JPH10237348A - 複合シリカ微粒子の製造方法 - Google Patents

複合シリカ微粒子の製造方法

Info

Publication number
JPH10237348A
JPH10237348A JP9042576A JP4257697A JPH10237348A JP H10237348 A JPH10237348 A JP H10237348A JP 9042576 A JP9042576 A JP 9042576A JP 4257697 A JP4257697 A JP 4257697A JP H10237348 A JPH10237348 A JP H10237348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica fine
fine particles
group
composite silica
organic polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9042576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3961604B2 (ja
Inventor
Taisei Fuku
大成 富久
Shigefumi Kuramoto
成史 倉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP04257697A priority Critical patent/JP3961604B2/ja
Publication of JPH10237348A publication Critical patent/JPH10237348A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3961604B2 publication Critical patent/JP3961604B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス樹脂に対して優れた親和性を有
し、物性にバラツキがない複合シリカ微粒子を、容易に
製造する方法を提供することである。 【解決手段】 複合シリカ微粒子の製造方法は、球状シ
リカ微粒子を有機ポリマーと複合化して複合シリカ微粒
子を得る方法であって、この複合化工程が、前記球状シ
リカ微粒子を分散させた分散液中で、1分子当たりに少
なくとも1個のポリシロキサン基を備え、かつ、前記ポ
リシロキサン基中に少なくとも1個のSi−OR1
(R1 は水素原子、アルキル基およびアシル基から選ば
れる少なくとも1種の基であって、前記アルキル基およ
びアシル基は置換されていてもよい基;R1 が1分子中
に複数ある場合、複数のR1 は互いに異なっても良
い。)を含有する有機ポリマー(P)を加水分解・縮合
することにより、前記球状シリカ微粒子を複合化する工
程であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム、成形材
料、塗料、繊維および感光材料等に用いられる充填材
や、マット剤、表面改質剤、固体潤滑剤等として有用な
複合シリカ微粒子、その製造方法および分散体と、プラ
スチックフィルム等の用途の改良とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種プラスチックフィルムの
滑り剤や、感光材料、各種プラスチックフィルム等に対
するアンチブロッキング性付与を目的としたマット剤と
して、種々の無機微粒子が用いられている。これら用途
においては、無機微粒子と、無機微粒子が接触する接触
面との接触面積が小さいほど有効であるため、無機微粒
子の形状は球状であるのが好ましい。しかしながら、無
機微粒子は、一般に、プラスチックフィルムを構成する
マトリックス樹脂や、マット剤を固着させるのに用いら
れるバインダー樹脂との親和性が低くく、マトリックス
樹脂およびバインダー樹脂(以下、「マトリックス樹脂
およびバインダー樹脂」を「マトリックス樹脂等」とい
うことがある。)で無機微粒子を固定するのは困難であ
った。さらに、その形状が球状であると、マトリックス
樹脂等との接触面積が小さくなって、これらから容易に
脱落してしまうという問題があった。
【0003】無機微粒子とマトリックス樹脂等との親和
性の問題を解決するため、以下に示す複合化方法が提案
されている。たとえば、特開平3−271114号公報
には、粒子径が5〜300nmのシリカ微粒子をシリル
エーテル化ポリマーで複合化することが記載されてい
る。坪川らは、気相法で得られた粒子径が数十nmのシ
リカ微粒子表面に重合性官能基や重合開始基を導入後、
これら基をラジカル重合するか、または、前記シリカ微
粒子にシリル基含有ポリマーカップリング剤を反応させ
て、シリカ微粒子の表面に有機ポリマーをグラフトする
ことを報告している(「表面」第28巻,第4号,第2
86〜298頁,1990年)。特開平5−11577
2号公報には、粒子径が数十nmの気相法で得られたシ
リカ微粒子の表面に重合性官能基を導入後、乳化重合を
行って、シリカ微粒子の表面をポリマーでグラフト化す
ることが記載されている。特開平4−180921号公
報には、粒子径が10〜5000nmのコロイダルシリ
カ表面をあらかじめカップリング剤で処理した後、酸基
含有ポリマーで複合化する方法が記載されている。ま
た、吉永らは、単分散シリカ微粒子をアルコキシシリル
基含有ポリマーで複合化する例を報告している(「繊維
学会誌」第49巻,第3号,第130〜136頁,19
93年)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記公
報あるいは文献記載の複合化方法を追試したところ、こ
れらの複合化方法では、いずれも、複合化後に乾燥処理
を施すことが必須であり、乾燥処理を行う時に、乾燥処
理条件を正確に制御するのが困難であるため、複合微粒
子の凝集や有機ポリマーによる複合微粒子間の架橋が生
じ、複合微粒子の粒子径等にバラツキがみられ、再現性
が低いことがわかった。
【0005】そこで、本発明の課題は、マトリックス樹
脂等に対して優れた親和性を有し、物性にバラツキがな
い複合シリカ微粒子と、この複合シリカ微粒子を容易に
製造する方法とを提供することである。本発明の別の課
題は、取扱性に優れる複合シリカ微粒子分散体を提供す
ることである。
【0006】本発明のさらに別の課題は、複合シリカ微
粒子の脱落がなくて、十分な滑り性を有し、耐摩耗性に
優れたプラスチックフィルムを提供することである。本
発明のさらに別の課題は、優れたアンチブロッキング性
を付与し、容易に脱落しないマット剤を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、シリカ微粒子を特
定の有機ポリマーで複合化すると、乾燥工程を行う必要
がないので、凝集や架橋を生じさせないで複合シリカ微
粒子を製造できるという知見を得て、本発明に到達し
た。
【0008】すなわち、本発明の複合シリカ微粒子の製
造方法は、球状シリカ微粒子を有機ポリマーと複合化し
て複合シリカ微粒子を得る方法であって、この複合化工
程が、前記球状シリカ微粒子を分散させた分散液中で、
1分子当たりに少なくとも1個のポリシロキサン基を備
え、かつ、前記ポリシロキサン基中に少なくとも1個の
Si−OR1 基(R1 は水素原子、アルキル基およびア
シル基から選ばれる少なくとも1種の基であって、前記
アルキル基およびアシル基は置換されていてもよい基;
1 が1分子中に複数ある場合、複数のR1 は互いに異
なっても良い。)を含有する有機ポリマー(P)を加水
分解・縮合することにより、前記球状シリカ微粒子を複
合化する工程である、ことを特徴とする。
【0009】本発明の複合シリカ微粒子は、上記製造方
法により得られる複合シリカ微粒子である。本発明の複
合シリカ微粒子分散体は、上記複合シリカ微粒子が分散
液中に分散してなる分散体である。本発明のプラスチッ
クフィルムは、上記複合シリカ微粒子がマトリックス樹
脂中に分散してなるフィルムである。
【0010】本発明のマット剤は、上記複合シリカ微粒
子を含んでなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔複合シリカ微粒子とその製造方法〕本発明の複合シリ
カ微粒子の製造方法は、球状シリカ微粒子を有機ポリマ
ーと複合化して複合シリカ微粒子を得る方法であり、こ
の複合化工程が、前記球状シリカ微粒子を分散させた分
散液中で、有機ポリマー(P)を加水分解・縮合するこ
とにより、前記球状シリカ微粒子を複合化する工程であ
ることを特徴とする。
【0012】本発明で用いる球状シリカ微粒子について
は、形状が球状であれば、特に限定されるものではな
い。本発明でいう球状とは、真球状や、玉子等の球状に
近い形状を意味し、たとえば、粒子のアスペクト比(粒
子の最短径と最長径の比)が0.5〜2の範囲内にある
ものをいう。粒子のアスペクト比は、0.7〜1.5で
あると、得られる複合シリカ微粒子を含むプラスチック
フィルムの滑り性が向上したり、得られる複合シリカ微
粒子をマット剤として用いると優れたアンチブロッキン
グ性を付与できるため好ましい。
【0013】球状シリカ微粒子の粒子径については特に
制限はなく、あらゆる粒子径のものを用いることができ
るが、複合化工程において反応の制御のしやすさから、
5nm〜10μmの平均粒子径のものが好ましく、さら
に好ましくは0.1〜10μmであり、最も好ましくは
0.3〜5μmである。球状シリカ微粒子の製法につい
ては特に限定されるものではなく、たとえば、溶融法、
溶融噴霧法、析出法、アルコキシド法、懸濁法、界面重
合法、中和法等のうちのいずれの方法で得られるもので
あってもよい。中でも、テトラメトキシシラン等を原料
とするアルコキシド法によって得られる球状シリカ微粒
子が、後述の有機ポリマー(P)と反応し易いアルコキ
シ基が球状シリカ微粒子の表面に数多く存在するように
なるため好ましい。
【0014】球状シリカ微粒子の粒子径分布については
とくに制限はないが、粒子径の変動係数が50%以下で
