JPH10237543A - 耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法 - Google Patents
耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法Info
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- JPH10237543A JPH10237543A JP4092997A JP4092997A JPH10237543A JP H10237543 A JPH10237543 A JP H10237543A JP 4092997 A JP4092997 A JP 4092997A JP 4092997 A JP4092997 A JP 4092997A JP H10237543 A JPH10237543 A JP H10237543A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 P とCuの複合添加により耐食性及び耐二次加
工性ともに優れた熱延鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 wt%で、C:0.002 〜0.018 、Si:0.5以下、
Mn:1.2以下、P:0.02〜0.1 、S:0.01以下、sol.Al:0.005
以上、Cu:0.1〜0.6 、Ni:0.05 〜0.6 、Nb:0.005〜0.0
2、Cr:0.06 以下、残部が鉄及び不可避的不純物からな
る鋼のスラブを熱間圧延するに際し、Ar3 〜(Ar3+100)
℃の温度範囲で仕上圧延を行い、前記仕上圧延後平均冷
却速度25℃/ 秒で冷却し、下記の式で定義されるT ℃以
下の温度範囲で巻取ることを特徴とする耐食性及び耐二
次加工性ともに優れた熱延鋼板の製造方法。 T=(25000×[Nb]-823.3) ×[P] +523.3
工性ともに優れた熱延鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 wt%で、C:0.002 〜0.018 、Si:0.5以下、
Mn:1.2以下、P:0.02〜0.1 、S:0.01以下、sol.Al:0.005
以上、Cu:0.1〜0.6 、Ni:0.05 〜0.6 、Nb:0.005〜0.0
2、Cr:0.06 以下、残部が鉄及び不可避的不純物からな
る鋼のスラブを熱間圧延するに際し、Ar3 〜(Ar3+100)
℃の温度範囲で仕上圧延を行い、前記仕上圧延後平均冷
却速度25℃/ 秒で冷却し、下記の式で定義されるT ℃以
下の温度範囲で巻取ることを特徴とする耐食性及び耐二
次加工性ともに優れた熱延鋼板の製造方法。 T=(25000×[Nb]-823.3) ×[P] +523.3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の足回り部
品などに用いられる熱延鋼板、特に耐食性および耐二次
加工脆性に優れた強度レベルが38〜50kgf/mm
2 の熱延鋼板の製造方法に関する。
品などに用いられる熱延鋼板、特に耐食性および耐二次
加工脆性に優れた強度レベルが38〜50kgf/mm
2 の熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の省エネルギー対策として、燃費
向上を狙った車体の軽量化が推進されている。特に、重
要保安部品である足回り部品では、板厚の厚い鋼板が用
いられているので軽量化を効果的に図ることができるた
め、高強度鋼板の適用による薄肉化や部品構造の変更な
どによる軽量化が積極的に検討されている。
向上を狙った車体の軽量化が推進されている。特に、重
要保安部品である足回り部品では、板厚の厚い鋼板が用
いられているので軽量化を効果的に図ることができるた
め、高強度鋼板の適用による薄肉化や部品構造の変更な
どによる軽量化が積極的に検討されている。
【0003】高強度鋼板を足回り部品に適用する場合、
部品形状が複雑化してきているため優れた加工性、特に
伸びフランジ性や加工度の増大に伴う充分な耐二次加工
脆性を有する鋼板を用いる必要がある。また、鋼板には
