JPH10238876A - 断熱容器、断熱装置および断熱方法 - Google Patents

断熱容器、断熱装置および断熱方法

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JPH10238876A
JPH10238876A JP9040569A JP4056997A JPH10238876A JP H10238876 A JPH10238876 A JP H10238876A JP 9040569 A JP9040569 A JP 9040569A JP 4056997 A JP4056997 A JP 4056997A JP H10238876 A JPH10238876 A JP H10238876A
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temperature control
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temperature
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透 栗山
Masahiko Takahashi
政彦 高橋
Chandlertiraka Roohana
ローハナ・チャンドラティラカ
Yasumi Otani
安見 大谷
Hideki Nakagome
秀樹 中込
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    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D19/00Arrangement or mounting of refrigeration units with respect to devices or objects to be refrigerated, e.g. infrared detectors
    • F25D19/006Thermal coupling structure or interface
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
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  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】断熱装置の断熱時間をさらに長くすることが望
まれている。 【解決手段】内部に超電導コイル23を収容可能に形成
されるとともに超電導コイル23を囲む断熱層を備えて
なる容器38と、断熱層内に超電導コイル23を囲むよ
うに配置された複数の熱シールド板39,40,41
と、冷却ステージ32を有する冷凍機21と、冷却ステ
ージ32によって熱シールド板39,40,41および
超電導コイル23を冷却する際には冷却ステージ32と
熱シールド板39,40,41および超電導コイル23
とを熱的に接続し、冷却を行った後には冷却ステージ3
2と熱シールド板39,40,41および超電導コイル
23とを熱的に分離するための熱スイッチ46a〜46
dとを備えた断熱装置である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば超電導転
移温度以下の温度に冷却されている超電導コイルや超電
導素子等の超電導機器、あるいは液体ヘリウムや液体水
素、液体窒素、LNGなどの極低温冷媒、また保存血液
や精子等の医療対象物、また冷凍食品等の食料品、その
他、常温や高温に温度を一定に保持したい被保温物等を
対象物として長時間に互って温度を所定温度に保持させ
るための断熱容器、断熱装置および断熱方法に関する。 【0002】 【従来の技術】周知のように、最近では種々の極低温機
器が使用されている。その代表的なものとして、MRI
等で用いられている超電導磁石を挙げることができる。
これらの超電導磁石は、通常、図17に示すように、真
空容器1内に冷媒容器2を配置し、この冷媒容器2内に
冷媒である、たとえば液体ヘリウム3を収容し、この液
体ヘリウム3中に超電導コイル4を配置し、これによっ
てコイルを冷却する浸潰冷却方式を採用している。 【0003】しかし、この方式では、液体ヘリウム3の
蒸発に対応させて液体ヘリウムを補給する必要があり、
保守の面倒化を招く問題がある。その対策として、一般
には、冷媒容器2を囲むように熱シールド板5を設け、
この熱シールト板5を冷凍機6で冷却し、これによって
輻射で侵入する熱を吸収して液体ヘリウム3の蒸発を抑
える方法が採られている。しかし、この方法でも、液体
ヘリウム3の補給間隔が長くなるだけで、液体ヘリウム
の補給が必要であることには変わりない。 【0004】また、近年実用化されつつある方式とし
て、図18に示すように、液体ヘリウムを用いることな
く、極低温冷凍機7で趨電導コイル4を直接冷却する方
式がある。これは極低温冷凍機7の開発が進み、小型の
たとえばGM(ギフォード・マクマホン)冷凍機でも液
体ヘリウム温度までの冷却が可能になったことによる。 【0005】この冷凍機直冷式超電導磁石は、液体ヘリ
ウムを補給する必要がないばかりか、装置の構成が単純
となり、全体を小型化でき、コストも低減できるという
長所がある。 【0006】図19には冷凍機直冷式超電導磁石の別の
例が示されている。この図l9に示す例では、極低温冷
凍機7として2段膨張式のGM冷凍機を用い、第1段冷
却ステージ8で熱シールド板5を70K程度に冷却し、
第2段冷却ステージ9で超電導コイル4を4K程度に冷
却している。なお、図中10は第2段冷却ステージ9と
超電導コイル4とを熱的に接続するための熱伝導部材を
示している。このような構成を採用することによって.
同程度の液体ヘリウム浸漬冷却式超電導磁石に比べて大
きさを1/3程度に抑えることができる。 【0007】しかし、冷凍機直冷式超電導磁石にあって
も、極低温冷凍機7で発生した振動が超電導コイル4に
伝わること、常温から定格温度まで冷却するのに時間が
かかること、停電時には使えないこと等の間題点があ
る。また、極低温冷凍機7を必要としているので装置全
体をさらに小型化するには限界がある。 【0008】このようなことから、先に本発明者らは上
述した間題点や制限を持たない新しい冷却方式として、
図20に示すようないわゆる蓄冷方式(特願平8−61
458号)を提案した。 【0009】この方式では、極低温冷凍機7を主体とす
る冷却ユニット11と、被保冷物である超電導コイル4
を収容するための真空容器1を主体とする保冷ユニット
12とに分けている。すなわち、超電導コイル4を超電
導転移温度まで冷却するとともに永久電流モードに移行
させるまでの間は、冷却ユニット11と保冷ユニット1
2とに設けられた熱伝導機構13、14を介して冷却ユ
ニット11を被保冷物である超電導コイル4と熱シール
ド5とに熱的に接続して冷却し、冷却後は冷却ユニット
11を保冷ユニット12から分離させて保冷ユニット1
2だけで使用できるようにしている。なお、熱伝導機構
13、14としては、冷却ユニット11および保冷ユニ
ット12の真空を破ることなく、伸縮壁を介して熱的接
続を行う方式や、伸縮壁と真空バルブとを組合わせて熱
的接続を行う方式等が考えられている。 【0010】この方式では、冷却ユニット11を保冷ユ
ニット12から分離させて保冷ユニット12だけで使用
できるようにしている冷却ユニット11を保冷ユニット
12から分離させて保冷ユニット12だけで使用できる
ようにしているので、冷凍機の振動などに悩まされず、
しかも電源等がなくても使用可能となる。また、複数の
保冷ユニット12に対してlつの冷却ユニットllを共
通に用いることができるばかりか、使用現場には保冷ユ