あると好ましく、さらに好ましくは40%以下、最も好
ましくは30%以下である。粒子径の変動係数が50%
を超える粒子径分布が広い球状シリカ微粒子を用いて得
られる複合シリカ微粒子をプラスチックフィルム等の成
形体に充填材として含ませると、その成形体の表面の平
滑性、滑り性などの物性が低下する場合がある。また、
得られる複合シリカ微粒子をマット剤として用いても、
十分なアンチブロッキング性を付与できないことがあ
る。
【0015】球状シリカ微粒子は、シリカ以外の他の無
機酸化物を含有していてもよいが、球状シリカ微粒子の
入手のしやすさから、他の無機酸化物の含有量は、球状
シリカ微粒子全体の20重量%以下が好ましく、10重
量%以下がより好ましく、5重量%以下が最も好まし
い。球状シリカ微粒子は、有機基や、水酸基が含有され
ていてもよい。ここでいう有機基とは、炭素数20以下
の置換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基よびアラルキル基から選ばれる少なくと
も1種である。球状シリカ微粒子に含まれる有機基の含
有量は、球状シリカ微粒子全体の10重量%以下が好ま
しく、5重量%以下がより好ましく、2重量%以下が最
も好ましい。
【0016】本発明に用いる有機ポリマー(P)は、有
機鎖およびポリシロキサン基から構成され、1分子当た
りに少なくとも1個のポリシロキサン基を備え、かつ、
前記ポリシロキサン基中に少なくとも1個のSi−OR
1 基を含有する構造を有する。有機ポリマー(P)にお
いて、有機鎖の構造は特に限定されない。有機ポリマー
(P)は、マトリックス樹脂等に対する優れた親和性を
球状シリカ微粒子に付与する働きがある。ポリシロキサ
ン基と有機鎖との結合形態はSi−C結合である。ここ
で、結合形態がSi−O−C結合等であると、この結合
形態が加水分解や交換反応等によって容易に切断されて
しまうおそれがある。
【0017】有機ポリマー(P)の構造としては、後述
する有機溶剤や水に溶解するものであれば特に制限され
るものではなく、たとえば、ポリシロキサン基が有機鎖
にグラフトしたポリマー、ポリシロキサン基が有機鎖末
端の片方あるいは両方に結合したポリマー、あるいはポ
リシロキサン基をコアとして複数の直鎖状または分枝状
の有機鎖(複数の有機鎖は同じであっても異なってもよ
い)が結合したポリマー等が挙げられる。
【0018】ここで有機鎖とは、有機ポリマー(P)に
おいて、ポリシロキサン基以外の部分である。有機鎖中
の主鎖を構成する元素は、炭素原子を主体とするもので
あり、その含有率が有機鎖全体の50〜100モル%を
占め、残部をN、O、S、Si、P等の元素が占めるも
のが容易に得られるため好ましい。有機鎖を構成する樹
脂の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル樹
脂;ポリスチレン;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレンやポ
リプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポ
リ塩化ビニリデン;ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル、および、これらの共重合体や一部変性した
樹脂等が挙げられる。中でも、有機鎖を構成する樹脂
が、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステルから選ばれる
少なくとも1種であると、有機ポリマー(P)を製造し
易いため好ましい。
【0019】前記Si−OR1 基中のR1 O基は、加水
分解および/または縮合可能な官能基であり、有機ポリ
マー(P)1分子当たり少なくとも1個である。R1
基は、平均5個以上であることが好ましく、20個以上
であることがより好ましい。R1 O基が多いほど、有機
ポリマー(P)を加水分解・縮合する時の反応点が増
え、球状シリカ微粒子との結合をより強固にさせること
が可能となる。ここでR 1 は、水素原子、アルキル基お
よびアシル基から選ばれる少なくとも1種の基であっ
て、前記アルキル基およびアシル基は置換されていても
よい基である。アルキル基、アシル基についてはその炭
素数は特に限定されないが、R1 O基の加水分解速度が
速く、容易に効率よく複合シリカ微粒子を製造できるた
めには、炭素数1〜5のアルキル基やアシル基が好まし
い。炭素数1〜5のアルキル基としては、たとえば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、ペンチル基等
のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜5のアシル基と
しては、たとえば、アセチル基、プロピオニル基等のア
シル基が挙げられる。置換されているアルキル基、置換
されているアシル基としては、たとえば、上記アルキル
基、アシル基の有する水素原子の1個または2個以上
が、たとえば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基;塩素、
臭素等のハロゲン等で置換されてなる基が挙げられる。
1 が1分子中に複数ある場合、複数のR1 は互いに同
一であっても異なっても良い。中でも、R1 は、水素原
子、メチル基およびエチル基から選ばれる少なくとも1
種が好ましく、メチル基が最も好ましい。これは、R1
O基の加水分解・縮合の反応速度がさらに速くなり、容
易に効率よく複合シリカ微粒子を製造できるためであ
る。
【0020】ポリシロキサン基は、R1 O基がSi原子
と結合したSi−OR1 基を1個以上有し、2個以上の
Si原子がポリシロキサン結合(Si−O−Si結合)
により直鎖状または分枝状に連結してなる基である。こ
のポリシロキサン基の有するSi原子の個数は、特に限
定されるわけではないが、前述したR1 O基を多く含有
できる点で、ポリシロキサン基1個当たりの平均で、3
個以上が好ましく、7個以上がさらに好ましく、11個
以上が最も好ましい。このようなポリシロキサン基とし
ては、たとえば、ポリメチルメトキシシロキサン基、ポ
リエチルメトキシシロキサン基、ポリメチルエトキシシ
ロキサン基、ポリエチルエトキシシロキサン基、ポリフ
ェニルメトキシシロキサン基、ポリフェニルエトキシシ
ロキサン基等が挙げられる。
【0021】さらに、ポリシロキサン基中のSi原子
は、有機鎖との結合、およびポリシロキサン結合(Si
−O−Si結合)の他はR1 O基とのみ結合しているこ
とが好ましい。このような場合、Si原子のイオン性が
より高まり、その結果R1 O基の加水分解・縮合の速度
がより速くなり、容易に効率よく複合シリカ微粒子を製
造できるようになるとともに、有機ポリマー(P)中の
反応点がより多くなり、マトリックス樹脂等に対する優
れた親和性を複合シリカ微粒子に付与できるためであ
る。このようなポリシロキサン基としては、たとえば、
ポリジメトキシシロキサン基、ポリジエトキシシロキサ
ン基、ポリジイソプロポキシシロキサン基、ポリn−ブ
トキシシロキサン基等が挙げられる。
【0022】有機ポリマー(P)の分子量は特に限定さ
れないが、その数平均分子量は、好ましくは200,0
00以下であり、さらに好ましくは50,000以下で
ある。分子量が高すぎると後述する分散液に溶解しない
場合がある。有機ポリマー(P)は従来公知の方法によ
り製造でき、たとえば、以下に示す(1)〜(4)の方
法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】(1)二重結合基やメルカプト基を有する
ようなシランカップリング剤の存在下、ラジカル重合性
モノマーをラジカル(共)重合した後、得られた(共)
重合体と後述するシラン化合物(H)および/またはそ
の誘導体を共加水分解・縮合する方法。 (2)二重結合基やメルカプト基を有するようなシラン
カップリング剤と後述するシラン化合物(H)および/
またはその誘導体を共加水分解・縮合した後、得られた
共加水分解物や縮合物(以下、重合性ポリシロキサンと
略することがある。)の存在下ラジカル重合性モノマー
をラジカル(共)重合する方法。
【0024】(3)二重結合基、アミノ基、エポキシ
基、メルカプト基等の反応性基を有するようなシランカ
ップリング剤と前記反応性基と反応するような基を有す
るポリマーを反応させた後、得られたポリマーと後述す
るシラン化合物(H)および/またはその誘導体を共加
水分解・縮合する方法。 (4)二重結合基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト
基等の反応性基を有するようなシランカップリング剤と
後述するシラン化合物(H)および/またはその誘導体
を共加水分解・縮合した後、得られた前記反応性基を有
するような共加水分解物や縮合物と前記反応性基と反応
するような基を有するポリマーを反応させる方法。
【0025】上記の中でも、より容易に有機ポリマー
(P)を得ることができる点で(2)が好ましい。上記
で挙げた、二重結合基、アミノ基、エポキシ基、メルカ
プト基等の反応性基を有するようなシランカップリング
剤としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチ
ルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0026】シラン化合物(H)としては、たとえば、
メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシ
ラン、トリメチルアセトキシシラン、テトラアセトキシ
シラン等のアシロキシシラン化合物;テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチ
ルフェニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメ
トキシジエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等
