重合体の感光層の全重量に占める割
合は5〜95重量%が好ましい。
【0087】感光層には、ハレーションを防止するため
に、紫外線吸収染料が含有されてもよい。このような化
合物としては、三菱化成社製ダイアレジン・ブリリアン
ト、イエロー6G、ダイアレジン・イエロー3G、ダイ
アレジン・イエローF、ダイアレジン・レッドZ、ダイ
アレジン・イエローH2G、ダイアレジン・イエローH
G、ダイアレジン・イエローHC、ダイアレジン・イエ
ローHL、ダイアレジン・オレンジHS、ダイアレジン
・オレンジG、ダイアレジン・レッドGG、ダイアレジ
ン・イエローGR、ダイアレジン・レッドS、ダイアレ
ジン・レッドHS、ダイアレジン・レッドA、ダイアレ
ジン・レッドH、ダイアシッド・ライド・イエロー2
G、日本化薬社製カヤセット・イエローK−RL、カヤ
セット・イエローK−CL、カヤセット・イエローE−
G、カヤセット・イエローE−AR、カヤセット・イエ
ローA−G、カヤセット・イエローGN、カヤセット・
イエロー2G、カヤセット・イエローSF−G、カヤセ
ット・オレンジK−RL、カヤセット・オレンジG、カ
ヤセット・オレンジA−N、カヤセット・オレンジSF
−R、カヤセット・フラビンFN、カヤセット・フラビ
ンFG、カヤセット・レッドK−BL、Kayacry
l Golden Yellow GL−ED等の黄色
又はオレンジ色の染料が挙げられる。
【0088】上記紫外線吸収染料の含有量としては、感
光性組成物中に0.1〜10重量%が好ましく、より好
ましくは0.5〜5重量%である。又、上記範囲内であ
れば二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0089】感光層には、有機酸・無機酸・酸無水物が
含有されてもよい。本発明に使用される酸としては、例
えば特開昭60−88942号、特開平2−13785
0号に記載の有機酸と、日本化学会編「化学便覧新版」
(丸善出版)第92〜158頁に記載の無機酸が挙げら
れる。有機酸の例としては、p−トルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、m−ベンゼンジスルホン酸等のスルホン酸、p−
トルエンスルフィン酸、ベンジルスルフィン酸、メタン
スルフィン酸等のスルフィン酸、フェニルホスホン酸、
メチルホスホン酸、クロルメチルホスホン酸等のホスホ
ン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペ
ンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸等の脂肪族モノカル
ボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカル
ボン酸、安息香酸、o−、m−、p−ヒドロキシ安息香
酸、o−、m−、p−メトキシ安息香酸、o−、m−、
p−メチル安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、
フロログリシンカルボン酸、没食子酸、3,5−ジメチ
ル安息香酸等の芳香族モノカルボン酸が挙げられる。
又、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、リンゴ
酸等の飽和又は、不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラヒ
ドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、
1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0090】上記有機酸の内、より好ましいものは、p
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン
酸等のスルホン酸、又はcis−1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、シリンガ酸等がある。
【0091】無機酸の例としては、硝酸、硫酸、塩酸、
ケイ酸、リン酸等が挙げられ、更に好ましくは、硫酸、
リン酸である。
【0092】酸無水物を用いる場合の、酸無水物の種類
も任意であり、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息
香酸等、脂肪族・芳香族モノカルボン酸から誘導される
もの、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水フタル酸等、脂肪族・芳香族ジカルボン酸から
誘導されるもの等を挙げることができる。好ましい酸無
水物は、無水グルタル酸、無水フタル酸である。これら
の化合物は、単独或いは2種以上混合して使用できる。
【0093】これらの酸の含有量は、全感光性組成物の
全固形分に対して、一般的に0.05〜5重量%であっ
て、好ましくは、0.1〜3重量%の範囲である。
【0094】感光層は界面活性剤を含んでもよい。界面
活性剤としては、両性界面活性剤、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、フッ素
系界面活性剤等を挙げることができる。
【0095】上記両性界面活性剤としては、ラウリルジ
メチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒ
ドロキシエチル、イミダゾリニウムベタイン等がある。
アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸
エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル
塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキ
シエチレンアルキルリン酸エステル等がある。カチオン
界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモ
ニウム塩、アルキルベタイン等がある。ノニオン界面活
性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレン
ブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノール
アミド等がある。フッ素系界面活性剤としては、フルオ
ロ脂肪族基を含むアクリレート又はメタアクリレート及
び(ポリオキシアルキレン)アクリレート又は(ポリオ
キシアルキレン)メタアクリレートの共重合体等があ
る。例えば、特開昭62−170950号、同62−2
26143号、米国特許3,787,351号等に記載
のもの(例えば、メガファックF−171,173,1
77、ディフェンサMCF300,312,313以
上、大日本インキ化学工業社製)、モディパーF−10
0,102,110(日本油脂社製)などが挙げられ
る。これらの化合物は、単独或いは2種以上混合して使
用することができる。感光性組成物中に占める割合は、
0.01〜10重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは0.01〜5重量%で使用される。
【0096】感光層には、露光により可視画像を形成さ
せるプリントアウト材料を添加することができる。プリ
ントアウト材料は露光により酸もしくは遊離基を生成す
る化合物と相互作用することによってその色調を変える
有機染料よりなるもので、該露光により酸もしくは遊離
基を生成する化合物としては、ナフトキノンジアジド−
4−スルホニルハライド例えば特開昭50−36209
号に記載のo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸
ハロゲニド、特開昭53−36223号に記載されてい
るo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライ
ドと電子吸引性置換基を有するフェノール類、又はアニ
リン酸とのエステル化合物又はアミド化合物、特開昭5
5−77742号、特開昭57−148784号等に記
載のハロメチルビニルオキサジアゾール化合物及びジア
ゾニウム塩等が挙げられる。又、ハロメチルオキサジア
ゾール化合物、ハロメチル−s−トリアジン化合物等も
用いられる。
【0097】ハロメチルオキサジアゾール化合物とは、
オキサジアゾール類にハロメチル基、好ましくはトリク
ロロメチル基を有する化合物である。これらの化合物は
公知であり、例えば特公昭57−6096号、同61−
51788号、特公平1−28369号、特開昭60−
138539号、同60−177340号、同60−2
41049号等に記載されている。又、ハロメチル−s
−トリアジン化合物とは、s−トリアジン環に1以上の
ハロメチル基、好ましくはトリクロロメチル基を有する
化合物である。
【0098】感光層の全重量における前記露光により酸
又は遊離基を生成する化合物の添加量は、1.5〜10
重量%が好ましく、より好ましくは、2.0〜10重量
%であり、特に好ましくは、2.5〜8.5重量%であ
る。これらの化合物は、単独或いは2種以上混合して使
用できる。
【0099】変色剤、例えば色素は、露光による可視画
像(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目
的として使用される。該色素としては、フリーラジカル
又は酸と反応して色調を変化するものが好ましく使用で
きる。ここに「色調が変化する」とは、無色から有色の
色調への変化、有色から無色或いは異なる有色の色調へ
の変化のいずれをも包含する。好ましい色素は酸と塩を
形成して色調が変化するものである。
【0100】例えば、ビクトリアピュアブルーBOH
(保土谷化学社製)、オイルブルー#603(オリエン
ト化学工業社製)、パテントピュアブルー(住友三国化
学社製)、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリ
ーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メチ
ルグリーン、エリスロシンB、ペイシックフクシン、マ
ラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパー
プル、、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチル
アミノフェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチ
ルアミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリフ
ェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、
キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系又
はアントラキノン系の色素が有色から無色或いは異なる
有色の色調へ変化する変色剤の例として挙げられる。
