JPH10238564A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JPH10238564A
JPH10238564A JP9042355A JP4235597A JPH10238564A JP H10238564 A JPH10238564 A JP H10238564A JP 9042355 A JP9042355 A JP 9042355A JP 4235597 A JP4235597 A JP 4235597A JP H10238564 A JPH10238564 A JP H10238564A
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JP
Japan
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rotating
pressure chamber
valve
power transmission
transmission device
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Application number
JP9042355A
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English (en)
Inventor
Yukio Yubashi
行男 湯橋
Shizuaki Hidaka
静昭 日高
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Viscodrive Japan Ltd
Original Assignee
Viscodrive Japan Ltd
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Publication date
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が高速走行する際には駆動力の伝達を遮
断できるビスコロック形の動力伝達装置を提供する。 【解決手段】 ビスコロック形の動力伝達装置100 は、
リザーバ36と圧力室32を連通する逃がし流路39に設けら
れた逃がし弁40が、回転軸線に対して半径方向に変位可
能な弁体43と、該弁体43を半径方向内方へ付勢して弁座
42に着座させる付勢ばね45とを有している。第1および
第2の回転部材21,22 が所定以上の速度で回転すると、
前記弁体43が付勢ばね45の付勢力に抗する遠心力により
前記弁座42から離間し、前記逃がし流路39を開放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一軸線の周りに
相対回転可能な回転部材間で駆動トルクを伝達する動力
伝達装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4輪駆動車の前後輪を駆動する種
々の駆動形式が開発されているが、そのなかには後輪若
しくは前輪に駆動トルクを伝達するプロペラシャフトの
途中にビスカスカップリングを介装し、前後輪間に回転
数差が生じた場合に後輪若しくは前輪に駆動トルクを伝
達するものがある。この駆動形式によれば、前後輪間に
回転数差が生じるやいなや後輪若しくは前輪に駆動トル
クを伝達できるばかりでなく、タイトコーナブレーキン
グ現象の発生を防止でき、さらにはABS作動時におけ
る前後輪間の回転干渉を防止できる等、種々の優れた特
徴を有している。しかしながら、前記ビスカスカップリ
ングは、高粘性流体中で相対回転する薄板間に生じる粘
性抵抗を用いて駆動トルクを伝達するものであるため、
伝達可能な駆動トルクには自ずと限界があり、大トルク
の伝達には不向きである。
【0003】そこで、相対回転可能な第1および第2の
回転部材間に介装された摩擦クラッチと、これら第1お
よび第2の回転部材間に画成されて高粘性流体が封入さ
れた圧力室と、前記圧力室内で第1の回転部材と一体的
に回転することにより第2の回転部材に対して相対回転
する回転体と、この回転体と第2の回転部材との間に生
じる前記高粘性流体の圧力によってピストンを押圧し、
前記摩擦クラッチを密着させるピストン押圧手段とを備
えて大トルクを伝達可能とした、所謂ビスコロックと呼
ばれる動力伝達装置が提案されている。
【0004】このビスコロック形の動力伝達装置の構成
と作動原理については、SAEテクニカルペーパ第96
0718号や特開平7−197954号公報等に詳説さ
れているので、ここでは詳細な説明の重複を避けるが、
このビスコロック形の動力伝達装置の概略について以下
に図5を用いて説明する。
【0005】図5に示した動力伝達装置1は、回転軸線
Cの周りに相対回転可能な第1および第2の回転部材
2,3と、これら第1及び第2の回転部材2,3間に介
装された摩擦クラッチとしての多板クラッチ4と、前記
第1および第2の回転部材2,3間に画成されて高粘性
流体が封入された圧力室15と、この圧力室15内で前
