JPH10237605A - 極薄型Fe−Al系軟磁性合金及びその製造方法 - Google Patents
極薄型Fe−Al系軟磁性合金及びその製造方法Info
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Abstract
M″f (1) (式中、Mは、Co及びNiから選ばれた1種以上の元
素であり、M′は、Hf、Zr及びNbから選ばれた1
種以上の元素であり、M″は、Ti、V、Ta、Cr、
Mn、Mo、W、Au、Ag、Zn、Ga及びGeから
選ばれた1種以上の元素であり、a、b、c、d、e及
びfは、各合金組成の原子%であって、それぞれ0≦a
≦20、2≦b≦12、5≦c≦20、0≦d≦15、
0.1≦e≦5、0≦f≦5を満たす)で示される、極
薄型Fe−Al系軟磁性合金及びその製造方法に関す
る。
Description
周波において優れた磁気的特性を示す極薄型Fe−Al
系軟磁性合金及びその製造方法に関する。更に詳しく
は、本発明は各種電気・電子装置の部品として用いられ
る軟磁性材料であって、高周波帯域で優れた透磁率と低
い磁芯損失を有する極薄型Fe−Al系超微細結晶粒軟
磁性合金及びその製造方法に関する。
高性能化並びに小型化、軽量化の積極的な推進に伴い、
これら各種機器に用いる電源装置の小型化及び高効率化
が望まれている。電源装置に用いられる各種部品中、抵
抗器、コンデンサー、半導体素子などは、現在チップ型
部品が開発されて小型化が大いに進展しているものの、
磁気素子として使われているインダクター及び小型変圧
器などは、まだその容積が大きいバルクの形態で使用さ
れているため、小型化及び軽量化への大きい障害物にな
っている。電源装置に用いられる磁性部品の場合、駆動
周波数を増加させることにより、小型化が可能である。
すなわち、周波数を増加させると、コアの断面積と巻線
数が少なくなるので、部品の小型化を達成することがで
きる。しかし、一般に軟磁性材料は高周波動作の条件下
では損失が大いに増加して部品の発熱が生じ、電気・電
子装置の寿命短縮、もしくはエネルギーの消耗が多くな
るため、省エネルギーの面でも不利である。そのために
高周波動作の条件下においてもエネルギーの低消費、か
つ高効率、低損失の特性を有する優れた軟磁性材料の開
発が、軟磁性部品の小型化、軽量化へのキーポイントで
あると言える。
の厚さを減らすか、もしくは電気抵抗を増加させて、高
周波帯域で損失の大部分を占める渦電流損失を減少させ
ることにより可能になるが、現在かかる要求条件に適し
て開発された代表的な材料が20〜30μm の厚さを有
する非晶質合金である。前記の非晶質合金は、コバルト
系及び鉄系非晶質合金に大別されるが、これらは各種電
源装置のコア材料として使用されており、駆動周波数帯
域は数十から数百kHz に至ると知られている。
電子機器用の電源に対する小型化及びそのための高周波
化が更に強く望まれているため、Co系非晶質合金薄帯
を用いた高周波用磁芯の場合、動作周波数をMHz 帯域に
増加させるための研究が行われてきた。
の厚さより遥かに薄い10μm 以下の極薄型Co系非晶
質合金薄帯の製造が行われ、従来の薄帯の厚さ(約20
μm程度)に比べて磁芯損失及び高周波特性が非常に改
善されていると報告されている(特開平3−90547
号)。しかし、いままで極薄型薄帯の製造の対象になっ
てきたCo系非晶質合金は、優れた特性を示しているに
も拘らず、低い飽和磁束密度、Coの高価、そして資源
の地域的な偏在のため、供給の不安が大きいという短所
を有しており、またCo系非晶質合金の経時安定性が良
くないことも問題点として指摘されている。
冷凝固方式により製造されたFe系非晶質合金を、結晶
化温度以上で熱処理し、結晶粒の大きさが10〜20nm
の体心立方相の超微細結晶組織に変態させた結果、Fe
の多量含有による高飽和磁束密度を有すると共に、零磁
歪特性を示し、また優れた高周波特性を示す減少が現れ
た。代表的なものとして、Fe−Si−B−Cu−Nb
系〔吉沢らの欧州特許0271657号、特開昭63−
320504号〕、Fe−Zr−B−Cu系〔鈴木らの
