JP2009228766A - フライホイール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変フライホイールの大型化、大質量化を容易に図ることができるフライホイール構造を提供する。
【解決手段】回転軸2に固定され流体を貯留するための貯留室6と、その貯留室6に形成され該貯留室6内の流体をフライホイールクラッチ5に供給するための供給口7と、その供給口7を開閉すべく上記貯留室6内に移動可能に設けられた弁体8と、その弁体8を開弁側に付勢して上記供給口7を開放するための付勢手段9とを備え、上記回転軸2の回転数が所定回転数以上のときに、上記弁体8が上記付勢手段9の付勢力に抗して遠心力により上記供給口7を閉塞すると共に、上記貯留室6内の流体が上記弁体8を上記供給口7に押し付けて、該供給口7からの上記フライホイールクラッチ5への流体の供給を遮断して該フライホイールクラッチ5を切断するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、主フライホイールが固定された回転軸に、その回転軸の回転数に応じて係脱可能なように、可変マスを有する副フライホイールが設けられたフライホイール構造に関するものである。
一般に、エンジンのクランクシャフトには、トルク変動の吸収のために、フライホイール(重量マス、イナーシャウェイトとも呼ばれる)が取り付けられている。
フライホイールは、エンジンの低回転時では、いわゆる「はずみ車」の機能を果たし、スムーズなエンジン回転に寄与するが、中高速域になるとアクセルレスポンスを低下させたり、エンジンブレーキの効きを悪くするなどの原因になる。
そこで、従来、フライホイールのマス(質量)の一部を補助マスとして別機構化し、クランクシャフトに係脱可能なバリアブルマス(可変マス)とした可変フライホイールが知られている(例えば特許文献1参照)。
例えば、図5に示すように、可変フライホイール81は、外周部に可変マス82が一体的に形成され、エンジンのクランクシャフト83に回転可能に取り付けられる。また、クランクシャフト83には、ACジェネレータロータを兼用する固定フライホイール84が固定され、その固定フライホイール84に、可変フライホイール81を係合・切離するためのクラッチ機構85が設けられる。
図6に示すように、クラッチ機構85は、所謂湿式クラッチであり、可変フライホイール81のインナーシャフト部86を囲むように周方向に並べて扇状の遠心クラッチ87が複数設けられる。遠心クラッチ87はスプリング88により連結される。それらスプリング88は、遠心クラッチ87をインナーシャフト部86に押し付けるべく内周側に付勢する。
クランクシャフト83の低回転時には、スプリング88により遠心クラッチ87がインナーシャフト部86に押し付けられ、可変フライホイール81が固定フライホイール84に連結される。これにより、固定フライホイール84と可変フライホイール81との間で回転トルクが伝達され、可変マス82がクランクシャフト83の慣性質量として作用する。
他方、クランクシャフト83の中高回転時には、遠心力により遠心クラッチ87がスプリング力に逆らいつつ外周側に移動し、遠心クラッチ87がインナーシャフト部86から離間する。これにより、可変フライホイール81が固定フライホイール84から切り離され、可変マス82がクランクシャフト83の慣性質量として作用しなくなる。
この図5、6の可変フライホイール81によれば、例えば、アクセルレスポンスの向上を可変マスなしと同じになるようにエンジンセッティングを変更することで、燃費削減効果が得られる。すなわち、エンジン加速の際に中高回転時で可変マス82が分離されることで慣性質量が減少するため、その減少分だけ燃費が向上することになる。
実開平4−101844号公報
しかしながら、上述した従来の可変フライホイール81では、可変フライホイール81の可変マス82の質量を大きくすることが困難であるという問題があった。
上述したように図5、6の可変フライホイール81は、遠心クラッチ87が可変フライホイール81のインナーシャフト部86を押さえる構造である。そのため、可変マス82をより大きなマスにしたい場合には、遠心クラッチ87のトルク伝達量がインナーシャフト部86の直径に大きく依存することから、インナーシャフト部86の直径の拡大が必要である。しかし、インナーシャフト部86の外周には、遠心クラッチ87を径方向移動可能に配置しなければならないので、インナーシャフト部86の直径を一定以上大きくすることは、構成上難しい。