記第1の回転部材2と一体に回転することにより第2の
回転部材3に対して相対回転可能な回転体であるフィー
ドディスク9と、これらフィードディスク9と第2の回
転部材3との間に生じる前記高粘性流体の圧力によって
ピストン5を押圧し、前記多板クラッチ4を密着させる
ピストン押圧手段6と、吸入路10を介して圧力室15
と連通するリザーバ11とを備えている。
【0006】前記ピストン押圧手段6は、第2の回転部
材3と一体に回転する回転ケース7と、この回転ケース
7に対して回転軸線C周りに所定の角度範囲で相対揺動
可能なポンプディスク8とを有している。そして、回転
ケース7のポンプディスク8とは反対側に配置されて吸
入路10を介して圧力室15と連通するリザーバ11に
は、皿ばね12によって付勢された補償ピストン13が
嵌装され、圧力室15内のシリコンオイルの容量変化を
補償している。またピストン5は、皿ばね14によって
多板クラッチ4から離間する方向に付勢されている。
【0007】第1および第2の回転部材2,3が相対回
転すると、ポンプディスク8に対してフィードディスク
9が圧力室15内で相対回転する。すると、圧力室15
内に封入されたシリコンオイルの一部がフィードディス
ク9と一緒に連れ回りし、フィードディスク9とポンプ
ディスク8との間に送り込まれるので、フィードディス
ク9とポンプディスク8との間の圧力が上昇する。これ
により、ピストン5が多板クラッチ4を押圧するので、
多板クラッチ4を構成する各プレートが互いに密着し、
第1及び第2の回転部材2,3の間で駆動トルクが伝達
される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば上述
したビスコロック形の動力伝達装置1をプロペラシャフ
トの途中に装備した車両においては、車両の走行速度の
高低とは無関係に、第1および第2の回転部材2,3間
の相対回転数の大きさによって後輪若しくは前輪に伝達
する駆動力の大きさが決まってしまう。
【0009】一方、車両が高速走行する際には、前輪の
み若しくは後輪のみを駆動することによって、前後輪間
における駆動トルクの循環に伴う駆動抵抗を減少させ、
燃費を改善することができる。しかしながら、上述した
ビスコロック形の動力伝達装置1は、車両の走行速度が
所定の値以上に高まったときに駆動力の伝達を遮断し
て、前輪のみ若しくは後輪のみを駆動可能とする機能を
有していない。
【0010】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、車両が高速走行する際には駆動力の伝達
を遮断できるビスコロック形の動力伝達装置を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、同
一軸線の周りに相対回転可能な第1および第2の回転部
材と、これら第1および第2の回転部材間に介装された
摩擦クラッチと、前記第1および第2の回転部材間に画
成されて高粘性流体が封入された圧力室と、この圧力室
内で前記第1の回転部材と一体的に回転することにより
第2の回転部材に対して相対回転可能な回転体と、これ
ら回転体と第2の回転部材との間に生じる前記高粘性流
体の圧力によってピストンを押圧し、前記摩擦クラッチ
を密着させるピストン押圧手段と、吸入路を介して前記
圧力室と連通するリザーバとを備えた動力伝達装置であ
って、前記リザーバと前記圧力室を連通する逃がし流路
に設けられた逃がし弁が、前記回転軸線に対して半径方
向に変位可能な弁体と、該弁体を半径方向内方へ付勢し
て弁座に着座させる付勢ばねとを有しており、前記第1
および第2の回転部材が所定以上の速度で回転すると、
前記弁体が前記付勢ばねの付勢力に抗する遠心力により
前記弁座から離間し、前記逃がし流路を開放することを
特徴とする動力伝達装置によって達成することができ
る。
【0012】上記構成によれば、第1および第2の回転
部材が所定以上の速度で回転すると、逃がし弁の弁体が
自らに作用する遠心力によって弁座から離間し、逃がし
流路を開放する。これにより、第1および第2の回転部
材間に相対回転が生じても、圧力室内は圧力上昇するこ
とができず、ピストンが摩擦クラッチを押圧することは
ないので、駆動力の伝達は遮断されたままとなる。
【0013】又、本発明の上記目的は、同一軸線の周り
に相対回転可能な第1および第2の回転部材と、これら
第1および第2の回転部材間に介装された摩擦クラッチ
と、前記第1および第2の回転部材間に画成されて高粘
性流体が封入された圧力室と、この圧力室内で前記第1
の回転部材と一体的に回転することにより第2の回転部
材に対して相対回転可能な回転体と、これら回転体と第
2の回転部材との間に生じる前記高粘性流体の圧力によ
ってピストンを押圧し、前記摩擦クラッチを密着させる
ピストン押圧手段と、吸入路を介して前記圧力室と連通
するリザーバとを備えた動力伝達装置であって、前記リ
ザーバと前記圧力室を連通する逃がし流路に設けられた
逃がし弁が、前記回転軸線に対して半径方向に変位可能
な弁体及び慣性体と、前記弁体を前記慣性体に対して半