Mater. Trans. JIM, 31 (1990) 743〕などにこの現象が
報告されているが、現在これらの合金は、優れた高周波
磁芯材料として生産又は市販されている。しかし、彼ら
が発見した超微細結晶合金も高飽和磁束密度を有してい
るものの、厚さが20μm 程度であって、MHz の帯域で
は損失が大きい短所がある。
Si−B−Cu−Nb系及びFe−Zr−B−Cu系に
対応する高飽和磁束密度及び高透磁率特性を有する、新
たな合金について研究を行った結果、Fe−B−M−N
−R(ここで、MはHf、Zr及びNbから選ばれた元
素であり、NはCu元素であり、Rは種々の添加元素で
ある)の合金系に、一定量のAlを添加すれば、軟磁性
特性が向上し、結晶磁気異方性が低下し、また電気抵抗
が増加して、高周波軟磁気特性が向上する点に着目し
て、Al添加Fe系合金の極薄化を試みた。その結果、
製造された極薄型Fe−Al系超微細結晶軟磁性合金
が、従来の極薄型非晶質合金より飽和磁束密度が揺かに
高く、また従来の超微細結晶合金に比べて、高周波特
性、特にMHz 帯域で非常に向上された軟磁気特性を示す
事実を見出して、本発明を完成するに至った。
目的は、既存のFe−Si−B−Cu−Nb系及びFe
−Zr−B−Cu系に対する高飽和磁束密度と低損失、
並びに高透磁率の特性を有する、新たな極薄型Fe−A
l系軟磁性合金及びその製造方法を提供するものであ
る。
発明による組成の母合金を提供し、この母合金を溶融温
度以上に加熱して、単ロール型液体急冷法により非晶質
薄帯を製造し、製造された非晶質状の試料を、結晶化温
度付近又は結晶化温度以上で熱処理を行い、超微細結晶
粒を析出させ、極薄型Fe−Al系軟磁性合金を形成さ
せることにより達成される。
極薄型Fe−Al系軟磁性合金が提供される。 (Fe1-a Ma)100-b-c-d-e-f Alb Bc M′d Cue M″f (1) 〔式中、Mは、Co及びNiから選ばれた1種以上の元
素であり、M′は、Hf、Zr及びNbから選ばれた1
種以上の元素であり、M″は、Ti、V、Ta、Cr、
Mn、Mo、W、Au、Ag、Zn、Ga及びGeから
選ばれた1種以上の元素であり、a、b、c、d、e及
びfは、各合金組成元素の原子%であって、それぞれ0
≦a≦20、2≦b≦12、5≦c≦20、0≦d≦1
5、0.1≦e≦5及び0≦f≦5を満たす〕
は、体積比で40%以上の成分が平均粒度5〜20nmの
超微細結晶粒からなるのが好ましい。該超微細結晶粒
は、主に、Alが少量固溶された体心立方結晶構造(b
cc)のFe合金である、「bcc−Fe固溶体」より
なる。
−Fe相に固溶して結晶磁気異方性を減少させ、また電
気比抵抗を高めて軟磁気特性を改善する有効な合金組成
元素であって、本発明のFe−Al系軟磁性合金中に2
〜12%の量で含有する。Alの量が2%未満になる
と、目的とする効果が得られず、12%を超えると、非
晶質相の形成が難しくなる。
可能であるが、置換量が多い場合、軟磁気特性が低下す
るため、20%以下の置換が好ましい。
有利にする元素であり、結晶化熱処理時に析出した結晶
粒の成長を抑制する役割を果す元素であって、本発明の
Fe−Al系軟磁性の合金に、それぞれ5〜20%及び
0〜15%の範囲内で含有するが、Bの含有量が20%
を超えると、結晶化時に2次析出物を形成して磁気的特
性が低下し、Bの含有量が5%未満になると、非晶質相
の形成が難しくなる。また、M′の元素もこれと類似し
た様子を示すため、Fe−Al系軟磁性合金において好
ましい含有量は、BとM′との成分の和が10〜25%
のときである。M′の元素は、超微細結晶軟磁性合金の
軟磁気特性を改善するのに非常に有効な元素であるが、
極薄型非晶質合金を製造する場合、酸化性が非常に強い
Zr及びHfよりはNbが有利である。その理由は、酸
化性の強い金属を使用する場合、液体金属の流動度が悪
くなって、良質の試料を製造することが難しくなるため
である。
含まれるCuは、熱処理により微細な結晶粒を比較的低
温で析出して、結晶粒の粗大化を抑制するため、軟磁気
特性に有益な元素である。しかし、Cuの含有量が0.
