JPH10237002A - 新規な非対称ツイン化合物及びこれを含む液晶組成物 - Google Patents

新規な非対称ツイン化合物及びこれを含む液晶組成物

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JPH10237002A
JPH10237002A JP5709697A JP5709697A JPH10237002A JP H10237002 A JPH10237002 A JP H10237002A JP 5709697 A JP5709697 A JP 5709697A JP 5709697 A JP5709697 A JP 5709697A JP H10237002 A JPH10237002 A JP H10237002A
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JP
Japan
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group
compound
liquid crystal
cyano
cyanobiphenyl
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Application number
JP5709697A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yoshizawa
篤 吉沢
Tomomi Okada
知巳 岡田
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スメクティック液晶組成物に含有させること
により、外部から強い力を加えなくても、層構造の変化
を誘起しうる弱いスメクティック相となすことができ
る、新規な非対称ツイン化合物及びこれを含む液晶組成
物を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 (上記式中、Rはアルキル基またはアルコキシ基、Aお
よびBはピリミジン基、フェニル基、ピリジン基、シク
ロヘキサン基またはシクロヘキセン基、Yは単結合また
はエステル結合、Xはシアノ基、トリフロロメチル基、
トリフロロメトキシ基、フルオロ基、ニトロ基またはメ
トキシ基、およびnは2〜18を示す)で表される新規
な非対称ツイン化合物及びこの非対称ツイン化合物を含
有する液晶組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶材料に添加する
ことにより、その配列状態を変化させて液晶の性質を改
善することができる新規な非対称ツイン化合物、および
これを含む液晶組成物、特にはスメクティック液晶組成
物に関する。この液晶組成物、特にスメクティック液晶
組成物はディスプレイ、記録素子、ライトバルブあるい
はプロジェクター等のオプトエレクトロニクス関連素子
を構成する材料として極めて有用なものである。
【0002】
【従来の技術】スメクティック液晶は層構造を有してお
り、電界や磁場などを印加する等の外部からの力によっ
てこの層構造が変化し、これに伴って分子の再配列が起
こる。この変化を分子の屈折率異方性の効果による屈折
率の変化等として認識することによって、ネマティック
液晶と同様に、スメクティック液晶もディスプレイ、記
録素子、ライトバルブ、プロジェクターなどのオプトエ
レクトロニクス関連の素子として利用されている。しか
し、このスメクティック液晶の層構造や分子配列の変化
を起こすためには、層の変形、一時的破壊あるいは欠陥
の創出等が必要であり、ネマティック液晶の分子配列の
変化を起こすのに比べ、より強い外部からの力、例え
ば、高い電界の印加が必要であるという問題があった。
【0003】なお、非対称ツイン型液晶については、ホ
ーガン(Hogan)他によって報告されている(Liquid Cryst
als 1988, 3, 645)が、本発明の化合物については全く
開示がなく、また上記のスメクティック液晶の分子再配
列に及ぼす影響についての何ら記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたもので、本発明の目的は、スメクティック液
晶組成物に含有させることにより、外部から強い力を加
えなくても、層構造の変化を誘起しうる弱いスメクティ
ック相となすことができる、新規な非対称ツイン化合物
及びこれを含む液晶組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を進めた結果、両端に構造の異
なるコア構造を有する非対称ツイン化合物を合成し、こ
れをスメクティック液晶に添加した結果、層間の架橋構
造とその非対称性のためと推測されるが、スメクティッ
ク相の層構造が著しく弱くなることを見出した。
【0006】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
で、本発明は、下記一般式(I)
【化2】 (上記式中、Rはアルキル基またはアルコキシ基、Aお
よびBはピリミジン基、フェニル基、ピリジン基、シク
ロヘキサン基またはシクロヘキセン基、Yは単結合また
はエステル結合、Xはシアノ基、トリフロロメチル基、
トリフロロメトキシ基、フルオロ基、ニトロ基またはメ
トキシ基、およびnは2〜18を示す)で表される新規
な非対称ツイン化合物、特には、前記一般式(I)の化
合物において、Aをピリミジン基、Bをフェニル基、Y
を単結合、およびXをシアノ基とした化合物、またはA
をフェニル基、Bをフェニル基、Yをエステル結合、お
よびXをシアノ基とした化合物、及びこの非対称ツイン
化合物を含ませた、特に好ましくはスメクティック相を
示す4-シアノ-4'-アルキルビフェニルまたは4-シア
ノ-4'-アルコキシビフェニル化合物、またはこれらの
少なくとも1種を含む液晶組成物に含ませたスメクティ
ック液晶組成物である。
【0007】なお、上記記一般式(I)中のRであるア
ルキル基またはアルコキシ基の炭素数は、液晶相をとる
領域の温度範囲に若干影響を与えるが、特には制限され
ない。しかし、原料入手の容易さ等から炭素数は1〜1
8のものが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】上記本発明の具体的な化合物とし
て、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-