径方向内方へ付勢して弁座に着座させる第1の付勢ばね
と、前記慣性体を半径方向内方へ付勢して段部に着座さ
せる第2の付勢ばねとを有しており、前記第1および第
2の回転部材が所定以上の速度で回転した際には、前記
慣性体が前記第2の付勢ばねの付勢力に抗する遠心力に
より半径方向外方へ移動して前記弁体を前記弁座から離
間させ、前記圧力室が所定以上の圧力に達した際には、
前記弁体が前記第1の付勢ばねの付勢力に抗して前記弁
座から離間することによって、前記逃がし流路を開放す
ることを特徴とする動力伝達装置によって達成すること
ができる。
【0014】上記構成によれば、第1および第2の回転
部材が所定以上の速度で回転すると、逃がし弁の慣性体
が自らに作用する遠心力によって半径方向外方へ移動し
て前記弁体を前記弁座から離間させ、逃がし流路を開放
する。これにより、第1および第2の回転部材間に相対
回転が生じても、圧力室内は圧力上昇することができ
ず、ピストンが摩擦クラッチを押圧することはないの
で、駆動力の伝達を遮断したままとすることができる。
又、前記圧力室が所定以上の圧力に達した際には、前記
弁体が前記第1の付勢ばねの付勢力に抗して前記弁座か
ら離間し、逃がし流路を開放する。これにより、圧力室
内の圧力上昇が止まり、ピストンが摩擦クラッチを押圧
する押圧力がそれ以上上昇することはないので、伝達駆
動力を制限することができる。そこで、第1および第2
の回転部材の回転速度に感応して逃がし流路を開放する
逃がし弁と、圧力室内の圧力に感応して逃がし流路を開
放する逃がし弁とを、コンパクトにかつ安価に形成する
ことができる。
【0015】又、本発明の上記目的は、同一軸線の周り
に相対回転可能な第1および第2の回転部材と、これら
第1および第2の回転部材間に介装された摩擦クラッチ
と、前記第1および第2の回転部材間に画成されて高粘
性流体が封入された圧力室と、この圧力室内で前記第1
の回転部材と一体的に回転することにより第2の回転部
材に対して相対回転可能な回転体と、これら回転体と第
2の回転部材との間に生じる前記高粘性流体の圧力によ
ってピストンを押圧し、前記摩擦クラッチを密着させる
ピストン押圧手段と、吸入路を介して前記圧力室と連通
するリザーバとを備えた動力伝達装置であって、前記リ
ザーバと前記圧力室を連通する逃がし流路に設けられた
逃がし弁が、前記回転軸線に対して半径方向に変位可能
に配設されて前記逃がし流路を開閉可能な慣性体と、該
慣性体の軸線方向孔内に嵌挿されて該軸線方向孔を開閉
可能に摺動する弁体と、該弁体を半径方向内方へ付勢し
て前記軸線方向孔を閉状態に保持する第1の付勢ばね
と、前記慣性体を半径方向内方へ付勢して前記逃がし流
路を閉状態に保持する第2の付勢ばねとを有しており、
前記第1および第2の回転部材が所定以上の速度で回転
した際には、前記慣性体が前記第2の付勢ばねの付勢力
に抗する遠心力により半径方向外方へ移動して前記逃が
し流路を開放し、前記圧力室が所定以上の圧力に達した
際には、前記弁体が前記第1の付勢ばねの付勢力に抗す
る圧力により半径方向外方へ移動して前記軸線方向孔を
開放することによって、前記逃がし流路を開放すること
を特徴とする動力伝達装置によって達成することができ
る。
【0016】上記構成によれば、第1および第2の回転
部材が所定以上の速度で回転すると、逃がし弁の慣性体
が自らに作用する遠心力により半径方向外方へ移動して
前記逃がし流路を開放する。これにより、第1および第
2の回転部材間に相対回転が生じても、圧力室内は圧力
上昇することができず、ピストンが摩擦クラッチを押圧
することはないので、駆動力の伝達を遮断したままとす
ることができる。又、前記圧力室が所定以上の圧力に達
した際には、前記弁体が自らに作用する圧力により前記
軸線方向孔内を半径方向外方へ移動して該軸線方向孔を
開放することによって前記逃がし流路を開放する。これ
により、圧力室内の圧力上昇が止まり、ピストンが摩擦
クラッチを押圧する押圧力がそれ以上上昇することはな
いので、伝達駆動力を制限することができる。そこで、
第1および第2の回転部材の回転速度に感応して逃がし
流路を開放する逃がし弁と、圧力室内の圧力に感応して
逃がし流路を開放する逃がし弁とを、コンパクトにかつ
安価に形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の一実施形態に係る動力伝達装置を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置を示し
た分断面図、図2は図1に示した逃がし弁を拡大して示
した断面図、図3は本発明の第2実施形態に係る動力伝
達装置の要部を拡大して示した断面図である。
【0018】図1に示したように、本第1実施形態の動
力伝達装置100は、図示しない駆動軸によって回転軸
線C回りに回転駆動される第1の回転部材21と、この
第1の回転部材21に対して前記回転軸線C回りに相対
回転可能な第2の回転部材22とを備えている。なお、
前記第2の回転部材22は、図示しない被駆動部材に連