【0101】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素及び、例えばトリフェニルアミン、ジ
フェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−ト
リフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′,
p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、
p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミ
ン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェ
ニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニ
ル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−ト
リアミノトリフェニルメタンに代表される第1級又は第
2級アリールアミン系色素が挙げられる。これらの化合
物は、単独或いは2種以上混合して使用できる。尚、特
に好ましい色素は、ビクトリアピュアブルーBOH、オ
イルブルー#603である。
【0102】上記の変色剤の感光性組成物中に占める割
合は、0.01〜10重量%であることが好ましく、更
に好ましくは0.02〜5重量%で使用される。
【0103】画像部の感脂性を向上させるための感脂化
剤(例えば、特開昭55−527号記載のスチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルコールによるハーフエステ
ル化物、p−t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド
樹脂等のノボラック樹脂、或いはこれらとo−キノンジ
アジド化合物との部分エステル化物、フッ素系界面活性
剤、p−ヒドロキシスチレンの50%脂肪酸エステル
等)、等が好ましく用いられる。これらの添加剤の添加
量はその使用対象、目的によって異なるが、一般には全
固形分に対して、0.01〜30重量%である。
【0104】感光層には、350以上450nm以下の
光吸収帯領域にλmaxを有し、かつベンゾオキサゾー
ル基又はベンゾチアゾール基を含有する黄色色素を含有
せしめるのが好ましい。具体例としては染料便覧に記載
の各種色素を使用することができる。
【0105】これら黄色色素の含有量は、感光層の全重
量に対して0.5以上10重量部が好ましい。
【0106】又、感光層には重量平均分子量(Mw)が
103以下のフェノール化合物を含有せしめることも好
ましい。具体例としては、例えばトリヒドロキシベンゾ
フェノン等の特開平9−73168号に記載の化合物を
用いることができる。
【0107】これらの各成分を下記の溶媒に溶解させ、
前記支持体表面に塗布し乾燥させることにより、感光層
を設けて、画像形成材料或いは感光性平版印刷版を製造
することができる。尚、溶剤の用法については特別の制
限はない。
【0108】感光層には、更に種々の添加物を加えるこ
とができる。
【0109】例えば、塗布性を改良するためのアルキル
エーテル類(例えば、エチルセルロース、メチルセルロ
ース)、フッ素系界面活性剤類や、ノニオン系界面活性
剤〔例えば、プルロニックL−64(旭電化(株)
製)〕、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑
剤(例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコー
ル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオ
クチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー)、画像
部の感脂性を向上させるための感脂化剤(例えば、特開
昭55−527号記載のスチレン−無水マレイン酸共重
合体のアルコールによるハーフエステル化物等)、安定
剤〔例えば、リン酸、亜リン酸、有機酸(クエン酸、シ
ュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、
4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン−5−ス
ルホン酸、酒石酸等)〕、現像促進剤(例えば、高級ア
ルコール、酸無水化物等)等が挙げられる。これらの添
加剤の添加量はその使用対象目的によって異なるが、一
般に感光性組成物の全固形分に対して、0.01〜30
重量%である。
【0110】本発明において、感光性平版印刷版は、必
要とする上記の各成分を溶媒に溶解させた塗布液を支持
体表面に塗布・乾燥させ、感光層を形成することにより
製造することができる。
【0111】上記溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、
エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレン
グリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールジカルボン酸メチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールメチルエチルエーテル、ギ酸エチ
ル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオ
ン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エ
チル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコ
ール、アセチルアセトン、γ−ブチロラクトン、テトラ
ヒドロフラン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独或
いは2種以上混合して使用することができる。態様5に
おいては、これらのうち沸点が100℃以下のもの例え
ば、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタ
ノール、エタノール、テトラヒドロフラン等が用いられ
る。
【0112】塗布方法としては、従来公知の方法、例え
ば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エア
ーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン
塗布等を用いることができる。塗布液の濃度は1〜50
重量%の範囲とすることが望ましい。この場合、塗布液
の塗布量は、おおむね、固形分として0.2〜10g/
2程度とすればよい。
【0113】請求項9乃至18における乾燥塗布量は
0.1以上1.8g/m2以下を必須とし、好ましくは
0.5以上1.4g/m2以下である。
【0114】乾燥方法としては、感光層の残留溶剤量
が、該感光層の全重量の4.5重量%以下となるように
熱処理を行うことを必須とする。該熱処理としては、感
光層の塗布された原版を恒温槽に入れて行うことが出来
る。熱処理条件としては、例えば、90℃で10分以
上、或いは100℃で3分以上等の条件で行うことが出
来る。
【0115】支持体としては、紙、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンな
ど)ラミネート紙、アルミニウム(アルミニウム合金も
含む)、亜鉛、銅などのような金属の板、二酢酸セルロ
ース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどの
ようなプラスチックのフィルム、上記の如き金属がラミ
ネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィ
ルム、アルミニウムもしくはクロームメッキが施された
鋼板などが挙げられ、これらのうち特に、アルミニウム
及びアルミニウム被覆された複合支持体が好ましい。
【0116】前記アルミニウム材の表面は、保水性を高
め、感光層との密着性を向上させる目的で粗面化処理さ
れていることが望ましい。
【0117】粗面化方法としては、一般に公知のブラシ
研磨法、ボール研磨法、電解エッチング、化学的エッチ
ング、液体ホーニング、サンドブラスト等の方法及びこ
れらの組合せが挙げられ、好ましくはブラシ研磨法、電
解エッチング、化学的エッチング及び液体ホーニングが
挙げられ、これらのうち、特に電解エッチングの使用を
含む粗面化方法が好ましい。又、電解エッチングの際に
用いられる電解浴としては、酸、アルカリ又はそれらの
塩を含む水溶液或いは有機溶剤を含む水性溶液が用いら
れ、これらのうちで特に塩酸、硝酸又はそれらの塩を含
む電解液が好ましい。更に、粗面化処理の施されたアル
ミニウム板は、必要に応じて酸又はアルカリの水溶液に
てデスマット処理される。こうして得られたアルミニウ
ム板は、陽極酸化処理されることが望ましく、特に好ま
しくは、硫酸又はリン酸を含む浴で処理する方法が挙げ
られる。又、更に必要に応じて、ケイ酸アルカリや熱水
による処理、その他水溶性高分子化合物や弗化ジルコニ
ウム酸カリウム水溶液への浸漬等による表面処理を行う
ことができる。
【0118】支持体の裏面には、アルミニウムの陽極酸
化皮膜の溶出を抑えるために、有機金属化合物或いは無
機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属
酸化物からなる被覆層或いは有機高分子化合物からなる
被覆層(以下、バックコート層という。)を設けること
が好ましい。
【0119】バックコート層は、現像時にアルミニウム
の溶出が抑えられる量を用いればよく、0.001〜1
0g/m2の範囲の塗布量が好ましく、より好ましくは
0.01〜1g/m2であり、0.02〜0.1g/m2
が最も好ましい。バックコート層をアルミニウム支持体
の裏面に被覆する方法としては種々の方法が適用できる
が、上記の塗布量を確保する上で最も好ましいのは、バ
ックコート層塗布液を作成して塗布、乾燥する方法であ
る。
【0120】感光性平版印刷版は、線画像、網点画像等
を有する透明原画を通して感光される。露光に好適な活
性光の光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセ
ノンランプ、メタルハライドランプ、ストロボ等が挙げ
られる。
【0121】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0122】実施例1 (支持体の作製)厚さ0.3mmのアルミニウム版(材
質1050,調質H16)を、65℃に保たれた5%水
酸化ナトリウム水溶液中で1分間脱脂処理を行った後水
洗し、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸
漬、中和し、更に水洗した。このアルミニウム版を1.
0wt%の塩酸水溶液中において、温度25℃、電流密
