JPH10238800A - 熱交換装置及び空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】通過路となる各フィンチューブの冷媒回路接続
の割当てを簡素化して収納スペースを小さなものとしな
がら、熱交換の効率を向上させる。 【解決手段】前面及び上面に空気吸込口4 〜6 を設け、
前面下部から下面にかけて空気吹出口12を設けた筐体3
内の風路中にフィンチューブ形熱交換器7 及びクロスフ
ローファン8 を順次配設すると共に、上記熱交換器7 を
複数、例えば第１〜第３段部分9 〜11に分割し、これら
複数の部分9 〜11を上記前面及び上面の空気吸込口4 〜
6 に対向して屈曲状に配設してなる空気調和機におい
て、上記第１〜第３段部分9 〜11を通過する風速の大小
に応じ、通過速度が大きくなる部分ほどそのチューブ10
a ，9a，11a の径を順次大きくしてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機の筐体
内に多段に折り曲げて配置する熱交換器及びこの熱交換
器をフロントパネル及びベースを組合わせた筐体内に配
置した空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、空気調和機の室内機において
は、筺体内にプレートフィンチューブ形の熱交換器（以
下、熱交換器と省略する）とクロスフローファンとが配
置されており、クロスフローファンの回転により空気の
吸込み口より吸込まれた空気が熱交換器の通過時に冷房
／暖房の運転時に応じて吸熱あるいは加熱されるように
熱交換された後に該クロスフローファンを介して空気吹
出し口より吹出される構成となっている。

【０００３】しかるに熱交換器は、筺体内でクロスフロ
ーファンを中心として略円弧状に複数段、例えば３段に
折曲げて配置されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数段
を略円弧状に折曲げて筐体内に配置した熱交換器では、
各段によって通過風速が異なるため、内部を通過する冷
媒の熱交換の度合いも異なることとなる。したがって、
各段の熱交換器を構成するフィンチューブを単純に１つ
の冷媒回路として接続すると、回路バランスが崩れ、効
率的に運転することができない。

【０００５】そのため、熱交換器の各段における通過風
速の分布を考慮した上で、部分的に複数の冷媒回路とな
るように通過路となる各フィンチューブを割当てて接続
しているが、その割当てと接続構造とが複雑であり、熱
交換器全体の収納スペースが増加してしまうという不具
合もあった。

【０００６】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、通過路となる各フ
ィンチューブの冷媒回路接続の割当てを簡素化して収納
スペースを小さなものとしながら、熱交換の効率を向上
させることが可能な熱交換器及びこの熱交換器を用いた
空気調和機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、フィンチュー
ブ形熱交換器を複数に分割し、これら複数のフィンチュ
ーブ形熱交換器を風路中に屈曲状に配設すると共に、そ
の屈曲配設された熱交換器の内側にクロスフローファン
を配設してなる熱交換装置において、上記複数のフィン
チューブ形熱交換器を通過する風速の大小に応じ、通過
速度が大きくなる熱交換器ほどそのチューブ径を順次大
きくしてなることを特徴とする。

【０００８】また本発明は、前面及び上面に空気吸込口
を設け、前面下部から下面にかけて空気吹出口を設けた
ケーシング内の風路中にフィンチューブ形熱交換器及び
ファンを順次配設すると共に、上記フィンチューブ形熱
交換器を複数に分割し、これら複数のフィンチューブ形
熱交換器を上記前面及び上面の空気吸込口に対向して屈
曲状に配設してなる空気調和機において、上記複数のフ
ィンチューブ形熱交換器を通過する風速の大小に応じ、
通過速度が大きくなる熱交換器ほどそのチューブ径を順
次大きくしてなることを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１０】図１は空気調和機の室内機を側面から見た
内部構成図である。同図で、ベース１に対してフロント
パネル２を組合わせて取付けることにより箱形の筐体３
が形成されている。このフロントパネル２には、その前
面及び上面にそれぞれ各空気吸込み口４，５，６が形成
されている。

【００１１】この筐体３内には、プレートフィンチュー
ブ形熱交換器７及びクロスフローファン８が配置されて
いる。プレートフィンチューブ形熱交換器７は、多数の
プレートフィンを一定間隔で平行に配列すると共にその
両端にそれぞれ側板を配置し、且つこれら側板及び多数
のプレートフィンの間に冷媒の流れるチューブ９ａ，９
ａ，…，１０ａ，１０ａ，…，１１ａ，１１ａ，…を配
設した構成となっており、複数段部分、例えば第１〜第
３段部分９〜１１に折曲げられている。