1%未満の場合には、前記の効果を得るのが難しくな
り、5%を超えると、連続的な薄帯の製造が難しくな
る。したがって、本発明における好ましいCuの含有量
は0.1〜5%であり、より好ましくは0.5〜3%で
ある。
n、Mo及びWを添加する場合、磁歪を適切に制御する
ことができ、結晶化以後の結晶粒の成長を抑制する役割
を果す。更にAu、Ag、Zn、Ga及びGeは、結晶
化の際に核の生成を促進するため、結晶粒の大きさを制
御することができ、高周波軟磁気特性の向上に非常に有
効な元素である。しかし、M″の元素の含有量が5%を
超えると、飽和磁束密度が減少し、非晶質形成能が低下
して、磁気的特性の劣化が生じるため、5%以下にする
ことが好ましい。特に、Ti、V、Ta、Cr、Mn、
Mo及びWは4%以内にすることが好ましく、Au、A
g、Zn、Ga及びGeは3%以内に制御するのが磁気
的特性及び製造に有利である。
おいて、O、S及びNなど通常のFe系にやむを得ず含
まれる不純物を微量含んでいても、本発明の効果を減少
することはない。
l系軟磁性合金は、適切な熱処理後に体積比で40%以
上の成分が粒度50nm以下の微細結晶粒からなり、その
微細結晶粒が合金組織中に均一分布する。該微細結晶粒
は、主にbcc−Fe固溶体として形成されているため
優れた軟磁気特性を有する。微細結晶粒の体積比が40
%未満の場合には、飽和磁束密度が低くなるため、Fe
系合金の長所がなくなる。また、結晶粒の大きさを50
nm以上にする場合、結晶磁気異方性が増加して透磁率が
低くなり、特に高周波特性が劣化する。前記のとおり、
本発明の合金は、体積比で40%以上の成分が平均粒径
5〜20nmの超微細結晶粒により構成されているのが好
ましい。本発明により選択したAl元素は、電気比抵抗
を増加させ、結晶磁気異方性を減少させる役割を果たす
以外にも、結晶化温度を低めて核の生成を促進すること
が明らかになった。ゆえに、結晶粒の大きさを調節する
ことが可能であり、その大きさを調節して特性を変化さ
せることができる。
で示される極薄型Fe−Al系軟磁性合金の製造方法が
提供される。
金の母合金を提供する段階; 2)前記母合金を溶融温度以上に加熱して、単ロール型
液体急冷法により極薄型非晶質薄帯を製造する段階;及
び 3)前記非晶質状の試料を結晶化温度付近又は結晶化温
度以上の温度で熱処理を行った後、冷却して超微細結晶
粒を析出させる段階、を含むことを特徴とする。
造において、母合金の製造時には、真空誘導炉、真空ア
ーク炉などを使用することができ、長方型のノズルを持
つ石英管を利用するのが好ましい。石英管の長方型ノズ
ルの幅は、0.1〜0.35mmが好ましい。しかし、
0.1mm未満になると、連続的に極薄型薄帯を製造する
ことが難しくなり、0.35mmを超えると厚さ10μm
以下に維持することが難しくなる。
湯噴射室の真空度を5×10-2torr以下、好ましくは5
×10-4torr以下に維持することにより、ピンホールが
なく、表面の良好な薄帯を製造することができる。
動度の間に直接な相関関係がある。例えば、同じノズル
の幅を使用する場合、流動度が良い組成の溶湯であれ
ば、噴射圧力を低めるのが良く、流動度が悪い場合に
は、噴射圧力を少し上げることにより、噴射時に良好な
薄帯を得ることができる。このような場合を考慮すれ
ば、好ましい噴射圧力は0.01〜0.3kg/cm2であ
り、更に好ましくは0.01〜0.15kg/cm2である。
湯噴射室内には冷却用の媒体がないため、冷却ロールの
回転線速度が大気中より一層速い方が、良質の薄帯を製
造することができる。冷却ロールの回転線速度は、一般
的に30〜65m/秒であり、好ましくは35〜60m
/秒である。
く影響を及ぼすものは、冷却ロールの材料である。した
がって、冷却ロールの材料は組成とぬれ性、精密加工性
などを考慮したうえで選択しなければならない。本発明
により厚さ3〜10μm の極薄型薄帯を製造するために
は、最も大きく影響を及ぼす噴射ノズルの形態と寸法の
