JPH10237008A - 4a−ヒドロキシ−トリ(またはテトラ)ヒドロ−4 ,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン、 および3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7− トリメチル−2(6H)ナフタレノンの製法 - Google Patents

4a−ヒドロキシ−トリ(またはテトラ)ヒドロ−4 ,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン、 および3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7− トリメチル−2(6H)ナフタレノンの製法

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JPH10237008A
JPH10237008A JP5393797A JP5393797A JPH10237008A JP H10237008 A JPH10237008 A JP H10237008A JP 5393797 A JP5393797 A JP 5393797A JP 5393797 A JP5393797 A JP 5393797A JP H10237008 A JPH10237008 A JP H10237008A
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JP
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trimethyl
naphthalenone
compound
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hydroxy
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JP5393797A
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Nobuhiko Ito
信彦 伊藤
Akio Hasebe
昭雄 長谷部
Takeaki Eto
武顕 江藤
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Soda Aromatic Co Ltd
Soda Koryo KK
Original Assignee
Soda Aromatic Co Ltd
Soda Koryo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】香料、各種合成原料ないし中間体として有用な
3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7−トリメチ
ル−2(6H)−ナフタレノンの製法と、この化合物の
製造に使用される新規物質が提供される。 【解決手段】一般式[I] 【化1】 (式中、破線は2重結合または単結合を表す)で示され
る4a−ヒドロキシ−トリ(またはテトラ)ヒドロ−
4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン。
この化合物を、部分還元および/または脱水して3,
4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7−トリメチル−
2(6H)−ナフタレノンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は香料、各種合成原料
ないしそれらの中間体として有用であり、特に飲食品、
香粧品、タバコなどの香料として価値の高い3,4,
7,8−テトラヒドロ−4,4,7−トリメチル−2
(6H)−ナフタレノンの製造における合成中間体とし
て有用な新規化合物4a−ヒドロキシトリ(またはテト
ラ)ヒドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナ
フタレノン、およびそれらを出発原料とする3,4,
7,8−テトラヒドロ−4,4,7−トリメチル−2
(6H)−ナフタレノンの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、3,4,7,8−テトラヒドロ−
4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノンの
製造方法に関しては、ドイツ特許3,516,931号
が報告されている。この方法には下記式に従って、3,
4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7−トリメチル−
2(6H)−ナフタレノンを製造する方法が開示されて
いる。
【0003】
【化5】 しかし、この方法は収率、選択性が低く分離精製の困難
な化合物が目的物以上に生成し、そのために精製が非常
に困難で満足な結果が得られないという欠点を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したような従来法の不利益ないしは欠陥を克服し工業的
に有利な3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7−
トリメチル−2(6H)−ナフタレノンの製法、ならび
にこの化合物を製造するための出発原料として有用な新
規化合物である4a−ヒドロキシトリ(またはテトラ)
ヒドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタ
レノンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、例えば、
下記式[II]
【0006】
【化6】 で表されるジケトンを分子内アルドール縮合反応して、
下記式[III]
【0007】
