JP2001324808A - ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版 - Google Patents

ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版

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JP2001324808A
JP2001324808A JP2000142956A JP2000142956A JP2001324808A JP 2001324808 A JP2001324808 A JP 2001324808A JP 2000142956 A JP2000142956 A JP 2000142956A JP 2000142956 A JP2000142956 A JP 2000142956A JP 2001324808 A JP2001324808 A JP 2001324808A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線領域の光に対しては感応せず、白色蛍
光灯下における取扱性に優れると共に、感度、耐薬品
性、及び画像部と非画像部とのコントラストに優れ、画
像部の残膜率も十分に保持されるポジ型感光性組成物及
びポジ型感光性平版印刷版を提供する。 【解決手段】 (A)ノボラック樹脂、(B)アクリル
系樹脂及び(C)光熱変換物質を含有するポジ型感光性
組成物において、該アクリル樹脂が共重合成分として
(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルを
含み、該(メタ)アクリル酸成分が1〜40モル%の範
囲である共重合体であって、該アクリル系樹脂と該ノボ
ラック樹脂との重量比(%)が、1〜40:99〜60
の範囲にあることを特徴とするポジ型感光性組成物及び
それを支持体に塗布したポジ型感光性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷
版、簡易校正印刷用プルーフ、配線板やグラビア用銅エ
ッチングレジスト、フラットディスプレイ製造に用いら
れるカラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォト
レジスト等に使用される、主として近赤外線領域の光に
対して高感度なポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平
版印刷版に関し、特に、半導体レーザーやYAGレーザ
ー等による直接製版に好適なポジ型感光性組成物及びポ
ジ型感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポジ型感光性組成物として
は、例えば、光照射によりインデンカルボン酸を生じア
ルカリ可溶性となるo−キノンジアジド基含有化合物、
o−ニトロベンジルエステル基を有する有機高分子物
質、或いは、光により酸を発生する化合物(光酸発生
剤)と酸により加水分解を生じアルカリ可溶性となる化
合物との組成物、加熱により溶解性を増す特定重合体化
合物を含む組成物(特公昭46−27919号公報)等
が知られている。
【0003】一方、コンピュータ画像処理技術の進歩に
伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの
出力を行わずに、レーザー光或いはサーマルヘッド等に
より、直接レジスト画像を形成する感光又は感熱ダイレ
クト製版システムが注目されている。特に、高出力の半
導体レーザーやYAGレーザー等を用いる、高解像度の
レーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版
作業時の環境光、及び版材コスト等の面から、その実現
が強く望まれている。
【0004】近年、レーザー感光又は感熱を利用した画
像形成方法として化学増幅型のフォトレジストに長波長
光線吸収色素を組み合わせた技術が散見され、例えば、
特開平6−43633号公報には、特定のスクアリリウ
ム系色素、光酸発生剤、及びバインダーを含む画像形成
材料が、又、特開平7−20629号公報には、赤外線
吸収色素、潜伏性ブレンステッド酸、レゾール樹脂、及
びノボラック樹脂を含む画像形成材料が、又、特開平7
−271029号公報には、前記潜伏性ブレンステッド
酸に代えs−トリアジン系化合物を用いた画像形成材料
が、更に、特開平7−285275号公報には、結着
剤、光を吸収し熱を発生する物質、及び熱分解性であり
かつ分解しない状態では結着剤の溶解性を実質的に低下
させる物質を含む画像形成材料が、それぞれ開示されて
いる。
【0005】又、これら従来の技術が、紫外線領域の光
に対しても感応し、白色蛍光灯下における取扱時に反応
が進行してしまい、そのため安定した品質のものが得ら
れ難いという問題があるのに対して、特開平9−438
47号公報には、アルカリ現像液に対して難溶性の樹脂
と赤外線吸収剤を含有し、赤外線照射等により加熱され
て結晶性を変化させてアルカリ可溶性となるが紫外線照
射では変化しないポジ型組成物が、又、WO97/39
894号明細書には、水性現像可能なポリマーと該ポリ
マーの水性現像性を抑止する化合物を含有し、加熱によ
り水性現像性が向上するが紫外線照射では変化しない熱
感受性のポジ型組成物が、それぞれ開示されている。
【0006】これら特開平9−43847号公報及びW
O97/39894号明細書に開示されるポジ型組成物
は、露光により化学変化を生じる化合物を含有しその化
学変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生ぜ
しめる前述の従来技術における組成物とは異なり、化学
変化以外の変化によって溶解性に差異を生ぜしめるもの
であると共に、紫外線領域の光に感受性を有する化合物
を含まないため、白色蛍光灯下における取扱性に優れる
等の利点を有する。
【0007】しかしながら、本発明者等の検討によれ
ば、前述の従来技術は、露光後に加熱処理を要するネガ
型感光性組成物においては、その処理条件によって得ら
れる画像が必ずしも安定していない欠点を有する。又、
露光後の加熱処理を要しないポジ型感光性組成物におい
ては、感度、及び画像部(非露光部)と非画像部(露光
部)とのコントラストが不十分で、その結果、非画像部
が十分に除去されなかったり、画像部の残膜率が十分に
保持されない等の問題を有しており、特に、化学変化以
外の変化によって露光部と非露光部の溶解性に差異を生
ぜしめるような、特開平9−43847号公報及びWO
97/39894号明細書に開示されるポジ型組成物に
おいては、その傾向が顕著であることが判明した。
【0008】これに対して、本願出願人は、紫外線領域
の光に感受性を有する化合物を含有せず、近赤外線領域
の光に対する光熱変換物質とアルカリ可溶性樹脂という
光化学的変化を期待し得ない単純な系で、前述の問題も
を解消したポジ画像を形成できる感光性組成物が得られ
ることを見い出した(特開平10−268512号公
報)。
【0009】該特開平10−268512号公報には、
アルカリ可溶性樹脂としてノボラック樹脂やアクリル酸
誘導体の共重合体が開示されているが、具体的にはノボ
ラック樹脂を使用した例が示されているにすぎない。
又、特開平10−282643号公報には、光熱変換物