が挙げられる。また、シラン化合物(H)の誘導体の具
体例としては、上記シラン化合物(H)の加水分解・縮
合物等が挙げられる。
【0027】シラン化合物(H)のうち、アルコキシシ
ラン化合物が原料として入手し易く特に好ましい。ま
た、シラン化合物(H)およびその誘導体が、テトラア
ルコキシシラン化合物およびその誘導体であると、加水
分解・縮合速度が速く、球状シリカ微粒子の表面を容易
に効率よく複合化して複合シリカ微粒子を製造できる好
ましい。
【0028】本発明の複合シリカ微粒子の製造方法で
は、球状シリカ微粒子を分散させた分散液中で、球状シ
リカ微粒子の複合化が行われ、複合シリカ微粒子が得ら
れる。球状シリカ微粒子を分散させた分散液は、水を必
須成分として含み、後述する有機溶剤を含有することが
ある。その組成は特に限定されるものではないが、有機
ポリマー(P)が溶解する組成であることが必要であ
る。上記有機溶剤としては、たとえば、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸
エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレン
グリコールモノブチルエーテル等のエステル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエ
ーテル、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル類;メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブ
タノール、エチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアル
コール類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化
炭化水素類等が挙げられ、これらの2種以上を混合して
用いてもよい。中でも、有機溶剤が、アルコール類、ケ
トン類、エーテル類から選ばれる少なくとも1種を必須
としたものであると、水と混合して均一な混合液となる
ため好ましい。
【0029】有機ポリマー(P)を加水分解・縮合する
際に用いられる触媒としては、塩基性触媒が好ましく、
これは、有機ポリマー(P)中のSi−OR1 基の転化
率をより高くでき、球状シリカ微粒子の表面により強固
に有機ポリマーを結合させることができるためである。
塩基性触媒としては、たとえば、アンモニア;トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン等の有機アミン化合物;
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ
ムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−ter
t−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属化合物;塩基性イオン交換樹脂等が挙げ
られ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。中で
も、塩基性触媒が、アンモニアおよび/または有機アミ
ン化合物であると、複合化後に除去し易く、好ましい。
【0030】加水分解・縮合する際の原料である球状シ
リカ微粒子、有機ポリマー(P)、有機溶剤、塩基性触
媒、および、水等の配合割合については、特に限定され
ないが、以下の配合割合であると好ましい。球状シリカ
微粒子の配合割合は、球状シリカ微粒子、有機ポリマー
(P)、有機溶剤、塩基性触媒、および、水等の各原料
成分の全量に対して、0.1〜30重量%であると、有
機ポリマー(P)同士の自己縮合が防がれるため好まし
く、より好ましくは0.5〜25重量%、最も好ましく
は1〜20重量%である。
【0031】有機ポリマー(P)の配合割合は、原料成
分の全量に対して、0.01〜60重量%であると、有
機ポリマー(P)同士の自己縮合が防がれるため好まし
く、より好ましくは0.1〜50重量%、最も好ましく
は0.2〜20重量%である。有機ポリマー(P)と球
状シリカ微粒子との重量比(有機ポリマー(P)/球状
シリカ微粒子)については、たとえば、0.01〜1で
あると、球状シリカ微粒子の表面に有機ポリマー(P)
を効率良く結合させて複合化を行い、有機ポリマー
(P)の自己縮合が防がれるため好ましい。より好まし
くは0.05〜0.7であり、最も好ましくは0.1〜
0.5である。重量比が1よりも大きいと、有機ポリマ
ー(P)同士が自己縮合して、有機ポリマー(P)の縮
合物が副生することがある。他方、重量比が0.01よ
りも小さいと、有機ポリマー(P)が少なすぎて、球状
シリカ微粒子は複合化されにくくなり、これが十分にな
されないため、得られる複合シリカ微粒子に、マトリッ
クス樹脂等に対する優れた親和性を付与できなくなる。
なお、有機ポリマー(P)同士が自己縮合して得られる
自己縮合物は、複合化後に得られる複合シリカ微粒子中
に含まれていてもよい場合もあるが、複合化をより効率
よく行うためにも、上記重量比の範囲で加水分解・縮合
を行うのが好ましい。
【0032】有機溶剤の配合割合については、たとえ
ば、原料成分の全量に対して0〜99.9重量%である
と、分散液中に球状シリカ微粒子を均一に分散させ、有
機ポリマー(P)を分散液中に十分に溶解させることが
できるため好ましく、より好ましくは20〜99重量
%、最も好ましくは40〜99重量%である。塩基性触
媒の配合割合については、たとえば、原料成分の全量に
対して0.01〜20重量%であると、有機ポリマー
(P)中のSi−OR1 基を十分に加水分解・縮合でき
るため好ましく、より好ましくは0.05〜10重量
%、最も好ましくは0.1〜5重量%である。
【0033】水の配合割合については、有機ポリマー
(P)が加水分解・縮合して、球状シリカ微粒子を容易
に効率よく複合化して複合シリカ微粒子を製造できるも
のであれば、特に限定されないが、水の配合割合は多け
れば多い程、有機ポリマー(P)が加水分解・縮合し易
くなるため好ましい。水の配合割合は、たとえば、加水
分解・縮合するSi−OR1 基に対して、モル比で0.
1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であ
る。ただし、有機ポリマー(P)が水に対して不溶であ
る場合は、水の配合割合は、原料成分の全量に対して、
好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%
以下、最も好ましくは15重量%以下である。
【0034】本発明の複合シリカ微粒子の製造方法は、
球状シリカ微粒子を分散させた分散液中で、有機ポリマ
ー(P)を加水分解・縮合することによって行われる。
その反応温度は、通常、0〜100℃であり、好ましく
は0〜70℃である。また、反応時間は、通常、5分〜
100時間であり、加水分解・縮合は、通常、攪拌する
ことによって行われる。
【0035】本発明の複合シリカ微粒子の製造方法にお
いて、球状シリカ微粒子、有機ポリマー(P)、有機溶
剤、塩基性触媒、および、水等の各原料成分を混合する
ことによって、有機ポリマー(P)が加水分解・縮合し
て、球状シリカ微粒子の複合化が行われる。各原料成分
を混合する方法は特に限定されないが、球状シリカ微粒
子、有機ポリマー(P)、有機溶剤、塩基性触媒、およ
び、水等の各原料成分を、それぞれを単独で同時または
順番に混合してもよく、予め、いくつかの成分を混合し
た混合物を調製し、それら混合物を混合してもよく、ま
た、いくつかの成分を混合した混合物と、単独成分とを
混合してもよい。特に、有機ポリマー(P)を加水分解
・縮合させるのに必要な成分である水については、球状
シリカ微粒子を分散させた分散液中に予め含ませておい
てもよく、有機ポリマー(P)とともに、または、有機
ポリマー(P)と別個に分散液中に含ませてもよく、有
機ポリマー(P)を分散液中に含ませた後に、水をさら
に含ませてもよい。また、加水分解・縮合によって生成
する副生物や、触媒等は、濾過や蒸留などで除去しても
よい。
【0036】上記のようにして分散液中で球状シリカ微
粒子を複合化した後、有機ポリマー(P)を球状シリカ
微粒子の表面に固定化する目的で、必ずしも分散液中に
含まれる水や有機溶媒を除去して乾燥する必要はなく、
得られる複合シリカ微粒子の凝集や有機ポリマー(P)
による複合シリカ微粒子間の架橋等が生じず、得られる
複合シリカ微粒子の粒子径等の物性がばらつくこともな
い。
【0037】上記製造方法で得られる複合シリカ微粒子
は、複合化の工程後にそのままで、後述の複合シリカ微
粒子分散体として用いてもよい。複合化の工程後に、さ
らに、複合シリカ微粒子を反応後の分散液から分離する
単離工程を設けてもよい。単離工程としては、たとえ
ば、製造後の分散液(分散体)に複合シリカ微粒子との
親和性が低い溶剤を加えて、複合シリカ微粒子を沈殿さ
せ、ろ過する単離工程や、製造後の分散液(分散体)を
減圧や加熱して、製造後の分散液中に含まれる分散媒を
留去する単離工程等が挙げられる。
【0038】本発明の複合シリカ微粒子は、上記製造方
法により得られるものであり、球状シリカ微粒子本体の
表面に、Si−O−Si結合を介して、有機ポリマーが
固定されている。ここで、球状シリカ微粒子本体は球状
シリカ微粒子に由来する構造を有し、有機ポリマーは有
機ポリマー(P)中の有機鎖に由来する構造を有してい
る。
【0039】複合シリカ微粒子全体に対する有機ポリマ
ーの割合については、特に限定されないが、後述する本
発明のプラスチックフィルムに複合シリカ微粒子を含ま
せる場合、複合シリカ微粒子中の有機ポリマーの割合が
少なすぎると、マトリックス樹脂等との親和性が低下
し、プラスチックフィルムの表面および内部から微粒子
が脱落するようになり、耐磨耗性が低下する。他方、有
機ポリマーの割合が多すぎると、シリカの特徴である硬
度や耐熱性などの物性が低下する。このため、有機ポリ
マーの割合は、複合シリカ微粒子全体に対して、好まし
くは0.1〜60重量%、さらに好ましくは1〜40重