【００１２】また、フロントパネル２の下部に形成され
た空気吹出し口１２には、冷風または温風の送風方向を
変える風向変更装置１３が設けられている。

【００１３】図２は上記プレートフィンチューブ形熱交
換器７のみを取出してその外観構成を示すものであり、
図示する如く第１〜第３段部分９〜１１に配設された各
チューブ９ａ，９ａ，…，１０ａ，１０ａ，…，１１
ａ，１１ａ，…はそのほとんどが隣接するチューブとＵ
ベント管で接続され、ディストリビュータ１４，１５に
よって全体で２本の並列回路を形成するものであり、上
記ディストリビュータ１４，１５によって取纏められた
２本の配管１６，１７は共に断熱材１８を巻装した状態
で図示しない室外機まで延在される。

【００１４】しかして、上記図１に示すように全体で熱
交換器７を構成する第１〜第３段部分９〜１１に配設さ
れたチューブ９ａ，９ａ，…，１０ａ，１０ａ，…，１
１ａ，１１ａ，…は、各段においてその通過風速の分布
の相違によりチューブ径が異なるように設定されてい
る。

【００１５】すなわち、クロスフローファン８の回転に
よって空気吸込み口４の上部と空気吸込み口５を介して
第２段部１０を通過する風速が最も高く、空気吸込み口
４を介して第１段部分９を通過する風速は中程度であ
り、空気吸込み口６を介して第３段部分１１を通過する
風速は最も低い値となる。

【００１６】したがって、第２段部分１０のチューブ１
０ａ，１０ａ，…のチューブ径を太く、第１段部分９の
チューブ９ａ，９ａ，…のチューブ径を中程度、第３段
部分１１のチューブ１１ａ，１１ａ，…のチューブ径を
細くするようにしたものである。

【００１７】これにより、クロスフローファン８を回転
駆動すると、周囲の空気はフロントパネル２の前面の空
気吸込み口４及び上面の各空気吸込み口５，６からそれ
ぞれ吸込まれ、熱交換器７の第１〜第３段部分９〜１１
に送られて熱交換され、得られた冷風または温風がクロ
スフローファン８の駆動によって空気吹出し口１２から
風向変更装置１３の向きに従って送風される。

【００１８】しかるに、上記プレートフィンチューブ形
熱交換器７においては、上述した如く第１〜第３段部分
９〜１１におけるチューブ９ａ，９ａ，…，１０ａ，１
０ａ，…，１１ａ，１１ａ，…のチューブ径が異なるよ
うにしているため、各段部分での熱交換の効率を略均等
にし、図２で示した如く熱交換器７全体で２本の並列回
路を形成するように、その接続構成を簡易なものとする
ことができるだけでなく、熱交換器７の占有スペースを
小さくすることができる。

【００１９】なお、上記実施の形態にあっては、熱交換
器７を第１〜第３段部分９〜１１に分割し、クロスフロ
ーファン８を中心とした略円弧状に折曲げて筐体３内に
配置した場合について例示したが、３段構成に限定する
ものではなく、例えば４段、２段、あるいは５段以上の
構成としてもよい。

【００２０】図３は上記図１におけるプレートフィンチ
ューブ形熱交換器７の第２段部分１０に相当する部分を
さらに２つに分割した熱交換器７′としたもので、この
熱交換器７′は全体で第１〜第４段部分２１〜２４の計
４段から構成されるものとなる。

【００２１】この場合、クロスフローファン８の回転に
よって空気吸込み口４を介して第１段部２１を通過する
風速が最も高く、空気吸込み口４の上部と空気吸込み口
５を介して第２段部分２２及び第３段部分２３を通過す
る風速は中程度であり、空気吸込み口６を介して第４段
部分２４を通過する風速は最も低い値となる。

【００２２】したがって、第１段部分２１のチューブ２
１ａ，２１ａ，…のチューブ径を太く、第２段部分２２
及び第３段部分２３のチューブ２２ａ，２２ａ，…，２
３ａ，２３ａ，…のチューブ径を中程度、第４段部分２
４のチューブ２４ａ，２４ａ，…のチューブ径を細くす
ることで、第１〜第４段部分２１〜２４の各段部分での
熱交換の効率を略均等にすることができる。

【００２３】また、図４は上記図１におけるプレートフ
ィンチューブ形熱交換器７の第３段部分１１を削除した
熱交換器７″としたもので、この熱交換器７″は第１，
第２段部分３１，３２の２段から構成されるものとな
る。

【００２４】この場合、クロスフローファン８の回転に
よって空気吸込み口４を介して第１段部３１を通過する
風速が低く、空気吸込み口４の上部と空気吸込み口５を
介して第２段部分３２を通過する風速が高い値となるも
ので、したがって、第１段部分３１のチューブ３１ａ，
３１ａ，…のチューブ径を細く、第２段部分３２のチュ
ーブ３２ａ，３２ａ，…のチューブ径を太くすること
で、第１，第２段部分３１，３２の各段部分での熱交換
の効率を略均等にすることができる。

【００２５】その他、本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々
変形して実施することが可能であるものとする。

【００２６】

【発明の効果】本発明は、フィンチューブ形熱交換器を
複数に分割し、これら複数のフィンチューブ形熱交換器
を風路中に屈曲状に配設すると共に、その屈曲配設され
た熱交換器の内側にクロスフローファンを配設してなる
熱交換装置において、上記複数のフィンチューブ形熱交
換器を通過する風速の大小に応じ、通過速度が大きくな
る熱交換器ほどそのチューブ径を順次大きくしてなるこ
とを特徴とする。

【００２７】このような構成とすることにより、通過路
となる各フィンチューブの冷媒回路接続の割当てを簡素
化して収納スペースを小さなものとしながら、熱交換の
効率を向上させることが可能な熱交換器を実現すること
ができる。

【００２８】また本発明は、前面及び上面に空気吸込口
を設け、前面下部から下面にかけて空気吹出口を設けた
ケーシング内の風路中にフィンチューブ形熱交換器及び
ファンを順次配設すると共に、上記フィンチューブ形熱
交換器を複数に分割し、これら複数のフィンチューブ形
熱交換器を上記前面及び上面の空気吸込口に対向して屈
曲状に配設してなる空気調和機において、上記複数のフ
ィンチューブ形熱交換器を通過する風速の大小に応じ、
通過速度が大きくなる熱交換器ほどそのチューブ径を順
次大きくしてなることを特徴とする。

【００２９】このような構成とすることにより、通過路
となる各フィンチューブの冷媒回路接続の割当てを簡素
化して収納スペースを小さなものとしながら、熱交換の
効率を向上させる熱交換器を用いた、全体をもよりコン
パクトにすることが可能な空気調和機を実現することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る空気調和機の室内
機の内部構成を示す図。

【図２】同実施の形態に係る主としてプレートフィンチ
ューブ形熱交換器の外観構成を示す斜視図。

【図３】同実施の形態に係る他の空気調和機の室内機の
内部構成を例示する図。

【図４】同実施の形態に係る他の空気調和機の室内機の
内部構成を例示する図。

【符号の説明】

１…ベース ２…フロントパネル ３…筐体 ４〜６…空気吸込み口 ７，７′，７″…プレートフィンチューブ形熱交換器 クロスフローファン８… ９，２１，３１…（熱交換器の）第１段部分 １０，２２，３２…（熱交換器の）第２段部分 １１，２３…（熱交換器の）第３段部分 ２４…（熱交換器の）第４段部分 ９ａ，１０ａ，１１ａ，２１ａ，２２ａ，２３ａ，２４
ａ，３１ａ，３２ａ…チューブ １２…空気吹出し口 １３…風向変更装置 １４，１５…ディストリビュータ １６，１７…配管 １８…断熱材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 康雄 愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町３丁目 １番地 三菱重工業株式会社エアコン製作 所内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィンチューブ形熱交換器を複数に分割
   し、これら複数のフィンチューブ形熱交換器を風路中に
   屈曲状に配設すると共に、その屈曲配設された熱交換器
   の内側にクロスフローファンを配設してなる熱交換装置
   において、 上記複数のフィンチューブ形熱交換器を通過する風速の
   大小に応じ、通過速度が大きくなる熱交換器ほどそのチ
   ューブ径を順次大きくしてなることを特徴とする熱交換
   装置。
2. 【請求項２】 前面及び上面に空気吸込口を設け、前面
   下部から下面にかけて空気吹出口を設けたケーシング内
   の風路中にフィンチューブ形熱交換器及びファンを順次
   配設すると共に、上記フィンチューブ形熱交換器を複数
   に分割し、これら複数のフィンチューブ形熱交換器を上
   記前面及び上面の空気吸込口に対向して屈曲状に配設し
   てなる空気調和機において、 上記複数のフィンチューブ形熱交換器を通過する風速の
   大小に応じ、通過速度が大きくなる熱交換器ほどそのチ
   ューブ径を順次大きくしてなることを特徴とする空気調
   和機。