度100A/dm2、処理時間60秒の条件で交流電流
により電解粗面化を行った。次いで、5%水酸化ナトリ
ウム水溶液中で60℃、10秒間のデスマット処理を行
い、その後、20%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密
度3A/dm2、処理時間1分間の条件で陽極酸化処理
を行った。その後、80℃に保たれた1%亜硝酸ナトリ
ウム水溶液中に30秒間浸漬し、水洗後80℃で3分間
乾燥した。更に、85℃に保たれたカルボキシメチルセ
ルロースの水溶液(濃度0.1wt%)に30秒浸漬し
た後、80℃で5分間乾燥し、支持体を作製した。
【0123】 (感光液A) ノボラック樹脂 (フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール のモル比が10/30/60、重量平均分子量Mw9000、 Tg:200℃) 6.7g ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量Mw3000) とo−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド の縮合物(エステル化率30%) 1.5g ポリエチレングリコール#2000 0.2g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6− (p−メトキシスチリル)−S−トリアジン 0.15g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.2g アセトン/メチルセロソルブ=70/30 100ml 高分子化合物1 0.2g (高分子化合物1)従来知られている合成方法により、
ベンジルメタクリレート/4−ヒドロキシフェニルメタ
クリルアミド/アクリロニトリル/メチルメタクリレー
ト/メタクリル酸=30/20/30/15/5の割合
で重合させ、以下のような高分子化合物1を得る。
【0124】
【化2】
【0125】(感光性平版印刷版の作製)上記支持体上
に感光液Aをダイコーターを用いて塗布し、80℃で乾
燥させた後、更に90℃で10分間熱処理を行って感光
性平版印刷版を作製した。尚、感光層の乾燥塗布量は
1.4g/m2であった。
【0126】実施例2 上記支持体上に感光液Aをダイコーターを用いて塗布
し、80℃で乾燥させた後、更に100℃で3分間熱処
理を行って感光性平版印刷版を作製した。尚、感光層の
乾燥塗布量は1.4g/m2であった。
【0127】実施例3 上記支持体上に感光液Aをダイコーターを用いて塗布
し、80℃で乾燥させた後、更に70℃で20分間熱処
理を行って感光性平版印刷版を作製した。尚、感光層の
乾燥塗布量は1.4g/m2であった。
【0128】実施例4 実施例1において、アセトン/メチルセロソルブ=70
/30 100mlに代えて、テトラヒドロフラン/シ
クロヘキサノン=80/20 100mlを用いたこと
以外は実施例1と同様感光液を作製し、感光性平版印刷
版を得た。
【0129】実施例5 実施例1において、アセトン/メチルセロソルブ=70
/30 100mlに代えて、テトラヒドロフラン/メ
チルエチルケトン=50/50 100mlを用いたこ
と以外は実施例1と同様感光液を作製し、感光性平版印
刷版を得た。
【0130】実施例6 実施例1において、ノボラック樹脂(フェノール/m−
クレゾール/p−クレゾールのモル比が10/30/6
0、重量平均分子量Mw9000、Tg:200℃)に
代えて異なるノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾ
ール/p−クレゾールのモル比が10/20/70、重
量平均分子量Mw9500、Tg:210℃)を用いた
以外は実施例1と同様感光液を作製し、感光性平版印刷
版を得た。
【0131】実施例7 実施例1において、上記ノボラック樹脂に代えて異なる
ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾールのモ
ル比が50/50、重量平均分子量Mw8500、T
g:195℃)を用いた以外は実施例1と同様感光液を
作製し、感光性平版印刷版を得た。
【0132】実施例8 実施例1において、上記ノボラック樹脂に代えて異なる
ノボラック樹脂(m−クレゾール/ベンズアルデヒド/
サリチルアルデヒドのモル比が50/10/40、重量
平均分子量Mw12000、Tg:230℃)を用いた
以外は実施例1と同様感光液を作製し、感光性平版印刷
版を得た。
【0133】実施例9 実施例1において、上記ノボラック樹脂に代えて異なる
ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾールのモ
ル比が50/50、重量平均分子量Mw6500、T
g:170℃)を用いた以外は実施例1と同様感光液を
作製し、感光性平版印刷版を得た。
【0134】実施例10(比較例) 実施例1において、90℃で10分間行う熱処理を行わ
なかったこと以外は実施例1と同様にして感光性平版印
刷版を得た。
【0135】実施例11(比較例) 実施例1において、アセトン/メチルセロソルブ=70
/30 100mlに代えて、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル 100mlを用いたこと以外は実施
例1と同様感光液を作製し、感光性平版印刷版を得た。
【0136】実施例12(比較例) 実施例1において、アセトン/メチルセロソルブ=70