〔4-(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニル-4'-
オキシ〕ウンデカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イ
ルオキシ)-ω-〔4-(5-オクチルピリミジン-2-イル)
フェニル-4'-オキシ〕デカン、α-(4-シアノビフェニ
ル-4'-イルオキシ)-ω-4-〔(4-オクチルフェニルカ
ルボニルオキシ)フェニル-4'-オキシ〕ウンデカン、α
-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔2-(4
-オクチルフェニル)ピリミジン-5-オキシ〕ウンデカ
ン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-
〔2-(4-オクチルフェニル)ピリミジン-5-オキシ〕
デカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω
-〔2-(4-オクチルフェニル)ピリミジン-5-オキシ〕
ノナン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω
-〔2-(4-ノニルフェニル)ピリミジン-5-オキシ〕ウ
ンデカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-
ω-〔2-(4-ヘプチルフェニル)ピリミジン-5-オキ
シ〕ウンデカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオ
キシ)-ω-〔2-(4-オクチルオキシフェニル)ピリミジ
ン-5-オキシ〕ウンデカン、α-(4-シアノビフェニル-
4'-イルオキシ)-ω-〔2-(4-オクチルオキシフェニ
ルカルボニルオキシ)フェニル-4'-オキシ〕ウンデカ
ン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-
〔4-(4-オクチルフェニルカルボニルオキシ)シクロ
ヘキシル-4'-オキシ〕ウンデカン、α-(4-シアノビフ
ェニル-4'-イルオキシ)-ω-(4-オクチルオキシビフ
ェニル-4'-オキシ)ウンデカン、α-(4-シアノビフェ
ニル-4'-イルオキシ)-ω-〔2-(4-オクチルフェニ
ル)ピリジン-5-オキシ〕ウンデカン、α-(4-シアノビ
フェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔2-(4-オクチルオキ
シフェニル)ピリジン-5-オキシ〕ウンデカン、α-(4-
シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔4-(4-ノニ
ルフェニル)ピリジン-5-オキシ〕ウンデカン、α-(4-
シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔2-(4-オク
チルフェニル)ピリジン-5-オキシ〕デカン、α-(4-シ
アノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔5-(4-オクチ
ルフェニル)ピリミジン-2-オキシ〕ウンデカン、α-
(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔5-(4-
オクチルオキシフェニル)ピリミジン-2-オキシ〕ウン
デカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω
-〔5-(4-オクチルフェニル)ピリミジン-2-オキシ〕
ドデカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-
ω-〔4-(5-オクチルピリジン-2-イル)フェニル-4'
-オキシ〕ウンデカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-
イルオキシ)-ω-〔4-(5-オクチルオキシピリミジン-
2-イル)フェニル-4'-オキシ〕ウンデカン、α-(4-シ
アノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔4-(5-ペンチ
ルピリミジン-2-イル)フェニル-4'-オキシ〕ウンデカ
ン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-
〔4-(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニル-4'-
オキシ〕ドデカン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イル
オキシ)-ω-〔4-(5-オクチルピリミジン-2-イル)フ
ェニル-4'-オキシ〕ノナン、α-(4-シアノビフェニル
-4'-イルオキシ)-ω-〔4-(5-オクチルピリミジン-
2-イル)フェニル-4'-オキシ〕オクタン、α-(4-シア
ノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔4-(5-オクチル
ピリミジン-2-イル)フェニル-4'-オキシ〕ヘプタン、
α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔4-
(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニル-4'-オキ
シ〕ヘキサン、α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキ
シ)-ω-〔4-(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニ
ル-4'-オキシ〕ペンタン等を例示することができる。
【0009】これらの化合物のうち、代表的なものにつ
いて理化学的性質を次に示す。
【0010】α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキ
シ)-ω-〔4-(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニ
ル-4'-オキシ〕ウンデカン
【化3】 H-NMR(sol;CDCl3,TMS基準δ):0.88(t,3H)、1.