質及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型感光性組成
物が更に有機酸を含むことで未露光部の残膜率が改善さ
れることが開示され、ノボラック樹脂に有機酸としてポ
リアクリル酸を併用した例が示されているが、感光層の
更なる高感度化を考慮すると、残膜率の更なる改善が望
まれる。
【0010】一方、特開平11−44956号公報に
は、光を吸収して熱を発生する物質及び、フェノール性
水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂とスルホンア
ミド基、フェノール性水酸基含有アクリルアミド等の特
定の共重合成分を含む共重合体とを50:50〜5:9
5の範囲で含む赤外線レーザー用ポジ型感光性組成物に
よれば画像強度が向上し現像ラチチュードが改善するこ
とが記載され、ノボラック樹脂とアクリルアミド等を共
重合成分とするある種のアクリル系共重合体を併用した
例等も示されている しかしながら、感度と残膜率の点で、今だ不十分であ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたものであって、紫外線領域の光に
対しては感応せず、白色蛍光灯下における取扱性に優れ
ると共に、感度、耐薬品性、及び画像部と非画像部との
コントラストに優れ、画像部の残膜率も十分に保持され
るポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸成分が
1〜40モル%のアクリル系共重合体を、ノボラック樹
脂に対して特定割合で含有するポジ型感光性組成物なら
びにそれを支持体上に設けてなるポジ型感光性平版印刷
版により上記目的が達成されることを見い出し本発明を
完成するに至った。即ち本発明は、(A)ノボラック樹
脂、(B)アクリル系樹脂及び(C)光熱変換物質を含
有するポジ型感光性組成物において、該アクリル系樹脂
が共重合成分として(メタ)アクリル酸及び(メタ)ア
クリル酸エステルを含み、該(メタ)アクリル酸成分が
1〜40モル%の範囲である共重合体であって、該アク
リル系樹脂と該ノボラック樹脂との重量比(%)が、1
〜40:99〜60の範囲にあることを特徴とするポジ
型感光性組成物、及び支持体上に該ポジ型感光性組成物
からなる層を有する感光性平版印刷版を要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】先ず、本発明のポジ型感光性組成
物における(A)成分としてのノボラック樹脂は、フェ
ノール性水酸基含有アルカリ可溶性樹脂として、この種
感光性組成物のバインダー樹脂に慣用されているもので
あって、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、
3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エ
チルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェ
ノール、n−ブチルフェノール、tert−ブチルフェ
ノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロカテコ
ール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロー
ル、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノ
ール、4,4’−ビフェニルジオール、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール
類の少なくとも1種を、酸性触媒下、例えば、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類
(尚、ホルムアルデヒドに代えてパラホルムアルデヒド
を、アセトアルデヒドに代えてパラアルデヒドを、用い
てもよい。)、又は、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1
種と重縮合させた樹脂であって、中で、本発明において
は、フェノール類としてのフェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレ
ノール、3,5−キシレノール、レゾルシノールと、ア
ルデヒド類又はケトン類としてのホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が
好ましく、特に、m−クレゾール:p−クレゾール:
2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾル
シノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜5
0:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール
類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾー
ルの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜6
0の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合
体が好ましい。尚、本発明のポジ型感光性組成物は後述
する溶剤抑止剤を含有することが好ましく、その場合
は、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレ
ノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合
割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0
〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノー
ル:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル
比で10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノー
ル類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0014】前記ノボラック樹脂は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算の
重量平均分子量(以下、単に重量平均分子量という)
が、好ましくは1,500〜20,000、更に好まし
くは2,000〜15,000、特に好ましくは3,0
00〜12,000のものが用いられる。重量平均分子
量が前記範囲よりよりも小さいとレジストとしての十分
な塗膜が得られず、前記範囲よりも大きいとアルカリ現
像液に対する溶解性が小さくなり、非画像部の抜けが不
十分となってレジストのパターンが得られにくくなる傾
向となる。
【0015】次に本発明組成物の第2の必須成分である
(B)アクリル系樹脂について説明する。アクリル系樹
脂とは一般にアクリル酸、メタクリル酸又はこれらのエ
ステルの単独重合体又はこれを共重合成分として含む共
重合体であるが、本発明においては、かかるアクリル系