ほか、溶湯の温度、溶湯噴射室内部の真空度、溶湯の噴
射圧力並びに冷却ロールの線速度など、全条件を本発明
の範囲内にあるよう適切に制御する。
熱処理を、結晶化温度付近もしくはそれ以上の温度で実
施しなければならない。熱処理の結果、bcc−Fe固
溶体を主な相とする超微細結晶粒が析出する。更に厳密
に表現すれば、非晶質合金の結晶化温度に対して−50
℃〜+200℃の範囲内で熱処理を行う。熱処理温度が
結晶化温度より50℃以上低くなると、微細な結晶粒の
析出が難しくなり、また結晶化温度に対して200℃以
上高くなると、bcc−Fe固溶体以外の相が析出して
磁気的特性が低下する。このように広い熱処理温度で、
優れた軟磁気特性を有するFe系軟磁性合金を得ること
ができる、のが本発明の重要な特徴の一つである。より
好ましくは、超微細結晶粒Fe−Al系軟磁性合金の場
合、非晶質状の結晶化温度以上の温度で2次析出物が生
成しない温度区間である。本発明の結晶化温度は、昇温
速度10℃/分で測定した値である。
成などの熱処理温度により決定されるが、通常2分〜2
4時間が望ましい。2分未満になると超微細結晶粒の析
出が難しくなり、24時間を超えると他の2次相が析出
し易くなるためである。したがって、より好ましい熱処
理時間は5分〜5時間程度である。そして、熱処理時の
雰囲気は、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気、真空、
水素中の還元性雰囲気など、種々の雰囲気下で行うこと
が可能である。熱処理後の冷却は、急冷又は徐冷いずれ
の方法で行ってもよく、特に制限されるものではない。
で、磁場を印加して特性を変化させることも可能であ
る。熱処理の途中で磁場を印加する場合と、熱処理の後
で磁場を印加する場合とは、ほとんど同一の効果を示す
が、時間を短縮するという点では、熱処理の途中で磁場
を印加するのがより有利である。使用する磁場は、直流
磁場、交流磁場いずれのものを用いてもよく、また磁場
の印加方向は、薄帯の幅方向、長さ方向、傾斜方向もし
くは回転の方向であっても良い。本発明では、幅方向の
磁場中で熱処理を行うときに、磁場の範囲を2kOe 以下
に印加することができ、0.5〜1.5kOe 以下が好ま
しい。長さ方向の磁場中で熱処理を行うときには、磁場
の範囲を30Oe以下にすることができる。
適切に制御して、製造した非晶質試料を最適熱処理した
結果、高周波において特に優れた軟磁気特性を示す、極
薄型Fe−Al系超微細結晶粒合金を製造することがで
きた。
明する。しかし、下記実施例は本発明を例示する目的に
よる例示であり、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。
方型ノズルの石英管中に入れて、5×10-4torr以下の
真空度を維持した後、溶湯温度が1,100〜1,40
0℃に達すれば、0.03kg/cm2の噴射圧力により溶湯
を噴射して、幅3.2mm、厚さ7μm の極薄型非晶質金
属薄帯を製造した。該非晶質状薄帯の結晶化温度は、示
差走査熱量計(DSC)を使用して、昇温速度10℃/
分で測定した。次いで、製造された非晶質状金属薄帯を
外径21mmの銅ボビンにトロイダルコイル形態で巻き取
った後、10-30 torrの真空中で、結晶化温度より20
℃高い温度で1時間熱処理を行い、超微細結晶合金を製
造した。このとき、冷却ロールの回転速度は55m/秒
であった。熱処理を行った試料の実効透磁率を、インピ
ーダンス分析装置(Hewlett Packard,4192 A) を使用し
て測定した。各熱処理温度による1MHz における実効透
磁率の変化を図1に示した。また、最適熱処理温度45
0℃で熱処理した試料の、透磁率の周波数による変化を
図2に示した。更に周波数による磁芯損失の変化を図3
に示した。試料の磁芯損失は、B−H分析器(B-H anal
yzer,Iwatsu SY820)を用いて測定した。
1.2kg/cm2にし、単ロール型液体急冷装置を用いて、