ニット12だけを搬送して据え付ければよいのでより小
型化が可能となり、コストも低滅できる。 【0011】このように蓄冷方式には多くの長所がある
が、保冷ユニット12における保冷時間(断熱時間)が
有限であるという問題がある。通常の装置では少なくと
も数日、できれば数年単位で連続運転できることが要求
される。この保冷時間(断熱時間)を如何にして長くす
るかという点が技術的課題として残されていた。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】上述の如く、蓄冷方式
には多くの利点があるが、断熱時間をさらに長くするこ
とが望まれていた。そこで本発明は、装置全体を大きく
したり、複雑な構成にすることなく、断熱時間を十分に
長くできる断熱容器、断熱装置および断熱方法を提供す
ることを目的としている。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の断熱装置は、内部に対象物を収容可能に形成
されるとともに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容
器と、前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置され
た少なくとも1枚の熱シールド板と、前記熱シールド板
の少なくとも1枚および前記対象物を冷却あるいは加熱
して温度を制御するための温度制御手段とを具備し、前
記温度制御手段によって前記熱シールド板の少なくとも
1枚の温度を調整する際には前記温度制御手段と前記熱
シールド板とを熱的に接続し、温度調整を行った後には
前記温度制御手段と前記熱シールド板とを熱的に分離し
て断熱するように構成されていることを特徴としてい
る。 【0014】また、本発明の断熱容器は、内部に対象物
を収容可能に形成されるとともに上記対象物を囲む断熱
層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記対象物を囲
むように配置された少なくとも1枚の熱シールド板とを
具備し、冷却あるいは加熱を行うことによって温度を制
御するための温度制御手段によって、前記熱シールド板
の少なくとも1枚の温度を調整する際には前記温度制御
手段と前記熱シールド板とを熱的に接続し、温度調整を
行った後には前記温度制御手段と前記熱シールド板とを
熱的に分離して断熱することを特徴としている。 【0015】また本発明の断熱方法は、内部に対象物を
収容可能に形成されるとともに上記対象物を囲む断熱層
を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記対象物を囲む
ように配置された少なくとも1枚の熱シールド板とを具
備した断熱容器の断熱方法であって、冷却あるいは加熱
を行うことによって温度を制御するための温度制御手段
によって、前記熱シールド板の少なくとも1枚の温度を
調整する際には前記温度制御手段と前記熱シールド板と
を熱的に接続し、温度調整を行った後には前記温度制御
手段と前記熱シールド板とを熱的に分離して断熱するこ
とを特徴としている。 【0016】また本発明の断熱装置においては、内部に
対象物を収容可能に形成されるとともに上記対象物を囲
む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記対象
物を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シールド
板と、少なくとも1つの温度制御ステージを有する温度
制御手段と、前記温度制御ステージによって前記熱シー
ルド板の少なくとも1枚および前記対象物を温度制御す
る際には前記温度制御ステージと前記熱シールド板およ
び前記対象物とを熱的に接続し、温度制御を行った後に
は前記温度制御ステージと前記熱シールド板および前記
対象物とを熱的に分離するための熱接続・分離手段とを
備えたことを特徴としている。 【0017】また本発明の断熱方法においては、内部に
対象物を収容可能に形成されるとともに上記対象物を囲
む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記対象
物を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シールド
板とを具備し、温度制御を行うための温度制御手段の温
度制御ステージによって、前記熱シールド板の少なくと
も1枚および前記対象物を温度制御する際には、前記温
度制御ステージと前記熱シールド板および前記対象物と
を熱的に接続し、温度調整を行った後には前記温度制御
ステージと前記熱シールド板および前記対象物とを熱的
に分離して断熱するようにしたことを特徴としている。 【0018】また本発明の断熱方法においては、内部に
対象物を収容可能に形成されるとともに上記対象物を囲
む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記対象
物を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シールド
板と、前記容器外から前記容器内に導入され、前記熱シ
ールド板の少なくとも1枚および前記対象物と熱的に接
続するように配設した後に前記容器外に導出される配管
とを具備してなる断熱容器の断熱方法であって、前記配
管内へ温度制御媒体を供給して前記配管と前記熱シール
ド板および前記対象物との熱交換を行うことによって温
度を制御し、温度制御した後は前記温度制御媒体の供給
を停止して断熱することを特徴としている。 【0019】また本発明の断熱装置においては、内部に
対象物を収容可能に形成されるとともに上記対象物を囲
む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記対象
物を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シールド
板と、前記容器外から前記容器内に導入され、前記熱シ
ールド板の少なくとも1枚および前記対象物と熱的に接
続するように配設した後に前記容器外に導出される配管
と、この配管に接続され、前記配管内へ温度制御媒体を
供給するための媒体供給手段とを備え、温度御を行う際
には、前記配管内へ温度制御媒体を供給して前記配管と
前記熱シールド板および前記対象物との熱交換を行うこ
とによって温度を制御し、温度制御した後は前記温度制
御媒体の供給を停止して断熱することを特徴としてい
る。 【0020】また本発明の断熱方法においては、内部に
貯液容器を収納可能に形成されるとともに上記貯液容器
を囲む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記
貯液容器を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シ
ールド板と、前記容器外から前記容器内に導入され、前
記熱シールド板の少なくとも1枚と熱的に接続した後、
前記貯液容器内へ導入される注液配管とを具備してなる
断熱容器の断熱方法であって、前記熱シールド板の温度
制御を行う際には、前記注液配管内に温度制御媒体を供
給して前記注液配管と前記熱シールド板との熱交換によ
り熱シールド板を温度制御し、温度制御を行った後は、
前記温度制御媒体の供給を停止して断熱することを特徴
としている。 【0021】また本発明の断熱装置においては、内部に
貯液容器を収納可能に形成されるとともに上記貯液容器
を囲む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記
貯液容器を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シ