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、可変フライホイールの大型化、大質量化を容易に図ることができるフライホイール構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に固定された主フライホイールと、上記回転軸に回転可能に取り付けられた副フライホイールと、その副フライホイールに上記回転軸の回転を流体を介して伝達するフライホイールクラッチとを備えたフライホイール構造において、上記回転軸に固定され上記流体を貯留するための貯留室と、その貯留室に形成され該貯留室内の流体を上記フライホイールクラッチに供給するための供給口と、その供給口を開閉すべく上記貯留室内に径方向に移動可能に設けられた弁体と、上記供給口を開放すべく上記弁体を径方向内側に付勢する付勢手段とを備え、上記回転軸の回転数が所定回転数以上のときに、上記弁体が上記付勢手段の付勢力に抗して遠心力により径方向外側に移動して上記供給口を閉塞すると共に、上記貯留室内の流体が上記弁体を上記供給口に押し付けて、該供給口からの上記フライホイールクラッチへの流体の供給を遮断して該フライホイールクラッチを切断するものである。
好ましくは、上記副フライホイールは、上記回転軸に回転可能に取り付けられると共に可変マスが設けられたドリブンプレートと、そのドリブンプレートと軸方向に間隔を隔てて上記回転軸に固定されたドライブプレートとを有し、上記フライホイールクラッチは、上記ドライブプレートに形成されたドライブクラッチ部と、そのドライブクラッチ部に対向させて上記ドリブンプレートに形成されたドリブンクラッチ部とを有するものである。
好ましくは、上記ドライブプレートおよびドリブンプレートの間に、上記貯留室が形成されると共に上記ドライブクラッチ部およびドリブンクラッチ部が配置されるクラッチ室が区画形成され、上記クラッチ室と上記貯留室とが、上記ドライブクラッチ部および上記ドリブンクラッチ部の上流側にて上記供給口を介して連通すると共に下流側にて排出通路を介して連通し、上記回転軸の回転数が所定回転数未満のときに、上記流体が、上記貯留室から、上記供給口、上記クラッチ室、および上記排出通路を通るものである。
好ましくは、上記付勢手段は、上記ドライブプレートに固定された基端から径方向内側に延びて先端に上記弁体が取り付けられ、その弁体を径方向内側に付勢すると共に該弁体にかかる遠心力により径方向外側に縮退可能なスプリングからなるものである。
好ましくは、上記供給口が丸穴からなり、上記弁体が上記丸穴よりも大径の球体からなるものである。
本発明によれば、可変フライホイールの大型化、大質量化を容易に図ることができるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態のフライホイール構造は、トラックなどの車両に搭載されたエンジンのクランクシャフトに取り付けられ、例えば、FR型の車両に適用される。
図4に基づき、エンジンの概略構造を説明する。
図4に示すように、回転軸をなすエンジンのクランクシャフト2が、エンジンブロック51に回動自在に支持され、そのエンジンブロック51から突出するクランクシャフト2の端部(以下、クランクエンドという)21には、クランクシャフト2と一体回転するフライホイール(以下、主フライホイールという)3が固定されている。
主フライホイール3のクランクシャフト2と反対側(右側)には、クランクシャフト2の動力を変速機の入力軸(T/Mインプット)71に伝達・遮断するためのクラッチ60が設けられる。クラッチ60において、61はクラッチカバー、62はダイヤフラムスプリング、63はプレッシャープレート、64はクラッチディスク、65はレリーズフォークである。クラッチ60は、ダイヤフラムスプリング62によりプレッシャープレート63を介してクラッチディスク64が主フライホイール3に押し付けられることで締結される。
主フライホイール3は、円板状に形成され、クランクエンド21の変速機側(右側)の端面にボルト止めされる。図例では、主フライホイール3のエンジン側(左側)の側面にボス部22が形成され、そのボス部22にクランクエンド21が嵌め合わされる。
主フライホイール3の外周部には、固定マス(重り)をなす肉厚部(以下、固定マス肉厚部という)23が形成される。固定マス肉厚部23は、クランクシャフト2を中心としたクランクシャフト2と同芯的なリング形状を有する。その固定マス肉厚部23の外周(主フライホイール3の最外周)には、図示しないスタータからの駆動力伝達のためのリングギヤ24が設けられる。
ここで、本実施形態のフライホイール構造1は、クランクエンド21を軸方向に延長して、主フライホイール3とエンジンブロック51との間に、新たに副フライホイール(以下、可変フライホイールという)4を係脱可能に設けて構成される。
具体的には、フライホイール構造1は、上記主フライホイール3と、クランクエンド21に回転可能に取り付けられた可変フライホイール4と、その可変フライホイール4にクランクシャフト2の回転(トルク)を高粘度の粘性流体(シリコンオイル)を介して伝達するフライホイールクラッチ5とを備える。