樹脂が、共重合成分として(メタ)アクリル酸及び(メ
タ)アクリル酸エステルを含んでおり、該(メタ)アク
リル酸成分が1〜40モル%の範囲である共重合体(以
下、本発明のアクリル系樹脂ということがある)である
必要がある。尚、本明細書において、アクリル及びメタ
アクリルを総称して(メタ)アクリルと称する。又、共
重合成分として、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アク
リル酸エステルを含むとは、アクリル酸及びメタアクリ
ル酸の少なくとも1種と、アクリル酸及び(メタ)アク
リル酸の少なくとも1種とを夫々共重合成分として含む
ことを意味する。該(メタ)アクリル酸エステルは置換
基があっても良いアルキルエステルまたはアリールエス
テルであって該アルキルとしては、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t
−ブチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチ
ル、2−エチルヘキシル等炭素数1〜10のアルキル基
が挙げられ、該アリールとしては、例えば、フェニル、
1−ナフチル、2−ナフチル等炭素数6〜10のアリー
ル基が挙げられる。前記したあっても良い置換基として
は、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル
基、ジメチルアミノ基、エチレンオキサイド基、ビニル
基、o−カルボキシベンゾイルオキシ基などが挙げられ
る。
【0016】該アクリル系樹脂を構成する(メタ)アク
リル酸の含量は1〜40モル%の範囲でなければならな
い。従って、他の共重合成分が実質的に(メタ)アクリ
ル酸エステルからなる場合はその含有量は99〜60モ
ル%の範囲である。更に、より好ましい含有量は、(メ
タ)アクリル酸が2〜20モル%、(メタ)アクリル酸
エステルが98〜80モル%であり、特に好ましくは前
者が3〜15モル%、後者が97〜85モル%である。
(メタ)アクリル酸の含量が上記範囲より過小の場合、
アルカリ現象性が低下し、過大の場合、残膜率が低下し
不利となる。
【0017】これらの(メタ)アクリル酸および(メ
タ)アクリル酸エステルからなるアクリル系樹脂はそれ
自体で好ましい物性、例えば、好ましい現像許容度をも
たらすが、更に、第三の共重合成分を共重合させる事に
よりその他の諸物性を改善または修飾が可能であり望ま
しい。その諸物性には、例えば、耐薬品性、耐刷性、感
度、現像性等が含まれる。前記の第三の共重合成分とし
ては、アクリロニトリル、スチレン、無水マレイン酸、
マレイミド、アクリルアミド、ビニルアセテート、N−
ビニルピロリドンの中から少なく一種を選択することが
好ましい。これら第三の共重合成分を用いる場合、それ
のアクリル系樹脂中の含有量は40モル%以下でなけれ
ばならない。それが過大の場合、しばしば諸物性のバラ
ンスがくずれる傾向が見られる。第三の共重合成分を含
有する場合の第三の共重合成分の含有量はより好ましく
は5〜30モル%であり、その場合の(メタ)アクリル
酸の含有量は2〜20モル%、(メタ)アクリル酸エス
テルの含有量は93〜50モル%である。
【0018】尚、本発明のアクリル系樹脂の重量平均分
子量は、好ましくは5,000〜200,000更に好
ましくは10,000〜100,000、特に好ましく
は10,000〜50,000のものが用いられる。該
分子量が少なすぎると十分な塗膜が得られず、大きすぎ
ると現像性が劣る傾向がある。以上述べた本発明のアク
リル系樹脂とノボラック樹脂との配合比率は重量でアク
リル系樹脂1〜40%、ノボラック樹脂99〜60%の
範囲において使用する。アクリル系樹脂の配合量が過小
の場合、残膜率の改善効果が認められず、過多の場合
は、感度、現像性が低下し不利となる。
【0019】尚、本発明の感光性組成物には、本発明の
性能を損わない範囲で本発明のノボラック樹脂及びアク
リル系樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよ
い。次に、本発明のポジ型感光性組成物における(C)
成分について述べる。これら光熱変換物質としては、吸
収した光を熱に変換し得る化合物であれば特に限定され
ないが、波長域650〜1300nmの近赤外線領域の
一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の顔料や染
料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼
化物等が挙げられる中で、光吸収色素が特に有効であ
る。これらの光吸収色素は、前記波長域の光を効率よく
吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸
収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱
い紫外線によっては感光性組成物を変成させる作用のな
い化合物である。
【0020】これらの光吸収色素としては、窒素原子、
酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン
(−CH=)n で結合された、広義の所謂シアニン系色
素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例え
ば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドー
ル系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系
(所謂、チオシアニン系)、オキサゾール系(所謂、オ
キサシアニン系)、アミノベンゼン系(所謂、ポリメチ
ン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリ
ウム系、クロコニウム系、アズレニウム系、アミニウム
系、イモニウム系、フタロシアニン系、アントラキノン
系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベ
ンゾチアゾール系、アミノベンゼン系、ピリリウム系、
又はチアピリリウム系、アミニウム系、イモニウム系色
素が好ましい。
【0021】本発明においては、前記シアニン系色素の
中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(I
a) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0022】
【化1】
【0023】〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR
2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有してい
てもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していて
もよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペ
ンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結