27〜1.83(m,30H)、2.59(t,2H)、3.98(t,2
H)、4.02(t,2H)、6.96(d,2H)、6.98(d,2H)、
7.51(d,2H)、7.62(d,2H)、7.67(d,2H)、8.3
3(d,2H)、8.55(s,2H) IR(KBr,cm-1):2920、2860、2210、16
05、1580、1490、1465、1425、12
40、1160、990、820、795 MS[M/Z]:631[M+]、284
【0011】α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキ
シ)-ω-〔4-(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニ
ル-4'-オキシ〕デカン
【化4】 H-NMR(sol;CDCl3,TMS基準δ):0.88(t,3H)、1.
26〜1.83(m,28H)、2.59(t,2H)、4.00(t,2
H)、4.02(t,2H)、6.96(d,2H)、6.98(d,2H)、
7.51(d,2H)、7.62(d,2H)、7.67(d,2H)、8.3
3(d,2H)、8.55(s,2H) IR(KBr,cm-1):2920、2860、2210、16
05、1580、1495、1465、1425、12
40、1160、1010、820、795 MS[M/Z]:617[M+]、297、185
【0012】α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキ
シ)-ω-〔4-(4-オクチルフェニルカルボニルオキシ)
フェニル-4'-オキシ〕ウンデカン
【化5】 H-NMR(sol;CDCl3,TMS基準δ):0.88(t,3H)、1.
27〜1.80(m,30H)、2.68(t,2H)、3.95(t,2
H)、4.00(t,2H)、6.90(d,2H)、6.98(d,2H)、
7.08(d,2H)、7.29(d,2H)、7.51(d,2H)、7.6
2(d,2H)、7.67(d,2H)、8.08(d,2H) IR(KBr,cm-1):2920、2850、2210、17
35、1600、1580、1490、1465、14
15、1390、1240、1170、1060、82
0、800 MS[M/Z]:673[M+]、478、347、217
【0013】α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキ
シ)-ω-〔2-(4-オクチルフェニル)ピリミジン-5-オ
キシ〕ウンデカン
【化6】 H-NMR(sol;CDCl3,TMS基準δ):0.87(t,3H)、1.
