JPH10237543A - 耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法 - Google Patents

耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法

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JPH10237543A
JPH10237543A JP4092997A JP4092997A JPH10237543A JP H10237543 A JPH10237543 A JP H10237543A JP 4092997 A JP4092997 A JP 4092997A JP 4092997 A JP4092997 A JP 4092997A JP H10237543 A JPH10237543 A JP H10237543A
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JP
Japan
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hot
resistance
corrosion resistance
rolled steel
steel sheet
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JP4092997A
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English (en)
Inventor
Hideki Matsuoka
秀樹 松岡
Masaki Omura
雅紀 大村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 P とCuの複合添加により耐食性及び耐二次加
工性ともに優れた熱延鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 wt%で、C:0.002 〜0.018 、Si:0.5以下、
Mn:1.2以下、P:0.02〜0.1 、S:0.01以下、sol.Al:0.005
以上、Cu:0.1〜0.6 、Ni:0.05 〜0.6 、Nb:0.005〜0.0
2、Cr:0.06 以下、残部が鉄及び不可避的不純物からな
る鋼のスラブを熱間圧延するに際し、Ar3 〜(Ar3+100)
℃の温度範囲で仕上圧延を行い、前記仕上圧延後平均冷
却速度25℃/ 秒で冷却し、下記の式で定義されるT ℃以
下の温度範囲で巻取ることを特徴とする耐食性及び耐二
次加工性ともに優れた熱延鋼板の製造方法。 T=(25000×[Nb]-823.3) ×[P] +523.3

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の足回り部
品などに用いられる熱延鋼板、特に耐食性および耐二次
加工脆性に優れた強度レベルが38〜50kgf/mm
2 の熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の省エネルギー対策として、燃費
向上を狙った車体の軽量化が推進されている。特に、重
要保安部品である足回り部品では、板厚の厚い鋼板が用
いられているので軽量化を効果的に図ることができるた
め、高強度鋼板の適用による薄肉化や部品構造の変更な
どによる軽量化が積極的に検討されている。
【0003】高強度鋼板を足回り部品に適用する場合、
部品形状が複雑化してきているため優れた加工性、特に
伸びフランジ性や加工度の増大に伴う充分な耐二次加工
脆性を有する鋼板を用いる必要がある。また、鋼板には
薄肉化に伴いより優れた耐食性も具備される必要があ
る。
【0004】これまで、特開平3ー82708号公報、
特開平4ー235250号公報、特開平4ー27601
6号公報、特開平6ー336640号公報、特開平7ー
3383号公報、特開平7ー18376号公報には、P
とCuの複合添加により熱延鋼板の耐食性を向上させる
方法が開示されているが、Pによる二次加工脆性の防止
法については言及されてない。
【0005】一方、特開平5ー171289号公報や特
開平7ー145426号公報には、PとCuの複合添加
により耐食性の向上が図られ、しかも伸びフランジ性や
耐二次加工脆性にも優れた足回り部品用熱延鋼板の製造
方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等が特開平5ー171289号公報や特開平7ー14
5426号公報に記載された方法を追試したところ、強
度レベルが38〜50kgf/mm2 の熱延鋼板の製造
においては、耐食性および耐二次加工脆性ともに優れた
鋼板を安定して製造できなかった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、PとCuの複合添加により耐食性およ
び耐二次加工脆性ともに優れた強度レベルが38〜50
kgf/mm2 の熱延鋼板を安定製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、wt%で、
C:0.002〜0.018%、Si:0.5%以下、
Mn:1.2%以下、P:0.02〜0.1%、S:
0.01%以下、sol.Al:0.005%以上、C
u:0.1〜0.6%、Ni:0.05〜0.6%、N
b:0.005〜0.02%、Cr:0.06%以下、
残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼のスラブを熱
間圧延するに際し、Ar3 〜(Ar3 +100)℃の温
度範囲で仕上圧延を行い、前記仕上圧延後平均冷却速度
25℃/秒以上で冷却し、下記の式(1)で定義される
T℃以下の温度範囲で巻取ることを特徴とする耐食性お
よび耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方法により
解決される。 T=(25000×〔Nb〕−823.3)×〔P〕+523.3・・・(1 ) ここで、〔Nb〕、〔P〕はNb、Pの含有量(wt
%)を表す。
【0009】以下に限定理由を説明する。 C:腐食減量や最大侵食深さを増大させ耐食性に悪影響
をおよぼすとともに加工性や溶接性を劣化させるため、
0.018wt%以下とする。一方、フェライト粒が粗
大化し加工性や耐二次加工脆性が劣化するのを防ぐため
0.002wt%以上にする必要がある。
【0010】Si:良好な強度ー延性バランスを維持し
ながら高強度化の図れる元素であるが、過剰に含有され
ると表面性状が劣化するため0.5wt%以下とする。
【0011】Mn:高強度化に有効な元素であるが、過
剰に含有されると耐食性や溶接性が劣化するため1.2
wt%以下とする。
【0012】P:高強度化に有効であるとともに、耐食
性の向上に寄与する元素である。特に、孔食に対する腐
食速度を著しく低下させる。その効果を充分に得るには
0.02wt%以上にする必要がある。しかし、過剰に
含有されると後述する熱延条件を最適化しても耐二次加
工脆性が劣化するので0.01wt%以下とする。
【0013】S:延性、伸びフランジ性、耐食性を劣化
させるMnSのような圧延方向に伸びたA系の非金属介
在物を形成するため0.01wt%以下、好ましくは
0.001wt%以下とする。
【0014】sol.Al:鋼の脱酸に有効な元素であ
り、その効果を得るには0.005wt%以上にする必
要がある。
【0015】Cu:Pと共存することにより孔食に対す
る腐食速度を低下させ、耐食性を向上させる元素であ
る。その効果を得るには0.1wt%以上にする必要が
ある。過剰に含有されると赤熱脆化により表面疵が発生
するが、後述するNiによりその発生を抑制できる。し
かし、Ni添加はコスト高を招くので0.6wt%以下
とする。
【0016】Ni:上述したようにCu量が多い場合に
発生する表面疵の防止に有効な元素である。表面疵を完
全に防止するにはCu量の1/2以上の量が必要であっ
たので0.05wt%以上とする。また、Cu量を超え
た量は有効でなく、コスト高を招くので0.6wt%以
下とする。
【0017】Nb:フェライト粒を微細化し加工性や耐
二次加工脆性を向上させる元素である。その効果を得る
には0.005wt%以上にする必要がある。0.02
wt%を超えると、フェライト粒の微細化効果は飽和す
るとともにNb炭化物の析出が起こり延性が低下するの
で0.02wt%以下にする必要がある。
【0018】Cr:塩素イオンの存在する環境下で孔食
の発生を促進するため0.06wt%以下とする。
【0019】なお、必要に応じてCa、REM、Zrの
うち少なくとも1種または2種以上の元素をS量に対し
化学量論的に当量以上含有させれば、MnSのようなA
系の非金属介在物を減少でき延性、伸びフランジ性、耐
食性が向上する。
【0020】このような組成を有する鋼のスラブを仕上
圧延するに当たっては、フェライト粒を細粒化するため
に、できるだけ低温で圧延することが好ましいが、Ar
3 未満だと加工歪みが残留して加工性が著しく劣化する
ため、Ar3 〜(Ar3 +100)℃の温度範囲で仕上
圧延する必要がある。
【0021】こうして仕上圧延された鋼板は、Pの結晶
粒界への偏析を避けて耐二次加工脆性を向上させるとと
もにPの持つ耐食性を向上させる効果を有効に引き出す
ために、平均冷却速度25℃/秒以上で冷却され、上記
の式(1)で定義されるT℃以下の温度範囲で巻取られ
る必要がある。
【0022】特に、Pの結晶粒界偏析が起こりやすい5
00〜600℃の温度範囲を冷却速度25℃/秒以上で
冷却することが望ましい。
【0023】また、仕上圧延後60℃/秒を超える平均
冷却速度で冷却すると、Nb添加により再結晶の抑制さ
れた未再結晶オーステナイトからフェライト変態が起こ
り、組織がアシキュラー状になるとともに粒成長も抑制
されるため、より優れた耐二次加工脆性が得られる。ま
た、通常の等軸組織の場合に比べ高強度になるため、耐
食性や溶接性に好ましくないCやMnなどの元素を低減
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明法の成分を有する鋼は転炉
や電気炉で溶製される。
【0025】溶製後は、造塊・分塊圧延あるいは連続鋳
造によりスラブとなし、このスラブをそのままあるいは
再加熱後粗圧延と仕上圧延して熱延鋼板とする。また、
溶製後薄スラブを鋳造して粗圧延を行うことなく仕上圧
延のみで熱延鋼板を製造することもできる。
【0026】仕上圧延後は、本発明法の条件で冷却し、
T℃以下の巻取温度でコイラーに巻取られるが、製造の
安定性の面から巻取温度は350℃以上、より好ましく
は400℃以上であることが望ましい。
【0027】
【実施例】表1に示す16種の成分系の鋼a〜pを用
い、表2に示す熱延条件で20種の厚さ2.6mm、幅
約900mmの熱延鋼板(試料No.1〜20)を作製
した。ここで、鋼a〜lは本発明成分範囲内の鋼であ
り、鋼m〜pは本発明成分範囲外の鋼である。また、試
料No.1、3、5、6、8〜14は本発明法により製
造された試料であり、試料No.2、3は仕上温度が上