して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していても
よく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場
合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼ
ン環を形成していてもよい。X- は対アニオンを示
す。〕
【0024】ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1
及びR2 における置換基としては、アルコキシ基、フェ
ノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げら
れ、L 1 における置換基としては、アルキル基、アミノ
基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環におけ
る置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ
基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0025】又、インドール系、ベンゾチアゾール系色
素及びベンゾオキサゾール系色素としては、特に、下記
一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0026】
【化2】
【0027】〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立し
て、ジアルキルメチレン基、硫黄原子又は酸素原子を示
し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニ
ル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置
換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換
基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン
基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換
基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を
形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有して
いてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに
連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X-
対アニオンを示す。〕
【0028】ここで、式(II)中のR3 及びR4 における
置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロ
キシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置
換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原
子等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、
アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原
子等が挙げられる。
【0029】又、アミノベンゼン系色素としては、特
に、下記一般式(III) で表されるものが好ましい。
【0030】
【化3】
【0031】〔式(III) 中、R5 、R6 、R7 、及びR
8 は各々独立して、アルキル基を示し、R9 及びR10
各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、
フリル基、又はチエニル基を示し、L3 は置換基を有し
ていてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、
該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連
結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していて
もよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していて
もよい。X- は対アニオンを示す。〕
【0032】ここで、式(III) 中のR9 及びR10として
具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチ
ル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、
3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基として
は、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、
ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L3
おける置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハ
ロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環にお
ける置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニト
ロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0033】又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系
色素としては、特に、下記一般式(IVa) 、(IVb) 、又は
(IVc) で表されるものが好ましい。
【0034】
【化4】
【0035】〔式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) 中、Y3
及びY4 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示
し、R11、R12、R13、及びR14は各々独立して、水素
原子又はアルキル基、又は、R11とR13、及びR12とR
14が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環
を形成していてもよく、L4 は置換基を有していてもよ
いモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又は
ペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素
数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピ
リリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していて
もよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結