結される。また、これら第1および第2の回転部材2
1,22間には、摩擦クラッチとしての多板クラッチ2
3と、この多板クラッチ23を密着させるピストン31
を押圧するピストン押圧手段30とがそれぞれ介装され
ている。
【0019】前記多板クラッチ23は、第1の回転部材
21と回転方向に係合する複数枚のインナプレート24
と、これらのインナプレート24と交互に配置されると
共に第2の回転部材22と回転方向に係合する複数枚の
アウタプレート25と、これらのプレート24,25と
前記ピストン押圧手段30との間に介装された環状のス
ペーサ26とを有している。そして、前記インナプレー
ト24および前記アウタプレート25は、前記ピストン
押圧手段30のピストン31によって押圧されて互いに
密着し、第1および第2の回転部材21,22間で駆動
トルクを伝達できるように構成されている。
【0020】前記ピストン押圧手段30のピストン31
は、第2の回転部材22の内部に嵌装されて回転軸線C
方向に変位可能とされ、第2の回転部材22と共に圧力
室32を形成している。そして、この圧力室32内には
高粘性流体としてのシリコンオイルが密封されている。
また、前記圧力室32内には、第2の回転部材22に対
して所定の角度範囲で同軸に相対揺動可能とされた環状
のポンプディスク33と、第1の回転部材21と一体に
回転する回転体としての環状のフィードディスク34と
が配置されている。また、前記ピストン31は、複数枚
の皿ばね35によって多板クラッチ23から離間する方
向に常時付勢されている。
【0021】一方、第2の回転部材22の前記多板クラ
ッチ23とは反対側の端部に形成されたリザーバ36に
は、皿ばね37によって常時付勢される補償ピストン3
8が、回転軸線C方向にスライド自在に嵌装されてい
る。そして、前記リザーバ36と前記圧力室32とは図
示しない吸入路(図5における吸入路10参照)を介し
て連通し、圧力室32内のシリコンオイルの増減を補償
している。
【0022】さらに、本第1実施形態の動力伝達装置1
00においては、前記リザーバ36と前記圧力室32を
連通する逃がし流路39が設けられており、該逃がし流
路39の途中には逃がし弁40が配設されている。この
逃がし弁40は、図2に示すように、前記第2の回転部
材22に穿設されて回転軸線Cに対して半径方向に延び
る制御弁収納孔41と、この制御弁収納孔41内に形成
された弁座42と、該弁座42に着座可能な球状の弁体
43と、該弁体43を半径方向内方へ付勢する付勢ばね
45とを有している。そして、前記制御弁収納孔41内
に挿入された弁体43は、第2の回転部材22の回転に
よって生じる遠心力が作用したときに半径方向外方に変
位可能とされている。
【0023】また、前記制御弁収納孔41の開口部分に
はプラグ44が液密に螺着されており、該プラグ44と
前記弁体43との間に介装された付勢ばね45が弁体4
3を付勢して弁座42に着座させている。なお、付勢ば
ね44が弁体43を付勢する付勢力は、第2の回転部材
22が所定以上の速度で回転した時に、弁体43に作用
する遠心力によって弁体43が付勢ばね45の付勢力に
抗して半径方向外方へ変位できるように設定されてい
る。
【0024】次に、上述のように構成された本第1実施
形態の動力伝達装置100の作動について説明する。第
1および第2の回転部材21,22が相対回転すると、
ピストン押圧手段30のポンプディスク33とフィード
ディスク34とが相対回転する。そして、第1および第
2の回転部材21,22間の相対回転数が低い領域で
は、圧力室32内のシリコンオイルがフィードディスク
34と連れ回りし、ポンプディスク33とフィードディ
スク34との間の隙間に十分に送り込まれる状態には至
らない。これにより、ピストン31を多板クラッチ23
側に押圧する圧力室32内の圧力の上昇は不十分で、ピ
ストン31は皿ばね35によって多板クラッチ23から
離間させられたままとなる。したがって、第1および第
2の回転部材21,22間の相対回転数が低い領域で
は、多板クラッチ23のインナプレート24とアウタプ
レート25とは密着せず、多板クラッチ23によって駆
動トルクを伝達することはできない。
【0025】これに対して、第1および第2の回転部材
21,22間の相対回転数が高くなると、圧力室32内
のシリコンオイルがフィードディスク34と連れ回り
し、ポンプディスク33とフィードディスク34との間
の隙間に充分に送り込まれる。これにより、ポンプディ
スク33とフィードディスク34との間に存在するシリ
コンオイルの圧力が上昇するので、ピストン31は圧力
室32内のシリコンオイルの圧力によって多板クラッチ
23側に押圧される。
【0026】そして、圧力室32内のシリコンオイルの
圧力がピストン31を押圧する押圧力が皿ばね35の付
勢力を上回ると、ピストン31は多板クラッチ23側に
変位し、スペーサ26を介して多板クラッチ23を押圧
し、インナプレート24とアウタプレート25とを互い
に密着させる。従って、第1および第2の回転部材2
1,22間の相対回転数が高い領域では、インナプレー