薄肉化に伴いより優れた耐食性も具備される必要があ
る。
部品形状が複雑化してきているため優れた加工性、特に
伸びフランジ性や加工度の増大に伴う充分な耐二次加工
脆性を有する鋼板を用いる必要がある。また、鋼板には
薄肉化に伴いより優れた耐食性も具備される必要があ
る。
【0004】これまで、特開平3ー82708号公報、
特開平4ー235250号公報、特開平4ー27601
6号公報、特開平6ー336640号公報、特開平7ー
3383号公報、特開平7ー18376号公報には、P
とCuの複合添加により熱延鋼板の耐食性を向上させる
方法が開示されているが、Pによる二次加工脆性の防止
法については言及されてない。
特開平4ー235250号公報、特開平4ー27601
6号公報、特開平6ー336640号公報、特開平7ー
3383号公報、特開平7ー18376号公報には、P
とCuの複合添加により熱延鋼板の耐食性を向上させる
方法が開示されているが、Pによる二次加工脆性の防止
法については言及されてない。
【0005】一方、特開平5ー171289号公報や特
開平7ー145426号公報には、PとCuの複合添加
により耐食性の向上が図られ、しかも伸びフランジ性や
耐二次加工脆性にも優れた足回り部品用熱延鋼板の製造
方法が提案されている。
開平7ー145426号公報には、PとCuの複合添加
により耐食性の向上が図られ、しかも伸びフランジ性や
耐二次加工脆性にも優れた足回り部品用熱延鋼板の製造
方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等が特開平5ー171289号公報や特開平7ー14
5426号公報に記載された方法を追試したところ、強
度レベルが38〜50kgf/mm2 の熱延鋼板の製造
においては、耐食性および耐二次加工脆性ともに優れた
鋼板を安定して製造できなかった。
者等が特開平5ー171289号公報や特開平7ー14
5426号公報に記載された方法を追試したところ、強
度レベルが38〜50kgf/mm2 の熱延鋼板の製造
においては、耐食性および耐二次加工脆性ともに優れた
鋼板を安定して製造できなかった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、PとCuの複合添加により耐食性およ
び耐二次加工脆性ともに優れた強度レベルが38〜50
kgf/mm2 の熱延鋼板を安定製造する方法を提供す
ることを目的とする。
なされたもので、PとCuの複合添加により耐食性およ
び耐二次加工脆性ともに優れた強度レベルが38〜50
kgf/mm2 の熱延鋼板を安定製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、wt%で、
C:0.002〜0.018%、Si:0.5%以下、
Mn:1.2%以下、P:0.02〜0.1%、S:
0.01%以下、sol.Al:0.005%以上、C
u:0.1〜0.6%、Ni:0.05〜0.6%、N
b:0.005〜0.02%、Cr:0.06%以下、
残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼のスラブを熱
間圧延するに際し、Ar3 〜(Ar3 +100)℃の温
度範囲で仕上圧延を行い、前記仕上圧延後平均冷却速度
25℃/秒以上で冷却し、下記の式(1)で定義される
T℃以下の温度範囲で巻取ることを特徴とする耐食性お
よび耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方法により
解決される。 T=(25000×〔Nb〕−823.3)×〔P〕+523.3・・・(1 ) ここで、〔Nb〕、〔P〕はNb、Pの含有量(wt
%)を表す。
C:0.002〜0.018%、Si:0.5%以下、
Mn:1.2%以下、P:0.02〜0.1%、S:
0.01%以下、sol.Al:0.005%以上、C
u:0.1〜0.6%、Ni:0.05〜0.6%、N
b:0.005〜0.02%、Cr:0.06%以下、
残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼のスラブを熱
間圧延するに際し、Ar3 〜(Ar3 +100)℃の温