して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X- は対ア
ニオンを示す。〕
【0036】ここで、式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) の
4 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、
又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチア
ピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナ
フチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0037】更に、アミニウム系、及びイモニウム系色
素としては、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少
なくとも1個有するものが好ましく、特に、下記一般式
(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0038】
【化5】
【0039】〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16
17、R18、R19、R20、R21、及びR 22は各々独立し
て、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を示し、キ
ノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X
- は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(─)
は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0040】ここで、式(Va)、及び(Vb)中のキノン環及
びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、ア
ルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等
が挙げられる。
【0041】尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(III) 、
(IVa〜c)、及び(Va 〜b)における対アニオンX- として
は、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF
6 -、及び、BF4 - 等の無機硼酸等の無機酸アニオ
ン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチ
ル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チ
エニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機
酸アニオンを挙げることができる。
【0042】以上、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノ
リン系色素、前記一般式(II)で表されるインドール系又
はベンゾチアゾール系色素、前記一般式(III) で表され
るアミノベンゼン系色素、前記一般式(IVa〜c)で表され
るピリリウム系又はチアピリリウム系色素、及び前記一
般式(Va 〜b)で表されるアミニウム系又はイモニウム系
色素の各具体例を以下に示す。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】
【化15】
【0053】
【化16】
【0054】以上説明した光熱変換物質の本発明の組成
物への添加量は成分(A)と(B)の樹脂成分の総量に
対し0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量
%、特に好ましくは1〜12重量%である。
【0055】尚、本発明のポジ型感光性組成物には、前
記三成分の他に、露光部と非露光部のアルカリ現像液に
対する溶解性の差を増大させる目的で、(A)ノボラッ
ク樹脂、(B)アクリル系樹脂及び(C)光熱変換物質
からなる混合物のアルカリ現像液に対する溶解性を低下
させる溶解抑止剤を含有するのが好ましい。かかる溶解
抑止剤は、具体的には(A)成分の前記ノボラック樹脂
と水素結合を形成して該樹脂の溶解性を低下させると推
定される化合物であり、又、かかる溶解抑止剤は、近赤
外線領域の光を殆ど吸収せず、近赤外線領域の光で分解
されないのが好ましい。
【0056】その溶解抑止剤としては、例えば、特開平
10−268512号公報に詳細に記載されているスル
ホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エス
テル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケ
トン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテ
ル等、同じく特開平11−190903号公報に詳細に
記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールア
ミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有し着色剤を
兼ねた酸発色性色素、同じく特開2000−10545
4号公報に詳細に記載されている非イオン性界面活性剤
等を挙げることができる。
【0057】本発明のポジ型感光性組成物における前記
溶解抑止剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好
ましく、0〜30重量%であるのが更に好ましく、0〜
20重量%であるのが特に好ましい。
【0058】又、本発明のポジ型感光性組成物には、必
要に応じて、例えば、ビクトリアピュアブルー(425
95)、クリスタルバイオレット(42555)、クリ
スタルバイオレットラクトン、オーラミンO(4100
0)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック1
3)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミン
B(45170)、サフラニンOK70:100(50
240)、エリオグラウシンX(42080)、ファー
ストブラックHB(26150)、No.120/リオ
ノールイエロー(21090)、リオノールイエローG
RO(21090)、シムラーファーストイエロー8G
F(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D
(21095)、シムラーファーストレッド4015
(12355)、リオノールレッドB4401(158
50)、ファーストゲンブルーTGR−L(7416
0)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又
は染料等の着色剤が含有されていてもよい。尚、ここ
で、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.