【化7】 で表される4a−ヒドロキシ−トリヒドロ−4,4,7
−トリメチル−2(6H)−ナフタレノンを製造した
後、これを部分還元して、下記式[IV]
【0008】
【化8】 で表される4a−ヒドロキシテトラヒドロ−4,4,7
−トリメチル−2(6H)−ナフタレノンを製造し、次
いで脱水することにより、下記式[V]
【0009】
【化9】 で表される3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7
−トリメチル−2(6H)−ナフタレノンを高収率、高
選択率で容易に製造できることを見出した。
【0010】本発明においては、一般式[I]
【0011】
【化10】 (式中、破線は2重結合または単結合を表す)で示され
る4a−ヒドロキシ−トリ(またはテトラ)ヒドロ−
4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノンは
新規化学物質であり、上記式[V]の3,4,7,8−
テトラヒドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−
ナフタレノン製造のための中間体として提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、上記式[III]
の4a−ヒドロキシ−トリヒドロ−4,4,7−トリメ
チル−2(6H)−ナフタレノンは、好適には、上記式
[II]のジケトンを分子内アルドール縮合して得ること
ができるが、本発明はこれに限定されない。
【0013】本発明で用いられるジケトン[II]はそれ
自体公知のものであり、Agric. Biol. Chem., 1981, 4
5, 2911に記載された方法によって製造することができ
る。
【0014】上記式[II]のジケトンの分子内アルドー
ル縮合反応は、塩基の存在下に行なわれる。塩基として
は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、リチウムメチラート、リチウムエチラート、ナトリ
ウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチ
ラート、カリウムエチラート、カリウムターシャルブト
キシドなどが挙げられる。塩基の使用量は、好ましくは
ジケトン[II]1モルに対して0.5〜6モル倍、特に
1〜2.5モル倍が好ましい。
【0015】また、反応は有機溶媒の存在下に行なうこ
とが好ましい。反応溶媒としては、水、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、イソブタノール、ターシャルブチルアルコールの如
きプロトン性溶媒、ジメチルフォルムアミド、ジメチル
スルフォキサイドの非プロトン性極性溶媒、およびこれ
らの任意の組合せからなる混合溶媒が挙げられる。反応
時間は好ましくは0.5〜24時間であり、より好まし
くは1〜10時間である。反応温度は好ましくは1から
70℃、特に20から40℃が好ましい。
【0016】反応終了後は、例えば希硫酸の如き鉱酸で
中和し、溶媒を蒸留することにより前記4a−ヒドロキ
シ−トリヒドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)
−ナフタレノン[III]を得ることができる。
【0017】化合物[III]は、必要に応じ再結晶、減
圧蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの手段で精製す
ることができる。勿論、これらの分離精製工程を経ずに
次の工程に供してもよい。
【0018】本発明の次の還元工程は、水素雰囲気中、
還元触媒存在下で好適に行なわれる。還元触媒としては
パラジウム−炭素、パラジウム−硫酸バリウム、パラジ
ウム−炭酸ストロンチューム、パラジウム−炭酸カルシ
ウムなどが挙げられる。還元触媒の使用量は化合物[II
I]に対し好ましくは0.005〜0.2重量倍、特に
0.01〜0.08倍が好ましい。反応は有機溶媒の存
在下に行なわれ、反応溶媒としてはメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
イソブタノール、ターシャルブチルアルコールの如きプ
ロトン性溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンの如き炭化水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピルの如きエステル系溶媒、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテルの如きエーテル系溶媒、およびこれらの任
意の組合せからなる混合溶媒が挙げられる。
【0019】また、反応は非塩基存在下で行なうことも
できるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、キノリン、ピリジンの如き塩基を加
え、反応性を低下させた形で行なうことが好ましい。塩
基の量は化合物[III]に対して、好ましくは0.00
1〜0.5モル倍、0.01〜0.1モル倍が特に好ま
しい。水素圧力は好ましくは1〜10kg/cm2 、特
に1〜2kg/cm2 が好ましい。反応温度は好ましく
は0℃から60℃、特に15〜35℃が好ましい。
【0020】反応後は触媒を濾過し、中和後溶媒を蒸留
することにより、前記4a−ヒドロキシ−テトラヒドロ
−4,4,7−トリメチル−2(6H)ナフタレノン[I
V]を得ることができる。
【0021】化合物[IV]は、必要に応じ再結晶、減圧
蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの手段で精製する
ことができる。勿論、これらの分離精製工程を経ずに次
の工程に供してもよい。
【0022】本発明の最終工程の脱水は、好ましくは脱