ト24とアウタプレート25とが互いに密着し、第1お
よび第2の回転部材21,22間で多板クラッチ23を
介して駆動トルクが伝達される。
【0027】一方、本第1実施形態の動力伝達装置10
0を装着した車両の走行速度が速くなり、第2の回転部
材22の回転速度が高まると、逃がし弁40の弁体43
に作用する遠心力が大きくなる。そして、弁体43に作
用する遠心力が該弁体43を弁座42に着座させている
付勢ばね45の付勢力を上回ると、弁体43は弁座42
から離間し、逃がし流路39を開放する。これにより、
圧力室32が逃がし流路39を介してリザーバ36に連
通されるので、第1および第2の回転部材21,22間
に相対回転が生じても、圧力室32内のシリコンオイル
の圧力は上昇することができず、ピストン31は多板ク
ラッチ23を押圧することはないので、駆動力の伝達は
遮断されたままとなる。
【0028】すなわち、上記動力伝達装置100は、第
1および第2の回転部材21,22の回転速度、すなわ
ち車両の走行速度が所定の速度を上回ると、多板クラッ
チ23による第1の回転部材21から第2の回転部材2
2への駆動力の伝達は遮断されたままとなる。 したが
って、本第1実施形態の動力伝達装置100によれば、
車両が所定の速度以上の走行速度で走行する際には後輪
若しくは前輪への駆動力の伝達を遮断し、前輪若しくは
後輪のみを駆動して走行することができるから、前後輪
間におけるの駆動トルクの循環に伴う駆動抵抗を減少さ
せて、高速走行時の車両の燃費を向上させることができ
る。
【0029】次に、本発明の第2実施形態に係る動力伝
達装置200について、図3を参照して説明する。図3
に示した本第2実施形態の動力伝達装置200は、前述
した第1実施形態の動力伝達装置100の逃がし流路3
9に設けられた逃がし弁40を、逃がし弁50に置き換
えたものであり、その他の部分は全く同一とされてい
る。
【0030】前記逃がし弁50は、前記第2の回転部材
22に穿設されて回転軸線Cに対して半径方向に延びる
制御弁収納孔53と、この制御弁収納孔53内に形成さ
れた段部54及び弁座58と、該段部54に着座可能な
慣性体55と、前記弁座58に着座可能な球状の弁体5
9と、該弁体59を前記慣性体55に対して半径方向内
方へ付勢する第1の付勢ばね61と、前記慣性体55を
半径方向内方へ付勢する第2の付勢ばね57とを有して
いる。
【0031】そして、前記制御弁収納孔53内に挿入さ
れた慣性体55は、第2の回転部材22の回転によって
生じる遠心力が作用したときに半径方向外方に変位可能
とされている。又、前記弁体59は、前記圧力室32か
らの所定以上の圧力が作用したときに半径方向外方に変
位可能とされている。また、前記制御弁収納孔53の開
口部分にはプラグ56が液密に螺着されており、該プラ
グ56と前記慣性体55との間に介装された第2の付勢
ばね57が慣性体55を付勢して段部54に着座させて
いると共に、前記慣性体55と前記弁体59との間に介
装された第1の付勢ばね61が弁体59を付勢して弁座
58に着座させている。
【0032】尚、前記第2の付勢ばね57が慣性体55
を回転軸線Cに対して半径方向内方へ付勢する付勢力
は、第2の回転部材22が所定以上の速度で回転した時
に、慣性体55に作用する遠心力によって慣性体55が
第2の付勢ばね57の付勢力に抗して半径方向外方へ変
位できるように設定される。又、前記第1の付勢ばね6
1は、慣性体55が段部54に着座している状態で圧力
室32が所定以上の圧力に達した際には、弁体59が圧
力室32内の圧力によって押圧され、第1の付勢ばね6
1の付勢力に抗して半径方向外方へ変位できるように、
且つ、慣性体55が半径方向外方へ変位した際には、弁
体59が圧力室32内の圧力によって押圧されて弁座5
8から離間できるように、且つ、第2の回転部材22が
所定未満の速度で回転している際には、弁体59に作用
する遠心力によって該弁体59が弁座58から離間する
ことがないように定められる。即ち、前記逃がし弁50
は、第2の回転部材22の回転速度に感応して逃がし流
路39を開放する回転速度感応部分51と、圧力室32
内の圧力に感応して逃がし流路39を開放する圧力感応
部分52とを一体的に備えている。
【0033】次に、上述のように構成された本第2実施
形態の動力伝達装置200の作動について説明する。第
2の回転部材22が所定速度以上で回転し、逃がし弁5
0の慣性体55に作用する遠心力が慣性体55を段部5
4に着座させている第2の付勢ばね57の付勢力を上回
ると、慣性体55が段部54から離間する。すると、第
1の付勢ばね61が弁体59を弁座58に向かって付勢
する付勢力が減少するので、弁体59は自らに作用する
遠心力と圧力室32内の圧力による押圧力とによって弁
座58から離間し、逃がし流路39を開放する。
【0034】これにより、圧力室32が逃がし流路39
を介してリザーバ36に連通されるので、第1および第
2の回転部材21,22間に相対回転が生じても、圧力
室32内は圧力上昇することができず、ピストン31は