図1に示すように、本実施形態では、可変フライホイール4が、クランクエンド21に回転可能に取り付けられ可変マス11が設けられたドリブンプレート10と、ドリブンプレート10と軸方向に間隔を隔ててクランクエンド21に固定されたドライブプレート12とを有し、フライホイールクラッチ5が、ドライブプレート12に形成されたドライブクラッチ部14と、そのドライブクラッチ部14に対向させてドリブンプレート10に形成されたドリブンクラッチ部13とを有する。
ドリブンプレート10は、主フライホイール3に対してエンジン側(左側)に配置され、ドリブンプレートベアリング25によりクランクエンド21から浮動させて設けられる。
具体的には、主フライホイール3のボス部22(図4参照)およびドライブプレート12の後述するボス部38の外周に、ドリブンプレートベアリング25が嵌め合わされ、そのドリブンプレートベアリング25の外周にドリブンプレート10が嵌め合わされて回転可能に支持される。
ドリブンプレート10は、ほぼ円板状に形成され、中心部にドリブンプレートベアリング25が挿通する嵌合穴26が形成される。ドリブンプレート10の外周部には可変マス11(重り)をなす肉厚部(以下、可変マス肉厚部という)27が形成される。可変マス肉厚部27は、ドリブンプレート10の全周に亘り形成され、全体としてリング形状をなす。
可変マス肉厚部27と嵌合穴26との間には、フライホイールクラッチ5の一部をなす上記ドリブンクラッチ部13が設けられる。図例では、ドリブンクラッチ部13が、ドリブンプレート10の左側(ドライブプレート12と対向する側)の側面に、径方向のほぼ中間位置に形成される。
このドリブンクラッチ部13はドライブクラッチ部14と共に、シリコンオイルの剪断力により互いにトルクを伝達する所謂粘性流体継手を構成する。
具体的には、ドリブンクラッチ部13は、径方向に間隔を隔てて配置された複数(図例では等間隔に7つ)のランド部28と、それらランド部28の間の溝部29とを有する。ランド部28(および溝部29)は、クランクシャフト2と同芯的なリング状に形成され、軸方向に長い矩形状断面を有する。つまり、ドリブンクラッチ部13は櫛歯状断面で周方向に全周に亘り延びる。
図例では、ドリブンクラッチ部13がドリブンプレート10と別部材で形成され、その部材がドリブンプレート10に取り付けられる。
ドリブンプレート10の左側面には、ドライブプレート12を覆うカバー部材31が取り付けられる。カバー部材31は、カバーベアリング32を介してクランクエンド21に回転可能に取り付けられ、そのクランクエンド21から径方向外側に延び、ドリブンプレート10にボルト止めされる。カバー部材31により区画形成された中空部にドライブプレート12が収容される。
ドライブプレート12は、ドリブンプレート10の左側(エンジン側)に配置され、クランクエンド21の外周面に直結される。そのドライブプレート12は、クランクエンド21から径方向外側に延びる円板部35と、その円板部35の外周に沿って形成されたリム部36とを有する。
円板部35は、中心部にクランクエンド21が嵌め入れられる嵌合穴37が形成され、嵌合穴37の縁部に、軸方向に延びるボス部38が形成される。
円板部35の右側面は、ドリブンプレート10の左側面に対向すると共に、その左側面に対し軸方向に離間する。本実施形態では、円板部35おける嵌合穴37とリム部36との間に、左側(ドリブンプレート10と反対側)に屈曲する屈曲部39が形成され、円板部35とドリブンプレート10との間の空間が、屈曲部39の外周側にて内周側よりも軸方向に拡大される。
リム部36は、円板部35から右側(ドリブンプレート10側)に突出し、全体としてクランクシャフト2と同芯的なリング状(矩形断面の円筒状)に形成される。リム部36は、ドリブンプレート10の左側面に対向する右端面を有し、その右端面に上記ドライブクラッチ部14が形成される。
ドライブクラッチ部14も、ドリブンクラッチ部13とほぼ同様の構造を有し、径方向に間隔を隔てて配置された複数のリング状のランド部41と、それらランド部41の間のリング状の溝部42とを有する。
このドライブクラッチ部14と上述したドリブンクラッチ部13とは、軸方向および径方向に各々所定の微少間隔を隔てて噛み合わされて配置され、互いの溝部29(41)の間に相手方のランド部42(28)が位置する。
本実施形態では、ドライブプレート12およびドリブンプレート10の間に、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14が配置されるクラッチ室15と、そのクラッチ室15からのシリコンオイルを貯留するための貯留室(以下、貯油部という)6とが区画形成される。