水試薬の存在下に行われる。脱水試薬としては、例えば
J. Org. Chem, 1973, 38, 26に記載されている方法でカ
ルボアルコキシスルファモイルクロライドとトリアルキ
ルアミンから得られる(カルボキシスルファモイル)ト
リアルキルアンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体
アルキルエステル(以後Burgess試薬と記載する)また
はハロゲン化物と有機塩基の混合試薬が挙げられる。
【0023】Burgess試薬の具体例としては、(カルボ
キシスルファモイル)トリメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド分子内錯体メチルエステル、(カルボキシス
ルファモイル)トリメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド分子内錯体エチルエステル、(カルボキシスルファ
モイル)トリメチルアンモニウムハイドロオキサイド分
子内錯体プロピルエステル、(カルボキシスルファモイ
ル)トリメチルアンモニウムハイドロオキサイド分子内
錯体ブチルエステル、(カルボキシスルファモイル)ト
リメチルアンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体ペ
ンチルエステル、(カルボキシスルファモイル)トリエ
チルアンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体メチル
エステル、(カルボキシスルファモイル)トリエチルア
ンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体エチルエステ
ル、(カルボキシスルファモイル)トリエチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド分子内錯体プロピルエステル、
(カルボキシスルファモイル)トリエチルアンモニウム
ハイドロオキサイド分子内錯体ブチルエステル、(カル
ボキシスルファモイル)トリエチルアンモニウムハイド
ロオキサイド分子内錯体ペンチルエステル、(カルボキ
シスルファモイル)トリプロピルアンモニウムハイドロ
オキサイド分子内錯体メチルエステル、(カルボキシス
ルファモイル)トリプロピルアンモニウムハイドロオキ
サイド分子内錯体エチルエステル、(カルボキシスルフ
ァモイル)トリプロピルアンモニウムハイドロオキサイ
ド分子内錯体プロピルエステル、(カルボキシスルファ
モイル)トリプロピルアンモニウムハイドロオキサイド
分子内錯体ブチルエステル、(カルボキシスルファモイ
ル)トリプロピルアンモニウムハイドロオキサイド分子
内錯体ペンチルエステル、(カルボキシスルファモイ
ル)トリブチルアンモニウムハイドロオキサイド分子内
錯体メチルエステル、(カルボキシスルファモイル)ト
リブチルアンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体エ
チルエステル、(カルボキシスルファモイル)トリブチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体プロピル
エステル、(カルボキシスルファモイル)トリブチルア
ンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体ブチルエステ
ル、(カルボキシスルファモイル)トリブチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド分子内錯体ペンチルエステル等
があげられる。
【0024】Burgess試薬の使用量は、好ましくは前記
化合物[IV]の0.5〜4モル倍、特に1〜2.0モル
倍が好ましい。反応は有機溶媒の存在下に行なうことが
好ましい。反応溶媒としてはペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き
炭化水素溶媒、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスル
フォキサイドの非プロトン性極性溶媒、およびこれらの
任意の組合せからなる混合溶媒が挙げられる。反応時間
は0.5〜24時間、特に2〜10時間が好ましい。反
応温度は好ましくは10〜80℃、特に40〜60℃が
好ましい。
【0025】反応終了後は、例えば水に注ぎ、有機層を
飽和食塩水溶媒で洗浄し、例えば無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、有機溶媒を蒸留することにより、前記3,4,
7,8−テトラヒドロ−4,4,7−トリメチル−2
(6H)−ナフタレノン[V]を得ることができる。
【0026】本発明において、ハロゲン化物と有機塩基
の混合試薬による脱水で用いられるハロゲン化物として
はチオニルクロライド、チオニルブロマイド、オキシ塩
化リン、オキシ臭化リン、オキシヨー化リン、三塩化リ
ン、三臭化リン、三ヨー化リン、五塩化リン、五臭化リ
ン、二臭化トリフェニルフォスフィン、二ヨー化トリフ
ェニルフォスフィンを挙げることができる。
【0027】また、有機塩基としては、1,8−ジアザ
ビシクロ−[5.4.0]−ウンデカ−7−エン、1,
5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−ノナ−5−エ
ン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.0]−オクタ
ンまたは4,5−ジヒドロ−N,N−ジメチル−3H−
ピロール−2−アミンを挙げることができる。ハロゲン
化物の使用量は、好ましくは前記化合物[IV]の0.2
〜3.0モル倍、特に1/3〜1.5モル倍が好まし
い。有機塩基の使用量は、好ましくはハロゲン化物の2
から8モル倍、特に3〜5モル倍が好ましい。
【0028】反応は溶媒の非存在下行なうことができる
が、他の溶媒と共存下で行なうことが好ましい。反応溶
媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素溶
媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロ
ロエタンの如きハロゲン化炭素溶媒、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピルの如きエステル系溶媒、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテルの如きエーテル系溶媒、および
これらの任意の組合せからなる混合溶媒が挙げられる。
【0029】反応時間は好ましくは0.5〜24時間、
特に2〜10時間が好ましい。反応温度は好ましくは−
20〜80℃、特に−10〜40℃が好ましい。反応終
了後は、例えば希硫酸に注ぎ、有機層を飽和食塩水溶媒
で洗浄し、例えば無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機溶
媒を蒸留することにより前記3,4,7,8−テトラヒ
ドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレ
ノン[V]を得ることができる。上記の得られた化合物
[V]は必要に応じ再結晶、減圧蒸留、カラムクロマト
グラフィーなどの手段で精製することができる。
【0030】かくして安価な試薬を用い簡単な操作でか
つ高収率で3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7
−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン[V]を得る
ことができる。本発明で得られた化合物[V]は、香
料、各種合成原料ないし中間体として有用であり、特に
飲食品、香粧品、タバコなどの香料として価値が高く有
用である。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0032】(実施例1)[4a−ヒドロキシ−トリヒ
ドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレ
ノンの製造] 水酸化ナトリウム(3.53g、88.3mmol)の
メタノール(75cm3 )溶液に、ジケトン[II](1
0.4g、48.6mmol)、メタノール(39cm
3 )を添加した。7時間、25℃で撹拌した後、希塩酸
で中和し減圧下、濃縮した。酢酸エチルで抽出し溶媒を
留去した後、得られた粗結晶を再結晶(ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)することにより、4a−ヒドロキシ
−トリヒドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−
ナフタレノン(7.01g、収率70%)を得た。得ら
れた化合物の機器分析結果を以下に示す。
【0033】mp 95-96 ℃, δH(60 MHz) 0.98 (3 H, s,
4-Me), 1.10 (3 H, s, 4-Me), 1.60-2.10 (2 H, m, 5-
H2), 1.96 (3 H, br s, 7-Me), 2.10-2.40 (3 H, m),
2.90 [1 H, d (of AB q), J 15, 3-H], 5.61 (1 H, br
s, C=CH), 6.00 (1 H, br s, C=CH); νmax[KBr(pelle
t)]/cm-1 3400 (OH), 2980 (C-H), 1660 (C=O), 1630
(C=C); m/z 206 (M+, 15%), 198 (20), 173 (10), 145
(20), 141 (15), 132(100), 122 (44), 108 (54), 79
(88), 77 (36), 43 (48) (分析値: M+,206.1321 C13H18
O2 計算値 M, 206.1306).
【0034】(実施例2)[4a−ヒドロキシテトラヒ
ドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレ
ノンの製造] 水酸化カリウム(26mg、0.5mmol)のメタノ
ール溶液(71cm3)に、実施例1で得られた4a−
ヒドロキシ−トリヒドロ−4,4,7−トリメチル−2
(6H)−ナフタレノン(3.16g、15.2mmo
l)、5%Pd−C(190mg)を添加した。水素気
流(常圧)下、1当量分の水素が吸収されるまで室温で撹
拌し、触媒をろ過した。ろ液から溶媒を留去した後、得
られた粗結晶を再結晶(ヘキサン:酢酸エチル=10:
1)することにより、4a−ヒドロキシテトラヒドロ−
4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン
(2.47g、収率78%)を得た。得られた化合物の
機器分析結果を以下に示す。
【0035】mp 114-115 ℃, δH(60 MHz) 1.04 (3 H,
s, 4-Me), 1.08 (3 H, s, 4-Me),1.40 (3 H, d, J, 7,
7-Me), 1.30-3.10 (10 H, m), 5.78 (1 H, br s, C=C
H);νmax[KBr(pellet)]/cm-1 3450 (OH), 2980 (C-H),
1675 (C=O), 1625 (C=C); m/z 208 (M+, 5%), 180 (7),
166 (28), 152 (100), 123 (23), 110 (49),81 (46),
68 (18), 67 (17), 55 (23), 43 (21), 41 (48), 39 (3
3) (分析値:M+, 208.1496 C13H20O2 計算値 M, 208.146
2).
【0036】(実施例3)[3,4,7,8−テトラヒ
ドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレ
ノンの製造] 実施例2で得られた4a−ヒドロキシテトラヒドロ−
4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン
(2.81g、13.49mmol)のベンゼン(10
cm3 )溶液を、(カルボキシスルファモイル)トリエ
チルアンモニウムハイドロオキサイド分子内錯体メチル
エステル(3.37g、14.17mmol)のベンゼ
ン溶液(23cm3 )に20℃で滴下した。4時間、5
0℃で撹拌した後、反応液を過剰の水に注加した。飽和
食塩水で洗浄し、溶媒を留去し得られた反応粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=7:1)により分離精製し、3,4,7,8−
テトラヒドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−
ナフタレノン(1.61g、収率63%)を得た。得ら
れた化合物の機器分析結果を以下に示す。
【0037】δH(60 MHz) 0.99 (3 H, d, J, 6, 7-Me),
1.05 (3 H, s, 4-Me), 1.16 (3 H,s, 4-Me), 1.50-2.1
5 (5 H, m), 2.29 (2 H, s, 3-H2), 5.58 (1 H, s, 1-
H),5.59 (1 H, m, 5-H); νmax(KBr)/cm-1 2975 (C-H),
1670 (C=O), 1635 (C=C),1595 (C=C); m/z 190 (M+, 9
2%), 175 (47), 161 (19), 147 (83), 134 (100), 119
(63), 105 (50), 91 (63), 77 (29), 67 (16), 55 (2
1), 41 (37).
【0038】(実施例4)[3,4,7,8−テトラヒ
ドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレ
ノンの製造] 実施例2で得られた4a−ヒドロキシテトラヒドロ−
4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン
(1.87g、8.89mmol)、1,8−ジアザビ
シクロ−[5.4.0]−ウンデカ−7−エン(4.4
1g、29.0mmol)のクロロホルム(23cm
3 )溶液に三臭化リン(3.20g、11.8mmo
l)のクロロホルム溶液(15cm3 )を−5℃で滴下
した。4時間室温で撹拌した後、反応液を希塩酸に注加
した。酢酸エチルで抽出後、抽出液を炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去し得られた反応粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチ
ル=7:1)により分離精製し、3,4,7,8−テトラヒ
ドロ−4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレ
ノン(1.18g、収率69%)を得た。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、従来のように収率、選
択性が低く分離精製の困難な化合物が目的物以上に生成
することがない。そのため、精製が非常に困難で不満足
な結果をもたらすことなく、安価な試薬を用い簡単な操
作で、かつ高収率で3,4,7,8−テトラヒドロ−
4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノンを
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 4a−ヒドロキシ−トリ(またはテトラ)ヒドロ−4 ,4,7−トリ メチル−2(6H)−ナフタレノン、 および3,4,7,8−テトラ ヒドロ−4,4,7− トリメチル−2(6H)ナフタレノンの製法

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 (式中、破線は2重結合または単結合を表す)で示され
    る4a−ヒドロキシ−トリ(またはテトラ)ヒドロ−
    4,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン。
  2. 【請求項2】 下記式[III] 【化2】 で表される4a−ヒドロキシ−トリヒドロ−4,4,7
    −トリメチル−2(6H)−ナフタレノンを部分還元し
    て、下記式[IV] 【化3】 で表される4a−ヒドロキシテトラヒドロ−4,4,7
    −トリメチル−2(6H)−ナフタレノンを製造し、次
    いで脱水することを特徴とする下記式[V] 【化4】 で表される3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7
    −トリメチル−2(6H)−ナフタレノンの製法。
JP5393797A 1997-02-21 1997-02-21 4a−ヒドロキシ−トリ(またはテトラ)ヒドロ−4 ,4,7−トリメチル−2(6H)−ナフタレノン、 および3,4,7,8−テトラヒドロ−4,4,7− トリメチル−2(6H)ナフタレノンの製法 Pending JPH10237008A (ja)

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