多板クラッチ23を押圧することはないので、駆動力の
伝達は遮断されたままとなる。尚、第2の回転部材22
が所定速度未満で回転し、慣性体55が段部54に着座
している状態においては、弁体59が自らに作用する遠
心力のみによって第1の付勢ばね61の付勢力に抗して
弁座58から離間することはない。すなわち、上記動力
伝達装置200は、第1および第2の回転部材21,2
2の回転速度、すなわち車両の走行速度が所定の速度を
上回ると、多板クラッチ23による第1の回転部材21
から第2の回転部材22への駆動力の伝達は遮断された
ままとなる。
【0035】一方、第1および第2の回転部材21,2
2間の相対回転数が所定の値を上回ることによって圧力
室32内の圧力が所定の値を上回った場合には、第2の
回転部材22の回転速度にかかわらず、弁体59は圧力
室32内の圧力により押圧され、第1の付勢ばね61の
付勢力に抗して弁座58から離間し、逃がし流路39を
開放する。これにより、圧力室32内の圧力上昇が止ま
り、ピストン31が多板クラッチ23を押圧する押圧力
がそれ以上上昇することはないので、伝達駆動力を制限
することができる。
【0036】すなわち、本第2実施形態の動力伝達装置
200によれば、車両が所定の速度以上の走行速度で走
行する際に、後輪若しくは前輪への駆動力の伝達を遮断
して前輪若しくは後輪のみを駆動して走行することがで
きるから、前後輪間における駆動トルクの循環に伴う駆
動抵抗を減少させ、高速走行時の燃費を向上させること
ができる。さらに、車両特性に応じて、前後輪間で伝達
できる駆動力を適宜設定することができると共に、圧力
室32内に封入したシリコンオイルが外部に漏れ出る等
の異常な圧力上昇を防止することができる。
【0037】そして、前記逃がし弁50は、上述のよう
に第2の回転部材22の回転速度に感応して逃がし流路
39を開放する回転速度感応部分51と、圧力室32内
の圧力に感応して逃がし流路39を開放する圧力感応部
分52とを一体的に備えている。そこで、それぞれ回転
速度感応逃がし弁と圧力感応逃がし弁とを別々に設けた
場合に比べて、前記逃がし弁50は加工工数及び部品点
数が削減でき、コンパクトにかつ安価に形成することが
できる。又、加工精度の要求される弁体も一つで良く、
逃がし弁の信頼性が高い。
【0038】次に、本発明の第3実施形態に係る動力伝
達装置300について、図4を参照して説明する。図4
に示した本第3実施形態の動力伝達装置300は、前述
した第2実施形態の動力伝達装置200の逃がし流路3
9に設けられた逃がし弁50を、逃がし弁70に置き換
えたものであり、その他の部分はほぼ同一とされてい
る。
【0039】前記逃がし弁70は、前記第2の回転部材
22に穿設されて回転軸線Cに対して半径方向に延びる
制御弁収納孔73と、この制御弁収納孔73内に形成さ
れた段部74及び弁座82と、該段部74に着座可能な
慣性体75と、該慣性体75の軸線方向孔内に嵌挿され
て該軸線方向孔を開閉可能に摺動すると共に前記弁座8
2に着座可能な略円筒状の弁体79と、該弁体79を半
径方向内方へ付勢して前記慣性体75の軸線方向孔を閉
状態に保持すると共に前記弁座82に着座させる第1の
付勢ばね81と、前記慣性体75を半径方向内方へ付勢
して前記段部74に着座させる第2の付勢ばね77とを
有している。
【0040】そして、前記制御弁収納孔73内に挿入さ
れた慣性体75は、第2の回転部材22の回転によって
生じる遠心力が作用したときに半径方向外方に変位可能
とされている。又、前記弁体79は、前記圧力室32か
らの所定以上の圧力が作用したときに半径方向外方に変
位可能とされている。また、前記制御弁収納孔73の開
口部分にはシール付環状部材78が圧入されると共にプ
ラグ76が液密に螺着されており、前記シール付環状部
材78と前記慣性体55との間に介装された第2の付勢
ばね77が慣性体75を付勢して段部74に着座させて
いると共に、前記プラグ76と前記弁体79との間に介
装された第1の付勢ばね81が弁体79を付勢して弁座
82に着座させている。
【0041】尚、前記第2の付勢ばね77が慣性体75
を回転軸線Cに対して半径方向内方へ付勢する付勢力
は、第2の回転部材22が所定以上の速度で回転した時
に、慣性体75に作用する遠心力によって慣性体75が
第2の付勢ばね77の付勢力に抗して半径方向外方へ変
位できるように設定される。又、前記第1の付勢ばね8
1は、慣性体75が段部74に着座している状態で圧力
室32が所定以上の圧力に達した際には、弁体79が圧
力室32内の圧力によって押圧され、第1の付勢ばね8
1の付勢力に抗して半径方向外方へ変位できるように、
且つ、第2の回転部材22が所定未満の速度で回転して
いる際には、弁体79に作用する遠心力によって該弁体
79が弁座82から離間することがないように定められ
る。即ち、前記逃がし弁70は、第2の回転部材22の
回転速度に感応して逃がし流路39を開放する回転速度
感応部分71と、圧力室32内の圧力に感応して逃がし
流路39を開放する圧力感応部分72とを一体的に備え
ている。
【0042】次に、上述のように構成された本第3実施
形態の動力伝達装置300の作動について説明する。第
2の回転部材22が所定速度以上で回転し、逃がし弁7
0の慣性体75に作用する遠心力が慣性体75を段部7
4に着座させている第2の付勢ばね77の付勢力を上回
ると、慣性体75が段部74から離間する。この時、弁
体79は弁座82に着座したままであるが、慣性体75
が半径方向外方へ変位することによって弁体79の連通
孔79aが開放されるので、逃がし流路39は流路80
aを介してリザーバ36に連通される。
【0043】これにより、圧力室32が逃がし流路39
を介してリザーバ36に連通されるので、第1および第
2の回転部材21,22間に相対回転が生じても、圧力
室32内は圧力上昇することができず、ピストン31は
多板クラッチ23を押圧することはないので、駆動力の
伝達は遮断されたままとなる。尚、第2の回転部材22
が所定速度未満で回転し、慣性体75が段部74に着座
している状態においては、弁体79が自らに作用する遠
心力のみによって第1の付勢ばね81の付勢力に抗して
弁座82から離間することはない。すなわち、上記動力
伝達装置300は、第1および第2の回転部材21,2
2の回転速度、すなわち車両の走行速度が所定の速度を
上回ると、多板クラッチ23による第1の回転部材21
から第2の回転部材22への駆動力の伝達は遮断された
ままとなる。
【0044】一方、第1および第2の回転部材21,2
2間の相対回転数が所定の値を上回ることによって圧力
室32内の圧力が所定の値を上回った場合には、第2の
回転部材22の回転速度にかかわらず、弁体79は圧力
室32内の圧力により押圧され、第1の付勢ばね81の
付勢力に抗して弁座78から離間し、慣性体75の軸線
方向孔内を半径方向外方へ移動する。すると、該軸線方
向孔が弁体79の連通孔79aを介して開放されるの
で、逃がし流路39は流路80bを介してリザーバ36
に連通される。これにより、圧力室32が逃がし流路3
9を介してリザーバ36に連通されるので、圧力室32
内の圧力上昇が止まり、ピストン31が多板クラッチ2
3を押圧する押圧力がそれ以上上昇することはないの
で、伝達駆動力を制限することができる。
【0045】すなわち、本第3実施形態の動力伝達装置
300によれば、上記第2実施形態の動力伝達装置20
0と同様に、高速走行時の燃費を向上させることができ
ると共に異常な圧力上昇を防止することができ、それぞ
れ回転速度感応逃がし弁と圧力感応逃がし弁とを別々に
設けた場合に比べて、前記逃がし弁70は加工工数及び
部品点数が削減でき、コンパクトにかつ安価に形成する
ことができる。又、加工精度の要求される弁体も一つで
良く、逃がし弁の信頼性が高い。
【0046】以上、本発明に係る動力伝達装置の各実施
形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述した実施形
態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能
であることは言うまでもない。例えば、上述した実施形
態においては、第1の回転部材21から第2の回転部材
22に駆動トルクを伝達する場合について説明したが、
第2の回転部材22から第1の回転部材21に駆動トル
クを伝達することもできる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のビスコロック形の動力伝達装置によれば、第1及び第
2の回転部材の回転速度、すなわち車両の走行速度が所
定の速度を上回ると、多板クラッチ23による第1の回
転部材21から第2の回転部材22への駆動力の伝達は
遮断されたままとなる。そこで、車両が所定の速度以上
の走行速度で走行する際に、後輪若しくは前輪への駆動
力の伝達を遮断して前輪のみ若しくは後輪のみを駆動し
て走行することができるから、前後輪間における駆動ト
ルクの循環に伴う駆動抵抗を減少させ、高速走行時の燃
費を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置を示
した部分断面図である。
【図2】図1に示した逃がし弁を拡大して示した断面図
である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る動力伝達装置の要
部を拡大して示した断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る動力伝達装置の要
部を拡大して示した断面図である。
【図5】従来の動力伝達装置の部分断面図である。
【符号の説明】
21 第1の回転部材 22 第2の回転部材 23 多板クラッチ 26 スペーサ 30 ピストン押圧手段 31 ピストン 32 圧力室 33 ポンプディスク 34 フィードディスク 36 リザーバ 38 補償ピストン 39 逃がし流路 40 逃がし弁 41 制御弁収納孔 42 弁座 43 弁体 44 プラグ 45 付勢ばね 100 動力伝達装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一軸線の周りに相対回転可能な第1お