27〜1.83(m,30H)、2.65(t,2H)、4.00(t,2
H)、4.08(t,2H)、6.98(d,2H)、7.26(d,2H)、
7.51(d,2H)、7.62(d,2H)、7.67(d,2H)、8.2
2(d,2H)、8.42(s,2H) MS[M/Z]:631[M+]、284
【0014】上記一般式(I)の化合物のうち、Aがピ
リミジン基、Bがフェニル基、Yが単結合、XがCNか
らなる化合物は、次の合成スキームに示す方法で得られ
る。
【数1】
【0015】すなわち、4-シアノ-4'-ヒドロキシビフ
ェニルをハロゲン化アルコールでアルキル化した後、5
-アルキル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンと反
応させることによって得られる。ここで用いられる5-
アルキル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジンは市
販の試薬を原料として、H. Zaschkeの方法(Journal ofP
rakt. Chem. 1975, 317, p617)に従って合成することが
できる。
【0016】上記第1段目のアルキル化反応は、シクロ
ヘキサノン中で炭酸カリウムのような塩基、また、エタ
ノール中で水酸化ナトリウムのような塩基を用いて行う
ことができる。第2段目のエーテル化反応は、テトラヒ
ドロフラン中で、ジエチルアゾジカルボン酸ジエステル
とトリフェニルホスフィンを用いることにより容易に進
行させることができる。
【0017】なお、上記ハロゲン化アルコールの代わり
に、α,ω-ジブロモアルカンを用いて、アルキル化を繰
り返すことにより、前述の一般式(I)のnの数が任意
で、2以上の化合物を得ることができる。
【0018】さらに、上記の合成において、4-シアノ-
4'-ヒドロキシビフェニル以外に、4-トリフロロメチ
ル-4'-ヒドロキシビフェニル、4-トリフロロメトキシ
-4'-ヒドロキシビフェニル、4-フルオロ-4'-ヒドロ
キシビフェニル、4-ニトロ-4'-ヒドロキシビフェニ
ル、4-メトキシ-4'-ヒドロキシビフェニル等の化合物
を、また、5-アルキル-2-(4-ヒドロキシフェニル)ピ
リミジン以外に、下記化7に示した化合物群から選択さ
れた1種を用いることにより、前述の一般式(I)中のA
およびBがピリミジン基、フェニル基、ピリジン基、シ
クロヘキサン基またはシクロヘキセン基、Yは単結合ま
たはエステル結合、Xはシアノ基、トリフロロメチル
基、トリフロロメトキシ基、フルオロ基、ニトロ基また
はメトキシ基の組合せの異なる各種化合物を得ることが
できる。
【化7】
【0019】これらの組合せのことなる各種化合物は、
いずれも非対称のツイン化合物で、当該化合物のコア部
分がスメクティック液晶化合物のコア部分と構造相関性
が高いため、スメクティック液晶の層間で架橋構造をと
り、外部から強い力を加えなくても、層構造の変化を誘
起しうる弱いスメクティック相となすことができるもの
であることは極めて容易に推測できる。
【0020】本発明の一般式(I)の化合物は、単独で
も液晶相を持っており、液晶組成物として用いることが
できるが、特には、スメクティック相を示す、アルキル
基またはアルコキシ基の炭素数が8〜12の4-シアノ-
4'-アルキルビフェニルまたは4-シアノ-4'-アルコキ
シビフェニル化合物、またはこれらの少なくとも1種を
含む液晶組成物に添加することにより、外部からの弱い
力の印加であっても、層構造を容易に変化させることが
できるスメクティック液晶組成物とすることができる。
この場合、上記一般式(I)の化合物の添加量は、添加
するスメクティック液晶組成物の種類や添加する本化合
物の種類によっても異なるため、一概には言えないが、
0.5〜20重量%となるような範囲から適宜選定し
て、添加するとよい。
【0021】
【実施例】
(実施例1)α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-[4-
(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニル-4'-オキ
シ]ウンデカン 合成 11-ブロモ-1-ウンデカノール20gと4-シアノ-4'-
ヒドロキシビフェニル10gをシクロヘキサノン100m
lに溶解し、炭酸カリウム27gを加え、5時間加熱還流
した。固形物を除去して溶媒を留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン
/酢酸エチル=10/1)で精製し、酢酸エチルを用い
て再結晶して、4-シアノ-4'-(11-ヒドロキシウンデ
カニルオキシ)ビフェニルを17g得た。
【0022】この4-シアノ-4'-(11-ヒドロキシウン
デカニルオキシ)ビフェニル1.8gと5-オクチル-2-
(4-ヒドロキシフェニル)ピリミジン1.4gをテトラヒ
ドロフラン20mlに溶解し、ジエチルアゾジカルボキシ
レート1.3gとトリフェニルホスフィン2gを加え、6