量%、最も好ましくは2〜30重量%である。
【0040】複合シリカ微粒子中の球状シリカ微粒子本
体の表面には、原料である球状シリカ微粒子に由来する
有機基、水酸基が残留していてもよく、また、原料であ
る有機ポリマー(P)中のポリシロキサン基中のアルコ
キシ基や、用いた有機溶剤に由来する有機基等が残留し
ていてもよい。 〔複合シリカ微粒子分散体〕本発明の複合シリカ微粒子
分散体は、上記複合シリカ微粒子が分散液中に分散して
なる分散体である。
【0041】分散液を構成する分散媒としては、上記で
説明した有機溶剤や水が挙げられ、有機溶剤と水との混
合物を分散媒としてもよい。複合シリカ微粒子分散体中
に含まれる複合シリカ微粒子の配合割合は、複合シリカ
微粒子分散体全体に対して、好ましくは0.1〜60重
量%、より好ましくは0.5〜50重量%、最も好まし
くは1〜30重量%である。複合シリカ微粒子の配合割
合が60重量%を超えると、分散体の粘度が高くなり、
取扱いにくくなる。
【0042】複合シリカ微粒子分散体としては、たとえ
ば、上記複合シリカ微粒子の製造方法において、複合シ
リカ微粒子を単離せずにそのままの状態のものや、上記
製造方法で複合シリカ微粒子を製造した後、ろ過や乾燥
等を行って一度複合シリカ微粒子を単離した後、再度、
分散媒と混合して製造されるもの、また、上記製造方法
で得られた複合シリカ微粒子分散体を減圧や加熱等し
て、複合シリカ微粒子の製造時の分散媒を留去しなが
ら、別の分散媒を加えて、分散媒を置換して製造される
もの等がある。
【0043】複合シリカ微粒子分散体は、単離された状
態の複合シリカ微粒子よりも、凝集が非常に少なく、分
散した状態で扱えるため、取扱性が高いという利点があ
る。 〔プラスチックフィルム〕本発明のプラスチックフィル
ムは、上記複合シリカ微粒子がマトリックス樹脂中に分
散してなるプラスチックフィルムであり、上記製造方法
により得られる複合シリカ微粒子と、マトリックス樹脂
とを含む。
【0044】マトリックス樹脂について特に限定されな
いが、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体
等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよ
い。中でも、マトリックス樹脂が、(メタ)アクリル樹
脂および/またはポリエステルであると、複合シリカ微
粒子中の有機ポリマーとの親和性が高くなるため好まし
い。
【0045】プラスチックフィルム中に含まれる複合シ
リカ微粒子の配合割合については、特に限定されない
が、プラスチックフィルム全体に対して、好ましくは
0.001〜10重量%、より好ましくは0.005〜
8重量%、最も好ましくは0.01〜5重量%である。
複合シリカ微粒子がプラスチックフィルム全体の0.0
01重量%未満であると、滑り性や、硬さ、アンチブロ
ッキング性がプラスチックフィルムに付与されなくな
る。他方、10重量%を超えると、プラスチックフィル
ムが成型によって得られにくくなり、その外観や、強
度、平滑性等の物性が低下する。
【0046】プラスチックフィルムを製造する方法につ
いて特に限定されないが、たとえば、以下に挙げる〜
の製造方法がある。 マトリックス樹脂と複合シリカ微粒子とを混合して得
られる組成物を、後述の成型法でフィルム化してプラス
チックフィルムを製造する方法。 マトリックス樹脂の原料と複合シリカ微粒子とを混合
して得られる組成物を反応させて、マトリックス樹脂と
複合シリカ微粒子とを混合して得られる組成物に変換し
た後、後述の成型法でフィルム化してプラスチックフィ
ルムを製造する方法。
【0047】基材となるマトリックス樹脂を含むフィ
ルムを予め用意し、このフィルムの表面を複合シリカ微
粒子を含むコーティング剤で被覆する方法。 上記およびで用いられる成型法については、特に限
定されないが、たとえば、溶融押し出し法、共溶融押し
出し法、インフレーション法、Tダイ法、流延成型法、
カレンダー法等の成型方法が挙げられる。さらに成型後
に、延伸、蒸着、ラミネート、プライマーコート等の処
理を行って、プラスチックフィルムを製造してもよい。
【0048】上記でマトリックス樹脂と複合シリカ微
粒子との組成物を得るには、まず、前述の複合シリカ微
粒子分散体とマトリックス樹脂と混合した後、分散体中
の分散媒を蒸留等で除去したり、また、単離、乾燥され
た複合シリカ微粒子をマトリックス樹脂と混合後、複合
シリカ微粒子を超音波分散器やホモジナイザー等でマト
リックス樹脂中に再分散する必要がある。なお、上記
では、複合シリカ微粒子をマトリックス樹脂の原料に分
散させた複合シリカ微粒子分散体を用いているので、上
記で行われる分散媒の除去や、複合シリカ微粒子の再
分散する工程を省くことができる。
【0049】上記のコーティング剤で被覆する方法
は、基材となるマトリックス樹脂を成型し、適宜、延
伸、蒸着、ラミネート、プライマーコート等の処理を行
って、フィルムを用意し、このフィルムの表面を複合シ
リカ微粒子を含むコーティング剤で被覆する方法であ
る。なお、コーティング剤で被覆後に、延伸、蒸着、ラ
ミネート等の処理を行ってもよい。
【0050】コーティング剤は、複合シリカ微粒子を必
須成分として含み、有機バインダーを含有する。有機バ
インダーとしては、それ自体で被膜形成能を有するもの
であれば、特に限定されないが、複合シリカ微粒子中の
有機鎖と相溶するものが好ましく、たとえば、(メタ)
アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエ
チレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、および、これらの共重合体や、
アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル
基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられ、これら
の2種以上を混合して用いてもよい。中でも、有機バイ
ンダーが、(メタ)アクリル樹脂および/またはポリエ
ステルであると、複合シリカ微粒子中の有機ポリマーと
の親和性が高く、プラスチックフィルムからの複合シリ
カ微粒子の脱落がなくて、十分な滑り性を長期間維持で
きるようになるため好ましい。
【0051】コーティング剤には、必要に応じて、有機
バインダーを硬化させる硬化剤をさらに含ませてもよ
い。上記でのコーティング剤で被覆する方法について
は特に限定されないが、たとえば、ローラーコート、グ
ラビアコート、ディップコート、スプレーコート等任意
の方法で行うことができる。また、コーティング後の乾
燥方法および乾燥条件については、特に限定されるもの
ではなく、任意の方法、条件で行うことができる。
【0052】コーティング剤には、上記コーティング方
法での適性や、所望の膜厚に応じて、必要により、前述
の有機溶剤および/または水を含ませてもよい。上記
〜の方法のいずれを行ってもよく、状況に応じて適宜
選択される。たとえば、のコーティングする工程を省
きたい時や、コーティングに用いられる装置がない場合
は、、のいずれかの方法でプラスチックフィルムを
得ることができる。また、押出機等の成形機がない時
は、の方法でプラスチックフィルムを得ることができ
る。
【0053】本発明のプラスティックフィルムは、その
表面および内部からの複合シリカ微粒子の脱落がなく、
十分な滑り性を有し、耐摩耗性に優れるため、たとえ
ば、磁気テープ、光学写真フィルム、コンデンサーフィ
ルム、熱転写印刷用フィルム、包装用フィルム等に有効
に使用でき、特に、磁気テープ用プラスチックフィルム
では、優れた磁気特性や走行性が実現できる。 〔マット剤〕本発明のマット剤は、上記複合シリカ微粒
子を含んでなるマット剤であり、上記製造方法により得
られる複合シリカ微粒子を含み、ハロゲン化銀感光材料
等に有用である。
【0054】前述の複合シリカ微粒子をたとえば、ハロ
ゲン化銀感光材料のマット剤として使用する場合、ハロ
ゲン化銀感光材料を構成するその他の部材としては、従
来公知のものを使用できる。すなわち、基材、樹脂バイ
ンダー、増光色素、界面活性剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、安定剤、硬膜剤、増粘剤等として、任意のものが使
用でき、任意の方法で得られるハロゲン化銀粒子を使用
できる。また、必要に応じて、磁気記録層を設けたり、
磁性粉を併用してもかまわない。
【0055】本発明のマット剤はハロゲン化銀感光材料
を構成する任意の層、たとえば、基材、下塗り層、中間
層、乳剤層、保護層等から選ばれる少なくとも1種の層
に任意の方法で使用できる。マット剤の使用量について
は、特に限定されないが、好ましくは、0.002〜2
g/m2 であり、より好ましくは0.05〜0.5g/
2 である。
【0056】本発明のマット剤を用いて得られたハロゲ
ン化銀感光材料は、優れたアンチブロッキング性、画像
特性、安定性を有し、マット剤の脱落がほとんどないた
め、良好な感光材料である。
【0057】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、
本発明は下記実施例に限定されるものではない。重合性
ポリシロキサンおよび有機ポリマー(P)を下記製造例
1〜10により合成した後、実施例を行った。 (製造例1) (重合性ポリシロキサン(S−1)の製造)攪拌機、温
度計および冷却管を備えた300mlの四つ口フラスコ
にテトラメトキシシラン144.5g、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン23.6g、水19
g、メタノール30.0g、アンバーリスト15(ロー
ム・アンド・ハース・ジャパン社製の陽イオン交換樹
脂)5.0gを入れ、65℃で2時間攪拌し、反応させ
た。反応混合物を室温まで冷却した後、冷却管に代えて
蒸留塔、これに接続させた冷却管および流出口を設け、
常圧下に80℃まで2時間かけて昇温し、メタノールが
流出しなくなるまで同温度で保持した。さらに、200