冷却ロールの回転線速度を40m/秒にしたことを除い
ては、実施例1と同じ組成の合金を利用して、類似した
方法で実施して、幅1.4mm、厚さ20μm の非晶質薄
帯を製造した。実施例1と同一条件下で熱処理を行った
後、実施例1と同様に磁気的特性を測定し、その結果を
図1に示した。また、最適熱処理温度450℃で熱処理
を行った試料の透磁率の周波数による変化を図2に示
し、周波数による磁芯損失の変化を図3に示した。
晶質状合金を製造した後、結晶化温度より30℃高い温
度で1時間熱処理を行ったことを除いては、実施例1と
同じ条件により超微細結晶合金を製造した。また、実施
例1と同様に超微細結晶合金の特性を測定し、その結果
を表1に示した。
に、本発明で得た極薄型Fe−Al系合金は、高飽和磁
速密度及び高周波における高透磁率特性を有することが
分かった。
晶質薄帯を製造した。製造された非晶質薄帯をトロイド
形態で巻き取り、高周波特性を向上させるために幅方向
に磁場中で熱処理を行った。そのとき、加えた磁場は
1.5kOe であった。最適温度450℃で、磁場中熱処
理した試料の透磁率の周波数依存性を図4に示した。
結晶軟磁性合金は、各種電気、電子装置の各種トラン
ス、過飽和コア、チョークコイル、磁気ヘッド、センサ
ーなどに使用可能な高飽和磁束密度を示し、MHz 帯域の
高周波で低損失、高透磁率の特性を有する。
た、極薄型Fe−Al系非晶質合金薄帯の熱処理温度に
よる実効透磁率の変化を示したグラフである。
た、極薄型Fe−Al系超微細結晶合金薄帯の周波数に
よる実効透磁率の変化を示したグラフである。
た、極薄型Fe−Al系超微細結晶合金薄帯の周波数に
よる磁芯損失の変化を示したグラフである。
た、極薄型Fe−Al系超微細結晶合金薄帯の磁場中熱
処理を行った試料の、周波数による実効透磁率の変化を
示したグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示される極薄型Fe
−Al系軟磁性合金。 (Fe1-a Ma)100-b-c-d-e-f Alb Bc M′d Cue M″f (1) 〔式中、Mは、Co及びNiから選ばれた1種以上の元
素であり、M′は、Hf、Zr及びNbから選ばれた1
種以上の元素であり、M″は、Ti、V、Ta、Cr、
Mn、Mo、W、Au、Ag、Zn、Ga及びGeから
選ばれた1種以上の元素であり、a、b、c、d、e及
びfは、各合金組成元素の原子%であって、それぞれ0
≦a≦20、2≦b≦12、5≦c≦20、0≦d≦1
5、0.1≦e≦5及び0≦f≦5を満たす〕 - 【請求項2】 体積比で40%以上の成分が、平均粒度
5〜20nmの超微細結晶粒よりなる、請求項1記載のF
e−Al系軟磁性合金。 - 【請求項3】 前記超微細結晶粒が、主にbcc−Fe
固溶体よりなる、請求項1又は2記載のFe−Al系軟
磁性合金。 - 【請求項4】 1)請求項1記載のFe−Al系軟磁性
合金の母合金を提供する段階; 2)前記母合金を溶融温度以上に加熱して、単ロール型
液体急冷法により極薄型非晶質薄帯を製造する段階;及
び 3)前記非晶質状の試料を、結晶化温度付近又は結晶化
温度以上で熱処理した後、冷却して超微細結晶粒を析出
させる段階を含むことを特徴とする、請求項1ないし3
のいずれか1項記載の極薄型Fe−Al系軟磁性合金の
製造方法。 - 【請求項5】 前記単ロール型液体急冷法において、溶
湯の噴射圧力を0.01〜0.15kg/cm2、冷却ロール
の回転線速度を30〜65m/秒、溶湯噴射室の真空度
を5×10-2torr以下にする、請求項4記載の方法。 - 【請求項6】 前記熱処理を、結晶化温度に対して−5
0〜+200℃の温度範囲で行う、請求項4記載の方
法。 - 【請求項7】 前記熱処理中又は熱処理後、冷却時に1
Oe〜2kOe の磁場を印加する、請求項4又は6記載の方
法。
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