0℃で4時間撹拌した。溶媒を留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン
/酢酸エチル=10/1)で精製し、酢酸エチル/トル
エン(10/1)を用いて再結晶して、純度(HPLC)9
9.4%の標記化合物1.3gを得た。この化合物の理化
学的性質は前述したとおりであった。
【0023】物性測定 上記化合物をガラスにはさみ、偏光顕微鏡により相転移
温度を測定したところ、128℃で液体からネマティッ
ク相となり、115℃でスメクティックA(SmA)相とな
った後、92℃でスメクティックCA(SmCA)相となっ
た。ここにいうSmCA相とは隣接層で分子の傾く向きが逆
のスメクティックC相のことである。この相転移は示差
走査熱量計(DSC)を用いた測定でも確認された。また、
偏光顕微鏡では、100℃近傍でテクスチャーが変化
し、異なる種類のSmA相間の相転移が生じた可能性を示
す現象が観察された。また、昇温時は固体から104℃
でSmA相へと変化し、115℃でネマティック相とな
り、129℃で等方性液体へと相転移した。
【0024】4-シアノ-4'-オクチルオキシビフェニル
(A)に上記化合物を2重量%または10重量%添加して
液晶組成物BとCを調製した。これらの組成物の降温時
の相転移温度を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】これらの液晶組成物BとCのスメクティッ
ク相の層構造の強さを評価するため、これらの組成物を
ITO膜、ポリイミド配向膜を有し、ラビング処理を施
した2枚のガラス板からなる厚さ3μmのセルに注入
し、SmAをホモジニアス配向させた。これらのセルに、
50℃でそれぞれ電界を印加し、偏光顕微鏡により液晶
の配列状態の変化を光の透過量の変化で観察した。電界
を印加しない状態での光の透過量を100%とした時の
印加電界(mV/m)に対する透過量(%)の変化を表2に示し
た。なお、比較のため、上記液晶化合物Aについても全
く同様にして透過量の変化を測定し、その結果も表2に
併記した。
【0027】
【表2】
【0028】同様にして、4-シアノ-4'-ノニルオキシ
ビフェニル(D)に上記化合物を10重量%添加した液晶
組成物Eと4-シアノ-4'-デシルオキシビフェニル(F)
に上記化合物を10重量%添加した液晶組成物Gを調製
し、降温時の相転移温度と電界強度と透過光量の関係を
測定した。表3に相転移温度の測定結果を、また表4に
電界強度と透過光量の関係をそれぞれ示した。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】(実施例2)α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔4-
(5-オクチルピリミジン-2-イル)フェニル-4'-オキ
シ〕デカン 合成 実施例1の合成において、11-ブロモ-1-ウンデカノ
ールに代えて、10-ブロモ-1-デカノールを用いた以
外は、同様の方法により、純度(HPLC)100%の標記化
合物を得た。この化合物の理化学的性質は前述したとお
りであった。
【0032】物性評価 上記化合物について、実施例1と同様に降温時における
相転移温度を測定したところ、145℃で液体からネマ
ティック相となり、141℃でSmA相となり、116℃
で結晶化した。
【0033】(実施例3)α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-(4-オ
クチルフェニルカルボニルオキシフェニル-4'-オキシ)
ウンデカン 合成 4-シアノ-4'-(11-ヒドロキシウンデカニルオキシ)
ビフェニル1.8gと4-オクチル安息香酸-4-ヒドロキ
シフェニルエステル1.6gをテトラヒドロフラン15ml
に溶解し、ジエチルアゾジカルボキシレート1.3gとト
リフェニルホスフィン2gを加え、室温で一晩撹拌し
た。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン=4/1)で
精製し、酢酸エチル/エタノール(1/1)を用いて再結
晶して、純度(HPLC)97.3%の標記化合物1.5gを得
た。この化合物の理化学的性質は前述したとおりであっ
た。
【0034】物性評価 上記化合物について、実施例1と同様に降温時における
相転移温度を測定したところ、液体から121℃で、ネ
マティック相となり、64℃で結晶化した。表5に示し
た4種類のシアノビフェニル化合物を同表に示した割合
で混合し、スメクティック液晶相をとる組成物Hを調製
した。
【0035】
【表5】
【0036】液晶組成物Hに上記化合物を10重量%添
加して液晶組成物Iを調製した。これらの組成物につい
て、実施例1と同様にして、降温時の相転移温度と電界
強度と透過光量の関係を測定した。表6に相転移温度の
測定結果を、また表7に電界強度と透過光量の関係をそ
れぞれ示した。
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】(実施例4)α-(4-シアノビフェニル-4'-イルオキシ)-ω-〔2-
(4-オクチルフェニル)ピリミジン-5-オキシ)〕ウンデ
カン 合成 4-シアノ-4'-(11-ヒドロキシウンデカニルオキシ)
ビフェニル0.55gと2-(4-オクチルフェニル)-5-ヒ
ドロキシピリミジン0.43gをテトラヒドロフラン10
mlに溶解し、ジエチルアゾジカルボキシレート0.3gと
トリフェニルホスフィン0.43gを加え、系内の温度を
20℃以下に保ちながら、26時間撹拌した。溶媒を留
去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:トルエン/酢酸エチル=20/1)で精製した後、
酢酸エチル-エタノール混合溶媒から再結晶して、標記
化合物0.44gを得た。この化合物の理化学的性質は前
述したとおりであった。
【0040】物性評価 上記化合物について、実施例1と同様に降温時における
相転移温度を測定したところ、124℃で液体からネマ
ティック相となり、92℃でSmA相となった後、75℃
で結晶化となった。
【0041】この化合物を実施例1と同様に、4-シア
ノ-4'-オクチルオキシビフェニル(A)に2重量%添加
し、液晶組成物Jを調製した。この組成物Jの降温時の
相転移温度は、80℃で液体からネマティック相とな
り、64℃でSmA相となった。
【0042】これらの組成物について、実施例1と同様
にして、降温時の相転移温度と電界強度と透過光量の関
係を測定した。この結果を表8に示した。
【0043】
【表8】
【0044】以上の結果から明らかなように、本発明の
化合物を添加することより液晶の配列状態の変化を起こ
すに必要な印加電圧を著しく低下できることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明の化合物は、スメクティック液晶
組成物に含有させることにより、層構造を著しく弱め、
外部から強い力を加えなくても、層構造の変化を誘起し
うる弱いスメクティック相となすことができるという格
別の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 213/63 C07D 213/63 213/79 213/79 239/26 239/26 C09K 19/12 C09K 19/12 19/30 19/30 19/34 19/34 19/42 19/42 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (上記式中、Rはアルキル基またはアルコキシ基、Aお
    よびBはピリミジン基、フェニル基、ピリジン基、シク
    ロヘキサン基またはシクロヘキセン基、Yは単結合また
    はエステル結合、Xはシアノ基、トリフロロメチル基、
    トリフロロメトキシ基、フルオロ基、ニトロ基またはメ
    トキシ基、およびnは2〜18を示す)で表される新規
    な非対称ツイン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した化合物が、Aはピリ
    ミジン基、Bはフェニル基、Yは単結合、およびXはシ
    アノ基であることを特徴とする新規な非対称ツイン化合
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した化合物が、Aはフェ
    ニル基、Bはフェニル基、Yはエステル結合、およびX
    はシアノ基であることを特徴とする新規な非対称ツイン
    化合物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した非対称ツイン化合物
    を含むことを特徴とする液晶組成物。
  5. 【請求項5】 スメクティック相を示す4-シアノ-4'-
    アルキルビフェニルまたは4-シアノ-4'-アルコキシビ
    フェニル化合物、またはこれらの少なくとも1種を含む
    液晶組成物に、請求項2または3に記載された化合物を
    添加したことを特徴とするスメクティック液晶組成物。
JP5709697A 1997-02-26 1997-02-26 新規な非対称ツイン化合物及びこれを含む液晶組成物 Pending JPH10237002A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015523334A (ja) * 2012-05-25 2015-08-13 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung ビメソゲン化合物およびメソゲン媒体
JP2017535646A (ja) * 2014-11-11 2017-11-30 メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングMerck Patent GmbH ビメソゲン化合物及びメソゲン媒体

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