    よび第2の回転部材と、これら第1および第2の回転部
    材間に介装された摩擦クラッチと、前記第1および第2
    の回転部材間に画成されて高粘性流体が封入された圧力
    室と、この圧力室内で前記第1の回転部材と一体的に回
    転することにより第2の回転部材に対して相対回転可能
    な回転体と、これら回転体と第2の回転部材との間に生
    じる前記高粘性流体の圧力によってピストンを押圧し、
    前記摩擦クラッチを密着させるピストン押圧手段と、吸
    入路を介して前記圧力室と連通するリザーバとを備えた
    動力伝達装置であって、 前記リザーバと前記圧力室を連通する逃がし流路に設け
    られた逃がし弁が、前記回転軸線に対して半径方向に変
    位可能な弁体と、該弁体を半径方向内方へ付勢して弁座
    に着座させる付勢ばねとを有しており、 前記第1および第2の回転部材が所定以上の速度で回転
    すると、前記弁体が前記付勢ばねの付勢力に抗する遠心
    力により前記弁座から離間し、前記逃がし流路を開放す
    ることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 同一軸線の周りに相対回転可能な第1お
    よび第2の回転部材と、これら第1および第2の回転部
    材間に介装された摩擦クラッチと、前記第1および第2
    の回転部材間に画成されて高粘性流体が封入された圧力
    室と、この圧力室内で前記第1の回転部材と一体的に回
    転することにより第2の回転部材に対して相対回転可能
    な回転体と、これら回転体と第2の回転部材との間に生
    じる前記高粘性流体の圧力によってピストンを押圧し、
    前記摩擦クラッチを密着させるピストン押圧手段と、吸
    入路を介して前記圧力室と連通するリザーバとを備えた
    動力伝達装置であって、 前記リザーバと前記圧力室を連通する逃がし流路に設け
    られた逃がし弁が、前記回転軸線に対して半径方向に変
    位可能な弁体及び慣性体と、前記弁体を前記慣性体に対
    して半径方向内方へ付勢して弁座に着座させる第1の付
    勢ばねと、前記慣性体を半径方向内方へ付勢して段部に
    着座させる第2の付勢ばねとを有しており、 前記第1および第2の回転部材が所定以上の速度で回転
    した際には、前記慣性体が前記第2の付勢ばねの付勢力
    に抗する遠心力により半径方向外方へ移動して前記弁体
    を前記弁座から離間させ、前記圧力室が所定以上の圧力
    に達した際には、前記弁体が前記第1の付勢ばねの付勢
    力に抗して前記弁座から離間することによって、 前記逃がし流路を開放することを特徴とする動力伝達装
    置。
  3. 【請求項3】 同一軸線の周りに相対回転可能な第1お
    よび第2の回転部材と、これら第1および第2の回転部
    材間に介装された摩擦クラッチと、前記第1および第2
    の回転部材間に画成されて高粘性流体が封入された圧力
    室と、この圧力室内で前記第1の回転部材と一体的に回
    転することにより第2の回転部材に対して相対回転可能
    な回転体と、これら回転体と第2の回転部材との間に生
    じる前記高粘性流体の圧力によってピストンを押圧し、
    前記摩擦クラッチを密着させるピストン押圧手段と、吸
    入路を介して前記圧力室と連通するリザーバとを備えた
    動力伝達装置であって、 前記リザーバと前記圧力室を連通する逃がし流路に設け
    られた逃がし弁が、前記回転軸線に対して半径方向に変
    位可能に配設されて前記逃がし流路を開閉可能な慣性体
    と、該慣性体の軸線方向孔内に嵌挿されて該軸線方向孔
    を開閉可能に摺動する弁体と、該弁体を半径方向内方へ
    付勢して前記軸線方向孔を閉状態に保持する第1の付勢
    ばねと、前記慣性体を半径方向内方へ付勢して前記逃が
    し流路を閉状態に保持する第2の付勢ばねとを有してお
    り、 前記第1および第2の回転部材が所定以上の速度で回転
    した際には、前記慣性体が前記第2の付勢ばねの付勢力
    に抗する遠心力により半径方向外方へ移動して前記逃が
    し流路を開放し、前記圧力室が所定以上の圧力に達した
    際には、前記弁体が前記第1の付勢ばねの付勢力に抗す
    る圧力により半径方向外方へ移動して前記軸線方向孔を
    開放することによって、 前記逃がし流路を開放することを特徴とする動力伝達装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228766A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Isuzu Motors Ltd フライホイール構造

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