ールド板と、前記容器外から前記容器内に導入され、前
記熱シールド板の少なくとも1枚と熱的に接続した後、
前記貯液容器内へ導入される注液配管と、前記貯液容器
内より前記前記容器外に導出される排気配管と、前記注
液配管へ温度制御媒体を供給する温度制御媒体供給手段
とを備え、温度制御を行う際には、前記注液配管内に前
記温度制御媒体を供給して前記注液配管と前記熱シール
ド板との熱交換により熱シールド板を温度制御し、温度
制御を行った後は、前記温度制御媒体の供給を停止して
断熱することを特徴としている。 【0022】また本発明の断熱装置において、内部に貯
液容器を収納可能に形成されるとともに上記貯液容器を
囲む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記貯
液容器を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シー
ルド板と、前記容器外から前記容器および前記熱シール
ド板を貫通して前記貯液容器内へ導入される注液配管
と、少なくとも一つの温度制御ステージを有する温度制
御手段と、前記温度制御ステージによって前記熱シール
ド板の少なくとも1枚を温度制御する際には前記温度制
御ステージと前記熱シールド板および前記貯液容器とを
熱的に接続し、温度制御を行った後には前記温度制御ス
テージと前記熱シールド板および前記貯液容器とを熱的
に分離するための熱接続・分離手段とを備えたことを特
徴としている。 【0023】また本発明の断熱方法においては、内部に
貯液容器を収納可能に形成されるとともに上記貯液容器
を囲む断熱層を備えてなる容器と、前記断熱層内に前記
貯液容器を囲むように配置された少なくとも1枚の熱シ
ールド板と、前記容器外から前記容器および前記熱シー
ルド板を貫通して前記貯液容器内へ導入される注液配管
とを具備した断熱容器の断熱方法であって、温度制御ス
テージを備えた温度制御手段によって、前記熱シールド
板の少なくとも1枚および前記貯液容器の温度を調整す
る際には前記温度制御ステージと前記熱シールド板およ
び前記貯液容器とを熱的に接続し、温度調整を行った後
には前記温度制御ステージと前記熱シールド板および前
記貯液容器とを熱的に分離して断熱することを特徴とし
ている。 【0024】(作用)熱シールド板は、図19、図20
に示した従来装置でも用いているが、これらの装置で
は、真空容器温度(高温側温度)と対象物(以下、冷却
対象物を被保冷物と呼ぶ)温度(低温側温度)との中間
の温度に熱シールド板温度(中間温度)を設定してい
る。この場合、被保冷物に輻射によって入る熱は中間温
度と低温側温度とで決まり、中間温度が高温側温度より
低い分だけ減少する。 【0025】一方、中間温度を極端に低くして低温側温
度に近づけようとすると、中間温度を保持するために、
冷凍機への入力が増えることになり、装置全体の効率が
落ちる。このようなことから、従来の装置では熱シール
ド板を高温側温度と低温側温度との中間の温度に保持し
ている。これは熱シールド板の枚数を増やした場合も同
様で、温度を高温側から低温側へと順に低くなるように
設定し、それぞれを別個の冷却源で冷却している。しか
し、熱シールド板の枚数をむやみに増やすことは構造を
複雑にすることになるので、一般的には熱シールド板の
校数は2枚以下である。 【0026】上記のような熱シールド板の設定は、定常
的に内部冷却を受けている真空容器についての最適化で
あり、本発明が対象としている蓄冷方式の断熱容器では
別の最適化を考えている。すなわち、効率はやや落ちて
も保冷時問を長くすることを優先させることを考える。
この条件では熱シールド板を被保冷物と同程度まで冷却
することが最も良い。すなわち、被保冷物と熱シールド
板の温度差が少ないほど被保冷物への熱侵入が少なくな
るからである。この場合、初期の冷却時には、被保冷物
の冷却源と熱シールド板の冷却源とを共通にできること
になる。 【0027】ところで、被保冷物と熱シールド板との温
度差を少なくすることによって、初期には輻射で被保冷
物に侵入する熱量を格段に低減できるが、時間とともに
熱シールド板の温度が上昇すると、被保冷物への熱侵入
が増加する。そこで、この熱シールド板の温度変化を抑
える必要がある。 【0028】その一つの方法として、熱シールド板を比
熱の大きい材料で構成する方法がある。別の方法として
は、熱シールド板の外側に別の熱シールド板を取付け、
先の熱シールド板と同程度の温度に保持することであ
る。さらに、これを数段積み重ねると効果的である。 【0029】比熱の大きな材料としては、たとえば、E
3 Niなどの磁性材が考えられる。これらの磁性材
は、図3に示すように磁気転位点近傍に大きな比熱のピ
ークを持つ。実際、熱シールド板を銅のみで構成した場
合に比べて、磁性材を併用した場合では保冷時間が約1
0倍に増える。 【0030】次に、熱シールド板の枚数を増やした場合
の効果についで説明する。たとえば、全体の体積一定の
条件て熱シールド板の枚数を変えた場合の保冷時間の計
算値を図4に示す。この図6、図7から明らかなよう
に、熱シールド板の枚数を増やすことにより保冷時間か
長くなる。特に、熱シールド板の枚数が3枚以上の場合
にはこの効果が顕著である。したがって、熱シールド板
の枚数を3枚以上にすることによりさらに保冷時間を長
くできる。このように、本発明によれば保冷時問が十分
に長い蓄冷方式の断熱容器、断熱装置が得られる。 【0031】なお、極低温機器を例にとって説明した
が、本発明の原理は温度に関係なく有効であり、液体ヘ
リウムや液体水素、液体窒素、LNGなどの極低温冷
媒、また保存血液や精子等の医療対象物、また冷凍食品
等の食料品、その他、常温や高温に温度を一定に保持し
たいお湯やコーヒー等の被保温物等を対象物として長時
間に互って温度を所定温度に保持させるための断熱容
器、断熱装置にも適用できる。 【0032】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
一実施形態を説明する。 (第1の実施形態)図1には本発明の第1の実施形態に
係る断熱装置、ここには温度を制御する対象物として、
冷却することを対象とした被保冷物としての超電導コイ
ルを超電導転移温度以下(10K以下)の温度に冷却
し、この温度に保冷する断熱装置の概略構成が示されて
いる。 【0033】この断熱装置は、極低温冷凍機21を主体
とする冷却ユニット22と、被保冷物である超電導コイ
ル23を収容する断熱容器24とで構成されている。冷
却ユニット22に組込まれた極低温冷凍機21は、この
例では2段膨張式のGM冷凍榛で構成されており、第1
段冷却ステージ31は70K程度に、また第2段冷却ス
テージ32は4K程度に冷却される。これら第1段冷却
ステージ31および第2段冷却ステージ32は、断熱用
の真空容器33によって覆われている。第2段冷却ステ
ージ32には熱伝導部材34の一端側が熱的に接続され
ており、この熱伝導部材34の他瑞側は真空容器33内
で外部ヘの熱接続を可能とする熱伝導機構部分35まで
延びている。この熱伝導機構部分35はベローズ等から
構成される伸縮壁37を介して真空を破ることなく熱的
接続を行なえる方式であるが、図20に示した従来のも
のと同様に、伸縮壁と真空バルブとを組合わせて真空を
破ることなく熱的接続を行なえる方式等に構成されても
良い。 【0034】一方断熱容器24は真空容器38を備え、
この真空容器38内に超電導コイル23を収容してい
る。真空容器38内で超電導コイル23の回りには、超
電導コイル23を囲むように3枚の熱シールド板39,
40,41が配置されている。これらは熱シールド板3
9,40,41は、それぞれErNi2 層と、Er3
i層と、Cu層とを組合わせたもので、厚さ2mm程度