I.)を意味する。
【0059】本発明のポジ型感光性組成物における前記
着色剤の含有割合は、0〜50重量%であるのが好まし
く、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、1〜
20重量%であるのが特に好ましい。
【0060】本発明のポジ型感光性組成物には、前記成
分以外に、例えば、塗布性改良剤、現像性改良剤、密着
性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等の通常用いられる各
種の添加剤が更に、好ましくは10重量%以下、更に好
ましくは5重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
【0061】尚、本発明のポジ型感光性組成物は、オニ
ウム塩、ジアゾニウム塩及びキノンジアジド化合物を含
有しないことにより、紫外光に対して実質的に感受性を
有さない。より具体的には、360〜450nmの波長
の光による照射の前後で、アルカリ現像液に対する溶解
性に有意差を生ぜず、実用的な意味での画像形成機能を
有さないことを意味する。換言すれば、本発明でのポジ
型感光性組成物は、白色蛍光灯(三菱電機(株)製36
W白色蛍光灯ネオルミスーパーFLR40S−W/M/
36)下、400ルクスの光強度において10時間放置
しても、アルカリ現像液に対する溶解性に実質的有意差
を生じない性質を有するものである。尚、溶解性に実質
的有意差を生じないとは、10時間放置の前後で、アル
カリ現像液に対する溶解性がほとんど変化しないことを
意味する。本発明の前記ポジ型感光性組成物は、通常、
前記各成分を適当な溶媒に溶解した溶液として支持体表
面に塗布した後、加熱、乾燥することにより、支持体表
面に感光性組成物層が形成されたポジ型感光性平版印刷
版とされる。
【0062】ここで、その溶媒としては、使用成分に対
して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるもので
あれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸
アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレー
ト、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレ
ート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶
媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコー
ル、フルフリルアルコール等のアルコール系溶媒、シク
ロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等の高極性溶媒、酢酸、あるいはこれら
の混合溶媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加した
もの等が挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物
の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲
である。
【0063】又、その塗布方法としては、従来公知の方
法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗
布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及
びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途
により異なるが、乾燥膜厚として、通常、3〜70mg
/dm2、好ましくは5〜50mg/dm2、特に好まし
くは10〜30mg/dm2の範囲とする。尚、その際
の乾燥温度としては、例えば、30〜170℃程度、好
ましくは40〜150℃程度が採られる。
【0064】尚、本発明の効果を一層確実ならしめるた
めに、例えば、40〜100℃程度、好ましくは40〜
70℃程度の温度で、1分〜50時間程度、好ましくは
30分〜20時間程度の加熱処理を施すことが好まし
い。
【0065】又、その支持体としては、アルミニウム、
亜鉛、銅、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、銅、
鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属板、
紙、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を貼着
した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプラス
チックフィルム、及びガラス板等が挙げられる。中で、
好ましいのはアルミニウム板であり、塩酸又は硝酸溶液
中での電解エッチング又はブラシ研磨による砂目立て処
理、硫酸溶液中での陽極酸化処理、及び必要に応じて封
孔処理等の表面処理が施されたアルミニウム板がより好
ましい。又、支持体表面の粗さとしては、JIS B0
601に規定される平均粗さRa で、通常、0.3〜
1.0μm、好ましくは0.4〜0.8μm程度とす
る。
【0066】本発明でのポジ型感光性組成物層を画像露
光する光源としては、主として、HeNeレーザー、ア
ルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレー
ザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光
源が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱によ
り画像形成させる場合には、650〜1300nmの近