これらクラッチ室15と貯油部6とは、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14の上流側(径方向内側)にて供給口(以下、循環口という)7を介して連通されると共に下流側(径方向外側)にて排出通路(以下、排出ポートという)16(図2参照)を介して連通される。
具体的には、ドライブプレート12の円板部35の右側面とドリブンプレート10の左側面との間の空間に、その空間を貯油部6側とクラッチ室15側とに仕切るためのセパレートプレート43が設けられる。
セパレートプレート43は、リム部36の内周面から径方向内側に延びる側面部44と、その側面部44から円板部35の右側面まで左側に延びる内周面部45とで構成される。セパレートプレート43は、側面部44の外周端が、リム部36の内周面に形成された周溝に差し込まれて固定され、内周面部45の端部が、円板部35の右側面に固定(図例ではリベット止め)される。
このセパレートプレート43とセパレートプレート43に覆われた円板部35の右側面とリム部36の内周面とにより貯油部6が区画形成される。
貯油部6は、クランクシャフト2と同芯的なリング状に、かつ屈曲部39の径方向外側の部分が内側よりも広く(軸方向長さが長く)形成される。その貯油部6には、貯油部6内のシリコンオイルをクラッチ室15のドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14に供給するために、上記循環口7が形成されている。
循環口7は、セパレートプレート43に形成され、円板部35の屈曲部39よりも径方向外側に開口する。図例では、循環口7は丸穴からなる。
貯油部6内には、循環口7を開閉するためのコントロールバルブ46が設けられる。
コントロールバルブ46は、供給口7を開閉すべく径方向に移動可能に設けられた弁体8と、その弁体8を開弁側に付勢して上記供給口7を開放するための付勢手段をなすスプリング9(図例では、コイルばね)とを有する。
弁体8は、循環口7をなす丸穴よりも大径のボール(球体)からなる。弁体(以下、ボールという)8は、貯油部6の内部における、円板部35の屈曲部39に当接する全開位置(図1参照)と循環口7に嵌め入れられて循環口7を塞ぐ全閉位置(図3参照)との間を移動する。
スプリング9は、基端部がリム部36の内周面に形成された収容穴47に収容され、その収容穴47から径方向内側に延びて、先端にボール8が取り付けられる。スプリング9は、伸縮方向をドライブプレート12の径方向に一致させて圧縮状態で配置され、ボール8を径方向内側に付勢すると共に、ボール8に所定の大きさの遠心力がかかるときに、その遠心力により径方向外側に縮退するように設定される。
図3に示すように、スプリング9は、スプリング9が最も縮んだときにボール8が上記全閉位置に位置するように、最小長さが設定される。
図2に示すように、排出ポート16は、リム部36内に形成され、入口がクラッチ室15(リム部36の右端面)に開口し、出口が貯油部6(リム部36の内周面)に開口する。図例の排出ポート16は、入口から軸方向左側に延び、径方向内側に屈曲した後、軸方向右側に傾斜しつつ径方向内側に延びて出口に至る。
次に、図1から図3に基づき本実施形態のフライホイール構造1の作用を説明する。
まず、図1および図2に基づきエンジン低回転時における可変フライホイール4の作用を説明する。ここで、エンジン低回転とは、クランクシャフト2の回転数が所定回転数未満の状態をいい、所定回転数以上の状態をエンジン高回転という。所定回転数は、例えば、アイドル回転数近傍の値に設定される。
図1に示すように、エンジン回転が低い場合は、コントロールバルブ46が開弁してフライホイールクラッチ5が作動(接続)の状態となり、クランクシャフト2に可変マス11の慣性力が作用する。
具体的には、エンジン回転数が所定回転数未満の場合には、スプリング9の付勢力(開弁力)がボール8にかかる遠心力よりも大きく、ボール8が全閉位置よりも径方向内側に位置して、貯油部6の循環口7が開放される。
このとき貯油部6内のシリコンオイルは、セパレートプレート43の循環口7を通り、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14へと流れ、それらドライブクラッチ部14とドリブンクラッチ部13との間に入る。
そのシリコンオイルの粘性とクラッチ剪断力により、ドライブクラッチ部14とドリブンクラッチ部13との間でシリコンオイルを介してトルクが伝達され、フライホイールクラッチ5はクラッチ接状態となる。
このようにドリブンプレート10とドライブプレート12とが接続(締結)されると、ドリブンプレート10の可変マス11がクランクシャフト2と同期して回転し、可変マス11によるフライホイール効果が発生してクランクシャフト2に作用する。