度範囲で仕上圧延を行い、前記仕上圧延後平均冷却速度
25℃/秒以上で冷却し、下記の式(1)で定義される
T℃以下の温度範囲で巻取ることを特徴とする耐食性お
よび耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方法により
解決される。 T=(25000×〔Nb〕−823.3)×〔P〕+523.3・・・(1 ) ここで、〔Nb〕、〔P〕はNb、Pの含有量(wt
%)を表す。
【0009】以下に限定理由を説明する。 C:腐食減量や最大侵食深さを増大させ耐食性に悪影響
をおよぼすとともに加工性や溶接性を劣化させるため、
0.018wt%以下とする。一方、フェライト粒が粗
大化し加工性や耐二次加工脆性が劣化するのを防ぐため
0.002wt%以上にする必要がある。
をおよぼすとともに加工性や溶接性を劣化させるため、
0.018wt%以下とする。一方、フェライト粒が粗
大化し加工性や耐二次加工脆性が劣化するのを防ぐため
0.002wt%以上にする必要がある。
【0010】Si:良好な強度ー延性バランスを維持し
ながら高強度化の図れる元素であるが、過剰に含有され
ると表面性状が劣化するため0.5wt%以下とする。
ながら高強度化の図れる元素であるが、過剰に含有され
ると表面性状が劣化するため0.5wt%以下とする。
【0011】Mn:高強度化に有効な元素であるが、過
剰に含有されると耐食性や溶接性が劣化するため1.2
wt%以下とする。
剰に含有されると耐食性や溶接性が劣化するため1.2
wt%以下とする。
【0012】P:高強度化に有効であるとともに、耐食
性の向上に寄与する元素である。特に、孔食に対する腐
食速度を著しく低下させる。その効果を充分に得るには
0.02wt%以上にする必要がある。しかし、過剰に
含有されると後述する熱延条件を最適化しても耐二次加
工脆性が劣化するので0.01wt%以下とする。
性の向上に寄与する元素である。特に、孔食に対する腐
食速度を著しく低下させる。その効果を充分に得るには
0.02wt%以上にする必要がある。しかし、過剰に
含有されると後述する熱延条件を最適化しても耐二次加
工脆性が劣化するので0.01wt%以下とする。
【0013】S:延性、伸びフランジ性、耐食性を劣化
させるMnSのような圧延方向に伸びたA系の非金属介
在物を形成するため0.01wt%以下、好ましくは
0.001wt%以下とする。
させるMnSのような圧延方向に伸びたA系の非金属介
在物を形成するため0.01wt%以下、好ましくは
0.001wt%以下とする。
【0014】sol.Al:鋼の脱酸に有効な元素であ
り、その効果を得るには0.005wt%以上にする必
要がある。
り、その効果を得るには0.005wt%以上にする必
要がある。
【0015】Cu:Pと共存することにより孔食に対す
る腐食速度を低下させ、耐食性を向上させる元素であ
る。その効果を得るには0.1wt%以上にする必要が
ある。過剰に含有されると赤熱脆化により表面疵が発生
するが、後述するNiによりその発生を抑制できる。し
かし、Ni添加はコスト高を招くので0.6wt%以下
とする。
る腐食速度を低下させ、耐食性を向上させる元素であ
る。その効果を得るには0.1wt%以上にする必要が
ある。過剰に含有されると赤熱脆化により表面疵が発生
するが、後述するNiによりその発生を抑制できる。し
かし、Ni添加はコスト高を招くので0.6wt%以下
とする。
【0016】Ni:上述したようにCu量が多い場合に
発生する表面疵の防止に有効な元素である。表面疵を完
全に防止するにはCu量の1/2以上の量が必要であっ
たので0.05wt%以上とする。また、Cu量を超え
た量は有効でなく、コスト高を招くので0.6wt%以
下とする。
発生する表面疵の防止に有効な元素である。表面疵を完
全に防止するにはCu量の1/2以上の量が必要であっ
たので0.05wt%以上とする。また、Cu量を超え
た量は有効でなく、コスト高を招くので0.6wt%以
下とする。
【0017】Nb:フェライト粒を微細化し加工性や耐
二次加工脆性を向上させる元素である。その効果を得る
には0.005wt%以上にする必要がある。0.02
wt%を超えると、フェライト粒の微細化効果は飽和す