に形成されている。 【0035】超電導コイル23および熱シールド板3
9,40,41からは、それぞれと熱的に接続されてい
る伝熱板42,43,44,45が真空容器38内で外
部への熱接続を可能とする熱スイッチ部46a,46
b,46c,46dまで伸びている。この熱スイッチ部
46a〜dは熱伝導機構部分35と組み合わされる(熱
的に接続される)ことによって、冷却が行われる。この
接続の様子を図2に示す。なお、熱スイッチ部46a〜
dと熱伝導機構部分35は、伸縮壁と真空バルブとを組
合わせて真空を破ることなく熱的接読を行なえる方式等
に構成されてもよい。 【0036】また、図1ではパワーリードおよび超電導
コイル23に付設される永久電流スイッチが省略されて
いる。パワーリードおよび永久電流スイッチの制御線
は、熱伝導機構部分3534を介して外部と接続され
る。また真空容器38内は10-6Torr程度に排気さ
れている。 【0037】さらに、断熱容器24における各部の機械
的な支持は、図示は省略するが次のようになっている。
すなわち、真空容器38に樹脂部材(FRP)を介して
熱シールド板41が支持され、この熱シールド板41に
樹脂部材を介して熱シールド板40が支持され、この熱
シールド板40に樹脂部材を介して熱シールド板39が
支持され、この熱シールド板39に樹脂部材を介して超
電導コイル23が支持されている。 【0038】このように構成された保冷装置において、
超電導コイル23を超電導転移温度まで冷却するととも
に永久電流モードに移行させるためには、冷却ユニット
22に設けられた熱伝導機構部分35と保冷容器24に
設けられた熱スイッチ部46a〜dとを図2に示したよ
うに熱的に接続した状態にして冷却を開始する。 【0039】こうすることによって、熱伝導機構部分3
5と各々の伝熱板42,43,44,45が熱的に接続
され、熱スイッチ部46はONの状態となる。従って、
この状態では伝熱板42,43,44,45と熱伝導部
材34を介して、超電導コイル23および熱シールド板
39,40,41は、極低温冷凍機21の第2段冷却ス
テージ32と熱的に接続された状態となる。 【0040】極低温冷凍機21を運転すると、第1段冷
却ステージ31は約70Kに保たれ、第2段冷却ステー
ジ32および熱伝導部材34は約4Kに保たれるので、
一定時間経過した後に熱シールド板39,40、41お
よび超電導コイル23が4Kに冷却される。つまり、超
電導コイル23は、超電導転移温度以下に冷却されるこ
とになる。 【0041】このような状態で、永久電流モードに移行
させた後に,冷却ユニット22を保冷容器24から分離
させる。この時、伝熱板42,43,44,45と熱伝
導機構部分35は熱的に切り離された状態になり、熱ス
イッチ部46はOFFの状態となる。さらに、各伝熱板
42,43,44,45は図1に示したようにそれぞれ
が離れた状態となる。従って、超電導コイル23と各熱
シールド板39,40,41は熱的に分離された状態と
なり、以後、超電導コイル23は、自身の熱容量と熱シ
ールド板39,40,41の輻射熱遮蔽効果によって決
まる時間だけ保冷されることになる。 【0042】この場合、被保冷物である超電導コイル2
3と、この外側に位置している熱シールド板39,4
0,41は初期において同温度に冷却されている。超電
導コイル23への熱侵入は超電導コイル23のすぐ外側
に位置する熱シールド板39との温度差によってのみ決
まるため、超電導コイル23への熱侵入はほとんど存在
しない。室温部にある真空容器38から入る熱は最外層
に位置する熱シールド板41に入り、熱シールド板41
の温度が上昇する。熱シールド板41の温度が上昇する
と、熱シールド板40との間に温度差が生じ、熱シール
ド板40への熱侵入が増加し、熱シールド板40の温度
が熱シールド板41より遅れて上昇しはじめる。 【0043】さらに、熱シールド板40の温度が上昇す
ると、熱シールド板39との間に温度差が生じ、熱シー
ルド板39への熱侵入が増加し、熱シールド板39の温
度が熱シールド板40より遅れて上昇しはじめる。熱シ
ールド板39の温度が上昇すると、超電導コイル23と
の間に温度差が生じ、超電導コイル23への熱侵入が増
加して、超電導コイル23の温度が上昇を始める。 【0044】しかしながら、超電導コイル23が温度上
昇を始めるには、回りを囲む熱シールド板39,40,
41の温度が徐々に上がった後であり、特に、熱シール
ド板39の温度が上昇を始める以前は、超電導コイル2
3への熱侵入は、長期間に互って極めて少ない状態に保
持される。したがって、保冷時間を十分に長くすること
ができる。 【0045】上述した例では、3枚の熱シールド板を用
いたが、5枚、10枚と熱シールド板の枚数を増やすと
保冷時間が延びることは図6、図7に示しす通りであ
る。また、上述した3枚の熱シールド板の外側に、さら
に熱シールド板を設け、極低温冷凍機21の第1段冷却
ステージ31で同様に冷却して切り離してもよい。 【0046】(第2の実施形態)図5には本発明の第2
の実施形態に係る断熱容器50の例が示されている。こ
の例に係る断熱容器50では、6枚の熱シールド板51
〜56と超電導コイル57〜59の全てを2段膨張式G
M冷凍機の第2段冷却ステージ(4K)で初期冷却する
ように構成されている。なお、図中60は真空容器を示
している。また、図1で示した冷却ユニットや熱スイッ
チ部分は省略しているが、シールド板の枚数および超電
導コイルの構成の相違以外の部分は図1に示した実施形
態と同様である。なお、図5でもパワーリードおよび超
電導コイルに付設される永久電流スイッチは省略されて
いる。 【0047】この第2の実施形態においても極低温冷凍
機を運転すると、一定時間経過した後に熱シールド板5
1〜56および超電導コイル57〜59が4Kに冷却さ
れる。このような状態で、永久電流モードに移行させた
後に,冷却ユニットを断熱容器から分離させて熱スイッ
チ部をOFFの状態とする。この状態で、超電導コイル
57〜59と各熱シールド板51〜56は外部と熱的に
分離された状態となり、以後、超電導コイル57〜59
は、自身の熱容量と熱シールド板51〜56の輻射熱遮
蔽効果によって決まる時間だけ保冷されることになる。 【0048】図6には図5に示した断熱容器50を十分
に初期冷却し、冷却源を取り外した後の各熱シールド板
51〜56の温度変化が示されている。また、図7に各
熱シールド板間の伝熱量の計算値が示されている。この
断熱容器50では20日間(約1.7Msec)以上の
長時間に互って超電導コイル57−59を4.6K以下
に保持することができる。 【0049】(第3の実施形態)図8には、本発明の第
3の実施形態に係る断熱容器の例が示されており、図
1,図2に示した第1の実施形態と同一部分には同一符
号を付し、以下ではその重複する説明は省略する。 【0050】この第3の実施形態に係る断熱容器では、
被保冷物(対象物)としての超電導コイルを超電導転移
温度以下(10K以下)の温度に冷却し、この温度に保
冷する断熱装置の概略構成が示されている。 【0051】この第3の実施形態では、被保冷物である
超電導コイル23と、これを取り囲むように配置された
3枚の熱シールド板39,40,41とを2段膨張式G
M冷凍機21の冷却ステージで初期冷却する点は第1の
実施形態と同様であるが、、冷凍機21は真空容器38
へマウントして取付けたまま、取り外さずに熱スイッチ
のON−OFFのみで断熱するように構成されている。 【0052】具体的には、超電導コイル23と超電導コ
イル23を囲む内側2層の熱シールド板39,40は、
それぞれ熱スイッチ61,62,63によって、極低温
冷凍機21の第2段冷却ステージ32と接続されてい
る。また、最外層の熱シールド板40は、熱スイッチ6
4によって、極低温冷凍機21の第1段冷却ステージ3
1と接続されている。 【0053】図9には、熱スイッチ61〜64の詳細な
構造が示されている。熱スイッチ61〜64は、両端を
伝熱板65,66でふさがれた円筒67内に、配管68
を介して熱伝導ガスの供給・排出装置69から、熱伝導
ガスとして例えばヘリウムガスを供給・排出することに
よって熱的なON/OFFを行うように構成されたガス
圧力式の熱スイッチである。円筒67内には、両端の伝
熱板65,66から突起板65a,66aが多数突出
し、互いに狭い間隔で入れ子(櫛歯)状に対向してい
る。 【0054】この円筒67内へ供給・排出装置69から
配管68を介してヘリウムガス供給し封入することによ
り、ヘリウムガスの熱伝導を利用して、両伝熱板65,
66間を熱が移動し、熱スイッチはONとなる。ヘリウ
ムガスを排気し、熱スイッチ内を真空にすると、両伝熱
板65,66間の熱の移動はなくなり、熱スイッチはO
FFとなる。 【0055】今、熱スイッチ61〜64内へヘリウムガ
スを供給して各々の熱スイッチ61〜64をONにし
て、極低温冷凍機21を始動させる。第1段冷却ステー
ジ31は熱シールド板41を、第2段冷却ステージ32
は熱シールド板39,40と超電導コイル23とをそれ
ぞれ熱スイッチ61〜64を介して冷却する。 【0056】十分時間がたつと、熱シールド板41は第
1段冷却ステージ31とほぼ等しい温度(約40K)お
よび熱シールド板39,40と超電導コイル23は第2
段冷却ステージ32とほぼ等しい温度(4K)となる。
ここで、熱スイッチ61〜64内のヘリウムガスを排気
して熱スイッチをそれぞれOFFとし、各熱シールド板
39〜41および超電導コイル23と、第1および2段
冷却ステージ31,32とを熱的に分離し、極低温冷凍
機21の運転を止める。 【0057】以後、超電導コイル23は、第1の実施形
態例で説明したのと同じ作用・効果を奏し、自身の熱容
量と熱シールド板39〜41の輻射熱遮蔽効果によって
決まる時間だけ保冷されることになる。 【0058】なお、図9に示した熱スイッチは、内部の
熱伝導性のガスの圧力を調整してスイッチングを行うガ
ス圧力式の熱スイッチを示したが、本発明で用いられる
熱スイッチはこれに限定されるものではない。 【0059】例えば、第1の伝熱体に対して第2の伝熱
体が相対移動可能に駆動機構を設けておき、これら第
1,2の伝熱体同士を機械的に移動させて接触と非接触
を切り換えるように構成された機械的な熱スイッチでも
良い。この機械的な熱スイッチは、第2の伝熱体を第1
の伝熱体と接触させた状態で熱が伝導(スイッチON)
され、第2の伝熱体を第1の伝熱体と機械的に切離して
非接触とさせた状態で熱熱的に分離(スイッチOFF)
される。 【0060】(第4の実施形態)図10には、本発明の
第4の実施形態に係る断熱容器の例が示されている。こ
の第4の実施形態においては、先の実施形態と同一部分
は図示および説明を省略する。この実施形態では、被保
冷物(対象物)として、先の超電導コイルの代わりに臨
界の温度の高い酸化物超電導体バルクを用いた点が特徴
である。 【0061】具体的には、この例に係る断熱容器70で
は、臨界温度が80Kの酸化物超電導体バルク71〜7
4と、これを取り囲むように配置された3枚の熱シール
ド枚75〜77とを1段膨張式GM冷凍機の冷却ステー
ジ(70K)で初期冷却するように構成されている。な
お、図10中、78は冷却ユニット連結部を示し、79
は酸化物超電導体バルクを支持する支持材を示してい
る。 【0062】この第4の実施形態においても極低温冷凍
機を運転すると、一定時間経過した後に熱シールド板7
5〜77および酸化物超電導バルク71〜74が70K
に冷却される。このような状態で、冷却ユニットを断熱
容器から分離させて熱スイッチ部をOFFの状態とす
る。この状態で、酸化物超電導バルク71〜74と各熱
シールド板75〜77は外部と熱的に分離された状態と
なり、以後、酸化物超電導バルク71〜74は、自身の
熱容量と熱シールド板75〜77の輻射熱遮蔽効果によ
って決まる時間だけ保冷されることになる。 【0063】(第5の実施形態)図11(a)には本発
明の第5の実施形態に係る断熱装置80、ここには図1
1(b)に拡大して示すように、断熱容器81内に収容
されている酸化物超電導体を用いたSQUID 82を80K
以下に保冷する装置の例が示されている。図中、83は
冷却ユニットを示し、84,85は熱的な接続部を示
し、86は真空容器を示し、87はSQUID 82と同温度
に初期冷却される複数枚の熱シールド板を示し、必要な
熱スイッチ等は図示が省略されている。 【0064】この図11(a)(b)に示した実施形態
でも先の実施形態と同様に、極低温冷凍機を運転する
と、一定時間経過した後に熱シールド板87およびSQUI
D 82が冷却される。このような状態で、冷却ユニット
83を断熱容器から分離させて熱スイッチ部をOFFの
状態とする。この状態で、SQUID 82と各熱シールド板
87は外部と熱的に分離された状態となり、以後、SQUI
D 82は、自身の熱容量と熱シールド板87の輻射熱遮
蔽効果によって決まる時間だけ保冷されることになる。
なお、同様の構成で赤外線センサーやSIS ミキサー等を
保冷(断熱)することも可能である。 【0065】(第6の実施形態)図12には本発明の第
6の実施形態に係る断熱装置90、ここには断熱容器9
1内に収容されている冷凍食品92を−20℃以下に保
冷する装置の例が示されている。なお図中、93は冷却
ユニットを示し、91は熱的な接続部を示し、95は真
空容器を示し、96は内槽を示し、97は冷凍食品92
と同温度に初期冷却される複数の熱シールド板を示して
いる。 【0066】この第6の実施形態でも先の実施形態と同
様に、冷凍機を運転すると、一定時間経過した後に熱シ
ールド板97および冷凍食品92が冷却される。このよ
うな状態で、冷却ユニット93を断熱容器91から分離
させて熱スイッチ部をOFFの状態とする。この状態
で、冷凍食品92と各熱シールド板97は外部と熱的に
分離された状態となり、以後、冷凍食品92は、自身の
熱容量と熱シールド板97の輻射熱遮蔽効果によって決
まる時間だけ保冷されることになる。 【0067】同様の構成で保存血液や精子等の医療関連
対象物等の保冷も可能である。 (第7の実施形態)図13には、本発明の第7の実施形
態に係る断熱装置100の例が示されている。この例に
係る断熱装置では、真空容器101と真空容器101内
に収納された超電導コイル102、超電導コイル102
の回りを囲む3枚のシールド板103〜105、および
冷却用の配管106および弁107、108を介して接
続される冷媒供給装置109、排気装置110等から構
成されている。 【0068】真空容器101外から真空容器101内に
導入される冷却配管106は、各熱シールド板103〜
105と熱的に接続して熱交換するような熱交換器10
6a〜106cを有し、最後に超電導コイル102の回
りに設けられた熱交換器106dで超電導コイル102
と熱的に接続された後、真空容器101外へ導出される
よう引き回されて配設されている。 【0069】冷却用の液体ヘリウムを冷媒供給装置10
9から上記弁107、配管106を介して真空容器10
1内へ流し込み、各々の熱交換器106a〜106dで
各シールド板103〜105および超電導コイル102
と熱交換を行ってそれぞれを冷却する。 【0070】各熱シールド板103〜105および超電
導コイル102が液体ヘリウム温度(4.2K)になっ
た時点で、図中には示されていない、パワーリードを用
いて超電導コイル102に電流を供給し、さらに同じく
図中には示されていない永久電流スイッチを用いて、超
電導コイルを永久電流モードにする。 【0071】その時点で、冷媒供給装置109および弁