また、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14の下流側(外周側)では、貯油部6内に比べて大きな遠心力が作用することから、シリコンオイルの圧力が貯油部6内よりも高くなる。
そのため、図2に示すように、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14を通過したシリコンオイルが、圧力差によりリム部36の排出ポート16を通り貯油部6に戻る。
このように、クランクシャフト2の回転数が所定回転数未満のとき、シリコンオイルは、貯油部6、供給口7、クラッチ室15およびおよび排出ポート16を通り循環する。
次に、図3に基づき、エンジン高回転時における可変フライホイール4の作用を説明する。
図3に示すように、回転軸2の回転数が所定回転数以上のときは、ボール8がスプリング9の付勢力に抗して遠心力により径方向外側に移動して循環口7を閉塞すると共に、貯油部6内のシリコンオイルがボール8を循環口7に押し付ける。これにより、循環口7からのフライホイールクラッチ5のクラッチ室15へのシリコンオイルの供給が遮断されてフライホイールクラッチ5が切断される(ドリブンクラッチ部13とドライブクラッチ部14との接続が解かれる)。
より具体的には、コントロールバルブ46は、クランクシャフト2(エンジン)の回転数が上がるとボール8に作用する遠心力(図3の白抜き矢印)によりスプリング9が縮み、ボール8が外周側に移動し、クランクシャフト2の回転数が所定回転数に達するとボール8が全閉位置に位置してセパレートプレート43の循環口7を塞ぐようになっている。
このように、クランクシャフト2の回転数が上がり、上述のようにコントロールバルブ46が作動し、ボール8がセパレートプレート43の循環口7を閉塞すると、貯油部6、クラッチ室15および排出ポート16を循環していたシリコンオイル(循環量)が徐々に減少する。そのシリコンオイルの減少に伴い、フライホイールクラッチ5はトルクの伝達量が減少して半クラッチ状態となる。
ボール8により循環口7が閉塞されると、ボール8と循環口7との間からのリーク分を除き、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14にはシリコンオイルがほどんど供給されなくなる。
図2に示すように、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14の間に残っていたシリコンオイルは、遠心力および上述の圧力差により排出ポート16を通り貯油部6内に戻されて貯められる。
そのシリコンオイルが貯められた貯油部6のオイル圧力(図3の黒塗り矢印)により、クラッチコントロールバルブ46のボール8が循環口7に押し付けられ、最終的には循環口7がボール8によりリークなく完全に塞がれる。
これにより、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14に供給されるシリコンオイルが途絶え、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14の間にシリコンオイルが存在しなくなるので、ドライブプレート12からドリブンプレート10に駆動力(トルク)が伝達されなくなる。つまり、フライホイールクラッチ5が切断される。
その結果、ドリブンプレート10がクランクシャフト2から切り離され、クランクシャフト2に可変マス11の慣性力が作用しなくなる。
ここで、フライホイールクラッチ5の切断作動および時期は、コントロールバルブ46のスプリング9のバネ定数とボール8の質量により調整できる。つまり、スプリング9のバネ定数とボール8の質量により、フライホイールクラッチ5が切断される所定回転数が設定される。
また、フライホイールクラッチ5の締結力が、シリコンオイルの粘度や、ドライブクラッチ部14とドリブンクラッチ部13との隙間、径方向長さ、ランド部28、41および溝部29、42の深さ(軸方向長さ)により設定される。
このように、本実施形態では、ボール8による循環口7の開閉にフライホイールクラッチ5を断接しているので、図5、6の可変フライホイール81のように遠心クラッチ87とインナーシャフト部86との隙間を径方向に拡大・縮小することでクラッチを断接する構造では困難であった可変フライホイール4の大型化、大質量化を容易に図ることができる。
その結果、大型の可変フライホイール4を、従来の図5、6の可変フライホイール81と同様の特性で構成することが可能となる。つまり、本実施形態のフライホイール構造1は、エンジン中高回転域にて可変マス11がクランクシャフト2から切り離されることから高いアクセルレスポンス性能を有し、かつエンジン低回転域にて可変マス11がクランクシャフト2に連結されることから高いエンジンブレーキ性能を有する。
また、ドリブンクラッチ部13およびドライブクラッチ部14にシリコン弾性クラッチ(粘性流体クラッチ)を用いることで、エンジンのトルク変動を、可変フライホイール4のシリコンオイルにより減衰させることができ、図5、6の従来のフライホイール構造よりもエンジン騒音や振動をより低下させることが可能となっている。つまり、クランクシャフト2に固定されたドライブプレート12を、シリコンオイルが充填される貯油部6およびクラッチ室15内に収容しているため、ドライブプレート12を所謂ビスカスダンパーとして作動させることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
例えば、上述の実施形態では、ドライブプレート12を主フライホイール3と別体としたが、ドライブプレートおよび主フライホイールを一体的に形成してもよく、また、主フライホイールをドライブプレートとして用いてもよい。その場合、主フライホイールにおけるドリブンプレートとの対向面に、ドライブクラッチ部14、貯油部6、排出ポート16などを形成することが好ましい。
流体は、シリコンオイルに限定されず、他の高粘度の液体など、トルクを伝達可能な様々な流体が考えられる。
回転軸は、クランクシャフトに限定されず、様々なものが考えられる。
図1は、本発明に係る一実施形態によるフライホイール構造の貯留室側の断面図であり、供給口が開放された状態を示す。 図2は、本実施形態のフライホイール構造の排出通路側の断面図である。 図3は、本実施形態のフライホイール構造の貯留室側の断面図であり、供給口が閉塞された状態を示す。 図4は、本実施形態のフライホイール構造が取り付けられたクランクシャフトの概略断面図である。 図5は、従来の可変フライホイールの側面断面図である。 図6は、従来の可変フライホイールの正面および背面図である。
符号の説明
1 フライホイール構造
2 回転軸(クランクシャフト)
3 主フライホイール
4 可変フライホイール(副フライホイール)
5 フライホイールクラッチ
6 貯油部(貯留室)
7 循環口(供給口)
8 ボール(弁体)
9 スプリング(付勢手段)

Claims (5)

  1. 回転軸に固定された主フライホイールと、上記回転軸に回転可能に取り付けられた副フライホイールと、その副フライホイールに上記回転軸の回転を流体を介して伝達するフライホイールクラッチとを備えたフライホイール構造において、
    上記回転軸に固定され上記流体を貯留するための貯留室と、その貯留室に形成され該貯留室内の流体を上記フライホイールクラッチに供給するための供給口と、その供給口を開閉すべく上記貯留室内に径方向に移動可能に設けられた弁体と、上記供給口を開放すべく上記弁体を径方向内側に付勢する付勢手段とを備え、
    上記回転軸の回転数が所定回転数以上のときに、上記弁体が上記付勢手段の付勢力に抗して遠心力により径方向外側に移動して上記供給口を閉塞すると共に、上記貯留室内の流体が上記弁体を上記供給口に押し付けて、該供給口からの上記フライホイールクラッチへの流体の供給を遮断して該フライホイールクラッチを切断することを特徴とするフライホイール構造。
  2. 上記副フライホイールは、上記回転軸に回転可能に取り付けられると共に可変マスが設けられたドリブンプレートと、そのドリブンプレートと軸方向に間隔を隔てて上記回転軸に固定されたドライブプレートとを有し、
    上記フライホイールクラッチは、上記ドライブプレートに形成されたドライブクラッチ部と、そのドライブクラッチ部に対向させて上記ドリブンプレートに形成されたドリブンクラッチ部とを有する請求項1記載のフライホイール構造。
  3. 上記ドライブプレートおよびドリブンプレートの間に、上記貯留室が形成されると共に上記ドライブクラッチ部およびドリブンクラッチ部が配置されるクラッチ室が区画形成され、
    上記クラッチ室と上記貯留室とが、上記ドライブクラッチ部および上記ドリブンクラッチ部の上流側にて上記供給口を介して連通すると共に下流側にて排出通路を介して連通し、
    上記回転軸の回転数が所定回転数未満のときに、上記流体が、上記貯留室から、上記供給口、上記クラッチ室、および上記排出通路を通る請求項2記載のフライホイール構造。
  4. 上記付勢手段は、上記ドライブプレートに固定された基端から径方向内側に延びて先端に上記弁体が取り付けられ、その弁体を径方向内側に付勢すると共に該弁体にかかる遠心力により径方向外側に縮退可能なスプリングからなる請求項3記載のフライホイール構造。
  5. 上記供給口が丸穴からなり、上記弁体が上記丸穴よりも大径の球体からなる請求項1から4いずれかに記載のフライホイール構造。
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