赤外レーザー光線を発生する光源が好ましく、例えば、
ルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、L
ED等の固体レーザーを挙げることができ、特に、小型
で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好まし
い。これらの光源により、通常、走査露光した後、現像
液にて現像し画像が形成される。
【0067】尚、レーザー光源は、通常、レンズにより
集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物
層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性
組成物層の感度特性(mJ/cm2 )は受光するレーザ
ービームの光強度(mJ/s・cm2 )に依存すること
がある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワー
メーターにより測定したレーザービームの単位時間当た
りのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面に
おけるレーザービームの照射面積(cm2 )で除するこ
とにより求めることができる。レーザービームの照射面
積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2 強度を越え
る部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す
感光性組成物を感光させて測定することもできる。
【0068】本発明において、光源の光強度としては、
2.0×106 mJ/s・cm2 以上とすることが好ま
しく、1.0×107 mJ/s・cm2 以上とすること
が特に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明で
のポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得る、走
査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点と
なる。
【0069】本発明の前記ポジ型感光性平版印刷版を画
像露光したポジ型感光体の現像に用いる現像液として
は、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチ
ウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪
酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、
第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナ
トリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機ア
ルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有
機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からな
るアルカリ現像液を用いる。中で、無機アルカリ塩であ
る珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪
酸塩が好ましい。尚、現像液には、必要に応じて、アニ
オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活
性剤等の界面活性剤や、アルコール等の有機溶媒を加え
ることができる。
【0070】尚、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブ
ラシ現像、超音波現像等により、通常、好ましくは10
〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度
でなされる。
【0071】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0072】実施例1〜8、比較例1〜3 アルミニウム板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水
酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行
った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中
で、温度25℃、電流密度60A/dm2 、処理時間3
0秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで5重
量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、10秒間の
デスマット処理を施した後、20重量%硫酸溶液中で、
温度20℃、電流密度3A/dm2 、処理時間1分の条
件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で20
秒間熱水封孔処理を行い、平版印刷版支持体用のアルミ
ニウム板を作製した。
【0073】得られたアルミニウム板支持体表面に下記
の試料感光液をワイヤーバーを用いて塗布し、85℃で
2分間乾燥させた後、55℃で安定化させて塗膜量2.
2g/m2のポジ型感光組成物層を有するポジ型感光性
平版印刷版を作製した。試料感光液: (A)ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/
p−クレゾール=50/30/20、重量平均分子量=
9,000住友ジュレズ社製)・・・100重量部より