/30 100mlに代えて、シクロヘキサノン/乳酸
エチル=70/30 100mlを用いたこと以外は実
施例1と同様感光液を作製し、感光性平版印刷版を得
た。
【0137】実施例13(比較例) 実施例1において、上記ノボラック樹脂に代えてノボラ
ック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾー
ルのモル比が10/80/10、重量平均分子量Mw4
500、Tg:145℃)を用いたこと以外は実施例1
と同様感光液を作製し、感光性平版印刷版を得た。
【0138】実施例14(比較例) 実施例1において、上記ノボラック樹脂に代えてノボラ
ック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾー
ルのモル比が10/90/0、重量平均分子量Mw40
00、Tg:140℃)を用いたこと以外は実施例1と
同様感光液を作製し、感光性平版印刷版を得た。
【0139】以下、実施例1〜14で得られた感光性平
版印刷版を試料1〜14とする。
【0140】試料1〜14における、感光層の残留溶剤
量、ヤング率、Tg、超微小押し込み硬度及び塑性変形
量を以下の方法により測定し表1に示す。
【0141】(Tgの測定)測定装置として、バイブロ
ンDDV−II−EA(東洋ボールドウィン(株)社製)
を用い、乾燥膜厚30μm、幅10mm、長さ25mm
の試料を50〜100℃の範囲で5℃/minで加熱し
ながら、幅方向端縁に周波数10Hzのサイン波伸縮歪
を与え、他端に出現するサイン波応力の両ベクトルの位
相差δの最大tanδを与える温度をTgとする。
【0142】(超微小押し込み硬度)厚さ8μmのPE
Tベース(8N33,東レ社製)上に乾燥膜厚15μm
の感光層を設けた試料を薄膜硬度計(MHA−400,
NEC社製)を用いて測定した。単位はGPa。その
際、下記の圧子を用い、下記の条件で圧電アクチュエー
ターにより、ダイヤモンド三角錐針を押し込む。
【0143】 圧子形状:対稜角80°三角圧子 荷重:最大50mg 押し込み速度:21nm/sec 測定環境:25℃,60%RH 押し込み深さ:表面から5μm以内 (塑性変形量)超微小押し込み硬度測定と同条件のもと
で、圧子を荷重が50mgになるまで押し込んだ後、押
し込み速度と同じ速度で荷重を解除してゆき、荷重0と
なったときの深さdをフォトニックセンサーで計測す
る。押し込み開始時に荷重が掛かり始まる深さをd0
し、塑性変形量をd−d0(μm)で表す。この場合にも
荷重押し込み速度、温度、湿度条件及び押し込み深さを
上記と同じようにした場合には、ほぼ同様の結果が得ら
れる。
【0144】(ヤング率)感光層又はバインダー単膜の
ヤング率は、1cm×10cm、そして感光層又はバイ
ンダー単膜の厚さ15μmの試料を、引張り速度200
mm/minの条件のもと、Tensilon(東洋ボ
ールドウィン(株)社製)を使用して、1%伸びに対す
る応力を測定し、その応力を歪み率(0.01)で除し
た値(kgf/mm2)として求めた。
【0145】
【表1】
【0146】得られた試料に、以下の評価を行った。
【0147】(評価) −感度− 得られた試料に感度測定用ステップタブレット(イース
トマンコダック社製No.2、濃度差0.15づつで2
1段階のグレースケール)を密着して、4kWメタルハ
ライドランプ(大日本スクリーン(株)製vio Qu
ick)を光源として90cmの距離から露光した。次
に、この試料を水で6倍に希釈したSDR−1(コニカ
製)現像液で27℃にて20秒間現像した。
【0148】上記ステップタブレットの3.0段が完全
にクリアになる露光時間をもって感度とした。
【0149】−感度の経時安定性− 塗布・乾燥工程終了後に感度を測定し、その後1カ月
間、室温で放置し、再度感度を測定し、感度と感度
との差を求めた。
【0150】−耐刷力− 得られた試料に上記感度測定用ステップタブレットを密
着して、上記4kWメタルハライドランプを光源として
90cmの距離から露光した。次に、この試料を水で6
倍に希釈したSDR−1(コニカ製)現像液で27℃に
て20秒間現像した。得られた平版印刷版をハイデルベ
ルグ(株)製印刷機 GTOにかけ、コート紙、印刷イ
ンキ(東洋インキ製造(株)製ニューブライト紅)及び
湿し水(コニカ製SEU−3;2.5%)を使用して印
刷を行い、印刷物の画像のベタ部に着肉不良が現れるか
又は非画線部にインキが着肉するまで印刷を続け、その
時の印刷枚数を数えた。
【0151】−ボールペン残り− 得られた試料に荷重50gをかけてパイロット(株)製
の油性ボールペンを用いて描画する。その後、上記4k
Wメタルハライドランプを光源として90cmの距離か
ら露光した。次に、この試料を水で6倍に希釈したSD
R−1(コニカ製)現像液で27℃にて20秒間現像し
た。ボールペンインキの残り具合を目視評価した。
【0152】 ○:完全にボールペンインキが残っていない △:所々ボールペンインキが残っている ×:完全にボールペンインキが残っている。
【0153】
【表2】
【0154】表2の結果から明らかなように、態様1〜
5に該当する実施例1〜9は、感度の経時安定性、耐刷
性及びボールペン残りのそれぞれが優れていることが分
かる。しかしながら、比較例は、経時による感度の変動
が大きく、又耐刷性及びボールペン残りは改善されてお
らず、実用に適さないことが分かる。
【0155】実施例15 以下の感光液Bを作製した。
【0156】 (感光液B) ノボラック樹脂1 (m−クレゾール/ベンズアルデヒド/サリチルアルデヒド のモル比が50/10/40、重量平均分子量Mw2000、 Tg:180℃) 5.7g ノボラック樹脂2 (フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール のモル比が10/54/36、重量平均分子量Mw4000、 Tg:120℃) 1.0g ピロガロールアセトン樹脂とo−ナフトキノンジアジド−5− スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%, 重量平均分子量Mw6000) 1.5g ポリエチレングリコール#2000 0.2g 黄色色素(ベンゾチアゾール基含有、λmax=390nm) 0.2g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.3g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6− (p−メトキシスチリル)−S−トリアジン 0.4g FC−430(住友3M(株)製) 0.03g cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.3g シクロデキストリン 0.3g シクロヘキサノン/メチルエチルケトン=70/30 100ml 高分子化合物2 0.5g (高分子化合物2)従来知られている合成方法により、
構造単位I/4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド
/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリ
ル酸=50/30/10/5/5の割合で重合させ、以
下のような高分子化合物2を得る。
【0157】
【化3】
【0158】(感光性平版印刷版の作製)上記支持体上
に感光液Bをダイコーターを用いて塗布し、80℃で乾
燥させた後、更に90℃で10分間熱処理を行って乾燥
塗布量1.2g/m2の感光性平版印刷版を作製した。
【0159】実施例16 実施例15で用いた高分子化合物2の代替として高分子
化合物3を0.5g用いた以外は同様にして感光性平版
印刷版を作製した。
【0160】(高分子化合物3)従来知られている合成
方法により、ベンジルメタクリレート/4−ヒドロキシ
フェニルメタクリルアミド/構造単位I/メチルメタク
リレート=60/15/15/10の割合で重合させ、
以下のような高分子化合物3を得る。
【0161】
【化4】
【0162】実施例17 実施例15で用いた高分子化合物2の代替として高分子
化合物4を0.5g用いた以外は同様にして感光性平版
印刷版を作製した。
【0163】(高分子化合物4)従来知られている合成
方法により、ベンジルメタクリレート/4−ヒドロキシ
フェニルメタクリルアミド/構造単位II/メチルメタク
リレート=20/30/40/10の割合で重合させ、
以下のような高分子化合物4を得る。
【0164】
【化5】
【0165】実施例18 実施例15で用いた黄色色素(ベンゾチアゾール基含
有、λmax=390nm)の代替として黄色色素(ベ
ンゾオキサゾール基含有、λmax=390nm)を用
いた以外は同様にして感光性平版印刷版を作製した。
【0166】実施例19(比較例) 実施例15で用いたピロガロールアセトン樹脂とo−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドの縮合物
の重量平均分子量Mwを3000にした以外は同様にし
て感光性平版印刷版を作製した。
【0167】実施例20(比較例) 実施例15で用いたノボラック樹脂1を用いず、ノボラ
ック樹脂2のみ6.7gを用いた以外は同様にして感光
性平版印刷版を作製した。
【0168】(評価)実施例15〜20で得られた感光
性平版印刷版を試料15〜20とする。試料15〜20
に対し感度、耐刷力及びボールペン残りを上記と同様に
して評価した。又小点再現性については以下のように評
価した。
【0169】−小点再現性− 得られたUGRAマイクロドット150Lパッチの現像
画像を下記の評価基準で評価した。
【0170】 A 2%小点をほぼ完全に再現している B 2%小点の一部に若干の細りがみられる C 2%小点の全体に若干の細りがみられる D 2%小点の全体に細りがはっきり認められる。
【0171】得られた結果を以下の表3に示す。
【0172】
【表3】
【0173】表3から明らかなように、本発明の画像形
成材料は、感度、耐刷性及びボールペン残りに加えて小
点再現性のそれぞれが優れていることが分かる。しかし
ながら、比較例は、低感度で、かつ耐刷性及びボールペ
ン残りが改善されておらず、実用に適さないことが分か
る。
【0174】
【発明の効果】本発明によれば、感度の経時安定性、耐
刷性及びボールペン残りが顕著に改善されるという優れ
た効果を奏する。又それに加えて小点再現性も優れてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/022 G03F 7/022 7/023 511 7/023 511 7/033 7/033 7/38 501 7/38 501

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、o−キノンジアジド化合
    物、及び重量平均分子量(Mw)が5000以上のバイ
    ンダー樹脂を少なくとも1種含む感光層を少なくとも1
    層設けてなる感光性平版印刷版の、前記感光層の残留溶
    剤量が該感光層の全重量の4.5重量%以下となるよう