mmHgの圧力下、90℃で、メタノールが流出しなく
なるまで同温度で保持し、反応をさらに進行させた。再
び室温まで冷却した後、アンバーリスト15を濾別し、
数平均分子量が1800の重合性ポリシロキサン(S−
1)を得た。 (製造例2) (有機ポリマー(P−1)の製造)攪拌機、滴下口、温
度計、冷却管およびN2 ガス導入口を備えた1リットル
のフラスコに、有機溶剤として酢酸ブチル200gを入
れ、N2 ガスを導入し、攪拌しながらフラスコ内温を1
20℃まで加熱した。ついで製造例1で得られた重合性
ポリシロキサン(S−1)20g、メチルメタクリレー
ト80g、2−エチルヘキシルアクリレート10g、ス
チレン60g、ブチルアクリレート30g、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル6.5gを混合した溶液を
滴下口より2時間かけて滴下した。滴下後も同温度で1
時間攪拌続けた後、1,1’−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.4
gを30分おきに2回添加し、さらに2時間加熱して共
重合を行い、数平均分子量が11,000の有機ポリマ
ー(P−1)が酢酸ブチルに溶解した溶液を得た。得ら
れた溶液中の固形分は49.0%であった。 (製造例3) (有機ポリマー(P−2)の製造)攪拌機、滴下口、温
度計、冷却管およびN2 ガス導入口を備えた500ミリ
リットルのフラスコに、メタノール260gを入れ、N
2 ガスを導入し、攪拌しながらフラスコ内温を65℃ま
で加熱した。ついで製造例1で得られた重合性ポリシロ
キサン(S−1)14g、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート63g、ポリオキシエチレンメタクリレート63
g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)4gを混合した溶液を滴下口より2時間かけて滴
下した。滴下後も同温度で1時間攪拌を続けた後、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.3gを30分おきに2回添加し、さらに2時間加熱
して共重合を行い、数平均分子量が9,000の有機ポ
リマー(P−2)がメタノールに溶解した溶液を得た。
得られた溶液中の固形分は35.0%であった。 (製造例4〜5) (有機ポリマー(P−3〜P−4)の製造)表1に示し
た組成に変更する以外は製造例3と同様にして、有機ポ
リマー(P−3〜P−4)がメタノールに溶解した溶液
を得た。得られた有機ポリマー(P−3〜P−4)の数
平均分子量および溶液中の固形分を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル ADVN:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル) MMA:メチルメタクリレート 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート St:スチレン HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート POEMA:ポリオキシメチレンメタクリレート AA:アクリル酸 S−1:重合性ポリシロキサン(S−1) (製造例6) (球状シリカ微粒子分散溶媒(D−1)の製造)攪拌
機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口ロ)、温度計
を備えた1リットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチル5
11g、メタノール128gを入れておき、内温を20
℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、テト
ラメトキシシラン108gを滴下口イから、水41g、
25%アンモニア水14g、メタノール55gの混合液
を滴下口ロから、40分かけて滴下した。滴下後、同温
度で1時間攪拌を続け、球状シリカ微粒子分散溶媒(D
−1)を得た。得られた球状シリカ微粒子の平均粒子
径、変動係数および球状シリカ微粒子分散溶媒(D−
1)の液組成を表2に示す。
【0060】なお、球状シリカ微粒子および後述の複合
シリカ微粒子の平均粒子径、変動係数は以下の方法で測
定した。 (平均粒子径および変動係数)透過型電子顕微鏡により
粒子を撮影し、任意の100個の粒子の直径を読み取
り、その平均を平均粒子径とした。また、下記の式によ
り変動係数を算出した。
【0061】変動係数(%)=(粒子の粒子径の標準偏
差)/(粒子の平均粒子径) (製造例7) (球状シリカ微粒子分散溶媒(D−2)の製造)攪拌機
および超音波ホモジナイザーを備えた1リットルのマイ
ヤーフラスコに、メタノール696g、(株)日本触媒
製球状シリカ微粒子粉体「シーホスターKE−P10
0」24gを入れ、1時間超音波分散を行った。次いで
アンモニア水80gを加え、室温にて1時間攪拌を行
い、球状シリカ微粒子分散溶媒(D−2)を得た。得ら
れた溶媒中の球状シリカ微粒子の平均粒子径、変動係数
および球状シリカ微粒子分散溶媒(D−2)の液組成を
表2に示す。 (製造例8) (球状シリカ微粒子分散溶媒(D−3)の製造)球状シ
リカ微粒子粉体として(株)日本触媒製「シーホスター
KE−P250」を用いること以外は製造例7と同様
にして、球状シリカ微粒子分散溶媒(D−3)を得た。
得られた溶媒中の球状シリカ微粒子の平均粒子径、変動
係数および球状シリカ微粒子分散溶媒(D−3)の液組
成を表2に示す。 (製造例9) (球状シリカ微粒子分散溶媒(D−4)の製造)攪拌
機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口ロ)、温度計
を備えた500ミリリットルの四つ口フラスコに、メタ
ノール229g、25%アンモニア水36gを入れてお
き、内温を20℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌
しながら、テトラメトキシシラン73gを滴下口イか
ら、水17gを滴下口ロから、40分かけて滴下した。
滴下後、同温度で1時間攪拌を続け、球状シリカ微粒子
分散溶媒(D−4)を得た。得られた球状シリカ微粒子
の平均粒子径、変動係数および球状シリカ微粒子分散溶
媒(D−4)の液組成を表2に示す。 (製造例10) (球状シリカ微粒子分散溶媒(D−5)の製造)攪拌機
を備えた1リットルのマイヤーフラスコに、メタノール
688g、日産化学工業(株)製「スノーテックスC」
40g、アンモニア水72gを入れ、1時間攪拌を行
い、球状シリカ微粒子分散溶媒(D−5)を得た。得ら
れた溶媒中の球状シリカ微粒子の平均粒子径、変動係数
および球状シリカ微粒子分散溶媒(D−5)の液組成を
表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】(実施例A1) (複合シリカ微粒子(Z−1)分散体の製造)攪拌機、
滴下口、温度計を備えた500ミリリットルの四つ口フ
ラスコに、製造例6で得た球状シリカ微粒子分散溶媒
(D−1)350gを入れておき、内温を20℃に調整
した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、製造例2で得
た有機ポリマー(P−1)の酢酸ブチル溶液4.5g、
酢酸ブチル4.5gの混合液を20分かけて滴下した。
滴下後、同温度で1時間攪拌を続けた。さらに110m
mHgの圧力下、フラスコ内温を100℃まで昇温し、
アンモニア、メタノール、水、酢酸ブチルを固形分が2
5%となるまで留去し、複合シリカ微粒子(Z−1)の
酢酸ブチル分散体を得た。得られた複合シリカ微粒子
(Z−1)の平均粒子径、変動係数、この微粒子中のシ
リカ濃度を表3に示す。
【0064】なお、複合シリカ微粒子の平均粒子径およ
び変動係数は、前述の方法で測定した。また、複合シリ
カ微粒子中のシリカ濃度は以下の方法で測定した。 (複合シリカ微粒子中のシリカ濃度)複合シリカ微粒子
分散体を乾燥して得られる複合シリカ微粒子粉体につい
て元素分析を行い、灰分をシリカとして算出した。 (実施例A2) (複合シリカ微粒子(Z−2)分散体の製造)攪拌機、
滴下口、温度計を備えた500ミリリットルの四つ口フ
ラスコに、製造例7で得た球状シリカ微粒子分散溶媒
(D−2)380gを入れておき、内温を20℃に調整
した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、製造例3で得
た有機ポリマー(P−2)のメタノール溶液4g、メタ
ノール4gの混合液を20分かけて滴下した。滴下後、
同温度で1時間攪拌を続けた。さらに60mmHgの圧
力下、フラスコ内温を125℃まで昇温し、アンモニ
ア、メタノール、水を留去しながらエチレングリコール
103gを滴下し、固形分が10%となるまで濃縮し、
複合シリカ微粒子(Z−2)のエチレングリコール分散
体を得た。得られた複合シリカ微粒子(Z−2)の平均
粒子径、変動係数、この微粒子中のシリカ濃度を表3に
示す。 (実施例A3) (複合シリカ微粒子(Z−3)分散体の製造)攪拌機、
滴下口、温度計を備えた500ミリリットルの四つ口フ
ラスコに、製造例8で得た球状シリカ微粒子分散溶媒
(D−3)380gを入れておき、内温を20℃に調整
した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、製造例4で得
た有機ポリマー(P−3)のメタノール溶液9.2g、
メタノール9.2gの混合液を20分かけて滴下した。
滴下後、同温度で1時間攪拌を続けた。さらに60mm
Hgの圧力下、フラスコ内温を125℃まで昇温し、ア
ンモニア、メタノール、水を留去しながらエチレングリ
コール103gを滴下し、固形分が10%となるまで濃
縮し、複合シリカ微粒子(Z−3)のエチレングリコー
ル分散体を得た。得られた複合シリカ微粒子(Z−3)
の平均粒子径、変動係数、この微粒子中のシリカ濃度を