るとともにNb炭化物の析出が起こり延性が低下するの
で0.02wt%以下にする必要がある。
二次加工脆性を向上させる元素である。その効果を得る
には0.005wt%以上にする必要がある。0.02
wt%を超えると、フェライト粒の微細化効果は飽和す
るとともにNb炭化物の析出が起こり延性が低下するの
で0.02wt%以下にする必要がある。
【0018】Cr:塩素イオンの存在する環境下で孔食
の発生を促進するため0.06wt%以下とする。
の発生を促進するため0.06wt%以下とする。
【0019】なお、必要に応じてCa、REM、Zrの
うち少なくとも1種または2種以上の元素をS量に対し
化学量論的に当量以上含有させれば、MnSのようなA
系の非金属介在物を減少でき延性、伸びフランジ性、耐
食性が向上する。
うち少なくとも1種または2種以上の元素をS量に対し
化学量論的に当量以上含有させれば、MnSのようなA
系の非金属介在物を減少でき延性、伸びフランジ性、耐
食性が向上する。
【0020】このような組成を有する鋼のスラブを仕上
圧延するに当たっては、フェライト粒を細粒化するため
に、できるだけ低温で圧延することが好ましいが、Ar
3 未満だと加工歪みが残留して加工性が著しく劣化する
ため、Ar3 〜(Ar3 +100)℃の温度範囲で仕上
圧延する必要がある。
圧延するに当たっては、フェライト粒を細粒化するため
に、できるだけ低温で圧延することが好ましいが、Ar
3 未満だと加工歪みが残留して加工性が著しく劣化する
ため、Ar3 〜(Ar3 +100)℃の温度範囲で仕上
圧延する必要がある。
【0021】こうして仕上圧延された鋼板は、Pの結晶
粒界への偏析を避けて耐二次加工脆性を向上させるとと
もにPの持つ耐食性を向上させる効果を有効に引き出す
ために、平均冷却速度25℃/秒以上で冷却され、上記
の式(1)で定義されるT℃以下の温度範囲で巻取られ
る必要がある。
粒界への偏析を避けて耐二次加工脆性を向上させるとと
もにPの持つ耐食性を向上させる効果を有効に引き出す
ために、平均冷却速度25℃/秒以上で冷却され、上記
の式(1)で定義されるT℃以下の温度範囲で巻取られ
る必要がある。
【0022】特に、Pの結晶粒界偏析が起こりやすい5
00〜600℃の温度範囲を冷却速度25℃/秒以上で
冷却することが望ましい。
00〜600℃の温度範囲を冷却速度25℃/秒以上で
冷却することが望ましい。
【0023】また、仕上圧延後60℃/秒を超える平均
冷却速度で冷却すると、Nb添加により再結晶の抑制さ
れた未再結晶オーステナイトからフェライト変態が起こ
り、組織がアシキュラー状になるとともに粒成長も抑制
されるため、より優れた耐二次加工脆性が得られる。ま
た、通常の等軸組織の場合に比べ高強度になるため、耐
食性や溶接性に好ましくないCやMnなどの元素を低減
できる。
冷却速度で冷却すると、Nb添加により再結晶の抑制さ
れた未再結晶オーステナイトからフェライト変態が起こ
り、組織がアシキュラー状になるとともに粒成長も抑制
されるため、より優れた耐二次加工脆性が得られる。ま
た、通常の等軸組織の場合に比べ高強度になるため、耐
食性や溶接性に好ましくないCやMnなどの元素を低減
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明法の成分を有する鋼は転炉
や電気炉で溶製される。
や電気炉で溶製される。
【0025】溶製後は、造塊・分塊圧延あるいは連続鋳
造によりスラブとなし、このスラブをそのままあるいは
再加熱後粗圧延と仕上圧延して熱延鋼板とする。また、
溶製後薄スラブを鋳造して粗圧延を行うことなく仕上圧
延のみで熱延鋼板を製造することもできる。
造によりスラブとなし、このスラブをそのままあるいは
再加熱後粗圧延と仕上圧延して熱延鋼板とする。また、
溶製後薄スラブを鋳造して粗圧延を行うことなく仕上圧
延のみで熱延鋼板を製造することもできる。
【0026】仕上圧延後は、本発明法の条件で冷却し、
T℃以下の巻取温度でコイラーに巻取られるが、製造の
安定性の面から巻取温度は350℃以上、より好ましく
は400℃以上であることが望ましい。
T℃以下の巻取温度でコイラーに巻取られるが、製造の
安定性の面から巻取温度は350℃以上、より好ましく