107を制御して液体ヘリウムの供給を停止する。その
後、排気装置110および弁108を制御して配管10
6内を真空排気し、真空排気した後は、弁107,10
8を閉じて配管106内を真空機密とすることで、配管
106からの熱侵入を減らすことができ、断熱状態を達
成できる。 【0072】以後、超電導コイルは、図1の実施例で説
明したのと同じように、自身の熱容量と熱シールド板の
輻射熱遮蔽効果によって決まる時間だけ保冷されること
になる。 【0073】(第8の実施形態)図14には本発明の第
8の実施形態に係る断熱装置の例が示されている。この
例に係る断熱装置容器では、真空容器111と真空容器
111内に収納された液体ヘリウム容器112、および
液体ヘリウム容器112の回りを囲む2枚のシールド板
113、114およびヘリウム供給用の供給装置11
5、一端がこの供給装置115に連結され、他端が液体
ヘリウム容器112内へ開放しているヘリウム配管11
6、一端が液体ヘリウム容器112内に連結し、他端が
真空容器111を貫通して大気中へ開放されている排気
管117等から構成されている。 【0074】液体ヘリウム容器112内には例えば超電
導コイル119等の被保冷物が収納されている。ヘリウ
ム配管116は、各熱シールド板113,114と熱交
換するような熱交換器116a,116bを有し、真空
容器111外に設けられた供給装置115から真空容器
112内に導入され、これら熱交換器116a,116
bを熱シールド板113,114と熱的に接続し、最後
に液体ヘリウム容器112の内部に導入されて開放され
ている。 【0075】液体ヘリウムを供給装置115からヘリウ
ム配管116内へ流し込み、熱交換器116a,116
で各シールド板113,114と熱交換して冷却した
後、液体ヘリウム容器112内へ液体ヘリウムが供給さ
れ、超電導コイル119を冷却する。各熱シールド板1
13,114および超電導コイル119が液体ヘリウム
温度(4.2K)に冷却され、さらに液体ヘリウム容器
112内に液体ヘリウムが溜まった時点で、図中には示
されていない、パワーリードを用いて超電導コイル11
9に電流を供給し、さらに同じく図中には示されていな
い永久電流スイッチを用いて、超電導コイル119を永
久電流モードにした後、供給装置115を制御して液体
ヘリウムの供給を止める。 【0076】以後は、上述した実施形態と同じく、ヘリ
ウム容器112および液体ヘリウム、超電導コイル11
9自身の熱容量と熱シールド板113,114の輻射熱
遮蔽効果によって決まる時間だけ保冷されることにな
る。その際、ヘリウム配管117は、室温部の真空容器
111外で断熱効果を得るために蓋をして密閉してもよ
いし、蒸発ガスでシールド板を冷却してもよい。 【0077】(第9の実施形態)図15には本発明の第
9の実施形態に係る断熱装置の例が示されている。この
例に係る保冷装置では、真空容器121と真空容器12
1内に収納された液体ヘリウム容器122、および液体
ヘリウム容器122の回りを囲む3枚の熱シールド板1
23〜125、および冷却用の2段GM冷凍機126等
から構成されている。なお、液体ヘリウム容器122内
には超電導コイル127が収納されている。 【0078】液体ヘリウム容器122とこの液体ヘリウ
ム容器122を囲む内側2層の熱シールド板123,1
24は、それぞれ熱スイッチ128〜130を介して、
冷凍機126の第2段冷却ステージ132と熱的に接続
されている。また、最外層の熱シールド板125は、熱
スイッチ131を介して、極低温冷凍機126の第1段
冷却ステージ133と熱的に接続されている。熱スイッ
チ128〜131の構造は、例えば図9に示したものと
同様のガス圧力制御式の熱スイッチを用いることができ
る。 【0079】液体ヘリウム容器122から真空容器12
1外部まで延出して大気中に開放している液体ヘリウム
供給配管134より、液体ヘリウム容器122内に液体
ヘリウムを供給するとともに、熱スイッチ128〜13
1をONにして、極低温冷凍機126を始動させる。第
1段冷却ステージ133は熱シールド板125を、第2
段冷却ステージ132は熱シールド板122〜124を
それぞれ熱スイッチ128〜131を介して冷却する。 【0080】十分時間がたつと、熱シールド板125は
第1段冷却ステージ133とほぼ等しい温度(約40
K)、および熱シールド板122〜124は第2段冷却
ステージ132とほぼ等しい温度(4K)となる。さら
に、液体ヘリウム容器内には、液体ヘリウムが必要量溜
められる。 【0081】ここで、図中には示されていない、パワー
リードを用いて超電導コイル127に電流を供給し、さ
らに同じく図中には示されていない永久電流スイッチを
用いて、超電導コイル127を永久電流モードにする。 【0082】さらに、熱スイッチ128〜131内のヘ
リウムガスを排気して熱スイッチをOFFとし、各熱シ
ールド板122〜125と第1および2段冷却ステージ
132,133を熱的に分離し、極低温冷凍機126の
運転を止める。 【0083】以後、液体ヘリウム容器、液体ヘリウムお
よび超電導コイルは、第1の実施形態で説明したのと同
じように、自身の熱容量と熱シールド板の輻射熱遮蔽効
果によって決まる時間だけ保冷されることになる。その
際、ヘリウム配管134は、室温部の真空容器121外
で蓋をして密閉してもよいし、蒸発ガスでシールド板を
冷却してもよい。 【0084】(第10の実施形態)図16には本発明の
第10の実施形態に係る断熱装置の例が示されている。
この例に係る断熱装置では、先の第1乃至第9の実施形
態で示した温度制御の対象物の種類が、冷却を対象とし
た被保冷物から、加熱を対象とした被保温物に代えた例
であり、本発明の断熱容器、断熱装置の他の適用例であ
る。 【0085】この実施形態では、真空容器141と真空
容器141内に収納された液体容器142、液体容器1
42の回りを囲む3枚のシールド板143〜145、加
熱用のヒータ146及び蓋147等から構成されてい
る。 【0086】液体容器142に例えば水(お湯)やコー
ヒー等の保温したい液体を注液し、加熱用ヒータ146
をONにして温度を上げる。この時、加熱用ヒータ14
6は、液体容器142及びそれを囲む3枚の熱シールド
板143〜145にも熱的に接続して取り付けられてお
り、液体容器142と熱シールド板143〜145を同
時に加熱する。 【0087】液体容器142内の液体が所定の温度、例
えば95℃程度の温度になった時点で、加熱用ヒータを
止める。この時、各熱シールド板143〜145の温度
も保温すべき液体とほぼ同じ温度あるいはそれ以上の温
度に加熱されている。液体容器加熱用のヒータ146を
OFFにした際には、同じく熱シールド板143〜14
5への加熱も止める。 【0088】以後、加熱された液体は、先の実施形態で
説明したのと同じように、自身の熱容量と熱シールド板
143〜145の輻射熱遮蔽効果によって決まる時間だ
け保温されることになる。従来の断熱容器が、頻繁に加
熱ヒータをON/OFFさせて保温を行うのに対し、本発明に
係る断熱容器、断熱装置では、初期に加熱を行うのみ
で、以後一切の熱入力を伴わず長時間保温が可能とな
る。 【0089】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば蓄冷
方式を採用した断熱容器、断熱装置の保冷あるいは保温
等の断熱時間を飛躍的に長くすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1の実施形態に係る断熱装置の概
略構成図。 【図2】 本発明の第1の実施形態に係る断熱装置に使
用される熱スイッチ部がONの状態を説明するための概
略構成図。 【図3】 磁気転位点近傍に大きな比熱を持つ磁性材の
比熱特性を示す図。 【図4】 本発明に係る熱シールド板の枚数と保冷時間