下記(B)成分の配合量を差し引いた量 (B)アクリル系樹脂・・・表−1の表中に配合樹脂及
び配合量(重量部)として記載 (C)光熱変換物質:前記II−9・・・・3重量部 着色剤:エチルバイオレット・・・・・3重量部 溶媒:メチルセロソルブ・・・・・・90重量部
【0074】得られたポジ型感光性平版印刷版を回転ド
ラムに取り付け、ドラムを回転させながら、黄色灯下
で、波長830nm、出力40mWの半導体レーザー
(アプライドテクノ社製)を25μmのビームスポット
径にて照射することにより走査露光し、次いで、アルカ
リ現像液(コニカ社製「SDR−1」の6倍希釈液)に
28℃で浸漬した後、軽いこすりを加え現像を行った。
【0075】この際、120mJ/cm2 及び240m
J/cm2 の露光エネルギー(感度)で露光し、現像時
間を変えることで25μm幅のポジ画像を得た場合の残
膜率を測定した。尚、該感度は得られたポジ画像が25
μm幅を与えるときのドラムの最大回転数から求めた。
残膜率は大きい程良い成績を示している。
【0076】尚、残膜率は、得られたポジ画像につい
て、非露光部における現像前後の反射濃度を反射濃度計
(マクベス社製「RD−514」)を用いて測定し、感
光性組成物層形成前の支持体表面の反射濃度の値を差引
いたそれぞれの値の比から残膜率(%)を求めた。なお
配合樹脂の共重合比と重量平均分子量(Mw)を表の下
に記載した。表の結果より、アクリル酸が過多の場合
(比較例−2)やアクリル系樹脂配合量が過多の場合
(比較例−3)、望ましくない結果を与えることが理解
される。
【0077】
【表1】
【0078】なお上記の略号はMMA:メチルメタクリ
レート、MMA:メタクリル酸、AA:アクリル酸、A
N:アクリロニトリルを示す。
【0079】実施例−9 配合樹脂の成分としてのアクリロニトリル共重合成分の
効果を調べる為、実施例−3(アクリロニトリル不含
有)及び7(アクリロニトリル含有)で用いた感光性平
版印刷版試料と同一のものをプレートクリーナーである
ソルフィット溶媒(東華色素社製)に1分間浸漬した。
その結果、両試料共ほぼ良好な耐薬品性を示し、余り大
きな変化は認められなかったが、実施例−7の試料の方
が実施例−3の試料より残膜率に於いてより優れてい
た。尚、前記で得られたポジ型感光性平版印刷版は、白
色蛍光灯(三菱電機社製36W白色蛍光灯「ネオルミス
ーパーFLR40S−W/M/36」)の400ルクス
の光強度照射下に10時間放置した後、前記と同様の現
像処理を行った場合、いずれの実施例及び比較例におい
ても実質的な膜減りはなく、白色蛍光灯下における取扱
性は良好であった。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線領域の光に対し
ては感応せず、白色蛍光灯下における取扱性に優れると
共に、近赤外線領域の光に対して感応し、感度、耐薬品
性、及び画像部と非画像部とのコントラストに優れ、画
像部の残膜率も十分に保持されるポジ型感光性組成物及
びポジ型感光性平版印刷版を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA04 AB03 AB09 AB15 AC08 AD03 BG00 CB13 CB14 CB29 CC11 CC20 FA10 FA17 2H096 AA06 BA09 EA04 EA23 GA08 2H114 AA04 AA23 AA24 DA21 DA23 DA24 DA26 DA27 DA28 DA31 DA32 DA35 DA52 DA53 DA59 DA64 EA01 EA05 EA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ノボラック樹脂、(B)アクリル
    系樹脂及び(C)光熱変換物質を含有するポジ型感光性
    組成物において、該アクリル系樹脂が共重合成分として
    (メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルを
    含み、該(メタ)アクリル酸成分が1〜40モル%の範
    囲である共重合体であって、該アクリル系樹脂と該ノボ
    ラック樹脂との重量比(%)が、1〜40:99〜60
    の範囲にあることを特徴とするポジ型感光性組成物。
  2. 【請求項2】 該アクリル系樹脂が、実質的に(メタ)
    アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルかるなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性組成物。
  3. 【請求項3】 該アクリル系樹脂が、共重合成分とし
    て、更に、アクリロニトリル、スチレン、無水マレイン
    酸、マレイミド、アクリルアミド、ビニルアセテート、
    N−ビニルピロリドンから選ばれた少なくとも1種を4
    0モル%以下含有するものである請求項1に記載のポジ
    型感光性組成物。
  4. 【請求項4】 該アクリル系樹脂中の該(メタ)アク
    リル酸成分が2〜20モル%の範囲であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性組成
    物。
  5. 【請求項5】 (A)ノボラック樹脂、(B)アクリル
    系樹脂及び(C)光熱変換物質からなる混合物のアルカ
    リ現像液に対する溶解性を低下させる溶解抑止剤を含有
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    ポジ型感光性組成物。
  6. 【請求項6】 支持体上に、請求項1〜5のいずれかに
    記載のポジ型感光性組成物からなる層を有するポジ型感
    光性平版印刷版。
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