表3に示す。 (実施例A4) (複合シリカ微粒子(Z−4)分散体の製造)攪拌機、
滴下口、温度計を備えた500ミリリットルの四つ口フ
ラスコに、製造例9で得た球状シリカ微粒子分散溶媒
(D−4)350gを入れておき、内温を20℃に調整
した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、製造例5で得
た有機ポリマー(P−4)のメタノール溶液16g、メ
タノール16gの混合液を20分かけて滴下した。滴下
後、同温度で1時間攪拌を続けた。さらに60mmHg
の圧力下、フラスコ内温を125℃まで昇温し、アンモ
ニア、メタノール、水を留去しながらエチレングリコー
ル257gを滴下し、固形分が10%となるまで濃縮
し、複合シリカ微粒子(Z−4)のエチレングリコール
分散体を得た。得られた複合シリカ微粒子(Z−4)の
平均粒子径、変動係数、この微粒子中のシリカ濃度を表
3に示す。 (実施例A5) (複合シリカ微粒子(Z−5)分散体の製造)攪拌機、
滴下口、温度計を備えた500ミリリットルの四つ口フ
ラスコに、製造例10で得た球状シリカ微粒子分散溶媒
(D−5)380gを入れておき、内温を20℃に調整
した。ついでフラスコ内を攪拌しながら、製造例3で得
た有機ポリマー(P−2)のメタノール溶液1.5g、
メタノール6.5gの混合液を20分かけて滴下した。
滴下後、同温度で1時間攪拌を続けた。さらに60mm
Hgの圧力下、フラスコ内温を125℃まで昇温し、ア
ンモニア、メタノール、水を留去しながらエチレングリ
コール34gを滴下し、固形分が10%となるまで濃縮
し、複合シリカ微粒子(Z−5)のエチレングリコール
分散体を得た。得られた複合シリカ微粒子(Z−4)の
平均粒子径、変動係数、この微粒子中のシリカ濃度を表
3に示す。 (実施例A6) (複合シリカ微粒子(Z−6)の製造)攪拌機、滴下
口、温度計を備えた500ミリリットルの四つ口フラス
コに、製造例7で得た球状シリカ微粒子分散溶媒(D−
2)330gを入れておき、内温を20℃に調整した。
ついでフラスコ内を攪拌しながら、製造例3で得た有機
ポリマー(P−2)のメタノール溶液30g、メタノー
ル30gの混合液を40分かけて滴下した。滴下後、同
温度で1時間攪拌を続けた。さらに常圧下、フラスコ内
温を70℃まで昇温し、アンモニア、メタノール、水を
留去し、固形分が30%となるまで濃縮した。さらに減
圧乾燥器内で50mmHgの圧力下、120℃で2時間
保持し、複合シリカ微粒子(Z−6)の乾燥体を得た。
得られた複合シリカ微粒子(Z−6)の平均粒子径、変
動係数、この微粒子中のシリカ濃度を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】(比較例A1) (球状シリカ微粒子の表面処理)攪拌機、滴下口、温度
計を備えた500ミリリットルの四つ口フラスコに、製
造例7で得た球状シリカ微粒子分散溶媒(D−2)38
0gを入れておき、内温を20℃に調整した。ついでフ
ラスコ内を攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン4
g、メタノール4gの混合液を30分かけて滴下した。
滴下後、同温度で1時間攪拌を続けた。得られた液中に
は、製造例7で得た球状シリカ微粒子以外に新たに微小
粒子が生成しており、球状シリカ微粒子の表面処理はう
まく行えなかった。 (比較例A2) (球状シリカ微粒子の表面処理)攪拌機および超音波ホ
モジナイザーを備えた1リットルのマイヤーフラスコ
に、メタノール696g、(株)日本触媒製球状シリカ
微粒子粉体「シーホスターKE−P100」24gを入
れ、1時間超音波分散を行った。次いでメチルトリメト
キシシラン0.2gを加え、室温にて1時間攪拌を行っ
た。減圧乾燥器内で50mmHgの圧力下、120℃で
24時間加熱乾燥し、球状シリカ微粒子の表面処理品粉
体(Z’−1)を得た。 (比較例A3) (球状シリカ微粒子分散体の製造)攪拌機および超音波
ホモジナイザーを備えた300ミリリットルのマイヤー
フラスコに、(株)日本触媒製球状シリカ微粒子粉体
「シーホスター KE−P100」20g、エチレング
リコール180gを入れ、1時間超音波分散を行った。
次いで室温にて1時間攪拌を行い、球状シリカ微粒子エ
チレングリコール分散体を得た。 (比較例A4) (球状シリカ微粒子分散体の製造)比較例A2で得た球
状シリカ微粒子の表面処理品粉体(Z’−1)を用いる
こと以外は比較例A1と同様にして、球状シリカ微粒子
エチレングリコール分散体を得た。 (実施例B1) (プラスチックフィルム(F−1)の製造)製造例1で
得られた複合シリカ微粒子の酢酸ブチル分散体(Z−
1)1g、(株)日本触媒製ポリエステル樹脂「アロプ
ラッツBO−110」15g、酢酸ブチル400gを混
合して塗布液とした。この塗布液を、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムの片面にバーコーターで塗布し、室
温で20分、140℃で20分乾燥した。得られたプラ
スチックフィルム(F−1)の滑り性(動摩擦係数)お
よび耐摩耗性、プラスチックフィルム中の複合シリカ微
粒子とフィルムを構成する樹脂との親和性についての試
験結果を表4に示す。得られたプラスチックフィルムの
滑り性、耐摩耗性および親和性は良好であった。
【0067】なお、プラスチックフィルムの評価は以下
の方法で行った。 (動摩擦係数)フィルムを200×100mmに切り、
下記の装置で測定した。HEIDON製 連続荷重式表
面性測定機 TYPE:HEIDON−22 (耐摩耗性)長さ40cm、幅15mmのフィルムの両
端に20gの荷重をかけて、折り曲げ角150度で直径
5mmのステンレス製ピンを200回往復して摩擦させ
た。
【0068】外観でスクラッチの有無を観察し、スクラ
ッチのほとんど無いものを○、スクラッチの多いものを
×、その中程度のものを△とした。 (親和性)上記耐摩耗性を調べた後、フィルムの表面を
走査型電子顕微鏡により観察し、粒子の脱落のほとんど
無いものを○、粒子の脱落の多いものを×、その中程度
のものを△とした。 (実施例B2) (プラスチックフィルム(F−2)の製造)製造例1で
得られた複合シリカ微粒子の酢酸ブチル分散体(Z−
1)1g、(株)日本触媒製アクリル樹脂「アロタン2
060」15g、住友化学工業(株)製イソシアネート
硬化剤「スミジュールN−3500」2.5g、酢酸ブ
チル400gを混合して塗布液とした。この塗布液を、
ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にバーコー
ターで塗布し、室温で30分、80℃で40分乾燥し
た。得られたプラスチックフィルム(F−2)の滑り性
(動摩擦係数)、耐摩耗性および親和性についての試験
結果を表4に示す。 (実施例B3) (プラスチックフィルム(F−3)の製造)製造例1で
得られた複合シリカ微粒子の酢酸ブチル分散体(Z−
1)1g、(株)日本触媒製アクリル樹脂「ユーダブル
S−5140SPL」15g、酢酸ブチル400gを混
合して塗布液とした。この塗布液を、ポリエチレンフィ
ルムの片面にバーコーターで塗布し、室温で20分、6
0℃で40分乾燥した。得られたプラスチックフィルム
(F−3)の滑り性(動摩擦係数)、耐摩耗性および親
和性についての試験結果を表4に示す。 (比較例B1) (プラスチックフィルム(F’−1)の製造)(株)日
本触媒製球状シリカ微粒子粉体「シーホスター KE−
P100」0.5g、(株)日本触媒製ポリエステル樹
脂「アロプラッツBO−110」30g、酢酸ブチル8
00gを混合後、30分超音波分散して塗布液とした。
この塗布液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの
片面にバーコーターで塗布し、室温で20分、140℃
で20分乾燥した。得られたプラスチックフィルム
(F’−1)の滑り性(動摩擦係数)、耐摩耗性および
親和性についての試験結果を表4に示す。 (比較例B2) (プラスチックフィルム(F’−2)の製造)球状シリ
カ微粒子として比較例A2で得た球状シリカ微粒子の表
面処理品粉体(Z’−1)0.5gを用いること以外は
比較例B1と同様にしてプラスチックフィルム(F’−
2)を得た。得られたプラスチックフィルム(F’−
2)の滑り性(動摩擦係数)、耐摩耗性および親和性に
ついての試験結果を表4に示す。 (実施例B4) (プラスチックフィルム(F−4)の製造)攪拌機、温
度計、冷却管および流出口が接続した蒸留塔を備えた5
00ミリリットルの四つ口フラスコに、ジメチルテレフ
タレート100gおよびエチレングリコール70gに触
媒として酢酸マンガン四水和物0.04gを加え、23
0℃まで昇温してメタノールを留去してエステル交換反
応を行った。次いで実施例A2で得られた複合シリカ微
粒子(Z−2)のエチレングリコール分散体3gおよび
三酸化アンチモン0.03gを攪拌しながら添加した
後、1mmHgの圧力下、280℃まで昇温して重縮合
を行い、ポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹
脂を、290℃に設定した押出機でシート状に押出し、
次いで90℃で縦方向に3.5倍に延伸後、100℃で
横方向に4倍延伸し、210℃で10秒間熱処理を行っ
て、プラスチックフィルム(F−4)を得た。得られた
プラスチックフィルムの滑り性および耐摩耗性は良好で
あった。得られたプラスチックフィルム(F−4)の滑
り性(動摩擦係数)、耐摩耗性および親和性についての
試験結果を表4に示す。 (実施例B5〜B7) (プラスチックフィルム(F−5〜F−7)の製造)表
4に示した複合シリカ微粒子のエチレングリコール分散
体を用いること以外は実施例B4と同様にして、プラス
チックフィルム(F−5〜F−7)を得た。得られたプ
ラスチックフィルム(F−5〜F−7)の滑り性(動摩
擦係数)、耐摩耗性および親和性についての試験結果を
表4に示す。 (比較例B3〜B4) (プラスチックフィルム(F’−3〜F’−4)の製
造)比較例A3および比較例A4で得た球状シリカ微粒