との関係を示す図。 【図5】 本発明の第2の実施形態に係る断熱容器の概
略構成図。 【図6】 本発明に係る熱シールド板の温度の時間変化
の一例を示す図。 【図7】 本発明に係る熱シールド板の伝熱量の時間変
化の一例を示す図。 【図8】 本発明の第3の実施形態に係る断熱装置の概
略構成図。 【図9】 本発明に係る断熱装置に使用される熱スイッ
チ一例を示す概略構成図。 【図10】 本発明の第5の実施形態に係る断熱容器の
概略構成図。 【図11】 本発明の第6の実施形態に係る断熱装置の
概略構成図。 【図12】 本発明の第7の実施形態に係る断熱装置の
概略構成図。 【図13】 本発明の第8の実施形態に係る断熱装置の
概略構成図。 【図14】 本発明の第9の実施形態に係る断熱装置の
概略構成図。 【図15】 本発明の第10の実施形態に係る断熱装置
の概略構成図。 【図16】 本発明の第11の実施形態に係る断熱装置
の概略構成図。 【図17】 従来の液体ヘリウム浸潰冷却式超電導磁石
の概略構成図。 【図18】 冷凍機直冷式超電導磁石の概略構成図。 【図19】 冷凍機直冷式超電導磁石の別の例の概略構
成図。 【図20】 蓄冷方式の冷凍機冷却超電導磁石の概略構
成図。 【符号の説明】 21 冷凍機(温度制御手段、冷却源) 22、83、93 冷却ユニット 23、57、58、59、102、119、127 対
象物(被保冷物)としての超電導コイル 24、50、70、8l、91 断熱容器 34、35、42、43 熱伝導部材 36、44 熱伝導機構部分 39−41,51−56,75−77、87、97、1
01〜105 熱シールド板 113,114、123〜125、143〜145 熱
シールド板 71〜74 対象物(被保冷物)としての酸化物超電導
体バルク 82 対象物(被保冷物)としてのSQID 92 対象物(被保冷物)としての冷凍食品 146 ヒータ(温度制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 安見 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中込 秀樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】内部に対象物を収容可能に形成されるとと
    もに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容器と、 前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置された少な
    くとも1枚の熱シールド板と、 前記熱シールド板の少なくとも1枚および前記対象物を
    冷却あるいは加熱して温度を制御するための温度制御手
    段とを具備し、 前記温度制御手段によって前記熱シールド板の少なくと
    も1枚の温度を調整する際には前記温度制御手段と前記
    熱シールド板とを熱的に接続し、温度調整を行った後に
    は前記温度制御手段と前記熱シールド板とを熱的に分離
    して断熱するように構成されていることを特徴とする断
    熱装置。 【請求項2】内部に対象物を収容可能に形成されるとと
    もに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容器と、 前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置された少な
    くとも1枚の熱シールド板とを具備し、 冷却あるいは加熱を行うことによって温度を制御するた
    めの温度制御手段によって、前記熱シールド板の少なく
    とも1枚の温度を調整する際には前記温度制御手段と前
    記熱シールド板とを熱的に接続し、温度調整を行った後
    には前記温度制御手段と前記熱シールド板とを熱的に分
    離して断熱することを特徴とする断熱容器。 【請求項3】内部に対象物を収容可能に形成されるとと
    もに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容器と、 前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置された少な
    くとも1枚の熱シールド板とを具備した断熱容器の断熱
    方法であって、 冷却あるいは加熱を行うことによって温度を制御するた
    めの温度制御手段によって、前記熱シールド板の少なく
    とも1枚の温度を調整する際には前記温度制御手段と前
    記熱シールド板とを熱的に接続し、温度調整を行った後
    には前記温度制御手段と前記熱シールド板とを熱的に分
    離して断熱することを特徴とする断熱方法。 【請求項4】前記熱的な接続および分離は、前記熱シー
    ルド板の少なくとも1枚と前記温度制御手段とにそれぞ
    れ熱的に接続される熱スイッチによって行うことを特徴
    とする請求項1記載の断熱装置。 【請求項5】前記温度制御手段によって前記対象物の温
    度制御を行うために、温度を調整する際には前記温度制
    御手段と前記対象物とを熱的に接続し、温度調整を行っ
    た後には前記温度制御手段と前記対象物とを熱的に分離
    して断熱するように構成されていることを特徴とする請
    求項5記載の断熱装置。 【請求項6】前記熱的な接続・分離は、前記熱シールド
    板と前記温度制御手段とを熱的に分離している際には、
    前記熱シールド板と前記対象物とは熱的に分離するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項5記載の断熱
    装置。 【請求項7】前記温度制御手段と前記熱シールド板とを
    熱的に接続する際には、前記温度制御手段を前記容器に
    取付けて行い、熱的に分離する際には、前記温度制御手
    段を前記容器から切離せるように、前記容器に対して前
    記温度制御手段を着脱可能に構成したことを特徴とする
    請求項1記載の断熱装置。 【請求項8】内部に対象物を収容可能に形成されるとと
    もに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容器と、 前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置された少な
    くとも1枚の熱シールド板と、 少なくとも1つの温度制御ステージを有する温度制御手
    段と、 前記温度制御ステージによって前記熱シールド板の少な
    くとも1枚および前記対象物を温度制御する際には、前
    記温度制御ステージと前記熱シールド板および前記対象
    物とを熱的に接続し、温度制御を行った後には前記温度
    制御ステージと前記熱シールド板および前記対象物とを
    熱的に分離するための熱接続・分離手段とを備えたこと
    を特徴とする断熱装置。 【請求項9】内部に対象物を収容可能に形成されるとと
    もに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容器と、 前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置された少な
    くとも1枚の熱シールド板とを具備し、 温度制御を行うための温度制御手段の温度制御ステージ
    によって、前記熱シールド板の少なくとも1枚および前
    記対象物を温度制御する際には前記温度制御ステージと
    前記熱シールド板および前記対象物とを熱的に接続し、
    温度調整を行った後には前記温度制御ステージと前記熱
    シールド板および前記対象物とを熱的に分離して断熱す
    るようにしたことを特徴とする断熱方法。 【請求項10】前記熱接続・分離手段は、前記熱シール
    ド板の少なくとも1枚と前記温度制御手段とにそれぞれ
    熱的に接続される熱スイッチであることを特徴とする請
    求項8記載の断熱装置。 【請求項11】前記熱接続・分離手段は、前記熱シール
    ド板と前記冷却源とを熱的に分離している際には、前記
    熱シールド板と前記対象物とは熱的に分離するように構
    成されていることを特徴とする請求項8記載の断熱装
    置。 【請求項12】前記温度制御手段の温度制御ステージと
    前記熱シールド板とを熱的に接続する際には、前記温度
    制御手段を前記容器に取付けて行い、熱的に分離する際
    には、前記温度制御手段を前記容器から切離せるよう
    に、前記容器に対して前記温度制御手段を着脱可能に構
    成したことを特徴とする請求項8記載の断熱装置。 【請求項13】内部に対象物を収容可能に形成されると
    ともに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容器と、 前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置された少な
    くとも1枚の熱シールド板と、 前記容器外から前記容器内に導入され、前記熱シールド
    板の少なくとも1枚および前記対象物と熱的に接続する
    ように配設した後に前記容器外に導出される配管とを具
    備してなる断熱容器の断熱方法であって、 前記配管内へ温度制御媒体を供給して前記配管と前記熱
    シールド板および前記対象物との熱交換を行うことによ
    って温度を制御し、温度制御した後は前記温度制御媒体
    の供給を停止して断熱することを特徴とする断熱方法。 【請求項14】内部に対象物を収容可能に形成されると
    ともに上記対象物を囲む断熱層を備えてなる容器と、 前記断熱層内に前記対象物を囲むように配置された少な
    くとも1枚の熱シールド板と、 前記容器外から前記容器内に導入され、前記熱シールド
    板の少なくとも1枚および前記対象物と熱的に接続する
    ように配設した後に前記容器外に導出される配管と、 この配管に接続され、前記配管内へ温度制御媒体を供給
    するための媒体供給手段とを備え、 温度御を行う際には、前記配管内へ温度制御媒体を供給
    して前記配管と前記熱シールド板および前記対象物との
    熱交換を行うことによって温度を制御し、温度制御した
    後は前記温度制御媒体の供給を停止して断熱することを
    特徴とする断熱装置。 【請求項15】前記配管は、前記熱シールド板あるいは
    前記対象物と熱的に接続される部分に熱交換部が設けら
    れていることを特徴とする請求項14記載の断熱装置。 【請求項16】前記配管に接続され、前記配管内を排気
    し配管内を真空に保持するための排気手段を更に設け、
    前記温度制御媒体の供給を停止した後は、前記排気手段
    によって前記配管内を真空排気して真空に保持して断熱
    することを特徴とする請求項14記載の断熱装置。 【請求項17】内部に貯液容器を収納可能に形成される
    とともに上記貯液容器を囲む断熱層を備えてなる容器
    と、 前記断熱層内に前記貯液容器を囲むように配置された少
    なくとも1枚の熱シールド板と、 前記容器外から前記容器内に導入され、前記熱シールド
    板の少なくとも1枚と熱的に接続した後、前記貯液容器
    内へ導入される注液配管とを具備してなる断熱容器の断
    熱方法であって、 前記熱シールド板の温度制御を行う際には、前記注液配
    管内に温度制御媒体を供給して前記注液配管と前記熱シ
    ールド板との熱交換により熱シールド板を温度制御し、
    温度制御を行った後は、前記温度制御媒体の供給を停止
    して断熱することを特徴とする断熱方法。 【請求項18】内部に貯液容器を収納可能に形成される
    とともに上記貯液容器を囲む断熱層を備えてなる容器
    と、 前記断熱層内に前記貯液容器を囲むように配置された少
    なくとも1枚の熱シールド板と、 前記容器外から前記容器内に導入され、前記熱シールド
    板の少なくとも1 枚と熱的に接続した後、前記貯液容器
    内へ導入される注液配管と、 前記貯液容器内より前記前記容器外に導出される排気配
    管と、 前記注液配管へ温度制御媒体を供給する温度制御媒体供
    給手段とを備え、 温度制御を行う際には、前記注液配管内に前記温度制御
    媒体を供給して前記注液配管と前記熱シールド板との熱
    交換により熱シールド板を温度制御し、温度制御を行っ
    た後は、前記温度制御媒体の供給を停止して断熱するこ
    とを特徴とする断熱装置。 【請求項19】前記注液配管は、前記熱シールド板ある
    いは前記貯液容器と熱的に接続される部分に熱交換部が
    設けられていることを特徴とする請求項18記載の断熱
    装置。 【請求項20】内部に貯液容器を収納可能に形成される
    とともに上記貯液容器を囲む断熱層を備えてなる容器
    と、 前記断熱層内に前記貯液容器を囲むように配置された少
    なくとも1枚の熱シールド板と、 前記容器外から前記容器および前記熱シールド板を貫通
    して前記貯液容器内へ導入される注液配管と、 少なくとも一つの温度制御ステージを有する温度制御手
    段と、 前記温度制御ステージによって前記熱シールド板の少な
    くとも1枚を温度制御する際には前記温度制御ステージ
    と前記熱シールド板および前記貯液容器とを熱的に接続
    し、温度制御を行った後には前記温度制御ステージと前
    記熱シールド板および前記貯液容器とを熱的に分離する
    ための熱接続・分離手段とを備えたことを特徴とする断
    熱装置。 【請求項E21】内部に貯液容器を収納可能に形成され
    るとともに上記貯液容器を囲む断熱層を備えてなる容器
    と、 前記断熱層内に前記貯液容器を囲むように配置された少
    なくとも1枚の熱シールド板と、 前記容器外から前記容器および前記熱シールド板を貫通
    して前記貯液容器内へ導入される注液配管と、 を具備した断熱容器の断熱方法であって、 温度制御ステージを備えた温度制御手段によって、前記
    熱シールド板の少なくとも1 枚および前記貯液容器の温
    度を調整する際には前記温度制御ステージと前記熱シー
    ルド板および前記貯液容器とを熱的に接続し、温度調整
    を行った後には前記温度制御ステージと前記熱シールド
    板および前記貯液容器とを熱的に分離して断熱すること
    を特徴とする断熱方法。 【請求項22】前記熱接続・分離手段は、前記熱シール
    ド板の少なくとも1枚と前記冷却源とにそれぞれ熱的に
    接続される熱スイッチであることを特徴とする請求項2
    0記載の断熱装置。 【請求項23】前記熱シールド板の少なくとも一部は、
    比熱の大きい材料で形成されていることを特徴とする請
    求項1、請求項8、請求項14、請求項18、請求項2
    0のいずれかに記載の断熱装置。 【請求項24】前記比熱の大きい材料は、磁気転位点近
    傍に大きな比熱を持つ磁性材であることを特徴とする請
    求項23記載の断熱装置。 【請求項25】前記シールド板を前記対象物とほぼ等し
    い温度に温度制御することを特徴とする請求項1、請求
    項8、請求項14、請求項18、請求項20のいずれか
    に記載の断熱装置。
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