は400℃以上であることが望ましい。
【0027】
【実施例】表1に示す16種の成分系の鋼a〜pを用
い、表2に示す熱延条件で20種の厚さ2.6mm、幅
約900mmの熱延鋼板(試料No.1〜20)を作製
した。ここで、鋼a〜lは本発明成分範囲内の鋼であ
り、鋼m〜pは本発明成分範囲外の鋼である。また、試
料No.1、3、5、6、8〜14は本発明法により製
造された試料であり、試料No.2、3は仕上温度が上
限を超えた試料、試料No.7は冷却速度が下限を切っ
た試料、試料No.15は巻取温度がT℃より高い試
料、試料No.16は仕上温度が下限を切った試料、試
料No.17はP量が下限を切った試料、試料No.1
8はCu量が下限を切った試料、試料No.19、20
はNb量が下限を切った試料である。
い、表2に示す熱延条件で20種の厚さ2.6mm、幅
約900mmの熱延鋼板(試料No.1〜20)を作製
した。ここで、鋼a〜lは本発明成分範囲内の鋼であ
り、鋼m〜pは本発明成分範囲外の鋼である。また、試
料No.1、3、5、6、8〜14は本発明法により製
造された試料であり、試料No.2、3は仕上温度が上
限を超えた試料、試料No.7は冷却速度が下限を切っ
た試料、試料No.15は巻取温度がT℃より高い試
料、試料No.16は仕上温度が下限を切った試料、試
料No.17はP量が下限を切った試料、試料No.1
8はCu量が下限を切った試料、試料No.19、20
はNb量が下限を切った試料である。
【0028】作製した熱延鋼板に伸長率1%の調質圧延
を施した後、引張強度TS、伸びElの引張特性値(J
IS5号試験片、圧延方向)の測定や伸びフランジ性、
耐食性、耐二次加工脆性の調査を行った。
を施した後、引張強度TS、伸びElの引張特性値(J
IS5号試験片、圧延方向)の測定や伸びフランジ性、
耐食性、耐二次加工脆性の調査を行った。
【0029】伸びフランジ性は、試料に直径10mmの
穴を形成後穴拡げ試験を行って、下記の穴拡げ率(λ)
によって評価した。 穴拡げ率(λ)=〔(試験前後の穴径の差)/10〕×
100(%)
穴を形成後穴拡げ試験を行って、下記の穴拡げ率(λ)
によって評価した。 穴拡げ率(λ)=〔(試験前後の穴径の差)/10〕×
100(%)
【0030】耐食性は、図1に示す条件の腐食促進試験
を240サイクル行った後、鋼板表面に発生した錆を酢
酸2アンモニウムで除去し、最大侵食深さをマイクロメ
ータで測定し、従来の足回り部品用である自動車構造用
熱延鋼板SAPH440の最大侵食深さと比較し、SA
PH440の最大侵食深さの75%以下の最大侵食深さ
であれば○、75%を超える最大侵食深さであれば×で
評価した。
を240サイクル行った後、鋼板表面に発生した錆を酢
酸2アンモニウムで除去し、最大侵食深さをマイクロメ
ータで測定し、従来の足回り部品用である自動車構造用
熱延鋼板SAPH440の最大侵食深さと比較し、SA
PH440の最大侵食深さの75%以下の最大侵食深さ
であれば○、75%を超える最大侵食深さであれば×で
評価した。
【0031】耐二次加工脆性は、絞り比2.0でカップ
成形後、種々の温度でカップを扁平させ縦割れの発生す
る温度で評価した。
成形後、種々の温度でカップを扁平させ縦割れの発生す
る温度で評価した。
【0032】結果を表2に示す。本発明法で作製された
試料は、いずれも高い穴拡げ率、優れた耐食性、低い縦
割れ温度を示し、伸びフランジ性、耐食性、耐二次加工
脆性に優れた熱延鋼板といえる。また、冷却速度を70
℃/秒と著しく速くするとより優れた耐二次加工脆性の
得られることがわかる(試料No.5)。
試料は、いずれも高い穴拡げ率、優れた耐食性、低い縦
割れ温度を示し、伸びフランジ性、耐食性、耐二次加工
脆性に優れた熱延鋼板といえる。また、冷却速度を70
℃/秒と著しく速くするとより優れた耐二次加工脆性の
得られることがわかる(試料No.5)。
【0033】一方、仕上温度が高過ぎると縦割れ温度が
上昇し、耐二次加工脆性が劣り(試料No.2、3)、
低過ぎると穴拡げ率が低下し、伸びフランジ性が劣る
(試料No.16)。また、冷却速度が遅過ぎたり、巻
取温度が高過ぎたり、Nb量が少な過ぎたりしても、縦
割れ温度が上昇し、耐二次加工脆性が劣る(試料No.