    に熱処理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に、o−キノンジアジド化合
    物、及びガラス転移点(Tg)が150℃以上のバイン
    ダー樹脂を少なくとも1種含む感光層を少なくとも1層
    設けてなる感光性平版印刷版の、前記感光層の残留溶剤
    量が該感光層の全重量の4.5重量%以下となるように
    熱処理を行うことを特徴とする感光性平版印刷版の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記バインダーのヤング率が100kg
    f/mm2以上であることを特徴とする請求項2に記載
    の感光性平版印刷版の製造方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に、o−キノンジアジド化合物
    及びバインダー樹脂を含み、かつガラス転移点(Tg)
    が100℃以上の感光層を少なくとも1層設けてなる感
    光性平版印刷版の、前記感光層の残留溶剤量が該感光層
    の全重量の4.5重量%以下となるように熱処理を行う
    ことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記感光層のヤング率が150kgf/
    mm2以上であることを特徴とする請求項4に記載の感
    光性平版印刷版の製造方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に、o−キノンジアジド化合物
    及びバインダー樹脂を含み、かつ超微小押し込み硬度が
    1.7GPa以上の感光層を少なくとも1層設けてなる
    感光性平版印刷版の、前記感光層の残留溶剤量が該感光
    層の全重量の4.5重量%以下となるように熱処理を行
    うことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記感光層の塑性変形量が0.8μm以
    下であることを特徴とする請求項6に記載の感光性平版
    印刷版の製造方法。
  8. 【請求項8】 支持体上に、o−キノンジアジド化合
    物、バインダー樹脂及び沸点が100℃以下の溶剤を含
    む感光層を少なくとも1層設けてなる感光性平版印刷版
    の、前記感光層の残留溶剤量が該感光層の全重量の4.
    5重量%以下となるように熱処理を行うことを特徴とす
    る感光性平版印刷版の製造方法。
  9. 【請求項9】 支持体上に、放射線により酸及びラジカ
    ルから選ばれる少なくとも一方を発生し得る化合物、重
    量平均分子量(Mw)が4×103以上104以下のo−
    キノンジアジド化合物、ガラス転移点(Tg)が150
    以上250℃以下のノボラック樹脂を含み、かつ乾燥塗
    布量が0.1以上1.8g/m2以下の感光層を有する
    ことを特徴とする画像形成材料。
  10. 【請求項10】 前記感光層に、ガラス転移点(Tg)
    が80以上140℃以下のノボラック樹脂を含有せしめ
    ることを特徴とする請求項9記載の画像形成材料。
  11. 【請求項11】 支持体上に、放射線により酸及びラジ
    カルから選ばれる少なくとも一方を発生し得る化合物、
    ガラス転移点(Tg)が150以上200℃以下のビニ
    ル系重合体を含み、かつ乾燥塗布量が0.1以上1.8
    g/m2以下の感光層を有することを特徴とする画像形
    成材料。
  12. 【請求項12】 前記感光層に、ガラス転移点(Tg)
    が150以上250℃以下のノボラック樹脂を含有せし
    めることを特徴とする請求項11記載の画像形成材料。
  13. 【請求項13】 前記感光層が、ナフトキノンジアジド
    −4−スルホニルハライド、オキサジアゾール化合物及
    びトリアジン化合物から選ばれる少なくとも1種を有
    し、かつこれら化合物の総重量が該感光層の全重量に対
    して1.5以上10重量部以下であることを特徴とする
    請求項9乃至12の何れか1項記載の画像形成材料。
  14. 【請求項14】 前記感光層に、変色剤を該感光層の全
    重量に対して2.5以上10重量部以下含有せしめるこ
    とを特徴とする請求項9乃至13の何れか1項記載の画
    像形成材料。
  15. 【請求項15】 前記感光層に、有機酸及び酸無水物を
    該感光層の全重量に対して2.0以上10重量部以下含
    有せしめることを特徴とする請求項9乃至14の何れか
    1項記載の画像形成材料。
  16. 【請求項16】 前記感光層に、包接化合物を該感光層
    の全重量に対して2.0以上10重量部以下含有せしめ
    ることを特徴とする請求項9乃至15の何れか1項記載
    の画像形成材料。
  17. 【請求項17】 前記感光層に、350以上450nm
    以下の光吸収帯領域にλmaxを有し、かつベンゾオキ
    サゾール基又はベンゾチアゾール基を含有する黄色色素
    を該感光層の全重量に対して0.5以上10重量部以下
    含有せしめることを特徴とする請求項9乃至16の何れ
    か1項記載の画像形成材料。
  18. 【請求項18】 前記感光層に、重量平均分子量(M
    w)が103以下のフェノール化合物を含有せしめるこ
    とを特徴とする請求項9乃至17の何れか1項記載の画
    像形成材料。
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