子エチレングリコール分散体を用いること以外は実施例
B4と同様にして、プラスチックフィルム(F’−3〜
F’−4)を得た。得られたプラスチックフィルム
(F’−3〜F’−4)の滑り性(動摩擦係数)、耐摩
耗性および親和性についての試験結果を表4に示す。 (実施例B8) (プラスチックフィルム(F−8)の製造)ポリプロピ
レン(メルトフローインデックス(MI)2g/10
分,ヘプタン可溶分3%)97部に対して、実施例A6
で得られた複合シリカ微粒子(Z−6)の乾燥体を3部
配合して、バンバリーミキサーにて230℃で練り込
み、ペレットを得た。次いで、このペレット10部と、
上記ポリプロピレン90部とを混合し、260℃に設定
した押出機でシート状に押出し、次いで175℃で縦方
向に5倍に延伸後、同温度でで横方向に9倍延伸し、プ
ラスチックフィルム(F−8)を得た。得られたプラス
チックフィルム(F−8)の滑り性(動摩擦係数)、耐
摩耗性および親和性についての試験結果を表4に示す。 (実施例B9) (プラスチックフィルム(F−9)の製造)低密度ポリ
エチレン(メルトフローインデックス(MI)2g/1
0分,密度0.92g/cm3 )95部に対して、実
施例6で得られた複合シリカ微粒子(Z−6)の乾燥体
を5部配合して、バンバリーミキサーにて220℃で練
り込み、ペレットを得た。次いで、このペレット8部
と、上記ポリエチレン92部とを混合し、200℃に設
定した押出機でシート状にTダイより押出し、プラスチ
ックフィルム(F−9)を得た。得られたプラスチック
フィルム(F−9)の滑り性(動摩擦係数)、耐摩耗性
および親和性についての試験結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】(実施例C1)平均粒子径0.3μmの塩
化銀結晶を0.05Nヨウ化カリウム溶液で処理し、得
られた沈殿を精製した。再溶解後、塩化金酸で処理した
ものと、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a−
7−テトラザイデンと、界面活性剤と、硬膜剤とを混合
して、乳剤を調製した。この乳剤を、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(PETフィルム)上にコートし
て、乳剤層をPETフィルム上に形成させた。さらに、
実施例A6で得られた複合シリカ微粒子(Z−6)1g
とゼラチン10gとを水100g中に分散させて、マッ
ト剤含有組成物を得た。このマット剤含有組成物を乳剤
層の上にコートして試験フィルムを得た。なお、マット
剤の使用量は、0.025g/m2 であった。
【0071】上記試験フィルムをテストパターン露光
後、常法で現像すると、良好な画像が得られた。さら
に、以下の方法でアンチブロッキング性およびマット剤
保持特性を評価した。 (アンチブロッキング性)現像前の試験フィルムを5枚
重ねて、25℃で1週間静置後、そさぞれの試験フィル
ムのはがれ具合を調べた。試験フィルムがきれいにはが
れたものを○、ややはがれにくいものを△、はがれにく
いものを×と判定した。 (マット剤保持特性)現像前の試験フィルムを幅5c
m、長さ30cmに切って、直径1cmのステンレスシ
ャフトに巻きつけた後、1cm/secの速度でシャフ
トを転がし、フィルムをはがした。この操作を10回繰
り返した後、光学顕微鏡でフィルム上にあるマット剤の
量を調べた。マット剤がほとんど残っているものを○、
逆に、マット剤がほとんど残っていないものを×、これ
らの中間のものを△と判定した。
【0072】上記実施例C1の試験フィルムのアンチブ
ロッキング性およびマット剤保持特性は、いずれも○で
あった。 (比較例C1)実施例A6で得られた複合シリカ微粒子
(Z−6)に代えて、(株)日本触媒製球状シリカ微粒
子粉体「シーホスター KE−P100」を用いること
以外は、実施例C1と同様にして、比較試験フィルムを
得た。試験フィルムをテストパターン露光後、常法で現
像すると、良好な画像が得られた。さらに、そのアンチ
ブロッキング性は○であるが、マット剤保持特性は△で
あった。
【0073】
【発明の効果】本発明の複合シリカ微粒子は、マトリッ
クス樹脂に対して優れた親和性を有し、物性にバラツキ
がない複合シリカ微粒子であり、本発明の複合シリカ微
粒子の製造方法は、この複合シリカ微粒子を容易に製造
することができる。本発明の複合シリカ微粒子分散体
は、複合シリカ微粒子を凝集させることなく、分散した
状態で扱え、取扱性に優れる。
【0074】本発明のプラスチックフィルムは、複合シ
リカ微粒子の脱落がなくて、十分な滑り性を有し、耐摩
耗性に優れたものである。したがって、プラスチックフ
ィルムを、磁気テープ、光学写真フィルム、コンデンサ
ーフィルム、熱転写印刷用フィルム、包装用フィルム等
に用いることができ、中でも、磁気テープ用プラスチッ
クフィルムでは、優れた磁気特性や走行性が実現でき
る。
【0075】本発明のマット剤は、優れたアンチブロッ
キング性を付与でき、容易に脱落しない。さらに、この
マット剤をハロゲン化銀感光材料に用いると、画像特
性、安定性等を付与することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】球状シリカ微粒子を有機ポリマーと複合化
    して複合シリカ微粒子を得る方法であって、 この複合化工程が、 前記球状シリカ微粒子を分散させた分散液中で、 1分子当たりに少なくとも1個のポリシロキサン基を備
    え、かつ、前記ポリシロキサン基中に少なくとも1個の
    Si−OR1 基(R1 は水素原子、アルキル基およびア
    シル基から選ばれる少なくとも1種の基であって、前記
    アルキル基およびアシル基は置換されていてもよい基;
    1 が1分子中に複数ある場合、複数のR1 は互いに異
    なっても良い。)を含有する有機ポリマー(P)を加水
    分解・縮合することにより、 前記球状シリカ微粒子を複合化する工程である、ことを
    特徴とする複合シリカ微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法により得られる
    複合シリカ微粒子。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の複合シリカ微粒子が分散
    液中に分散してなる複合シリカ微粒子分散体。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の複合シリカ微粒子がマト
    リックス樹脂中に分散してなるプラスチックフィルム。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の複合シリカ微粒子を含ん
    でなるマット剤。
JP04257697A 1997-02-26 1997-02-26 複合シリカ微粒子の製造方法 Expired - Fee Related JP3961604B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04257697A JP3961604B2 (ja) 1997-02-26 1997-02-26 複合シリカ微粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04257697A JP3961604B2 (ja) 1997-02-26 1997-02-26 複合シリカ微粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10237348A true JPH10237348A (ja) 1998-09-08
JP3961604B2 JP3961604B2 (ja) 2007-08-22

Family

ID=12639901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04257697A Expired - Fee Related JP3961604B2 (ja) 1997-02-26 1997-02-26 複合シリカ微粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3961604B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10338781A (ja) * 1997-06-11 1998-12-22 Daicel Chem Ind Ltd スチレン系樹脂組成物及びその成形体
WO2001002475A1 (en) * 1999-06-30 2001-01-11 Minerals Technologies Inc. Antiblock compositions and method of preparation
JP2002368024A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Shigeru Koshibe 半導体用層間絶縁材料及びその製法
JP2006104342A (ja) * 2004-10-06 2006-04-20 Shin Etsu Chem Co Ltd 表面処理無機粉体、無機粉体の表面処理方法及び化粧料
JP2006272706A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Sumitomo Chemical Co Ltd 積層体の製造方法および積層体
JP2008544052A (ja) * 2005-06-21 2008-12-04 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ 酸素含有無機粒状物質を変性する方法、それから得られる生成物、及びその使用方法
JP2009120416A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Nippon Shokubai Co Ltd 粒子、および粒子の製造方法