7、15、19、20)。PやCu量が少な過ぎると、
優れた耐食性が得られない(試料No.17、18)。
上昇し、耐二次加工脆性が劣り(試料No.2、3)、
低過ぎると穴拡げ率が低下し、伸びフランジ性が劣る
(試料No.16)。また、冷却速度が遅過ぎたり、巻
取温度が高過ぎたり、Nb量が少な過ぎたりしても、縦
割れ温度が上昇し、耐二次加工脆性が劣る(試料No.
7、15、19、20)。PやCu量が少な過ぎると、
優れた耐食性が得られない(試料No.17、18)。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、PとCuの複合添加により耐食性および耐二
次加工脆性ともに優れた強度レベルが38〜50kgf
/mm 2 の熱延鋼板を安定製造する方法を提供できる。
いるので、PとCuの複合添加により耐食性および耐二
次加工脆性ともに優れた強度レベルが38〜50kgf
/mm 2 の熱延鋼板を安定製造する方法を提供できる。
【図1】腐食促進試験の条件を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 wt%で、C:0.002〜0.018
%、Si:0.5%以下、Mn:1.2%以下、P:
0.02〜0.1%、S:0.01%以下、sol.A
l:0.005%以上、Cu:0.1〜0.6%、N
i:0.05〜0.6%、Nb:0.005〜0.02
%、Cr:0.06%以下、残部が鉄および不可避的不
純物からなる鋼のスラブを熱間圧延するに際し、Ar3
〜(Ar3+100)℃の温度範囲で仕上圧延を行い、
前記仕上圧延後平均冷却速度25℃/秒以上で冷却し、
下記の式(1)で定義されるT℃以下の温度範囲で巻取
ることを特徴とする耐食性および耐二次加工脆性に優れ
た熱延鋼板の製造方法。 T=(25000×〔Nb〕−823.3)×〔P〕+523.3・・・(1 ) ここで、〔Nb〕、〔P〕はNb、Pの含有量(wt
%)を表す。 - 【請求項2】 前記組成に加え、Ca、REM、Zrの
うち少なくとも1種または2種以上の元素がS量に対し
化学量論的に当量以上含有されることを特徴とする請求
項1に記載の耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延
鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記仕上圧延後500〜600℃の温度
範囲を冷却速度25℃/秒以上で冷却することを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の耐食性および耐二
次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 前記仕上圧延後平均冷却速度が60℃/
秒を超えることを特徴とする請求項1または請求項2に
記載の耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092997A JPH10237543A (ja) | 1997-02-25 | 1997-02-25 | 耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092997A JPH10237543A (ja) | 1997-02-25 | 1997-02-25 | 耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10237543A true JPH10237543A (ja) | 1998-09-08 |
Family
ID=12594200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4092997A Pending JPH10237543A (ja) | 1997-02-25 | 1997-02-25 | 耐食性および耐二次加工脆性に優れた熱延鋼板の製造方 法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10237543A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112662947A (zh) * | 2020-12-08 | 2021-04-16 | 首钢集团有限公司 | 一种耐工业大气腐蚀用钢及其制备方法 |
CN114686778A (zh) * | 2022-04-01 | 2022-07-01 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 耐候钢及其制备方法和应用 |
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1997
- 1997-02-25 JP JP4092997A patent/JPH10237543A/ja active Pending
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