限を超えた試料、試料No.7は冷却速度が下限を切っ
た試料、試料No.15は巻取温度がT℃より高い試
料、試料No.16は仕上温度が下限を切った試料、試
料No.17はP量が下限を切った試料、試料No.1
8はCu量が下限を切った試料、試料No.19、20
はNb量が下限を切った試料である。
【0028】作製した熱延鋼板に伸長率1%の調質圧延
を施した後、引張強度TS、伸びElの引張特性値(J
IS5号試験片、圧延方向)の測定や伸びフランジ性、
耐食性、耐二次加工脆性の調査を行った。
【0029】伸びフランジ性は、試料に直径10mmの
穴を形成後穴拡げ試験を行って、下記の穴拡げ率(λ)
によって評価した。 穴拡げ率(λ)=〔(試験前後の穴径の差)/10〕×
100(%)
【0030】耐食性は、図1に示す条件の腐食促進試験
を240サイクル行った後、鋼板表面に発生した錆を酢
酸2アンモニウムで除去し、最大侵食深さをマイクロメ
ータで測定し、従来の足回り部品用である自動車構造用
熱延鋼板SAPH440の最大侵食深さと比較し、SA
PH440の最大侵食深さの75%以下の最大侵食深さ
であれば○、75%を超える最大侵食深さであれば×で
評価した。
【0031】耐二次加工脆性は、絞り比2.0でカップ
成形後、種々の温度でカップを扁平させ縦割れの発生す
る温度で評価した。
【0032】結果を表2に示す。本発明法で作製された
試料は、いずれも高い穴拡げ率、優れた耐食性、低い縦
割れ温度を示し、伸びフランジ性、耐食性、耐二次加工
脆性に優れた熱延鋼板といえる。また、冷却速度を70
℃/秒と著しく速くするとより優れた耐二次加工脆性の
得られることがわかる(試料No.5)。
【0033】一方、仕上温度が高過ぎると縦割れ温度が
上昇し、耐二次加工脆性が劣り(試料No.2、3)、
低過ぎると穴拡げ率が低下し、伸びフランジ性が劣る
(試料No.16)。また、冷却速度が遅過ぎたり、巻
取温度が高過ぎたり、Nb量が少な過ぎたりしても、縦
割れ温度が上昇し、耐二次加工脆性が劣る(試料No.
7、15、19、20)。PやCu量が少な過ぎると、
優れた耐食性が得られない(試料No.17、18)。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、PとCuの複合添加により耐食性および耐二
次加工脆性ともに優れた強度レベルが38〜50kgf
/mm 2 の熱延鋼板を安定製造する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】腐食促進試験の条件を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 wt%で、C:0.002〜0.018
    %、Si:0.5%以下、Mn:1.2%以下、P:
    0.02〜0.1%、S:0.01%以下、sol.A
    l:0.005%以上、Cu:0.1〜0.6%、N
    i:0.05〜0.6%、Nb:0.005〜0.02
    %、Cr:0.06%以下、残部が鉄および不可避的不
    純物からなる鋼のスラブを熱間圧延するに際し、Ar3
    〜(Ar3+100)℃の温度範囲で仕上圧延を行い、
    前記仕上圧延後平均冷却速度25℃/秒以上で冷却し、
    下記の式(1)で定義されるT℃以下の温度範囲で巻取
    ることを特徴とする耐食性および耐二次加工脆性に優れ
    た熱延鋼板の製造方法。 T=(25000×〔Nb〕−823.3)×〔P〕+523.3・・・(1 ) ここで、〔Nb〕、〔P〕はNb、Pの含有量(wt
    %)を表す。
  2. 【請求項2】 前記組成に加え、Ca、REM、Zrの
    うち少なくとも1種または2種以上の元素がS量に対し
    化学量論的に当量以上含有されることを特徴とする請求
    項1に記載の耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延
    鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記仕上圧延後500〜600℃の温度
    範囲を冷却速度25℃/秒以上で冷却することを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の耐食性および耐二
    次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記仕上圧延後平均冷却速度が60℃/
    秒を超えることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の
    製造方法。
JP4092997A 1997-02-25 1997-02-25 耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法 Pending JPH10237543A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112662947A (zh) * 2020-12-08 2021-04-16 首钢集团有限公司 一种耐工业大气腐蚀用钢及其制备方法
CN114686778A (zh) * 2022-04-01 2022-07-01 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 耐候钢及其制备方法和应用

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030107