JP2009190956A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Nippon Shokubai Co Ltd シリカ粒子、およびその製造方法
US7659006B2 (en) 2004-05-28 2010-02-09 Teijin Dupont Films Japan Limited Laminated polyester film and manufacturing process thereof
JP2011213944A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Niwa Insatsu Kk インキ、印刷方法及び印刷物
WO2014175369A1 (ja) * 2013-04-24 2014-10-30 Dic株式会社 無機微粒子複合体とその製造方法、組成物及び硬化物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62290737A (ja) * 1986-05-30 1987-12-17 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 処理されたシリカ充填材およびその製造方法
JPS6354485A (ja) * 1986-08-25 1988-03-08 Toray Silicone Co Ltd 粉体の流動性向上剤
JPH06166829A (ja) * 1992-12-01 1994-06-14 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 無機酸化物コロイド粒子およびコーティング組成物
JPH06228457A (ja) * 1993-02-03 1994-08-16 Nippon Shokubai Co Ltd 無機素材の表面改質方法、成形材料用樹脂組成物およびそれらに用いる含珪素ポリマーの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62290737A (ja) * 1986-05-30 1987-12-17 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 処理されたシリカ充填材およびその製造方法
JPS6354485A (ja) * 1986-08-25 1988-03-08 Toray Silicone Co Ltd 粉体の流動性向上剤
JPH06166829A (ja) * 1992-12-01 1994-06-14 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 無機酸化物コロイド粒子およびコーティング組成物
JPH06228457A (ja) * 1993-02-03 1994-08-16 Nippon Shokubai Co Ltd 無機素材の表面改質方法、成形材料用樹脂組成物およびそれらに用いる含珪素ポリマーの製造方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10338781A (ja) * 1997-06-11 1998-12-22 Daicel Chem Ind Ltd スチレン系樹脂組成物及びその成形体
WO2001002475A1 (en) * 1999-06-30 2001-01-11 Minerals Technologies Inc. Antiblock compositions and method of preparation
EP1443074A3 (en) * 1999-06-30 2005-06-22 Minerals Technologies Inc. Talc antiblock compositions and method of preparation
US7220789B2 (en) 1999-06-30 2007-05-22 Donald Kendall Drummond Talc antiblock compositions and method of preparation
JP2002368024A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Shigeru Koshibe 半導体用層間絶縁材料及びその製法
US7659006B2 (en) 2004-05-28 2010-02-09 Teijin Dupont Films Japan Limited Laminated polyester film and manufacturing process thereof
JP2006104342A (ja) * 2004-10-06 2006-04-20 Shin Etsu Chem Co Ltd 表面処理無機粉体、無機粉体の表面処理方法及び化粧料
JP4635680B2 (ja) * 2005-03-29 2011-02-23 住友化学株式会社 積層体の製造方法および積層体
JP2006272706A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Sumitomo Chemical Co Ltd 積層体の製造方法および積層体
JP2008544052A (ja) * 2005-06-21 2008-12-04 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ 酸素含有無機粒状物質を変性する方法、それから得られる生成物、及びその使用方法
US9296902B2 (en) 2005-06-21 2016-03-29 Akzo Nobel N.V. Process for modifying inorganic oxygen-containing particulate material, product obtained therefrom, and use thereof
JP2009120416A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Nippon Shokubai Co Ltd 粒子、および粒子の製造方法
JP2009190956A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Nippon Shokubai Co Ltd シリカ粒子、およびその製造方法
JP2011213944A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Niwa Insatsu Kk インキ、印刷方法及び印刷物
WO2014175369A1 (ja) * 2013-04-24 2014-10-30 Dic株式会社 無機微粒子複合体とその製造方法、組成物及び硬化物
JP5822048B2 (ja) * 2013-04-24 2015-11-24 Dic株式会社 無機微粒子複合体とその製造方法、組成物及び硬化物
EP2990433A4 (en) * 2013-04-24 2016-11-09 Dainippon Ink & Chemicals INORGANIC FINE PARTICLE BODY, METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF, COMPOSITION AND CURED PRODUCT

Also Published As

Publication number Publication date
JP3961604B2 (ja) 2007-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0841355B1 (en) Silicone resin-containing emulsion compositions, methods for making them, and cured films thereof
JP4292634B2 (ja) 反射防止積層体の製造方法
JPH10237348A (ja) 複合シリカ微粒子の製造方法
JPH10279886A (ja) コーティング組成物、親水性膜、及び親水性膜を有する被覆物品
WO2013111783A1 (ja) コーティング組成物及び反射防止膜
WO2005113649A1 (ja) 凹凸粒子およびその製造方法
MXPA04009882A (es) Copolimeros organicos funcionales con siliconas y sus productos de saponificacion.
JP3963759B2 (ja) 低屈折率組成物及び反射防止膜
JPH05209149A (ja) 塗布用組成物
US5405691A (en) Coating agents
JP2006335925A (ja) スルホン酸基含有ポリマー、及びその製造方法、並びにポリマー組成物
JP5108417B2 (ja) 反射防止膜付き基材
JPH08169919A (ja) 硬化性重合体水性分散液の製造方法及び硬化性重合体水性分散液
JP3327207B2 (ja) 親水性塗膜を有する物品及びその製造方法
JPH10330488A (ja) シリカ被覆樹脂粒子の製造方法
JPH11199671A (ja) 有機無機複合粒子の製造方法
JP3600264B2 (ja) 電子写真用トナー受容性剥離コーティング
JP2005120198A (ja) 親水性重合体組成物
JP4590665B2 (ja) 高屈折率組成物および高屈折率膜および反射防止膜
JPH02269133A (ja) ポリエステルフィルムおよびその用途と製造方法
JP4283026B2 (ja) 光学樹脂用添加剤とその製造方法および光学樹脂組成物
JPH01155340A (ja) 感光性媒質と共に使用するための支持体層およびその製造方法
JP2019018153A (ja) コーティング材の製造方法
JP3818836B2 (ja) 被膜形成用組成物
EP1226971B1 (en) Ink jet printing paper

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees