JPH0791264B2 - N−(2−アミノ−3−ヒドロキシベンゾイル)−l−プロリナ−ルアセタ−ルおよびその製造方法 - Google Patents

N−(2−アミノ−3−ヒドロキシベンゾイル)−l−プロリナ−ルアセタ−ルおよびその製造方法

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JPH0791264B2
JPH0791264B2 JP61211239A JP21123986A JPH0791264B2 JP H0791264 B2 JPH0791264 B2 JP H0791264B2 JP 61211239 A JP61211239 A JP 61211239A JP 21123986 A JP21123986 A JP 21123986A JP H0791264 B2 JPH0791264 B2 JP H0791264B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Pyrrole Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規化学物質であるN−(2−アミノ−3−
ヒドロキシベンゾイル)−L−プロリナールアセタール
およびその製造方法に関する。
さらに詳しくは、一般式(I) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基を示
す)で表されるN−(2−アミノ−3−ヒドロキシベン
ゾイル)−L−プロリナールアセタールおよびその製造
方法である。
本発明の新規化学物質は、抗腫瘍性または抗菌性等の薬
理作用を有する薬理活性が期待されるピロロ−1,4−ベ
ンゾジアゼピン系化合物を化学的に製造するための中間
体として有用なものである。
すなわち、本発明のN−(2−アミノ−3−ヒドロキシ
ベンゾイル)−L−プロリナールセタールを所定の条件
下にインドールと反応させてティリバリンを製造するこ
とができる。
また、このもの自身も種々の薬理活性が期待される化合
物である。
(先行技術及び発明が解決しようとする問題点) 本発明の化合物は新規化合物であり、その製造例は見出
せない。
本発明者等は、ピロロ−1,4−ベンゾジアゼピン系化合
物、とくにディリバリンの薬理活性に着目し、これを化
学的に効率良く製造する方法を鋭意検討した。
ティリバリンを化学的に製造する方法については、唯
一、N.Mohr and H.Bukzikinwicz等の方法(Tetrahedron
vol.38 147(1982))が知られているに過ぎない。
この方法は先ずN−ベンジルオキシカルボニル−L−ピ
ロリンをビルスマイヤー試薬で酸塩化物としてインドー
ルのグリニヤ試薬と反応させ、さらに保護基を除去して
3−(L−ブロリル)インドールを製造する。つぎにこ
の3−(L−ブロリル)インドールを2−ニトロ−3−
ベンジルオキシ(またはメトキシ)安息香酸と縮合し、
次いで還元・環化させてティリバリンを製造する方法で
ある。
しかしながら、この方法はN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−プロリンの酸塩化物とインドールのグリニヤ試
薬との反応において、かなりの量でプロリン核のラセミ
化を伴い易い。またティリバリンは下記Aの立体構造を
有する化合物であるが、 この方法においてはその最終工程の還元・環化工程での
立体選択性に乏しくAのエピマーであるBの構造を有す
る化合物が多量に生成する。
例えば、前記の文献によれば、O−メチルティリバリン
に関しては、A:B=48:52、ティリバリンに関しては、A:
B=8:92である。従って、異性体との分離が繁雑とな
る。
前記のような方法に変わる新規な製造方法について、と
くにその製造課程においてプロリン核のラセミ化を伴わ
ず、かつ立体選択的にO−アルキル(またはO−アラル
キル)ティリバリンを製造する方法についての検討し
た。その結果、本発明の新規化合物、即ち、式(I)の
N−(2−アミノ−3−ヒドロキシベンゾイル)−L−
プロリナールアセタールを製造することに成功した。こ
の化合物を原料としてティリバリンを効率的に製造しう
ることを見出した。
すなわち、本発明者らはこのN−(2−アミノ−3−ヒ
ドロキシベンゾイル)−L−プロリナールアセタールを
溶剤中トリメチルシリルクロライドのようなシリル化剤
で処理した後、塩化亜鉛のようなルイス酸の存在下にイ
ンドールとの縮合反応を行ったところ、一段で前記Aの
立体構造を有するティバリンが好収率で製造し得るとい
う予想外の事実を見出した。
(問題点を解決するための手段) 前記のように本発明は、ティリバリンの製造中間体とし
て極めて有用な化合物とその製造方法を提供するもので
ある。
すなわち、本発明は、一般式(I) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基を示
す)で表されるN−(2−アミノ−3−ヒドロキシベン
ゾイル)−L−プロリナールアセタール、およびこの化
合物の製造方法すなわち、N−保護−L−プロリナール
をアセタール化して、一般式(II) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基を示
し、Xは保護基を示す)で表されるN−保護−L−プロ
リナールアセタールに変換した後、保護基を除去してL
−プロリナールアセタールとし、ついでこの化合物を一
般式(III) で表される2−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸と縮合
剤の存在下に反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基を示
す)で表されるN−(2−アミノ−3−ヒドロキシベン
ゾイル)−L−プロリナールアセタールの製造方法であ
る。
本発明の前記一般式(I)で表されるN−(2−アミノ
−3−ヒドロキシベンゾイル)−L−プロリナールアセ
タールとしては、具体的にはジメチルアセタール、ジエ
チルアセタール、エチレンアセタールなどが挙げられ
る。
これらの化合物を製造する方法は、次のようである。
この方法で用いるN−保護−L−プロリナールのイミノ
基を常法により保護して得られる。保護基としては、通
常ペプチド合成における種々の保護基が使用できる。中
でもとくにその除去の容易さから置換または無置換のベ
ンジルオキシカルボニル基または第3級ブトキシカルボ
ニル基が多用される。
この方法では、このN−保護−L−プロリナールを、ま
ずアセタール化して一般式(II)のN−保護−L−プロ
リナールアセタールとする。
アセタール化の方法としては、アルデヒド基をアセター
ルに変換できる各種の方法を適用することができる。
その具体的一例として、酸性触媒下に、炭素数1〜4の
アルコールと反応させる方法、あるいはオルトエステル
を用いる方法等が適用できる。
このような方法で使用される酸性触媒としては、塩酸、
硫酸、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、臭化水素、
P−トルエンスルホン酸、三弗化硼素エーテル錯体、リ
ン酸、イオン交換樹脂または塩化アルミニウムのポリマ
ー錯体等が挙げられる。
これらの酸性触媒の使用量は通常ごく少量でよく、原料
のN−保護−L−プロリナールに対して0.5〜30モル%
の範囲である。
このアセタール化の反応操作はとくに限定されず、好ま
しい操作の態様としては、原料をアルコール中に添加
し、さらに酸性触媒を添加して0℃以上、好ましくは20
℃乃至溶媒の沸点までの範囲の温度で反応させればよ
い。
生成した水を反応系外に除去する方法を用いることもで
きる。
また、オルトエステルを用いる方法は同じくアルコール
溶媒中、塩化セリウム、塩化アンモニウム、塩化セシウ
ム、硝酸アンモニウム、塩酸、硫酸、塩化鉄、P−トル
エンスルホン酸または強酸性イオン交換樹脂等の触媒の
存在下に1当量以上、好ましくは1.1当量以上のオルト
エステルと0℃以上、好ましくは20℃以上、溶媒の沸点
範囲で実施される。オルトエステルとしてはオルト蟻酸
エステル類またはオルト珪酸エステル類等であり、具体
的にはオルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト蟻
酸プロピル、オルト蟻酸ブチル、オルト珪酸メチル、オ
ルト珪酸エチル、オルト珪酸プロピルまたはオルト珪酸
ブチル等の炭素数1〜4のオルトアルキルエステルが多
用される。
触媒の使用量は、原料のN−保護プロリナールに対して
0.1当量〜2当量、好ましくは1当量使用する。
上記の方法により得られるN−保護−L−プロリナール
アセタールから保護基を除去する方法としては、保護基
に対応する最適の方法を適用すればよい。例えば、保護
基として置換または無置換のベンジルオキシカルボニル
基を用いた場合には、有機溶媒中、パラジウムブラッ
ク、パラジウム炭素、パラジウムシリカのようなパラジ
ウム触媒の存在下に接触還元する方法が多用される。こ
の場合、使用する有機溶媒は反応に不活性なものであれ
ば特に限定はなく、一例をあげれば、メタノールまたは
エタノール等の低級アルコール系溶媒、ベンゼン、トル
エン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサン等の炭
化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフランまたはジオキサン等のエーテ
ル系溶媒、酢酸エチルまたは酢酸ブチル等のエステル系
溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミドまたはN−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒
等が挙げられる。
また、パラジウム触媒はN−保護−L−プロリナールア
セタールに対して0.1重量%以上、好適には0.5重量%以
上であり、上限は特に限定がないが、50重量%までで用
いれば十分である。
還元温度は、0℃乃至溶媒の沸点の範囲で任意に選ぶこ
とができる。
また、保護基として、第3級ブトキシカルボニル基を用
いた場合には同じく反応に不活性な溶媒中、酸との接触
により除去できる。酸としては、通常は塩化水素または
トリフルオロ酢酸が多用される。その使用量はN−第3
級ブトキシカルボニル−L−プロリナールアセタールに
対して1当量以上が好適であり、酸との接触温度は0℃
乃至溶媒の沸点の範囲である。
上記のようにしてL−プロリナールアセタールが遊離の
形態または酸付加塩の形態で生成するが、これらは単離
して次の反応に用いることも、また単離せずに溶液状態
のまま、または溶媒を蒸発乾凅した残渣の形でつぎの反
応に使用することができる。
L−プロリナールアセタールと一般式(III)の2−ア
ミノ−3−ヒドロキシ安息香酸との反応は有機溶媒中、
縮合剤の存在下に実施される。
使用される溶媒は、反応に対して不活性のものであれ
ば、とくに制限なく、例えば、脱保護基の反応で用いた
溶媒と同一の種類の溶媒を挙げることが出来る。
縮合剤としてはペプチド合成に使用される種々の縮合剤
を用いることができる。具体的には、N,N′−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、
ジエチルリン酸ジアニドまたはジフェニルリン酸アジド
等が挙げられる。これらの縮合剤の使用量はL−プロリ
ナールアセタールまたは2−アミノ−3−ヒドロキシ安
息香酸に対して1当量以上である。またこの縮合反応の
温度はプロリン核のラセミ化を抑制することから、80℃
以上、好ましくは−20〜50℃である。
以上のようにしてN−(2−アミノ−3−ヒドロキシベ
ンゾイル)−L−プロリナールアセタールが生成する。
この生成物は反応液から適当な方法で処理して粗製物を
得た後、各種の精製手段、例えばシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー等の手段で精製物を得ることができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 N−(2−アミノ−3−ヒドロキシベンゾイル)−L−
プロリナールジメチルアセタールの合成。
N−第三級ブトキシカルボニル−L−プロリナール797m
g(4mmol)に塩化セリウムの0.4Mメタノール溶液10ml
(4mmol)を加え、室温で攪拌下オルトギ酸メチル3.1ml
を滴下して加えた。室温で30分間攪拌後、50℃で21時間
反応させた。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液80
ml中に注ぎ、エーテル80mlで3回抽出し、抽出液を10%
クエン酸30ml、水30mlさらに飽和食塩水30mlで洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾別し、濾液を減圧下
に濃縮乾固し、粗のN−第三級ブトキシカルボニル−L
−プロリナールジメチルアセタールを781mg得た。これ
を酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5の溶剤を用いてシリカ
ゲルカラムクロマトクラフィーにて精製し無色油状物の
精製品を59%の収率で得た。
赤外吸収スペクトル(νneatcm-1): 2960,1690 N−第三ブトキシカルボニル−L−プロリナールジメチ
ルアセタール294mg(1.2mM)に10%塩化水素−メタノー
ル2mlを加え、室温で1時間攪拌反応した。反応終了後
溶媒を減圧濃縮してプロリナールジメチルアセタール塩
酸塩を得る。このもの及び2−アミノ−3−ヒドロキシ
安息香酸153mg(1mM)をジメチルホルムシアミド8mlに
溶解した。これに0℃でジイソプロピルエチルアミン28
4mg(2.2mM)を加え10分間攪拌する。ついでジエチルリ
ン酸シアニド163mg(1mM)のジメチルホルムアミド2ml
溶液を0℃で1時間、室温で2時間攪拌反応させた。さ
らにジエチルリン酸シアニド49mg(0.3mM)のジメチル
ホルムアミド1ml溶液を室温で加え1.5時間室温で攪拌反
応させた。ジメチルホルムアミドを減圧留去後、残留物
を酢酸エチル−ベンゼン(1:1)100mlに溶解し、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧
留去し赤かっ色油状物315mgを得た。これをクロロホル
ム−メタノール−ベンゼン(15:1:3)の混液を用い、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色油状
物のN−(2−アミノ−3−ヒドロキシベンゾイル)−
L−プロリナールジメチルアセタール194mg(収率69
%)を得た。
赤外吸収スペクトル(cm-1): 3450,3360,3180 2950,1620 実施例2 N−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリナール4.66
g(20mmol)に塩化セリウムの0.4Mメタノール溶液50ml
(20mmol)を加え、つぎに室温で攪拌しながらオルト蟻
酸メチル15.3mlを滴下した。室温で30分間攪拌した後、
50℃で15時間反応させた。反応液を5%炭酸水素ナトリ
ウム200mlに添加し、エーテル200mlで3回抽出した。
抽出液を水100ml、飽和食塩水100mlで洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。濾過し濾液を減圧下に蒸発乾固
することにより粗N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリナールジメチルアセタール5.01g(収率89.7%)
を得た。このうち1.901gをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開剤:酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2(体
積比)で精製し、1.765g(収率83.2%)の純品を無色油
状物として得た。
赤外吸収スペクトル(cm-1); 2950、1700 NMRスペクトル(δ) 1.5〜2.4(4H,多重線) 3.1〜3.9(多重線) 3.4(一重線)合わせて8H 3.9〜4.2(1H,多重線) 4.7(1H,一重線) 5.2(2H,多重線) 7.4(5H,多重線) N−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリナールジメ
チルアセタール1.0gをテトラヒドロフラン20mlに溶解
し、5%パラジウム炭素1gを加え、水素を室温で3時間
通した。触媒を濾別し15mlのテトラヒドロフランで触媒
を洗浄した。
濾液と洗浄液を合せL−プロリナールジメチルアセター
ル溶液を得た。こうして得たL−プロリナールジメチル
アセタールを用い実施例1の場合と同様にしてN−(2
−アミノ−3−ヒドロキシベンゾイル)−L−プロリナ
ールジメチルアセタールを得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基を示
    す)で表されるN−(2−アミノ−3−ヒドロキシベン
    ゾイル)−L−プロリナールアセタール。
  2. 【請求項2】N−保護−L−プロリナールをアセタール
    化して一般式(II) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基を示
    し、Xは保護基を示す)で表されるN−保護−L−プロ
    リナールアセタールに変換した後、保護基を除去してL
    −プロリナールアセタールとし、ついでこの化合物を一
    般式(III) で表される2−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸と縮合
    剤の存在下に反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキル基を示
    す)で表されるN−(2−アミノ−3−ヒドロキシベン
    ゾイル)−L−プロリナールアセタールの製造方法。
JP61211239A 1986-09-08 1986-09-08 N−(2−アミノ−3−ヒドロキシベンゾイル)−l−プロリナ−ルアセタ−ルおよびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0791264B2 (ja)

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KR100569156B1 (ko) * 1999-05-15 2006-04-10 씨제이 주식회사 프롤린 유도체 및 이의 제조방법

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第28回天然有機化合物討論会講演要旨集,P.481−7(昭和61年9月9日発行)

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